JP3910438B2 - 液晶光学素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字、図形等を表示する表示装置や、入射光の透過量を制御する調光装置あるいは光シャッターなどとして利用される液晶光学素子に関し、より具体的には、反強誘電性またはフェリ誘電性を示す液晶層を備えた液晶光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイは、薄型、軽量、低消費電力というような、CRTに比べて有利な特徴を有しているため、テレビジョンシステムやコンピュータ用のディスプレイ、あるいは携帯用機器のディスプレイなどとして広く利用されている。現在利用されている液晶ディスプレイの多くにはネマチック液晶が用いられている。しかし、ネマチック液晶は応答速度が遅いという欠点を有しているため、このような液晶ディスプレイは動画表示などの点ではCRTよりも不利である。
【0003】
そこで、応答速度が遅いネマチック液晶に代えて、高速応答が可能な液晶としてスメクチック液晶を使用することが提案されている。特に、強誘電性液晶や反強誘電性液晶は、自発分極を有しており、液晶分子のスイッチング動作が電場印加時の自発分極と電場との相互作用によって行なわれるため、1ms以下の高速応答が可能である。
【0004】
強誘電性液晶の光スイッチング現象を利用した光学素子としては、表面安定化強誘電性液晶(SSFLC)光学素子が知られている。SSFLC光学素子は、印加電場に対し双安定性を示し、2状態間の光学応答が高速であるという特徴を有している。ただし、双安定性のため、SSFLC光学素子の電気光学応答は明状態と暗状態の2状態のスイッチングに限定される。従って電圧制御による中間調の表示が困難である。
【0005】
これに対し、表面安定化反強誘電性液晶は、電圧無印加時の反強誘電相と電圧印加時の強誘電相との電場誘起相転移に基づく3安定性を示し、さらに、3状態間の光学応答はSSFLC光学素子と同様に高速(1ms以下)であるという特徴を有している。この反強誘電性液晶をバイアス電場印加下でスイッチングさせれば、単純マトリクス方式での駆動が可能となる。また、反強誘電相と強誘電相との共存状態を電圧制御によって実現することができるので中間調表示が可能である。
【0006】
このような反強誘電性液晶光学素子として、単純マトリクス駆動で動作する対角6インチのフルカラ−表示可能な反強誘電性液晶表示装置が、Y. Yamadaらによって報告されている(SID'95 Digest, 789 (1995))。以下、図1および図2を参照しながら、反強誘電性液晶表示装置の動作原理を説明する。
【0007】
まず、調光層として機能する表面安定化反強誘電性液晶層について説明する。図1(a)および(b)に示すように、表面安定化反強誘電性液晶層90は、液晶層90の面内で互いに隣接する複数のスメクティック層92を有している。反強誘電性液晶層90の法線方向(z)は、スメクティック層92の法線方向(x)と直交する。各スメクティック層92において液晶分子94の長軸の方向は略揃っている。電圧無印加時において、隣接するスメクティック層92の液晶分子94の長軸(またはダイレクタ(液晶分子94の平均配向方向))は、スメクティック層92の法線方向nを対称軸とする2つの異なる方向を向く。これらの液晶分子の長軸は、基板面内において、スメクティック層92の法線方向nに対して角度±θ(以下、チルト角と呼ぶ)だけ傾いており、自発分極の方向は互いに反対である。また、図1(b)において破線で示すように、所定の電圧が印加された場合には、液晶分子の自発分極と電場との相互作用が働くため強誘電状態に誘起され、液晶層全体の液晶分子の長軸の方向が所定の方向に揃う。
【0008】
図2(a)〜(c)は、電圧印加時または電圧無印加時における、反強誘電性液晶層90の光学軸Oと、一対の偏光板の偏光軸PおよびAのそれぞれとの関係を示す。なお、反強誘電性液晶表示装置には、液晶層を挟んで対向する一対の偏光板が設けられており、これらの偏光板の偏光軸PおよびAは互いに直交(クロスニコル状態)している。
【0009】
図2(b)に示すように、電圧無印加時(E=0)において、反強誘電性液晶層90の光学軸Oはスメクティック層92の法線方向nと平行であり、この光学軸Oと、偏光軸のいずれか一方(例えばP)とは略平行である。このような状態では、一方の偏光板を介して液晶層90に入射した偏光は、液晶層の複屈折(屈折率異方性)による光変調作用を受けないため、液晶層90をそのまま通過し、他方の偏光板で吸収される。従って、暗状態(黒表示)が得られる。
【0010】
一方、図2(a)および(c)に示すように、液晶層90に対してz軸方向(図1(a)参照)に沿って所定の電圧を印加した場合(E=±E1)、長軸とほぼ直交する方向に形成された液晶分子の自発分極と電界との直接的な相互作用によって、反強誘電相は強誘電相へと相転移する。その結果、液晶層の光学軸Oは液晶分子のダイレクタに沿った方向に形成され、偏光板の偏光軸AおよびPと非平行な状態となる。このような状態では、一方の偏光板を介して液晶層に入射した光は液晶層の複屈折による光変調作用を受けるため、その少なくとも一部が他方の偏光板を通過する。従って、明状態(白表示)が得られる。
