JP3912213B2 - 合成対象となるフレーム画像の選択 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データにフレーム画像データを合成する画像合成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ(DSC)やスキャナその他の画像入力装置によって生成された画像データはデジタルデータであるため、パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラ上で他の画像と重畳して合成させることも容易である。たとえば枠を表す画像や入学その他のイベントを表す画像といったフレーム画像と、撮影により取得した画像とを合成することも行われている。このような合成対象となるフレーム画像は、通常、様々なフレーム画像の中から合成相手の画像に応じてユーザが選択することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数のフレーム画像の中から合成対象を選択する際に、その選択肢の増加に応じてユーザによる選択の負担が増大する傾向にあった。一方、撮影の場所や時期に応じて、各フレーム画像が選択される確率は大きく変動する。たとえば特定の観光地において撮影された場合には、その観光地に関連するフレーム画像の選択が望まれる確率が高くなる。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、フレーム画像の選択の際におけるユーザの負担を軽減する技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の画像処理装置は、画像データと、前記画像データの処理に使用される画像処理制御情報とを含む画像ファイルに応じて、前記画像データに対して画像処理を行う装置であって、前記画像処理制御情報に応じて、前記画像データと合成するために予め準備された複数のフレーム画像データのうちの一部のフレーム画像データを選択するフレーム画像選択部と、前記選択されたフレーム画像データのうちの少なくとも1つと、前記画像データとを合成するフレーム画像合成部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の画像処理装置によれば、画像ファイルに含まれる画像処理制御情報に応じて、複数のフレーム画像データのうちの一部のフレーム画像データが選択されるので、フレーム画像データの選択の際におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0007】
上記画像処理装置において、さらに、前記複数のフレーム画像データを格納するフレーム画像格納部を備えるようにすることが好ましい。
【0008】
こうすれば、選択処理や合成処理を迅速にできるという利点がある。
【0009】
上記画像処理装置において、前記フレーム画像格納部は、前記複数のフレーム画像データの選択の優先順位を表す優先順位情報を、前記複数のフレーム画像データの少なくとも一部の画像について格納することが可能であり、前記フレーム画像選択部は、さらに前記優先順位情報に応じて前記選択を行うようにすることが好ましい。
【0010】
こうすれば、ユーザによって選択される可能性がより高いフレーム画像をきめ細かく選択することが可能となる。
【0011】
上記画像処理装置において、前記フレーム画像格納部は、前記複数のフレーム画像データの属性情報をデータベース化したデータベースファイルを有しており、前記フレーム画像選択部は、前記データベースファイルを検索することにより前記選択を行うようにすることが好ましい。
【0012】
こうすれば、フレーム画像データの選択処理に要する時間をさらに短くすることができる。
【0013】
上記画像処理装置において、前記画像処理制御情報は、撮影時の地理的位置を表す地理情報を含んでおり、前記フレーム画像選択部は、少なくとも前記地理情報に応じて前記選択を行うようにしても良いし、
前記画像処理制御情報は、撮影時の時間を表す時間情報を含んでおり、前記フレーム画像選択部は、少なくとも前記時間情報に応じて前記選択を行うようにしても良い。
【0014】
本発明の画像ファイル書き込み装置は、画像データと、前記画像データの処理に使用される画像処理制御情報とを含む画像ファイルに情報を書き込む装置であって、上記画像処理装置のいずれかと、前記選択されたフレーム画像データを特定するための情報を、前記画像処理制御情報として前記画像ファイルに書き込む画像ファイル書き込み部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の画像ファイル書き込み装置によれば、合成前の画像データを残したままで、記録領域内における画像データの使用領域を過度に増やすことなく、合成された画像データを利用可能な状態とすることができる。
