JP3910200B2 - ルータ,フレーム転送方法および下位レイヤフレーム仮想転送システム - Google Patents

ルータ,フレーム転送方法および下位レイヤフレーム仮想転送システム Download PDF

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Description

本発明は、例えばMPLS(Multi−protocol Label Switching)技術を用いて公衆網を専用網のように利用可能なMPLS−レイヤ2−VPN(MPLS−Layer2−Virtual Private Network:MPLSを適用したレイヤ2仮想専用網)におけるルータ,フレーム転送方法および下位レイヤフレーム仮想転送システムに関し、特に、マルチキャスト,ブロードキャストおよびユニキャストの各機能とレイヤ2アドレスの学習機能とをそなえたルータに用いて好適な、ルータ,フレーム転送方法および下位レイヤフレーム仮想転送システムに関する。
近年、サービスプロバイダ(SP:Service Provider)および通信事業者(通信キャリア)等のサービス提供者は、パケット又はフレームを確実に転送するためのMPLS(RFC[Request for Comments]3031,RFC3032に規定されるMPLS)技術を用いて、レイヤ2(データリンクレイヤ)における仮想専用網(仮想網又はVPN)を構築している。
(P1)VPN(仮想網)およびL2VPN(レイヤ2の仮想網)とMPLSとの概略的な説明
(P1−1)パケット,フレーム,ラベルおよびLSP(ラベル交換パス)
以下の説明において、パケットとは転送データの基本単位を意味し、また、フレームとはレイヤ3がレイヤ2パケットにラベルを含むヘッダを付与してカプセル化したものを意味する。ラベルとはパスの識別子である。このラベルはMPLS網を伝送するフレームについてそのMPLS網の入口ルータによって付与される。また、ラベルを付与されたフレームはMPLSフレームと呼ばれる。
さらに、LSPはトンネルLSPとVCLSPとがある。このトンネルLSPは、例えば図2に示すように、複数のVC(Virtual Circuit:仮想回線。VCLSP)のトンネルとして機能し、また、各VCLSPはレイヤ2フレームを伝送する実際の回線として機能する。換言すれば、トンネルLSPは、フレームを転送するためのものであり、このトンネルLSPを表すラベルがトンネルラベルと呼ばれる。そして、VCLSPは、フレームを転送する仮想回線に関するものであり、このVCを表すラベルがVCラベルと呼ばれる。
従って、これらのトンネルラベルとVCラベルとは、それぞれ、階層的なパス識別子として機能している。
(P1−2)仮想網
一般に、仮想網とは、サービス提供者が、ユーザに対して、公衆網を用いて専用網サービスを提供する網を意味し、また、レイヤ2の仮想網とは、その仮想網を、例えばMAC(Media Access Control)パケット(物理パケット)のようなレイヤ2のフレームの転送まで拡張したものを意味する。
(P1−3)MPLSの概略的な説明
MPLSとは、各種プロトコルのフォーマットのフレームについて、ルータ(転送装置又はノード)が、ラベルをフレームヘッダに付与(マッピング)し、各ルータがそのラベルだけを参照してフレームを転送する技術又は転送パス(転送経路)を選択する技術である。従って、MPLSによりカプセル化されるフレームのプロトコルにかかわらず、MPLS網の各ルータは、フレームを転送でき、また、サービス提供者は、MPLSによりカプセル化されるフレームがレイヤ2の場合、ユーザ側装置(ユーザサイト)のレイヤ3プロトコルに依存しないで、フレーム転送サービスを提供できる。
MPLSは、元々、インターネット等の大規模なIP(Internet Protocol)網において転送処理の高速化のために生まれた技術である。しかし、ルータのハードウェア技術が進化し、各ルータはパケット転送を高速に処理できるようになり、転送処理の高速化については、MPLSは高速転送という観点からは、あまり重要ではなくなってきている。
(P1−4)仮想網にMPLSが用いられる目的
両ラベルの付与により各ルータは、フレーム識別可能となり、また、一フレームに、1つのラベルのみならず、2つ以上のラベルを付与することも可能となるので、ラベルを用いたMPLSの用途は拡大している。MPLSが用いられる目的は、高速転送に加えて、主に2種類があげられる。
第1の目的は、IP網において明示的にパスを設定する機能(トラヒックエンジニアリング[Traffic Engineering:TE]機能)を網に付与するためである。
このトラヒックエンジニアリング機能が必要な理由は、通常用いられるパス計算の結果が、帯域の使用効率を劣化させることがあるからである。ここで、通常のパス計算を用いた送信先IPアドレスへのパス選択は、ルータのポップ数および帯域幅に基づいて各リンクコストを計算し、計算した各リンクコストを加算し、最もコストが小さいパスを最短パスとする。
この半面、パス計算により得られた最短パスは、網における特定のリンク(隣接ルータ間のパス)に片寄ることがあり、帯域の使用効率の劣化を招くおそれがある。
このため、ルータは、その片寄りを回避するために、トラヒックエンジニアリング機能により、明示的にパスを指定して迂回するようになっている。これにより、各トラヒックについて特定の網資源が割り当てられる。
MPLSが用いられる第2の目的は、サービス提供者が、MPLSを用いて、例えばL2VPN(レイヤ2の仮想網)等のVPNサービスを提供するためである。このVPNサービスとは、サービス提供者がサービス提供者自身のMPLS網を構築し、MPLS網をユーザ毎に論理的に分割して得た網を仮想網(VPN)としてユーザに提供するものである。
これにより、L2VPNにおいては、ユーザが、MPLSを意識せずに、既設のルータを使用でき、また、異なるユーザが同一のIPアドレスを重複して使うことも可能になる。さらに、サービス提供者がユーザが利用する網のレイヤ3プロトコルにかかわらず、レイヤ2フレームを転送できる。
(P1−5)ラベルスイッチング
レイヤ2フレームの転送機能は、MPLSが有するラベル交換パスを用いたラベルスイッチングによって実現される。MPLS網に隣接する例えばIP網からのフレームは、MPLS網に属するルータ間において設定されたラベル交換パス(以下、特に断らない限り、LSPと称する。)に沿って転送(ルーティング又は転送)される。そして、MPLS網におけるルーティングは、LSPの始点の入口ルータ(入口エッジルータ:LER,入口LER又はIngress Router)と、LSPの終点の出口ルータ(出口エッジルータ:LER,出口LER又はEgress Router)との間に設けられた各ルータが、いずれも、受信ラベルと送信ラベルとのラベルテーブルを設け、各ルータがこのラベルテーブルを参照することによりフレームを転送する。
図29はMPLS網におけるラベルスイッチングを説明するための図であり、ユーザのIPパケットがMPLSによりカプセル化される例が表示されている。この図29に示すMPLS網(MPLSドメイン)100は、ユーザ網51a,51bとパケットを送受信する入口ルータ(LER)#1,出口ルータ(LER)#2と、MPLS対応の中継ルータ(LSR[Label Switch Router]:ラベルスイッチルータ)#1とをそなえて構成されている。
以下の説明においては、特に断らない限り、パケットとは転送データの基本単位を意味し、また、フレームとはレイヤ2の上位レイヤがパケットに、ラベルを含むヘッダを付与してカプセル化したものを意味する。
ユーザ網51aからのIPパケットは、入口ルータ#1にてラベルを付与され、このラベルを付与されたフレームは、中継ルータ#1に転送される。中継ルータ#1は、受信したフレームのラベルを参照し、出口ルータ#2を示すラベルに付け替えて転送し、出口ルータ#2は、MPLSフレームのラベルを除去してユーザ網51bに送信する。また、入口ルータ#1および出口ルータ#2は、転送されたIPパケットのIPアドレスをルックアップするが、中継ルータ#1は自分自身に設けたラベルテーブルのみを用いてフレームの転送処理を行なう。
なお、入口ルータ#1において、ラベルを付与して転送する動作はプッシュ(Push)と呼ばれ、また、中継ルータ#1においてラベルを付け替えて転送する動作はスワップ(Swap)と呼ばれ、さらに、出口ルータ#2がラベルを除去して転送する動作はポップ(Pop)と呼ばれる。
(P1−6)FEC(Forwarding Equivalence Class:転送等価クラス)
ユーザ網51aからのIPパケットのうちのMPLS網100において同一送信先(出口ルータ)を有し、同一処理の対象となるパケットの集まりは、FECと呼ばれる。例えばIPサブ網又は集積された網アドレスが、1つのFECに相当する。さらに、ラベルは同一のFECであることを区別するための目印として用いられる。また、ラベルが付与されたMPLSフレームが転送するパスが、上記のLSPに相当する。LSPは、ポイントツーポイントの転送に用いられ、また、送信先アドレスが同一の場合はマージされ、マルチポイントツーポイントの転送に用いられることもある。
(P1−7)LSPを用いたポイントツーポイント転送
図30(a)はMPLS網100におけるラベルスワップを説明するための図である。この図30(a)に示す中継ルータ(LSR)#1は、例えばラベル「25」を有するフレームを転送し、中継ルータ(LSR)#2は、そのフレームのラベルを読み込み、図30(b)に示すトンネルラベルテーブル(ラベルテーブル)15を参照する。このトンネルラベルテーブル15は、受信ラベル(受信ラベル値)および送信ラベル(送信ラベル値)を対応付けて保持しており、中継ルータ#2は、次段の中継ルータ#3に対して受信ラベル「25」を送信ラベル「35」に付け替えてルーティングテーブルを用いずに転送する。従って、ラベルは、各中継ルータ#1〜#3を通過する毎に異なるラベルに付け替えられる。
また、中継ルータ#1〜#3が1本のLSPに相当し、中継ルータ#2は、このLSPに、FEC「11」を付与する。これにより、多数のLSPが識別され、各中継ルータ#1〜#3は、論理的に複数のLSPを設定することができる。なお、LSPは片方向のパスを示すものなので、両方向のパスが必要な場合は、LSPも2本必要になる。
(P1−8)PHP(Penultimate Hop Popping)の説明
なお、ラベルポップの一例として、PHPが知られている。PHPとは、出口ルータの1つ前段の中継ルータがMPLSフレームのラベルを除去する転送方法(フレーム転送方法)である。
図31はPHPを説明するための図であり、入口ルータ#1と出口ルータ#2との間にLSPが設定されている。この図31に示すIPパケットは、入口、ルータ#1にてラベルL1をプッシュされ、(IPパケット,ラベル)からなるMPLSフレームにカプセル化される。このMPLSフレームは、中継ルータ#1にてラベルL1をラベルL2にスワップされる。ここで、出口ルータ#2は、中継ルータ#1からのラベルを読み込む必要はない。従って、ラベルは、出口ルータ#2の1つ前段の中継ルータ#2において除去されユーザ網51bに転送される。
LSPは、ポイントツーマルチポイントの転送にも適用でき、具体的な転送方法が検討され種々のドラフトが提案されている。
(P1−9)MPLSフレームのフォーマット
MPLSフレームに含まれる例えばIPパケット,SONET(Synchronous Optical NETwork:同期光通信網)フレーム等の元パケットのうちのラベルに相当するフィールドを有するもの(メディアとも称する。)について、入口ルータ#1は、そのフィールドに直接ラベルを付与する。例えばATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)のVPI(Virtual Path Identifier:仮想パス識別子)/VCI(Virtual Channel Identifier:仮想チャネル識別子)又はフレームリレーのDLCI(Data Link Connection Identifier:データリンク接続識別子)が相当する。VPIおよびVCIはペアになってフレームの次段の送信先を識別するようになっている。
一方、ラベルに相当する部分を含まないメディアについては、入口ルータ#1は、フレームに新たなヘッダ(シムヘッダ[SIMM Header])を追加する。例えばPoS(Packet over SONET)およびイーサネットはシムヘッダを付与される。
図32(a)〜図32(c)はそれぞれMPLSフレームのフォーマット例を示す図であり、この図32(a)に示すMPLSフレームはシムヘッダを有する。このシムヘッダは、図32(b)に示すように、n(nは自然数を示す。)種類の異なるラベルを含めることができる。これにより、各ルータは、複数のラベルをMPLSフレームに重ねて設定(スタック)できる。
ここで、ラベルnは最初に付与されたボトムラベル(最終ラベル)であり、また、各中継ルータによって、MPLSフレームのシムヘッダは、ラベルn−1からラベル1を順番にスタックされる。中継ルータが読む部分は、フレームの外側のラベルだけであり、また、複数のラベルを除去する順番は、外側のラベル1からラベルnの順である。従って、このスタックを用いることにより階層的なLSPを生成することができる。なお、このスタックラベルはMPLSによる仮想網(VPN)の提供等で使用される。
また、各ラベル1〜nは、いずれも、図32(c)に示すように、ラベル値,EXP(RFC3032の記述による名称を示す。),S(Bottom of Stack)ビット,TTL(Time To Live)値を含む。ここで、EXPはCoS(Class of Service)/QoS(Quality of Service)の各情報を伝送するためのものである。なお、QoSとは通信品質の保証および帯域確保等を実現する技術であり、CoSとは送信側装置がパケットに優先度を設定しルータがその優先度が高いパケットを優先的に転送する技術である。また、Sビットはボトムラベルか否かを表すものであり、付与されたラベルがボトムラベルの場合は「1」が書き込まれ、ボトムラベルでない場合は「0」を書き込まれる。また、TTLはフレームが廃棄されるまでの転送回数である。
(P1−10)ラベル配布プロトコル
MPLS網の負荷の大きさは、常時変動しているので、各ルータが、受信ラベルを、次段の中継ルータに予め割り当てた送信ラベルに付け替えて、受信ラベルと送信ラベルとを対応付けたラベルテーブルを生成し、その後に、ラベルテーブルを参照して付け替えたフレームを転送する。このラベル付け替えとパケット転送とが繰り返されることにより、入口ルータと出口ルータとの間の各中継ルータに対してラベルが配布されるのである。
また、各ルータが用いるラベル配布プロトコルは、制御信号の送受信プロトコルである。このシグナリングプロトコルは、LDP(Label Distribution Protocol:RFC3036)とRSVP−TE(Resource Reser Vation Protocol with Traffic Extensions:拡張帯域予約プロトコル)とが知られている。
(P1−11)LDP
LDPとは、ラベル配布専用のシグナリングプロトコルである。LDPは、隣接ルータ間又は離れた中継ルータ間において、それぞれ、FECとラベルとの割り当て情報を予め配布する方法(又は手順)を定めている。このLDPを用いたラベル配布方法の一例として、DoD(Downstream on Demand)モードとDU(Downstream Unsolicited)モードとが知られている。
図33(a)はDoDモードを説明するための図である。このDoDモードとは、図33(a)に示す上流側の中継ルータが、FECに対応するラベルを下流側の中継ルータに問い合わせメッセージ(ラベル要求メッセージ)を送信したときに、下流側の中継ルータが上流側の中継ルータに対してラベルを配布する(ラベルマッピングメッセージ)。
また、図33(b)はDUモードを説明するための図である。このDUモードとは、FECを有する下流側の中継ルータが、ラベルを決定して上流側の中継ルータに対しラベル要求メッセージ(ラベルリクエスト)を送信し、上流側の中継ルータが、このラベルリクエストを受信すると、下流側の中継ルータに対してラベルを割り当てたことを表すマッピング(Mapping)を送信する。
このLDPを用いることによりラベル配布が可能となる。この半面、LSPはパス自体を表しルーティングプロトコルの最短パスに従うものであり、LDPおよびLSP間には依存関係は全くなく、相互に独立している。また、LDPはLSPの帯域幅を確保する機能を有していない。このため、LDPが欠く機能を実現する技術として、RSVP−TE(RSVP Traffic Engineering;RFC3209)とCR−LDP(Constraint Routed LDP:RFC3212)とが知られている。
(P1−12)RSVP−TE
RSVP−TEはIP網における帯域予約のために作成されたRSVP(Resource Reservation Protocol)に、ラベル配布機能を加えて拡張したものである。また、CR−LDPは、LDP自体に必要な機能を追加したものである。RSVP−TEとCR−LDPとは、基本的にポイントツーポイントのLSPをDoDモードにおいて設定するものであり、LSPを明示的に指定するER6(Explicit Route 6)と称する機能を実現し、また、各リンク(物理的リンク又は転送路)に帯域幅を予約する機能をも有する。
(P2)Draft−Martini方式(第1の草案又はマティーニ草案)
(P2−1)規定内容
マティーニ草案とは、MPLS網において、レイヤ2パケットを、ポイントツーポイントで転送する方法を規定しており、このマティーニ草案がサポートするL2プロトコルは複数のものが知られており、最も注目されているものはイーサネットである。
(P2−2)マティーニ草案が規定するトンネルラベルおよびVCラベル
