JP3913635B2 - 光走査装置・画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、交換可能な精密ユニット、精密ユニットを組込んでなる本体装置、交換可能な精密ユニットの製造方法及び精密ユニットの交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
精密装置は一般に、その構成要素として「ユニット化され、ユニットごと交換可能で、かつ、ユニット自体が精密構造を有する精密ユニット」を1以上有することが多い。そして、これら精密ユニットが故障したり、寿命が尽きたりした場合、精密ユニットを交換することが行われている。
【0003】
精密ユニットを交換する場合、交換された精密ユニットと、これを新たに組込まれた精密装置本体との、機械的または電気的な整合性、あるいは光学的な整合性をとるために、交換された精密ユニットの調整が必要となる。このような調整は、精密装置や精密ユニットが精密になればなるほど高精度を要求されるようになり、交換を行う作業者に高度の熟練が要求される。
【0004】
なかでも精密ユニットが光学装置である場合、上記調整精度は極めて高精度であり、熟練した作業者をもってしても困難である場合が多い。具体的な1例を挙げると、レーザプリンタやレーザファクシミリ、レーザプロッタ、あるいはデジタル複写機等の画像形成装置では、その書込み部に光走査装置が用いられているが、光走査装置では、例えばその「光源及びその周辺部分」が光源ユニットとして「精密ユニット」化されていることが多い。
【0005】
このように精密ユニット化された光源ユニットが交換されるとき、交換により光源ユニットが組込まれた光走査装置の、他の光学要素との「光学的な整合性」が得られないと、例えば、被走査面上の光スポット径が大きくなって、所定の記録密度を実現できなかったり、光スポットの走査軌跡である走査線が曲がって記録画像の画質を損なったりすることになる。
【0006】
光走査装置として近来、被走査面上の複数走査線を同時走査する「マルチビーム走査方式」も実現されつつあるが、このようなマルチビーム走査方式の光走査装置で光源ユニットを交換する場合には、光スポット径や走査線の曲がり等が所定の条件を満足するようにする必要があるのみならず、同時に光走査される複数の走査線の間隔である「走査線ピッチ」も所望の値に調整する必要がある。
【0007】
走査線ピッチに対する要求精度は数μmオーダーにまで高まってきており、このような高い要求精度を満足するように調整を行うことは極めて難しい。
【0008】
例えば、特開平11−64765号公報には、マルチビーム走査方式の光走査装置に「光源を組付ける段階」において走査線ピッチを調整する方法として「光源に複数の発光源を有する半導体レーザ光源(半導体レーザアレイ)を用い、この半導体レーザ光源と鏡筒とをホルダに固定して光源ユニットとなし、この光源ユニットの鏡筒を光学箱の嵌合穴に挿入し、鏡筒中心軸の回りに回転することにより、副走査方向の光スポット間隔を調整し、調整後、螺子締結により光源ユニットを光学箱に固定する方法」が記載されている。
【0009】
このような光源ユニットを用いるマルチビーム走査方式の光走査査装置において、半導体レーザ光源が使用中に劣化し、交換の必要が生じた場合、螺子を外すことによって光源ユニットを交換することはできるが、交換する際に新たに走査線ピッチの調整作業を行う必要がある。
【0010】
この調整は通常「光源ユニットを交換するサービスマン」が行うことになるが、サービスマンは「走査線ピッチを測定できるような特殊な測定装置」を持たないため、出力画像を見ながら試行錯誤を繰り返して調整することになり、調整作業に非常な手間がかかる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑み、精密ユニットの交換の際、精密装置本体側との調整を不要とし、精密ユニットの交換を容易ならしめることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、マルチビーム走査用の光源部ユニットから発せられた複数のビームを、光学素子および光偏向手段を用いて被走査面上に結像させて走査させる光走査装置において、上記被走査面における副走査方向のビームピッチを調整する調整機構を少なくとも2つ有し、調整機構の1つは、上記光源部ユニットの組付け具に対する保持態位を調整可能とし、他の調整機構は、上記光源部ユニットを組付けられた上記組付け具を本体装置に対して保持態位を調整可能とし、上記各調整機構は、その調整の細かさ又は調整の範囲が異なることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、マルチビーム走査用の光源部ユニットから発せられた複数のビームを、光学素子および光偏向手段を用いて被走査面上に結像させて走査させる光走査装置において、上記被走査面における副走査方向のビームピッチを調整する調整機構を少なくとも2つ有し、調整機構の1つは、光源部ユニットの組付け具に対する保持態位を調整可能とし、他の調整機構は、上記光源部ユニット以外の光学素子を用いて調整を行い、上 記各調整機構は、その調整の細かさ又は調整の範囲が異なることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光走査装置において、上記光源部ユニットを上記組付け具に保持態位を調整し固定する当接面が、上記光源部ユニットにおける光軸に略平行な方向を向いていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1つに記載の光走査装置を用いて画像を形成して出力する画像形成装置であることを特徴とする。
以下の説明において、精密ユニットは「本体装置に対して組付け状態を調整されて組付け固定され、本体装置に対して交換可能な精密ユニット」である。
【0013】
