JP3912228B2 - 分析・計測用光源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は分析機器・計測機器に使用される、発光源としてフィラメントを内蔵したランプを使用した光源に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のランプを使用した分析・計測用光源は図2〜図4および図6に示す構造になっている。図2で光源ランプ2に内蔵されたフィラメント1から放射された光線Lは、フィラメント1に対して垂直方向に光軸を持つよう配設された集光レンズ3で集光され、スリット4を通過して取り出され、分析・計測用に使用される。フィラメント1、集光レンズ3およびスリット4が光源S1を構成する。図3は図2の集光レンズ3に替えて凹面反射鏡5を使用した光源S2を示している。凹面反射鏡5の面形状としては軸上楕円面鏡等が用いられる。また図4は凹面反射鏡5を光線Lの光軸に対して斜めに配置した光源S3を示している。凹面反射鏡5の面形状としては軸外楕円面鏡等が用いられる。
【0003】
図5はフィラメント1の螺旋構造を示している。光の放射強度は光軸に垂直な面に対するフィラメント1の正射影の面積に比例するため、分析・計測用ランプにおいては螺旋の断面は一般的に円ではなく長方形に製作されており、この構造における放射強度の最大の方向は光線L1および光線L2の2方向となり、同じ消費電力でこの2方向の放射強度を極大にしている。なお、図5は螺旋構造のフィラメント1を示しているが、光軸に垂直な面に対するフィラメント1の正射影の面積を極力大きくするための別の構造としてフィラメント1を螺旋構造とせず、平面状のリボンを用いる場合もある。
【0004】
図6は光線L1および光線L2の双方を利用する光源SPの一例で、図6(a)は図6(b)の視認方向VPの方向から見た光源SPの断面図である。図6(a)のフィラメント1から左方に放射された光線L1は凹面反射鏡5で集光され、あたかもフィラメント1の実像であるフィラメント像1Mから右方に放射される光線として集光レンズ3で集光される。凹面反射鏡5の面形状としては楕円面鏡または代替品として球面鏡等が使用される。一方フィラメント1から右方に放射された光線L2は直接集光レンズ3で集光されスリット4に到達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のタングステンフィラメントを内蔵したランプを用いた分析・計測用光源の構造は以上のとおりであるが、図2、図3、図4に示す光源S1、S2、S3では図5に示す光線L1またはL2のどちらか一方のみを利用している。そして残りの片方は利用していないので光の利用効率が悪い。また光源S1、S2、S3の後に複数の分析装置または計測装置を設置する場合には光をさらにスプリッタや分岐光ファイバ等で分割するため光量がさらに低下する。図6の構造では光線L1およびL2の双方を利用しているが、凹面反射鏡5で反射した後右方に向かう光線L1の強度は凹面反射鏡5の反射効率の影響を受け、直接右方に向かう光線L2の強度よりも弱く、集光位置すなわちスリット4の位置で照度ムラが発生する。
【0006】
また、図6ではフィラメント1とフィラメント像1Mの位置をわずかにずらして記載してあるが、理論的な集光の鋭さはフィラメント1とフィラメント像1Mの位置が重なる場合に最もよいものの、現実には凹面反射鏡5で集光された光線L1の像がフィラメント1上に結像すると、光線L1はフィラメント1に遮られて失われ、かつフィラメント1は光線L1による加熱を受け急激な温度上昇を生じて著しい寿命の低下を生ずる。
【0007】
したがって従来における光源は集光の鋭さを得るために設計上のフィラメント1とフィラメント像1Mの位置を近接させればさせるほど、加工上の誤差や振動、フィラメント1の交換等でフィラメント像1Mの位置がわずかにずれた場合に光量に大きな変化がありまたフィラメント1の寿命を著しく低下させるので、集光の鋭さと光強度の改善の両立が困難であり、この光源SPを内蔵した分析・計測装置の安定性、信頼性にも問題を生ずる。
本発明はこのような問題点を解決する分析・計測用光源を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する分析・計測用光源は上記課題を解決するために、フィラメントの複数の放射強度の極大方向にそれぞれの集光光学系を備えた複数の光源を設け、複数の光源から射出された光を複数の分光光学系を備えた分析・計測用装置に導入し使用する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の分析・計測用光源の実施例を図1に従って説明する。フィラメント1の一方すなわち図面における上方の放射強度の極大方向に凹面鏡10A、スリット11Aを設け、その後段に反射鏡12A、回折格子13A、反射鏡14A、スリット15Aからなる分光器ZAを設ける。さらにその後段に反射鏡16A、移動反射鏡17、試料18、検出器19を設ける。前記のフィラメント1、凹面鏡10A、スリット11Aは光源SAを構成する。