トンネルとは、入口ルータと出口ルータとの間において、仮想的なパス(トンネルLSP)を設定し、さらにトンネルLSP内に、VCLSPを設定することである。レイヤ2パケットを、VCLSPにマッピングすることにより、インターネットを通過できない専用アドレスを有するパケットの伝送およびIPプロトコル以外のプロトコルを適用した網間の通信が可能となる。
(P2−3)転送方法の一例
図34はマティーニ草案が規定する転送方法を説明するための図である。この図34に示すユーザA,Bは、MPLS網100に、ユーザA,Bに対応するLSPが確立されている。また、入口ルータ#1,中継ルータ#1,#2および出口ルータ#2は、いずれも、イーサネット仮想回線(イーサネットVC)を提供するプロバイダエッジルータ(PE)である。
最初に、入口ルータ#1は、入口ルータ#1および出口ルータ#2間におけるトンネルLSP(円筒形で表されたもの)を設定する。ここで、トンネルLSPを示すラベル(トンネルラベル)は、パケット91a,91bの最も外側に書き込まれる。また、入口ルータ#1は、その1個のトンネルLSPについて2本のイーサネット仮想回線を提供するために、2本のVCLSP(太線および点線で表されたもの)を設定する。VCLSPを示すラベル(VCラベル)は、トンネルラベルよりも内側であり、ユーザL2パケットの外側に書き込まれる。
また、図34に示すフレームフォーマットはマティーニ草案が定めるものであり、レイヤ2ヘッダと、トンネルラベル(T1,T2等),VCラベル(A,B等)およびCW(Control Word)が書き込まれている。ここで、レイヤ2ヘッダは、物理リンクに関連したヘッダである。トンネルラベルは、フレームが仮想網(MPLS網)を転送するためのラベルである。VCラベルは仮想回線を識別するためのものであり、ラベルLDPの拡張等によって配布される。さらに、CWは制御用のものであって、イーサネット又はVLAN(Virtual Local Area Network)のドメインにおいてはオプションとして用いられる。ペイロードは、プリアンブルとフレームチェックシーケンスとを除くイーサネットフレーム全体を示す。従って、MPLSフレームは、2種類のスタックされたラベルを用いて転送される。
また、入口ルータ#1は、イーサネット仮想回線を識別する共通のVCID(ユーザ識別子)を、例えば「2400」に設定し、さらに、VCID「2400」を示すラベルとして、VCラベル「2000」を設定する。この理由は、出口ルータ#2は、VCIDだけを用いてユーザ拠点(入口ルータ)を判別できないからである。このため、ユーザと、ユーザ拠点を示す入口ルータ#1との両方を識別するためにVCラベルを割り当てるようにしている。これにより、入口ルータ#1は、同一のVCID「2400」を有する出口ルータ#2に対して、転送するMPLSフレームに、VCラベル「2000」を付与すればよいことを知る。
そして、入口ルータ#1は、ユーザA,Bから受信したパケット91a,91bに、ユーザA,Bに共通なトンネルラベルT1とユーザA,Bを識別するためのVCラベルA,Bとを各パケット91a,91bに付与してMPLS網100に転送する。
このように、マティーニ草案が規定するフレーム転送方法は、MPLS網において、トンネルラベルとVCラベルとの2段にラベルを設定し、複数のVCLSPを用いてMPLSフレームを転送する。
(P2−4)なお、マティーニ草案は現在、標準化の途中であり、転送方式(Transport of Layer 2 Frames Over MPLS,draft−martini−12circuit−trans−mpls−09.txt)とカプセル化方式(Encapsulation Methods for Transport of Layer 2 Frames Over IP and MPLSNetworks,draft−martini−12circuit−encap−mpls−04.txt)との2種類のドラフトが公表されている。また、多くのベンダが既に製品へ実装を開始している。このマティーニ草案を拡張したものとしてVPLSが知られている。
(P3)VPLS(Virtual Private LAN Service:仮想専用LANサービス)
VPLSは、多くのサービス提供者が提供する広域LANサービスを拡張する技術であり、レイヤ2パケットのうちの特にイーサネットパケットを効率的に伝送するマルチポイントのレイヤ2VPN技術である。また、VPLSは、レイヤ2パケットを含むMPLSフレームの転送に必要なレイヤ2機能と、入口ルータ又は出口ルータのMPLS機能(ラベル交換,ラベルのプッシュおよびラベルのポップ)とを併せもつものでもある。このレイヤ2機能とは、送信元MACアドレスの認識機能とレイヤ2スイッチング機能とを表す。
このレイヤ2スイッチングとは転送パスを切り替えること又はその切り替える装置を意味する。具体的には、レイヤ2スイッチングは、フレームのMACアドレスに基づいてフィルタリング,転送又はフラッディングすることを表す。なお、フラッディングとは、レイヤ2スイッチングを有するルータが、未知の送信先アドレスを有する宛先不明のフレームを受信した場合に、レイヤ2スイッチングに関連付けられた全ての出力ポート(そのフレームを受信したポートを除く。)について、その受信フレームを複製して送信することを意味する。これらの定義は、特に断らない限り、以下、同様の意味で使用する。
さらに、VPLSを詳述すると、VPLSは、サービス提供者が、サービス提供者自身のMPLS網を用いて、ユーザに対してレイヤ2フレームのスイッチングをエミュレート(仮想実現)し、かつ入口ルータおよび出口ルータがレイヤ2アドレスの学習機能を有する。このVPLSを用いたフレーム転送方法は、帯域を効率的に使用し冗長な転送を省くために、送信先MACアドレスがMACアドレステーブルに登録されていないとき、イーサネットパケットを含むMPLSフレームを、送信先ユーザサイトに接続された出口ルータ#2にのみ送信するようにしている。このため、VPLSは、イーサネットパケットをその送信先MACアドレスに基づいてスイッチする。
これに対して、前記マティーニ草案は、ポイントツーポイント転送が可能となる半面、レイヤ2スイッチ機能、つまりMACアドレスの学習に基づいた転送を実現する機能は含まれていない。
(P4)Draft−lassere−vkompella(Virtual Private LAN Services over MPLS,draft−lasserre−vkompella−ppvpn−vpls−01.txt)方式(第2の草案)の説明
(P4−1)規定内容
第2の草案は、MPLS網におけるレイヤ2の転送を仮想的に実現するサービス(VPLS)を実現する具体案の一つである。この第2の草案は、概略的には、広域LANサービスのバックボーン(基幹回線)として利用できるMACアドレス学習機能をもつポイントツーマルチポイントのレイヤ2VPNについて規定している。この第2の草案には、入口ルータおよび出口ルータにおけるMACアドレス学習およびMPLS網におけるマルチキャストおよびブロードキャストの各動作が記載されている。
(P4−2)VCID(VC−Identification:各ユーザを識別するためのユーザ識別子)
具体的には、各ルータがVCIDを割り当てられ、このVCIDを用いて、フルメッシュの仮想網が構築されるようになっている。
これにより、MPLS網は、仮想ブリッジとみなされ、MPLS網においてサービス提供者はユーザに対して、VPLSを提供できる。
(P4−3)ブリッジ(ブリッジ機能)
ブリッジとは、MACアドレステーブルに基づいて、レイヤ2において、フレームを転送することを意味し、フレームのフィルタリング,転送又はフラッディング等を行なう。
(P4−4)MPLS網におけるキャスト
既存のLANはマルチキャストおよびブロードキャストの各サービスをサポートしている。この一方、現時点においては、MPLS網自身はこれらのサービスをサポートしていない。
ここで、マルチキャストとは、網において、複数のルータ(ルータのアドレス)を指定して同一データを送信することであり、ブロードキャストとは、不特定多数のルータ(ルータのアドレス)に対してデータを送信することであり、また、ユニキャストとは、単一のルータ(ルータのアドレス)に対してデータを送信することである。
しかし、MPLS網がVPLSを用いるためには、同一のマルチキャスト又はブロードキャストドメインを有しMPLS網に接続されているユーザサイト間において、マルチキャスト,ブロードキャストおよびユニキャストの各トラヒックが適切に転送される必要がある。
各トラヒックの適切な転送を実現するためには、LSP単位(又はLSP毎)においてMACアドレスの学習機能を要する。加えて、必要なVCLSPについてのフレームを複製することにより、マルチキャスト,ブロードキャストおよび宛先不明ユニキャストのフラッディングが実現する。
(P4−5)仮想網(VPN)の構築
MPLS網において、ユニキャストLSPを用いた場合は、仮想網を構成するノードに対応する入口ルータと出口ルータとの間においてフルメッシュのVCを作成し、これにより、仮想網が構築される。このVCは一方向だけを示すので入口ルータおよび出口ルータ間には両方向のトラヒックを伝送するVCペアが存在する。ここで、VCラベルの交換はLDP等に依存して行なわれ、また、ユーザVPNは固有の例えば32ビットのVPNIDを用いて識別される。
(P4−6)フレームの転送例
ユーザトラヒックは、ルータの入力ポート又はVLANをベースとしたFECの設定により特定の仮想網に転送される。入口ルータおよび出口ルータは、サポートする各仮想網について、VFI(Virtual Forwarding Instance)と称する別々のMACアドレステーブルを設けて、通常のレイヤ2スイッチ(L2スイッチ)のように送信元MACアドレスを認識するようになっている。
ここで、フレームを転送するためには、MPLS網におけるブリッジ装置(ブリッジ機能を有する装置)はVCLSPと送信先MACアドレスとを対応付けて保持する機能を設けなければならない。これに対して、全ての可能な送信先MACアドレスとVCLSPとの組合せを静的に対応付けるのは実際上、不可能である。従って、入口ルータおよび出口ルータはともに送信先MACアドレスについて動的に学習できるようインバンド(Inbound)VCラベルとアウトバンド(Outbound)VCラベルとを関連づけて保持する必要がある。
(P4−7)VCラベルの割り当て方法
図35はVCラベルの割り当て方法を説明するための図である。この図35に示すMPLS網100は、MPLSを用いたレイヤ2の仮想網であり、また、ユーザA1〜A4は、それぞれ、同一のVPLSセグメント(ルータ等のレイヤ3機能を有する装置によって仕切られた網であってブロードキャストフレームを送信する単位ドメインを示す。)であって、いずれも、VCID「1234」を割り当てられている。入口ルータ#1は、イーサネットパケットの転送のために、送信先MACアドレスとVCラベルとを対応付けて保持するMACアドレステーブルを有し、VCラベルを検索するために、MACアドレスを用いて検索する。
また、ラベル配布方法は、出口ルータ#2が、入口ルータ#1に対して、VCラベルに関する情報を通知(ラベルシグナリング)することにより行なわれる。具体的には、出口ルータ#2は、入口ルータ#1に対して、「出口ルータ#2宛であり、かつVCIDが『1234』のMPLSフレームについては、VCラベル201を付与して転送する」旨を通知する。
(P4−8)ルータ間における転送例
入口ルータ#1は、入口ルータ#1自身と接続されたユーザサイトから、エントリのない送信先MACアドレスM2を含むパケットを受信すると、このユーザサイトの仮想網に属するすべてのVCラベルを有するLSPに対してMPLSフレームを送信する。
図36は入口ルータ#1のブロック図である。この図36に示す入口ルータ#1のフレーム受信部93aがユーザ網51aからパケットを受信すると、MACブリッジ処理部93bがMACアドレステーブル93dを参照し、第1フレーム送信部93cからフレームを送信する。
そのフレームがユニキャストの場合は、フレームはVCラベルプッシュ部93fにてVCラベルを付与され、また、トンネルラベルテーブル93hの保持情報に基づいて、トンネルラベルプッシュ部93gにてトンネルラベルを付与される。そして、各ラベルを付与されたMPLSフレームは、レイヤ2ヘッダ作成部93iにて、レイヤ2ヘッダを作成され、第2フレーム送信部93jから出力される。また、MACブリッジ処理部93bにおいて、フレームがマルチキャストフレームの場合は、そのフレームは、フレーム複製部93eにて複製され、VCラベルプッシュ部93fに入力される。
さらに、入口ルータ#1が宛先不明のフレームを受信すると、その受信フレームを、その受信フレームの属する仮想網に関連するVCLSPに転送する。
図37はフラッディングを説明するための図である。この図37に示す入口ルータ#1は、送信元MACアドレスM1および送信先MACアドレス(宛先MACアドレス)M2を含むフレームを、ユーザA1から受信すると、送信先MACアドレスM2を知らない場合は、VCLSPについてのMPLSフレームを複製する。そして、入口ルータ#1は、VCラベルが201,301のMPLSフレームを、対応する出口ルータに対して送信する。これにより、宛先不明のユニキャストについてフラッディングできる。
また、図38は中継ルータ#1(LSR#1)のブロック図である。この図38に示す中継ルータ#1(中継ルータ#2も同一構成である。)において、フレームがフレーム受信部94cにて受信されると、L2ヘッダ除去部94dにてヘッダが除去され、ラベルスイッチ部94bに入力される。ラベルスイッチ部94bは、トンネルラベルテーブル94aを参照して、トンネルラベルをスワップし、スワップされたフレームは、L2ヘッダ作成部94e,第2フレーム送信部94fをそれぞれ介して出力される。従って、中継ルータ#1は、受信フレームのトンネルラベルのみを参照して転送処理する。
この一方、VCラベルバインドテーブルを用いた処理を図39,図40に示す。
図39は出口ルータ#2(LER#2)のブロック図である。この図39に示す出口ルータ#2は、フレームを受信すると、通常のレイヤ2スイッチングのように、VCラベルバインドテーブル95aを参照する。アドレス学習部95bは、例えば図40に示すように、受信フレームのVCラベルが201であり送信元MACアドレスがM1のものを有する場合、VCラベルバインドテーブル95aを参照し、MACアドレスM1とその反対方向のVCであるVCラベル102とを関連付けてMACアドレステーブル95c(図39)にエントリを作成する。
また、図41はユニキャスト転送を説明するための図である。この図41に示す出口ルータ#2は、送信先MACアドレスM1を有するフレームを、出口ルータ#2と接続されたユーザサイト(ユーザA2,A4)から受信すると、MACアドレステーブル(図示省略)から、MACアドレスM1を検索しVCラベル102を得る。そして、出口ルータ#2は、受信フレームのVCラベルを102に設定し、設定したフレームをMPLS網100に送信する。
入口ルータ#1が、送信元MACアドレスM2を有するフレームを受信した後は、アドレス学習によってMACアドレステーブルにエントリが作成され、そして、MACアドレスM2を送信先とするフレームは、ユニキャストで出口ルータ#2に送信される。
(P4−9)入口ルータ#1および出口ルータ#2とMACアドレスとの関係
従って、入口ルータ#1および出口ルータ#2はいずれも、MPLSプロトコルが適用される全ての仮想網の全てのMACアドレスを認識するわけではない。入口ルータ#1および出口ルータ#2はともに、収容する仮想網に関連するMACアドレスだけを認識する。
この一方、中継ルータ#1〜#3はいずれも、MACアドレスを認識せずにラベルスイッチングだけを行なう。
(P5)公知技術
コネクションレス型通信ネットワークにおいて、端末装置および中継装置が、夫々、経路制御装置と交信しつつ、転送先を定めてゆく構成が提案されている(例えば特許文献1)。
これにより、コネクションレス型通信ネットワークにおいて、制御メッセージの収束時間および制御メッセージの帯域消費が小さく押さえられ、安定して経済的にマルチキャスト通信が行なえる。
(P6)課題の説明
しかしながら、前記第2の草案(Draft−lassere−vkompella方式)規定のプロトコルが用いられた場合は、MPLS網100の負荷が過大となる。
図42は従来技術を用いたブロードキャストを説明するための図である。この図42に示す入口ルータ#1は、ユーザサイトから受信したマルチキャストフレーム,ブロードキャストフレーム又は宛先不明のユニキャストフレームを受信するものである。中継ルータ#1は、例えばブロードキャストフレームを受信すると、送信が必要なVCの数だけ受信フレームをコピーし、コピーした複数のフレームを次段の中継ルータ#2,#3に対して送信する。
このため、多数のフレームがMPLS網100に転送されるので、同一リンクに同一フレームが多数送信され、MPLS網100の負荷は増大するという課題がある。
入口ルータ#1は、宛先不明のユニキャストフレームを受信すると、MPLS網100の全ルータに対してそのユニキャストフレームを送信する。従って、やはり、MPLS網100の負荷が増大する。特に、ベストエフォート型の網においては、多量の複製されたフレームが送信されるので、有効に帯域を利用できないという課題がある。
そして、入口ルータ#1は、受信したマルチキャストフレームのMACアドレスをいったんMACアドレステーブルに登録すると、その後に受信する全てのマルチキャストフレームを、そのMACアドレステーブルに登録したMACアドレスを送信先MACアドレスとする出口ルータ#2に送信する。従って、入口ルータ#1,出口ルータ#2間において、無駄なフレーム複製およびフレーム転送を招き、これにより、仮想網の負荷が圧迫されるという課題がある。