【0011】
この白表示時における液晶層が強誘電状態での透過率Tferroは、Tferro=(sin22θ)×(sin2(πΔnferro(d/λ)))で与えられる。ここで、θは液晶分子のチルト角、Δnferroは電場によって誘起された強誘電状態の液晶層の複屈折、dはセル厚、λは光の波長である。透過率Tferroの大きさは液晶分子のチルト角θに依存するが、白表示において透過率を最大にするためにはチルト角θが45°である反強誘電性液晶材料を用いればよい。
【0012】
しかしながら、従来の反強誘電性液晶表示装置では、反強誘電性液晶層の材料として、チルト角が30°〜40°程度の液晶材料が用いられることが多かった。その理由は、このような材料を用いた場合にも白表示時に十分な透過率が得られる(例えば、チルト角40°の反強誘電性液晶材料を用いた場合、45°のものを用いた場合に比べ、透過率が数%程度しか減少しない)うえに、液晶分子の電圧に対する応答速度は、チルト角が大きくなるにつれて遅くなるからである。このため、より高速応答が可能な表示装置を得るためには、上述のようにチルト角が45°よりも小さい反強誘電性液晶材料を用いることが望ましい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようにチルト角が30°〜40°程度の反強誘電性液晶材料を用いた場合には、コントラスト比が低くなるという問題が生じていた。例えば、ネマチック液晶をアクティブマトリクス駆動するタイプの液晶表示装置のコントラスト比が100以上であるのに対し、上述のSID'95 Digest, 789 (1995)に記載されている液晶表示装置ではコントラスト比が30しか得られていない。
【0014】
反強誘電性液晶表示装置においてコントラスト比が低下する原因としては、スメクティック層の配向の乱れによって、暗視野(黒表示)での光漏れが生じることが挙げられる。このような黒表示時での光漏れが生じる場合、白表示時に比較的高い透過率が得られる場合であっても、コントラスト比は大幅に低下する。コントラスト比は、“明状態での透過率/暗状態での透過率”で規定され、暗状態における透過率の上昇はコントラスト比に大きな影響を与える。
【0015】
このような層の配向の乱れによる光漏れを解決する方法としては、チルト角が45°の反強誘電性液晶を用いる方法が、K. D'haveらによって提案されている(Appl. Phys. Lett. 76, 3528 (2000))。電圧無印加時の反強誘電状態では、スメクティック層ごとに層法線方向nを対称軸として液晶分子が異なる方向に傾いているが、電圧無印加時のチルト角が45°の場合、図3に示すように、基板法線方向から見たときに隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸が為す角度は90°になる。
【0016】
この場合、チルト角が45°以外のものを用いる場合とは異なり、層の配向乱れによって層法線方向nと偏光板の偏光軸AまたはPとの方向とが多少ずれている場合であっても、光漏れは抑えられる。これは、隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸が為す角度が90°であるため、隣接分子間でそれぞれの光学的異方性が打ち消され、基板法線方向からみた場合には光学的に等方的になるからである。言いかえると、チルト角が45°の場合には、上述のようなチルト角が30°〜40°の場合と異なり、液晶層の光学軸は液晶層の略厚さ方向に沿った方向に規定されるため、たとえ層の配向の乱れに起因して液晶層の光学軸が多少傾くことがあったとしても、液晶層を通過する光は液晶層の複屈折による変調作用をほとんど受けない。従って、チルト角が45°のものを用いた場合には、層法線方向nに拘わらず、クロスニコル下で好適な暗視野を実現し得る。
【0017】
しかしながら、上述のような電圧無印加時におけるチルト角が45°の反強誘電性液晶を用いた場合にも、単純マトリクス(またはパッシブマトリクス)方式で駆動すると、実際には、暗状態での光漏れが生じてしまうという問題があった。通常、単純マトリクス駆動する場合、信号電圧が印加されない期間(走査電極の非選択時)にはバイアス電圧が液晶層に印加される。このようなバイアス電圧が印加されていると、無電場印加時におけるチルト角が45°の反強誘電性液晶を用いたとしても、暗状態での光漏れが生じる。これにより、コントラスト比を十分に向上することができない。
【0018】
なお、このような暗状態での光漏れの問題は、反強誘電性またはフェリ誘電性を示す液晶層を用いて構成される種々の液晶光学素子において同様に生じていた問題である。
【0019】
