JP3913105B2 - 現金装填回収システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(自動取引装置)やPOS(point of sales)レジスタ等の現金取り扱い装置に対して、現金装填回収庫等を用いて現金処理装置により現金の装填と回収を行うシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ATMやPOSレジスタ等の現金取り扱い装置に対して、装置の運用に必要な現金を装填したり、精算等のために現金を回収する作業は、それらの装置が設置されている場所の係員等が実施していたが、近年コンビニエンスストア等の店舗にATMやPOSレジスタ等が設置されるようになり、これらのATMやPOSレジスタ等の現金取り扱い装置に対する現金を装填や回収を行う場合、それを専門に扱う管理会社が出現している。
【0003】
この管理会社はATMやPOSレジスタ等の現金取り扱い装置を運用している会社から委託を受け、コンビニエンスストア等の装置の設置場所を巡回して現金の装填、回収を実施する。
実施に当たっては、ATMやPOSレジスタ等の現金取り扱い装置に対して個々に専用の金庫を準備し、これらの専用の金庫に管理会社等の施設で事前に必要な現金を詰め、係員が配送車で各装置の設置場所を巡回し、設置場所で台車等に積み替えて現金取り扱い装置に運び、金庫を交換して、その交換した金庫を配送車で持ち帰って金庫毎に精算を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の技術では、係員が金庫を手作業で配送車と台車の間の金庫の積み降しをするため、作業に手間や時間がかかり、積み降しを行っている金庫の以外の金庫に注意が行き届かない等、防犯面での不備が多いという問題がある。
【0005】
また、現金取り扱い装置に対して金庫を交換する場合、装填する金庫内の現金の内訳を入力しなければならない等、面倒な操作も必要であり、金庫の積み降しと併せて係員の負担が大きいという問題もある。
本発明はこのような問題を解決することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、現金の入出金を行う現金取扱い装置と、この現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行う現金処理装置と、この現金処理装置から現金取扱い装置に対して装填、回収する現金を収納する現金装填回収庫と、前記現金処理装置と現金装填回収庫を搭載して、現金取扱い装置の設置場所を訪問する配送車と、前記現金装填回収庫を装着して前記配送車から現金取扱い装置まで移動する移動手段と、この移動手段に装着する現金装填回収庫を所定の位置に固定する位置決め機構と、前記移動手段を配送車に積み降しする昇降手段とを具備し、前記現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行うとき、位置決め機構で移動手段上に現金装填回収庫を固定したまま昇降手段により積み降しできるようにすると共に、前記昇降手段により移動手段を配送車に積み込んだとき、移動手段上の現金装填回収庫が現金処理装置の所定の位置に対応づけられ、移動手段上の現金装填回収庫に対して現金処理装置が現金の装填、回収を行えるようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態のシステム構成を示す概略図である。
コンビニエンスストア1には、商品販売データを入力するためのPOSレジスタ(現金取扱い装置)2と、入金や支払い等の金融取引を実行するATM(現金取扱い装置)3が設置されている。
【0008】
POSレジスタ2は、そのコンビニエンスストア1の売上管理を行うためのCVSセンタに設けられたコンピュータ等によるCVSセンタ装置4に電話回線等の通信回線を介して接続されている。これによりPOSレジスタ2の売上データは必要に応じてCVSセンタ装置4に通信回線を経由して報告される。CVSセンタ装置4ではPOSレジスタ2から報告される売上データをコンビニエンスストア1毎に記憶手段に記憶させて蓄積し、集計処理を行うと共に、売上データの内訳から在庫予測、販売予測を行って必要な場所に商品の配送等を指令する。
【0009】
また、CVSセンタ装置4はPOSレジスタ2に内蔵された現金の在高を記憶手段に記憶させ、その売上データや釣り銭払出しの状況から、売上金の回収や販売に必要な釣り銭準備金の予測を行い、後述する運用管理センタに現金の装填、回収を指令するものとなっている。
ATM3は、ここではコンビニエンスストア1に設置した例を示しているが、一般にATM3を保有、運用しているのはPOSレジスタ2を保有、運用しているコンビニエンスストア1とは別の会社である銀行等の金融機関であり、従ってATM3は、金融機関のセンタに設けられたコンピュータ等による金融センタ装置5に電話回線等の通信回線を介して接続されている。
【0010】
金融センタ装置5の記憶手段には各顧客の口座番号や取引内容及び残高等が口座データとして記憶されており、顧客がATM3を操作して取引を行う毎に、取引内容の追加及び残高の更新等が行われる。
また、金融センタ装置5の記憶手段にはATM3に装填されている現金の現在の在高も在高データとして記憶されており、金融センタ装置5はこの取引による現金の預け入れ、払出し状況により取引に必要な資金の在高予測を行い、ATM3に残っている現金の在高に応じて現金の装填、回収を後述する運用管理会社の装置に指示するものとなっている。
【0011】
運用管理会社のセンタに設けられているコンピュータ等による運用管理センタ装置6はコンビニエンスストア1や金融機関から委託されてPOSレジスタ2やATM3の稼働状況を監視し、障害等が発生した場合には、復旧のために保守員を派遣したり、POSレジスタ2やATM3の現金の回収や装填が必要なときにはコンビニエンスストア1を訪問して現金の回収や装填を行う配送車7に対して無線で指示を出すものとなっている。
【0012】
この運用管理センタ装置6の記憶手段にはPOSレジスタ2やATM3の在高データと資金の運用データが記憶されている。
また、運用管理センタ装置6によるデータ収集や指示送出のためにPOSレジスタ2、ATM3、及び配送車7には無線通信手段(例えば、PHS)が組み込まれており、運用管理センタ装置6は通信回線で接続された通信センタ280を経由してPOSレジスタ2、ATM3、及び配送車7と直接交信できるようになっている。
【0013】
配送車7には、POSレジスタ2やATM3に現金を装填したり回収したりするための現金装填回収庫である紙幣装填回収庫や硬貨装填回収庫に現金を計数して装填したり、これら紙幣装填回収庫や硬貨装填回収庫から現金を計数して回収するための現金処理装置が搭載されている。
尚、CVSセンタ装置4と金融センタ装置5と運用管理センタ装置6はインターネット9により接続される。
【0014】
上述したシステムにおけるPOSレジスタ2に対して釣り銭装填や売上金の回収行う場合の判定について説明する。
CVSセンタ装置4はコンビニエンスストア1に設置されているPOSレジスタ2に内蔵された現金ユニットに収納されている現金の在高を監視している。
すなわち、前回にPOSレジスタ2の現金ユニットに装着された釣り銭の内訳から、それまでの売上に従った売上金と、釣り銭の内訳と、今後の売上予測から釣り銭準備金の装填や、売上金の回収の有無を判定する。
【0015】
以下にその方法について述べる。
▲1▼ まず、前回の釣り銭準備金装填時の釣り銭準備在高の内訳A1と、前回の装填時から現在までの売上金の内訳A2と、前回の装填時から現在までに支払われた釣り銭A3をもとに、現在の釣り銭準備金在高の内訳Aを算出する。
A=A1+A2−A3
▲2▼ 次に、現在の釣り銭準備金在高の内訳Aと、現在から次回釣り銭準備金の装填を行う予定時刻までの間の売上の予測値B1と、現在から次回釣り銭準備金の装填を行う予定時刻までの間に支払う釣り銭の予測値B2をもとに、次回釣り銭準備金の装填を行う予定の時刻における釣り銭準備金在高の予測値Bを算出する。
【0016】
B=A+B1−B2
この、釣り銭準備金在高の予測値Bの算出においては、在高や装填の内訳の算出のために、現在から次回装填を行うまでの予測値を加味したことにより判定の精度を高めることができる。
▲3▼ 次に、次回装填してから更にその次(次次回)に装填を行う予定の時刻までの売上金の予測値C1と釣り銭の予測値C2から、次回装填する釣り銭準備金の内訳Cを算出する。ただし、このとき、予測値に対して誤差が発生することがあるため、予測値に対して釣り銭の予備値C3を加算する。
【0017】
C=C1−C2+C3
▲4▼ これらの算出結果をもとに、釣り銭準備金装填の必要性の有無を判定する。
a.次回釣り銭準備金の装填を行う予定時刻における釣り銭準備金在高の予測値Bが次回装填する釣り銭準備金の内訳Cより少ない(B<C)場合は、次次回の装填までに釣り銭が不足すると判断し、次回釣り銭の装填が必要と判定する。
【0018】
b.次回釣り銭準備金の装填を行う予定時刻における釣り銭準備金在高の予測値Bが次回装填する釣り銭準備金の内訳Cより多く、しかも、所定の在高(例えば、次回装填する釣り銭準備金の内訳Cの2倍の値)以下(C<B≦C×2)の場合は、釣り銭は充分あると判断して次回釣り銭の装填は不要と判定する。
c.次回釣り銭準備金の装填を行う予定時刻における釣り銭準備金在高の予測値Bが所定の在高(例えば、次回装填する釣り銭準備金の内訳Cの2倍の値)以上(C×2≦B)の場合は、釣り銭が過剰であると判断して、次回は釣り銭の回収が必要と判定する。
【0019】
釣り銭準備金の装填、回収の判定基準として、次回装填してから次次回装填を行う予定の時刻までの売上金予測値C1と釣り銭の予測値C2を使うため、時間帯や曜日等により売上高が変動しても、過不足のない常に最適な釣り銭を供給することが可能になる。
以上のようにして釣り銭準備金の装填または回収を判断する。もちろん、装填する場合には、「次回釣り銭準備金の装填内訳」に従って金種別枚数が指示される。
【0020】
更に、CVSセンタ装置4は、POSレジスタ2の売上金の総額を監視し、その回収の必要性の有無を判定する。
▲5▼ すなわち、前回の売上金の回収から現在までの売上金D1と、現在から次回の回収予定時刻までの売上金の予測値D2を加算して、次回の回収までの売上総額金Dを算出する。
【0021】
D=D1+D2
▲6▼ この算出結果をもとに売上金の回収の判定を行う。
これは、売上総額金Dが予め定めた回収基準額(例えば、100万円)E以上のとき(E≦D)、売上金の回収が必要と判定する。
図2はCVSセンタ装置4で監視するPOSレジスタ2の在高データの例を示す図である。
【0022】
この図に示したように前回の装填額、現在までの入金、現在までの釣り銭、及び現在の在高は、紙幣と硬貨の金種別枚数の内訳で管理されている。
現在から次回までの現金の装填、次次回の装填までの売上金の予測、及び釣り銭の予測は、前日の同一時間帯や、前週の同一曜日、同一時間帯等の実績値をもとに算出する。
【0023】
また、釣り銭準備金の予備は、一時的な釣り銭の増加にも対応できるように充分に確保する。
以上にようにして、CVSセンタ装置4は釣り銭準備金の装填、回収、売上金の回収の判定を行い、その結果POSレジスタ2に対して釣り銭準備金の装填、回収、売上金の回収が必要と判定した場合、インターネット9を介して運用管理センタ装置6に釣り銭準備金の装填、回収、売上金の回収を要請する。
【0024】
但し、その結果、釣り銭の準備金の金種別の内訳、または売上金のいずれか1項目の装填、回収が必要なときは、他の項目についても装填、回収処理を同時に行うようにする。
例えば、釣り銭準備金の装填または回収が必要なときは、売上金が所定額に満たなくとも、回収してしまうものとする。
【0025】
逆に、売上金の回収が必要なときは、釣り銭が充分な在高であっても、次回の釣り銭準備金内訳に従って装填を行うようにする。
これにより、売上金の早期回収と釣り銭準備金の最適化を図ることができ、余分な現金がPOSレジスタ2に死蔵されるのを防止できると共に、現金の処理頻度を少なくすることが可能になる。
【0026】
一方、金融センタ装置5でもコンビニエンスストア1に設置されているATM3の稼働状況を監視すると共に、ATM3内蔵された現金ユニットに収納されている現金の在高を監視し、必要に応じて現金の装填や回収の有無を判定する。
以下にそれについて説明する。
▲1▼ まず、前回の現金装填の内訳F1と、前回の装填時から現在までの入金取引の内訳F2、及び前回の装填時から現在までの支払い取引の内訳F3をもとに、現在の現金在高の内訳Fを算出する。
【0027】
F=F1+F2−F3
尚、入金取引の内訳F2と支払い取引の内訳F3は、ATM3から取引処理が行われる毎に逐次電話回線を介して金融センタ装置5に報告されている。
▲2▼ 次に、現在の現金在高の内訳Fと、現在から次回装填を行う予定の時刻までの入金取引の内訳の予測値G1と、現在から次回装填を行う予定の時刻までの支払い取引の内訳の予測値G2をもとに、次回装填を行う予定の時刻における現金在高の内訳の予測値Gを算出する。
【0028】
G=F+G1−G2
▲3▼ 次に、次回装填してから更にその次(次次回)に装填を行う予定の時刻までの支払い取引の内訳の予測値H1と、次回装填してから次次回装填を行う予定の時刻までの入金取引の内訳の予測値H2から、次回装填する現金の内訳Hを算出する。ただし、このとき、予測値に対して誤差が発生することがあるため、予測値に対して支払い取引の予備H3を加算する。
【0029】
H=H1−H2+H3
▲4▼ これらの算出結果をもとに、ATM3に対する現金の装填、回収の必要性の有無を判定する。
a.次回装填を行う予定の時刻における現金在高の内訳の予測値Gが次回装填する現金の内訳Hより少ない(G<H)場合は、このまま次回現金を装填しないと次次回の装填までに現金が不足すると判断し、次回現金の装填が必要と判定する。
【0030】
b.次回装填を行う予定の時刻における現金在高の内訳の予測値Gが次回装填する現金の内訳Hより多く、しかも所定の在高(例えば、次回装填する現金の内訳Hのうち紙幣は1.5倍)以下(H<G≦H×1.5)の場合は、現金は充分あると判断して次回の現金の装填は不要と判定する。
c.次回装填を行う予定の時刻における現金在高の内訳の予測値Gが前記所定の在高(例えば、次回装填する現金の内訳Hのうち紙幣は1.5倍、硬貨は3倍の値)以上(H×1.5(または3)≦G)の場合は、現金が過剰であると判断して、次回は現金の回収が必要と判定する。
【0031】
以上のようにして現金の装填または回収を判定する。
尚、金融センタ装置5ではATM3の現金の在高を金種別に監視しており、現金の過不足の判定は、各金種(万、五千、二千、千、五百、百、五十、十、五、一円)毎に行われる。
図3は金融センタ装置5により監視するATM3の在高データの例を示す図である。
【0032】