さらに、MPLS網100は、レイヤ2スイッチに必要なレイヤ2アドレス学習機能が設けられておらず、サービス提供者は、自分自身の網においてユーザに対して、レイヤ2アドレス学習機能をそなえたポイントツーマルチポイントのレイヤ2仮想網を効率的に提供できないという課題がある。
加えて、上記特許文献1記載の経路制御装置は、端末装置および中継装置へ経路設定メッセージを送信することにより転送経路を設定する。
しかしながら、特許文献1記載の経路制御装置は、MPLSを適用したレイヤ2仮想網におけるものではない。従って、経路制御装置は、アドレス学習をするものではない。そのうえ、上記経路制御装置は、送信元MACアドレスの認識,レイヤ2スイッチング,入口ルータ又は出口ルータのラベル交換,ラベルのプッシュおよびラベルのポップ(レイヤ2機能)とを併せもつものではない。
特開2002−77239号公報
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、MPLSを適用したレイヤ2仮想網において、レイヤ2機能に不可欠なアドレス学習を実現するとともに、網の負荷を最小限に抑制でき、仮想網の効率的な帯域利用が図られ、そして、入口ルータおよび出口ルータ間の無駄なフレーム複製およびフレーム転送を防止しうる、ルータ,フレーム転送方法および下位レイヤフレーム仮想転送システムを提供することを目的とする。
このため、本発明のルータは、複製又は非複製を識別するプロトコル識別子を含む下位レイヤフレームと階層的なパス識別子とを有するラベルスイッチフレームを階層的なパス識別子に基づいて転送可能な仮想網におけるルータであって、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームについて、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定部と、判定部にて非複製対象と判定された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームを通過処理し、判定部にて複製対象と判定された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームに、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子とのうちの少なくとも一つを付与して転送する転送処理部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、仮想網の負荷を最小限に抑制できる。
また、ルータは、次の(I)入口エッジルータ,(II)中継ルータおよび(III)出口エッジルータのいずれかのルータとして構成することができる。
(I)前記ルータは、仮想網の外部からの外部下位レイヤフレームに階層的なパス識別子を付与したラベルスイッチフレームを仮想網にプッシュする入口エッジルータとして構成され、判定部が、複製対象のMACアドレスと複数の出力ポートとを対応付けたマルチキャスト用MACアドレステーブルに基づいて受信外部下位レイヤフレームの複製の要否を判定するとともに、転送処理部が、判定部にて複製対象と判定された受信外部下位レイヤフレームに、次の(a)〜(d)に示すラベル又は識別子のうちの少なくとも1個のラベルを付与して転送するように構成することができる。
(a)ユニキャストフレームを転送するための複数のユーザ拠点識別パスから選択したユーザ拠点識別パスのラベル
(b)複製対象フレームの転送元の拠点を示すユーザ拠点識別パスラベルおよび複製対象フレームの仮想経路を示すトンネルパスラベル
(c)マルチキャスト用のマルチキャストラベル
(d)ユーザを識別するユーザ識別子
従って、このようにすれば、同一フレームの複製のための負担が軽減する。
(II)前記ルータは、階層的なパス識別子に基づいてラベルスイッチフレームを仮想網に転送する中継ルータとして構成され、判定部が、ラベルスイッチフレームに含まれるプロトコルタイプ(プロトコルタイプ識別子)に基づいてラベルスイッチフレームについて複製対象又は非複製対象を判定するとともに、転送処理部が、判定部にて非複製対象と判定されたラベルスイッチフレームをブリッジ転送するとともに、判定部にて複製対象と判定されたラベルスイッチフレームについて、少なくともユーザ拠点識別パスラベルと複製対象のラベルスイッチフレームに対する処理内容とを対応付けたマルチキャスト用VCラベルテーブルに基づいて、複製処理と、ユーザ拠点識別パスラベルおよびトンネルパスラベルの付与処理とを行なうように構成することができる。
従って、このようにすれば、各中継ルータは、レイヤ3処理の負担が軽減され、また、同一リンクにおいて同一フレームが複製転送されず、仮想網の負荷の増大が防止される。
(III)前記ルータは、仮想網から転送されたラベルスイッチフレームに付与された階層的なパス識別子を取り除いて仮想網の外部に送信する出口エッジルータとして構成され、転送処理部が、ラベルスイッチフレームの送信元MACアドレスと、階層的なパス識別子との対応を学習するとともに、階層的なパス識別子を取り除いた下位レイヤフレームを仮想網の外部に送信するポップ処理部とをそなえて構成することができ、このようにすれば、入口ルータおよび出口ルータ間の無駄なフレーム複製およびフレーム転送を回避でき、仮想網の負荷を軽減できる。
さらに、本発明のフレーム転送方法は、仮想網の外部からの外部下位レイヤフレームに階層的なパス識別子を付与したラベルスイッチフレームを仮想網にプッシュする入口エッジルータが、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームについて、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定ステップと、入口エッジルータが、判定ステップにて非複製対象と判定された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームを通過処理し、判定ステップにて複製対象と判定された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームに、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子とのうちの少なくとも一つを付与して転送する転送処理ステップと、仮想網に転送する中継ルータが、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子との少なくとも一つに基づいて、転送処理ステップにて転送された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームを複製又は転送する中継ステップとをそなえたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、効率的に仮想網の伝送帯域を利用できる。
また、前記転送処理ステップは、入口エッジルータが受信外部下位レイヤフレームの送信先アドレスにマルチキャスト用アドレスを付与したラベルスイッチフレームを転送し、中継ステップは、中継ルータが、マルチキャスト用アドレスおよび転送先ルータアドレスを対応付けたマルチキャスト用MACアドレステーブルに基づいて、転送処理ステップにて転送されたラベルスイッチフレームを複製転送することもでき、このようにすれば、仮想網は、例えばイーサネット以外のレイヤ2プロトコルを有するパケット又はフレームについても、マルチキャストおよびブロードキャストを実現できる。
そして、前記転送処理ステップは、入口エッジルータが、複製対象のMACアドレスおよびユニキャストフレームを転送するためのユーザ拠点識別パスを対応付けたMACアドレステーブルに基づいて、受信外部下位レイヤフレームの複製の要否を判定する判定ステップと、入口エッジルータが、ユーザ拠点識別パスのうちの、非複製対象フレームを転送するための複数のユーザ拠点識別パスのうちの複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから転送する複数の非複製対象フレームのユーザ拠点識別パスから選択する選択ステップと、入口エッジルータが、選択ステップにて選択されたユーザ拠点識別パスを有するラベルスイッチフレームを送信する送信ステップとをそなえ、中継ステップは、中継ルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスラベルおよび転送先ルータアドレスとを対応付けたマルチキャスト用ユーザ拠点識別パスラベルテーブルに基づいて、送信ステップにて送信されたラベルスイッチフレームを複製転送することもできる。
従って、このようにすれば、従来はマルチキャストおよびブロードキャストの両機能をもっていなかった中継ルータがマルチキャストおよびブロードキャストの両機能を利用でき、レイヤ2パケットの仮想的な転送が可能となる。
さらに、前記転送処理ステップは、入口エッジルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを設定する設定ステップと、入口エッジルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスおよびマルチキャスト用トンネルパスを介してラベルスイッチフレームを転送する転送ステップとをそなえ、中継ステップは、第1の中継ルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスラベルおよび転送先ルータアドレスを対応付けたマルチキャスト用ラベルテーブルに基づいて、ラベルスイッチフレームを複製転送する複製転送ステップと、第2の中継ルータが、複製転送ステップにて複製転送されたラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定されたマルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを介して複製転送することもできる。
従って、このようにすれば、入口エッジルータがマルチキャスト用のLSPを設けることにより、ユーザは既存の網資源をそのまま利用でき、また、サービス提供者は最小限の投資により、仮想網に付加価値を与えることができる。
前記転送処理ステップは、入口エッジルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点およびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネル識別パス(拠点およびトンネル識別パス)を設定する設定ステップと、入口エッジルータが、拠点・トンネル識別パスを介してラベルスイッチフレームを転送する転送ステップとをそなえ、中継ステップは、第1の中継ルータが、拠点・トンネル識別パスおよび転送先ルータアドレスを対応付けた第2マルチキャスト用ラベルテーブルに基づいて、ラベルスイッチフレームを複製転送する複製転送ステップと、第2の中継ルータが、複製転送ステップにて複製転送されたラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して複製転送することもでき、このようにすれば、冗長な情報データの転送が排除され、仮想網における伝送帯域の使用効率が向上する。
さらに、前記転送処理ステップは、入口エッジルータと、複数の出口エッジルータのそれぞれとの間において、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを設定する設定ステップと、入口エッジルータが、複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから複数の中継ルータに転送する複数のラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定されたマルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを介して各中継ルータに送信する送信ステップとをそなえ、中継ステップは、各中継ルータが、送信ステップにて送信されたラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定されたマルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを介して複製転送することもできる。
従って、このようにすれば、中継ルータは受信フレームの冗長な処理を除去でき、やはり、MPLS網のフレーム転送が効率化される。
前記転送処理ステップは、入口エッジルータと、仮想網から転送されたラベルスイッチフレームに付与された階層的なパス識別子を取り除いて仮想網の外部に送信する複数の出口エッジルータのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用ユーザ拠点およびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネル識別パスを設定する設定ステップと、入口エッジルータが、複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから複数の中継ルータに転送する複数のラベルスイッチフレームの内部に、ユーザを識別するユーザ識別子を付与する付与ステップと、入口エッジルータが、付与ステップにてフレーム内部に付与されたユーザ識別子を含むラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して各中継ルータに送信する送信ステップとをそなえ、中継ステップは、各中継ルータが、送信ステップにて送信されたラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して複製転送する転送ステップと、出口エッジルータが、転送ステップにて用いた拠点・トンネル識別パスと付与ステップにて付与されたユーザ識別子とを用いてアドレス学習する学習ステップとをそなえてもよい。
従って、このようにすれば、VCIDがユーザ識別およびユーザ拠点識別の両機能を発揮するので、トンネルLSPおよびVCIDにポイントツーマルチポイントのパスを新規に設定でき、効率的にフレーム転送可能となる。
そして、前記転送処理ステップは、入口エッジルータと、仮想網から転送されたラベルスイッチフレームに付与された階層的なパス識別子を取り除いて仮想網の外部に送信する複数の出口エッジルータのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用ユーザ拠点およびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネル識別パスを設定する設定ステップと、入口エッジルータが、複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから複数の中継ルータに転送する複数のラベルスイッチフレームの外部に、設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを付与する付与ステップと、入口エッジルータが、付与ステップにて拠点・トンネル識別パスを付与されたラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して各中継ルータに送信する送信ステップとをそなえ、中継ステップは、各中継ルータが、送信ステップにて送信されたラベルスイッチフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して複製転送する転送ステップと、各中継ルータが、送信ステップにて送信されたラベルスイッチフレームを設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して複製転送する転送ステップと、出口エッジルータが、転送ステップにて用いた拠点・トンネル識別パスを用いてアドレス学習する学習ステップとをそなえてもよい。
従って、このようにすれば、入口エッジルータおよび出口エッジルータ間に新規なマルチキャスト用のラベル交換パスが設定され、出口エッジルータが送信元の入口エッジルータを識別でき、ポイントツーマルチポイントパスがエンドツーエンドで提供される。
さらに、本発明の下位レイヤフレーム仮想転送システムは、入口エッジルータと、中継ルータと、出口エッジルータとをそなえ、上記の入口エッジルータ,中継ルータおよび出口エッジルータが、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームについて、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定部と、判定部にて非複製対象と判定された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームを通過処理し、判定部にて複製対象と判定された受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームに、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子とのうちの1個又は複数個を付与して転送する転送処理部とをそなえて構成されている。
従って、このようにすれば、例えば入口エッジルータ又は出口エッジルータにおけるMACアドレス学習およびMPLS網におけるマルチキャストおよびブロードキャストの各動作に対応でき、例えばユーザは広域LANサービスのバックボーンとしてポイントツーマルチポイントのレイヤ2VPNとして利用できる。
図1は本発明の第1実施形態に係るMPLS−レイヤ2−VPNの概略的な構成図である。
図2はトンネルラベルおよびVCラベルを説明するための図である。
図3(a)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用MPLSフレームのフォーマット例を示す図である。