即ち、精密ユニットは「光源部ユニットである本体ユニットと、これを保持する組付け具」とにより構成され、本体装置の出荷時には、精密ユニットを単位として本体装置に組付け態位を調整して組付け固定される。
【0014】
「本体ユニット」は組付け具に対して保持態位を調整可能である。
精密ユニットは「基準装置に対し、組付け具を所定の態位で配置した状態において、本体ユニットの組付け具に対する保持態位が調整され、基準装置に対する本体ユニットの位置関係が調整された状態で、本体ユニットを組付け具に固定して」なる。
【0015】
「基準装置」は、構造的には例えば、本体装置から「組付けられる精密ユニット」を除いたもので、この精密ユニット以外の部分が「基準の配置」で配設されているものを挙げることができる。基準装置としては、このようなものの他に、精密ユニットの有するべき特性を測定あるいは検出しつつ、本体ユニットの組付け具に対する保持態位の調整を行い得るものが可能である。
【0016】
上の説明において、精密ユニットが「本体装置の出荷時には、精密ユニットを単位として本体装置に組付け態位を調整して組付け固定される」とは、この組付け作業の際に、精密ユニットを構成する「本体ユニットと組付け具」とを1体として、本体装置に対して組付け態位の調整を行うことを意味する。この組付け作業の際、本体装置における他の部分の調整も、必要に応じて行われる。
【0017】
本体ユニットは「光走査装置を本体装置とし、光学系の少なくとも一部を構成する光学ユニット」であることができる。この場合の本体ユニットは「1以上の半導体レーザと、1以上のカップリングレンズと」を少なくとも有するマルチビーム走査用の光源ユニットであることができる。
【0018】
「光学ユニット」となり得るものとしては他に、回転多面鏡や、fθレンズ等のレンズ系等を挙げることができる。
【0019】
精密ユニットにおける本体ユニットはまた、「光走査方式の画像形成装置を本体装置とし、ハウジングに光学配置してユニット化した光走査装置」であることができる。
【0020】
この発明の「本体装置」は、精密ユニットを「組付け具により組付け態位を調整」して組込んでなる本体装置である。
【0021】
即ち、この本体装置は、光学ユニットを本体ユニットとする精密ユニットを組込んでなる光走査装置」であることができる。
この場合、本体ユニットである光学ユニットは、光源ユニットであることができる。
【0022】
本体装置はまた、光走査装置を本体ユニットとし、光走査方式の画像形成装置を本体装置として組込んでなる画像形成装置であることができる。
【0023】
精密ユニットの製造方法は、精密ユニットを製造する方法であって、以下の如き特徴を有する。即ち、本体ユニットと組付け具をそれぞれ規格に従って製造する。
組付け具を基準装置に所定の態位でセットし、セットされた組付け具に対して本体ユニットの態位を調整し、基準装置に対して本体ユニットが適正な位置関係となるようにする。
その後、本体ユニットと組付け具とを相互に固定する。
【0024】
この製造方法において、本体ユニットを光学ユニットとし、基準の光走査装置(組付けられるべき精密ユニット以外の部分が「基準の配置」で配設されているもの)から「光学ユニットと組付け具を除いたもの」を基準装置とし、この基準装置に対して所定の態位で組付け具をセットし、組付け具に対して光学ユニット(本体ユニット)を態位調整して、光走査装置が所望の光走査特性を実現するようにしたのち、組付け具と光学ユニットを相互に固定一体化することにより「光学ユニットを持つ精密ユニット」を製造できる。
【0025】
この場合、光走査装置をマルチビーム走査方式の光走査装置とし、光学ユニットを光源ユニットとすることができる。この場合には「光源ユニットを持つ精密ユニット」が製造される。
【0026】
上記の製造方法において、基準装置を「光走査方式の基準の画像形成装置(組付けられるべき精密ユニット以外の部分が所定の基準配置に従って配設されているもの)から光走査装置とその組付け具を除いたもの」とし、本体ユニットを光走査装置とすることができる。この場合には、画像形成装置に組込まれ「交換の対象となる光走査装置を持つ精密ユニット」を製造できる。
【0027】
この発明の精密ユニットの交換方法は「本体装置に対して精密ユニットを交換する方法」であって、以下の如き特徴を有する。
即ち「交換されるべき被交換精密ユニットと同じ基準装置で調整された精密ユニット」を交換用精密ユニットとし、被交換精密ユニットの本体装置への固定状況を変更することなく、被交換精密ユニットを交換用精密ユニットに交換する。
【0028】
上の説明において「被交換精密ユニット」は交換されることになる精密ユニットであり、「交換用精密ユニット」は、被交換精密ユニットと交換される精密ユニット、即ち、本体装置に新たに組付けられる精密ユニットである。
「被交換精密ユニットの本体装置への固定状況を変更することなく」とは「本体装置から被交換精密ユニットを取り外した状態において、それまで被交換精密ユニットが組付けられていた状態に変更を加えることなく」との意味である。従って、交換用精密ユニットは「それまで被交換精密ユニットが組付けられていたよう」に本体装置に組付けられる。
【0029】
上記の交換方法は、「被交換精密ユニット、交換用精密ユニットを、光学ユニットを本体ユニット」として、光走査装置に対する光学ユニットの交換方法として実施できる。
【0030】
上記の交換方法はまた「被交換精密ユニット、交換用精密ユニットを、光走査装置を本体ユニットとするもの」として、画像形成装置に対する光走査装置の交換方法として実施できる。
【0031】
この精密ユニット交換サービスシステムは「出荷された本体装置における精密ユニットに交換の必要が生じた場合に、精密ユニットの交換サービスを行うシステム」であって、以下の如き特徴を有する。
【0032】