本発明は、上記問題を鑑みて為されたものであり、反強誘電性またはフェリ誘電性を示す液晶層を備える液晶光学素子において、暗状態での光漏れを低減することによってコントラスト比を向上させた液晶光学素子を提供することをその目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶光学素子は、互いに対向する一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶層と、前記液晶層を挟んで互いに対向する一対の偏光子とを備える液晶光学素子であって、前記液晶層は、反強誘電相、フェリ誘電相、またはこれらの混在する相のうちのいずれかを示し、かつ、前記液晶層に印加する電圧を0Vから増加または減少させたときに光透過率が略最大に達する電圧を第1の電圧とするとき、0Vと前記第1の電圧との間の所定の電圧が印加された場合において光透過率が極小値をとる。
【0021】
ある好ましい実施形態において、前記液晶層に印加される電圧が前記0Vから前記第1の電圧に変化するとき、前記液晶層の少なくとも一部は、電圧無印加時において第1の相を示し、かつ、前記第1の電圧の印加時において前記第1の相とは異なる第2の相を示すように相転移し、前記所定の電圧は、0Vと、前記第1の相から前記第2の相への前記相転移が起きる第1のしきい値電圧との間に存在する。ある好ましい実施形態では、前記第1の相は反強誘電相である。
【0022】
ある好ましい実施形態において、前記所定の電圧は、0Vと、前記液晶層に印加する電圧が0Vから前記第1の電圧に変化するときに光透過率の印加電圧に対する増加率が実質的に不連続に増大する第1のしきい値電圧との間に存在する。
【0023】
ある好ましい実施形態において、前記所定の電圧は、0Vと、前記液晶層に印加される電圧が0Vから前記第1の電圧に変化するときに、前記略最大の光透過率の10パーセントの光透過率となる電圧との間に存在する。
【0024】
ある好ましい実施形態において、前記液晶層は複数のスメクティック層を有し、前記基板の法線方向から見た場合において、互いに隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸方向の為す角度が、電圧無印加時と、前記所定の電圧の印加時とでは、前記所定の電圧の印加時の方がより90°に近い。
【0025】
ある好ましい実施形態において、前記基板の法線方向から見た場合において、前記液晶層の液晶分子のチルト角が、前記所定の電圧の印加時において、電場無印加時よりも45°に近くなる。
【0026】
ある好ましい実施形態において、前記液晶層に印加する電圧を前記第1の電圧から0Vに変化させたときに光透過率が低下し始める電圧を第2のしきい値電圧とするとき、前記所定の電圧は、前記第2のしきい値電圧と、前記第1の電圧との間に存在する。
【0027】
ある好ましい実施形態において、前記液晶層に印加される電圧が前記第1の電圧から0Vに変化するとき、前記第2の相から前記第1の相への相転移が第2のしきい値電圧において起こり、前記所定の電圧は、前記第2のしきい値電圧と、前記第1のしきい電圧との間に存在する。
【0028】
ある好ましい実施形態において、前記所定の電圧は、前記液晶層に印加する電圧を前記第1の電圧から0Vに変化させたときに前記光透過率の印加電圧に対する減少率が実質的に不連続に増大する第2のしきい電圧と、前記第1のしきい電圧との間に存在する。
【0029】
ある好ましい実施形態において、前記液晶層を挟むように設けられた複数の行電極および複数の列電極を有し、前記複数の行電極および複数の列電極を用いて単純マトリクス駆動される。
【0030】
ある好ましい実施形態において、光透過率の変化を所定の期間抑制するための電圧として、前記所定の期間、前記所定の電圧が前記液晶層に印加される。
【0031】
ある好ましい実施形態において、前記液晶層に印加する電圧と前記光透過率との関係を表す曲線のヒステリシスループが0Vを中心として対称性を有する。
【0032】
【発明の実施の形態】
まず、反強誘電性またはフェリ誘電性を示す液晶(すなわち、反強誘電相、フェリ誘電相、またはこれらの混在する相のうちのいずれかを示す液晶)を用いた液晶表示装置を単純マトリクス方式で駆動する場合における、暗状態での光漏れ発生の原因について説明する。
【0033】
反強誘電性液晶を単純マトリクス方式で駆動する場合、所定の画素を駆動するためには、関連づけられた走査電極(行電極または列電極)が選択されている期間中において、所定の透過率を得るための信号電圧が信号電極(列電極または行電極)を介して印加される。また、非選択時にも、得られた透過率(表示色)を維持するためのバイアス電圧が印加される。このため、明状態、暗状態または中間調状態を規定する信号電圧の大きさは、例えば、バイアス電圧を基準として設定される。
【0034】
このバイアス電圧は、図4に示すように、好適には、反強誘電相から強誘電相への相転移が起きるしきい値電圧Vth1(第1のしきい値電圧)と、強誘電相から反強誘電相への相転移が起きるしきい値電圧Vth2(第2のしきい値電圧)との間に設定される。このようにすれば、バイアス電圧印加時に相転移が起こることを防止することができる。
【0035】
しかし、バイアス電圧Vbが印加された場合、反強誘電性液晶では、上述のような相転移は起きないが、前駆現象が生じる。この前駆現象とは、反強誘電相から強誘電相への電場誘起相転移が起こる前に、液晶層の光学軸の方向が層法線方向からずれる現象である。このように光学軸が層法線方向からずれる原因としては、印加された電場によって、液晶分子のチルト角や方位角が無電場時から変化することが考えられる。
