JP3913801B2 - バランスウエイト装着装置及びバランスウエイト装着方法 - Google Patents

バランスウエイト装着装置及びバランスウエイト装着方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気調和機(以下、「エアコン」と称する)に組み込まれた横流ファンを構成するフィン等の薄い板状の部材にバランスウエイト等の弾性を有するクリップ状のバランスウエイトを装着するバランスウエイト装着装置に関し、特にバランスウエイトを保持する保持ハンドの動作を単純化させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアコンには室内に空気を通流させるために図13に示すような横流ファン10が組み込まれている。この横流ファン10は、円柱状に組み立てられた骨組み11と、この骨組み11に支持された複数の湾曲形状のフィン12とから構成されている。フィン12は回転軸13を中心に円周方向に沿って配置されている。
【0003】
このような横流ファン10を回転軸13回りに回転駆動する際には、ウエイトバランスを調整することにより回転動作を安定させる必要がある。ウエイトバランスを調整する方法としては、横流ファン10を高速回転駆動機構(不図示)により高速回転させて重量を調整すべきフィン12を検出し、このフィン12に図13に示すようなクリップ状のバランスウエイト20を挟んで装着する方法が一般的に用いられている。
【0004】
このバランスウエイト20は図14の(a)に示すように弾性を有する金属板21を長片21aと短片21bとが形成されるように非対称に屈曲させて形成されている。なお、図14中22は開口部である。
【0005】
なお、このようなバランスウエイト20をフィン12に取り付ける作業は手作業により行われている。このため、生産効率を上げるためにバランスウエイト20を特定のフィン12に取り付けるためにバランスウエイト12を装着ハンド等によって保持し、フィン12に挿入して装着するバランスウエイト装着装置の実現が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような形状を有するバランスウエイト20をエアコン用の横流ファン10のフィン12に装着ハンドを用いて装着しようとする場合には次のような問題があった。
【0007】
第1に、バランスウエイト20を取り付けるべきフィン12に対して高精度に位置決めできないため、挿入が非常に困難となるという問題がある。
すなわち、一般的に用いられている横流ファン10は自然な風を送るためにフィン12の円周方向分布が一様には形成されていない。このため、フィン12同士の間隔が最も詰まっているところの角度差は9度程度となる場合がある。例えば、直径が95mmの横流ファン10の場合ではフィン12同士の間隔が約3mmとなる。このため、バランスウエイト20を挿入するには高い位置決め精度が要求される。
【0008】
しかしながら、バランスウエイト20の装着は上述した高速回転機構により横流ファン10を支持した状態のまま行うのが一般的である。しかし、高速回転機構の回転位置決め精度を高くするのは設計上困難である。このため、フィン12の位置が最大でプラスマイナス3度の範囲でずれる虞があった。
【0009】
ここで、バランスウエイト20をフィン12に挿入するのに適した姿勢を求める。すなわち、フィン12は通常、比較的柔らかいプラスチック材で形成されているため、過大な力をかけると変形したり、破損したりする虞があった。したがって、挿入する場合には最小の挿入力で行う必要がある。ところで、バランスウエイト20をフィン12に挿入する場合において、図14の(b)に示すようにバランスウエイト20の曲率R′とフィン12の曲率Rとがほぼ等しいことから、曲面同士を合わせて挿入すると最も小さい力で挿入することができることがわかる。すなわち、バランスウエイト20の開口部22にフィン12の先端12aが対向するように位置決めすることが望ましいが、上述したように、開口部22にフィン12の先端12aを精度よく位置決めするのは困難である。
【0010】
一方、フィン12に対してバランスウエイト20を立てた状態、すなわちフィン12の曲面とバランスウエイト20の曲面との角度を大きくすると、多少の誤差があってもフィン12とバランスウエイト20とを接触させることができる。
【0011】
しかしながら、この状態でフィン12にバランスウエイト20を押し付けると、バランスウエイト20の開口部22の開度が大きくなる。すなわち、短片21bの弾性力に抗して入るため、挿入力が大きくなる。なお、フィン12とバランスウエイト20との角度関係によっては全く挿入することができない場合もある。また無理やりこじ開けて装着すると、塑性変形が起きて、開口部22が開き気味になり、弾性力によってフィン12を挟み付けるという機能が低下し、エアコンの運転中にバランスウエイト20がフィン12から脱落する虞もある。
【0012】
なお、図14の(c)に示すように破線Nで示す部分にフィン12の先端が位置決めされるのが理想的である。
第2に、バランスウエイト20はフィン12の形状に合わせて湾曲して形成されている。例えば、長片21a及び短片21b側から把持しようとすると、把持力の調整が難しい。すなわち、把持力が強いと開口部22が狭くなり、フィン12に挿入する際に必要な挿入力が大きくなり、把持力が弱いとバランスウエイト20を落としやすくなる。また長片21a及び短片21bの厚みはバランスウエイト20を製造する上で最もばらつきが大きいところでもあるため、装着ハンドによる把持力の調整が困難である。
【0013】
なお、湾曲部21cはR形状をしているので把持するのには適さず、また、長片21aや短片21bの側縁部も製造の際のプレス打ち抜きのバリが出ており、装着ハンドの爪等に引っ掛けたりする虞があるため適さない。
【0014】
一方、ウエイトバランスを調整する方法としては、上述したバランスウエイト20をフィンに取り付ける方法以外の方法も考えられている。例えば、特定のフィン12に重量を加える方法を付加法といい、これに対し特定のフィン12の重量を減らす方法を除去法という。付加法としては、樹脂をフィン12に必要量塗布する方法やボルト等をフィン12に埋め込む方法がある。また、除去法としては、フィン12のフランジ等を削る方法がある。このようなクリップ状のバランスウエイト20を用いない他のウエイトバランスの調整方法は、自動化に際しては上述したような複雑な動作を必要としないと考えられる。
【0015】