図3(b)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用MPLSフレームに含まれる情報種別を示す図である。
図4(a)〜図4(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るトンネルラベルを説明するための図である。
図5は本発明の第1実施形態に係る入口ルータのブロック図である。
図6は本発明の第1実施形態に係る中継ルータのブロック図である。
図7は本発明の第1実施形態に係る出口ルータのブロック図である。
図8(a)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用MACアドレステーブルの一例を示す図である。
図8(b)は本発明の第1実施形態に係るアドレス学習用VCラベルテーブルの一例を示す図である。
図8(c)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用VCラベルテーブルの一例を示す図である。
図9(a)および図9(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るフレーム転送方法を説明するための図である。
図10は本発明の第2実施形態に係るMPLS網の構成図である。
図11は本発明の第2実施形態に係る入口ルータのブロック図である。
図12は本発明の第2実施形態に係る中継ルータのブロック図である。
図13は本発明の第3実施形態に係るMPLS網の構成図である。
図14は本発明の第3実施形態に係る入口ルータのブロック図である。
図15は本発明の第3実施形態に係る中継ルータのブロック図である。
図16は本発明の第4実施形態に係るMPLS網の構成図である。
図17は本発明の第4実施形態に係る入口ルータのブロック図である。
図18は本発明の第4実施形態に係る中継ルータのブロック図である。
図19は本発明の第5実施形態に係るMPLS網の構成図である。
図20は本発明の第5実施形態に係る入口ルータのブロック図である。
図21は本発明の第5実施形態に係る中継ルータのブロック図である。
図22は本発明の第6実施形態に係るMPLS網の構成図である。
図23は本発明の第6実施形態に係る出口ルータのブロック図である。
図24は本発明の第7実施形態に係るMPLS網の構成図である。
図25は本発明の第7実施形態に係る出口ルータのブロック図である。
図26は本発明の第7実施形態に係るマルチキャスト用LSPの一例を示す図である
図27(a)は本発明の第3実施形態に係るマルチキャスト用VCラベルとマルチキャスト用トンネルラベルとを説明するための図である。
図27(b)は本発明の第4実施形態に係るマルチキャスト用VCラベルテーブルの一例を示す図である。
図27(c)は本発明の第4実施形態に係るマルチキャスト用LSPを説明するための図である。
図28(a)は本発明の第4実施形態に係るフレームフォーマット例を示す図である。
図28(b)は本発明の第5実施形態に係るマルチキャスト用VCラベルテーブルの一例を示す図である。
図29はMPLS網におけるラベルスイッチングを説明するための図である。
図30(a)はMPLS網におけるラベルスワップを説明するための図である。
図30(b)はラベルテーブルの一例を示す図である。
図31はPHPを説明するための図である。
図32(a)〜図32(c)はそれぞれMPLSフレームのフォーマット例を示す図である。
図33(a)はDUモードを説明するための図である。
図33(b)はDoDモードを説明するための図である。
図34はマティーニ草案が規定するフレーム転送方法を説明するための図である。
図35はVCラベルの割り当て方法を説明するための図である。
図36は入口ルータのブロック図である。
図37はフラッディングを説明するための図である。
図38は中継ルータのブロック図である。
図39は出口ルータのブロック図である。
図40はアドレス学習を説明するための図である。
図41はユニキャスト転送を説明するための図である。
図42は従来技術を用いたブロードキャストを説明するための図である。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係るMPLS−レイヤ2−VPN(MPLSを適用したレイヤ2仮想網又はVPN網。以下、MPLS網と称する。)の概略的な構成図である。この図1に示すMPLS網50は、複製又は非複製を識別するプロトコル識別子を含むレイヤ2フレーム(下位レイヤフレーム)と例えばトンネルラベルおよびVCラベルのような階層的なパス識別子とを有するMPLSフレーム(ラベルスイッチフレーム)をそのトンネルラベルおよびVCラベルに基づいて転送可能なものである。
ここで、各ルータ間を接続する黒い太線はVCラベルを表し、また、VPLSにおけるトンネルラベルは、MPLS網50におけるPE(プロバイダエッジルータ、LERと表示されたもの。)間を接続するパスを表す。
プロトコル識別子は、複数のルータ(ルータアドレス又はルータ宛先)を指定して同一データを送信するマルチキャストと、不特定多数のルータに対してデータを送信するブロードキャストとをともに複製対象と識別し、また、単一のアドレスを指定して特定のデータを送信するユニキャストを非複製対象と識別するためのものである。
なお、下位レイヤと上位レイヤとの関係は、相対的に決定することもできる。
(1)概略的な構成
(1−1)MPLS網50およびユーザ網51a,51b
このMPLS網50は、外部のユーザ網51a,51bと接続されている。ここで、ユーザ網51a,51bは、例えばIP網であって、いずれも、LAN,IPルータ,パーソナルコンピュータ(パソコン)又はワークステーション等を有する。なお、図10に示す符号A1〜A2と符号B1〜B4を付したものとは、それぞれ、ユーザ網51a,51bに属するユーザ(通信装置又は通信端末)である。
MPLS網50は、例えばイーサネットパケットのようなレイヤ2フレームおよび各種プロトコルのフレームに、既存のトンネルラベル,VCラベルおよびVCIDと、本発明のフレーム転送方法が適用されたマルチキャスト用のトンネルラベル,VCラベルとのうちの1又は複数のラベルを付与したMPLSフレームを、MPLS網50に属する1又は複数のルータに対して転送し、各ルータがそれらのトンネルラベル,VCラベル等を参照して転送パスを決定するようになっている。
そして、MPLS網50は、入口ルータ(LER)1と、中継ルータ(LSR)2a〜2cと、出口ルータ3a〜3cとのMPLSに対応した多数のルータをそなえて構成されている。なお、以下の説明において、これらの入口ルータ1、中継ルータ2a〜2cおよび出口ルータ3a〜3cを総称するときは単にルータとも呼ぶ。
MPLS網50におけるフレーム転送方向は、多数の方向のうちの入口ルータ1から各出口ルータ3a〜3cへの方向を例示しており、所望のルータ間において転送方向は設定可能である。
(1−2)トンネルラベルおよびVCラベル
図2はトンネルラベルおよびVCラベルを説明するための図である。この図2に示すリンク53は、例えば中継ルータ2aと中継ルータ2bとの間の実際の伝送路である。そして、入口ルータ1は、出口ルータ3a〜3cのいずれか一台又は全台との間において、リンク53について例えば2本のトンネルLSP54,55を設定し、さらに、トンネルLSP54,55のそれぞれについて例えば3本のVCラベル54a〜54cおよびVCラベル55a〜55cを設定するようになっている。
また、MPLS網50が転送可能なフレームは、イーサネットパケットのほかに、SONETフレーム等の各種プロトコルのフォーマットを有するフレームをも、トンネルラベルおよびVCラベルを付与してMPLSフレーム化し、転送可能になっている(従って、MPLSと呼ばれる。)。
(1−3)パケットおよびフレーム
ユーザ網51a,51bはそれぞれMPLS網50に対して、IPパケットおよびイーサネットパケット(MACパケット)を送信する。ここで、イーサネットパケットは転送データの基本単位であって、レイヤ2パケットと称する。また、IPパケットはレイヤ2の上位レイヤ(例えばレイヤ3)によってヘッダを付与されてカプセル化されたものであり、これがレイヤ3フレームなのである。
さらに、MPLS網50において転送されるフレームはMPLSヘッダを付与されてカプセル化されたものであって、MPLSフレームと称する。
そして、MPLS網50はユーザ網51a,51bのそれぞれに対して、MPLSフレームのヘッダを除去したものを送信し、具体的には、MPLS網に転送される前の元のパケット又はフレームを送信する。すなわち、IPパケットおよびイーサネットパケット等が送信されるのである。
以下の説明においては、特に断らない限り、上記したパケット又はフレームが転送されるものとする。
(1−4)入口ルータ1,中継ルータ2a〜2cおよび出口ルータ3a〜3c
入口ルータ1(図1)は、MPLS網50の外部からのイーサネットパケットにトンネルラベルおよびVCラベルを付与したMPLSフレームをMPLS網50にプッシュする入口エッジルータとして構成されている。この入口ルータ1は、MPLS網50がユーザ網51aと接続するエッジに設けられた始点ノードとして機能し、MPLS網50に属する中継ルータ2aとMPLS網50に属する他の中継ルータとの両方と通信する。
中継ルータ2a〜2cは、いずれも、トンネルラベルおよびVCラベルに基づいてMPLSフレームをMPLS網50に転送する中継ルータとして構成されている。そして、例えば中継ルータ2aは、MPLSフレームに含まれるトンネルラベルおよびVCラベルを参照してそのMPLSフレームをMPLS網50に属する他の中継ルータ2b,2c,入口ルータ1,1台又は全台の出口ルータ3a〜3c等に転送し、また、アドレス学習をも行なう。中継ルータ2b,2cも、この中継ルータ2aと同様に、MPLSフレームを転送する。
出口ルータ3a〜3cは、それぞれ、MPLS網50から転送されたMPLSフレームに付与されたトンネルラベルおよびVCラベルを除去してMPLS網50の外部に送信する出口エッジルータとして構成されており、また、MPLS網50における終点ノードとして機能している。
そして、MPLS網50におけるルーティングについては、LSP(ラベル交換パス)の始点の入口ルータ1とLSPの終点の各出口ルータ3a〜3cとの間に設けられた各中継ルータ2a〜2cが、それぞれ、MPLSフレームの受信ラベルと送信ラベルとの対応関係を保持するラベルテーブルを有し、このラベルテーブルに基づいて行なわれる。中継ルータ2a〜2cは、このラベルテーブルを参照して受信フレームのトンネルラベルおよびVCラベルをスワップして転送する。
これにより、ユーザ網51aからMPLS網50に転送された外部フレーム(又は外部パケット)は、入口ルータ1にて既存技術におけるトンネルラベル,VCラベルと、本発明を適用して新規に定義したトンネルラベル,VCラベルと、後述するVCID等とのうちから選択された(トンネルラベル,VCラベル)又は(VCID)を付与されてMPLSフレーム化され、次段の中継ルータ2aに転送される。
そして、MPLSフレームは、中継ルータ2aにて、そのMPLSフレームのラベルが参照されて転送先ルータが決定され、そのMPLSフレームのラベルが次段の中継ルータ2b,2cに割り当てられたラベルに付け替えられて転送される。そして、MPLS網50を転送されたMPLSフレームは、各出口ルータ3a〜3cからユーザ網51a,51bに出力される。
なお、MPLS網50において、各出口ルータ3a〜3cから入口ルータ1に対してMPLSフレームを転送することもできるが、以下、特に断らない限り、入口ルータ1から各出口ルータ3a〜3cにフレームを転送する例について説明する。
(2)フレームフォーマット
図3(a)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用MPLSフレームのフォーマット例を示す図であり、また、図3(b)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用MPLSフレームに含まれる情報種別を示す図である。この図3(a)に示すマルチキャスト用MPLSフレーム69は、複製又は非複製を識別する「プロトコルタイプ」(プロトコル識別子)を含むレイヤ2フレーム(ユーザフレーム)70と、後述するMACブリッジ処理に用いられるヘッダ情報(トンネルラベルおよびVCラベル)が書き込まれたMPLSヘッダ71とを有する。
この図3(a)に示すレイヤ2フレーム70は、「ユーザデータ」,「プロトコルタイプ」,送信元MACアドレス「X」および送信先MACアドレス「Y」等の各フィールド(領域)を有する。
また、図3(a)に示すMPLSヘッダ71は、「VC」,「ET」,「a」および「b」の各フィールドを有し、各フィールドは、レイヤ2フレーム70の外側に順番に付加されている。すなわち、スタックされている。
ここで、「VC」は例えば「1234」等のVCID(ユーザ識別子)を示すフィールドであり、「ET」はフレームの「プロトコルタイプ」を示すフィールドであって、例えばイーサネットパケットを表し、「0x8848」(0xは16進数を示す。)等が書き込まれる。そして、「a」は「送信元MACアドレス」(例えばp1)であり、「b」は「送信先MACアドレス」でありブロードキャストを示す「0xFFFFFFFFFFFF」等が書き込まれている。
ここで、送信元MACアドレスと送信先MACアドレスとは、いずれも、レイヤ2フレームおよびMPLSフレームの両方に含まれており、入口ルータ1は、レイヤ2フレームの「送信元MACアドレス」および「送信先MACアドレス」を、MPLSフレームの「送信元MACアドレス」および「送信先MACアドレス」に複製して書き込む。すなわち、レイヤ2フレームについては、入口ルータ1が、レイヤ2ヘッダの「送信先MACアドレス」に、レイヤ2フレームがマルチキャストフレームの場合は「ユーザフレームの送信先MACアドレス」を書き、また、ブロードキャストフレームの場合は「0xFFFFFFFFFFFF」を書き込む。なお、宛先不明の場合もブロードキャストと同様である。
さらに、入口ルータ1は、レイヤ2ヘッダの「a」,「b」で表される「送信元MACアドレス」に、入口ルータ1自身のMACアドレス「p1」を書き込み、「イーサタイプ」に、「0x8848」を書き込む。
一方、中継ルータ2a〜2cは、受信フレームのレイヤ2ヘッダの「イーサタイプ」を参照してマルチキャストと識別し、受信フレームをMACブリッジ処理部10b(図6参照)に出力する。MACブリッジ処理部10bは、受信フレームに含まれる送信先MACアドレス「0xFFFFFFFFFFFF」又はマルチキャストアドレスが登録されたものか否かについて、マルチキャスト用MACアドレステーブル11a(図8(a))を検索することによって知り、フレームを送信する出力ポートを決定する。
このように、各ルータ(入口ルータ1,中継ルータ2a〜2c,出口ルータ3a〜3c)は、いずれも、MPLSヘッダ71の外側を参照してMPLSフレームを処理する。
(3)MPLS網50におけるVCラベルおよびトンネルラベルの一例
図1に示す入口ルータ1から出口ルータ3a〜3cのそれぞれへのLSPのVCラベルは、出力ポートと対応付けられており、一例として、それぞれ、102,103,104と設定されている。
図4(a)〜図4(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るトンネルラベルを説明するための図であり、これらの図4(a)〜図4(c)に示す符号のうち図1にて説明したものと同一の符号を有するものは同一のものを示す。この図4(a)に示すトンネルラベル(ラベル値21〜23)は、各ルータ間について付与される。例えば、入口ルータ1および中継ルータ2a間が21であり、中継ルータ2aおよび中継ルータ2b間が22であり、そして、中継ルータ2bおよび出口ルータ3a間は23にそれぞれフレーム転送の前に予め設定される。同様に、入口ルータ1および出口ルータ3b間のトンネルラベルと、入口ルータ1および出口ルータ3c間のトンネルラベルは、それぞれ、図4(b)および図4(c)に示すラベル値(例えば、31〜33,41〜43)が予め設定される。なお、これらのトンネルラベル値は種々の値を用いることができる。
(4)入口ルータ1の構成
入口ルータ1は、中継ルータ2a〜2cからのMPLSフレームをユーザ網51aに転送するとともに、ユーザ網51aに属するパソコン,ワークステーション又はLAN等(以下、これらをユーザサイトと称する。)からのマルチキャストフレーム,ブロードキャストフレームおよびユニキャストフレームの各フレームをMPLS網50の各中継ルータ2a〜2cに転送する。
入口ルータ1は、ユーザ網51aからのレイヤ2フレームに含まれる「プロトコルタイプ」(図3(b)参照)を読み込むことによりキャスト種別を判定する。また、入口ルータ1は、出口ルータ3a〜3cのそれぞれに対して、ユーザ識別子VCIDが「1234」を有する同一のMPLS網50に属する中継ルータ2a〜2c等に宛ててブロードキャストフレーム又はマルチキャストフレームを送信できるようにもなっている。
図5は本発明の第1実施形態に係る入口ルータ1のブロック図である。この図5に示す入口ルータ1は、フレーム受信部10a,MACブリッジ処理部(判定部:MACブリッジ部とも言う。)10b,第1フレーム送信部10c,マルチキャスト用MACアドレステーブル11,ラベルスイッチ部12,トンネルラベルテーブル15,VCID付与部(VC ID付与部)13,L2ヘッダ作成部10d,第2フレーム送信部10e,入力ポート群(受信ポート群)56a,出力ポート群(送信ポート群)56bをそなえて構成されている。
ここで、入力ポート群56aは、パケット又はフレームの複数の受信ポートを有し、フレーム受信部10aは、ユーザ網51aからのフレームと中継ルータ2a〜2cからのフレームとの両方を複数の入力ポートを介して受信するものである。また、出力ポート群56bは、パケット又はフレームの複数の送信ポートを有し、第1フレーム送信部10cは、中継ルータ2a〜2cからのMPLSフレームを複数の出力ポートからユーザ網51bに転送し、また、MACブリッジ処理部10bからのフレームを送信する。