【0016】
本発明のフレーム画像提供装置は、画像データと合成するためのフレーム画像データを提供する装置であって、前記画像データと、前記画像データの処理に使用される画像処理制御情報とを含む画像ファイルから読み出された画像処理制御情報を受信する画像処理制御情報受信部と、前記受信された画像処理制御情報に応じて、予め準備された複数の前記フレーム画像データのうちの一部のフレーム画像データを選択するフレーム画像選択部と、前記選択されたフレーム画像データのうちの少なくとも1つを送信するフレーム画像送信部とを備えることを特徴とする。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、たとえば、画像ファイル生成装置、画像出力装置および画像処理方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.画像処理システムの構成:
B.画像ファイルの構成:
C.第1実施例:
D.第2実施例:
E.変形例:
【0019】
A.画像処理システムの構成:
図1は、本発明の一実施例としての画像処理システム10を示す説明図である。画像処理システム10は、元画像データを生成する入力装置としてのデジタルスチルカメラ12と、デジタルスチルカメラ12で生成された元画像データに対して画像処理を行う画像処理装置としてのパーソナルコンピュータPCと、処理された画像を出力する出力装置としてのカラープリンタ20とを備えている。
【0020】
デジタルスチルカメラ12、パーソナルコンピュータPC、およびカラープリンタ20は、相互にケーブルCVで接続可能である。ケーブルCVにより接続されている場合には、デジタルスチルカメラ12等は、ケーブルCVを経由して画像ファイルを送受信することが可能である。ケーブルCVで接続されていない場合にも、デジタルスチルカメラ12等は、メモリカードMCを用いて画像ファイルのやりとりを行うことができる。
【0021】
図2は、画像データを生成する入力装置としてのデジタルスチルカメラ12の構成の概略を示すブロック図である。デジタルスチルカメラ12は、光学レンズを通して電荷結合素子(CCD)上にイメージを結像することにより、電気的に静止画を記録するカメラである。
【0022】
デジタルスチルカメラ12は、画像データを生成するための回路群と、測位のための回路群と、これらを制御する制御回路124とを備えている。画像データを生成するための回路群には、光学回路121や画像取得回路122、画像処理回路123といった各回路が含まれている。測位のための回路群には、GPS回路128やGPSアンテナ129、携帯電話インターフェース回路125とが含まれている。デジタルスチルカメラ12は、さらに、ユーザインターフェースとしての選択・決定ボタン126と、撮影画像のプレビューやユーザインターフェースとして用いられる液晶ディスプレイ127とを備えている。
【0023】
画像データを生成するための各回路は以下の機能を有している。光学回路121は、CCDを用いて光信号を電気信号に変換する。画像取得回路122は、光学回路121を制御することにより画像を取得して画像データを生成する。画像処理回路123は、このようにして生成された画像データの加工処理を行う。
【0024】
測位のための各回路等は以下の機能を有している。GPS(GLOBAL POSITIONING SYSTEM)アンテナ129は、GPS衛星からの電波を受信する。GPS回路128は、この電波を解析することによりデジタルスチルカメラ12の地理的位置を表す位置情報を取得する。近年では、GPS測位システムの能力が向上しているため、たとえばオフィスビルの窓から離れた中心部の部屋でも数メートルといった精度で位置情報を取得することができる。
【0025】
携帯電話インターフェース回路125は、携帯電話が取得した位置情報をGPS回路に入力する。携帯電話による位置情報の取得は、基地局の電波を利用することにより行われるので、たとえば地下街のようなGPS電波の受信が極めて困難な場所でも位置情報の取得が可能である。このような測位方式には、たとえば米クアルコム社のgpsOne(商標)という方式がある。
【0026】
デジタルスチルカメラ12による撮影処理(画像データの取得処理)は、(1)GPSデータの更新、(2)ユーザによる撮影モードの設定、(3)撮像(画像データの入力)、(4)画像処理、(5)画像ファイルの記録の順に行われる。
【0027】