この図に示したように前回の装填額、現在までの入金、現在までの支払い、及び現在の在高は、紙幣と硬貨の金種別枚数の内訳で管理されている。
これらの金種別の在高データをもとに、例えば前記▲4▼のaのように現金の不足を判断する場合は、次回装填を行う予定の時刻における現金在高の内訳の予測値と次回装填する現金の内訳を比較し、いずれか1金種でも少ないときは、現金が不足すると判断し、次回現金の装填が必要と判定する。
【0033】
一方、前記▲4▼のcのように現金の過剰を判断する場合も、aの不足を判断する場合と同様に各金種別に比較するが、紙幣については、次回装填する現金の内訳の1.5倍を基準として過剰を判定し、硬貨ついては、次回装填する現金の内訳の3倍を基準として過剰を判定する。
その結果、いずれか1金種でも過剰と判断したときは、次回現金の回収が必要と判定する。
【0034】
ここで、紙幣と硬貨の判定の基準を変えたことにより、紙幣は高額であるために早めの回収を指示し、資金がATM3の中に放置される時間を短くして資金の運用効率を改善することができるものとなる。
また、硬貨は紙幣に比べて低額であって、大量に溜まっても資金運用の阻害になる度合いが低いので、なるべく回収処理の頻度を少なくし、これにより回収作業の効率を改善できるようにしている。
【0035】
以上、ATM3において各金種の現金の過不足について説明したが、いずれか1金種でも不足または過剰と判断した場合、金融センタ装置5は装填または回収が必要と判定し、ATM3の在高が次回装填する現金の内訳となるように全金種に対して装填または回収を行うよう金融センタ装置5からインターネット9を介して運用管理センタ装置6に要請する。
【0036】
従って、一度装填または回収が行われると、ATM3の在高は全金種について最適値とすることができ、不足や過剰の金種だけの装填、回収を行う場合に比べてその処理の頻度を大幅に少なくすることができる。
また、現在から次回装填までの取引の予測や、次回の装填から次次回の装填までの取引の予測は、前日の同一時間帯や、前週の同一曜日、同一時間帯等の実績値をもとに行うため、時間帯や曜日等により取引高が変動しても、過不足のない常に最適な現金を装填することが可能になる。
【0037】
以上、予定された時刻にPOSレジスタ2やATM3に対して現金の装填,回収を行う場合について説明したが、突発的に予想以上の客が来店した場合等、POSレジスタ2で釣り銭が予想以上に支払われたり、ATM3で予想以上に高額の支払いが行われると、次回の装填までにPOSレジスタ2の釣り銭やATM3の現金に不足が生じることが予想される。
【0038】
このような場合には、緊急に装填指示が出されることは当然である。
例えば、POSレジスタ2を監視しているCVSセンタ装置4で、単位時間当たりの払い出された釣り銭が、所定以上になった場合、釣り銭不足が生じる恐れありと判断して緊急の装填をインターネット9を介して運用管理センタ装置6に指示する。
【0039】
また、ATM3を監視している金融センタ装置5でも、所定額以上の高額支払いが連続して行われたことを検出した場合等、支払い現金が不足する恐れありと判断して緊急の装填をインターネット9を介して運用管理センタ装置6に指示する。
運用管理センタ装置6は、CVSセンタ装置4や金融センタ装置5から各コンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に対する現金の装填や回収処理の指示を受けると、その指示の通知に付加されている金種内訳を集計し、そして無線により通信センタ280を介して配送車7にコンビニエンスストア1への訪問と、POSレジスタ2やATM3に対する現金の装填や回収処理を行うよう指示すると共に、前記金種内訳の集計結果に基づく現金量データを配送車7に送信する。
【0040】
配送車7は現金処理装置を搭載して複数のコンビニエンスストア1を定期的に巡回しており、運用管理センタ装置6から各コンビニエンスストア1のPOSレジスタ2及びATM3に対するそれぞれの現金の装填や回収の指示と、現金の内訳データを受けると、運用管理センタで現金処理装置に現金を積み込んだ後、各コンビニエンスストア1を訪問して、その訪問毎にPOSレジスタ2やATM3に対して、それぞれ指定された現金の装填や回収処理を現金処理装置によって行う。
【0041】
このとき、紙幣については、POSレジスタ2とATM3の装填、回収額を合算した現金を配送車7の現金処理装置に積み込むために合算した現金は、個別に積み込む場合に比べて少なくて済む。
すなわち、一般的には、POSレジスタ2は売上金が入金されるので、現金の回収指示が出されること多く、これに対してATM3では預金の支払い取引頻度が入金取引頻度より高いので、現金の装填指示が出されることが多い。
【0042】
従って、配送車7は巡回の途中でPOSレジスタ2から現金を回収し、その回収した現金をATM3に装填する現金に廻すことができる。そのため、配送車7の現金処理装置に予め積み込む現金の量を削減することができ、それにより多量の現金を輸送することの危険を回避できると共に、少量の現金でPOSレジスタ2及びATM3の運用が可能になるので、現金の運用効率の向上を図ることができる。
【0043】
但し、このように複数のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に必要な現金を合算した上で積み込み指示を出すのは紙幣のみであり、硬貨は各POSレジスタ2やATM3毎に専用の硬貨装填回収庫を用意し、それぞれに必要な硬貨の量を準備する。
その理由は、
▲1▼ 一般的にPOSレジスタ2でも、またATM3でも、硬貨は釣り銭として支払いに用いることが多く、互いに融通し合うことができない場合が多い。
▲2▼ ATM3においては、たまに大量に硬貨が入金されることもあるが、これは突発的に生じるものであって、このような突発的な大量の硬貨の入金をあてにして現金の準備を行うことができない。
▲3▼ 硬貨は紙幣に比べて小さく、重いため、移動中の配送車7の中で融通し合うための処理を行うには、確実に硬貨を取り出して計数等を行う必要があり、そのために複雑な機構部が必要となる。
▲4▼ 硬貨は小額であるので、取扱い量を減らしても、資金効率の改善効果が小さい。
等によるものである。
【0044】
ここで配送車7の構造及び機能について説明する。
図4は配送車7の概略斜視図で、この配送車7の荷台には現金処理装置30が搭載されている。
この現金処理装置30は、紙幣及び硬貨の装填や回収及びそれに伴う計数処理や保管等を行う現金処理部10と、この現金処理部10に対して紙幣の装填や回収処理を指示したり外部との通信、現金に関する安全確認を行う制御部20を備えている。
【0045】
また、配送車7の荷台の屋根の上には、外部と無線電話でデータの通信を行うための通信部21及び配送車7の現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)による位置検出部22が搭載されている。
配送車7の運転席には操作表示部27が搭載されており、運転席にいる係員に対して、現金の装填、回収の指示や現金処理部10の状況等の表示が行われるようになっている。
【0046】
現金処理部10は荷台の後部側に配置されており、荷台の扉8を開くことにより現金処理部10の操作が可能になる。
荷台の扉8の外面には個人認識部23が取り付けられており、この個人認識部23に予め登録された係員であると判定された場合のみ扉8の施錠する施錠手段が開錠され、扉8を開くことができるようになっている。
【0047】
この個人認識部23の認識手段としては例えば虹彩(アイリス)が用いられ、そのため、係員が扉8を開くとき、個人認識部23に内蔵されたカメラで係員を撮影して虹彩情報(画像)を取得し、取得した虹彩情報(画像)から作成される虹彩データと事前に登録されている虹彩データとの一致をとることで、扉8を開くことが許可された係員であるか否かを判定する。
【0048】
このようにすることにより、不審人物等が扉8を開けて現金処理部10を不正に操作するのを防止することができる。
尚、ここでは、個人認識部23の認識手段として虹彩を用いる場合について説明したが、個人の指紋,掌紋,顔貌等の生体情報を認識手段として用いても同様の効果が得られる。
【0049】
しかし、現金を取り扱うために金庫を搭載した後述する台車を押していたり、コンビニエンスストア1で販売する商品を同時に配送するような場合には、係員が手袋をしていることが多く、そのようなとき台車から手を離したり、手袋をはずす手間がかかるだけでなく、現金操作の前に時間がかかるので防犯上好ましくない。また、この他の手段としては、音声による個人認識があるが、配送車7が停車する街頭では騒音が大きいので、適当ではない。
【0050】
従って虹彩による個人認識が、最も信頼正が高く、最適である。
図5は現金処理装置30の構成を示すブロック図である。
この図に示したように、現金処理装置30は、現金処理部10、制御部20から成り、また制御部20には通信部21、位置検出部22、個人認識部23、操作表示部27が接続されていて、これら各部は制御部20によって制御され、動作するものとなっている。
【0051】
制御部20には、配送車7の荷台の扉8の施錠手段や、現金処理部10の異常を検出してアラームを発信する保安部24も接続されている。
保安部24は配送車7のエンジンと連動し、エンジンの停止中に保安部24に内蔵されている振動検出部が異常な振動を検出した場合には、異常と判断してアラームを発信する。このアラームは、制御部20を経由し、通信部21から通信センタ280を介して運用管理センタ装置6や必要に応じて警察署等に通報される。 また、保安部24は、配送車7の荷台の扉8の施錠や開錠を行ったり、扉8に取り付けられていて現金の装填、回収を行うための複数の金庫を搭載する台車を受け入れる機構部の制御も行う。
【0052】
この機構部については後で説明する。
制御部20は、主制御部25と電源部26、及び図示しない記憶部等によって構成され、主制御部25はCPUを内蔵し、各部から送られてくるデータをもとに現金処理装置30全体の制御を行うと共に、運用管理センタ装置6から送られてくる現金の装填、回収に関するデータや、後述する紙幣装填回収庫や硬貨装填回収庫等の各金庫に設けられた記憶部から読みだした記憶内容等を前記記憶部に記憶させるものとなっている。
【0053】
また、電源部26は配送車7の発電機に接続されたバッテリと、このバッテリの電源を現金処理装置30の各部に必要な電源に変換して供給するもので、内蔵バッテリを有しており、この内蔵バッテリにより配送車7の停止中にも現金処理装置30の動作を可能にしている。
現金処理部10は、例えば万、五千、二千、千の4金種の紙幣を金種別に保管するための紙幣保管庫11、POSレジスタ2やATM3との間で紙幣の授受を行うための紙幣装填回収庫(現金装填回収庫)12、紙幣保管庫11と紙幣装填回収庫12とをつないで紙幣を相互に移動するための紙幣搬送部13、POSレジスタ2やATM3からリジェクト紙幣を受入れるためのリジェクト庫14、POSレジスタ2やATM3との間で硬貨の授受を行うための硬貨装填回収庫(現金装填回収庫)15、これら紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14及び硬貨装填回収庫15等の各金庫を搭載して配送車7とコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3との間を移動するための台車16、更にこの台車16に搭載されるリジェクト庫14及び硬貨装填回収庫15を自動的に交換するための交換部17により構成されている。
【0054】
これら紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15の各金庫は、それぞれ複数個づつ用意され、POSレジスタ2とATM3に共通に使用するため、各金庫毎に同一構造に形成されている。
図6は台車16の概略斜視図である。
台車16には紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14及び硬貨装填回収庫15を搭載されるが、ここではそれぞれ3個の紙幣装填回収庫12a〜12c、リジェクト庫14a〜14c、及び硬貨装填回収庫15a〜15cを搭載する例を示している。
【0055】
通常のコンビニエンスストア1は、1台のATM3と、3〜4台のPOSレジスタ2が設置される場合が多い。
また、2台のPOSレジスタ2は、1台のPOSレジスタ用紙幣処理部を共用できるので、紙幣処理部は1台のATM3の分と、2台のPOSレジスタ2の分の合計3台分あればよい。
【0056】
もし、これを越える大型のコンビニエンスストア1の場合は、台車16により後述する金庫交換作業が繰り返して行われる。
台車16上には、紙幣装填回収庫12a〜12c用の位置決め機構71a〜71cと、リジェクト庫14a〜14c用の位置決め機構72a〜72cが取り付けられている。
【0057】
これらの位置決め機構71a〜71c及び72a〜72cは、台車16の下面に設けられた台車保安部73により制御され、紙幣装填回収庫12a〜12cやリジェクト庫14a〜14cを台車16上に固定保持している。
尚、硬貨装填回収庫15a〜15cは、それぞれリジェクト庫14a〜14c上に重ねられ、接続して一体化されている。
【0058】
図7は台車16の構成を示すブロック図である。
台車保安部73は、台車16の各部の制御を行う台車制御部74と、台車16の各部に電源を供給するための電池による電源部75、外部との通信を行う通信部76と、異常が発生した場合に警報音を発生する警報部78を備えている。
また、通信部76にはデータの送受信を行うPHS77が接続され、警報部78には異常が発生した場合に台車16の車輪の回転を止めて移動を停止させるブレーキ(制動機構)79が接続されており、そして、台車制御部74には、台車16が現金処理部10に装着されたとき、現金処理部10と通信を行うための現金処理部インターフェース80が接続されている。
【0059】
台車16上の位置決め機構71a〜71c及び72a〜72cは、台車制御部74により接続され、台車制御部74は現金処理部インターフェース80を経由して現金処理部10から送られてくる指示に基づいて紙幣装填回収庫12a〜12cやリジェクト庫14a〜14cを台車16上の所定の位置にそれぞれ位置決めして固定保持すると共に、これら紙幣装填回収庫12a〜12cやリジェクト庫14a〜14cを取り外す場合は、その固定を解除するようになっている。
【0060】
硬貨装填回収庫15a〜15cは、それぞれリジェクト庫14a〜14c上に重ねられ、接続して一体化されている。
紙幣装填回収庫12a〜12cやリジェクト庫14a〜14cがそれぞれ位置決め機構71a〜71c、72a〜72cにより固定されると、台車制御部74が紙幣装填回収庫12a〜12cやリジェクト庫14a〜14cに設けられた記憶部に書き込まれているデータを読み出せるようになっている。
【0061】