【0036】
このようにバイアス電圧の印加によって前駆現象が生じる場合、上記のような電圧無印加時に光学的な等方性が得られているチルト角45°の反強誘電性液晶を用いたとしても、暗状態での光漏れが生じることになる。これは、図5に示すように、前駆現象によって液晶分子のチルト角が電圧無印加時から変化し、層間で隣接する液晶分子の長軸が為す角度が90°からずれるためである。このようにして反強誘電性液晶層の光学的な等方性が維持されなくなった場合には、層の配向の乱れなどによって生じる偏光板の偏光軸と液晶層の光軸とずれが、光漏れを引き起こす要因となる。さらに、バイアス電圧印加時には、前駆現象によって層法線方向と液晶層の光学軸とのずれも発生するため、光学軸と偏光軸とのずれがさらに大きくなり得、これによって光漏れが増大する。このようなことから、電圧無印加時にチルト角が45°の反強誘電性液晶を用いた場合、図6に示すように、電圧無印加時には、層法線方向と偏光軸とのずれに拘わらず光漏れを防止できるが、バイアス電圧印加時には光漏れが生じることになる。
【0037】
以下、バイアス電圧印加時にチルト角が45°からずれた場合に、暗状態での光透過率がどのように変化するかについて説明する。暗状態(反強誘電状態)での光透過率Tantiferroは、Tantiferro=(sin22α)×(sin2(πΔnantiferro(d/λ))で与えられる。ここで、αは、スメクティック層法線と偏光板の偏光軸のなす角度、Δnantiferroは反強誘電状態での複屈折、dはセル厚、λは光の波長である。仮に、スメクティック層法線と偏光板の偏光軸とを完全に平行(すなわちα=0)にできるのであれば光透過率Tantiferroは0となり、光漏れの問題は生じないが、実際には、スメクティック層法線と偏光軸との方向を完全に一致させることは非常に困難である。
【0038】
この場合、暗状態(反強誘電状態)での光透過率Tantiferroは、複屈折Δnantiferroに大きく依存することになる。この複屈折Δnantiferroは液晶分子のチルト角θに応じて変化する。例えば、セル厚dが2μm、光の波長λが約650nmのとき、(sin2(πΔnantiferro(d/λ))の値は、チルト角40°の場合で約0.05であり、チルト角44.5°の場合で約0.0005である。すなわち、チルト角の違いがもたらす明状態での透過率への影響は僅か(例えば、数%)であっても、暗状態での透過率への影響は非常に大きいものとなる。
【0039】
このような知見に基づいて、本発明者は、無電圧印加時にチルト角が45°に近い反強誘電性液晶を用いるのではなく、バイアス電圧印加時にチルト角が45°により近づく反強誘電性液晶を用いることで、図7に示すように、バイアス電圧での光透過率が極小値をとるような液晶表示素子を実現することができた。これによって、単純マトリクス駆動される反強誘電性液晶光学素子において、高コントラスト比を実現することができた。
【0040】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0041】
(実施形態1)
本実施形態の反強誘電性液晶表示装置100は、図8に示すように、互いに対向する一対の透明基板10および12と、これら基板間に挟持された調光層としての反強誘電性液晶層40とを有している。また、この反強誘電性液晶層40を挟むようにして、偏光方向が互いに直交するようにクロスニコル状態で配置された2枚の偏光板50および60が設けられている。一方の偏光板50の偏光軸Pの方向と、反強誘電性液晶層40が有するスメクティック層の法線方向n(図1参照)とが、略平行になるように配置されている。つまり層法線方向nと他方の偏光板60の偏光軸Aとは、略直交する。
【0042】
また、一方の基板10の液晶層40側には、複数の列電極20が互いに略平行になるように形成されている。さらに、他方の基板12の液晶層40側には、列電極と交差(好ましくは直交)する複数の行電極22が互いに略平行になるように形成されている。この列電極20と行電極22とを用い、単純マトリクス駆動することによって、液晶層40の所定の領域(画素領域)に所定の電圧を印加することができ、これによって所望の画像を表示することが可能である。
【0043】
なお、透明基板10および12は、例えば、ガラス、プラスチック、または金属などから形成される。また、カラーフィルターを有する基板や、顔料や色素等を基板中に分散させることによってカラー化された基板を用いても良い。
【0044】
また、行電極および列電極は、インジウム−スズ−オキサイド(ITO)や、ポリピロール等の有機導電性材料から形成され得る。また、基板自身が導電性を有している場合には、基板を電極として利用することも出来る。
【0045】
これらの電極20および22が形成された基板10および12の液晶層40側の表面には、液晶層40の液晶分子に所定の配向規制力を付与するための配向膜30および32がそれぞれ設けられている。このとき、いずれの配向膜30および32も、液晶分子をホモジニアス配向させるように処理されていることが望ましい。この配向膜30および32としては、例えば、TN液晶、STN液晶等に対して用いられている公知のポリイミド等の配向膜を利用して行なうことができる。ポリイミド等の配向膜としては、ポリイミド等が溶剤に溶け込んでいる可溶性タイプを用いてもよいし、焼成してポリイミド化する焼成タイプを用いてもよい。また、配向膜30および32には、ラビング等の配向処理が行われることが望ましい。