GPSデータの更新は、液晶ディスプレイ127や選択・決定ボタン126といったユーザインターフェースを用いて行われる。ユーザにより更新の指示が行われると、GPS回路128が起動され、GPS衛星からの電波に応じて位置情報が生成される。位置情報が生成されると、画像取得回路122が有する図示しない不揮発性メモリにこの情報が格納されるとともに、液晶ディスプレイ127には「GPS_OK」の表示がなされる。
【0028】
このように、ユーザからの指示に応じて、位置情報を更新するようにしているのは、位置情報の取得に消費される電力を節約してデジタルスチルカメラ12が備えるバッテリーの電力消費を削減させるためである。ただし、位置情報を常時更新するようなモードを設けるようにすることがさらに好ましい。このような運用が望まれる場合も想定されるからである。
【0029】
携帯電話PPがデジタルスチルカメラ12に接続されている場合には、さらに携帯電話PPからの情報をも用いて位置情報が生成される。ただし、GPS衛星からの電波が受信されない場合には、携帯電話PPからの情報のみを用いて位置情報が生成される。
【0030】
撮像は、位置情報の取得と撮影モードの設定との後に、ユーザがシャッターを押すことにより行われる。シャッターが押されると、画像取得回路122は、光学回路121を制御して入力された光を電気信号に変換することにより元画像を生成する。元画像データが生成されると、この画像データに保存用の画像処理が施される。
【0031】
この画像処理は、メモリカードMCに保存するための前処理である。一般に、元画像データは写真画像の保存に適したJPEG形式に変換される。JPEG形式に変換された後、この変換された画像データに撮影情報PIが加えられて画像ファイルが生成される。
【0032】
撮影情報PIとは、撮影条件を表す情報であり、撮影された位置を表す位置情報を含んでいる。この位置情報は、前述のように画像取得回路122が有する不揮発性メモリに格納されている情報である。デジタルスチルカメラ12における撮影処理は、画像ファイルをメモリカードMCに記録することにより完了する。なお、画像ファイルの構成については後述する。
【0033】
図3は、画像データを出力する出力装置としてのコンピュータPCとカラープリンタ20の構成の概略を示すブロック図である。コンピュータPCは、メモリカードMCから画像ファイルを読み出すことが可能なスロット22と、カラープリンタ20に印刷を行わせるための印刷データを生成するための印刷データ生成回路23とを備えている。
【0034】
印刷データ生成回路23は、印刷データ生成のための演算処理を実行する演算処理装置(CPU)231と、CPU231において実行されるプログラムやCPU231における演算処理結果その他のデータを格納するハードディスク232と、これらのプログラムやデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)233とを備えている。印刷データ生成回路23は、さらに印刷データの生成に先立って行われる画像処理を行う機能も有する。この画像処理には、画像データにフレーム画像データを合成する処理も含まれている。
【0035】
コンピュータPCのハードディスク232には、画像データに合成するための複数のフレーム画像データと、各フレーム画像データの属性を表すデータをデータベース化したデータベースファイルと、画像データと選択されたフレーム画像データとを合成可能な画像処理ソフトとが格納されている。
【0036】
カラープリンタ20は、カラー画像の出力が可能なプリンタである。カラープリンタ20は、たとえば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを印刷媒体上に吐出してドットパターンを形成し、これにより印刷画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。
【0037】
B.画像ファイルの構造:
図4は、本発明の実施例における画像ファイルGFの構造の概略を示す説明図である。画像ファイルGFは、デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格(Exif)に従ったファイル構造を有している。この規格は、日本電子情報技術産業協会(JEITA)によって定められている。この規格では、画像データとして圧縮タイプのJPEGデータを格納するJPEG-Exifファイルを、Exifファイル(Exif規格のファイル)に含めることが規定されている。
【0038】