また、台車制御部74は、現金処理部インターフェース80により現金処理部10との接続が切れたことを検出すると、通信部76によりPHS77でその時の地図上における台車16の位置を記憶し、その後定期的にPHS77により位置をチェックして、当初記憶した位置から遠方に台車16が移動したことを検出すると異常事態が発生したと判定する判定手段として機能する。
【0062】
つまり、配送車7から降ろされた台車16が移動する距離は、通常数十メートル以内であるので、それ以上の距離を移動した場合は盗難等の異常事態が発生したと判定する。
このような異常事態が発生した場合、台車制御部74は、警報部78に対して警報を発生するように指示すると共に、ブレーキ79を動作させて台車16が移動できないように制動する。
【0063】
更に、通信部76に対してPHS77により運用管理センタ装置6に対して異常事態の発生と、台車16の現在位置を緊急通報するように指示する。
このように、万一台車16ごと現金が盗難等にあった場合でも、自動的にその異常事態を判定して警報音を発すると共に、運用管理センタ装置6に異常事態の発生と台車16の現在位置を緊急通報する。
【0064】
尚、ここではPHS77による現在位置の検出をもとに判定するように説明したが、例えば係員に発信機を携帯させ、発信機による係員の位置と台車16との距離を測定して異常事態発生の有無を判定するようにしてもよい。
また、POSレジスタ2やATM3の紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14及び硬貨装填回収庫15を交換するときは、PHS77により該当のPOSレジスタ2やATM3と通信を行い、POSレジスタ2やATM3が交換の準備ができたときだけ、台車16上の該当する紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14等の位置決め機構71,72に対して固定を解除するように指示を出すことで、必要な紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14等のみを交換できるようにすることができ、これにより操作ミスを防止すると共に、防犯性も向上する。
【0065】
図8は現金処理部10の内部構造を示す概略斜視図である。
尚、この図8では説明を分かり易くするため、現金処理部10に設けられている交換部17は省略している。
現金処理部10とPOSレジスタ2及びATM3との現金の授受は紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14、及び硬貨装填回収庫15を介して行われるが、これら紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14、及び硬貨装填回収庫15等は台車16に固定されたまま現金処理部10に動作可能に連結される。
【0066】
すなわち、この図8に示したように台車16上に固定された紙幣装填回収庫12a〜12c、リジェクト庫14a〜14c、及び硬貨装填回収庫15a〜15cは、台車16と一体に現金処理部10の下方から上方に移動することにより紙幣搬送部13に連結されるようになっており、そのため、現金処理部10の下面には、台車16との積み降しを可能にする積み降し口が設けられている。
【0067】
この場合、紙幣搬送部13の紙幣装填回収庫搬送路81a〜81cは紙幣装填回収庫12a〜12cの紙幣出入口82a〜82cと、また紙幣搬送部13のリジェクト庫搬送路83a〜83cはリジェクト庫14a〜14cの紙幣出入口84a〜84cとそれぞれ連結する。
図9はその連結状態を示す図で、ここでは図を分かり易くするために台車16の把手や車輪、台車保安部73等は省略している
図8及び図9に示したように、紙幣搬送部13の一部には、搬送する紙幣の金種、真偽、正損、表裏等の認識を行う紙幣認識部85が配置され、また紙幣保管庫11として万、五千、二千、千の4金種の紙幣をその金種別に保管する4つの紙幣保管庫11a〜11dが設けられており、更に、これらの紙幣保管庫11a〜11dから紙幣を必要枚数取り出して紙幣装填回収庫12a〜12cに装填するときに発生するリジェクト紙幣を収納する装填リジェクト庫86が紙幣認識部85の下方に配置されている。
【0068】
図10は紙幣保管庫11とその周辺部の動作を示す斜視図である。
紙幣保管庫11(11a〜11d)を挟んで上側には紙幣保管庫進入搬送路13a、下側には紙幣保管庫放出搬送路13bが配置されており、紙幣保管庫11に収納されて保管される紙幣は、紙幣保管庫進入搬送路13aを図の左側から搬送されてくる。
【0069】
この紙幣保管庫進入搬送路13aの途中には、搬送されてくる紙幣を紙幣保管庫11側に誘導するブレード91が配設されており、必要に応じて紙幣を紙幣保管庫進入搬送路13aから紙幣を紙幣保管庫11の上側に設けられている入口94に誘導して紙幣保管庫11内に収納させるようになっている。
一方、紙幣保管庫11に収納されている紙幣は、紙幣保管庫11の下側に設けられている出口から分離ローラ92により1枚ずつ分離して取り出され、紙幣保管庫放出搬送路13bに送り込まれる。
【0070】
分離ローラ92と紙幣保管庫放出搬送路13bとの合流部にはブレード93が配設されており、紙幣保管庫放出搬送路13bに送り込まれた紙幣を図の右側に誘導するようになっている。
図11は紙幣保管庫11の紙幣収納状態を示す斜視図である。
紙幣保管庫11の入口94から進入した紙幣P1は水平に積み重なるように集積され、集積された紙幣は図示しない押し下げ板により分離ローラ92のある下方に押し下げられる。この押し下げ板は紙幣P1に進入時、その進入を妨げないように紙幣保管庫11の天井部等に退避している。
【0071】
図12は紙幣保管庫11とその周辺部の動作を示す斜視図である。
紙幣装填回収庫12(12a〜12c)の上側には紙幣装填回収庫搬送路13cが配置されており、紙幣装填回収庫12に収納されて保管される紙幣は、紙幣保管庫搬送路13cを図の左側から搬送されてくる。
この紙幣保管庫搬送路13cの途中には、搬送されてくる紙幣を紙幣装填回収庫12側に誘導するブレード101が配設されており、必要に応じて紙幣を紙幣装填回収庫搬送路13cから紙幣装填回収庫12に誘導する。
【0072】
ブレード101と紙幣装填回収庫12との間には方向変換路13dが設けられており、ブレード101により下向きに誘導されて方向変換路13dに進入した紙幣は進行方向左方向に回転しながら搬送される。
そして、方向変換路13dは紙幣を90度回転させたところで、搬送方向を水平方向とし、紙幣を図の紙面奥方向に搬送して紙幣装填回収庫12の上部に設けられた紙幣出入口82から紙幣装填回収庫12内に収納させる。
【0073】
一方、紙幣装填回収庫12の紙幣出入口82の内側には、収納されている紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す分離部が設けられており、この分離部により紙幣装填回収庫12から繰り出された紙幣は方向変換路13dに進入して前記と逆の経路で紙幣装填回収庫搬送路13cに送り込まれ、紙幣装填回収庫搬送路13cにより図の左方向へ搬送される。
【0074】
図13は紙幣装填回収庫12の紙幣収納状態を示す斜視図である。
紙幣保管庫11の紙幣出入口82から進入した紙幣P2は、紙幣保管庫11内に設けられた上下動可能なステージ上に水平に集積され、集積された紙幣P2はステージの上下動により最上位の位置が常に所定の位置になるように保たれる。
図14はリジェクト庫14とその周辺部の動作を示す斜視図である。
【0075】
リジェクト庫14(14a〜14d)の上側にはリジェクト搬送路13eが配置されており、リジェクト庫14に収納されて保管される紙幣は、リジェクト搬送路13eを図の左側から搬送されてくる。
このリジェクト搬送路13eの途中には、搬送されてくる紙幣をリジェクト庫14側に誘導するブレード111が配設されており、必要に応じてリジェクト搬送路13eから紙幣をリジェクト庫14側に誘導するようになっている。
【0076】
ブレード111により誘導された紙幣は、リジェクト庫搬送路83により下方に搬送され、リジェクト庫14の上側に設けられている紙幣口84からリジェクト庫14内に収納される。
図15はリジェクト庫14の紙幣収納状態を示す斜視図で、図示したように紙幣保管庫11の紙幣口84から進入した紙幣P3は水平に積み重なるように集積される。
【0077】
尚、装填リジェクト庫86(図9参照)は、リジェクト庫14と同一の構造であり、リジェクト庫14と同様に紙幣の収納、保管が行われる。
次に、運用管理センタ装置6から配送車7に対して現金処理装置30での現金の装填または回収が指示された場合の動作について説明する。
図16は、現金処理装置30への紙幣の収納動作を示す説明図である。
【0078】
紙幣装填回収庫12a〜12cには運用管理センタ装置6の指示に従って必要な紙幣が装填された上で、前述したように現金処理部10に連結される。
そして、係員が操作表示部27により紙幣の移し替えを指示すると、主制御部25の制御により各紙幣装填回収庫12a〜12cから現金処理部10の紙幣保管庫11a〜11dへの紙幣の移し替えが行われる。
【0079】
例えば、紙幣装填回収庫12aから千の紙幣を移す場合、紙幣装填回収庫12a内の分離部により1枚づつ繰り出された紙幣は方向転換搬送路を経由してブレード101aにより紙幣装填回収庫搬送路13cに誘導され、図の左方向に搬送されて紙幣認識部85を通過する。
その際、紙幣認識部85で紙幣の金種や搬送状態等が判断され、そして金種が千円で、正常と判断された場合、その紙幣はブレード121の誘導により更に左方向に送られる。そして移動先として例えば紙幣保管庫11aが指定されている場合、紙幣はブレード91aにより誘導され、紙幣保管庫11aに収納される。
【0080】
もし、紙幣認識部85で、例えば二枚重ねが検出されたり、汚れ等で金種が判別できないとされた紙幣は、リジェクト紙幣としてブレード121により下方に誘導され、更にブレード122、124、125の誘導により装填リジェクト庫86に搬送されて収納される。
万、五千、二千の紙幣についても、同様の動作により予め移動先として指定された紙幣保管庫11b〜11dに金種別に振り分けられて収納される。
【0081】
紙幣装填回収庫12aの紙幣がすべて紙幣保管庫11a〜11dに移されると、同様の動作で紙幣装填回収庫12b、12cの紙幣が順に紙幣保管庫11a〜11dに移される。
但し、準備する現金の量が、例えば1つの紙幣装填回収庫12aに充分入り切る場合は、紙幣装填回収庫12b、12cを空の状態にして現金処理部10に連結させればよい。
【0082】
また、このとき、リジェクト庫14や硬貨装填回収庫15は最初に訪問する予定のコンビニエンスストア1に割り当てられたものが台車16に装着されるが、その詳細については後で説明する。
図17は現金処理装置30から紙幣装填回収庫12a〜12cへの現金の装填動作を示す説明図である。
【0083】
配送車7がコンビニエンスストア1に到着する前に、該当するコンビニエンスストア1に設置されているPOSレジスタ2やATM3に装填するために、現金処理装置30は予め運用管理センタ装置6から指示された量の紙幣を紙幣装填回収庫12へ装填する。
ここで、例えば紙幣保管庫11dに収納されている万円紙幣を所定枚数紙幣装填回収庫12aに装填する場合、まず、紙幣保管庫11dの下部から紙幣が繰り出され、その繰り出された紙幣はブレード92bに誘導されて紙幣保管庫放出搬送路13bに送り込まれる。
【0084】
そして、紙幣は更にブレード122、121を通過して紙幣認識部85に搬送され、この紙幣認識部85を通過する際に搬送状態の検出、金種等の判定が行われる。
その結果、万円の紙幣が正常に搬送されていると判断されると、紙幣はブレード123を通過して、紙幣装填回収庫搬送路13cを右方向に搬送され、更にブレード101aにより下方向に誘導されて方向変換搬送路を通過し、紙幣装填回収庫12aに装填される。
【0085】
また、紙幣認識部85で、二枚重ねが検出されたり、汚れ等で金種が判別できないとされた紙幣は、リジェクト紙幣としてブレード123により下方に誘導され、更にブレード124、125の誘導により装填リジェクト庫86に搬送されて収納される。
このようにして必要な枚数の万円の紙幣装填回収庫12aに装填され、同様にして紙幣保管庫11b〜11dから必要な枚数、金種の紙幣が紙幣装填回収庫12aに装填される。
【0086】
また、紙幣装填回収庫12b、12cに対しても、同様に紙幣の装填が行われる。尚、装填リジェクト庫86に収納された紙幣は、すべての業務が終了した後、所定の係員により取り出されて計数される。これにより精査等における計数の一致を確認することが可能になる。
一方、配送車7がコンビニエンスストア1を訪問した場合は、POSレジスタ2やATM3から紙幣を回収した後、紙幣装填回収庫12(12a〜12c)の紙幣を現金処理部10の紙幣保管庫11(11a〜11c)に回収する。
【0087】
このとき台車16にはPOSレジスタ2やATM3から紙幣を回収した紙幣装填回収庫12a〜12c、リジェクト庫14a〜14c、硬貨装填回収庫15a〜15cが搭載されている。
図18は現金処理部10への紙幣の回収動作を示す説明図である。
まず、紙幣装填回収庫12a〜12cを現金処理部10に連結し、そして、係員が操作表示部27により紙幣の移し替えを指示すると、主制御部25の制御により各紙幣装填回収庫12a〜12cから現金処理部10の紙幣保管庫11a〜11dへの紙幣の回収が行われる。
【0088】
ここで、紙幣装填回収庫12aから紙幣を回収する場合、紙幣装填回収庫12aの内部にある分離部により紙幣が1枚づつ分離されて繰り出され、繰り出された紙幣は方向転換搬送路を経由してブレード101aにより紙幣装填回収庫搬送路13cに誘導され、図の左方向に搬送されて紙幣認識部85を通過する。
その際、紙幣認識部85で紙幣の金種や搬送状態等が判断され、正常と判断された紙幣はブレード121の誘導により更に左方向に送られた後、金種に応じて紙幣保管庫11a〜11dへ振り分けられ、それぞれ回収される。
【0089】
例えば、千円と判定された紙幣を紙幣保管庫11aに収納する場合、紙幣認識部85を経た紙幣はブレード121により保管庫進入搬送路13aに誘導され、更にブレード91aにより誘導されて紙幣保管庫11aに収納される。
万、五千、二千の紙幣についても、同様の動作により紙幣保管庫11b〜11dに金種別に振り分けられて回収される。
【0090】
この回収動作において、紙幣認識部85で、例えば二枚重ねが検出されたり、汚れ等で金種が判別できないとされた紙幣は、リジェクト紙幣としてブレード121により下方に誘導され、更にブレード122、124、125の誘導によりリジェクト搬送路13eに送られる。
台車16上には、リジェクト庫14a〜14c、同じPOSレジスタ2やATM3から回収された紙幣装填回収庫12a〜12cと対応して同一の順序で装着されているので、リジェクト搬送路13eに送られた紙幣は紙幣装填回収庫12に対応するブレード111aにより下方に誘導されてリジェクト庫14aに収納される。紙幣装填回収庫12aの紙幣がすべて紙幣保管庫11a〜11d及びリジェクト庫14aに回収されると、同様の動作で紙幣装填回収庫12b、12cの紙幣が順に紙幣保管庫11a〜11d及びリジェクト庫14b、14cに回収される。