【0046】
基板の間隔設定には、ガラスまたは高分子樹脂からなるロッド状、球状、柱状のスペーサーを使用することができる。その間隔は、例えば、1μm程度から4μm程度に設定される。
【0047】
このように構成された反強誘電性液晶表示装置100は、従来の単純マトリクス方式と同様の方式によって駆動される。すなわち、暗状態を得るためには、図9(a)に示すように走査信号と図9(b)に示すようなデータ信号とを用いて図9(c)に示すような合成波形を有する電圧を液晶層に印加する。また、明状態を得るためには、図9(a)に示すように走査信号と図9(d)に示すようなデータ信号とを用いて図9(e)に示すような合成波形を有する電圧を液晶層に印加する。なお、図には示していないが、中間調表示を行なうときには、選択期間(すなわち、走査信号電圧がV0となる期間)において、上記の明状態の場合よりも低い電圧を印加し、その後は、その印加した電圧と同符号のバイアス電圧を印加するようにすればよい。
【0048】
図9(c)および(e)からわかるように、明状態および暗状態の何れの場合においても、選択期間において所定の電圧を印加した後、1フレーム期間中、同じ状態を維持させるために、所定のバイアス電圧±Vbが液晶層に印加される。また、1フレーム期間毎に、液晶層に印加される電圧の極性を反転させている。本実施形態の反強誘電性液晶表示装置では、図12に示すように、印加電圧と光透過率との関係を示すヒステリシスループが0Vを中心として対称性を有するため、このような印加電圧の極性を所定期間毎に反転させる駆動方法を用いることができる。これにより、印加電圧が片方の極性に偏らず、液晶層の劣化を防止することができる。なお、本実施形態の反強誘電性液晶表示装置の駆動方法は、上述のものに限られず、例えば、特開平8−136899号公報に記載の方法などを採用してもよい。
【0049】
本実施形態において、反強誘電性液晶層40の材料としては、透明基板法線方向からみた時の隣接するスメクティック層の液晶分子のなす角度が90°に近い材料が用いられ、特に、バイアス電場印加時において、電場無印加時よりも90°に近づくものが利用される。また、バイアス電圧印加時に、隣接するスメクティック層の液晶分子のなす角度が84°から96°の範囲にあるような材料が好適に用いられる。
【0050】
このような反強誘電性液晶材料としては、例えば、下記化学式1〜4に示すような材料を混合することで得られるチルト角約45°の反強誘電性液晶材料(Ferroelectrics vol.244 pp115-128に記載)に対し、(1)各材料の混合比を代える、(2)下記の化学式5に示すような強誘電性液晶材料を加える、または、(3)特開平8−92258号公報に記載のチルト角を増加させる添加剤(テトラリン化合物)を加えるというような処理を行なうことで得られる。このようにして得られた反強誘電性液晶材料は、電圧無印加時において、典型的には、45°を超えるチルト角を有する。なお、上記(2)において加える材料としては、化学式5で示す材料に代えて、Ferroelectrics 149 171 (1993)に記載のphenyl-pyrimidine base液晶TM−C107を用いても良い。
【0051】
【化1】
Figure 0003910438
【0052】
【化2】
Figure 0003910438
【0053】
【化3】
Figure 0003910438
【0054】
【化4】
Figure 0003910438
【0055】
【化5】
Figure 0003910438
【0056】
図10および図11は、上記の材料から形成された反強誘電性液晶層40の、電圧無印加時、および、バイアス電圧印加時における、前記基板の法線方向から見た場合の液晶分子の配列をそれぞれ示す。これらの図からわかるように、反強誘電性液晶層40の隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸がなす角度は、バイアス電圧を印加することにより、電場無印加時に比べてより90°に近づく。または、液晶分子のチルト角が、バイアス電圧の印加時において、電圧無印加時よりも45°に近くなる。この場合、バイアス電圧を印加したときの方が、電圧無印加時よりも、強誘電性液晶層は、透明基板法線方向において、光学的により等方的になる。従って、図12に示すように、バイアス電圧Vbを印加した時に、電圧無印加時よりも、表示装置の透過率が低下する。
【0057】
このように、本実施形態の反強誘電性液晶表示装置は、0Vよりも大きく、かつ、光透過率が最大となる明状態が実現される電圧VHよりも小さい所定の正の電圧(バイアス電圧Vb)が印加されたときに、透過率が極小値をとるように構成されている。あるいは、0Vよりも小さく、かつ、光透過率が最大となる明状態が実現される電圧VHよりも大きい所定の負の電圧(バイアス電圧Vb)が印加されたときに、透過率が極小値をとるように構成されている。
【0058】