画像ファイルGFは、圧縮データの先頭を示すSOIマーカセグメント101と、Exifの付属情報を格納するAPP1マーカセグメント102と、Exif拡張データを格納するAPP2マーカセグメント103と、量子化テーブルを定義するDQTマーカセグメント104と、ハフマンテーブルを定義するDHTマーカセグメント105と、リスタートマーカの挿入間隔を定義するDRIマーカセグメント106と、フレームに関する各種パラメータを示すSOFマーカセグメント107と、スキャンに関する各種パラメータを示すSOSマーカセグメント108と、圧縮データの終了を示すEOIマーカセグメント109と、画像データ格納領域110とを含んでいる。
【0039】
APP1マーカセグメント102は、APP1マーカ1021と、Exif識別コード1022と、TIFFヘッダその他の付属情報1023と、サムネイル画像1024とを格納している。この付属情報1023は、ファイルヘッダ(TIFFヘッダ)を含むTIFFの構造を取っており、Exif-JPEGでは、圧縮画像データに関する付属情報を格納する0th IFDと、撮影情報PIを始めとするExif固有の付属情報を格納するExif IFDと、GPSの測定情報を格納を格納するGPS Info IFDと、サムネイル画像に関する付属情報を格納する1st IFDとを含んでいる。GPS Info IFDは、0th IFDに格納されているTIFFヘッダからのオフセットでポイントされる。GPS Info IFDでは、各情報を特定するためにタグが用いられており、各情報はタグ名によって呼ばれることがある。
【0040】
図5は、画像ファイルGFのGPS Info IFDに格納される付属情報の構成を示す説明図である。この付属情報には、撮影時における緯度や経度といった地理的位置を表す位置情報(タグ番号:1〜4)に加えて、撮影時の速度や撮影方向、時間(Coordinated Universal Time:協定世界時)を表す情報をも含めることが可能である。これらの付属情報を含む撮影情報PIの記録は、前述のようにデジタルスチルカメラ12において撮影時に行われる。
【0041】
C.第1実施例:
図6は、コンピュータPCにおける画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS110では、ユーザが画像処理ソフトを起動する。画像処理ソフトが起動されると、図7に示される画像処理ソフトの起動ウィンドウW1が表示される。このウィンドウW1には、スロット22に差しまれたメモリカードMCに格納されている各画像データのサムネイル画像が表示されている。サムネイル画像は、画像ファイルGFから読み出されたサムネイル画像データ1024(図4)に基づいて表示されたものである。
【0042】
ステップS120では、ユーザがウィンドウW1上で処理対象となる画像を選択する。この選択は、表示されたサムネイル画像のうちの1つをクリックすることにより行われる。サムネイル画像のうちの1つがクリックされると、この画像の画像ファイルGFから画像データGD(図4)と撮影情報PIとが読み込まれる(ステップS130)。この読み込みが完了すると、画像データGDに基づいた画像を表示するためのウィンドウW2(図8)が現れる。ウィンドウW2上で、ユーザが編集メニューから「フレーム画像合成」を選択すると、読み出された撮影情報PIに応じてフレーム画像データベースの検索が行われる(ステップS140)。
【0043】
図9は、フレーム画像データベースファイルの内容と撮影情報PIの内容を示す説明図である。図9(a)は、パーソナルコンピュータPCのハードディスク232に格納されているフレーム画像データベースファイルの内容を示している。図9(b)は、選択された画像ファイルから読み出された撮影情報PIに含まれているGPS属性情報の内容を示している。このデータベースファイルは、データベース項目として、画像の内容、画像の格納位置、緯度、および経度を有している。
【0044】
画像の内容の項目には、各画像の内容を簡単に表すテキスト情報が各画像毎に格納されており、また、格納位置の項目には各画像のディレクトリおよび画像ファイル名が、緯度の項目には緯度の最小値と最大値とが、経度の項目には経度の最小値と最大値とが、それぞれ各フレーム画像毎に格納されている。
【0045】
フレーム画像データベースの検索は、このデータベースファイルに基づきGPS属性情報に応じて以下のように行われる。GPS属性情報は、GPS Info IFD(図5)に格納されていた情報である。GPS属性情報は、GPS Info IFDにおいて、GPSLatitudeRef(タグ番号:1)と、GPSLatitude(タグ番号:2)と、GPSLongitudeRef(タグ番号:3)と、GPSLongitude(タグ番号:4)とに格納されている。
【0046】