【0091】
図19は交換部17を示す概略斜視図である。
交換部17には、例えば1個の装填リジェクト庫86と、5個のリジェクト庫14d〜14h、及び5個の硬貨装填回収庫15d〜15hが収納されており、硬貨装填回収庫15d〜15hは対応するリジェクト庫14d〜14h上に重ねられてそれぞれ接続機構により接続されている。
【0092】
また、装填リジェクト庫86の大きさ(外形)は1個のリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を接続した大きさと同等に形成されている。
これらの装填リジェクト庫86、リジェクト庫14d〜14h、及び硬貨装填回収庫15d〜15hは、供給台131上に1列に並べられて交換部17に装着されている。
【0093】
供給台131はベルトコンベア等で構成されており、装填リジェクト庫86、リジェクト庫14d〜14h、及び硬貨装填回収庫15d〜15hを必要に応じて隣接するキャリア132に供給する。
キャリア132には、装填リジェクト庫86または接続された1対のリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15のいずれか一方を搭載することができる。
【0094】
キャリア132には、位置決め機構133が設けられ、この位置決め機構133は供給台131から供給された装填リジェクト庫86またはリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15をキャリア132上の所定の位置に固定すると共に、台車16にリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を積み降しする際にその移動を行う。
【0095】
キャリア132は、移動台134を構成するコンベアの一端に取り付けられており、この位置を基準位置としてリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を載せたままコンベアの回転に伴って移動台134の他端へ移動することができる。無論、逆方向への移動も可能である。
台車16の所定位置に対応する位置にリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を移動すると、位置決め機構133により図の紙面奥方向にリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を移動し、台車16上の装填リジェクト庫86またはリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15と交換する。
【0096】
交換したリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15はキャリア132が基準位置まで戻ると、この基準位置の下方に配置された押し上げ機構135により押し上げられ、押し上げられたリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15は上方に配置された受入れ機構136により回収台137上に押し出される。
以上のようにして回収されたリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15は回収台137上に順次整列させることができる。
【0097】
図20は現金処理部10における各構成要素の相対位置関係を示す概略斜視図である。
この図に示したように、交換部17は紙幣搬送部13と台車16の手前側に配置されている。
移動台134は、キャリア132の基準位置で装填リジェクト庫86を紙幣搬送部13に対応する位置に移動でき、また、キャリア132を台車16に積まれているリジェクト庫14a〜14cと、硬貨装填回収庫15a〜15cに対応する位置に移動できるようになっている。
【0098】
図21〜図25は現金処理部10における交換部17の動作を示す概略斜視図である。
まず、図21により装填リジェクト庫86を紙幣搬送部13に装着する動作について説明する。
供給台131が、ベルトコンベアを回転して図の右方向へ移動させると、ベルトコンベアの最も右側に搭載されている装填リジェクト庫86が押し出されてキャリア132上に移動し、位置決め機構133により装填リジェクト庫86はキャリア132上の所定の位置に固定される。
【0099】
そして、この位置決め機構133が装填リジェクト庫86を矢印Aの方向へ押し出し、これにより装填リジェクト庫86が紙幣搬送部13側へ移動する。
紙幣搬送部13には、図示しない位置決め部が設けられており、装填リジェクト庫86を所定の位置に固定する。
次に、図22〜図25により台車16上のリジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iを回収する動作について説明する。
【0100】
図22に示したように紙幣搬送部13に連結された台車16上にリジェクト庫14iが搭載され、このリジェクト庫14i上に硬貨装填回収庫15iが重ねられて接続されている。
キャリア132は移動台134により基準位置からリジェクト庫14i,硬貨装填回収庫15iと相対する位置に移動し、位置決め機構133が台車16側に突出してリジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iを矢印Bで示したようにキャリア132上に引き取ると、キャリア132は移動台134により基準位置に戻る。
【0101】
図23に示したようにキャリア132が基準位置に戻ると、位置決め機構133はリジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iをそれまで固定していた状態から解放するので、押し上げ機構135の押し上げ棒138a,138bが上方に突き出し、これによりリジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iが押し上げられる。
【0102】
押し上げられたリジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iは上方に配置された受入れ機構136に収容され、この受入れ機構136に設けられた押し出し機構により矢印Cで示した回収台137上に押し出される。
ここで回収台137はベルトコンベアを回転し、リジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iを所定の位置まで移動して、リジェクト庫14iと硬貨装填回収庫15iの回収を終了する。
【0103】
同様にして図24に示した台車16上のリジェクト庫14jと硬貨装填回収庫15j、リジェクト庫14kと硬貨装填回収庫15kを順次回収し、これにより空になった台車16には、供給台131から新規のリジェクト庫14d〜14hと、これ等に各々接続された硬貨装填回収庫15d〜15hがキャリア132と移動台134により台車16上に供給され、装着固定される。
【0104】
以上のようにして順次、現金処理部10と台車16の間でリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15の交換を行い、そして、配送車がコンビニエンスストア1を巡回しながらPOSレジスタ2やATM3に対する現金の装填、回収のために、POSレジスタ2やATM3と台車16の間でリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15の交換を行ってゆく。
【0105】
予定されたすべての交換作業が終了すると配送車7が運用管理センタに戻り、現金処理部10からすべてのリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15が取り外されて回収される。
すなわち、図25に示したように各コンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3から回収した使用済みのリジェクト庫14i〜14mと硬貨装填回収庫15i〜15m、及び装填リジェクト庫86は、回収台137上に回収されている。
【0106】
但し、このとき、回収台137上に回収しきれないリジェクト庫14n,14p,14qと硬貨装填回収庫15n,15p,15qは、台車16上に装着されたまま運用管理センタに運ばれる。
また、個々のリジェクト庫14i〜14qと硬貨装填回収庫15i〜15qの並び順は、その運用等によって変化する。
【0107】
更に、図ではリジェクト庫14i〜14qと硬貨装填回収庫15i〜15qがすべての使用済みのものとした場合の状態を示しているが、対象となるPOSレジスタ2やATM3の台数が少なく、リジェクト庫14i〜14qと硬貨装填回収庫15i〜15qが一部未使用のまま作業が終了した場合は、その未使用のリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15は供給台131に搭載したまま運用管理センタで回収する。
【0108】
図26はリジェクト庫14等の移送状態を示す概略斜視図である。
交換部17の供給台131と回収台137はリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86を搭載したまま交換部17から取り外すことができるようになっている。
従って、配送車7が運用管理センタに戻り、コンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3から回収してきたリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15の回収を行い、リジェクト庫14や硬貨装填回収庫15に収納されている現金の確認を行う場合、図26に示したように供給台131及び回収台137ごとリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86を配送車7から降すことができる。
【0109】
新たに運用管理センタ装置6からの指示によりPOSレジスタ2やATM3に現金を装填したり回収したりするために、配送車7で巡回する際にも、空のリジェクト庫14と、硬貨を収納した硬貨装填回収庫15、及び空の装填リジェクト庫86を供給台131に搭載した状態で配送車に積み込み、交換部17に装着することができる。
【0110】
尚、図25において、台車16上に搭載されているリジェクト庫14n,14p,14qと硬貨装填回収庫15n,15p,15qは、紙幣装填回収庫12と共に台車16ごと現金処理部1から取り外されて配送車7から降され、現金の確認が行われる。
ここで、交換部17のキャリア132の位置決め機構133と、それに関連する機構について説明する。
【0111】
図27はリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15の概略斜視図である。
リジェクト庫14と硬貨装填回収庫15の両外側には一体化するための一対の突部161と162がほぼ対称の位置にそれぞれ設けられており、リジェクト庫14上に硬貨装填回収庫15を重ねた状態で、一方の突部161と162に接続金具163aを嵌合させ、他方の突部161と162に接続金具163bを嵌合させることでリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を一体に結合固定する。
【0112】
このようにリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15は一体化されるので、いずれか一方を台車16等に位置決め固定すればよい。
ここではリジェクト庫14を固定するため、リジェクト庫14の両外側に位置決め用の突部164a,164bが設けられている。
図28はリジェクト庫14の位置決めを示す概略斜視図である。
【0113】
この図に示したようにリジェクト庫14の両外側に設けた位置決め用の突部164a,164bを利用して、キャリア132の位置決め機構133や、台車16の位置決め機構72により位置決め固定が行われる。
すなわち、リジェクト庫14は前述したように供給台131からキャリア132へ矢印D方向へ送り込まれる。
【0114】
これによりリジェクト庫14が位置決め機構133に達すると、位置決め機構133の円弧状の爪171a,171bが実線の位置から矢印E方向に破線の位置まで回転してリジェクト庫14の突部164a,164bに係合し、これによりリジェクト庫14はキャリア132上に位置決めされて固定される。
爪171a,171bはレール172上の軸に設けられており、このレール172は爪171a,171bをリジェクト庫14の突部164a,164bに係合させたまま矢印F方向へ移動できるようになっている。
【0115】
このレール172の移動によりリジェクト庫14を台車16上のリジェクト庫搭載位置まで押し出す。
台車16上には位置決め機構72が設けられており、リジェクト庫14がレール172によりリジェクト庫搭載位置まで送られてくると、位置決め機構72の円弧状の爪173a,173bが実線の位置から矢印G方向に破線の位置まで回転してリジェクト庫14の突部164a、164bに係合し、これによりリジェクト庫14は台車16上に位置決めされて固定される。
【0116】
同時にキャリア132の位置決め機構133の爪171a,171bが前記の矢印Eと逆の方向に回転してリジェクト庫14を開放し、爪171a,171bがレール172と共に前記矢印Fと逆の方向に移動して元の位置に戻る。
以上のようにしてキャリア132から台車16へのリジェクト庫14の移動が行われるが、逆の手順で台車16からキャリア132へリジェクト庫14を移動することが可能である。
【0117】
図29はリジェクト庫14の平面図である。
この図29(a)に示したように、リジェクト庫14の突部164bには位置決め精度を向上させるためのV型の溝が設けられている。
また、図29(b)に示したように、位置決め機構133の爪171a,171bと位置決め機構72の爪173a,173bはリジェクト庫14の突部164a,164bに対して異なる位置で係合するので、キャリア132と台車16との間でリジェクト庫14の受け渡しを行うことができる。
【0118】
また、リジェクト庫14を台車16上に固定する際、爪173bが突部164bのV型の溝に入り込むようにしており、これによって台車16に対するリジェクト庫14の位置決め精度が向上し、現金処理部10の紙幣搬送部13との相対位置を精度よく確保することができ、搬送する紙幣をトラブルなく収納することが可能となる。
【0119】
尚、リジェクト庫14上には硬貨装填回収庫15が固定されているので、硬貨装填回収庫15もリジェクト庫14と一体に移動が行われ、また位置決めもリジェクト庫14と同様の精度が得られる。
