JP3911708B2 - 接着用処理剤、ポリエステル処理繊維、弾性体及びこれらの製造法 - Google Patents

接着用処理剤、ポリエステル処理繊維、弾性体及びこれらの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル繊維の処理剤、該処理剤によって処理されたポリエステル処理繊維、該ポリエステル処理繊維を有する弾性体及びこれらの製造法に関するものである。さらに詳しくは、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維との加硫接着性の向上が簡単な処理方法によって可能なクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着用処理剤、該処理剤によって処理されたクロロスルホン化ポリオレフィン補強用ポリエステル処理繊維、該ポリエステル処理繊維と加硫接着されたクロロスルホン化ポリオレフィン配合物からなる弾性体及びこれらの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にゴムは繊維との複合体として使用される場合が多い。例えば、タイヤ、ベルト、ホース、空気バネなどの自動車部品又は工業部品は、繊維によって補強された複合体として使用される。
【0003】
ゴムと繊維の間の接着性は、上記複合体の性能において重要な因子であり、特にタイヤ、ベルト、空気バネ等の動的分野に用いられる複合体においては、ホース、及びシート等の静的分野に用いられる複合体以上に、ゴムと繊維との間の強固な接着力が必要である。
【0004】
従来、これらのゴムと繊維を強固に接着する方法として、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物(以下、RFLと称する)にて処理する方法が広く用いられてきた。
【0005】
一方、クロロスルホン化ポリオレフィンは各種ゴムの中で繊維との接着が困難なゴムとして位置づけられてきた。さらにクロロスルホン化ポリオレフィンと、ゴムとの接着性が特に乏しいポリエステル繊維との接着は困難とされてきた。
【0006】
そのため、特開平5−125200号には、上記の問題点を解決するために、イソシアネート化合物および/またはエポキシ化合物を有する処理剤、およびラテックスのポリマー成分が2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーであるRFLにて処理されたポリエステル繊維を、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物と加硫接着することを特徴とする、クロロスルホン化ポリオレフィンとポリエステル繊維を強固に接着する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着方法では、イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤前処理されたポリエステル繊維をラテックスのポリマー成分が2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーであるRFLにて浸漬処理する際、浸漬処理の方法の違いによってクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着強度にバラツキが生じていた。このような問題は、繊維処理工程において一般に使用されている繊維処理装置を用いて短時間に連続的に繊維処理を行う場合に発生しやすい。このバラツキを防止する方法としては、ポリエステル繊維への処理剤の塗布工程を繰り返すことによって可能となるが、繊維処理の工程が煩雑で、実用上大きな問題であった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維を強固に接着させるに当たり、簡単な処理方法によってポリエステル繊維に被覆することが可能なクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着用処理剤、該処理剤がポリエステル繊維に被覆されたクロロスルホン化ポリオレフィン補強用ポリエステル処理繊維及び該ポリエステル処理繊維とクロロスルホン化ポリオレフィン配合物との接着力にバラツキのない強固に接着した弾性体をそれぞれ提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは以上に述べた技術課題に基づき鋭意検討を行った結果、
1)レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が1/0.1〜1/5であり、
2)ラテックスのポリマー成分が2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーであり、
3)レゾルシンとホルムアルデヒドの和に対するラテックス固形分の重量比が1/100〜1/1であり、
4)RFL中のラテックスの固形分量が5〜50重量%であり、
5)RFL中の界面活性剤量が0.5〜2.5重量%である、
RFLからなる、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着用処理剤が、イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤によって前処理されたポリエステル繊維に、簡単な処理方法によって被覆され、このようにして得られるポリエステル処理繊維とクロロスルホン化ポリオレフィン配合物を加硫接着することによって、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維とがバラツキなく強固に接着した弾性体が得られることを見出した。
【0010】
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0011】
本発明におけるRFLとは、レゾルシン、ホルムアルデヒド、ラテックス及び界面活性剤を主成分として含有するものであれば特に限定するものではなく、その他に苛性ソーダや水等が含まれるものである。
【0012】
RFLは、まず苛性ソーダ水溶液にレゾルシンとホルムアルデヒドを添加し両者の反応を行った後、ラテックスを加えることにより得られる水溶液である。
【0013】
本発明のRFLにおいて、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は、十分な接着強度を得るためには1/0.1〜1/5であり、更なる接着強度を得るためには、1/0.1〜1/3の範囲が好ましい。また、レゾルシンとホルムアルデヒドの和に対するラテックスの固形分の重量比は、十分な接着強度を得るためには1/100〜1/1であり、更なる接着強度を得るためには、1/100〜1/1.5の範囲が好ましい。さらに、RFLに対するラテックスの固形分量は十分な接着強度を得るためには5〜50重量%であり、更なる接着強度を得るためには、10〜50重量%の範囲が好ましい。
【0014】
本発明におけるRFLのラテックス成分は、2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーである。2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーラテックスとしたのは、ポリエステル繊維とクロロスルホン化ポリオレフィンとを加硫接着するにあたっては、2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマー成分が必須であるためである。
【0015】