図9(b)に示されるように、この例では読み出されたデータにおいてGPSLatitudeRefとGPSLatitudeとが、それぞれ「N」と「12度50分21秒」であるとともに、GPSLongitudeRefとGPSLongitudeが、それぞれ「E」と「144度30分48秒」である。CPU231は、これらのデータが緯度の最小値と最大値間に入っているとともに、経度の最小値と最大値との間に入っているレコードをデータベースファイルから検索する。この検索の結果、レコード番号が1から8までのレコードが抽出されて、各レコード毎に「格納位置の項目」の内容が出力される。
【0047】
CPU231は、出力された格納位置情報を用いて、レコード番号が最も小さい番号と二番目に小さな番号を有するフレーム画像データを読み込んでウィンドウW3(図10)上に表示する。ウィンドウW3上には、2つのフレーム画像FRM1、FRM2が表示されている。ウィンドウW3上では、たとえば「候補2」と示されたタブTABをクリックすることにより、レコード番号が最も三番目と四番目に小さな番号を有するフレーム画像を表示させることができる。「その他」と記載されたタブをクリックすると、図示しないユーザインターフェース画面が現れて検索されなかった他のフレーム画像が選択可能となる。
【0048】
ユーザが、たとえばウィンドウW3上でフレーム画像FRM2を選択すると、撮影により取得された画像とフレーム画像FRM2とがCPU231により合成され、合成された画像がウィンドウW4(図11)上に表示される。この表示に応じて、ユーザがフレーム画像の選択を決定した場合には、ファイルメニューから「保存する」を選択する。これに応じて、合成された画像がハードディスク232内の所定の場所に格納される。
【0049】
このように、第1実施例では、コンピュータPCに格納された複数のフレーム画像の中から、各画像ファイルに含まれるGPS属性情報に応じてフレーム画像が選択されるので、フレーム画像の選択の際におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0050】
なお、CPU231は特許請求の範囲における「フレーム画像選択部とフレーム画像合成部」として機能している。また、撮影情報PIは、特許請求の範囲における「画像処理制御情報」に含まれる情報である。GPS属性情報は、本実施例では特許請求の範囲における「位置情報」に相当する。
【0051】
D.第2実施例:
図12は、第2実施例におけるフレーム画像データベースファイルの内容と撮影情報PIの内容を示す説明図である。このデータベースファイルは、優先順位の項目が追加されている点で第2実施例におけるデータベースファイルと異なる。優先順位の項目に格納されている優先順位の値は、フレーム画像の選択における優先順位を表している。図9(b)は、撮影情報PIに含まれているGPS属性情報の内容を示している。
【0052】
図12(b)に示されるように、この例では読み出されたデータにおいてGPSLatitudeRefとGPSLatitudeとが、それぞれ「N」と「13度42分35秒」であるとともに、GPSLongitudeRefとGPSLongitudeが、それぞれ「E」と「144度26分12秒」である。CPU231は、このGPS属性情報に応じて、第1実施例と同様の方法でレコード番号が1から6までのレコードが検索するとともに、検索された各レコードの格納位置と優先順位とを表す情報を出力する。
【0053】
出力された優先順位は以下に示すように用いられる。第1実施例では、レコード番号が小さい順にフレーム画像が選択されていたため、レコード番号が最も小さい番号と二番目に小さな番号を有するフレーム画像が読み込みウィンドウW3(図10)上に表示されている。ところが、第2実施例では、CPU231は、さらに優先順位を表す情報を用いてフレーム画像が選択されるので、レコード番号が5番と6番のフレーム画像がウィンドウW3(図10)上に最初に表示されることになる。この結果、グアム内における観光ポイントである「恋人岬」の近辺で撮影された写真に対しては、恋人岬関連のフレーム画像がグアム一般のフレーム画像に優先されて選択されることになる。
【0054】
このように、第2実施例では、各フレーム画像が属性として有する優先順を表す情報をも用いてフレーム画像が選択されるので、ユーザによって選択される可能性がより高いフレーム画像をきめ細かく選択することが可能となるという利点がある。
【0055】