図30は台車16を配送車7に積み込む前の状態を示す斜視図、図31は積み込んだ状態を示す斜視図である。
【0120】
図30に示したように台車16を配送車7に積み込む際、配送車7の荷台後部の扉8を開き、この荷台に搭載されている現金処理機30の現金処理部10に合わせて台車16を配送車7の後部側から荷台の下に押し入れる。
扉8の内側には、保安部24により制御される台車引き上げ機構191が設けられており、台車16を押し入れた状態で扉8を閉じると、台車引き上げ機構191により台車16が図30に示したように現金処理部10に収納されるように引き上げられて固定される。
【0121】
このようにして、現金処理部10に対し、台車16と、この台車16に搭載された紙幣装填回収庫12、及びリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15の積み込みが下側から行われる。
従って、現金処理部10の後面は開口部を必要とせず、閉塞した面とすることができるので、扉8を開いても現金処理部10内を見ることができず、そのため防犯性が向上するものとなる。
【0122】
図32は配送車後部の扉を開けた状態の拡大斜視図、図33は扉を閉じた状態の拡大斜視図である。
扉8の内側に設けられている台車引き上げ機構191は、図32に示したように台車16の把手の水平部分を引っかけて引き上げるフック部192a,192bと、このフック部192a,192bを上下動させる昇降部193と、この昇降部193の昇降をガイドするレール部194により構成されており、昇降部193はレール部194にガイドされ、実線で示した位置から破線で示した位置まで上昇する。
【0123】
また、現金処理部の後端面には、台車16の把手の垂直部分をガイドするガイド195a,195bが取り付けられている。
台車16を配送車7の後部側から荷台の下に押し入れて扉8を閉じると、台車引き上げ機構191のフック部192a,192bが台車16の把手の水平部分に引っかかり、そして昇降部193によりフック部192a,192bが上昇すると、台車16はフック部192a,192bにより引き上げられる。
【0124】
このとき、台車16の把手の垂直部分がガイド195a,195bによりガイドされ、台車16は水平状態を保ったまま安定した状態で引き上げられる。
そして、昇降部193がレール部194の最上端まで移動すると、図33に示したように台車16と共に紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14及び硬貨装填回収庫15が現金処理部10に収納されて固定され、図9の動作可能な状態となる。
【0125】
尚、扉8は図4に示したしたように分割して、その片側を台車引き上げ機構191の動作に対して必要な大きさにしておけば、扉8を開放する大きさが小さくなり、現金処理部10が見えにくくなるので、防犯性はより高いものとなる。
図34はPOSレジスタ2やATM3に内蔵される紙幣処理部210の構成を示すブロック図である。
【0126】
この紙幣処理部210は、取引毎の紙幣の投入及び支払いを行う紙幣出入口211、投入された紙幣のうちの判定不能等で顧客に戻す紙幣を排出する紙幣出口214、紙幣の金種や真偽等を判定する認識部212、紙幣を金種別に保管する紙幣保管庫(収納部)213a,213b,213c、これらの紙幣保管庫213a〜213cに対する紙幣の装填や回収を行うための紙幣装填回収庫12、紙幣の支払いや装填の際に発生するリジェクト紙幣を収納するリジェクト庫14を備えている。
【0127】
ここで、紙幣処理部210の紙幣保管庫213a〜213cは、POSレジスタ2の場合、例えば、紙幣保管庫213aに千円の紙幣、紙幣保管庫213bに二千円の紙幣をそれぞれ収納し、紙幣保管庫213cには釣り銭として使用しない五千円と万円及び損券の紙幣を収納するように割り当てられる。
また、ATM3の場合は、例えば、紙幣保管庫213aに千円の紙幣、紙幣保管庫213bに万円の紙幣をそれぞれ収納し、紙幣保管庫213cには支払いに用いない二千円と五千円と及び損券の紙幣を収納するように割り当てられる。
【0128】
このような構成による紙幣処理部210は以下のように動作する。
まず、入金の場合、紙幣出入口211に投入された紙幣は、1枚ずつ分離されて認識部212に送られ、この認識部212で金種等の判定が行われる。その結果、受入可能な紙幣は金種別に計数され、そして金種別に振り分けられて紙幣保管庫213a〜213cにそれぞれ収納される。
【0129】
また、認識部212でリジェクトと判定された紙幣は、紙幣出口214に送られて返却される。
釣り銭の支払いあるいは出金取引での紙幣の支払いの場合は、指定金種の紙幣が紙幣保管庫213a、213bから順次1枚ずつ繰り出されて認識部212に送られ、この認識部212で金種等の判定が行われる。その結果、支払い可能な紙幣は金種別に計数され、紙幣出入口211に搬送されて集積される。
【0130】
そして、操作者により指定または装置により認可された金額分の紙幣が紙幣出入口211に集積されたことを確認した上で紙幣出入口211から支払われる。
また、リジェクトと判定された紙幣は、リジェクト庫14に送られて回収される。
紙幣装填のために紙幣装填回収庫12が紙幣処理部210に装着された場合は、紙幣装填回収庫12から紙幣が順次1枚ずつ繰り出されて認識部212に送られ、この認識部212で金種等の判定が行われる。その結果、装填可能な紙幣は金種別に計数され、そして金種別に振り分けられて紙幣保管庫213a,213bにそれぞれ収納される。
【0131】
また、リジェクトと判定された紙幣は、リジェクト庫14に送られて収納される。
紙幣保管庫213a〜213cの紙幣を回収する場合は、紙幣保管庫213a〜213cから順に1枚ずつ繰り出されて認識部212に送られ、この認識部212で金種等の判定が行われる。その結果、金種が判明した紙幣は金種別に計数されて紙幣装填回収庫12に収納される。
【0132】
また、リジェクトと判定された紙幣は、リジェクト庫14に送られて収納される。
このようにリジェクト庫14には、紙幣装填回収庫12から紙幣保管庫213a,213bへの紙幣を装填または紙幣保管庫213a〜213cから紙幣装填回収庫12への紙幣の回収の際に認識部212でリジェクトと判定された紙幣、及び釣り銭の支払いあるいは出金取引の際に認識部212でリジェクトと判定された紙幣を収容する。
【0133】
従って、紙幣の回収が終了したとき、各POSレジスタ2やATM3からの紙幣回収枚数は、
Figure 0003913105
となるので、紙幣装填回収庫12とリジェクト庫14にそれぞれ収納されている紙幣を計数して合算すれば、紙幣回収枚数の総数を確認することができる。
【0134】
図35はPOSレジスタ2やATM3に内蔵される硬貨処理部220の構成を示すブロック図である。
この硬貨処理部220は、取引毎に硬貨を投入する硬貨入口221、投入された硬貨のうちのリジェクト硬貨を返却する硬貨出口222、硬貨を金種別に保管する硬貨保管庫(収納部)223a〜223f、これらの硬貨保管庫223a〜223fに対する硬貨の装填や回収を行うための硬貨装填回収庫15、硬貨の支払いや装填の際に発生するリジェクト硬貨を収納する硬貨リジェクト庫224、及び硬貨の金種や真偽等を判定する検銭部225を備えている。
【0135】
ここで、硬貨保管庫223a〜223fの収納金種として、例えば、硬貨保管庫223aには一円、硬貨保管庫223bには五円、硬貨保管庫223cには十円、硬貨保管庫223dには五十円、硬貨保管庫223eには百円、硬貨保管庫223fには五百円がそれぞれ割り当てられている。
このような構成による硬貨処理部220は以下のように動作する。
【0136】
まず、入金の場合、硬貨入口221に投入された硬貨は1枚ずつ検銭部225に送られて、この検銭部225で金種等の判定が行われる。その結果、受入可能な硬貨は金種別に計数され、そして金種別に振り分けられて硬貨保管庫223a〜223fの上方からそれぞれ内部に収納される。
また、検銭部225でリジェクトと判定された硬貨は、硬貨出口222に送られて返却される。
【0137】
釣り銭の支払いあるいは出金取引での硬貨の支払いの場合は、指定金種の硬貨が硬貨保管庫223a〜223fの下側から順次1枚ずつ繰り出されて検銭部225に送られ、この検銭部225で金種等の判定が行われる。その結果、支払い可能な硬貨は金種別に計数され、硬貨出口221に搬送されて集積される。
そして、操作者により指定または装置により認可された金額分の硬貨が硬貨入出口221に集積されたことを確認した上で硬貨出口222から支払われる。
【0138】
また、リジェクトと判定された硬貨は、硬貨リジェクト庫224に送られて回収される。
硬貨装填のために硬貨装填回収庫15が硬貨処理部220に装着された場合は、硬貨装填回収庫15の下側から硬貨が順次1枚ずつ繰り出されて検銭部225に送られ、この検銭部225で金種等の判定が行われる。その結果、装填可能な硬貨は金種別に計数され、そして金種別に振り分けられて硬貨保管庫223a〜223fにそれぞれ収納される。
【0139】
また、リジェクトと判定された硬貨は、硬貨リジェクト庫224に送られて収納される。
硬貨保管庫223a〜223fの硬貨を回収する場合は、硬貨保管庫223a〜223fの下側から順に硬貨が1枚ずつ繰り出され、そのまま硬貨装填回収庫15に送られて、硬貨装填回収庫15の上方から内部に収納される。
【0140】
そして、硬貨保管庫223a〜223fがすべて空になると、硬貨リジェクト庫224の下側から順に硬貨が1枚ずつ繰り出され、そのまま硬貨装填回収庫15に送られて、硬貨装填回収庫15の上方から内部に収納される。
硬貨は紙幣と違って金種が多く、高速処理が難しい等の理由で紙幣に比べて処理時間がかかるとされているが、上述のように硬貨の回収では、硬貨保管庫223a〜223fから繰り出した硬貨をすべて検銭部225を通すことなく直接硬貨装填回収庫15に送って収納するので、これにより回収の処理時間を短縮することが可能である。
【0141】
また、検銭部225を介さないために、回収時に計数保証が危惧されるが、硬貨保管庫223a〜223f内の硬貨は、少なくとも入金や装填等の受入れ時に検銭部225で金種が確定した正当な硬貨と判定されており、また支払いの場合は検銭部225で金種判定等を行うので、万一回収処理で計数上の問題が発生しても装置内部の問題として処理することができ、顧客に迷惑をかけることがないので、支障のない装置運用が可能となる。
【0142】
硬貨の回収が終了したとき、硬貨リジェクト庫224の硬貨も硬貨装填回収庫15にすべて回収されているので、各POSレジスタ2やATM3からの硬貨回収枚数は、
Figure 0003913105
となる。
【0143】
従って、硬貨装填回収庫15内に収納されている硬貨を計数すれば、硬貨回収枚数の総数を確認することができる。
以上のように本実施の形態では、紙幣処理部210のリジェクト庫14に収納されているリジェクト紙幣はリジェクト庫14ごと回収し、硬貨処理部220の硬貨リジェクト庫224に収納されているリジェクト硬貨は硬貨装填回収庫15に移して回収するものとしている。
【0144】
これにより紙幣処理部210においては、折れ癖や破損等があることが多いリジェクト紙幣の搬送によるジャムの発生を防止することができ、また硬貨処理部220においては、硬貨リジェクト庫224の取り扱いが不要となって処理が簡素化されることになる。
ところで、本実施の形態における紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86は、紙幣や硬貨の出入口と、紙幣や硬貨の取り出しや収納を行うための機構部等を有し、これらが鍵で保護された密閉構造に形成されている。
【0145】
また、これら紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86には、これらが装着されていたPOSレジスタ2やATM3等の本体情報や、収納されている現金に関する情報を記憶する記憶部が内蔵されており、POSレジスタ2やATM3、及び配送車7に搭載された現金処理部装置30等は前記記憶部に対して必要に応じて情報の読み出しや書き換えを行えるようになっている。
【0146】
図36は本実施の形態で用いる各金庫すなわち紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、装填リジェクト庫86に設けられた記憶部の記憶内容を示す図であり、記憶部に記憶される内容(データ)は紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、装填リジェクト庫86で以下に述べるようにそれぞれ異なっている。
【0147】
図36(a)は紙幣装填回収庫12に設けられた記憶部231の記憶内容で、紙幣装填回収庫12毎に付与されている登録番号である紙幣装填回収庫No.、当該紙幣装填回収庫12が装着されたPOSレジスタ2やATM3の本体の登録番号である本体No.(装置固有の識別情報)、当該紙幣装填回収庫12と組み合わせて同じ本体に装着するリジェクト庫14の登録番号であるリジェクト庫No.、及び金種別内訳としての当該紙幣装填回収庫内に収納されている金種別の紙幣枚数により構成されている。
【0148】
図36(b)はリジェクト庫14に設けられた記憶部232の記憶内容で、リジェクト庫14毎に付与されている登録番号であるリジェクト庫No.、そのリジェクト庫14が装着されたPOSレジスタ2やATM3の本体の登録番号である本体No.(装置固有の識別情報)、及び金種別内訳としての当該リジェクト庫内に収納されている金種別の紙幣枚数(演算値)により構成されている。
【0149】
図36(c)は硬貨装填回収庫15に設けられた記憶部233の記憶内容で、硬貨装填回収庫15毎に付与されている登録番号である硬貨装填回収庫No.、当該硬貨装填回収庫15が装着されたPOSレジスタ2やATM3の本体の登録番号である本体No.(装置固有の識別情報)、及び金種別内訳としての当該硬貨装填回収庫内に収納されている金種別の硬貨枚数により構成されている。
【0150】
図36(d)は装填リジェクト庫86に設けられた記憶部234の記憶内容で、装填リジェクト庫86毎に付与されている登録番号である装填リジェクト庫No.、当該装填庫12が装着された現金処理装置30の本体の登録番号である現金処理装置No.、及び金種別内訳としての当該装填リジェクト庫内に収納された金種別の紙幣の枚数(推定値)により構成されている。
【0151】
図37〜図45は上述した構成における現金の処理手順を示すフローチャートで、以下にこれらの図にSで示したステップに従って現金の装填、回収について説明する。
コンビニエンスストア1では、商品の販売に従って売上情報がPOSレジスタ2に入力されると(S1)、その売上情報をCVSセンタ装置4に報告する(S2)。
【0152】