また、MACブリッジ処理部10bは、受信レイヤ2フレームについて、受信レイヤ2フレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定するものであり、判定部として機能している。
さらに、以下に述べるラベルスイッチ部12,VCID付与部13,トンネルラベルテーブル15,L2ヘッダ作成部10d,第2フレーム送信部10eが協働することにより、MACブリッジ処理部10bにて非複製対象と判定された受信レイヤ2フレームを通過処理するとともに、MACブリッジ処理部10bにて複製対象と判定された受信レイヤ2フレームに、トンネルラベルおよびVCラベルを付与したMPLSフレームを転送する転送処理部として機能する。
従って、転送処理部が、複製対象フレームの転送元のユーザ拠点としての入口ルータ1を示すVCラベル(ユーザ拠点識別パスラベル)および複製対象フレームの仮想パスを示すトンネルLSPラベルを付与して転送する。
これにより、LSPの数が増加したときに、エントリ数の増加が抑制され、トンネルラベルの付け替え処理(スイッチ処理)の複雑化が防止される。
MACブリッジ処理部10bは、ユーザ網51aからのフレームが、ユニキャストフレーム,マルチキャストフレーム,ブロードキャストフレーム又は宛先不明のユニキャストフレームのいずれかを判定しその判定したフレームを転送処理するものである。具体的には、MACブリッジ処理部10bは、ユニキャストフレームをラベルスイッチ部12に出力し、また、マルチキャストフレーム,ブロードキャストフレームおよび宛先不明フレームをVCID付与部13に出力する。このフレーム種別の判定のために、MACブリッジ処理部10bは、マルチキャスト用MACアドレステーブル11を参照する。
図8(a)は本発明の第1実施形態に係るマルチキャスト用MACアドレステーブル11の一例を示す図であり、この図8(a)に示すマルチキャスト用MACアドレステーブル11は、ユーザ毎に(VCID毎に)MACアドレスと複数の出力ポートとを対応付けて保持している。これにより、MACブリッジ処理部10bは、受信フレームの複製の要否を判定する。
例えば、受信フレームの「送信先MACアドレス」が「0xFFFFFFFFFFFF」の場合、MACブリッジ処理部10bは、ブロードキャストフレームと判定し、その受信フレームを出力ポート2,3に出力する。また、MACブリッジ処理部10bはMPLS網50からユーザ網51aへのフレームについて第1フレーム送信部10cにそのフレームを出力する(例えば図7参照)。
従って、MACブリッジ処理部10bは、「送信先MACアドレス」に基づくフレーム振り分け機能を発揮する。
次に、ラベルスイッチ部12(図5)は、フレームを転送する前に出口ルータ3a〜3cのそれぞれとの間において、予めトンネルラベルおよびVCラベルを設定し、MACブリッジ処理部10bにてユニキャストフレームと判定されたフレームに、VCラベルとトンネルラベルとを付与して出力するものである。ここで、ラベルスイッチ部12は、フレームにVCラベルを付与して出力するVCラベルプッシュ部12aと、フレームにトンネルラベルを付与して出力するトンネルラベルプッシュ部12bとを有する。なお、トンネルラベルプッシュ部12bについては後述する。
従って、入口ルータ1は、同一MRLSフレームの複製のための負担が軽減する。
さらに、VCID付与部13(図5)は、MACブリッジ処理部10bにてマルチキャストフレームと判定されたフレームに、VCID,「プロトコルタイプ」を付与しその付与したフレームをL2ヘッダ作成部10dに出力して送受信MACアドレスを付与する。
具体的には、VCID付与部13は、マルチキャストMPLSフレーム(図3(a))のMPLSヘッダ71のVC,「プロトコルタイプ」のそれぞれに、例えば「1234」,「0x8848」を書き込み、また、そのフレームの送信元MACアドレス「a」を入口ルータ1自身のMACアドレス「p1」に設定する。さらに、VCID付与部13は、受信フレームがマルチキャストフレームの場合はレイヤ2フレーム70(図3(a))の送信先MACアドレスに「Y」を設定し、また、受信フレームがマルチキャストフレーム又は宛先不明のユニキャストフレームの場合は「送信先MACアドレス」に「0xFFFFFFFFFFFF」を設定する。これにより、MPLSフレームが生成され、入口ルータ1から中継ルータ2a〜2cに対して送信されるのである。
このように、入口ルータ1は、ユーザサイトから受信したマルチキャストフレームにユーザ識別子VCIDを付与し、レイヤ2ヘッダの「送信元MACアドレス」に出力ポートのレイヤ2アドレスを付与し、「プロトコルタイプ」にマルチキャストMPLS(0x8848)を選択して書き込みしてカプセル化し、このカプセル化したフレームをMPLS網(MPLS L2 VPN)50に転送する。
また、本発明の入口ルータ1と従来の入口ルータ#1(図36参照)とを比較すると、従来の入口ルータ#1は、MACブリッジ処理部93bにてマルチキャストフレーム,ブロードキャストフレーム又は宛先不明のユニキャストフレームと判定されたフレームを複製するのに対して、本発明の入口ルータ1は、マルチキャストフレームにVCIDを付与したフレームだけを出力する。
従って、本発明の入口ルータ1と例えば次段の中継ルータ2aとの間における複数のフレーム伝送が防止される。
また、L2ヘッダ作成部10d(図5参照)は、トンネルラベルプッシュ部12b又はVCID付与部13から出力されたフレームのMPLSヘッダを作成するものであり、第2フレーム送信部10eは、L2ヘッダ作成部10dから出力されたユーザ網51aからのフレームをMPLS網50に対して送信するものである。
これにより、ユーザ網51aからのレイヤ2ユニキャストフレームのうちの宛先不明でないユニキャストフレームは、入口ルータ1において、各ラベルを付与されてMPLS網50に転送され、ポイントツーマルチポイントの通信が実現される。この一方、外部からのレイヤ2フレームがマルチキャストフレーム,ブロードキャストフレーム又は宛先不明のユニキャストフレームの場合は転送されずに、レイヤ2フレームのままMPLS網50にブリッジされる。すなわち、このブリッジは、MACアドレステーブルに基づいて、レイヤ2において、フレームを転送する。そして、MPLS網50からのMPLSフレームは、転送されてユーザ網51bにブリッジされる。
(5)中継ルータ2a〜2c
図6は本発明の第1実施形態に係る中継ルータ2aのブロック図である。この図6に示す中継ルータ2aは、フレーム受信部20a,判定部20b,MACブリッジ管理部21,第1フレーム送信部20c,L2ヘッダ除去部20d,ラベルスイッチ部22,トンネルラベルテーブル15,L2ヘッダ作成部20eをそなえて構成されている。また、中継ルータ2b,2cも、中継ルータ2aと同一構成である。
ここで、フレーム受信部20aは、中継ルータ2b,2cおよび入口ルータ1からのフレームを受信するものである。
判定部20bは、MPLSフレームに含まれる「プロトコルタイプ」に基づいてMPLSフレームについて複製対象又は非複製対象を判定するものである。ここで、受信フレーム(図3(a)参照)の「プロトコルタイプ」には、物理レイヤがイーサネットの場合は、マルチキャストMPLSが「0x8848」とされ、また、ユニキャストMPLSが「0x8847」とされ、さらに、物理レイヤがSONET又はSDH(Synchronuos Digital Hierarchy)の場合は、マルチキャストMPLSが0x0283とされ、ユニキャストMPLSとして、0x0281がそれぞれ書き込まれる。
これにより、物理レイヤがイサーネット又はSONETあるいはSDHの各プロトコルである場合はマルチキャストMPLS,ユニキャストMPLSの各種のプロトコルが適用されたフレーム種別が判定され、また、フレーム種別を判定できないフレームは廃棄される。
なお、これらは、いわゆるデファクトスタンダードであり、光ファイバを用いた高速ディジタル通信方式の国際規格である。SDHは、また、インターネットサービスプロバイダ間を接続するインターネットのバックボーン回線などに用いることもできる。ここで、SDHは主にヨーロッパで用いられ、北アメリカではSONETと呼ばれるので、混乱を防止のためにSONET/SDHと表記するのが一般的になっている。SONET/SDHは主に物理層の仕様を規定しており、データリンク層のプロトコルにはATM(Asynchronous Transfer Mode)が用いられることが多い。
ATMとは、高速に情報通信を行なう技術で、53バイトの固定長データ列(ATMセル)を単位として情報を送受信する。光ファイバとの併用により、156Mbpsの高速転送ができるため、LAN間接続など大容量の回線が必要なときに利用される。
なお、中継ルータ2a〜2cは、いずれも、イーサネットにおいてMPLSフレームを転送し、マルチキャストMPLSフレームを識別可能であり、また、PoSにおいてMPLSフレームを転送し、マルチキャストMPLSフレームを識別可能になっている。中継ルータ2a〜2cのフレーム識別機能は、後述する第2実施形態以降の各実施形態においても同様に有する。
MACブリッジ管理部21(図6)は、判定部20bにてマルチキャストMPLSパケットと判定されるとそのフレームをブリッジするものであって、上記のMACブリッジ処理部10bと、入口ルータ1に設けられたMACブリッジ処理部11とほぼ同一のマルチキャスト用MACアドレステーブル11aとを有する。
(5−1)マルチキャスト用MACアドレステーブル11a
このマルチキャスト用MACアドレステーブル11aは、MACアドレスと出力ポートとを対応付けて保持するものである。さらに、MACブリッジ処理部10bは、マルチキャストフレームを転送するために、マルチキャスト用MACアドレステーブル11aにエントリを登録できるようになっている。MACブリッジ処理部10bは、処理したフレームのMACアドレスと出力ポートとの対応関係をこのマルチキャスト用MACアドレステーブル11aに登録し、これにより、各出口ルータ3a〜3cは、受信したマルチキャストフレームからレイヤ2フレーム70(図3(a))についてアドレス学習する。
さらに、マルチキャスト用MACアドレステーブル11aの生成方法は、イーサネットにおいて受信を希望するマルチキャストアドレスを広告するGMRPメッセージフレーム(IEEE 802.1D)又は受信を希望するVLANタグを広告するGVRP(IEEE 802.1Q)メッセージフレームを、中継ルータ2aがユーザ網51aに属するルータとの間において交換することにより、又はサービスプロバイダ等のサービス提供者の手動により行なわれる。
ここで、GMRPメッセージ又はGVRPメッセージを用いたマルチキャストMACアドレスの登録は、そのマルチキャストMACアドレスを有するユーザ装置の属するMPLS網50(ユーザVPN)を識別する必要がある。このため、両メッセージ等の交換において、そのユーザの転送元ルータは、両メッセージのシムヘッダ(図4(a)参照)にVCIDを付与する。また、両メッセージの交換は、マルチキャストフレームのループおよび無駄な転送を防止するために、STP(Spanning Tree Protocol:IEEE 802.1D)を用いることが望ましい。
そして、MACブリッジ管理部21(図6)の出力側に設けられた第1フレーム送信部20cは、MACブリッジ処理部10bから出力されたフレーム又はL2ヘッダ作成部20eから出力されたフレームを入口ルータ1,出口ルータ3a又は中継ルータ2b,2c等に送信するものであって、複数の出力ポートを有する。
(5−2)受信フレームの処理方法
これにより、MPLS網50に属する中継ルータ2b,2c,入口ルータ1又は出口ルータ3aからの受信フレームは、判定部20bにてその「プロトコルタイプ」が読み込まれ、この「プロトコルタイプ」が「0x8848」の場合はマルチキャストイーサネットパケットと判定されてその受信フレームはMACブリッジ管理部21に入力され、また、「0x8847」の場合はユニキャストイーサネットパケットと判定されてその受信フレームはL2ヘッダ除去部20dに入力される。
さらに、マルチキャストMPLSと判定されたフレームは,MACブリッジ管理部21において、VCIDが「1234」のマルチキャスト用MACアドレステーブル11a(図8(a))を検索される。この検索結果に基づいて、送信先MACアドレス「0xFFFFFFFFFFFF」を有するフレームは、出力ポート2,3のそれぞれに転送され、これにより、フレームの転送先が決定される。
また、MACブリッジ処理部10bは必要に応じてフレームを複製して転送する。具体的には、MACアドレスが「0xFFFFFFFFFFFF」である場合、ブロードキャストフレーム又は宛先不明フレームと認識されて、そのフレームは、フレーム送信部20cの出力ポート2,3にそれぞれ出力される。
このように、マルチキャストMPLSと判定されたパケットは、各中継ルータ2a〜2cにおいてブリッジされる。
(5−3)転送処理部
また、L2ヘッダ除去部20d(図6)は、判定部20bにてユニキャストフレームと判定されたフレームのヘッダを除去するものである。
ラベルスイッチ部22は、L2ヘッダ除去部20dから出力されたユニキャストフレームにトンネルラベルを付与するものであって、次段の中継ルータ2b,2cのトンネルラベルを付け替え処理するトンネルラベルスワップ部22aを有する。このトンネルラベルスワップ部22aは、トンネルラベルテーブル15を検索して付与する。
このトンネルラベルスワップ部22aは、トンネルラベルテーブル15を検索し、受信ラベル値が登録されている(エントリがある)場合はその受信フレームにトンネルラベルを付与して出力する。また、受信ラベル値が登録されていない(エントリがない)場合は、その受信フレームを廃棄する。
なお、エントリは、確立されたLSP毎に作成されるので、トンネルラベルスワップ部22aは、複数のトンネルラベルのマージ(まとめること又は束ねること)又はスタック等の階層化技術を用いることによって、トンネルラベルテーブル15のエントリを削減することが好ましい。
また、L2ヘッダ作成部20eは、ラベルスイッチ部22から出力されたフレームのL2ヘッダを作成してそのL2ヘッダを付与したフレームをフレーム送信部20cに出力するものである。
さらに、MACブリッジ管理部21,第1フレーム送信部20c,L2ヘッダ除去部20d,ラベルスイッチ部22,ユニキャスト用トンネルラベルテーブル14,L2ヘッダ作成部20eが協働することにより、転送処理部として機能している。すなわち、転送処理部は、判定部20bにて非複製対象フレームと判定されたMPLSフレームをブリッジ転送するとともに、判定部20bにて複製対象フレームと判定されたMPLSフレームについて、複製処理と、VCラベルおよびトンネルLSPラベルの付け替え処理とを行なうようになっている。
なお、中継ルータ2b,2cの構成も中継ルータ2aと同様である。
(5−4)ラベル処理
さらに、MPLS網50において、ユーザサイトから受信したマルチキャストフレーム,ブロードキャストフレーム又は宛先不明のユニキャストフレームは、同一のMPLS網50に属する複数のユーザサイトへ送信される必要がある。このため、MPLSフレームは、MPLS網50の中継ルータ2a〜2cにおいて必要に応じて複製される。
従って、同一リンクにおいて同一フレームが複製転送されず、MPLS網50の負荷の増大が防止される。
既存のMPLS網におけるMPLSフレームは、各中継ルータ2a〜2cのラベル処理において転送されるのに対して、このMPLS網50においては、マルチキャストフレームおよびブロードキャストフレームが、ともに、MACブリッジ処理によって転送される。そして、入口ルータ1は、レイヤ2フレームをカプセル化するときに、ユニキャストフレームの「イーサタイプ」に「0x8847」を付与し、マルチキャストフレームの「イーサタイプ」に「0x8848」をそれぞれ付与し、これにより、中継ルータ2a〜2cおよび各出口ルータ3a〜3cはフレーム種別を識別する。
これにより、各中継ルータ2a〜2cは、ラベル処理の負担が軽減される。
(6)出口ルータ3a〜3c
図7は本発明の第1実施形態に係る出口ルータ3aのブロック図である。この図7に示す出口ルータ3aは、フレーム受信部30a,判定部30b,ポップ処理部31,アドレス学習用VCラベルテーブル32,L2ヘッダ除去部30c,ラベルスイッチ部34,VCラベルバインドテーブル35,MACアドレステーブル33,MACブリッジ処理部(MACブリッジ部)30d,第1フレーム送信部30eのそれぞれをそなえて構成されている。また、出口ルータ3b,3cも、出口ルータ3aと同一構成である。
(6−1)フレーム受信およびフレーム判定
フレーム受信部30aは、MPLS網50に属する中継ルータ2a〜2cからのMPLSフレームとユーザ網51aからのレイヤ2フレームとを受信するものである。また、判定部30bは、フレーム受信部30aからの受信フレームのフレーム種別を判定するものである。判定部30bは、受信フレームの「プロトコルタイプ」を読み出し、「プロトコルタイプ」が「0x8848」又は「0x8847」の場合、それぞれ、マルチキャストMPLS又はユニキャストMPLSと判定し、また、「プロトコルタイプ」を読み出すことができないフレームを宛先不明フレームと判定して廃棄する。
(6−2)ユニキャストフレーム処理
L2ヘッダ除去部30cは、判定部30bにてユニキャストフレームと判定された受信フレームのレイヤ2ヘッダを除去するものである。
ラベルスイッチ部34は、L2ヘッダ除去部30cからのフレームから、トンネルラベル又はVCラベル(必要に応じて両方のラベル)を除去(ポップ)するラベル除去機能と、トンネルラベルを除去されたフレームのMACアドレスおよびVCラベルを学習するアドレス学習機能とを有する。