ここに、2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーラテックスとは、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンをモノマーユニットとして有する重合体のラテックスであり、公知の乳化重合法によって得られる。また、2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーラテックスには、必要に応じて2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンと共重合可能な他のモノマーとの共重合体の使用が可能である。共重合体モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、クロロプレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。これら共重合モノマーは、単独又は2種類以上の混合物としても使用できる。
【0016】
また、2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーラテックスは、必要に応じて上記のポリマーラテックスに、天然ゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン・ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンゴムラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンラテックス、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジンターポリマーラテックス等から選ばれた1種又は数種を混合したラテックス混合物としても使用可能である。
【0017】
本発明におけるRFLに使用される界面活性剤は、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、又は陰イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤の混合物であれば特に限定されるものではない。
【0018】
陰イオン系界面活性剤としては、ロジン酸石鹸,不均化ロジン石鹸等の樹脂酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物等のアルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物等が挙げられる。
【0019】
一方、非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0020】
陰イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤の混合物の場合は、上記した陰イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤のそれぞれを混合すればよく、この場合の混合比は特に限定するものではない。
【0021】
RFLにおける界面活性剤量は、RFL100重量%に対して0.5〜2.5重量%であり、ポリエステル繊維への塗布状態をより均一にするために、0.8〜2.5重量%であることが好ましい。界面活性剤量が0.5重量%未満である場合、RFLのラテックス成分の安定性が劣り、またクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維との接着強度にバラツキが生じる。一方、界面活性剤量が2.5重量部を越える場合、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維との接着性に悪影響を与え、経済的にもコストアップとなるため好ましくない。
【0022】
RFLの製造の際における界面活性剤の添加方法としては、例えば、1)RFLのラテックスを合成する際に一括で添加する方法、2)RFLのラテックス成分を調製する際に、ラテックスの固形分が析出することなく安定に得られる量を添加してラテックスを得て、この調製後のラテックス成分及び/又はRFLの調製後に後添加する分割添加の方法等が挙げられるが、これらに特に制限されるものではない。
【0023】
RFLのラテックスを合成する際に一括で添加する方法における界面活性剤添加量は、RFLの重量に対して0.8〜2.5重量%に相当する量である。0.8重量%相当の添加量以下である場合、RFLのラテックス成分の安定性が劣り、またクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維との接着強度にバラツキが生じる。
【0024】
一方、前述のように界面活性剤を分割して添加する方法では、ラテックス調製時に使用される界面活性剤量と後添加される界面活性剤量の総量がRFLの重量に対して0.5〜2.5重量%に相当する量が使用される。RFLのラテックス成分を調製する際に添加される界面活性剤量は、ラテックスの固形分が析出することなく安定に得られる量であれば、RFLの重量に対して0.5重量%に相当する量より少ない量でもよく、特に限定されるものではない。
【0025】
本発明におけるクロロスルホン化ポリオレフィン補強用ポリエステル処理繊維とは、基材となるポリエステル繊維をイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤並びに前述した本発明の接着用処理剤にて処理されたクロロスルホン化ポリオレフィン補強用繊維である。その処理方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル繊維をイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤によって処理し、次いで本発明の接着用処理剤にて処理すること等が挙げられ、さらに、具体的には、それぞれ処理剤に浸漬した後、130℃〜200℃で1〜10分間乾燥及びベーキングを行い、更に必要に応じて、150℃〜230℃で1〜10分間ヒートセット又はホットストレッチを行うことも可能である。本発明の特徴は、上記RFLへの浸漬処理が1回の簡単な浸漬処理でクロロスルホン化ポリオレフィン配合物と強固に加硫接着できることである。
【0026】
ここに、ポリエステル繊維とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート繊維、テレフタル酸−p−オキシ安息香酸−エチレングリコールコポリマー繊維、メトキシポリエチレングリコール−ペンタエリトリット−エチレンテレフタレートコポリマー繊維等が挙げられ、コード、織物、不織物、シート、フィルム、短繊維等の種々の形態で使用できる。
【0027】
また、上記の前処理におけるイソシアネート化合物としては特に限定されるものではないが、例えば、フェニルメタントリイソシアネート、フェニルチオホスフェートイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が用いられる。また、これらのイソシアネートにトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子内に活性水素を2個以上有する化合物を反応させて得られる多価アルコール付加イソシアネートや、フェノール、m−クレゾール、レゾルシン等のフェノール類、tert−ブチルアルコール等の第3級アルコール類、iso−プロピルアミン等の第2級アミン類を反応させて、イソシアネート基をブロック化したイソシアネート化合物を用いることもできる。
【0028】