より好ましくは、液晶層に印加される電圧が0Vから明状態となる電圧VHへと変化するとき、液晶層が強誘電相から反強誘電相へと相転移する電圧Vth2と、反強誘電相から強誘電相へと相転移する電圧Vth1との間に、光透過率が最低となるような電圧が存在する。このようにすれば、暗状態または明状態を適切に維持し得るバイアス電圧として好適な電圧範囲内に、透過率が極小値をとる所定の電圧が存在するので、この所定の電圧をバイアス電圧として用いることで、バイアス電圧印加時における暗状態での光漏れを抑制することができる。
【0059】
次に、バイアス電圧印加時における隣接するスメクティック層の液晶分子のなす角度が84°以上96°以下にしている理由を説明する。図13は、隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸がなす角度と、コントラスト比との関係を示す。図13からわかるように、隣接する分子のなす角度を84°以上にすれば、暗状態での光漏れが効果的に抑制されるため、コントラスト比を100より大きくすることができる。また、図には示されていないが、この角度とコントラスト比との関係は、角度が90°のときを中心として対称の関係が成立する。従って、隣接するスメクティック層の液晶分子のなす角度が、バイアス電圧印加時において、84°以上96°以下であれば、コントラスト比で100より大きな値が得られる。
【0060】
以上に説明したように、暗状態および明状態にする信号電圧が印加された後、バイアス電圧を印加することでこれらの状態を維持するためには、バイアス電圧は、上述の相転移が起きる第1のしきい値電圧Vth1と、第2のしきい値電圧Vth2との間に設定されることが望ましい。ただし、バイアス電圧として適切な電圧範囲は、必ずしも相転移が起こる電圧Vth1およびVth2によって規定される必要はない。バイアス電圧Vbは、暗状態にされた液晶層の透過率を上昇させない電圧値であって、かつ、明状態にされた液晶層の透過率を低下させない電圧値に設定可能であればよい。
【0061】
このような観点から、上述の光透過率が極小値をとる電圧は、印加電圧が0Vから最大透過率電圧VH に変化する過程において光透過率の印加電圧に対する増加率(すなわち、印加電圧−透過率曲線の傾き)が実質的に不連続に増大する電圧を第1のしきい値電圧Vth1`として、0Vと、この第1のしきい値電圧Vth1`との間に存在していてもよい。ここで、「印加電圧変化に対する光透過率の増加率が実質的に不連続に増大する」という場合、光透過率が減少から増加に変わるような場合(すなわち透過率の変化率の符号が変化する場合)を含まず、典型的には、一定または僅かに上昇する透過率の変化率が、ある電圧において急激に増大するような場合を意味する。
【0062】
また、好ましくは、上述の光透過率が極小値をとる電圧は、液晶層に印加する電圧を最大透過率電圧VHから0Vに変化させたときに光透過率が実質的に減少し始める電圧を第2のしきい電圧Vth2`とするとき、第2のしきい電圧Vth2`と最大透過率電圧VH(より好ましくは、上述の第1のしきい値電圧Vth1)との間に存在する。さらに、液晶層に印加する電圧を最大透過率電圧VHから0Vに変化させたときに印加電圧変化に対する光透過率の減少率が実質的に不連続に増大する電圧を第2のしきい電圧Vth2`'とするとき、上述の光透過率が極小値をとる電圧は、第2のしきい電圧Vth2`'と最大透過率電圧VH(より好ましくは、上述の第1のしきい値電圧Vth1`)との間に存在する。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、反強誘電性液晶表示装置を単純マトリクス駆動する場合において、電圧無印加時ではなく、バイアス電圧として用いられ得る所定の電圧の印加時において表示装置が光透過率が極小値をとるようにしている。これによって、暗状態における光漏れを効果的に抑制することが可能になり、コントラスト比を大幅に上昇させることができる。
【0064】
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1と異なる形態を有する、反強誘電相またはフェリ誘電相を示す液晶材料を用いる場合について説明する。
【0065】
図14は、本実施形態における液晶セルの電圧無印加時における分子配列の一例を示す。図に示すように、スメクティック層(a)〜(f)のうち、互いに隣接する(b)層と(c)層とで液晶分子の長軸方向が略同一であり、また、互いに隣接する(d)層と(e)層とで液晶分子の長軸方向が略同一である。すなわち、(b)層および(c)層、または、(d)層および(e)層が一つの構成単位を為している。また、(a)層の液晶分子の長軸の方向(ダイレクタ)と(b)層のダイレクタとは、スメクティック層の法線方向を対称軸として2つの異なる方向を向いており、また、(c)層のダイレクタと(d)層のダイレクタとは、スメクティック層の法線方向を対称軸として2つの異なる方向を向いており、また、(e)層のダイレクタと(f)層のダイレクタとは、スメクティック層の法線方向を対称軸として2つの異なる方向を向いている。
【0066】