ここで、ラベル除去機能は、受信フレームからトンネルラベルを除去するトンネルラベルポップ部34cとVCラベルを除去するVCラベルポップ部34bとの協働により発揮される。
さらに、MACブリッジ処理部30dは、ポップ処理部31のVCID除去部31cからのフレーム(L2ヘッダ,VCIDをともに除去されたフレーム)について、MACアドレステーブル33を参照することによりブリッジし、また、ラベルスイッチ部34にてVCラベルを除去されたフレームをブリッジするものである。
なお、第1フレーム送信部30eは、MACブリッジ処理部30dからのフレームをユーザ網51bに送信するものである。
(6−3)アドレス学習
アドレス学習機能は、アドレス学習部34aとVCラベルバインドテーブル35とMACアドレステーブル33とのそれぞれが協働することによって発揮される。
VCラベルバインドテーブル35は、「送信元MACアドレス」とVCラベルとを対応付けて保持するものである。アドレス学習部34aは、このVCラベルバインドテーブル35から、VCラベル,MACアドレスを参照して学習するようになっている。
図40はアドレス学習方法を説明するための図であり、この図40に示す符号で上述したものと同一のものは同一のものを示す。ここで、MPLS網50には、同一のVCIDを有するユーザサイトA1,A2,A3(同一のVPLSセグメントとして機能するサイトを示す。)が接続されている。ここで、MACアドレスM1有するユーザサイトA1と、ユーザサイトA2との間において、レイヤ2フレームが送受信されるようになっている。
最初に、入口ルータ#1,出口ルータ#2がともに、MACアドレスM1,M2のエントリがない状態において、入口ルータ#1がMACアドレスM1のフレームを受信すると、そのフレームにVCラベル(例えば201)を付与してMPLSフレームを転送する。
出口ルータ#2は、転送されたMPLSフレームを受信してVCラベルが201を得て、VCラベルバインドテーブル35(図7)を参照し、MACアドレスM1と、出口ルータ#2から入口ルータ#1への方向(転送された方向と反対方向)についてのVCラベル(例えば102)とを関連付けて、MACアドレステーブル33(図7)にエントリを作成する。これにより、MACアドレスM1が学習される。
次に、出口ルータ3aは、ユーザサイトA4から、送信先MACアドレスM1を有するフレームを受信すると、MACアドレステーブル33(図7)から、MACアドレスM1を検索しこのMACアドレスM1に対応するVCラベル102を得る。そして、出口ルータ3aは、その受信フレームのVCラベルを102に設定し、MPLSフレームをMPLS網50に転送する。
このように、入口ルータ1と出口ルータ3aとの間において、アドレス学習が行なわれる。
(6−4)マルチキャストフレーム処理
図7に示すポップ処理部31は、転送処理部として機能し、MPLSフレームの「送信元MACアドレス」と、トンネルラベルおよびVCラベルとの対応を学習するとともに、トンネルラベルおよびVCラベルを除去したレイヤ2フレームをMPLS網50の外部に送信するものであって、カプセル化された受信フレームのL2ヘッダを除去するL2ヘッダ除去部31bと、受信フレームのVCIDを除去するVCID除去部31cと、受信フレームのソースアドレス(SA:Source Address=送信元MACアドレス)およびアウトバンドVCラベルをアドレス学習用VCラベルテーブル32を用いて学習するアドレス学習部31aとをそなえて構成されている。
また、アドレス学習用VCラベルテーブル32は、例えば図8(b)に示すように、「VCID」,「送信元MACアドレス(SA)」,「アウトバンドVCラベル」のそれぞれを対応付けて保持するものであり、出口ルータ3aと入口ルータ1との間におけるメッセージ交換等により作成される。
そして、ポップ処理部31(図7)は、未だアドレスを知らない送信元入口ルータのソースアドレスを、受信フレームのL2ヘッダに含まれる「送信元MACアドレス」から判別し、また、VCラベルをフレームに含まれるVCIDと、送信元の入口ルータ1から得たマルチキャスト用VCラベルテーブルとを参照してアドレス学習用VCラベルテーブル32(図8(b))の情報を確定する。
さらに、MACアドレステーブル33は、MACアドレスとVCラベルとを対応付けて保持するものであって、このMACアドレステーブル33が参照されることによりアドレス学習およびブリッジ処理が行なわれる。
これにより、フレーム受信部30aがMPLS網50からのフレームを受信し、判定部30bがマルチキャストフレームと判定すると、アドレス学習部31aは、VCID「1234」と送信元MACアドレス「p1」とに基づいてアドレス学習用VCラベルテーブル32を検索し、VCラベル(例えば301)を知る。さらに、アドレス学習部31aは、このVCラベル「301」とMACアドレス「X」と出力ポート「1」とを1組のエントリとして、VCID毎に設けられたMACアドレステーブル33にVCID「1234」を登録する。
また、これにより、ユーザ網51aからのレイヤ2フレームは、その送信先MACアドレスに基づいてMPLS網50を転送され、送信先のユーザサイトに接続された例えば出口ルータ3aにのみ送信される。
従って、入口ルータ1および出口ルータ3a〜3cの間の無駄なフレーム複製およびフレーム転送を回避でき、MPLS網50の負荷を軽減できる。
このように、MPLS網50において、冗長又は不要なフレーム転送が防止され、帯域を効率的に使用できる。
(7)下位レイヤフレーム仮想転送システム
また、本発明のMPLS網(仮想網システム)50は、入口ルータ1と、中継ルータ2a〜2cと、出口ルータ3a〜3cとをそなえ、上記の入口ルータ1,中継ルータ2a〜2cおよび出口ルータ3a〜3cが、受信レイヤ2パケット又は受信MPLSフレームについて、受信レイヤ2パケット又は受信MPLSフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定部(10b,20b,30b)と、判定部(10b,20b,30b)にて非複製対象と判定された受信レイヤ2パケット又は受信MPLSフレームを通過処理し、判定部(10b,20b,30b)にて複製対象と判定された受信レイヤ2フレーム又は受信MPLSフレームに、ユニキャスト用のトンネルラベルおよびVCラベルとマルチキャスト用のトンネルラベルおよびVCラベルとVCID(ユーザ識別子)とを付与して転送する転送処理部とをそなえて構成されている。
(8)動作説明
上述の構成により、本発明の第1実施形態に係るフレーム転送方法について、図3(a),図8(b),図9(a)および図9(b)をそれぞれ参照して、詳述する。
図9(a)および図9(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るフレーム転送方法を説明するための図である。なお、この図9(a)に示す符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを示す。
本発明の第1のフレーム転送方法(「方式1」)は、複製対象又は非複製対象を識別するプロトコル識別子を含むレイヤ2フレームとトンネルラベルおよびVCラベルとを有するMPLSフレームをトンネルラベルおよびVCラベルに基づいて転送可能なMPLS網50におけるものである。
(8−1)図9(a)に示す入口ルータ1は、ユーザ網51aからユニキャストフレームを受信すると、通常処理として、そのユニキャストフレームにトンネルラベルおよびVCラベルを付与する。
一方、入口ルータ1は、ユーザサイトから複製が必要なマルチキャストフレーム,ブロードキャストフレームおよび宛先不明のユニキャストフレームのいずれかを受信すると、各フレームに含まれる「プロトコルタイプ」と、各フレームに含まれる「送信先MACアドレス」との両方について処理する。
「プロトコルタイプ」について、入口ルータ1は、各フレームのL2ヘッダの「プロトコルタイプ」にマルチキャストMPLSを選択して書き込む。例えば、転送メディア(物理メディア)がイーサネット(Ethernet)パケットを受信した場合、入口ルータ1は、「0x8848」(ユニキャストMPLSは「0x8847」)を付与し、また、PoSの場合は0x0283(ユニキャストMPLSは0x0281)を付与する。そして、入口ルータ1は、そのフレームを1個出力する。
また、「送信先MACアドレス」について、入口ルータ1は、L2ヘッダの「送信先MACアドレス」に、マルチキャストフレームの場合はレイヤ2フレームに含まれる「送信先MACアドレス」を書き込み、ブロードキャストフレームの場合は「0xFFFFFFFFFFFF」を書き込む。さらに、入口ルータ1は、「送信元MACアドレス」として入口ルータ1のMACアドレスを指定し、また、転送メディアがイーサネットであるとき、「イーサタイプ」は「0x8848」(マルチキャストMPLS)を書き込む。さらに、入口ルータ1は、VCIDをMPLSシムヘッダ部分に書き込む。
また、入口ルータ1は、ユーザサイトから送信先MACアドレス「Y」および送信元MACアドレス「X」を有するフレームを受信した場合、MACアドレステーブル33を検索し、送信先MACアドレスYが登録されていない場合は、その受信フレームを宛先不明フレームと判定し、ブロードキャストと同一の処理が行なわれる。
従って、本発明の第1のフレーム転送方法は、入口ルータ1が、受信イーサネットパケットについて、受信イーサネットパケットのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定し(判定ステップ)、入口ルータ1が、判定ステップにて非複製対象フレームと(ユニキャストフレーム)、判定された受信イーサネットパケットに、トンネルラベルおよびVCラベルを付与したMPLSフレームを転送し(転送処理ステップ)。そして、通過処理するとともに、判定ステップにて複製対象フレームと判定された受信イーサネットパケットにそして、中継ルータ2a〜2cのいずれかが、転送処理ステップにて転送されたMPLSフレームを複製又は転送する(中継ステップ)。
さらに、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、入口ルータ1が受信イーサネットパケットの「送信先MACアドレス」にマルチキャスト用アドレスを付与したMPLSフレームを転送し、中継ルータ2a〜2cのいずれかが、マルチキャスト用アドレスおよび転送先ルータアドレスを対応付けたアドレス学習用MACアドレステーブル32に基づいて、転送処理ステップにて転送されたMPLSフレームを複製転送する(中継ステップ)。
(8−2)次に、中継ルータ2aは、マルチキャストMPLSフレームを受信した場合は、マルチキャスト用MACアドレステーブル11aを参照して転送先ルータを決定し、マルチキャストフレームおよびブロードキャストフレームを1個複製して、合計2個のフレームをブリッジする。従って、ブロードキャストフレームは、一本の送信リンクに対して、再複製され、図の場合は、中継ルータ2aのようなトンネルLSPの分岐部分において行なわれる。
(8−3)そして、中継ルータ2aからのフレームは、中継ルータ2bを介して出口ルータ3a,3bに転送され、また、中継ルータ2cを介して出口ルータ3cに転送される。各出口ルータ3a〜3cは、アドレス学習するとともに、MPLSヘッダをポップしてユーザ網51bに転送し、これにより、MPLS網において、レイヤ2フレームを仮想的に転送される。
このように、入口ルータ1がブロードキャストフレームを受信して転送するときに、入口ルータ1と中継ルータ2a〜2cとの間を転送するフレームが、リンクあたり1個で済むので、従来の入口ルータが出力していた3個のフレームと比較して、MPLS網50の負担が軽減する。
(8−4)一方、図9(b)は、図9(a)に示す各ルータにおいて受信されたフレーム(マルチキャストおよびユニキャストの各フレーム)を模式的に示す図である。ここで、入口ルータ1が受信したフレームがマルチキャストフレームの場合、入口ルータ1は、レイヤ2フレーム70およびMPLSヘッダ71(図3(a))のうちのレイヤ2フレーム70だけを中継ルータ2aにブリッジする。また、中継ルータ2aは、ブロードキャストフレームについてブリッジ処理し、レイヤ2フレーム70を中継ルータ2b,2cにブリッジし、中継ルータ2b,2cは、それぞれ、MPLSヘッダ71を付与して出口ルータ3aに転送する。
これに対して、入口ルータ1が受信したフレームがユニキャストフレームの場合は、各ルータ間において、レイヤ2フレーム70およびMPLSヘッダ71がともに転送される。換言すれば、入口ルータ1は、マルチキャストフレームを受信するとブリッジ動作をし、また、ユニキャストフレームを受信すると転送する。
このように、入口ルータ1がマルチキャストフレーム等を受信して出力するときに、入口ルータ1および各中継ルータ2a〜2c間のリンクにおいて、同一フレームの送信が回避され、従って、MPLS網50の負荷は軽減される。
さらに、このように、入口ルータ1が宛先不明のユニキャストフレームを受信したときにおいても、MPLS網50の各ルータに対するユニキャストフレームの送信が防止され、やはり、MPLS網50の負荷が軽減される。また、ベストエフォート型の網においても、やはり不要な複製が回避される。
このようにして、本発明のルータによれば、レイヤ2MPLS網50(L2VPN)において、MPLS網50の負荷を最小限に抑制でき、効率的に転送帯域を利用できる。
(B)本発明の第2実施形態の説明
第2実施形態における入口ルータは、同一の出力ポートから複数の中継ルータに対してフレームを転送する必要があるときに、そのフレームをマルチキャストMPLSフレームとして、ユニキャストトラヒックを転送するためのユーザ識別LSPから選択して転送する。そして、中継ルータが、そのフレームを受信すると、ラベルスイッチ部が必要に応じてフレームを複製および転送し、最終的には必要な全てのユニキャスト用ユーザ識別LSPで転送する。
第2実施形態では、VCラベルに、ユーザ識別機能とユーザ拠点識別機能とが付与されるのである。ユーザ識別機能が必要な理由は、主に、各出口ルータのアドレス学習のためであって、各出口ルータ3a〜3cは、どの入口ノードからフレームが送信されたかという情報が必要だからである。例えば、VCラベル値25が、ユーザと入口ルータとの両方を識別する。
また、以下に述べるように、第2実施形態におけるVCLSPは既存のユニキャスト用VCLSPを用いてフレームを転送するようにしている。
図10は本発明の第2実施形態に係るMPLS網50の構成図である。この図10に示すMPLS網50は、例えばユーザ網51aのユーザA1,B1等が、ユーザ網51bのユーザA2,B1又はB3に宛てたパケットを転送するものである。入口ルータ1aは、例えばユーザA1,B2等のユーザ網51aからの受信フレームを、例えばVCラベルを有するLSPを付与して転送するものである。なお、この図10に示すもので上述したものと同一符号を有するものは、上述したものと同一のものを示す。
図11は本発明の第2実施形態に係る入口ルータ1aのブロック図である。この図11に示す入口ルータ1aは、フレーム受信部10a,MACブリッジ処理部10b,第1フレーム送信部10c,マルチキャスト用MACアドレステーブル11,ラベルスイッチ部12,トンネルラベルテーブル15,VC選択部80,L2ヘッダ作成部10d,第2フレーム送信部10eをそなえて構成されている。この図11に示すもので上述したものと同一符号を有するものは、上述したものと同一のものを示す。
ここで、第2実施形態の入口ルータ1aと第1実施形態の図5に示す入口ルータ1との相違点は、入口ルータ1aは、VCID付与部13を有しておらず、また、VC選択部80が設けられている点である。
ここで、VC選択部80は、MACブリッジ処理部10bにおいて、マルチキャストフレームを転送するために付与するVCラベルを、入口ルータ1aが既に登録した複数のユニキャストフレームのVCラベル(ユニキャストVCラベル)の中から選択してその選択したVCラベルをマルチキャストフレームに付与するものである。この複数のユニキャストフレームのVCラベルは、第1フレーム送信部10cに設けられた複数の出力ポートのうちの上記マルチキャストフレームを転送する出力ポートと同一の出力ポートを介して送信するユニキャストフレームVCラベルから選択されるようになっている。
また、VC選択部80におけるVCラベルの選択基準は、例えばVCラベルが最小値又は最大値のものあるいは、出力ポートの番号が最小又は最大のもの等を用いるようにしている。すなわち、ユニキャスト用のユーザ識別LSPラベルから所望のLSPが選択されて、ユーザサイトから受信したマルチキャストフレームが送信される。
従って、転送処理部が、MACブリッジ処理部10bにて複製対象フレームと判定された受信イーサネットパケットに、ユニキャストフレームを転送するための複数のVCLSP(ユーザ拠点識別パス)から選択したVCラベル(ユーザ拠点識別パスのラベル)を付与して転送するようになっている。
また、図12は本発明の第2実施形態に係る中継ルータ2L(2el)のブロック図である。この図12に示す中継ルータ2Lは、受信フレームがマルチキャストフレームである場合に、その受信フレームに付与するVCラベルを検索する機能を有し、フレーム受信部20a,判定部20b,L2ヘッダ除去部20d,L2ヘッダ作成部20e,第1フレーム送信部20c,ラベルスイッチ部22,トンネルラベルテーブル15のほかに、マルチキャスト用VCラベルテーブル14,VCラベル検索部24をそなえて構成されている。また、この図12に示すもので上述したものと同一符号を有するものは、上述したものと同一のものを示す。