しかしながら、クリップ状のバランスウエイト20を用いない上記のようなウエイトバランス調整法は現段階では一般的には用いられていないため、十分な使用実績のあるクリップ状のバランスウエイト20を用いたウエイトバランスの調整方法を行うことができる装置が求められている。
【0016】
そこで本発明は、現在用いられているフィンの形状やクリップ状のバランスウエイトの形状を変更することなく、円滑にフィンにバランスウエイトを装着することができるバランスウエイト装着装置及びバランスウエイト装着方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明では、所定軸を中心とした同一円周上に沿って配置された複数枚のフィンを備えた回転ファンの所定のフィンに、長片と短片とが形成される如く屈曲するとともに、弾性を有する材料にて形成されたバランスウエイトを上記長片と上記短片とで挟まれた空間の上記短片の端部側から弾性力に抗して上記空間内に上記フィンを挿入するように装着し、その弾性力により上記フィンに固定するバランスウエイト装着装置において、上記回転ファンを上記所定軸回りに軸支する回転ファン支持部と、上記バランスウエイトを上記バランスウエイトの上記長片の上記短片側の面が上記フィン側に向いた第1の姿勢において支持するバランスウエイト装着ハンドと、上記バランスウエイトの上記面の上記短片と対向していない任意の位置を上記フィンの先端部に最初に接触させ、上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間内の所定位置に達する位置まで上記バランスウエイト装着ハンドに支持された上記バランスウエイトを移動させる第1移動手段と、この第1移動手段により移動している上記バランスウエイトの上記面に上記フィンの先端部が接触したことを検出する検出手段と、この検出手段により上記接触が検出された時点における上記バランスウエイトの姿勢が上記フィンを上記バランスウエイトの上記空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定する判定手段と、この判定手段により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していないと判定された場合に上記回転ファンを上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間に近付く側に前記検出手段による検出が解除されるまで回転させる回転駆動手段と、上記判定手段により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していると判定された場合に上記回転ファンの姿勢を保持させる停止手段と、上記バランスウエイト装着ハンドは、上記バランスウエイトをその屈曲部に沿った軸回りに軸支する軸体と、この軸体により軸支された上記バランスウエイトを上記第1の姿勢に規定するバランスウエイト規定手段と、この軸体の軸方向に対して平行な面を有し、上記バランスウエイトが上記フィンとの接触により発生する接触力に抗して上記バランスウエイトを支持するとともに、上記バランスウエイトが上記第2姿勢に達したときに上記バランスウエイトを上記フィン方向に押圧する押圧部とを具備し、上記第1移動手段は、上記バランスウエイト装着ハンドを上記バランスウエイトが上記第2姿勢に達するまで移動する第1段階移動手段と、上記第2姿勢に達した上記バランスウエイトを上記バランスウエイト装着ハンドの上記押圧部により上記フィンの先端部が上記バランスウエイトの上記空間内の上記最奥位置に達するまで移動する第2段階移動手段とを備えるようにした。
【0020】
請求項に記載された発明では、請求項に記載された発明において、上記バランスウエイト規定手段は、上記バランスウエイト装着ハンドに近接して配置され、上記バランスウエイトの上記長片の上記短片と反対側の面に当接する当接部と、上記当接部を上記バランスウエイトを第1の姿勢に規定する方向と反対に退避する方向に移動させる当接部移動手段とを具備することが好ましい。
【0021】
請求項に記載された発明では、請求項1に記載された発明において、上記検出手段は、上記バランスウエイト装着ハンドに設けられた荷重センサを備えていることが好ましい。
【0022】
請求項に記載された発明では、請求項1に記載された発明において、上記第2の姿勢は、上記押圧部が押圧する方向と上記フィンの先端部が上記第1方向と上記バランスウエイトの上記空間の奥に向かう方向とがほぼ一致する姿勢であることが好ましい。
【0023】
請求項に記載された発明では、請求項1に記載された発明において、上記判定手段は、上記フィンの先端部と上記バランスウエイトとの相対位置に基づいて上記バランスウエイトの姿勢を算出する算出手段を備えていることが好ましい。
【0024】
請求項に記載された発明では、請求項に記載された発明において、上記算出手段は、上記第1の姿勢の上記バランスウエイトと上記フィンの先端部とが接触した時点における上記フィンの上記円周方向における相対位置に基づいて算出することが好ましい。
【0025】
請求項7に記載された発明は、所定軸を中心とした同一円周上に沿って配置された複数枚のフィンを備えた回転ファンの所定のフィンに、長片と短片とが形成される如く屈曲するとともに、弾性を有する材料にて形成されたバランスウエイトを上記長片と上記短片とで挟まれた空間の上記短片の端部側から弾性力に抗して上記空間内に上記フィンを挿入するように装着し、その弾性力により上記フィンに固定するバランスウエイト装着方法において、上記バランスウエイトの上記長片の上記短片側の面の上記短片と対向していない任意の位置と上記フィンの先端部とを上記バランスウエイトの上記長片の上記短片側の面が上記フィン側に向いた第1の姿勢において支持した状態で最初に接触させ、上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間内の所定位置に達するまで上記フィンと上記バランスウエイトの相対的位置を変化させる移動工程と、この移動工程において上記バランスウエイトの上記面と上記フィンの先端部が接触したことを検出する検出工程と、この検出工程により上記接触が検出された時点における上記バランスウエイトの姿勢が上記フィンを上記バランスウエイトの上記空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定する判定工程と、この判定工程により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していないと判定された場合に上記回転ファンを上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間に近付く側に向けて前記接触の検出が解除されるまで回転させる回転駆動工程と、上記判定工程により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していると判定された場合に上記回転ファンの姿勢を保持させる回転停止工程とを備え、上記移動工程は、上記バランスウエイトが上記第2姿勢に達するまで移動する第1段階移動工程と、上記第2姿勢に達した上記バランスウエイトを上記フィンの先端部が上記バランスウエイトの上記空間内の上記最奥位置に達するまで移動する第2段階移動工程と具備するようにした。