即ち「精密ユニット交換の必要が生じた本体装置における被交換精密ユニットの種類、および、この被交換精密ユニットの調整に用いた基準装置に関する情報により、交換用精密ユニットの種類を特定し、特定された交換用精密ユニットを被交換精密ユニットと、ユニットごと交換」する。
【0033】
上記の精密ユニット交換サービスシステムは「被交換精密ユニット、交換用精密ユニットを、光学ユニットを本体ユニットとするもの」として、光走査装置もしくは光走査装置が組込まれた画像形成装置に対して、光学ユニットを交換するサービスシステムとして実施できる。
【0034】
上記の精密ユニット交換サービスシステムは、また、「被交換精密ユニット、交換用精密ユニットを、光源ユニットを本体ユニットとするもの」とし、光走査装置もしくは光走査装置が組込まれた画像形成装置に対して光源ユニットを交換するサービスシステムとして実施できる。
【0035】
上記の精密ユニット交換サービスシステムは、また、「被交換精密ユニット、交換用精密ユニットを、光走査装置を本体ユニットとするもの」とし、画像形成装置に対して光走査装置を交換するサービスシステムとして実施することができる。
【0036】
上記の任意の1の精密ユニット交換サービスシステムにおいて「特定された交換用精密ユニットと被交換精密ユニットとの交換」は、本体装置のある現場(出荷された本体装置が設置されている場所)で行うことができる。このようにする他、複数の地域に設けられたサービスステーションに「被交換精密ユニットを交換すべき本体装置」を搬入し、サービスステーションで交換作業を行った後、再度「本体装置が設置されていた場所」へ戻すようにすることもできる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を説明する。
図1は、精密ユニットの製造から交換までを模式的に示している。
図1(a)は「本体装置」を示している。本体装置1は、交換可能なユニットとして精密ユニット2を組付け固定されている。
図1(b)は、精密ユニット2を構成する本体ユニット2Aと組付け具2Bとを模式的に示している。
本体ユニット2Aは組付け具2Bに対して「保持態位を調整可能」であり、組付け具2Bに調整固定される。なお、保持態位を調整された本体ユニット2Aを組付け具2Bに固定する「固定手段」は組付け具の一部であるとする。
【0038】
図1(c)は「基準装置」を示している。基準装置1Aは、この例では、構造的には「本体ユニット1から精密ユニット2を除いたもの」である。基準装置は出荷の対象とはならず、精密ユニット2の製造工程において、調整のために用いられる。
【0039】
基準装置1Aは、装置の他の部分(図示されず)を規格通りに組付けられ、これら組付けられた他の部分に対して精密ユニット2の組付け具2Bを「所定の態位」で配置すべき基準配置部2Dを有している。
【0040】
さて、本体ユニット2Aと組付け具2Bとはそれぞれ、規格に従って製造される。即ち、本体ユニット2A、組付け具2Bは、規格に従い同一のものが量産される。しかしながら、加工誤差や組立誤差は不可避的であるから、現実の本体ユニット2A、組付け具2Bはそれぞれ「許容範囲内の加工誤差や組付け誤差」に応じて個別的に微妙に異なっている。
【0041】
図1(d)は、基準装置1Aに、組付け具2Bと本体ユニット2Aとをセットした状態を示している。図1(c)に示すように、基準装置1Aにおける基準配置部2Dは、組付け具2Bをセットする際の基準となるセット基準2D1、2D2(これらは、組付け具2Bを基準装置1Aに実際にセットする際に、組付け具2Bの態位を3次元的に特定できる基準である)が印されている。一方、組付け具2Bは、上記セット基準2D1、2D2に合致させることにより、基準装置1Aに対する組付け具2Bの態位を特定させるための組付け基準2B1、2B2を有する。
【0042】
図1(d)に示すように、基準装置1Aの基準配置部に、組付け具2Bを、その組付け基準2B1、2B2がそれぞれセット基準2D1、2D2と合致するようにセットすると、組付け具2Bは、基準装置1Aに「所定の態位でセットされた状態」となる。
【0043】
この状態において、今度は、本体ユニット2Aを組付け具2Bに対して調整し、本体ユニット2Aが「基準装置1Aに対して適正な位置関係」となるようにする。本体ユニット2Aの組付け具2Bに対する調整では、必要に応じ、前後・左右・上下の3次元方向の調整や、向きや方向を調整するための回転調整等が行われる。
【0044】
上記調整が完了して「本体ユニット2Aが基準装置1Aに対して適正な位置関係」となったら、この状態で、本体ユニット2Aを、組付け具2Bに(組付け具の一部をなす固定手段(螺子・接着剤等)により)固定する。このようにして、本体ユニット2Aと組付け具2Bとを相互に固定したものが精密ユニット2であり、これを図1(e)に示す。
【0045】
このようにして製造された精密ユニット2を考えて見ると、精密ユニット2は、その組付け具2Bを基準装置1Aに対して所定の態位でセットした状態で、本体ユニット2Aの調整を行い「本体ユニットが、基準装置に対して適正な位置関係となる」ようにしたから、本体ユニット2Aは「組付け具2Bを介して基準装置1Aに対して調整され適正化された状態」となる。
【0046】
換言すれば、各精密ユニットを構成する本体ユニット・組付け具には個別的な製造誤差等があるにも拘わらず、上記工程を経て製造された全ての精密ユニットは、基準装置1Aに対して共通のもの、即ち「調整なしで相互に交換可能な」ものとなる。
【0047】
図1(f)における符号1Bは「出荷される個々の本体装置」を示している。 個々の本体装置1Bは、出荷されるに当たり、精密ユニット2および他の部分が組込まれ「相互を機械的・電気的・光学的等に整合させる」ための調整が行われる。この調整の際、精密ユニット2の調整も(ユニット単位で)行われる。勿論、必要に応じて、本体側の各部の調整も行われる。
【0048】
そして、最終的に本体装置1Bに固定されるときの精密ユニット2の組付け位置は、一般には基準装置1Aにおける基準配置部2Dとは微妙に異なる位置になる。即ち、本体装置1Bに固定された精密ユニット2の配設位置は、本体装置1Bに固有のものとなる。