また、エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、分子内に2個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物で、通常ハロヒドリン基を多価アルコール又は多価フェノールと反応することによって得られる。これらの化合物の例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールとの反応によって得られる1,4−ジフェニルメタングリシジルエーテル、エピクロルヒドリンとポリエチレングリコールとの反応で得られるポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が用いられる。
【0029】
イソシアネート化合物とエポキシ化合物の混合物の場合は、上記したイソシアネート化合物とエポキシ化合物のそれぞれを混合すればよく、この場合の混合比は特に限定するものではない。
【0030】
これらのイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤を形成するための溶剤は、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン、酢酸エチル等のエステル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素等が用いられる。
【0031】
また、イソシアネート基をブロック化したイソシアネート化合物又はポリエポキシ化合物はラテックスとして用いることも可能である。これらの処理液は、必要に応じて天然ゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム等、または天然ゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン・ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンゴムラテックス、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジンターポリマーラテックス等から選ばれた1種又は数種を添加することも可能である。
【0032】
本発明における弾性体とは、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物と上記のクロロスルホン化ポリオレフィン補強用ポリエステル処理繊維とを加硫接着することによって補強された補強弾性体である。
【0033】
加硫接着の方法としては、繊維の形態がコード、織物、シート等である場合、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物へ前述の処理を施した種々の形態のポリエステル処理繊維を密着させ、これを加硫することによってクロロスルホン化ポリオレフィン配合物の加硫と繊維との接着を同時に行い弾性体を得ることが可能である。また、繊維の形態が短繊維である場合、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物と前述の処理を施したポリエステル処理短繊維とを混練し、これを加硫することによってクロロスルホン化ポリオレフィン配合物の加硫と繊維との接着を同時に行い弾性体を得ることが可能である。加硫接着を行う加硫方法には、例えば、プレス加硫、蒸気加硫、熱空気加硫、UHF加硫、電子線加硫又は溶融塩加硫等があり、いずれの方法を用いてもよい。
【0034】
ここにクロロスルホン化ポリオレフィンとは、ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体というポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化して得られるものの総称である。例えば、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロスルホン化エチレン・プロピレン共重合体、クロロスルホン化エチレン・ブテン−1共重合体、クロロスルホン化エチレン・ヘキセン−1共重合体、クロロスルホン化エチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらのクロロスルホン化ポリオレフィンには、塩素量及び硫黄量がそれぞれ20〜60重量%及び0.3〜3.0重量%含有されるものが使用可能である。
【0035】
現在市販されているクロロスルホン化ポリオレフィンとしては、例えば、東ソー株式会社のTOSO−CSM(商標)及びextos(商標)があり、TOSO−CSM(商標)のグレードにはTS−530、TS−430、TS−930及びCN−1180等が挙げられ、また、extos(商標)のグレードにはET−8010及びET−8510等が挙げられる。またこれらのクロロスルホン化ポリオレフィンには必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、補強充填剤、可塑剤、加工助剤、老化防止剤等が配合される。
【0036】
なお、本発明における弾性体が、ベルト、ブーツ及び空気バネ等の動的用途に使用される場合、用いられるクロロスルホン化ポリオレフィンは、耐寒性、屈曲性及び動的特性に優れたクロロスルホン化エチレン・プロピレン共重合体、クロロスルホン化エチレン・ブテン−1共重合体、クロロスルホン化エチレン・ヘキセン−1共重合体、クロロスルホン化エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン−α−オレフィンを塩素化及びクロロスルホン化したものの使用が好ましい。その際のクロロスルホン化ポリオレフィンの塩素量及び硫黄量はそれぞれ20〜33重量%及び0.3〜1.5重量%であることが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
<2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(1)の調製>
圧力計、温度調節計、冷却器、撹拌機を備えた内容積10リットルの反応器に2,3−ジクロロブタジエンモノマー2000g、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン6gを仕込んだ。次に水4000gへ乳化剤として不均化ロジン酸石鹸(界面活性剤)144g、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルムアルデヒドとの縮合物(界面活性剤)7g及び20%苛性ソーダ24.2gを混合したものを反応器に仕込み、乳化した。重合触媒として水200gへハイドロサルファイト0.25g、過硫酸カリウム1.8g、アントラキノンスルホン酸ナトリウム0.3gを溶解させて反応器に注入し、温度10〜50℃で重合した。水蒸気蒸留にて未反応モノマーを除去し、固形分34.3重量%のラテックスを得た。
【0039】
<レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製>
苛性ソーダ1gを水242gに溶解した液に、レゾルシン11gと35%ホルムアルデヒド10.3gを混合し23℃で5時間放置、熟成した。
【0040】
<RFLの調製>
上記の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(1)295gと水83gへ、上記のレゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合し23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(総界面活性剤量;1.09重量%)。
【0041】
<ポリエステルの表面処理と加硫接着>