本実施形態においても、実施形態1と同様に、バイアス電圧が印加されたときに、電圧無印加時よりも、基板法線方向における光学的な等方性が向上するように適切な液晶材料が用いられている。
【0067】
図15は、バイアス電圧印加時における分子配列を示す。図に示すように(a)層のダイレクタと(b)層または(c)層のダイレクタとの為す角度、(b)層または(c)層のダイレクタと(d)層または(e)層のダイレクタとの為す角度、(d)層または(e)層のダイレクタと(f)層のダイレクタとのなす角度が、電圧無印加時(図14参照)に比べてより90°に近づく。よってバイアス電場印加時に、隣接するスメクティック層の液晶分子のそれぞれの光学的異方性を打ち消しあい、透明基板法線方向からみた場合に、電場無印加時に比べて光学的により等方的になる。従って、印加電圧に対する光透過率のグラフは図12に示した実施形態1の場合と同様になり、バイアス電場印加時の光漏れが抑えられ、低い透過率の暗状態が得られる。
【0068】
また、隣接するスメクティック層((a)層と(b)層、(c)層と(d)層、(e)層と(f)層)の液晶分子のなす角度とコントラスト比の関係のグラフは実施形態1と同様に図13のようになる。すなわち、実施形態1と同様に、上述の液晶分子のなす角度が84°以上96°以下でコントラスト比を100より大きな値とすることができる。
【0069】
しかし、上述のように単純マトリクス駆動を行う場合には、暗状態でもバイアス電圧を印加するために、前駆現象が起きて隣接分子のなす角度は無電場時から変化する。よって、無電場時で隣接分子のなす角度が90°程度であっても、バイアス電場印加時に隣接分子のなす角度が84°未満または96°より大きい場合には、大きなコントラスト比が得られない。これに対して、電場印加時に隣接分子のなす角度が84°以上96°未満の範囲にある液晶を用いれば大きなコントラスト比が得られる。つまり各スメクティック層の液晶分子のチルト角が電圧無印加時より、バイアス電圧印加時に、より45°に近づき、また、電圧印加時にチルト角が42°以上48°以下の範囲にある反強誘電相またはフェリ誘電相を示す液晶材料を用いれば、大きなコントラスト比が得られる。
【0070】
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態1と異なり、0Vと、液晶層に印加される電圧が0Vから最大の透過率が得られる電圧VHに変化するときに最大光透過率の10パーセントの光透過率となる電圧との間に、光透過率が極小値をとる電圧が存在するように反強誘電性液晶表示装置が構成されている。
【0071】
この場合にも、光透過率が極小値をとる電圧をバイアス電圧として用いて好適な暗状態を得ることができる。また、最大透過率の10%よりも小さい透過率での暗状態が実現される。
【0072】
さらに、光透過率が極小値をとる電圧は、上記最大の透過率が得られる電圧VHから0Vに印加電圧を変化させたときに最大光透過率の90%の透過率となる電圧と、上記最大光透過率の10パーセントの光透過率となる電圧との間において存在することが望ましい。このようにすれば、光透過率が極小値をとる電圧をバイアス電圧として用いて、光漏れをできるだけ低減しながら、明状態をも適切に維持することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、反強誘電相、フェリ誘電相、またはこれらの混在する相のうちのいずれかを示す液晶層を備える液晶光学素子において、光透過率が極小値をとる電圧が、0Vと、光透過率が最大になる電圧との間に存在する。このような液晶光学素子では、単純マトリクス駆動した場合に、バイアス電圧が印加された状態で光透過率が最小となるように駆動することができる。従って、暗状態における光漏れを低減し、高コントラスト比を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反強誘電性液晶相の層構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図2】従来の反強誘電性液晶表示装置の動作を説明するための図であり、(a)および(c)は電圧印加状態、(b)は電圧無印加状態を示す。
【図3】基板法線方向から見たときの、隣接するスメクティック層の液晶分子を示す平面図である。
【図4】従来の反強誘電性液晶表示装置の印加電圧−透過率曲線である。
【図5】従来の電圧印加状態における、基板法線方向から見たときの隣接するスメクティック層の液晶分子を示す平面図である。
【図6】従来の印加電圧−透過率曲線を部分的に示す図である。
【図7】本発明にかかる印加電圧−透過率曲線を部分的に示す図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる反強誘電性液晶表示装置の断面図である。
【図9】図8に示す表示装置を駆動する信号の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る、電圧無印加状態における基板法線方向から見たときの隣接するスメクティック層の液晶分子を示す平面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る、電圧印加状態における基板法線方向から見たときの隣接するスメクティック層の液晶分子を示す平面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る反強誘電性液晶表示装置の印加電圧−透過率曲線を示す図である。