【0049】
しかしながら、本体装置1Bに対する精密ユニット2の調整は「本体ユニット2Aと組付け具2Bとを互いに固定一体化」したものとして(即ち、精密ユニットを単位として)行われるので、本体ユニット2Aと組付け具2Bの関係は不変である。
このようにして、精密ユニット2を組付けられた本体装置1Bは出荷される。
【0050】
出荷された本体装置1Bが出荷先で使用されるうちに、精密ユニット2が故障して交換の必要が生じた場合を考える。この場合まず、故障したのが精密ユニット2であることが確認され、それとともに、交換されるべき精密ユニット、即ち、被交換精密ユニットが「どの基準装置で調整されたものか」が特定される。勿論基準装置が唯1基しかない場合には、このような作業は不要である。
【0051】
「被交換精密ユニットと同じ基準装置により調整された精密ユニット」を交換用精密ユニットとし、サービスマンが現場へ持参する。サービスマンは、現場において、本体装置1Bにおける「被交換精密ユニットの固定状態」を適当な方法で、本体装置側に記し付ける。図1(g)は、本体装置1Bから被交換精密ユニットを取り外した状態を示している。
【0052】
符号2Cで示すのは「それまで被交換精密ユニットが組付けられていた組付け跡」である。サービスマンは、持参した交換用精密ユニットを、組付け跡2Cに位置合せ(この位置合せは、組付け具におけるセット基準2D1、2D2を用いて行う)を行い、位置合せ後、そのまま交換用精密ユニットを本体装置1Bに固定する。
【0053】
交換用精密ユニットは被交換精密ユニットと同じ基準装置で調整されているので「被交換精密ユニットと本体装置1Bとの位置関係を再現するように、交換用精密ユニットを本体装置1Bに組付ける」のみで、本体ユニットを本体装置1Bに適合させることができ、交換用精密ユニットにおける本体ユニットを改めて本体装置1Bに対して調整する必要はない。
【0054】
即ち、上に説明した精密ユニット2は、本体装置1に対して組付け状態を調整されて組付け固定され、本体装置1に対して交換可能な精密ユニットであって、本体ユニット2Aと、これを保持する組付け具2Bとにより構成され、本体装置1Bの出荷時には、精密ユニット2を単位として本体装置1Bに組付け態位を調整して組付け固定される。
【0055】
本体ユニット2Aは組付け具2Bに対して保持態位を調整可能であり、基準装置1Aに対し、組付け具2Bを所定の態位で配置した状態において、本体ユニット2Aの組付け具2Bに対する保持態位を調整して、基準装置1Aに対する本体ユニット2Aの位置関係を調整した状態で、本体ユニット2Aを組付け具2Bに固定してなる。
【0056】
また、図1(f)に示す本体装置1Bは、交換可能な精密ユニット2Aを、組付け具2Bにより組付け態位を調整して組込んでなる本体装置である。
【0057】
上記精密ユニット2は、本体ユニット2Aと組付け具2Bをそれぞれ、規格に従って製造し、組付け具2Bを基準装置1Aに所定の態位でセットし、セットされた組付け具2Bに対して本体ユニット2Aの態位を調整し、基準装置1Aに対して本体ユニット2Aが適正な位置関係となるようにした後、本体ユニット2Aと組付け具2Bとを相互に固定することにより製造される。
【0058】
また、図1(g)に即して説明したように、精密ユニット2の交換は、交換されるべき被交換精密ユニットと同じ基準装置で調整された精密ユニットを交換用精密ユニットとし、被交換精密ユニットの本体装置1Bへの固定状況を変更することなく(図1(g)に示す組付け跡2Cに合致させて交換用精密ユニットを組付ける)、被交換精密ユニットを交換用精密ユニットに交換することにより行われる。
【0059】
図2は、精密ユニット交換サービスシステムの実施の1形態を概念的に示す図である。図2(a)において、サービスセンタ3はサービス業務を行う中枢部であり、1以上のサービスステーションSST−1、SST−2、・・SST−Nとネットワークを組み、これら相互は適宜の通信システムで結ばれている。
A、B、C・・Y、Zは顧客を示す。
【0060】
例えば、顧客AからサービスステーションSST−1へ(電話、口頭、ファックス、電子メール等により)本体装置に修理点検の必要がある旨の連絡が入ると、サービスステーションSST−1からサービスマンが顧客Aのもとへ派遣される。サービスマンは本体装置の点検を行い精密ユニット交換の要否を判断する。
【0061】
精密ユニットの交換が必要である旨の判断をすると、サービスマンは、サービスステーションSST−1もしくはサービスセンタ3へ(電話、口頭、ファックス、電子メール等により)その旨を連絡する。このとき、サービスセンタ3へは、顧客Aにおける本体装置に用いられている精密ユニットを特定するための情報(製品番号等)を送る。
【0062】
サービスセンタ3では図2(b)のフロー図に示す手順により、メインコンピュータに上記「精密ユニット(被交換精密ユニット)を特定する情報」を入力して「被交換精密ユニットの特定」を行い、当該精密ユニットが「どの基準装置により調整されたか(メインコンピュータシステムのメモリ内に、各精密ユニットの関連情報として記憶されている)」を特定する(「基準装置の特定」)。
【0063】
このようにして基準装置が特定されたら、この基準装置で調整された交換用精密ユニットの特定を行う(「交換用精密ユニットの特定」)。
【0064】
さらに、サービスセンタ3では、上記の如く特定された交換用精密ユニットの在庫状況を調べ、在庫がある場合には直ちに在庫品をサービスステーションSST−1あるいは現場にいるサービスマンへ届ける。また、在庫が無い場合には、生産部門へ交換用精密ユニットを発注する。
【0065】
サービスマンは、交換用精密ユニットを入手したら現場(顧客Aにおける本体装置の設置場所)で、被交換精密ユニットを交換用精密ユニットで交換する。
【0066】