ポリエステル製織物の前処理としてイソシアネート(ディスモジュールRE、バイエル製)5に対し、酢酸エチル95で薄めた前処理液に浸漬した後、180℃の恒温乾燥機中で3分間乾燥、ベーキングを行った。次に前記レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液に1回浸漬した後、180℃の恒温乾燥機中で3分間乾燥、ベーキングを行った。得られた処理繊維のRFLの塗布状態を観察した。その結果を表2に示す。
【0042】
このようにして調製を行った処理繊維を、150×150×5mmの金型に入れた表1に示す配合のアルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(extos (商標)ET−8010、東ソー製)配合物上に置き、160℃で30分加硫接着した。得られた加硫シートは幅25.4mmの短冊状に裁断して試験片を作成した。
【0043】
【表1】
Figure 0003911708
【0044】
<接着力の測定>
引張速度50mm/分の引張試験機で接着力(180度剥離強度)を測定した。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003911708
【0046】
実施例2
ラテックス成分を下記の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)に変更し、また、RFLの調製を下記の方法に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、接着力の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0047】
<2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)の調製>
圧力計、温度調節計、冷却器、撹拌機を備えた内容積10リットルの反応器に2,3−ジクロロブタジエンモノマー2000g、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン6gを仕込んだ。次に水4000gへ乳化剤として不均化ロジン酸石鹸(界面活性剤)72g、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルムアルデヒドとの縮合物(界面活性剤)7g及び20%苛性ソーダ24.2gを混合したものを反応器に仕込み、乳化した。重合触媒として水200gへハイドロサルファイト0.25g、過硫酸カリウム1.8g、アントラキノンスルホン酸ナトリウム0.3gを溶解させて反応器に注入し、温度10〜50℃で重合した。水蒸気蒸留にて未反応モノマーを除去し、固形分33.8重量%のラテックスを得た。
【0048】
<RFLの調製>
上記の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)295gに対して界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水83gを添加し、実施例1と同様に調製したレゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(総界面活性剤量;0.73重量%)。
【0049】
実施例3
ラテックス成分を下記の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(3)に変えた以外は実施例2と同様の操作を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.57重量%)。その結果を表2に示す。
【0050】
<2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(3)の調製>
圧力計、温度調節計、冷却器、撹拌機を備えた内容積10リットルの反応器に2,3−ジクロロブタジエンモノマー2000g、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン6gを仕込んだ。次に水4000gへ乳化剤として不均化ロジン酸石鹸(界面活性剤)52g、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルムアルデヒドとの縮合物(界面活性剤)5g及び20%苛性ソーダ24.2gを混合したものを反応器に仕込み、乳化した。重合触媒として水200gへハイドロサルファイト0.25g、過硫酸カリウム1.8g、アントラキノンスルホン酸ナトリウム0.3gを溶解させて反応器に注入し、温度10〜50℃で重合した。水蒸気蒸留にて未反応モノマーを除去し、固形分33.7重量%のラテックスを得た。
【0051】
実施例4
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤の添加量を13.3gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;1.18重量%)。その結果を表2に示す。
【0052】
実施例5
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックス(商標)No.25(25%濃度)、花王株式会社製)、添加量を4.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表2に示す。
【0053】
実施例6
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(ペレックス(商標)NB−L(35%濃度)、花王株式会社製)、添加量を2.9gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表2に示す。
【0054】
実施例7
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(レベノール(商標)WX(26%濃度)、花王株式会社製)、添加量を3.8gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表2に示す。
【0055】
実施例8
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤を不均化ロジン石鹸(ロンジス(商標)K−25(25%濃度)、荒川化学工業株式会社製)、添加量を4.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0003911708
【0057】
実施例9
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン(商標)106、花王株式会社製)、添加量を1.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表3に示す。
【0058】
実施例10
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(エマルゲン(商標)707、花王株式会社製)、添加量1.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表3に示す。
【0059】
実施例11
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エマルゲン(商標)909、花王株式会社製)、添加量1.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表3に示す。
【0060】
実施例12