なお、フレーム画像の選択における優先順位は、優先順位の項目に記載された項目だけでなく他の項目を利用して決定するようにしても良い。たとえばユーザによる過去の利用回数をカウントする利用回数項目をデータベース項目に追加して、この利用回数項目に格納された利用回数が多いフレーム画像の優先順位を上げるように構成しても良い。この場合には、優先順位の項目と利用回数項目に格納された情報が、特許請求の範囲における「優先順位情報」に相当することになる。
【0056】
また、利用回数項目に格納された情報をユーザサポートを行うサーバにアップロードするとともに、このサーバから蓄積されている利用回数項目に格納された情報をダウンロード可能とするようにすることが好ましい。こうすれば、人気の高いフレーム画像を優先的に選択することができるようになるという利点がある。
【0057】
さらに、デジタルスチルカメラ12やパーソナルコンピュータPC、プリンタ20は、自宅位置を登録できるように構成されていることが好ましい。たとえば観光地の近くに住んでいる場合において、自宅の周辺で撮影された画像に対しては、その観光地に関連するフレーム画像よりも自宅周辺で撮影される可能性が高い子供に関連するフレーム画像が望まれる可能性が高い場合もあるからである。
【0058】
たとえばデジタルスチルカメラ12に自宅位置を登録可能とし、この登録された地理的位置から所定の範囲内において撮影された場合には、撮影地が「自宅」であることを表す情報を撮影情報PIとして画像ファイルに格納するように構成しても良い。また、たとえば所定の範囲内において撮影された場合には、地理情報を格納しないようにデジタルスチルカメラ12を構成しても良い。
【0059】
一方、パーソナルコンピュータPCやプリンタ20に自宅位置を登録可能とし、この登録された地理的位置から所定の範囲内において撮影された場合には、撮影地が「自宅」であると判断するように構成しても良い。
【0060】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】
E−1.上記各実施例では、フレーム画像の選択に利用される地理的位置を表す地理情報(位置情報)は、米国が運用しているGPS衛星からの電波や携帯電話の基地局の電波を利用して生成されているが、たとえば欧州が開発予定のGPSシステム(ガリレオ)を利用して生成するようにしても良い。一般に、本発明でフレーム画像の選択に利用される地理情報は、撮影時における地球上の絶対的な位置を表すものであれば良い。
【0062】
E−2.上記各実施例では、撮影時のデジタルスチルカメラ自身の地理的位置に応じて、フレーム画像が選択されているが、たとえばデジタルスチルカメラが向けられた被写体の位置を基準にして選択されるようにしても良い。被写体の位置は、たとえばデジタルスチルカメラの位置を表す情報とデジタルスチルカメラの方向を表す情報とで算出することができる。
【0063】
デジタルスチルカメラの方向を表す情報は、GPS Info IFD(図5)内のGPSImgDirectionRef(タグ番号:16)と、GPSImgDirection(タグ番号:17)とに格納されている。なお、特許請求の範囲における「撮影時の地理的位置」は、デジタルスチルカメラの位置だけでなく被写体の位置をも含む広い概念である。
【0064】
E−3.上記各実施例では、地理情報に応じてフレーム画像が選択されているが、たとえば撮影時の時間を表す時間情報に応じてフレーム画像を選択するようにしても良い。具体的には、年末には地理情報に拘わらずクリスマスや新年に関連するフレーム画像が選択されるように構成しても良いし、撮影時における地理情報と時間情報とを組み合わせて選択するようにしても良い。一般に、本発明で行われるフレーム画像の選択は、地理情報と時間情報の少なくとも一方に応じて行われれば良い。
【0065】
ここで、「複数のフレーム画像のうちの一部のフレーム画像を選択する」とは、複数のフレーム画像のうちの一部のフレーム画像が選択されないようにすることをも含む概念である。たとえば、年末の一定の時期を除いて、クリスマスや新年に関連するフレーム画像が選択されないように構成しても良い。
【0066】
なお、時間情報は、GPS衛星その他のデジタルスチルカメラの外部から与えられる情報であっても、デジタルスチルカメラに内蔵された時計が計測する時間であっても良い。ただし、フレーム画像の選択に利用される時間は、時差を考慮した撮影時の現地時間を利用することが好ましい。この現地時間は、たとえばGPS衛星から取得された協定世界時(UTC)と時差とから求めることが可能である。また、デジタルスチルカメラに内蔵された時計は、この現地時間に応じて修正されるように構成することが好ましい。
【0067】