図8(c)は本発明の第2実施形態に係るマルチキャスト用VCラベルテーブル14の一例を示す図である。この図8(c)に示すマルチキャスト用VCラベルテーブル14は、LSP毎に、受信フレームのトンネルラベルと、このトンネルラベルについての処理内容とを対応付けて保持している。例えば、ラベルスイッチ部12は、受信フレームのトンネルラベルが21の場合、その受信フレームにトンネルラベル22を付与し出力ポート2から転送し、また、同一の受信フレームのトンネルラベルが21の場合、その受信フレームにトンネルラベル42およびVCラベル104を付与し出力ポート3から転送する。
これにより、受信フレームは、MPLS網50におけるLSP毎に、トンネルラベルを付け替えられて転送され、また、LSPに対応する各ユーザのフレームを個別に転送できる。
また、VCラベル検索部24は、フレーム受信部20aからのマルチキャストフレームにVCラベルを付与し、その付与したフレームを複製するものであって、テーブル検索部24bとフレーム複製部24aとを有する。このテーブル検索部24bは、受信マルチキャストフレームについて、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索するものである。この検索は、マルチキャスト用VCラベルテーブル14のLSP毎に保持された対応データについて、受信フレームのVCラベル値をインデックスとして、VCラベル値に対応付けられた処理内容が読み出される。
さらに、フレーム複製部24aはテーブル検索部24bにて検索されたVCラベルをそのマルチキャストフレームに付与し複製して出力するものである。ここで、各ユニキャストフレームに付与するVCラベルは、中継ルータ2L自身が有する中継ルータ2b,2c宛のLSPに用いられる既存のVCラベルである。
そして、選択されたVCラベルを付与された複数のフレームは、ラベルスイッチ部22に入力される。ラベルスイッチ部22は、トンネルラベルテーブル15に基づいて、入力された複数のフレームのそれぞれにトンネルラベルを付与し、それらのVCラベルとトンネルラベルとを付与したフレームをL2ヘッダ作成部20eに入力する。ここで、VCラベルは、ユーザおよびユーザ拠点を示す入口ルータ1aの両方を識別する識別子として機能している。
なお、判定部20bにてユニキャストフレームと判定された受信フレームは、ラベルスイッチ部22に入力されて、トンネルラベルを付与されてL2ヘッダ作成部20eを介してフレーム送信部20cから転送される。
また、中継ルータ2Lは、隣接する例えば中継ルータ2b,2c(図10)からマルチキャストフレームを受信した場合も、フレームを複製し既存のユニキャスト用のVCラベルおよびトンネルラベルを交換して転送する。
これにより、本発明の第2のフレーム転送方法(「方式2」)は、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、入口ルータ1aが、複製対象のMACアドレスおよびユニキャストフレームを転送するためのVCLSPを対応付けたマルチキャスト用MACアドレステーブル11に基づいて、受信イーサネットパケットの複製の要否を判定し(判定ステップ)、入口ルータ1aが、予め有するVCLSPのうちの、非複製対象フレームであるユニキャストフレームを転送するための複数のVCLSP(ユーザ拠点識別パス)のうちの複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから転送する複数の非複製対象フレームのVCLSPから選択し(選択ステップ)、そして、入口ルータ1aは、選択ステップにて選択されたVCLSPを有するMPLSフレームを送信する(送信ステップ)。
さらに、中継ルータ2Lは、マルチキャスト用VCラベルおよび転送先ルータアドレスとを対応付けたマルチキャスト用VCラベルテーブル14に基づいて、送信ステップにて送信されたMPLSフレームを複製転送する(中継ステップ)。
また、そのフレームを受信した中継ルータ2b,2cは、必要に応じてMPLSフレームを複製および転送し、最終的にはMPLS網50において必要な全てのユニキャスト用VCLSPおよびトンネルLSPを用いてマルチキャストフレームが転送される。さらに、フレームは、例えばユーザA2,B2およびB3等のユーザ網51bに送信される。
従って、従来はマルチキャストおよびブロードキャストの両機能をもっていなかった中継ルータ2Lが、マルチキャストおよびブロードキャストの両機能を利用できる。さらに、既存の網資源がそのまま利用できるので、サービス提供者は新規に網を構築せずに比較的安価に仮想網50を構築でき、また、従来規定されていなかったマルチキャストおよびブロードキャストの両機能が実現され、レイヤ2パケットの仮想的な転送が可能となる。
なお、各出口ルータ3a〜3cにおいてのアドレス学習は、図40に示すアドレス学習方法と同一である。
このような構成により、第2実施形態におけるフレーム転送方法について図10を参照して説明する。この図10に示す入口ルータ1aおよび中継ルータ2L間はトンネルLSP(パイプ状のもの)とVCLSP(実線で表したもの)とが設定されている。
入口ルータ1aは、外部からのフレームを受信し、ユニキャスト用MACアドレステーブル11を参照して、受信フレームがユニキャストフレームであるか又はVCラベル102,103,104のそれぞれに対して転送する必要があるマルチキャストフレーム又はブロードキャストフレームかを認識する。
そして、入口ルータ1aは、ユーザサイトからマルチキャストフレームを受信すると、同一の出力ポートから送信しなければならない複数のユニキャストVCから送信するVCラベルを、例えば最小の102を有するもの等の選択基準に基づいて選択する。さらに、入口ルータ1aは、トンネルラベル21をトンネルラベルテーブル15から検索しVCラベルとトンネルラベルとをレイヤ2フレームに付与し出力ポート1からMPLSフレームを送信する。また、入口ルータ1aは、宛先不明のユニキャストフレームを受信したときは、第1実施形態における転送方法と同様に処理する。
一方、中継ルータ2L(図12)は、このMPLSフレームを受信すると、L2ヘッダの「プロトコルタイプ」からマルチキャストMPLSフレームであることを知り、マルチキャスト用ラベルテーブル44を検索する。そして、中継ルータ2Lは、マルチキャスト用ラベルテーブル44の保持内容に基づいて、複数の出力ポートに送信する必要がある場合はフレームを複製し複製したフレームのトンネルラベルを22にスワップし、スワップしたフレームを出力ポート2に対して送信し、また、複製されたフレームのトンネルラベルを42にスワップし、VCラベルを104にスワップしたフレームを出力ポート3に送信する。
また、各出口ルータ3a〜3cにおけるアドレス学習は、第1実施形態における処理と同一の方法により行なわれる。
このように、第2実施形態におけるフレーム転送方法は、フレームの複製が、VCラベルの分岐点に相当する中継ルータ2Lにて行なわれるとともに、既存のMPLS網50をそのまま使用できる。
また、このように、入口ルータ1aと、MPLS網50に属する各中継ルータ2L,2b,2cのそれぞれとの各リンクにおいて、同一フレームの複数の送信が回避されMPLS網50の負荷が軽減される。
このようにして、本発明によれば、MPLS網50の負荷を最小限に抑制でき、効率的に網の帯域を利用できる。
(C)本発明の第3実施形態の説明
第3実施形態においては、入口ルータが、同一リンクを使用している複数のユニキャストトンネルLSPを束ねるポイントツーマルチポイントのマルチキャスト用トンネルLSPを、ユニキャストトンネルLSPとは別個に生成するようになっている。
図13は本発明の第3実施形態に係るMPLS網50の構成図である。この図13に示すMPLS網50は、例えばユーザ網51aのユーザA1,B1等が、ユーザ網51bのユーザA2,B2又はB3に宛てたパケットを転送するものである。この図13に示す入口ルータ1b,中継ルータ2e〜2gは、ともに、第1実施形態の入口ルータ1b,中継ルータ2a〜2cを変形したものであり、各出口ルータ3a〜3cは、上記のものと同一のものである。
また、各ルータ間は、トンネルLSP(パイプ状のもの)と、VCLSP(実線で表したもの)とが設定されている。第3実施形態においては、入口ルータ1bが、ユニキャストフレームについての通常のVCラベルと通常のトンネルラベルとを別個に生産し、新たなマルチキャスト用VCLSPと、新たなマルチキャスト用トンネルLSPとを作成する。
また、第3実施形態におけるマルチキャスト用VCLSPは、ユーザ識別子およびユーザ拠点識別子(送信元入口ルータ1b)として機能する。すなわち、第1実施形態および第2実施形態におけるVCLSPは、ユーザ識別のためのものである一方、第3実施形態におけるVCLSPは、ユーザおよびユーザ拠点を示す入口ルータ1bの両方を含む。
そして、図13に示す入口ルータ1bが、ここで、ユーザ網51aの例えばユーザA1,B1等のユーザサイトからの受信フレームを読み込み、その受信フレームが同一出力ポートからMPLS網50の3台の中継ルータ2e〜2gに送信する必要のあるフレームか否かを判定する。そして、受信フレームが3台の中継ルータ2e〜2gに送信する必要があるフレームと判定されると、入口ルータ1bは、受信フレームにマルチキャスト用VCLSPおよびマルチキャスト用トンネルLSPを介して例えば中継ルータ2eに転送する。
一方、中継ルータ2eがそのフレームを転送し、次段の中継ルータ2f,2gは、それぞれ、そのフレームを受信すると、中継ルータ2f,2gは、必要に応じてフレームを複製して転送し、最終的にはMPLS網50において必要な全てのユニキャスト用VCLSPおよびトンネルLSPを用いてマルチキャストフレームを転送する。
図14は本発明の第3実施形態に係る入口ルータ1bのブロック図である。この図14に示すMACブリッジ処理部10bに、マルチキャストフレームに対してVCラベルおよびトンネルラベルを付与するマルチキャスト処理部(ラベルスイッチ)19が接続されている。また、マルチキャスト処理部19は、VCラベルを付与するためのVCラベルプッシュ部19aと、トンネルラベルを付与するためのトンネルラベルプッシュ部19bとをそなえて構成されている。
さらに、このマルチキャスト処理部19には、図28(b)を用いて後述するようにマルチキャスト用ラベルテーブル44が接続されている。このマルチキャスト用ラベルテーブル44は、ユーザ毎のマルチキャスト用VCラベル値およびトンネルラベル値を対応付けて保持するものである。
従って、図14に示す入口ルータ1bが、第1実施形態の入口ルータ1と異なる点は、MACブリッジ処理部10bにてユニキャストフレームと判定されたフレームにVCラベルおよびトンネルラベルを付与するとともに、MACブリッジ処理部10bにてマルチキャストフレームと判定されたフレームについても、VCラベルおよびトンネルラベルをプッシュされる点である。
そして、MACブリッジ処理部10bは受信フレームがマルチキャストフレームと判定すると、その受信フレームをマルチキャスト処理部19に入力し、VCラベルおよびトンネルラベルを付与する。各ラベルを付与されたフレームのフォーマットは、L2ヘッダ作成部10dにおいて形成され、第2フレーム送信部10eからMPLS網50の他の中継ルータ,入口ルータ又は出口ルータに転送されるのである。
なお、図14に示す入口ルータ1bは、MPLS網50からのレイヤ2フレームを受信した場合は、MACブリッジ処理部10bにてブリッジされ、そのフレームは、フレーム送信部10cを介してユーザ網51aに転送される。
図15は本発明の第3実施形態に係る中継ルータ2eのブロック図であり、また、中継ルータ2f,2gもこの中継ルータ2eの構成と同一の構成である。中継ルータ2eは、VCラベル検索部(ラベルスイッチ)24eと、第2マルチキャスト用VCラベルテーブル(第2マルチキャスト用VCラベルテーブル)14とをそなえて構成されている。
図27(b)は本発明の第3実施形態に係る第2マルチキャスト用VCラベルテーブル14aの一例を示す図であり、この図27(b)に示す第2マルチキャスト用VCラベルテーブル14aは、マルチキャスト用VCラベルテーブル14とほぼ同様であり、各符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを表す。
VCラベル検索部24eは、第2マルチキャスト用VCラベルテーブル14aを検索し、検索されたVCラベルに基づいてフレームを複製する。さらに、受信フレームのラベルをスワップするラベルスワップ部(ラベルプッシュ部)24dにおいてフレームは、スワップされ、そのMPLSフレームはL2ヘッダ作成部20eを介して、MPLS網50に転送される。
中継ルータ2fは、中継ルータ2eからのMPLSフレームについて、第2マルチキャスト用VCラベルテーブル14aを参照してMPLSフレームを複製し、マルチキャスト用のユーザ識別LSPラベル,トンネルLSPラベルと、ユニキャスト用のVCLSPラベルおよびトンネルLSPラベルとを交換して送信する。
ここで、第2実施形態のVCラベル検索部24(図12)と、第3実施形態のVCラベル検索部24eとを比較する。図12に示すVCラベル検索部24は、複製したMPLSフレームをラベルスイッチ部22に入力している。この一方、図15に示すVCラベル検索部24eは、ラベルスワップ部24dが、複製したMPLSフレームに、マルチキャスト用のラベル(VCLSPラベルおよびトンネルLSPラベル)を書き込む。
従って、図13に示す入口ルータ1bと各中継ルータ2e〜2gとの間に、マルチキャスト用トンネルLSPが予め設定されているので、入口ルータ1bは、重ねてマルチキャスト用トンネルLSPを設定する必要がなくなる。
このような構成により、第3実施形態におけるフレーム転送方法を図13を参照して説明する。
図27(a)は本発明の第3実施形態に係るマルチキャスト用VCラベルとマルチキャスト用トンネルラベルとを説明するための図である。また、この図27(a)に示すもので、上記の符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを表す。
入口ルータ1b(図13)は、中継ルータ2eとの間にトンネルラベル「11」を設定し、また、中継ルータ2eは中継ルータ2fとの間にトンネルラベル「12」を設定する。さらに、入口ルータ1bは中継ルータ2fとの間のVCラベルを例えば「1002」と設定する。
入口ルータ1bは、例えばユーザA1,B1のようなユーザサイトからのレイヤ2フレームを受信し、そのレイヤ2フレームがマルチキャストフレームと判定すると、フラッディングするレイヤ2フレームをマルチキャスト処理部19(図14)に出力する。
ここで、マルチキャスト処理部19は、第2マルチキャスト用ラVCラベルテーブル14aを検索し、トンネルラベル「11」およびVCラベル「1002」を付与して転送して出力ポート(例えば、出力ポート1)から送信する。
換言すれば、例えば入口ルータ1bと中継ルータ2eとの間の同一リンクを共用する複数のユニキャストトンネルLSPが束ねられて、この束ねられた複数のLSPがポイントツーマルチポイントのマルチキャスト用トンネルLSPとして、ユニキャストトンネルLSPとは別個に設定されるのである。
そして、入口ルータ1bは、ポイントツーマルチポイントのマルチキャスト用トンネルLSPに、MPLS網50(又は他のMPLS網50)毎のVCを設定する。これにより、例えばユーザ網51aからのマルチキャストフレームは、マルチキャスト用トンネルLSPに乗せ替えられる。
さらに、入口ルータ1bは、宛先不明のユニキャストフレームを受信した場合も、マルチキャストフレームと同様に、フレームを処理する。
従って、本発明の第3のフレーム転送方法(「方式3」)は、図13に示す入口ルータ1bが、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、マルチキャスト用VCLSPとマルチキャスト用トンネルLSPとを設定し(設定ステップ)、マルチキャスト用VCLSPおよびマルチキャスト用トンネルLSPを介してMPLSフレームを転送する(転送ステップ)。
一方、中継ルータ2e,2f,2gは、それぞれ、フレームを受信すると、L2ヘッダの「プロトコルタイプ」からマルチキャストMPLSフレームであることを知り、第2マルチキャスト用VCラベルテーブル14aを検索する。その検索結果に基づいて、VCラベル検索部24e(図15)は、トンネルラベルを「12」にスワップしたフレームを出力ポート2に出力し、また、トンネルラベル,VCラベルをそれぞれ「42」,「104」にスワップし、スワップしたフレームを出力ポート3に送信する。
従って、中継にあたり(中継ステップ)、中継ルータ2eが、マルチキャスト用VCLSPラベルおよび転送先ルータアドレスを対応付けた第2マルチキャスト用VCラベルテーブル14aに基づいて、MPLSフレームを複製転送する(複製転送ステップ)。
さらに、中継ルータ2fは、複製転送ステップにて複製転送されたMPLSフレームを、設定ステップにて設定されたマルチキャスト用VCLSPとマルチキャスト用トンネルLSPとを介して複製転送する。これにより、マルチキャストフレームは中継転送され、また、必要に応じてこのマルチキャストフレームは複製され、最終的にはMPLS網50において各マルチキャストフレームは、ユニキャストのLSPに乗せ替えられる。
従って、入口ルータ1bがマルチキャスト用のLSPを設けることにより、ユーザは既存の網資源をそのまま利用でき、また、サービス提供者は最小限の投資により、仮想網50に付加価値を与えることができる。
さらに、入口ルータ1bと各出口ルータ3a〜3cとの間におけるVCラベルおよびトンネルラベルは、マルチキャスト用LSPからユニキャスト用にスワップされる。
各出口ルータ3a〜3cは、受信したマルチキャストフレームについてアドレス学習し、従来の方法(例えば図40に示す方法)と同一の方法を用いてアドレスを学習する。
このように、入口ルータ1bおよび中継ルータ2eと、中継ルータ2eおよび中継ルータ2fとの間の各リンクにおいて、同一フレームの送信が回避され、MPLS網50の負荷は軽減される。さらに、第3実施形態においても、入口ルータ1bが宛先不明のユニキャストフレームを受信したときにおいても、MPLS網50に属する各中継ルータ2e〜2gに対するユニキャストフレームの送信が防止され、やはり、MPLS網50の負荷が軽減される。