CVSセンタ装置4では、POSレジスタ22からの売上情報に従って商品の在庫、売上管理と同時に釣り銭や準備金と売上金等の在高を監視する(S3)。
また、コンビニエンスストア1のATM3は、顧客の操作による取引に従って取引情報が入力されると(S4)、その取引情報を金融センタ装置5に報告する(S5)。
【0153】
金融センタ装置5では、ATM3からの取引情報に従って、顧客口座の取引に従った処理等と同時に取引準備金等の在高を監視する(S6)。
これらのCVSセンタ装置4や金融センタ装置5によるコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3の監視は常時行われている。
一方、運用管理センタ装置6では、所定の時間になるとPOSレジスタ2やATM3に対する現金の装填や回収のための配送車7による巡回処理を開始させる(S7)。
【0154】
まず、運用管理センタ装置6からCVSセンタ装置4と金融センタ装置5に対して、装填、回収に関する指示の要求が出される(S8)。このとき、各コンビニエンスストア1の今回の訪問予定時刻と、次回の訪問予定時刻が通知される。
CVSセンタ装置4では、それまでの各POSレジスタ2に対する監視データと、今回及び次回の訪問予定時刻に従って、該当するすべてのPOSレジスタ2に対する現金の装填、回収の必要性を判断し、また各POSレジスタ2について紙幣、硬貨の金種別の装填枚数を算出する(S9)。
【0155】
そして、CVSセンタ装置4は運用管理センタ装置6に対し、今回の巡回するすべてのPOSレジスタ2ついて、金種別の装填枚数算出結果と装填、回収の要否を通知する(S10)。
同様に金融センタ装置5では、それまでの各ATM3に対する監視データと、今回及び次回の訪問予定時刻に従って、該当するすべてのATM3に対する現金の装填、回収の必要性を判断し、また各ATM3について紙幣、硬貨の金種別の装填枚数を算出する(S11)。
【0156】
そして、金融センタ装置5は運用管理センタ装置6に対し、今回の巡回するすべてのATM3ついて、金種別の装填枚数算出結果と装填、回収の要否を通知する(S12)。
尚、ここでは運用管理センタ装置6が所定時刻になると、CVSセンタ装置4や金融センタ装置5に対して装填、回収の指示の要求を出すものとしたが、予想以上に来店客があったり、高額の支払い取引が行われる等の理由でCVSセンタ装置4や金融センタ装置5で、釣り銭準備金や取引準備金が予想以上に早く減少したと判断した場合は、CVSセンタ装置4や金融センタ装置5から運用管理センタ装置6に対して装填,回収の緊急要求を通知する(S13)。
【0157】
この場合にも、この説明(所定時刻になった場合)と同様に、運用管理センタ装置6から、緊急に装填,回収が必要になったコンビニエンスストア1に設置されているPOSレジスタ2やATM3についてはもちろん、そのコンビニエンスストア1と同様に巡回を予定していた他のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3についても、装填、回収の指示の要求をCVSセンタ装置4と金融センタ装置5に通知するものとする。
【0158】
但し、このとき運用管理センタ装置6から出される装填、回収の指示の要求に付加される巡回予定時刻のうち、今回の巡回予定時刻は緊急対応のための設定された1回限りの特別な時刻であり、次回の巡回予定時刻は当初の予定時刻のままである。
これに基づいてCVSセンタ装置4と金融センタ装置5は、今回の緊急対応から次回の巡回予定時刻までに必要な準備金を算出し、運用管理センタ装置6に通知する。
【0159】
これにより、緊急対応であっても適切な量の紙幣や硬貨の装填枚数を指示することができ、また今回は時刻が早くなるものの予定通りに店舗を巡回し、次回は予定通りに戻すため、運用管理を計画的に行うことが可能である。
運用管理センタ装置6は、CVSセンタ装置4及び金融センタ装置5からの装填、回収の要否と、今回巡回する各POSレジスタ2や各ATM3に対する紙幣や硬貨の金種別の装填、回収枚数のデータを受けると、巡回の順路を決定し、配送車7の現金処理装置30に積み込む紙幣や硬貨の金種別の枚数を算出する(S14)。
【0160】
すなわち、はじめに当初予定した巡回する店舗のうち、POSレジスタ2またはATM3のいずれにも装填、回収の必要がない店舗については巡回の計画から外し、1台でも装填、回収が必要な店舗についてはPOSレジスタ2のATM3の全台数について予定通り作業を行うように計画を作成する。
この場合、紙幣については、各コンビニエンスストア1毎にPOSレジスタ2やATM3に対して装填、回収を行うので、最初に訪問するコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に対する装填紙幣は全額必要であるが、2店目からはそれまでに回収した紙幣を装填に廻すことができる。但し、回収した紙幣で次に訪問するコンビニエンスストア1での装填に不足が生じるときは、その不足分を事前に配送車7の現金処理装置30に積み込む必要がある。
【0161】
このように、2店目からはそれまでに回収した紙幣を装填に廻すことができるので資金効率を改善できると共に、必要最小限の紙幣で巡回できるので、防犯面での効果もある。
次に、運用管理センタ装置6は、前記の積み込み枚数の算出結果に基づいて各コンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3毎の紙幣と硬貨の金種別の装填枚数、及び装填のために事前に準備する金種別の紙幣総枚数、金種別の硬貨総枚数と共に、装填や回収の指示を配送車7に対して送信し、同時に今回の巡回の順路と訪問予定時刻を指示する(S15a)。
【0162】
この巡回計画は、CVSセンタ装置4や金融センタ装置5にも装填、回収予定として通知される(S15b)。
配送車7の係員は、運用管理センタ装置6からの指示に従い、運用管理センタで紙幣と硬貨を紙幣装填回収庫12及び硬貨装填回収庫15にそれぞれ装填した上で現金処理装置30の現金処理部10に積み込む。このとき、紙幣は運用管理センタ装置6の算出結果に基づいて、途中の回収紙幣を見込んだ枚数を台車16に装着された紙幣装填回収庫12に装填して積み込む(S16)。
【0163】
この紙幣装填回収庫12の記憶部231には、装填する紙幣の金種別内訳が書き込まれ、またこの記憶部には本体No.として積み込まれる現金処理装置30のNo.が、リジェクト庫No.として紙幣装填回収庫12に対応する装填リジェクト庫86のNo.がそれぞれ書き込まれる。
一方、硬貨は各POSレジスタ2とATM3のそれぞれに対して指示されている装填枚数がPOSレジスタ2とATM3毎に硬貨装填回収庫15に装填され、台車16と現金処理部10の供給台131上に巡回する順番に並べて積み込まれる。
【0164】
すなわち、硬貨装填回収庫15とリジェクト庫14は現金処理装置30の現金処理部10や台車16に装着する時点でそれらが装着されるPOSレジスタ2やATM3が決まっており、従って硬貨装填回収庫15の記憶部233には、装填されている硬貨の金種別の内訳と共に、本体No.として当該硬貨装填回収庫15が装着されるPOSレジスタ2やATM3のNo.が書き込まれる。
【0165】
同様にリジェクト庫14の記憶部232にも、本体No.として当該リジェクト庫14が装着されるPOSレジスタ2やATM3のNo.が書き込まれる。尚、装填リジェクト庫86は、現金処理部10の供給台131の先頭位置に並べられて積み込まれるが、この装填リジェクト庫86の記憶部234には、現金処理装置No.として、当該装填リジェクト庫86が装着される現金処装置30のNo.が書き込まれる。
【0166】
以上のようにして現金が装填された紙幣装填回収庫12や硬貨装填回収庫15等の積み込みが完了すると、配送車7の係員により運用管理センタ装置6に対して巡回開始の通知が送信され(S17)、これ以降運用管理センタ装置6により配送車7に対する巡回状況の監視が行われる。
配送車7が巡回を開始すると(S18)、はじめに装填リジェクト庫86を供給台131からキャリア132上に移動して、該キャリア132により紙幣搬送部13側に押し出して所定の位置に固定し、この時点で、現金処理部10は紙幣装填回収庫12の記憶部231と装填リジェクト庫86の記憶部234に書き込まれている本体No.が自分のNo.であることを確認する(S19)。
【0167】
配送車17に搭載された現金処理装置30の現金処理部10に紙幣装填回収庫12が積み込まれた時点では、台車16上に装着されている紙幣装填回収庫12に今回の巡回に必要な紙幣が装填されているので、これらの紙幣を現金処理部10の紙幣保管庫11へ金種別に振り分けて収納する(S20)。
次に、今回の巡回ではじめに訪問する1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対して指示された金種別の紙幣枚数を紙幣保管庫11から繰り出して台車16上の紙幣装填回収庫12に装填する(S21)。
【0168】
紙幣の装填が終了すると、現金処理部10により紙幣装填回収庫12の記憶部の内容の書き換えが行われる。
すなわち、本体No.は当該紙幣装填回収庫12が装着される予定のPOSレジスタ2やATM3のNo.に、またリジェクト庫No.は当該紙幣装填回収庫12と対応して使用されるリジェクト庫14のNo.に、金種別内訳は今回装填された金種別の紙幣の枚数に書き換えられる。
【0169】
尚、今回の巡回において、はじめに訪問する1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に装着される予定のリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15は、すでに台車16上の所定の位置に装着されているので、現金処理部10はそのリジェクト庫14の記憶部232と、硬貨装填回収庫15の記憶部233に書き込まれている本体No.が、1店目のPOSレジスタ2とATM3のNo.であることを確認する。
【0170】
以上で1店目のコンビニエンスストア1に対する準備が完了する。
一方、CVSセンタ装置4はPOSレジスタ2に対して(S22)、また金融センタ装置5はATM3に対して回収準備をそれぞれ指示し(S23)、その際、同時に配送車7が訪問する時刻までに釣り銭や支払い取引で必要な現金量を残値枚数として通知する。
【0171】
回収する現金は、POSレジスタ2とATM3に内蔵された紙幣処理部210の紙幣保管庫213と、硬貨処理部220の硬貨保管庫223に金種別に収納されており、POSレジスタ2とATM3は回収準備の指示と残値枚数の通知により、紙幣装填回収庫12内の紙幣と、硬貨は硬貨装填回収庫15内の硬貨を、配送車7が訪問する時刻までに釣り銭や支払い取引で必要な残値枚数だけ残してそれぞれ紙幣と硬貨を紙幣装填回収庫12と硬貨装填回収庫15に回収する(S24,S25)。
【0172】
この場合、CVSセンタ装置4や金融センタ装置5からPOSレジスタ2やATM3に通知される残値枚数は、配送車7が訪問するまでに現金切れが発生しない充分な枚数が設定されている。
また、ここでの回収は、入金や釣り銭放出が行われていない販売処理の合間、取引の合間の紙幣処理部210、硬貨処理部220の空き時間に行われる。
【0173】
このように紙幣装填回収庫12内の紙幣と、硬貨は硬貨装填回収庫15内の硬貨の一部をそれぞれ事前に回収することで、配送車7がコンビニエンスストア1に到着してからPOSレジスタ2やATM3を停止させて行う回収処理を少ない枚数で短時間で行うことができると共に、POSレジスタ2やATM3の停止時間を短縮させることができ、これにより稼働効率が向上し、顧客の待ち時間も短縮することができる。
【0174】
また、事前の一部回収を実行するタイミングは、運用管理センタ装置6から通知される巡回予定時刻に対応して決定されるため、例えば一部回収を巡回予定時刻の直前に実施すれば、残値枚数も最少の枚数に設定することができ、配送車7が訪問してから実施する回収処理をより短い時間で行うことができる。
また、回収処理の時間が短縮できるので、係員が交換する紙幣装填回収庫12や硬貨装填回収庫15を持って待機する時間も短くなり、防犯性もよいものとなる。
【0175】
尚、ここではCVSセンタ装置4や金融センタ装置5によりPOSレジスタ2やATM3に対して残値枚数を指示するものとしたが、予めPOSレジスタ2やATM3毎に残値枚数を設定しておくようにしてもよい。
配送車7がコンビニエンスストア1に到着すると、配送車7の係員が操作指示部27を操作し、現金処理装置30に対して現金回収、装填作業の開始を指示すると共に、運用管理センタ装置6に対してコンビニエンスストア1に到着したことを報告する(S26)。
【0176】
また、このとき配送車7から、当該配送車7に搭載されている位置検出部22が検出した現在地を運用管理センタ装置6に連絡する。
運用管理センタ装置6では、この到着を受信した時刻をタイマにより取得し、時刻記憶部に記憶し、そして配送車7の現在地をもとに、配送車7が巡回の1店目のコンビニエンスストア1に予定通り到着したかどうかを確認し、正常であることが確認されると、巡回の1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に対する現金の回収、装填を作業を承認して(S27)、紙幣装填庫12等を装着した台車16の積み降しの許可及び現金の装填、回収の許可を配送車7に対して通知する(S28)。
【0177】
この作業許可をもとに配送車7の作業が開始される。
まず、配送車7から運用管理センタ装置6に対して1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に現金を装填するために、その本体No.と紙幣装填回収庫12に装填した紙幣の枚数と、硬貨装填回収庫15に装填した硬貨の枚数などの装填情報を記憶部231や233から読み出して運用管理センタ装置6に通知する。
【0178】
すなわち、配送車7の現金処理装置30の現金処理部10が、1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に現金を装填するために使用する紙幣装填回収庫12の記憶部231や硬貨装填回収庫15の記憶部233から本体No.と紙幣装填回収庫12に装填した紙幣の枚数、硬貨装填回収庫に装填した硬貨の枚数等の装填情報を読み出し、その読みだした情報を配送車7から運用管理センタ装置6に通知する。
【0179】
次に、配送車7の係員が紙幣装填回収庫12や硬貨装填回収庫15等が装着されている台車16を降すために配送車7の荷台の扉8の前に立つと、扉8に設けられている個人認識部23により係員の虹彩が取得され、登録されている係員かどうかがチェックされる(S30a)。
このチェックにより正当な係員であることが確認されると、配送車7に搭載されている現金処理装置30の制御部20は保安部24に対して台車16を降すように指示し、この指示によって保安部24は、それまで台車16引き上げていた台車引き上げ機構191を動作させて、台車16を下降させる(S30b)。