E−4.上記各実施例では、地理情報に応じてフレーム画像が選択されているが、速度情報や高度情報をも利用して選択するようにしても良い。たとえば米国北部やカナダへの飛行中において、アラスカ上空から撮影した画像に対して「アラスカ上空飛行中」といったフレーズが含まれるフレーム画像が選択されるようにしても良い。さらに、時間情報を組み合わせて「アラスカの夕暮れ」といったフレーズが含まれるフレーム画像が優先的に選択されるようにしても良い。
【0068】
なお、速度情報や高度情報は、画像ファイルGFのGPS Info IFD(図5)において、GPSSpeedRef(タグ番号:12)と、GPSSpeed(タグ番号:13)とから読み出すことにより取得することができる。
【0069】
さらに、GPS Info IFDに格納されているデータだけでなく、たとえばポートレートモードといった撮影モードを表す情報に応じてフレーム画像を選択するようにしても良い。一般に、本発明で使用されるフレーム画像選択部は、画像データの処理に使用される画像処理制御情報に応じて、複数のフレーム画像のうちの一部のフレーム画像を選択するように構成されているものであれば良い。
【0070】
E−5.上記各実施例では、各フレーム画像の属性を表すデータベースファイルを用いてフレーム画像の選択が行われているが、たとえば各フレーム画像のファイルに属性データを格納して、この属性データを直接用いて選択するようにしても良い。ただし、データベースファイルを用いる方法には、選択処理に要する時間を短くすることができるという利点がある。
【0071】
E−6.上記各実施例では、ユーザによるフレーム画像の選択の後に、画像データとフレーム画像データとが合成された画像データが保存されるように構成されているが、たとえば画像処理制御情報としてユーザによって選択されたフレーム画像を特定するための情報を画像ファイルに格納するようにしても良い。こうすれば、合成前の画像データを残したままで、記録領域内における画像データの使用領域を過度に増やすことなく、合成された画像データをすぐに利用可能な状態とすることができる。なお、特許請求の範囲の「フレーム画像合成部」は、合成された画像を確認するために画像データとフレーム画像データとをメモリ上で合成するものであれば良い。
【0072】
E−7.上記各実施例では、コンピュータPCは複数のフレーム画像データを格納するフレーム画像格納部を備えているが、たとえばコンピュータPCがフレーム画像格納部を備えずに、フレーム画像の合成毎に外部のコンピュータ(図示せず)からフレーム画像データを(たとえばインターネット経由)で取得するようにしても良い。ただし、コンピュータPCがフレーム画像格納部を備えるようにすれば、選択処理や合成処理を迅速にできるという利点がある。
【0073】
また、フレーム画像の選択を外部のコンピュータで行うようにしても良い。これは、以下のような処理で実現することができる。
(1)コンピュータPCが有する画像処理制御情報送信部(図示せず)が、画像ファイルから読み出した画像処理制御情報を外部のコンピュータに送信する。
(2)外部のコンピュータは、この情報に応じて予め準備された複数のフレーム画像データのうちの一部のフレーム画像データを選択する。
(3)外部のコンピュータは、この選択されたフレーム画像データのうちの少なくとも1つをコンピュータPCに送信する。
【0074】
なお、この場合には、画像処理装置においては、画像処理制御情報送信部が特許請求の範囲の「フレーム画像選択部」として機能しており、フレーム画像提供装置においては、フレーム画像選択部が特許請求の範囲の「フレーム画像選択部」に相当する。
【0075】
E−8.上記各実施例では、各画像に対して1つのフレーム画像を合成しているが、たとえば2つ以上のフレーム画像を重畳的に合成するようにしても良い。本発明で使用されるフレーム画像合成部は、一般に、選択されたフレーム画像データのうちの少なくとも1つと、画像データとを合成するように構成されているものであれば良い。
【0076】
E−9.上記各実施例では、パーソナルコンピュータが画像処理装置として機能しているが、たとえばカラープリンタが画像処理装置の機能を有するようにしても良い。また、本発明は、カラー印刷だけでなくモノクロ印刷にも適用可能である。
【0077】
本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての画像処理システムを示す説明図。
【図2】画像データを生成する入力装置としてのデジタルスチルカメラの構成の概略を示すブロック図。
【図3】画像データを出力する出力装置としてのコンピュータPCとカラープリンタの構成の概略を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例における画像ファイルGFの構造の概略示す説明図。