即ち、上に説明したシステムは、出荷された本体装置における精密ユニットに交換の必要が生じた場合に、精密ユニットの交換サービスを行うシステムであって、精密ユニット交換の必要が生じた本体装置における被交換精密ユニットの種類およびこの被交換精密ユニットの調整に用いた基準装置に関する情報により、交換用精密ユニットの種類を特定し、特定された交換用精密ユニットを被交換精密ユニットと、ユニットごと交換する精密ユニット交換サービスシステムである。また、特定された交換用精密ユニットは被交換精密ユニットと、本体装置のある現場で交換される。
【0067】
上に説明した実施の各形態は、交換可能な精密ユニットであれば、種類を問わず適用が可能である。
以下には、より具体的な例として、光走査装置における光源ユニットあるいは光走査装置自体を本体ユニットとし、これらをその本体装置である光走査装置あるいは画像形成装置に対して交換する場合を説明する。
【0068】
図3は、この発明を適用可能な光走査装置の1例を示している。
符号10で示す「半導体レーザ光源」から放射された光束は、カップリングレンズ11により以後の光学的に適合する光束形態、たとえば、平行光束や弱い集束性あるいは弱い発散性の光束に変換され、アパーチュア12により光束周辺部を遮断されて「ビーム整形」される。
【0069】
アパーチュア12を通過した光束は、シリンドリカルレンズ13により副走査方向(図面に直交する方向)へ集光され、光偏向手段である回転多面鏡のポリゴンミラー14の偏向反射面位置に「主走査方向に長い線像」として結像する。ポリゴンミラー14が等速回転すると、偏向反射面による反射光束は等角速度的に偏向し、走査結像光学系である「fθレンズ」を構成するレンズ15A、15Bを透過し、光路折曲げミラー16により反射されて、ハウジング17に形成された射出用の窓(図示されず。防塵用のガラスで閉ざされている。)から射出して、図示されない被走査面上に光スポットとして集光し、光走査を行う。
【0070】
図4に示すのは、画像形成装置の実施の1形態である。
被走査面の実体をなす感光性媒体は、光導電性の感光体20であってドラム状に形成され、時計回りに回転可能である。画像形成が行われるときには、感光体20が時計回りに等速回転され、その周面が帯電手段21(接触帯電方式による帯電ローラを例示したが、帯電ブラシを用いても良いし、コロナチャージャを用いても良い。)により均一帯電される。
【0071】
均一帯電された感光体20は次いで、光走査装置22による光走査で画像を書込まれ、静電潜像が形成される。なお、画像書込みは画像となる部分を露光するように行われ、静電潜像は所謂「ネガ潜像」として形成される。
【0072】
この静電潜像は現像装置24により反転現像され、トナー画像として可視化される。トナー画像を最終的に担持することになるシート状の記録媒体S(転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート等)は、感光体20の回転に伴うトナー画像の移動に合わせて転写部へ送り込まれ、転写手段25(転写ローラを例示したが、転写チャージャでも良い)によりトナー画像を転写された後、定着装置27に送られてトナー画像を定着され、装置外へ排出される。
【0073】
トナー画像転写後の感光体20はクリーニング装置26によるクリーニングを受け、残留トナーや紙粉等を除去される。
【0074】
図4に示す画像形成装置は、光走査装置22を「本体ユニット」とし、光走査方式の画像形成装置を「本体装置」として組込んでなる本体装置の実施の1形態となっている。
【0075】
即ち、本体ユニットとしての光走査装置22は、図3に示したような「ハウジングに光学配置してユニット化した光走査装置」であり、画像形成装置を本体装置として組付けるための組付け具23と一体化されている。ユニット化された光走査装置(本体ユニット)22は組付け具23と一体化されて「精密ユニット」を構成している。
【0076】
光走査装置22と組付け具23による精密ユニットは、光走査方式の画像形成装置から光走査装置と組付け具を除いた構成の基準装置に対して、先に説明したように調整されて製造される。この場合の基準装置としては組付け具をセットされる部分と、被走査面に対応する部分にラインセンサやエリアセンサを配置したもので、光走査における光スポットの結像状態や走査線の曲がり走査線ピッチ等を測定しつつ、光走査装置を組付け具に対して位置調整できるようにしたものを用いることもできる。
【0077】
光走査装置22に故障等により「交換の必要が生じたとき」には、光走査装置を本体ユニットとして組付け具23と一体化した「精密ユニット」を被交換精密ユニット、交換用精密ユニットとして、ユニットごと交換することができ、上記の精密ユニット交換サービスシステムを実施することができる。
【0078】
図5は、精密交換ユニットの実施の別形態を説明するための図である。
図5(a)は、実施の形態にかかる精密ユニット30の外観を示している。
【0079】
精密ユニット30は図3に示す光走査装置の場合で言うと、光走査装置を本体装置とし、光学系の少なくとも一部を構成する半導体レーザ光源10、カップリングレンズ11、アパーチュア12、シリンドリカルレンズ12を「光学ユニット」としてユニット化する場合の精密ユニットである。
【0080】
精密ユニット30は、図5(b)に示すように、光源部ユニット300、アパーチュア303、シリンドリカルレンズ310を「本体ユニット」として有し、これらを保持する「組付け具」は、基板301、光源部ユニット300を保持する保持板302、シリンドリカルレンズ310を支持する支持枠311、アパーチュア303を挟持するスリット溝、および、本体ユニットの各要素を組付け具に固定する(組付け具の一部としての)固定手段をなす螺子308、309、押さえバネ312等を有している。
【0081】
図5(b)、(c)、(e)において、X方向は光軸に平行な方向、Y方向は副走査方向、Z方向は主走査方向に対応する。