【0026】
上記手段を講じた結果、次のような作用が生じる。すなわち、請求項1に記載された発明では、バランスウエイト装着ハンドによって、バランスウエイトをバランスウエイトの長片の短片側の面がフィン側に向いた第1の姿勢において支持し、第1移動手段によりバランスウエイト装着ハンドをバランスウエイトの長片の短片側で短片とは対向しない部分の任意の位置がフィンの先端部に最初に接触するような第1方向に移動する。このため、フィンの位置決めに誤差があった場合でもバランスウエイトの長片の短片側の短片と対向しない部分にフィンの先端を当接させることができる。
【0027】
また、検出手段により移動しているバランスウエイトの面にフィンの先端部が接触したことを検出し、この時点におけるバランスウエイトの姿勢がフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定手段により判定する。
【0028】
ここで、判定手段によりバランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していないと判定された場合には回転駆動手段により回転ファンをフィンの先端がバランスウエイトの空間に近付く側に回転させる。この場合、フィンとバランスウエイトの長片とが離れるが、第1移動手段によりさらにバランスウエイト装着ハンドが移動し、フィンの先端がバランスウエイトの長片に接触する。この時点で同様にして判定手段により判定が行われる。この状態が継続されると、フィンの先端がバランスウエイトの短片に接触する。そして、フィンが空間内、すなわち短片と長片との間に入り込む。このとき、バランスウエイトが第2の姿勢に達していないと、フィンにより短片が長片から離れる向きに力がかかる。バランスウエイトは弾性を有する材料にて形成されているため、元の形を保つように作用し、長片が短片に倣う方向に移動する。すなわち、バランスウエイトの姿勢が第1の姿勢から第2の姿勢に近付く動作が繰り返される。
【0029】
一方、判定手段によりバランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していると判定された場合には停止手段により回転ファンを停止させる。この場合においては、上述したようにフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適しているので、第1移動手段によりフィンの先端がバランスウエイトの空間内の所定位置に達するまでバランスウエイトを移動し、最終的にバランスウエイトをフィンに完全に装着することができる。
【0030】
また、バランスウエイト装着ハンドは、バランスウエイトをその屈曲部に沿った軸回りに軸支する軸体と、この軸体により軸支されたバランスウエイトを第1の姿勢に規定するバランスウエイト規定手段と、この軸体の軸方向に対して平行な面を有し、バランスウエイトがフィンとの接触により発生する接触力に抗してバランスウエイトを支持するとともに、バランスウエイトが第2姿勢に達したときにバランスウエイトをフィン方向に押圧する押圧部とを備えているので、バランスウエイトを第1姿勢に保つことができるとともに、バランスウエイトがフィンに接触することにより、軸体回りに回転力が生じてもバランスウエイトの姿勢を第1姿勢に保つことができる。
【0031】
さらに、押圧部により第2姿勢に達したバランスウエイトをフィンに装着する際にバランスウエイトが逃げることを防止することができる。
さらにまた、第1移動手段は第1段階移動手段及び第2段階移動手段からなり、第1段階移動手段によりバランスウエイト装着ハンドをバランスウエイトが第2姿勢に達するまで移動し、第2段階移動手段によりバランスウエイト装着ハンドの押圧部が第2姿勢に達したバランスウエイトをフィンの先端部が空間内の所定位置に達するまで移動する。
【0032】
請求項に記載された発明では、バランスウエイト規定手段は、バランスウエイト装着ハンドに近接して配置され、バランスウエイトの長片の短片と反対側の面に当接する当接部と、この当接部移動手段により当接部を退避させるので、バランスウエイトをフィンに押し込む際にフィンと当接部とが干渉することを防止することができる。
【0033】
請求項に記載された発明では、検出手段は、バランスウエイト装着ハンドに設けられた荷重センサを備えている。
請求項に記載された発明では、第2の姿勢は、押圧部が押圧する方向とフィンの先端部がバランスウエイトの空間の奥に向かう方向とがほぼ一致する姿勢であるため、最も円滑にバランスウエイトをフィンに挿入することができる。
【0034】
請求項に記載された発明では、判定手段は、フィンの先端部とバランスウエイトとの相対位置に基づいてバランスウエイトの姿勢を算出する算出手段を備えている。
【0035】
請求項に記載された発明では、算出手段は、第1の姿勢のバランスウエイトとフィンの先端部とが接触した時点におけるフィンの円周方向における相対位置に基づいて算出する。
【0036】
請求項に記載された発明では、弾性を有する材料にて形成されたバランスウエイトの長片の短片側の面の短片と対向していない任意の位置が、所定軸を中心とした同一円周上に沿って配置された複数枚のフィンを備えた回転ファンのフィンのうち所定のフィンの先端部に最初に接触させ、フィンの先端がバランスウエイトの空間内の所定位置に達するまで移動する。このため、フィンの位置決めに誤差があった場合でもバランスウエイトの長片の短片側の面の短片と対向していない部分にフィンの先端を当接させることができる。
【0037】
一方、バランスウエイトの面にフィンの先端部が接触したことを検出し、この時点におけるバランスウエイトの姿勢がフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定する。