【0010】
フィラメント1の他方すなわち図面における下方の放射強度の極大方向に凹面鏡10B、スリット11Bを設け、その後段に反射鏡12B、回折格子13B、反射鏡14B、スリット15Bからなる分光器ZBを設ける。さらにその後段に反射鏡16Bを設ける。前記のフィラメント1、凹面鏡10B、スリット11Bは光源SBを構成する。
【0011】
フィラメント1の一方から図1の上方に放射された光線LAは光源SAから射出され、分光器ZAを通過する。分光器ZAはたとえば400nm〜900nmの可視域の波長範囲から特定の任意の波長を選択できるように設計されており、選択された特定波長の光線LAが反射鏡16A、図1の実線の位置にある移動反射鏡17を経由して試料18を通過し、検出器19で電気信号に変換される。他方、フィラメント1から図1の下方に放射された光線LBは光源SBから射出され、分光器ZBを通過する。
【0012】
分光器ZBはたとえば700nm〜2500nmの赤外域の波長範囲から特定の任意の波長を選択できるように設計されており、選択された特定波長の光線LBが反射鏡16Bに達する。移動反射鏡17を図の点線の位置に移動することによって光線LBはさらに試料18を通過し、検出器19で電気信号に変換される。したがって本実施例は、一個のフィラメントに2個の分光器を用いて、簡単な切換走査で光量が大きく波長精度および分解能の高い可視域から赤外域の波長の光を選択し試料に入射可能な分光光度計である。
【0013】
以上、本発明が提供する分析・計測用光源の実施例の構成ならびに作動を説明したが、本発明は前記の実施例に限定されるものではない。すなわち、2個の光源の一方または双方の集光装置として集光レンズを用いても良い。また、光源に光発生源としてタングステンランプに替えてタングステンランプの一種であるハロゲンランプを使用してもよく、タングステン以外の材料のフィラメントを使用してもよい。また螺旋構造のフィラメントに替えて平面状のフィラメントを有するリボン電球を使用しても良い。フィラメント式ランプの場合、放射される光の強度はフィラメントの面と垂直な方向(両方向)となるが、この面状のフィラメントを3枚組み合わせて3角形状にすると3方に放射強度が極大となる。この場合は3個の集光光学系が配置できる。また光源の後に接続される分析機器または計測機器は任意であり、前記の実施例には限定されない。本発明はこれらをすべて包含する。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したとおりであるから、ランプのフィラメント構造に起因する複数の放射強度の極大方向に複数の集光光学系を備えた複数の光源を設けることにより、1個のフィラメントを使用するのみで2個のフィラメントに匹敵する収束性の良い光を複数の異なった分析・計測用装置に安定して供給することができ、フィラメント数の低減によって分析・計測装置の消費電力の相当部分を占めるフィラメントの消費電力を低減し分析・計測装置の全消費電力を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分析・計測用光源の実施例を示す断面図である。
【図2】 従来の光源の一例を示す断面図である。
【図3】 従来の光源の一例を示す断面図である。
【図4】 従来の光源の一例を示す断面図である。
【図5】 フィラメントの構造の一例を示す斜視図である。
【図6】 従来の光源の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…フィラメント
10A…凹面鏡
10B…凹面鏡
11A…スリット
11B…スリット
SA…光源
SB…光源
LA…光線
LB…光線
Claims (4)
- ランプから放射される光を試料に照射または通過させ、試料の分析・計測を行う分析・計測用光源において、ランプから放射される光の放射方向の中で放射強度の極大な複数の方向にそれぞれ放射される光の集光光学系を備え、この集光光学系により得られた光を複数の分光光学系に導入できるようにしたことを特徴とする分析・計測用光源。
- 複数の分光光学系が選択できる波長範囲が各々異なることを特徴とする請求項1記載の分析・計測用光源。
- ランプをハロゲンランプで構成したことを特長とする請求項1および請求項2記載の分析・計測用光源。
- 請求項1から請求項3のいずれかの分析・計測用光源を使用した分光光度計。
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- 2002-08-30 JP JP2002254425A patent/JP3912228B2/ja not_active Expired - Lifetime
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