光源部ユニット300を、図5(c)、(d)に示す。(c)は光束射出側から見た状態、(d)は裏面側から見た状態である。図5(c)、(d)に示すように、光源部ユニット300は、ホルダ100により、半導体レーザ光源201とカップリングレンズ202とを一体に保持したものである。半導体レーザ光源201は、複数の半導体レーザ発光源をアレイ状に有する「半導体レーザアレイ」をパッケージ内に有し、ホルダ100の裏面側から圧入されてホルダ100に固定されている。このとき、半導体レーザ光源201のホルダ100に対する態位は所定の態位に調整されている。
【0082】
図5(c)に示すように、ホルダ100の光束射出側には、カップリングレンズ202を保持するレンズ保持部103が突設され、レンズ保持部103にカップリングレンズ202が「X、Y、Z方向に位置調整された状態」で接着固定されている。
【0083】
半導体レーザ光源201の複数の発光源から放射される光束は、カップリングレンズ202によりそれぞれ実質的な平行光束とされる。即ち、光源部ユニットは「マルチビーム走査用」である。
【0084】
組付け具の保持板302には嵌合穴304が形成され、光源部ユニット300のホルダ100には、嵌合穴304にぴったりと嵌合する円筒部104が形成されている。光源部ユニット300は、ホルダ100の円筒部104を保持板302の嵌合穴304に嵌合させて保持板302に係合される。
【0085】
アパーチュア303は、その一辺を、基板301に形成されたスリット溝に差し込まれ、開口部の中心位置がカップリングレンズ202の光軸に合致するように位置調整される。
【0086】
シリンドリカルレンズ310は、副走査方向におけるレンズ側縁部の一方を支持枠311の支持面に載せ、反対側から押さえバネ312により押圧固定されるようになっている。
【0087】
この実施の形態の場合、図5(a)に示す如き精密ユニットは、例えば「図3に示す光走査装置から、光学ユニットと組付け具を除いた部分」で構成される基準装置に対して調整される。この調整は、以下の如くに行われる。
【0088】
基準装置に対し、組付け具の基板301を所定の態位で配置する。その上で、光源部ユニット300、シリンドリカルレンズ310の態位を、組付け具に対して調整する。
【0089】
光源部ユニット300の組付け具に対する調整は、X軸方向の位置と「円筒部104の軸の回りの回転調整」であり、この調整により、マルチビーム走査における光スポット径と走査線ピッチの調整が行われる。
【0090】
上記回転調整は図5(f)に示すように、保持板302に嵌合保持させた光源部ユニット300を揺動的に態位調整し、基準装置により光走査される被走査面上における走査線ピッチが所望のピッチとなるように態位を定め、保持板302に向けられた螺子穴306、307を介して螺子308、309(図5(b)参照)により光源部ユニット300を保持板302に固定する。
【0091】
図5(f)において、符号302Aは保持板302に設けられた基準突起であり、ホルダ100に形成された当接面105と当接する。即ち、ホルダ100は保持板302に嵌合された状態で、先ず、当接面105が基準突起302Aと当接された状態とされる。この状態が調整における基準態位であり、この状態からホルダ100を図5(f)で反時計回りに回転させ、その後、揺動的に態位調整を行って保持板302に固定する。
【0092】
シリンドリカルレンズ310の調整は、図5(e)に示すように、光軸の回りの回転と、副走査方向への平行移動とを行うことによってなされる。この調整は、シリンドリカルレンズ310と、支持枠311の当接面311Aとの間にシム603を挟み、シムの枚数を調整することにより態位調整を行った後、押さえバネ312により固定することにより行われる。この調整により、シリンドリカルレンズ310を基準装置に対して適正な態位に調整できる。
【0093】
上記の如く、光源部ユニット300、アパーチュア303、シリンドリカルレンズ310を組付け具に対して調整し固定すると、図5(a)に示すような精密ユニット30が得られ、同一の基準装置に対して調整されたものは、互いに交換可能となる。なお、上記の実施の形態の場合、調整は光源部ユニット300のみの調整とし、シリンドリカルレンズ310の調整は行わないようにしても良い。
【0094】
即ち、上記精密ユニット30は、本体ユニットが、光走査装置を本体装置とし、光学系の少なくとも一部(半導体レーザ光源201、カップリングレンズ202、アパーチュア303、シリンドリカルレンズ310)を構成する光学ユニットであり、かつ、マルチビーム走査用の光源ユニットで、1以上の半導体レーザ(発光源)と、1以上のカップリングレンズ202とを有する。
【0095】
なお、上には基準装置として「基準の光走査装置から光源ユニットを本体ユニットとする精密ユニットを除いたもの」を用いたが、基準装置として、例えば、図3に示す光走査装置におけるfθレンズ15A、15Bと等価な光学系と、その結像面に位置する部分にラインセンサを配したものを用い、走査線ピッチを所定の値に調整するようにしてもよい。
【0096】
図5に示した実施の形態はまた、別の形態として実施することもできる。
この実施の形態においては、図5の構成から光源部ユニット300を除く部分を、光走査装置の本体側部分とし、光源部ユニット300を「精密ユニット」とするのである。この場合、「本体ユニット」は、半導体レーザ光源201とカップリングレンズ202とによる系であり、ホルダ100が「組込み具」である。
【0097】
そして、この精密ユニットを製造するには、適宜の基準装置を用い、ホルダ100に対して半導体レーザ光源201とカップリングレンズ202との保持態位を調整して、半導体レーザ光源201とカップリングレンズ202とをホルダ100に固定する。このようにして「精密ユニット」としての光源部ユニット300が得られる。
【0098】