【0038】
バランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していないと判定された場合には、回転ファンをフィンの先端がバランスウエイトの空間に近付く側に向けて回転させる。この場合、フィンとバランスウエイトの長片とが離れるが、バランスウエイトが再び移動し、フィンの先端がバランスウエイトの長片に接触する。この時点で同様に判定が行われる。この状態が継続されると、フィンの先端がバランスウエイトの短片に接触する。そして、フィンが空間内、すなわち短片と長片との間に入り込む。このとき、バランスウエイトが第2の姿勢に達していないと、フィンにより短片が長片から離れる向きに力がかかる。バランスウエイトは弾性を有する材料にて形成されているため、元の形を保つように作用し、長片が短片に倣う方向に移動する。すなわち、バランスウエイトの姿勢が第1の姿勢から第2の姿勢に近付く動作が繰り返される。
【0039】
バランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していると判定された場合には、回転ファンを停止させる。この場合においては、上述したようにフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適しているので、フィンの先端がバランスウエイトの空間内の所定位置に達するまで移動し、最終的にバランスウエイトをフィンに完全に装着することができる。
【0040】
【実施の態様】
図1は本発明の一実施の形態に係るバランスウエイト装着装置30の概略を示す側面図である。また、図2及び図3の(a)〜(c)はバランスウエイト装着装置30に組み込まれたバランスウエイト装着ハンド70を示す図である。これらの図において、図13および図14と同一機能部分には同一符号が付されている。なお、各図中矢印XYZは互いに直交する三方向を示しており、矢印Zは鉛直方向を示している。また、各図中矢印θは矢印Y方向を中心とする回転方向を示している。
【0041】
バランスウエイト装着装置30は、横流ファン10を支持する回転機構部(回転駆動手段、停止手段)40と、バランスウエイト20を保持するバランスウエイト保持機構部50と、これら回転機構部40とバランスウエイト保持機構部50とを連携動作させるための制御部110とを備えている。
【0042】
回転機構部40は、横流ファン10の回転軸(所定軸)13を図1中矢印θ方向に軸支する支持機構41と、この支持機構41に軸支された横流ファン10の回転駆動及び制動を行う回転駆動機構42とを備えている。
【0043】
回転駆動機構42は、横流ファン10に当接させることにより、回転駆動及び制動を行う回転ドラム43を備えており、高速回転させることによりウエイトバランスを測定する機能を有している。また、その測定データ、すなわちバランスウエイト20を取り付けるべきフィンの位置と必要なバランスウエイト20の重量は制御部110に記憶される。
【0044】
バランスウエイト保持機構部50は、図1中矢印X方向に後述するバランスウエイト装着ハンド70を往復動させるX軸テーブル(第1移動手段)60と、このX軸テーブル60により駆動されるバランスウエイト装着ハンド70とを備えている。
【0045】
バランスウエイト装着ハンド70は、図2及び図3の(a)〜(c)に示すようにX軸テーブル60に図2中矢印X方向に沿って駆動されるハンドベース71を備えている。ハンドベース71には、バランスウエイト20を支持するバランスウエイト支持部80と、バランスウエイト20を押さえ付けるバランスウエイト押圧部90とが取り付けられている。
【0046】
バランスウエイト支持部80は、ハンドベース71に図2中矢印X方向に沿って往復動自在に支持されたベース81と、ハンドベース71に設けられ図2中矢印X方向に沿って作動するエアシリンダ(第2段階移動手段)82と、このエアシリンダ82により作動するプッシャスライドベース83と、このプッシャスライドベース83に取り付けられ、図2中矢印X方向に沿って往復動自在に支持されたスライドシャフト84と、このスライドシャフト84とエアシリンダ82との間に配置されたスペーサ85とを備えている。
【0047】
ベース81の図3の(c)中下面には図3の(c)中矢印X方向に作動するエアシリンダ(第1段階移動手段)86が取り付けられ、さらにこのエアシリンダ86の先端にはウエイト支持台(バランスウエイト規定手段)87が取り付けられている。
【0048】
ウエイト支持台87の先端には傾斜面(当接部)87aが形成されている。この傾斜面87aは、ウエイト支持台87がエアシリンダ86により図2中二点鎖線Gで示す位置に位置決めされたときに、バランスウエイト20の長片21bの下面に当接し、バランスウエイト20の姿勢を規制する機能を有している。
【0049】
ベース81の図3の(c)中左端にはウエイトプッシャ(押圧部)88の基端が取り付けられている。ウエイトプッシャ88には図中矢印X方向に作用する荷重を検出する荷重センサ(検出手段)88aが取り付けられている。また、ウエイトプッシャ88の先端は図4に示すようにバランスウエイト20の湾曲部21cが円滑に回動可能な如く凹部88bが形成されている。この凹部88bは、後述するピン99にとともに、バランスウエイト20を回動自在に支持する機能を有している。
【0050】
一方、バランスウエイト押圧部90は、ハンドベース71に取り付けられたシリンダ支え91と、このシリンダ支え91に支持され図2中矢印X方向に作動するシリンダ(当接部移動手段)92と、このシリンダ92により作動するロッド93と、上述したウエイトプッシャ88の上面に図2中矢印X方向に沿って往復動自在に取り付けられたX軸リニアスライダ94と、このX軸リニアスライダ94上面に固定された間座95と、この間座95の上面に固定され後述するカム97を図2中矢印Y方向に沿って往復動自在に支持するY軸リニアスライダ96と、このY軸リニアスライダ96上面に配置され図2中Y方向に往復動自在に支持されたカム97と、このカム97の先端に取り付けられたバー98と、このバー98の先端に取り付けられたピン(軸体)99とを備えている。
【0051】
上述したロッド93の先端の下面にはカムフォロア93aが取り付けられ、上述したカム97には溝97aが形成されている。カムフォロア93aは溝97aに沿って往復動可能なごとく構成されている。
【0052】