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をポリオキシエチレン誘導体(エマルゲン(商標)A−90、花王株式会社製)、添加量1.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った (総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表3に示す。
【0061】
実施例13
ラテックス成分を下記のクロロプレン・2,3−ジクロロブタジエン共重合体ラテックス(4)に変えた以外は実施例2と同様の操作を行い、接着力の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0062】
<クロロプレン・2,3−ジクロロブタジエン共重合体ラテックス(4)の調製>
クロロプレンモノマー400g、2,3−ジクロロブタジエンモノマー1600gを用いた以外は、実施例1記載の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックスと同様の操作によって固形分33.8重量%のラテックスを得た(総界面活性剤量;1.24重量%)。
【0063】
比較例1
RFL調製における界面活性剤の添加方法が、ラテックスのポリマー成分重合の際に一括で添加され(添加界面活性剤量;0.58重量%)、後の工程において界面活性剤を後添加しないこと以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態が不均一であり、剥離強度が低いものであった。
【0064】
【表4】
Figure 0003911708
【0065】
比較例2
表面処理工程において、イソシアネート(ディスモジュールRE、バイエル製)の酢酸エチル溶液にて前処理されたポリエステル製織物をレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物に浸漬し、乾燥する操作を3回繰り返した後にベーキングを行った以外は比較例1と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.58重量%)。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、浸漬、乾燥の操作が3回必要であり、処理工程が煩雑であった。
【0066】
比較例3
RFL調製における界面活性剤の添加方法が、ラテックスのポリマー成分重合の際に一括で添加され、後の工程において界面活性剤を後添加しないこと以外は実施例3と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.42重量%)。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態が不均一であり、剥離強度が低いものであった。
【0067】
比較例4
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤の添加量を1.0gに変えた以外は実施例3と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.46重量%)。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態が不均一であり、剥離強度が低いものであった。
【0068】
比較例5
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤の添加量を50.0gに変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;2.70重量%)。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0069】
比較例6
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤をポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン(商標)106、花王株式会社製)、添加量を0.3gに変えた以外は実施例3と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.46重量%)。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態が不均一であり、剥離強度が低いものであった。
【0070】
比較例7
RFL調製時にラテックス成分に後添加される界面活性剤の添加量を15.0gに変えた以外は実施例9と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;2.85重量%)。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0071】
比較例8
レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製及びRFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0072】
<レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製>
苛性ソーダ1gを水242gに溶解した液に、レゾルシン14.3gと35%ホルムアルデヒド0.9gを混合し23℃で5時間放置、熟成した(レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比;1/0.08)。
【0073】
<RFLの調製>
前述の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)295gに対して界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水83gを添加し、上記の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液258.2gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(総界面活性剤量;0.74重量%)。
【0074】
比較例9
レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製及びRFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0075】
<レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製>
苛性ソーダ1gを水242gに溶解した液に、レゾルシン5.6gと35%ホルムアルデヒド25.7gを混合し23℃で5時間放置、熟成した(レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比;1/5.89)。
【0076】
<RFLの調製>
前述の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)295gに対して界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水83gを添加し、上記の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液274.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(総界面活性剤量;0.72重量%)。
【0077】
【表5】
Figure 0003911708
【0078】
比較例10
レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製及びRFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0079】
<レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製>
苛性ソーダ1gを水242gに溶解した液に、レゾルシン0.55gと35%ホルムアルデヒド0.52gを混合し23℃で5時間放置、熟成した。
【0080】
<RFLの調製>
前述の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)295gに対して界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水26gを添加し、上記の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液244.1gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(レゾルシンとホルムアルデヒドの和に対するラテックス固形分の重量比;1/137、総界面活性剤量;0.83重量%)。
【0081】
比較例11
レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製及びRFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0082】
<レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液の調製>
苛性ソーダ2gを水484gに溶解した液に、レゾルシン88gと35%ホルムアルデヒド82.4gを混合し23℃で5時間放置、熟成した。
【0083】
<RFLの調製>
前述の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)295gに対して界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を18.0g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水264.4gを添加し、上記の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液656.4gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(レゾルシンとホルムアルデヒドの和に対するラテックス固形分の重量比;1/0.86、総界面活性剤量;0.74重量%)。
【0084】
比較例12
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0085】
<RFLの調製>
前述の2,3−ジクロロブタジエンホモポリマーラテックス(2)295gに対して界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を50.0g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水1483gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした(レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物中のラテックスの2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマー固形分量;4.8重量%、総界面活性剤量;0.89重量%)。
【0086】
比較例13
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0087】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてクロロプレンゴムラテックス(スカイプレン (商標)LA−502(固形分:52%)、東ソー製)192gに、水186gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0088】
比較例14
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0089】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてクロロプレンゴムラテックス(スカイプレン (商標)LA−502(固形分52%)、東ソー製)192gに、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水186gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0090】
比較例15
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0091】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてビニルピリジンラテックス(Nipol(商標)2518FS(固形分:40.5%)、日本ゼオン製)247gに、水131gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0092】
比較例16
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0093】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてビニルピリジンラテックス(Nipol(商標)2518FS(固形分:40.5%)、日本ゼオン製)247gに、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水131gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0094】
【表6】
Figure 0003911708
【0095】
比較例17
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0096】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてSBRラテックス(Nipol(商標)LX−110(固形分:40.5%)、日本ゼオン製)247gに、水131gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0097】
比較例18
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0098】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてSBRラテックス(Nipol(商標)LX−110(固形分:40.5%)、日本ゼオン製)247gに、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王株式会社製:エマール2Fニードル(30%濃度))を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水131gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0099】
比較例19
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0100】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてNBRラテックス(Nipol(商標)1562(固形分:41%)、日本ゼオン製)244gに、水134gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0101】