【0180】
そして台車16が地上まで降りると、保安部24は前記積み降し許可にもとづいて配送車7の扉8の施錠を開放し、これにより係員は扉8を開いて台車16を引き出す。
この時点から台車16はPHS77により現在地を記憶し、その後の現在地の移動に基づいて盗難等の異常事態の発生したか否かが台車制御部74により判定される。
【0181】
ここで係員は、台車16を移動させて紙幣装填回収庫12や硬貨装填回収庫15等をコンビニエンスストア1に運搬し(S31)、そしてコンビニエンスストア1内のPOSレジスタ2に到着すると、係員はPOSレジスタ2の操作パネルを操作して現金回収の開始を入力する(S32)。
これによりPOSレジスタ2は、運用管理センタ装置6に対して現金回収の開始を通知し(S33)、そして紙幣処理部210の紙幣保管庫213内のすべての紙幣を紙幣装填回収庫12に回収する(S34)。
【0182】
この回収処理において発生したリジェクト紙幣は、リジェクト庫14へ収納する。
また、同時に硬貨処理部220の硬貨保管庫223と硬貨リジェクト庫224のすべての硬貨を硬貨装填回収庫15に回収する。
これら紙幣装填回収庫12及び硬貨装填回収庫15には、前述のように事前に紙幣及び硬貨の一部がすでに回収してあるので、この時の回収は短時間で完了する。
【0183】
紙幣保管庫213の紙幣及び硬貨保管庫223と硬貨リジェクト庫224の硬貨がすべて回収されると、POSレジスタ2からCVSセンタ装置4に対して回収金額が通知(S35a)されると共に、紙幣装填回収庫12の記憶部231の金種別内訳に回収された紙幣枚数が、また硬貨装填回収庫15の記憶部233の金種別内訳に回収された硬貨枚数が書き込まれ、更にリジェクト庫14の記憶部232に装填枚数、取引枚数、回収枚数をもとに演算した金種別枚数が書き込まれる。
【0184】
ここで、紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、及び硬貨装填回収庫15がPOSレジスタ2から抜き取り可能になる(S35b)。
一方、運用管理センタ装置6は、POSレジスタ2から現金回収開始の通知を受けると、PHS77を介して台車16にPOSレジスタ2の本体No.の通知を行い(S36)、台車制御部74はこの通知に従って台車16に装着されている紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15のうち、今回使用する紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15に該当する位置決め機構71,72の施錠を開錠して台車16からの取り外しを可能にする(S37)。
【0185】
このように、通知された本体No.に従って位置決め機構71,72の施錠を開錠するので、係員による誤操作を防止することができ、防犯性にも優れたものとなる。
次に、係員はPOSレジスタ2の紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15と台車16上の紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15を交換する(S39)。
【0186】
すなわち、位置決め機構71,72の施錠が解除された紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15を台車から取り外し、またPOSレジスタ2から紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15を抜き取って、この抜き取った紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14を台車16上から取り外した紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14の位置に装着し、更にこのリジェクト庫14上にPOSレジスタ2から抜き取った硬貨装填回収庫15を載せて一体化する。
【0187】
これにより台車1上に装着した紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14は位置決め機構71,72により自動的に固定され施錠される。
続いて係員は、台車16から取り外してある紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、POSレジスタ2の紙幣処理部210及び硬貨処理部220に装着する(S40)。
【0188】
以上のようにしてPOSレジスタ2に対する紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15の交換が行われるが、これらの金庫の交換による資金の移動の決済が以下のように行われる。
前記のようにPOSレジスタ2から抜き取られた紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15が台車16上に装着されると、台車制御部74はいま装着された紙幣装填回収庫12の記憶部231とリジェクト庫14の記憶部232及び硬貨装填回収庫15の記憶部233からそれぞれ本体No.と金種別内訳とを読み出し、通信部76によりPHS77を介して運用管理センタ装置6に現金回収データとして報告する(S41)。
【0189】
運用管理センタ装置6は台車16から受信した現金回収データに基づいてCVSセンタ装置4にPOSレジスタ2から回収した金額を通知し(S42)、CVSセンタ装置4はこの通知された回収金額と、すでにS35aでPOSレジスタ2から報告を受けている回収金額とが一致するかどうかを確認する(S43)。
その結果、回収金額が一致し、正当であると判断した場合、CVSセンタ装置4は運用管理センタ装置6に対して回収確認通知を送信し(S44a)、その応答として運用管理センタ装置6からCVSセンタ装置4に対して回収金額の入金処理が行われる(S44b)。
【0190】
この時点で、1店目のコンビニエンスストアのPOSレジスタ2に対する回収処理が完了し(S45)、回収された現金は運用管理センタ装置6に移動したものとして決済される。
一方、前記のように台車16から取り外された紙幣装填回収庫12及びリジェクト庫14、硬貨装填回収庫15がPOSレジスタ2の紙幣処理部210及び硬貨処理部220に装着されると、POSレジスタ2は紙幣処理部210にいま装着された紙幣装填回収庫12の記憶部231から紙幣装填回収庫No.、本体No.、金種別内訳を読み出し、同様にリジェクト庫14の記憶部232からリジェクト庫と本体No.、硬貨装填回収庫15の記憶部233から硬貨装填回収庫No.、本体No.、金種別内訳をそれぞれ読み出す。
【0191】
そして、これらの記憶部231〜233に書き込まれている本体No.は、POSレジスタ2自身のNo.であること、紙幣装填回収庫の記憶部231に書き込まれているリジェクト庫No.は同時に当該POSレジスタ2に装着されたリジェクト庫14のNo.と一致していることを確認する。
これらの確認の結果、すべて正常と判断すると、POSレジスタ2は紙幣装填回収庫12の金種別内訳と、硬貨装填回収庫15の金種別内訳から今回装填された金額を算出し、CVSセンタ装置4に対して算出金額を報告する(S46)。
【0192】
CVSセンタ装置4では、S10において運用管理センタ装置6に指示した装填金額と、今回POSレジスタ2から報告された装填金額が一致していることを確認し(S47)、この確認により金額が正当であると判断すると、運用管理センタ装置6に対して装填金額を付加した装填確認通知を送信(S48a)すると共に、CVSセンタ装置4から運用管理センタ装置6への装填金額の入金処理を行う。
【0193】
運用管理センタ装置6では、CVSセンタ装置4から装填確認通知を受信すると、それに付加されている装填金額とS15で配送車7に指示したPOSレジスタ2に対する装填金額とが一致していることを確認し(S49)、この金額が正当であると判断すると、この時点でPOSレジスタ2に対する装填作業を完了する(S50)。
【0194】
これにより装填された現金はPOSレジスタ2に移され、POSレジスタ2を管理するCVSセンタ装置4に移動したとしてPOSレジスタ2への装填処理が完了する。
以上のように紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15の交換することで、現金の移し替えと同時に決済が行われるため、現金とその管理責任を同時に移すことができ、また、金利の負担先も明確になると共に、万一盗難にあったときの保険の負担も分かり易いものとなる。
【0195】
POSレジスタ2では、装着された紙幣装填回収庫12から紙幣処理部210の紙幣保管庫213に紙幣が金種別に振り分けられて収納され、そのとき発生したリジェクト紙幣はリジェクト庫14へ収納される。同時に装着された硬貨装填回収庫15から硬貨処理部220の硬貨保管庫223に硬貨が金種別に振り分けられて収納され、そのとき発生したリジェクト硬貨は硬貨リジェクト庫224へ収納される(S51)。
【0196】
以上ですべての紙幣と硬貨の移動収納が完了すると、POSレジスタ2における現金の回収、装填処理が終了する(S52)。
次に、係員は同じコンビニエンスストア1内に設置されているATM3に台車16を移動させ、POSレジスタ2の場合と同様の手順でATM3に対する紙幣及び硬貨の回収、装填処理を行う。
【0197】
但し、POSレジスタ2の場合には、CVSセンタ装置4と運用管理センタ装置6との間で金額データ等の授受を行って決済処理を行ったが、ATM3の場合には金融センタ装置5と運用管理センタ装置6との間で金額データ等の授受を行って決済処理が行われる。
その手順は、図41及び42に示したようにATM3に回収開始の入力(S53)以降、ATMの現金回収、装填終了までPOSレジスタ2と同様であるのでその説明は省略する。
【0198】
以上のようにして1店目のコンビニエンスストア1に設置されているPOSレジスタ2やATMに対する現金の回収、装填処理を終了する。
その後、係員は台車16を配送車7まで移動し(S55)、配送車7の扉8の前に立つと、この扉8に設けられている個人認識部23により係員の虹彩が取得され、登録されている係員かどうかがチェックされる(S56a)。
【0199】
このチェックにより正当な係員であることが確認されると、配送車7に搭載されている現金処理装置30の制御部20は保安部24に対して扉8を開いて台車16を受け入れるように指示する。
そして係員が扉8を開き、台車16を配送車7に荷台の下に所定の位置まで押し入れて扉8を閉じると、保安部24は台車引き上げ機構191により台車16を引き上げて現金処理部10に連結させる(S56b)。
【0200】
これにより現金処理部10の主制御部25は台車16上に装着されている回収した紙幣装填回収庫12の記憶部231、硬貨装填回収庫15の記憶部233からそれぞれ本体No.や金種別内訳等の記憶内容を読み出して、現金処理部10の記憶部に記憶し、その後紙幣装填回収庫12から紙幣を順次繰り出して、紙幣を紙幣保管庫11へ金種別に振り分けて収納させる(S57)。このとき発生したリジェクト紙幣はリジェクト庫14に収納される。
【0201】
すべての紙幣が紙幣装填回収庫12から回収されて空になると、紙幣装填回収庫12の記憶部231に書き込まれている本体No.、リジェクト庫No.、金種別内訳のデータがクリアされるが、この時の回収枚数も金種別に計数されて現金処理部10の記憶部に記憶される。
以上のようにしてPOSレジスタ2やATM3から回収されたすべての紙幣装填回収庫12からの紙幣の回収が終了すると、現金処理装置30から運用管理センタ装置6に対して、各紙幣装填回収庫12から紙幣保管庫11へ回収した金種別の紙幣の回収枚数と、各紙幣装填回収庫12の記憶部231の本体No.とを報告し、同時に硬貨装填回収庫15の記憶部233から読み出した本体No.や金種別内訳も報告する(S58)。
【0202】
尚、ここでの紙幣の回収枚数は、紙幣装填回収庫12から紙幣保管庫11への回収中にリジェクト紙幣が発生した場合、回収紙幣の一部がリジェクト庫14に収納されるので、必ずしもPOSレジスタ2やATMから回収されたときの金額には一致せず、今回S58で運用管理センタ装置6に報告された回収枚数による金額と、リジェクト庫14に収納されたリジェクト紙幣の合計値が、該当するPOSレジスタ2やATM3から回収した金額の総額であり、POSレジスタ2やATMから報告されて決済された金額に相当するものとなる。
【0203】
また、S58で報告される回収枚数は、巡回の途中で次のコンビニエンスストア1の装填に使用される紙幣枚数に加算される。
運用管理センタ装置6は、配送車7の現金処理装置30から報告された回収枚数で次に訪問するコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対して充分に紙幣の装填ができることを確認し、配送車7の現金処理装置30に対して1店目のコンビニエンスストア1について作業を終了したことを通知する(S59)。
【0204】
以上で運用管理センタ装置6での1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対する現金の回収、装填処理を終了する(S60)。
また、この間、運用管理センタ装置6は交換作業の状況を監視し、配送車7や台車16が万一盗難等の異常事態に遭遇していないかどうかを判断する。
すなわち台車16や、POSレジスタ2、ATM3等から、その作業の進捗に対応して逐次状況やデータが報告されるが、運用管理センタ装置6では、これらの報告に対して時間等の監視、例えば紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14等が台車から外され、別の紙幣装填回収庫12やリジェクト庫14等が台車16に装着されるまでの時間等を監視して異常事態の発生の有無を判断し、更に配送車7に搭載されている位置検出部22の検出位置により、配送車7が所定の位置から予定外の位置に移動したかを監視して、異常事態の発生の有無を判断する。 更に、時刻記憶部に記憶し時刻から所定の時間内に装填回収作業が終了したかどうかにより異常事態の発生の有無を判断する。
【0205】
次に配送車は2店目のコンビニエンスストア1に移動し、この移動中に現金処理装置30の現金処理部10により2店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対する現金装填の準備が行われる。
まず、台車16に装着されている1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3から回収されたリジェクト庫14と硬貨装填回収庫15を、2店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3に指定されているリジェクト14と硬貨装填回収庫15と交換する(S61)。
【0206】