また、間座95にはばね支持片95aが設けられ、カム97にはばね支持片97bが設けられており、ばね支持片95a,97b相互間には引張ばね100が取り付けられている。シリンダ92が作動していない状態では引張ばね100の引張力により図2に示すようにカム97が位置する。
【0053】
制御部(判定手段)110は、回転機構部40及びバランスウエイト保持機構部50とを連携動作させるとともに、後述するようにしてバランスウエイト20の姿勢を算出し、後述する第2の姿勢に達していることを判定し、第2の挿入動作を実行させる機能を有している。
【0054】
このように構成されたバランスウエイト装着装置30は、次のようにしてバランスウエイト20を横流ファン10のフィン12に装着する。なお、バランスウエイト装着ハンド70は予め図1に示すような位置にX軸テーブル60により待機させる。
【0055】
回転機構部40により横流ファン10を高速回転させ、ウエイトバランスを測定する。この結果、バランスウエイト20を取り付けるべきフィンの位置と必要なバランスウエイト20の重量を算出し、測定データとして制御部110に記憶させる。
【0056】
次に、制御部110に記憶された測定データに基づいて回転駆動機構42を作動させ、バランスウエイト20を取り付けるべきフィン12がバランスウエイト取り付け位置に位置決めされるように横流ファン10を位置決めする。一方、測定データに基づいて適切な重量を有するバランスウエイト20を図示しないバランスウエイト供給装置により待機状態のバランスウエイト装着ハンド70に供給する。
【0057】
このとき、バランスウエイト装着ハンド70では、図4に示すようにシリンダ92を作動させ、ロッド93を戻し、ピン99とウエイトプッシャ88の凹部88bでバランスウエイト20の湾曲部21cを挟み回転自在に支持する。このとき、エアシリンダ86を作動させ、ウエイト支持台87を図4中二点鎖線Gで示す位置まで延ばし、その先端でバランスウエイト20の長辺21a下面を押圧し、バランスウエイト20の姿勢を所定の第1姿勢とする。なお、この第1の姿勢はフィン12の先端12aがバランスウエイト20の長辺21aに当接する範囲が最も大きくなるように定められている。なお、バランスウエイト20の姿勢はばね100の作用によりバランスウエイト20がその自重により回転しない位置に押さえ付けることで保持する。そして、エアシリンダ86を作動させ、ウエイト支持台87を元の位置に戻す。なお、エアシリンダ82はプッシャスライドベース83を戻した状態で待機させる。
【0058】
次にX軸テーブル60を矢印X1方向(第1方向)に作動させ、バランスウエイト装着ハンド70を回転機構部40側に近付け、ピン99とウエイトプッシャ88の凹部88aとの間で挟まれたバランスウエイト20を図7に示すように移動させる。
【0059】
図8の(a)〜(c)及び図9の(a)〜(c)はバランスウエイト20とフィン12との位置関係を示す図である。なお、フィン12は図8中二点鎖線Eで示す位置に位置するように回転駆動機構42により位置決めされる。しかしながら、上述した誤差を考慮し、実際には実線Fで示す位置に位置決めされているものとする。
【0060】
バランスウエイト20の長辺21aにフィン12の先端が図8の(a)に示すように接触すると、ウエイトプッシャ88にフィン12からの荷重が作用し、荷重センサ88aが検知する。このとき、X軸テーブル60の作動を中断し、バランスウエイト70の移動を停止すると同時に、荷重センサ88aから制御部110を介して回転機構部40に信号が送られ、回転駆動機構42により横流ファン10を図8中θ1方向に回転させ、フィン12を図8の(b)の実線F′で示す位置まで移動する。これに伴い、荷重センサ88aでは荷重を検知しなくなる。これによりX軸テーブル60を再度作動させ、バランスウエイト20をフィン12に近付け、図8の(b)に示すようにフィン12の先端がバランスウエイト20の長辺21aに接触する。このとき、荷重センサ88aにより検知され、図8の(a)の場合と同様にして横流ファン10の回転及びX軸テーブル60の停止が行われる。同様の動作を繰り返すことでフィン12の先端12aがバランスウエイト20の開口部22に到達する。
【0061】
さらに、フィン12の先端が図9の(a)に示すように短辺21bに接触すると短辺21bが長辺21aから離れるような向きに力がかかる。バランスウエイト20は弾性体により形成されているので、バランスウエイト20はピン99を中心軸として図9中矢印θ2方向に、すなわちフィン12がバランスウエイト20内に挿入されるのに適した図9の(b)に示すような第2の姿勢になるまで回転する。
【0062】
ここで、バランスウエイト20が第2の姿勢であることを次のようにして求める。すなわち、図10の(a)に示すようにフィン12とバランスウエイト20とが最初に接触した位置(相対位置)Qを求める。フィン12の先端の位置は、上述したように横流ファン10の位置決めに誤差があるため、横流ファン10の回転位置からは求められない。このため、フィン12の先端の位置Qは次のようにして求める。
【0063】
バランスウエイト20がバランスウエイト装着ハンド70によって保持されている位置P(a,b)は、直線A上にあるので、
z=b …(1)
一方、バランスウエイト20の第1の姿勢は任意に設定可能であり、本実施の形態では図10の(b)に示すように角度γの傾きに沿うように第1の姿勢を設定している。したがって、バランスウエイト20の長辺21aは、直線B上にあるので、
z=tanγx+δ …(2)
点Pにおいて直線Aと直線Bとが交わるので、
b=tanγa+δ …(3)
したがって、δ=b−tanγa …(4)
δを消去すると、直線Bは、
z=tanγx+(b−tanγa) …(5)
なお、b−tanγaをκとおく。
【0064】
一方、フィン12の先端の位置Q(c,d)は、所定の円Cの円周上に位置している。円Cは、
(x−m)2 +y2 =r2 …(6)
直線Bと円Cは、位置Qにて交わるので、式(5)及び式(6)から、
d=tanγc+κ …(7)
(c−l)2 +d2 =r2 …(8)
これらからcについて解くと、
(c−l)2 +(tanγc+κ)2 =r2 …(9)
cについての2次方程式に展開すると、
Figure 0003913801
したがって、
【0065】
【数1】
Figure 0003913801
【0066】
なお、cは正である。
また、dは式(11)を式(8)に代入することにより求められる。
したがって、このときのフィン12のファン角度θ0 は、
【0067】