比較例20
RFLの調製を下記に示す方法に変えた以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0102】
<RFLの調製>
RFLのラテックス成分としてNBRラテックス(Nipol(商標)1562(固形分:41%)、日本ゼオン製)244gに、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(エマール2Fニードル(30%濃度)、花王株式会社製)を3.3g添加し、均一となるまで十分に撹拌を行った後、水134gを添加し、実施例2記載の調製レゾルシン・ホルムアルデヒド混合液264.3gを混合して23℃で24時間放置、熟成し、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合液とした。
【0103】
比較例21
ポリエステルの表面処理において前処理であるイソシアネート(ディスモジュールRE、バイエル製)の酢酸エチル溶液での処理を施さないこと以外は実施例1と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;1.09重量%)。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態が不均一であり、剥離強度が低いものであった。
【0104】
比較例22
ポリエステルの表面処理において前処理であるイソシアネート(ディスモジュールRE、バイエル製)の酢酸エチル溶液での処理を施さないこと以外は実施例2と同様の操作で加硫接着を行い、接着力の測定を行った(総界面活性剤量;0.73重量%)。その結果を表6に示す。表6から明らかなように、RFLの塗布状態は均一であったが、剥離強度が低いものであった。
【0105】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にて提供されるクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着用処理剤の使用によって、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物での処理を繰り返すことなく、1回の簡単な処理で、被着体であるクロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル処理繊維とがバラツキがなく、十分な接着強度が得られるものである。このため各種繊維にて補強することによって使用される自動車用ベルトや工業用ベルトといった各種ベルト、各種シート及び各種ホース等の新規な需要分野を開拓する。これらは新しい自動車用部品又は工業用部品として優れた性能を世に供するものである。

Claims (10)

  1. 1)レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が1/0.1〜1/5であり、
    2)ラテックスのポリマー成分が2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマーであり、
    3)レゾルシンとホルムアルデヒドの和に対するラテックス固形分の重量比が1/100〜1/1であり、
    4)レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物中のラテックスの2,3−ジクロロブタジエン含有ポリマー固形分量が5〜50重量%であり、
    5)レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物中のラテックスを合成する際に一括で添加する方法における界面活性剤量が0.8〜2.5重量%である、又は、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物中のラテックスを合成する際に分割して添加する方法における界面活性剤量が0.5〜2.5重量%である、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物からなることを特徴とする、クロロスルホン化ポリオレフィン配合物とポリエステル繊維との接着用処理剤。
  2. 界面活性剤が、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、又は陰イオン界面活性剤と非イオン系界面活性剤の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の接着用処理剤。
  3. 苛性ソーダ水溶液にレゾルシン及びホルムアルデヒドを添加し、熟成することによって得たレゾルシン・ホルムアルデヒド混合物に、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物重量に対して0.8〜2.5重量%に相当する界面活性剤量をラテックスのポリマー成分重合の際に添加して得られるラテックス成分を混合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着用処理剤の製造法。
  4. 苛性ソーダ水溶液にレゾルシン及びホルムアルデヒドを添加後、熟成したレゾルシン・ホルムアルデヒド混合物に、ラテックスを添加することによって得られるレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物を調製するにあたって、界面活性剤を、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物のラテックスのポリマー成分を重合する際と、重合後のラテックス成分及び/又はレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス混合物の調製後に分割添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着用処理剤の製造法。
  5. ポリエステル繊維が、イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤並びに請求項1又は請求項2に記載の処理剤にて被覆されたことを特徴とするクロロスルホン化ポリオレフィン補強用ポリエステル処理繊維。
  6. クロロスルホン化ポリオレフィン配合物の補強用ポリエステル繊維を処理するにおいて、イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を有する処理剤にて処理し、次いで請求項1又は請求項2に記載の接着用処理剤にて処理することを特徴とする請求項5に記載のクロロスルホン化ポリオレフィン補強用ポリエステル処理繊維の製造法。
  7. 請求項5に記載のポリエステル処理繊維とクロロスルホン化ポリオレフィン配合物からなることを特徴とする弾性体。
  8. クロロスルホン化ポリオレフィンが、エチレンホモポリマー又はエチレン−α−オレフィン共重合体を塩素化及びクロロスルホン化することによって得られたものであることを特徴とする請求項7に記載の弾性体。
  9. クロロスルホン化ポリオレフィンが、エチレン−α−オレフィン共重合体であり、塩素量が20〜33重量%、硫黄量が0.3〜1.5重量%であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の弾性体。
  10. クロロスルホン化ポリオレフィン配合物と請求項5に記載のポリエステル処理繊維を積層及び/又は混合した後加硫接着することを特徴とする請求項7、請求項8又は請求項9のいずれかの項に記載の弾性体の製造法。
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