【図13】隣接するスメクティック層の液晶分子のなす角度と、コントラスト比との関係をしめす図である。
【図14】本発明の別の実施形態にかかる、電圧無印加状態における基板法線方向から見たときの隣接するスメクティック層の液晶分子を示す平面図である。
【図15】本発明の別の実施形態にかかる、電圧印加状態における基板法線方向から見たときの隣接するスメクティック層の液晶分子を示す平面図である。
【符号の説明】
10,12 基板
20,22 行電極および列電極
30,32 配向膜
40 液晶層
50,60 偏光板
100 反強誘電性液晶表示装置

Claims (13)

  1. 互いに対向する一対の基板と、
    前記一対の基板間に挟持された液晶層と、
    前記液晶層を挟んで互いに対向する一対の偏光子と
    を備える液晶光学素子であって、
    前記液晶層は、反強誘電相、フェリ誘電相、またはこれらの混在する相のうちのいずれかを示し、かつ、
    前記液晶層に印加する電圧を0Vから増加または減少させたときに光透過率が略最大に達する電圧を第1の電圧とするとき、0Vと前記第1の電圧との間の所定の電圧が印加された場合において光透過率が極小値をとり、
    前記液晶層は複数のスメクティック層を有し、前記基板の法線方向から見た場合において、互いに隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸方向の為す角度が、電圧無印加時と前記所定の電圧の印加時とでは、前記所定の電圧の印加時の方がより90°に近い、液晶光学素子。
  2. 前記基板の法線方向から見た場合において、前記所定の電圧の印加時に、前記液晶層の互いに隣接するスメクティック層の液晶分子の長軸方向の為す角度は84°から96°の範囲にある、請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記液晶層に印加される電圧を前記0Vから前記第1の電圧に変化させたとき、前記液晶層の少なくとも一部は、電圧無印加時において第1の相を示し、かつ、前記第1の電圧の印加時において前記第1の相とは異なる第2の相を示すように相転移し、
    前記第1の相から前記第2の相への前記相転移が起きる電圧を第1のしきい値電圧とするとき、前記所定の電圧は、0Vと前記第1のしきい値電圧との間に存在する請求項1または2に記載の液晶光学素子。
  4. 前記第1の相は反強誘電相である請求項に記載の液晶光学素子。
  5. 前記液晶層に印加する電圧を0Vから前記第1の電圧に変化させたときに印加電圧変化に対する光透過率の増加率が実質的に不連続に増大する電圧を第1のしきい値電圧とするとき、前記所定の電圧は、0Vと前記第1のしきい値電圧との間に存在する請求項1に記載の液晶光学素子。
  6. 前記所定の電圧は、0Vと、前記液晶層に印加される電圧を0Vから前記第1の電圧に変化させたときに略最大の光透過率の10パーセントの光透過率となる電圧との間に存在する請求項1に記載の液晶光学素子。
  7. 前記基板の法線方向から見た場合において、前記液晶層の液晶分子のチルト角が、前記所定の電圧の印加時において、電圧無印加時よりも45°に近くなる請求項1から6のいずれかに記載の液晶光学素子。
  8. 前記液晶層に印加する電圧を前記1の電圧から0Vに変化させたときに前記光透過率が実質的に減少し始める電圧を第2のしきい値電圧とするとき、
    前記所定の電圧は、前記第2のしきい値電圧と、前記第1の電圧との間に存在する請求項1から7のいずれかに記載の液晶光学素子。
  9. 前記液晶層に印加する電圧を前記第1の電圧から0Vに変化させたときに印加電圧変化に対する前記光透過率の減少率が実質的に不連続に増大する電圧を第2のしきい値電圧とするとき、前記所定の電圧は、前記第2のしきい値電圧と前記第1の電圧との間に存在する請求項1から7のいずれかに記載の液晶光学素子。
  10. 前記液晶層に印加される電圧を前記第1の電圧から0Vに変化させたときに、前記第2の相から前記第1の相への相転移が起こる電圧を第2のしきい値電圧とするとき、
    前記所定の電圧は、前記第2のしきい値電圧と、前記第1のしきい値電圧との間に存在する請求項2または3に記載の液晶光学素子。
  11. 前記液晶層を挟むように設けられた複数の行電極および複数の列電極を有し、前記複数の行電極および複数の列電極を用いて単純マトリクス駆動される請求項1から10のいずれかに記載の液晶光学素子。
  12. 前記光透過率の変化を所定の期間抑制するための電圧として、前記所定の期間、前記所定の電圧が前記液晶層に印加される請求項11に記載の液晶光学素子。
  13. 前記液晶層に印加する電圧と前記光透過率との関係を表す曲線のヒステリシスループが、0Vを中心として対称性を有する請求項1から11のいずれかに記載の液晶光学素子。
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