【数2】
Figure 0003913801
【0068】
となる。
したがって、この初期のファン角度θ0 から横流ファン10を回転させた角度を測定することにより現時点でのフィン12の先端の位置Qがわかる。上述したようにフィン12の先端はバランスウエイト20の長辺21aに当接しているため、位置P及び位置Qからバランスウエイト20の傾きを算出できる。この傾きを所定の傾き、すなわちバランスウエイト20が第2の姿勢の状態のときの傾きとを比較し、一致した時点で第2の姿勢に到達したものと判定する。
【0069】
このようにしてバランスウエイト20が図9の(b)に示すように第2の姿勢に到達したことを判定した時点で、次のような動作を行う。すなわち、横流ファン10の回転を停止させるとともに、シリンダ92を作動させ、ロッド93を伸ばし、ピン99を図5に示すように抜き出す。続いて、図6に示すようにエアシリンダ82を作動させ、フィン12の先端が図9の(c)に示すようにしてバランスウエイト20の湾曲部21cに到達するまで押し込む。このときのフィン12とバランスウエイト20とは、最も挿入力が小さくなる関係となっているため、小さい力で挿入することができる。なお、エアシリンダ82の作動ではピン99の位置は変わらないので、ピン99が他のフィンに干渉することはない。
【0070】
なお、その位置誤差吸収能力については、回転ファンの直径が95mmの場合にはプラスマイナス3.5°であり、十分に位置誤差を吸収できることを確認した。また挿入力は図11に示すような特性を示し、ピーク値は1.6kgf程度となるため人手による作業と変りなくバランスウエイト20に塑性変形が生じないことを確認した。
【0071】
上述したように本実施の形態に係るバランスウエイト装着装置20では、フィン12の位置決め誤差がある程度大きい場合であっても、バランスウエイト20を第1の姿勢で保持し、フィン12とバランスウエイト20とを容易に係合させるとともに、係合させた後は、バランスウエイト20を第2の姿勢で保持し、フィン12に円滑にバランスウエイト20を装着することができる。
【0072】
図12は上述した実施の形態に係るバランスウエイト装着装置20に組み込まれたバランスウエイト装着ハンド70の変形例の要部を示す図である。本変形例では、上述したピン99の代わりに開閉動作によりバランスウエイト20を軸支する開閉ハンド120を設けるようにした。この場合でも上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。すなわち上記した実施の形態では、バランスウエイト装着ハンドは、水平方向にのみスライド移動できるように構成されているが、垂直方向にスライド移動し、上方や下方からバランスウエイトをフィンに挿入するようにしてもよい。また、ピンの平行移動動作をエアシリンダとカムを用いて行っているが、2つのエアシリンダを直角に組み合わせてもよい。さらに、ウエイトプッシャ88の矢印Y方向の幅寸法はバランスウエイト20の幅寸法と近い程度まで狭めることができるので、ウエイトプッシャ88を複数並べて配置することができる。したがって、複数個のバランスウエイト20を装着する場合には、複数個のバランスウエイト20を同時に装着させることにより、装着時間を半分に短縮させることができる。このほか本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、バランスウエイト装着ハンドによって、バランスウエイトをバランスウエイトの長片の短片側の面がフィン側に向いた第1の姿勢において支持し、第1移動手段によりバランスウエイト装着ハンドをバランスウエイトの長片の短片側で短片とは対向しない部分の任意の位置がフィンの先端部に最初に接触するような第1方向に移動する。このため、フィンの位置決めに誤差があった場合でもバランスウエイトの長片の短片側の短片と対向しない部分にフィンの先端を当接させることができる。
【0075】
また、検出手段により移動しているバランスウエイトの面にフィンの先端部が接触したことを検出し、この時点におけるバランスウエイトの姿勢がフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定手段により判定する。
【0076】
ここで、判定手段によりバランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していないと判定された場合には回転駆動手段により回転ファンをフィンの先端がバランスウエイトの空間に近付く側に回転させる。この場合、フィンとバランスウエイトの長片とが離れるが、第1移動手段によりさらにバランスウエイト装着ハンドが移動し、フィンの先端がバランスウエイトの長片に接触する。この時点で同様にして判定手段により判定が行われる。この状態が継続されると、フィンの先端がバランスウエイトの短片に接触する。そして、フィンが空間内、すなわち短片と長片との間に入り込む。このとき、バランスウエイトが第2の姿勢に達していないと、フィンにより短片が長片から離れる向きに力がかかる。バランスウエイトは弾性を有する材料にて形成されているため、元の形を保つように作用し、長片が短片に倣う方向に移動する。すなわち、バランスウエイトの姿勢が第1の姿勢から第2の姿勢に近付く動作が繰り返される。
【0077】
一方、判定手段によりバランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していると判定された場合には停止手段により回転ファンを停止させる。この場合においては、上述したようにフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適しているので、第1移動手段によりフィンの先端がバランスウエイトの空間内の所定位置に達するまでバランスウエイトを移動し、最終的にバランスウエイトをフィンに完全に装着することができる。
【0078】
また、バランスウエイト装着ハンドは、バランスウエイトをその屈曲部に沿った軸回りに軸支する軸体と、この軸体により軸支されたバランスウエイトを第1の姿勢に規定するバランスウエイト規定手段と、この軸体の軸方向に対して平行な面を有し、バランスウエイトがフィンとの接触により発生する接触力に抗してバランスウエイトを支持するとともに、バランスウエイトが第2姿勢に達したときにバランスウエイトをフィン方向に押圧する押圧部とを備えているので、バランスウエイトを第1姿勢に保つことができるとともに、バランスウエイトがフィンに接触することにより、軸体回りに回転力が生じてもバランスウエイトの姿勢を第1姿勢に保つことができる。