これを本体装置としての光走査装置(このとき、図5の構成で、光源部ユニット300を除く部分は、本体装置側に組付けられている)に組付けるときには、光源部ユニット300(精密ユニット)を、本体装置側に組付けられている保持板302にセットし、保持板302に対して光源部ユニット300の態位を調整する。その一方において、本体装置側においても調整を行い、特に、シリンドリカルレンズ310の傾き調整を上述した実施の形態の場合と同様にして行う。
【0099】
そして、これら調整後に、光源部ユニット300を保持板302に固定する。固定方法は、図5に即して説明したのと同じである。
【0100】
このようにすると、精密ユニットとしての光源部ユニット300を交換する場合、同じ基準装置で製造した光源部ユニットを用いれば、それまで用いられていた光源部ユニットと同じ組付け状態に組付けるのみで、光源部ユニットと光走査装置の本体側との光学的な整合性が満足される。
【0101】
上には、マルチビーム走査方式として、半導体レーザ光源として半導体レーザアレイを用いる場合を説明したが、マルチビーム走査方式の光源部構成はこのようなものに限らず、ビーム合成プリズムを用いてビーム合成を行う方式のもの等、種々の方式のものが知られている。
【0102】
図6には、従来から知られたマルチビーム走査方式の光走査装置における「光源からポリゴンミラーに至る部分」の2例を示している。ポリゴンミラー以後は、例えば図3に示したものと同様である。
【0103】
図6(a)、(b)において、光源部は2つの半導体レーザ61、62を有し、これら半導体レーザ61、62から放射された光束はそれぞれ、カップリングレンズ63、64によりカップリングされ、アパーチュア65の各開口部を透過してビーム整形され、シリンドリカルレンズ67により、ポリゴンミラー68の偏向反射面位置に、副走査方向に互いに分離した「主走査方向に長い線像」として結像し、ポリゴンミラー68の等速回転に伴い等角速度的に偏向される。
【0104】
図6(a)において、符号66で示す液晶素子は「各半導体レーザから放射された光束の副走査方向への偏向量を調整し、走査線ピッチの調整を行う」のに用いられる。図6(b)における三角プリズム69も、これを揺動的に調整することにより走査線ピッチの調整を行う。これらによる走査線ピッチの調整は、図5の実施に形態におけるシリンドリカルレンズ310の傾き調整による走査線ピッチの調整と同じ意味を持つ。
【0105】
図7には、図6に示したような光学配置において、半導体レーザ61、62とカップリングレンズ63、64を本体ユニットとして一体化する場合の例を示している。
【0106】
図7(a)において、符号900で示す光源部ユニットは、ホルダ901により2つの半導体レーザとこれらの各々に対応するカップリングレンズ902、903を「所定の位置関係に調整」して一体化したものである。
【0107】
組付け具は、組付け基部911に対して垂直に立設された保持部905を有し、この保持部905に設けられた嵌合穴906に、光源部ユニット900のホルダに形成された円筒状部分904をぴったりと嵌合させる。この状態で、組付け具を「基準装置」に所定の態位で配置し、光源部ユニット(本体ユニット)900を組付け具に対して調整し、光源部ユニット900が「基準本体ユニットに対して適正な状態」となるようにする。
【0108】
この調整は、光源部ユニット900を組付け具に対しX軸方向(円筒状部分904の軸方向)への位置調整、上記X軸の回りの回転調整を行うことにより実行される。
【0109】
即ち、螺子907、908を螺子穴909、910に差込み、上記調整後、ホルダ901を組付け具に固定する。螺子穴909、910は、螺子907、908の径よりも大きく、この「遊び分」だけ、ホルダ901を「円筒状部分904の軸(X軸に平行な軸)」を中心に回転調整でき、調整された状態で螺子締結できる。このようにして「精密ユニット」が製造される。
【0110】
図7(b)は、このようにして得られた精密ユニットを、本体装置(光走査装置)に組付ける状態を示している。符号1001で示す本体装置側の取り付け部位には、位置決め補助用の突起1008が形成されており、これを組付け具の組付け基部911の係合穴に係合させて、X方向の位置やYZ面に対する傾きの調整を行い、また組付け基部911と取りつけ部1001との間に噛ませるシム1003、1004、1005等の枚数を調整して、精密ユニットのY方向の位置とXZ面に対する傾きを調整したのち、組付け具を螺子1006、1007により螺子締結する。
【0111】
この螺子締結後、本体装置側において、図6における液晶素子66や三角プリズム69の調整を行って、走査線ピッチの最終的な調整を行う。
【0112】
精密ユニットを交換する場合には、同一の基準装置で調整された精密ユニットを交換用精密ユニットとして、交換されるべき非交換精密ユニットがそれまで本体装置に組み付けられていた通りに組付ければ、それで交換は終了し、交換用精密ユニットを本体装置に対して更に調整する必要は無い。
【0113】
図8に実施の別形態を示す。
この実施の形態において、符号1201で示す「光源部ユニット」は、図7において符号900で示したものと同様のものである。精密ユニットは、光源部ユニット1201と組付け具1202とで構成される。光源部ユニット1201を組付け具1202に組付ける組付け方は、図7の実施の形態において、光源部ユニット900を組付け具の保持部905に組込むのと全く同様である。この組込みが、基準装置に組付け具1202を「所定の態位で配置して」行われることは言うまでも無い。
【0114】
図8(a)において、符号1203は組付け具1202に突設された「円筒状部分」を示す。図8(b)は、光源部ユニット1201と組付け具1202による「精密ユニット」を本体装置に組付ける状態を示している。
【0115】
本体装置1301は精密ユニット組付け基板1303を固定的に有しており、この精密ユニット組付け基板1303に対して精密ユニットを調整して組付け固定する。