【図5】画像ファイルGFのExif IFDに格納される付属情報の一例を示す説明図。
【図6】コンピュータPCにおける画像処理の処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】画像処理ソフトの起動時のウィンドウW1を示す説明図。
【図8】画像処理ソフトのウィンドウW2を示す説明図。
【図9】フレーム画像データベースファイルの内容と撮影情報PIの内容を示す説明図。
【図10】画像処理ソフトのウィンドウW3を示す説明図。
【図11】画像処理ソフトのウィンドウW4を示す説明図。
【図12】第2実施例におけるフレーム画像データベースファイルの内容を示す説明図。
【符号の説明】
10…画像処理システム
12…デジタルスチルカメラ
20…カラープリンタ
22…スロット
23…印刷データ生成回路
110…画像データ格納領域
121…光学回路
122…画像取得回路
123…画像処理回路
124…制御回路
125…携帯電話インターフェース回路
126…決定ボタン
127…液晶ディスプレイ
128…GPS回路
129…GPSアンテナ
231…CPU
232…ハードディスク
Claims (3)
- 画像データと、前記画像データの処理に使用される画像処理制御情報とを含む画像ファイルに応じて、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理装置であって、
前記画像処理制御情報に応じて、前記画像データと合成するために予め準備された複数のフレーム画像データのうちの一部のフレーム画像データを選択するフレーム画像選択部と、
前記選択されたフレーム画像データのうちの少なくとも1つと、前記画像データとを合成するフレーム画像合成部と、
前記複数のフレーム画像データを格納するフレーム画像格納部と、
を備え、
前記画像処理制御情報は、撮影時の地理的位置を表す地理情報を含んでおり、
前記地理情報は、前記撮影時における緯度である撮影緯度と、前記撮影時における経度である撮影経度と、を含み、
前記フレーム画像格納部は、前記複数のフレーム画像データの属性情報をデータベース化したデータベースファイルを有し、
前記データベースファイルは、前記複数のフレーム画像データから一部のフレーム画像データを、前記地理情報に応じて選択するために使用される緯度の範囲である緯度範囲と、経度の範囲である経度範囲とを格納し、
前記フレーム画像選択部は、前記データベースファイルを検索して、自宅として予め登録された地理的位置から所定の範囲外である場合には、前記地理情報に応じて、前記撮影緯度が前記緯度範囲内であって、かつ、前記撮影経度が前記経度範囲内となっているフレーム画像データを選択することを特徴とする、画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記画像処理制御情報は、撮影時の時間を表す時間情報を含んでおり、
前記フレーム画像選択部は、前記地理情報に応じて時差を算出するとともに、前記算出された時差で補正された時間情報に応じて前記選択を行う、画像処理装置。 - 画像データと、前記画像データの処理に使用される画像処理制御情報とを含む画像ファイルに応じて、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理方法であって、
(a)前記画像処理制御情報に応じて、前記画像データと合成するために、予め準備された複数のフレーム画像データ及び前記複数のフレーム画像データの属性情報をデータベース化したデータベースファイルを格納するフレーム画像格納部より、一部のフレーム画像データを選択するフレーム画像選択工程と、
(b)前記選択されたフレーム画像データのうちの少なくとも1つと、前記画像データとを合成するフレーム画像合成工程と、
を備え、
前記画像処理制御情報は、撮影時の地理的位置を表す地理情報を含んでおり、
前記地理情報は、前記撮影時における緯度である撮影緯度と、前記撮影時における経度である撮影経度と、を含み、
前記データベースファイルは、前記複数のフレーム画像データから一部のフレーム画像データを、前記地理情報に応じて選択するために使用される緯度の範囲である緯度範囲と、経度の範囲である経度範囲とを格納し、
前記フレーム画像選択工程は、前記データベースファイルを検索して、自宅として予め登録された地理的位置から所定の範囲外である場合には、前記地理情報に応じて、前記撮影緯度が前記緯度範囲内であって、かつ、前記撮影経度が前記経度範囲内となっているフレーム画像データを選択する工程を含む、画像処理方法。
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