【0079】
さらに、押圧部により第2姿勢に達したバランスウエイトをフィンに装着する際にバランスウエイトが逃げることを防止することができる。
さらにまた、第1移動手段は第1段階移動手段及び第2段階移動手段からなり、第1段階移動手段によりバランスウエイト装着ハンドをバランスウエイトが第2姿勢に達するまで移動し、第2段階移動手段によりバランスウエイト装着ハンドの押圧部が第2姿勢に達したバランスウエイトをフィンの先端部が空間内の所定位置に達するまで移動する。
【0080】
請求項に記載された発明によれば、バランスウエイト規定手段は、バランスウエイト装着ハンドに近接して配置され、バランスウエイトの長片の短片と反対側の面に当接する当接部と、この当接部移動手段により当接部を退避させるので、バランスウエイトをフィンに押し込む際にフィンと当接部とが干渉することを防止することができる。
【0081】
請求項に記載された発明によれば、検出手段は、バランスウエイト装着ハンドに設けられた荷重センサを備えている。
請求項に記載された発明によれば、第2の姿勢は、押圧部が押圧する方向とフィンの先端部がバランスウエイトの空間の奥に向かう方向とがほぼ一致する姿勢であるため、最も円滑にバランスウエイトをフィンに挿入することができる。
【0082】
請求項に記載された発明によれば、判定手段は、フィンの先端部とバランスウエイトとの相対位置に基づいてバランスウエイトの姿勢を算出する算出手段を備えている。
【0083】
請求項に記載された発明によれば、算出手段は、第1の姿勢のバランスウエイトとフィンの先端部とが接触した時点におけるフィンの円周方向における相対位置に基づいて算出する。
【0084】
請求項に記載された発明によれば、弾性を有する材料にて形成されたバランスウエイトの長片の短片側の面の短片と対向していない任意の位置が、所定軸を中心とした同一円周上に沿って配置された複数枚のフィンを備えた回転ファンのフィンのうち所定のフィンの先端部に最初に接触させ、フィンの先端がバランスウエイトの空間内の所定位置に達するまで移動する。このため、フィンの位置決めに誤差があった場合でもバランスウエイトの長片の短片側の面の短片と対向していない部分にフィンの先端を当接させることができる。
【0085】
一方、バランスウエイトの面にフィンの先端部が接触したことを検出し、この時点におけるバランスウエイトの姿勢がフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定する。
【0086】
バランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していないと判定された場合には、回転ファンをフィンの先端がバランスウエイトの空間に近付く側に向けて回転させる。この場合、フィンとバランスウエイトの長片とが離れるが、バランスウエイトが再び移動し、フィンの先端がバランスウエイトの長片に接触する。この時点で同様に判定が行われる。この状態が継続されると、フィンの先端がバランスウエイトの短片に接触する。そして、フィンが空間内、すなわち短片と長片との間に入り込む。このとき、バランスウエイトが第2の姿勢に達していないと、フィンにより短片が長片から離れる向きに力がかかる。バランスウエイトは弾性を有する材料にて形成されているため、元の形を保つように作用し、長片が短片に倣う方向に移動する。すなわち、バランスウエイトの姿勢が第1の姿勢から第2の姿勢に近付く動作が繰り返される。
【0087】
バランスウエイトの姿勢が第2の姿勢に達していると判定された場合には、回転ファンを停止させる。この場合においては、上述したようにフィンをバランスウエイトの空間内に挿入するのに適しているので、フィンの先端がバランスウエイトの空間内の所定位置に達するまで移動し、最終的にバランスウエイトをフィンに完全に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るウエイトバランス装着装置の構成を示す概略図。
【図2】同装置に組込まれた装着ハンドを示す斜視図。
【図3】同装着ハンドを示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図。
【図4】ウエイトバランスをフィンに装着する際のウエイトバランスの保持した状態の装着ハンドを示す斜視図。
【図5】ウエイトバランスをフィンに装着する際のウエイトバランスがフィンに挿入された状態の装着ハンドを示す斜視図。
【図6】ウエイトバランスをフィンに装着する際のウエイトバランスをフィンを押圧した状態の装着ハンドを示す斜視図。
【図7】同装置ハンドによりウエイトバランスを装着する第1工程を示す説明図。
【図8】同装着ハンドによりウエイトバランスを装着する第2工程を示す説明図。
【図9】同装着ハンドによりウエイトバランスを装着する第3工程を示す説明図。
【図10】同装着ハンドによりウエイトバランスを装着する際のファン初期位置を計算する原理を示す説明図。
【図11】同ウエイトバランスの挿入力の時間変化を示すグラフ。
【図12】同ウエイトバランス装着装置の変形例を示す図。
【図13】エアコンに組み込まれた一般的な横流ファン及びウエイトバランスを示す斜視図。
【図14】ウエイトバランスの挿入原理を示す説明図。
【符号の説明】
10…横流ファン
13…回転軸(所定軸)
20…バランスウエイト
21a…長片
21b…短片
21c…湾曲部
22…開口部
30…バランスウエイト装着装置
40…回転機構部(回転駆動手段、停止手段)
50…バランスウエイト保持機構部
70…バランスウエイト装着ハンド
80…バランスウエイト支持部
82…エアシリンダ(第2段階移動手段)
86…エアシリンダ(第1段階移動手段)
87…ウエイト支持台(バランスウエイト規定手段)
87a…傾斜面(当接部)
88…ウエイトプッシャ(押圧部)
88a…荷重センサ(検出手段)
90…バランスウエイト押圧部
92…シリンダ(当接部移動手段)
99…ピン(軸体)
110…制御部(判定手段)

Claims (7)

  1. 所定軸を中心とした同一円周上に沿って配置された複数枚のフィンを備えた回転ファンの所定のフィンに、長片と短片とが形成される如く屈曲するとともに、弾性を有する材料にて形成されたバランスウエイトを上記長片と上記短片とで挟まれた空間の上記短片の端部側から弾性力に抗して上記空間内に上記フィンを挿入するように装着し、その弾性力により上記フィンに固定するバランスウエイト装着装置において、