すなわち、回収したリジェクト14と硬貨装填回収庫15が台車16から交換部17のキャリア132によって受け取られ、受入れ機構136により回収台137上に収納される。
続いて供給台131上に搭載されている2店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2やATM3のためのリジェクト14と硬貨装填回収庫15がキャリア132上に押し出され、該キャリア132により台車16の所定の位置まで運ばれて、台車16上に装着される。
【0207】
次に、現金処理部10は、今回訪問する2店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対して指示された装填枚数分の紙幣を紙幣保管庫11から紙幣装填回収庫12に装填し、そしてこの紙幣装填回収庫12の記憶部231の記憶内容を1店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に装填する場合と同様に書き換える(S62)。
【0208】
以上で2店目のコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対する準備が完了する。
配送車7が2店目のコンビニエンスストア1に到着すると、1店目の場合と同様に運用管理センタ装置6に対して到着を報告し(S63)、POSレジスタ2とATM3に対する現金の回収、装填作業を1店目の場合と同様に実施する(S64)。
【0209】
同様に3店目以降、すべてのコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対する現金の回収、装填を行う。
すべてのコンビニエンスストア1のPOSレジスタ2とATM3に対する現金の回収、装填処理が終了すると(S65)、配送車7は運用管理センタに戻る。
配送車7が運用管理センタに帰着すると(S66a)、運用管理センタ装置6に対して帰着を報告し、この報告を受けて運用管理センタ装置6は配送車7に対する巡回状況の監視を解除し、これにより巡回処理が終了する(S66b)。
【0210】
このとき、最後のコンビニエンスストア1から回収された紙幣装填回収庫12が台車16に装着されているが、この紙幣装填回収庫12内の紙幣はすでに現金処理部10の紙幣保管庫11に移されて収納されている。
そこで、配送車7の巡回により回収された紙幣を抜き取って精算するため、係員は配送車7の操作表示部27を操作し、現金処理装置30に対して終了処理の開始を入力する(S67a)。
【0211】
これにより紙幣保管庫11に収納されている紙幣は1枚づつ繰り出され、紙幣認識部85で金種の認識、計数等が行われた後、紙幣装填回収庫12に収納される(S67b)。
この収納処理は、各紙幣保管庫11に金種別に収納されている紙幣はすべて紙幣装填回収庫12に収納するものであり、台車16上には複数の紙幣装填回収庫12が装着されているので、最初の紙幣装填回収庫12が満杯になると次の紙幣装填回収庫12に収納するというように、紙幣は複数の紙幣装填回収庫12に順に収納されて行く。
【0212】
尚、この処理中に発生するリジェクト紙幣は装填リジェクト庫86に収納される。
すべての、紙幣保管庫11が空になると処理が終了し、紙幣装填回収庫12の記憶部231の記憶内容が書き換えられる。
すなわち、本体No.には配送車7に搭載されている当該現金処理装置30のNo.が、リジェクト庫No.には対応する装填リジェクト庫86のNo.が、金種別内訳には収納された紙幣の金種別の枚数が書き込まれる。
【0213】
また、このときの計数結果は、精算枚数として運用管理センタ装置6に通知される(S67c)。
次に、紙幣搬送部13から装填リジェクト庫86を交換部17のキャリア132で受け取り、その装填リジェクト庫86更に受入れ機構136により回収台137に送り込んで回収する(S68a)。
【0214】
以上で紙幣装填回収庫12への現金の回収と、その紙幣装填回収庫12の下降作業の準備が完了し、これにより現金処理装置30が台車16を地上に下降させると(S68b)、係員は荷台の扉8を開いて台車16を引出す。
更に、係員は現金処理部10から供給台131と一体に回収台137を引出して、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、及びリジェクト装填庫86の各金庫を降し(S69)、これにより終了処理を完了する(S70)。
【0215】
最後に、紙幣装填回収庫12、リジェクト14、硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86の各金庫に残っている現金の精算が行われる。
すなわち、これらの紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86を開き、それぞれ収納されている現金を計数装置等により計数して、その計数結果と巡回の途中等で報告されている金額等との突き合わせ確認が行われる。
【0216】
以下に紙幣装填回収庫12、リジェクト庫14、硬貨装填回収庫15、及び装填リジェクト庫86のそれぞれの精算内容を説明する。
【0217】
【数1】
Figure 0003913105
Figure 0003913105
以上の結果は運用管理センタ装置6に精算結果として通知され(S71)、これによりすべての現金の残高が正しく報告されて装填、回収作業は終了する(S73)。
【0218】
尚、上述した実施の形態では、コンビニエンスストア1を運営する会社が保有するPOSレジスタ2と金融機関が保有するATM3に対して現金の装填、回収を行う場合を例にして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、流通機関や信販会社、及びその他の会社が保有する各種の現金取扱い装置に対する現金の装填、回収に適用し、現金の運用を図ることが可能である。
【0219】
また、上述した実施の形態ではコンビニエンスストア1に現金取扱い装置の設置されているものとして説明したが、デパートやスーパーマーケットの他、公共施設等に設置された現金取扱い装置に対しても同様に適用可能である。
上述した実施の形態ではコンビニエンスストア1にPOSレジスタ2とATMの2種類の現金取扱い装置が設置されているものとして説明したが、1店について1種類現金取扱い装置が設置されている場合は、台車16上に装着して使用する紙幣装填回収庫12は1個用意するだけでもよい。
【0220】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1及び2の発明によれば、以下のような効果が得られる。
すなわち、配送車が現金取扱い装置の設置場所に到着して、現金取扱い装置に現金を装填するために現金装填回収庫を配送車から降すときや、現金取扱い装置から現金を回収した後、現金装填回収庫を配送車に積み込むとき、現金装填回収庫を移動手段に装着したまま積み降しができるので、短時間で積み降し作業ができ、移動手段に現金装填回収庫が複数装着されていても全体に注意が行き届くので防犯性を高めることができるという効果が得られる。
【0228】
請求項2及び請求項3の発明によれば、以下の効果が得られる。現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行うために、現金装填回収庫を移動手段上に固定して移動する際、現金装填回収庫を移動手段上に施錠して固定しており、この施錠を通常の鍵の操作により行うと、その鍵を盗めば誰でも移動手段から現金装填回収庫を取り外すことができてしまうが、この請求項13及び14の発明では、通信手段により外部から施錠解除の指示を受けたとき、現金装填回収庫の施錠を解除して移動手段から取り外せるようにすることで鍵を不要にすることができると共に、装填、回収の作業にあわせて必要なときだけ施錠を解除できるので、現金装填回収庫の盗難を予防できると共に、現金装填回収庫を間違えて取り外したり、施錠を忘れたりすることも防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成を示す概略図
【図2】POSレジスタの在高データの例を示す図
【図3】ATMの在高データの例を示す図
【図4】配送車の概略斜視図
【図5】現金処理装置の構成を示すブロック図
【図6】台車の概略斜視図
【図7】台車の構成を示すブロック図
【図8】現金処理部の内部構造を示す概略斜視図
【図9】現金処理部と紙幣装填回収庫等との連結状態を示す斜視図
【図10】紙幣保管庫とその周辺部の動作を示す斜視図
【図11】紙幣保管庫の紙幣収納状態を示す斜視図
【図12】紙幣装填回収庫とその周辺部の動作を示す斜視図
【図13】紙幣装填回収庫の紙幣収納状態を示す斜視図
【図14】リジェクト庫とその周辺部の動作を示す斜視図
【図15】リジェクト庫の紙幣収納状態を示す斜視図
【図16】現金処理装置への紙幣の収納動作を示す説明図
【図17】紙幣装填回収庫への現金の装填動作を示す説明図
【図18】現金処理部への紙幣の回収動作を示す説明図
【図19】交換部を示す概略斜視図
【図20】現金処理部の各構成要素の相対位置関係を示す概略斜視図
【図21】交換部の動作を示す概略斜視図
【図22】交換部の動作を示す概略斜視図
【図23】交換部の動作を示す概略斜視図
【図24】交換部の動作を示す概略斜視図
【図25】交換部の動作を示す概略斜視図
【図26】リジェクト庫等の移送状態を示す概略斜視図
【図27】リジェクト庫と硬貨装填回収庫の概略斜視図
【図28】リジェクト庫の位置決めを示す概略斜視図
【図29】リジェクト庫の平面図
【図30】台車を配送車に積み込む前の状態を示す斜視図
【図31】台車を配送車に積み込んだ状態を示す斜視図
【図32】配送車後部の扉を開けた状態の拡大斜視図
【図33】配送車後部の扉を閉じた状態の拡大斜視図
【図34】紙幣処理部の構成を示すブロック図
【図35】硬貨処理部の構成を示すブロック図
【図36】各金庫における記憶部の記憶内容を示す図
【図37】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図38】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図39】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図40】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図41】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図42】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図43】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図44】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【図45】実施の形態における現金の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 コンビニエンスストア
2 POSレジスタ
3 ATM
4 CVSセンタ装置
5 金融センタ装置
6 運用管理センタ装置
8 扉
7 配送車
10 現金処理部
11 紙幣保管庫
12 紙幣装填回収庫
13 紙幣搬送部
14 リジェクト庫
15 硬貨装填回収庫
16 台車
17 交換部
20 制御部
21 通信部
22 位置検出部
23 個人認識部
27 操作表示部
30 現金処理装置
71a〜71c 位置決め機構
72a〜72c 位置決め機構
74 台車制御部
76 通信部
77 PHS
85 認識部
86 装填リジェクト庫
131 供給台
132 キャリア
137 回収台
133 位置決め機構
210 紙幣処理部
212 認識部
213a〜213c 紙幣保管庫
220 硬貨処理部
225 検銭部
231〜234 記憶部

Claims (3)

  1. 現金の入出金を行う現金取扱い装置と、
    この現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行う現金処理装置と、
    この現金処理装置から現金取扱い装置に対して装填、回収する現金を収納する現金装填回収庫と、
    前記現金処理装置と現金装填回収庫を搭載して、現金取扱い装置の設置場所を訪問する配送車と、
    前記現金装填回収庫を装着して前記配送車から現金取扱い装置まで移動する移動手段と、
    この移動手段に装着する現金装填回収庫を所定の位置に固定する位置決め機構と、
    前記移動手段を配送車に積み降しする昇降手段と、
    を具備し、
    前記現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行うとき、位置決め機構で移動手段上に現金装填回収庫を固定したまま昇降手段により積み降しできるようにすると共に、
    昇降手段により移動手段を配送車に積み込んだとき、移動手段上の現金装填回収庫が現金処理装置の所定の位置に対応づけられ、移動手段上の現金装填回収庫に対して現金処理装置が現金の装填、回収を行えるようにしたことを特徴とする現金装填回収システム。
  2. 現金の入出金を行う現金取扱い装置と、
    この現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行う現金処理装置と、
    この現金処理装置から現金取扱い装置に対して装填、回収する現金を収納する現金装填回収庫と、
    前記現金処理装置と現金装填回収庫を搭載して、現金取扱い装置の設置場所を訪問する配送車と、
    前記現金装填回収庫を装着して前記配送車から現金取扱い装置まで移動する移動手段と、
    この移動手段に装着する現金装填回収庫を所定の位置に固定して施錠する位置決め機構と、
    前記移動手段に設けられ、外部からの制御の指示を受け付ける通信手段と、
    を具備し、
    前記現金取扱い装置に対して現金の装填、回収を行うため、現金を収納した現金装填回収庫を位置決め機構により移動手段上に固定した施錠した状態で移動手段を移動し、その後、前記通信手段により外部から施錠解除の指示を受けたとき、前記位置決め機構による施錠を解除して、前記現金装填回収庫を前記移動手段から取り外せるようにしたことを特徴とする現金装填回収システム。
  3. 請求項2において、
    現金取扱い装置は外部と通信を行う通信手段を具備し、この現金取扱い装置は、現金を装填するための準備ができたとき、前記通信手段により外部にその旨を通知し、これに基づいて外部から移動手段の通信手段に対して施錠解除の指示を送信することで、現金取扱い装置の処理と同期して現金装填回収庫を前記移動手段から取り外せるようにしたことを特徴とする現金装填回収システム。
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