【0116】
精密ユニットの組付け具に形成された円筒状部分1203を、精密ユニット組付け基板1303に設けられた嵌合孔にぴったり嵌合させ、円筒状部分1203の軸方向(X方向)の位置を調整し、次ぎに、精密ユニット組み付け基板1303に設けられた調整螺子1307の先端部を、組み付け冶具1202に設けられている当接部1204に当接させ調整螺子1307の送りにより精密ユニットを円筒状部分1203の軸の回りに回転させて調整を行い、調整後、螺子1304、1305により螺子締結して精密ユニットを本体装置へ固定する。
【0117】
螺子締結後、本体装置側において、図6における液晶素子66や三角プリズム69の調整を行って、走査線ピッチの最終的な調整を行う。
【0118】
精密ユニットを交換する場合には、同一の基準装置で調整された精密ユニットを交換用精密ユニットとして、交換されるべき非交換精密ユニットがそれまで本体装置に組み付けられていた通りに組付ければ、それで交換は終了し、交換用精密ユニットを本体装置に対して調整する必要は無い。
【0119】
図7、図8に即して説明した実施の各形態において、精密ユニットは何れも、本体ユニットが「光走査装置を本体装置とし、光学系の少なくとも一部を構成する光学ユニット」であり、マルチビーム走査用の光源ユニットであって、1以上の半導体レーザ(各形態において2個)と、1以上のカップリングレンズ(各形態において2個)とを少なくとも有する。
【0120】
従って、これらの精密ユニットを組込んだ光走査装置は、光学ユニットを本体ユニットとする精密ユニットを組込んでなる本体装置である。
【0121】
また、図7、図8の実施の形態に即して説明した精密ユニットは、本体ユニットが光学ユニットであり、基準の光走査装置から光学ユニットと組付け具を除いたものを基準装置とし、この基準装置に対して所定の態位で組付け具をセットし、組付け具に対して光学ユニットを態位調整して光走査装置が所望の光走査特性を実現するようにしたのち、組付け具と光学ユニットを相互に固定一体化することにより製造され、光走査装置はマルチビーム走査方式の光走査装置で、光学ユニットは光源ユニットである。
【0122】
これら精密ユニット(光源ユニット)を、交換用精密ユニットとして交換することができ、この交換を、精密ユニット交換サービスシステムによって効率よく行うことができる。
【0123】
【発明の効果】
以上に説明した如く、この発明によれば新規な「交換可能な精密ユニット、精密ユニットを組込んでなる本体装置、交換可能な精密ユニットの製造方法、精密ユニットの交換方法」を実現できる。
【0124】
この発明の精密ユニットは、共通の基準装置に対して調整した組付け具と本体ユニットとを互いに固定することで製造され、この精密ユニットを組込んだ本体装置に対しては、煩わしい調整を行うことなく精密ユニットの交換を行うことができ、交換サービスをシステム化して交換を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の技術思想を説明するための図である。
【図2】 この発明の精密ユニット交換サービスシステムの実施の1形態を説明するための図である。
【図3】 この発明を実施可能な光走査装置の1例を示す図である。
【図4】 図3の光走査装置を本体ユニットとし組付け具とともに精密ユニットとした本体装置である画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図5】 マルチビーム走査方式の光走査装置を本体装置とする、精密ユニットの実施の1形態を説明するための図である。
【図6】 マルチビーム走査方式の光走査装置における光源からポリゴンミラーまでの光学配置の例を2例示す図である。
【図7】 マルチビーム走査方式の光走査装置を本体装置とする、精密ユニットの実施の別形態を説明するための図である。
【図8】 マルチビーム走査方式の光走査装置を本体装置とする、精密ユニットの実施の他の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 本体装置
2 精密ユニット
2A 本体ユニット
2B 組付け具
1A 基準装置
1B 出荷される本体装置
Claims (4)
- マルチビーム走査用の光源部ユニットから発せられた複数のビームを、光学素子および光偏向手段を用いて被走査面上に結像させて走査させる光走査装置において、
上記被走査面における副走査方向のビームピッチを調整する調整機構を少なくとも2つ有し、
調整機構の1つは、上記光源部ユニットの組付け具に対する保持態位を調整可能とし、
他の調整機構は、上記光源部ユニットを組付けられた上記組付け具を本体装置に対して保持態位を調整可能とし、上記各調整機構は、その調整の細かさ又は調整の範囲が異なることを特徴とする光走査装置。 - マルチビーム走査用の光源部ユニットから発せられた複数のビームを、光学素子および光偏向手段を用いて被走査面上に結像させて走査させる光走査装置において、
上記被走査面における副走査方向のビームピッチを調整する調整機構を少なくとも2つ有し、
調整機構の1つは、光源部ユニットの組付け具に対する保持態位を調整可能とし、
他の調整機構は、上記光源部ユニット以外の光学素子を用いて調整を行い、上記各調整機構は、その調整の細かさ又は調整の範囲が異なることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1又は2記載の光走査装置において、
上記光源部ユニットを上記組付け具に保持態位を調整し固定する当接面が、上記光源部ユニットにおける光軸に略平行な方向を向いていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至3の何れか1つに記載の光走査装置を用いて画像を形成して出力する画像形成装置。
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