    上記回転ファンを上記所定軸回りに軸支する回転ファン支持部と、
    上記バランスウエイトを上記バランスウエイトの上記長片の上記短片側の面が上記フィン側に向いた第1の姿勢において支持するバランスウエイト装着ハンドと、
    上記バランスウエイトの上記面の上記短片と対向していない任意の位置を上記フィンの先端部に最初に接触させ、上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間内の最奥位置まで上記バランスウエイト装着ハンドに支持された上記バランスウエイトを移動させる第1移動手段と、
    この第1移動手段により移動している上記バランスウエイトの上記面に上記フィンの先端部が接触したことを検出する検出手段と、
    この検出手段により上記接触が検出された時点における上記バランスウエイトの姿勢が上記フィンを上記バランスウエイトの上記空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定する判定手段と、
    この判定手段により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していないと判定された場合に上記回転ファンを上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間に近付く側に前記検出手段による検出が解除されるまで回転させる回転駆動手段と、
    上記判定手段により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していると判定された場合に上記回転ファンの姿勢を保持させる停止手段と、
    上記バランスウエイト装着ハンドは、上記バランスウエイトをその屈曲部に沿った軸回りに軸支する軸体と、
    この軸体により軸支された上記バランスウエイトを上記第1の姿勢に規定するバランスウエイト規定手段と、
    この軸体の軸方向に対して平行な面を有し、上記バランスウエイトが上記フィンとの接触により発生する接触力に抗して上記バランスウエイトを支持するとともに、上記バランスウエイトが上記第2姿勢に達したときに上記バランスウエイトを上記フィン方向に押圧する押圧部とを具備し、
    上記第1移動手段は、上記バランスウエイト装着ハンドを上記バランスウエイトが上記第2姿勢に達するまで移動する第1段階移動手段と、
    上記第2姿勢に達した上記バランスウエイトを上記バランスウエイト装着ハンドの上記押圧部により上記フィンの先端部が上記バランスウエイトの上記空間内の上記最奥位置に達するまで移動する第2段階移動手段と具備していることを特徴とするバランスウエイト装着装置。
  2. 上記バランスウエイト規定手段は、上記バランスウエイト装着ハンドに近接して配置され、上記バランスウエイトの上記長片の上記短片と反対側の面に当接する当接部と、
    上記当接部を上記バランスウエイトを第1の姿勢に規定する方向と反対に退避する方向に移動させる当接部移動手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載のバランスウエイト装着装置。
  3. 上記検出手段は、上記バランスウエイト装着ハンドに設けられた荷重センサを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバランスウエイト装着装置。
  4. 上記第2の姿勢は、上記押圧部が押圧する方向と上記フィンの先端部が上記第1方向と上記バランスウエイトの上記空間の奥に向かう方向とがほぼ一致する姿勢であることを特徴とする請求項1に記載のバランスウエイト装着装置。
  5. 上記判定手段は、上記フィンの先端部と上記バランスウエイトとの相対位置に基づいて上記バランスウエイトの姿勢を算出する算出手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のバランスウエイト装着装置。
  6. 上記算出手段は、上記第1の姿勢の上記バランスウエイトと上記フィンの先端部とが接触した時点における上記フィンの上記円周方向における相対位置に基づいて算出することを特徴とする請求項5に記載のバランスウエイト装着装置。
  7. 所定軸を中心とした同一円周上に沿って配置された複数枚のフィンを備えた回転ファンの所定のフィンに、長片と短片とが形成される如く屈曲するとともに、弾性を有する材料にて形成されたバランスウエイトを上記長片と上記短片とで挟まれた空間の上記短片の端部側から弾性力に抗して上記空間内に上記フィンを挿入するように装着し、その弾性力により上記フィンに固定するバランスウエイト装着方法において、
    上記バランスウエイトの上記長片の上記短片側の面の上記短片と対向していない任意の位置と上記フィンの先端部とを上記バランスウエイトの上記長片の上記短片側の面が上記フィン側に向いた第1の姿勢において支持した状態で最初に接触させ、上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間内の最奥位置に達するまで上記フィンと上記バランスウエイトの相対的位置を変化させる移動工程と、
    この移動工程において上記バランスウエイトの上記面と上記フィンの先端部が接触したことを検出する検出工程と、
    この検出工程により上記接触が検出された時点における上記バランスウエイトの姿勢が上記フィンを上記バランスウエイトの上記空間内に挿入するのに適した第2の姿勢に達しているか否かを判定する判定工程と、
    この判定工程により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していないと判定された場合に上記回転ファンを上記フィンの先端が上記バランスウエイトの上記空間に近付く側に向けて前記接触の検出が解除されるまで回転させる回転駆動工程と、
    上記判定工程により上記バランスウエイトの姿勢が上記第2の姿勢に達していると判定された場合に上記回転ファンの姿勢を保持させる回転停止工程とを備え、
    上記移動工程は、上記バランスウエイトが上記第2姿勢に達するまで移動する第1段階移動工程と、
    上記第2姿勢に達した上記バランスウエイトを上記フィンの先端部が上記バランスウエイトの上記空間内の上記最奥位置に達するまで移動する第2段階移動工程と具備していることを特徴とするバランスウエイト装着方法。
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