(D)本発明の第4実施形態の説明
第4実施形態におけるフレーム転送方法も、入口ルータが入口ルータと出口ルータとの間において、マルチキャスト用LSPをユニキャストVCとは別個に設定し、これにより、同一リンクの複数のユニキャストVCを有するMPLSフレームのVCが、ポイントツーマルチポイントの1本のLSPVCに束ねられる。そして、MPLSフレームを中継転送する各中継ルータが、必要に応じてMPLSフレームを複製転送して最終的にはユニキャストVCに乗せ替える。
図16は本発明の第4実施形態に係るMPLS網50の構成図である。この図16に示す入口ルータ1cは、マルチキャスト用VCを、ユニキャストVCと別個に設定し、ポイントツーマルチポイントのVCLSPを設定するものである。また、中継ルータ2h〜2jは、ともに、第3実施形態にて用いられた中継ルータ2e〜2gと同様の機能を有する。
図17は本発明の第4実施形態に係る入口ルータ1cのブロック図である。この図17に示す入口ルータ1cは、MACブリッジ処理部10bに接続されたマルチキャスト用ラベルプッシュ部16を有する。
このマルチキャスト用ラベルプッシュ部16は、MACブリッジ処理部10bにてマルチキャストフレームと判定されたフレームに、新たに定義したマルチキャスト用ラベルを付与するものである。マルチキャスト用ラベルプッシュ部16は、ユーザサイトからのマルチキャストフレームに対して、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を参照して、マルチキャスト用VCLSPとして、すなわち、パス決定(トンネル)として機能するマルチキャスト用LSPラベルを付与する。また、マルチキャスト用ラベルプッシュ部16は、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を参照して受信MPLSフレームを複製し、マルチキャスト用LSPラベルを除去して既存のユニキャスト用ユーザ識別LSPラベル(VCラベル)およびトンネルラベルを付与する。
ここで、第3実施形態の入口ルータ1b(図14)と、この図17に示す入口ルータ1cとを比較する。第3実施形態の入口ルータ1bは、通常のユニキャストについてのVCラベルとトンネルラベルとは別個に、新たなマルチキャスト用VCLSPと、新たなマルチキャスト用トンネルLSPとを作成する。
一方、第4実施形態の入口ルータ1cは、新たなマルチキャスト用VCLSPと、新たなマルチキャスト用トンネルLSPとを生成せずに、これらと別個なマルチキャスト用VCLSPを用いている。
これにより、冗長な情報データの転送が排除され、仮想網50における伝送帯域の使用効率が向上する。
なお、図17に示すもので、上述したものと同一符号を有するものは、同一のものを示す。
図28(a)は本発明の第4実施形態に係るフレームフォーマット例を示す図である。この図28(a)に示すフレーム69aは、2種類のトンネルラベルおよびVCラベルを用いずに、1個のマルチキャスト用VCLSPラベルのみを有し、このマルチキャスト用VCLSPは、ユーザとユーザ拠点としての入口ルータ1cとの両方を示すものとして用いられる。
図18は本発明の第4実施形態に係る中継ルータ2hのブロック図である。この図18に示す中継ルータ2hは、MPLSフレームを受信すると、L2ヘッダの「プロトコルタイプ」からマルチキャストMPLSフレームであることを知り、マルチキャスト用VCラベルテーブル14の保持内容を検索して、その検索結果に基づいて受信フレームを複製する。そして、中継ルータ2hは、ラベルを「12」にスワップしたフレームを出力ポート2に送信し、また、マルチキャスト用LSPラベルを除去して転送しトンネルラベル42およびVCラベル104をその受信フレームに付与して転送したフレームを出力ポート3へ送信する。
また、図16に示す中継ルータ2i,2jの構成は、いずれも、中継ルータ2hと同一であるので、重複した説明を省略する。
このような構成により、本発明の第4のフレーム転送方法を説明する。
図17に示す入口ルータ1cは、ユーザサイトからマルチキャストフレームを受信すると、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を参照し、入口ルータ1cと例えば出口ルータ3bとの間のエッジルータ間に、例えば図27(c)に示すマルチキャスト用LSPを予め設定しておく。
そして、入口ルータ1c(図17)は、フラッディングするレイヤ2フレームをマルチキャスト用ラベルプッシュ部16に出力する。ここで、入口ルータ1cは、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索し、マルチキャスト用ラベルプッシュ部16から出力されるフレームにラベル11を付与して転送して出力ポート1から送信する。これにより、フレームは、マルチキャスト用VCLSPを用いて中継ルータ2hに転送される。
さらに、図16に示す中継ルータ2i,2jは、必要に応じてフレームを複製転送する。そして、MPLSフレームは、最終的には必要な全てのユニキャスト用VCLSPおよびユニキャスト用トンネルLSPを介して転送される。ここで、入口ルータ1cのマルチキャスト用LSPが、出口ルータ3aのユニキャスト用LSPにスワップされる。
従って、本発明の第4のフレーム転送方法(「方式4」)は、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、入口ルータ1cが、マルチキャスト用VCLSPおよびマルチキャスト用トンネルLSPを識別する拠点・トンネルLSP(拠点・トンネル識別パス)を設定し(設定ステップ)、拠点・トンネルLSPを介してMPLSフレームを転送する(転送ステップ)。
また、中継にあたり(中継ステップ)、中継ルータ2hが、拠点・トンネルLSPおよび転送先ルータアドレスを対応付けたマルチキャスト用VCラベルテーブル14に基づいて、MPLSフレームを複製転送し(複製転送ステップ)、中継ルータ2i,2jが、複製転送ステップにて複製転送されたMPLSフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを介して複製転送する。
なお、各出口ルータ3a〜3cにおいて、受信したマルチキャストフレームに対するアドレス学習処理は、図14に示す方法と同一の方法を用いて行なわれる。
このように、入口ルータ1cおよび中継ルータ2hと中継ルータ2i,2j間との間の各リンクにおいて、同一フレームの送信が回避され、MPLS網50の負荷は軽減される。
このようにして、第4実施形態においても、入口ルータ1cが宛先不明のユニキャストフレームを受信したときにおいても、MPLS網50の全ルータに対するユニキャストフレームの送信が防止され、やはり、MPLS網50の負荷が軽減される。
(E)本発明の第5実施形態の説明
従来のフレーム転送方法は、トンネルLSPおよびVCLSPのいずれもがポイントツーポイントで設定されていた。
これに対して、第5実施形態におけるマルチキャストフレームは、トンネルLSPとVCLSPとの両LSPにいずれもポイントツーマルチポイントのパスを新規に設定されて、MPLS網50を転送される。このため、第5実施形態のフレーム転送方法は、入口ルータが、ポイントツーマルチポイントのマルチキャスト用トンネルLSPとVCLSPとを入口ルータおよび出口ルータ間に予め設定し、そして、中継ルータがマルチキャストフレームを必要に応じて複製する。
図19は本発明の第5実施形態に係るMPLS網50の構成図である。この図19に示すMPLS網50は、入口ルータ1dと、中継ルータ2p,2q,2rと、3台の出口ルータ3a〜3cとをそなえて構成されている。ここで、入口ルータ1dは、マルチキャスト用VCを、ユニキャストVCと別個に設定し、ポイントツーマルチポイントのVCLSPを設定するものである。また、中継ルータ2p〜2rは、ともに、中継ルータ2e〜2g(図15参照)と同様の機能を有するものである。また、図19に示す符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを示す。
図20は本発明の第5実施形態に係る入口ルータ1dのブロック図である。この図20に示す入口ルータ1dは、マルチキャスト用ラベル処理部16bと、マルチキャスト用ラベルテーブル44とを有する。このマルチキャスト用ラベル処理部16bは、入口ルータ1c(図17)が有するマルチキャスト用ラベルプッシュ部16と、VCID付加部16aとをそなえて構成されている。
そして、マルチキャスト用ラベルテーブル44は、上記のマルチキャスト用VCラベルテーブル14とほぼ同一のものであり、LSP毎に、例えば図28(b)に示すように、受信フレームのトンネルラベルと、このトンネルラベルについての処理内容(動作)とを対応付けて保持するものである。
これにより、入口ルータ1dは、ユーザサイトから受信したマルチキャストフレームに、マルチキャスト用ラベルテーブル44からマルチキャスト用のユーザ識別ラベルとトンネルラベルとを付与する。
なお、図20においても、上記符号と同一符号を有するものは同一のものを示す。
図21は本発明の第5実施形態に係る中継ルータ2pのブロック図である。この図21に示す中継ルータ2pと、中継ルータ2h(図18)と比較する。
図18に示す中継ルータ2hのL2ヘッダ除去部20dにおいて、受信MPLSフレームが、ユニキャスト又はマルチキャストを判定されて、それぞれ、ラベルスイッチ部(ラベルスイッチ)22又はマルチキャスト処理部(ラベルスイッチ)24eに入力される。これに対して、第5実施形態に係る中継ルータ2p(図21)は、L2ヘッダ除去部20dにてフレーム種別が判定されずに、ヘッダを除去されたフレームは、いずれも、マルチキャスト処理部(ラベルスイッチ)24eに入力されるようになっている。なお、図21に示す符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを示す。
また、図19に示す中継ルータ2q,2rは、いずれも、中継ルータ2pと同一の構成なので、重複した説明を省略する。
これにより、ポイントツーマルチポイントのマルチキャスト用トンネルLSPとVCLSPとが、入口ルータ1dおよび出口ルータ3a〜3c間に予め設定され、中継ルータ2pがマルチキャストフレームを必要に応じて複製する。
従って、中継ルータ2pは受信フレームの冗長な処理を除去でき、やはり、MPLS網のフレーム転送が効率化される。
このような構成により、第5実施形態におけるフレーム転送方法を図19を参照して説明する。
図19に示す入口ルータ1dは、入口ルータ1dおよび各出口ルータ3a〜3cとの間において、マルチキャスト用トンネルLSPの値を予め設定しておく。入口ルータ1dは、MPLSフレームの内部に、トンネルラベルとVCラベル(例えば「1002」)とを予め書き込む。このVCラベルは、入口ルータ1d(VCID「1234」を付与されたもの。)からのポイントツーマルチポイントマルチキャストLSPであることを示す。
ここで、入口ルータ1dは、ユーザサイトからマルチキャストフレームを受信すると、フラッディングするレイヤ2フレームをマルチキャスト処理部16bに出力する。そして、マルチキャスト用ラベルプッシュ部16は、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索し、トンネルラベル「11」およびVCラベル「1002」を、受信マルチキャストフレームに付与し、L2ヘッダ作成部10d等を介して転送し出力ポート1から送信する。
一方、中継ルータ2pは、このMPLSフレームを受信すると、L2ヘッダの「プロトコルタイプ」からマルチキャストMPLSフレームであることを知り、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索する。そして、中継ルータ2pは、その検索結果に基づいて、フレームのトンネルラベルを「12」にスワップし、スワップしたフレームを出力ポート2へ、また、トンネルラベルを「15」にスワップしたフレームを出力ポート3にそれぞれ送信する。
従って、本発明の第5のフレーム転送方法(「方式5」)は、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、入口ルータ1dが、入口ルータ1dとMPLS網50から転送されたMPLSフレームに付与されたトンネルラベルおよびVCラベルを除去してMPLS網50の外部に送信する3台の出口ルータ3a〜3cのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用VCLSPとマルチキャスト用トンネルLSPとを設定し(設定ステップ)、複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから中継ルータ2pに転送する複数のMPLSフレームを、設定ステップにて設定されたマルチキャスト用VCLSPとマルチキャスト用トンネルLSPとを介して各中継ルータ2p〜2rに送信する(送信ステップ)。
さらに、中継にあたり(中継ステップ)、各中継ルータ2p〜2rが、送信ステップにて送信されたMPLSフレームを、設定ステップにて設定されたマルチキャスト用VCLSPとマルチキャスト用トンネルLSPとを介して複製転送する。
さらに、各出口ルータ3a〜3cは、マルチキャストVCラベル「1002」と、反対方向のユニキャストVCラベルとをそれぞれVCラベルバインドテーブル35(図7参照)に登録しておく。出口ルータ3a〜3cは、いずれも、受信したマルチキャストフレームに対するアドレス学習処理は、図40に示す方法と同一の方法を用いて行なう。
このように、第5実施形態においては、MPLS網50の入口ルータ1dおよび各出口ルータ3a〜3c間に、新規に定義したマルチキャスト用VCLSPおよび新規に定義したマルチキャスト用トンネルLSPをポイントツーマルチポイントパスとしてエンドツーエンドで作成し、そして、入口ルータ1dは、ユーザサイトから受信した同一ポートから例えば3台の中継ルータ2p〜2rに送信する必要のあるフレームを、マルチキャスト用VCLSPおよびマルチキャスト用トンネルLSPを用いて中継ルータ2p〜2rを介して送信してMPLS網50を転送させる。
このように、第5実施形態においても、上記の各実施形態と同様の効果が得られる。具体的には、入口ルータ1dおよび中継ルータ2p〜2r間のリンクにおいて、同一フレームの送信が回避され、従って、MPLS網50の負荷は軽減される。
(F)本発明の第6実施形態の説明
第6実施形態は、第5実施形態の変形バリエーションである。
従来のフレーム転送方法がトンネルLSPおよびVCLSPの両方がポイントツーポイントで設定されていた。これに対して、第6実施形態のフレーム転送方法は、転送に用いるMPLSラベルとしてトンネルLSPとVCIDとの2種類を用いるとともに、これらのトンネルLSPおよびVCIDにポイントツーマルチポイントのパスを新規に設定するようにしている。ここで、VCIDに、ユーザ識別およびユーザ拠点識別の両方の意味をもたせているのである。
図22は本発明の第6実施形態に係るMPLS網50の構成図である。この図22に示すMPLS網50は、入口ルータ1d,中継ルータ2p〜2rおよび出口ルータ3d〜3fのそれぞれをそなえて構成されている。これらのうちの入口ルータ1dおよび中継ルータ2p〜2rは、いずれも、上記のものと同一のものである。
ここで、図22に示す各ルータのうちの隣接するルータ間は、VCラベル(黒線)だけが設定され、トンネルラベルは設定されていない。一方、例えば図10に示すMPLS網50においては、各ルータ間は、VCラベル(実線で表したもの)とトンネルラベル(パイプ状のもの)とが設定されている。
また、図23は本発明の第6実施形態に係る出口ルータ3dのブロック図である。この図23に示す出口ルータ3dは、出口ルータ3a(図7)とほぼ同様のものである。一方、出口ルータ3aと異なる点は、受信フレームのフレーム種別を判定してポップ処理する点である。
図23に示す出口ルータ3dのフレーム受信部30aからのフレームは、L2ヘッダ除去部30cにてヘッダが除去され、判定部30bにて、ユニキャスト又はマルチキャストが判定される。そして、マルチキャストフレームについては、ポップ処理部31dにてVCIDを除去されて、MACブリッジ処理部30dに入力されるようになっている。
一方、出口ルータ3a(図7)のフレーム受信部30aからのフレームは、判定部30bにて判定され、ユニキャストフレームおよびマルチキャストフレームのいずれもが、それぞれ、L2ヘッダ処理部30c,31bにてL2ヘッダを除去される。
なお、図23に示す符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを示す。また、図22に示す出口ルータ3e,3fも、出口ルータ3dと同一構成である。
このような構成により、第6実施形態におけるフレーム転送方法について図22を参照して説明する。
入口ルータ1dは、ポイントツーポイントのユニキャスト用トンネルLSPと同等に、新規に定義したマルチキャスト用LSPをポイントツーマルチポイントLSPとしてエンドツーエンド(入口ルータ1dおよび各出口ルータ3d〜3f間)において設定する。
入口ルータ1dは、ユーザサイトから受信したレイヤ2フレームに対してフラッディングするために、マルチキャスト処理部16b(図16)に出力する。マルチキャスト処理部16bは、ユーザサイトから受信した同一ポートから複数の中継ルータ2p〜2rに送信する必要のあるマルチキャストフレームに対してユーザ識別子VCID「1234」を、図28(b)に示すVCシムヘッダの位置(VC)に付与する。また、入口ルータ1dは、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索して、マルチキャスト用LSPラベル「11」をフレームに付与して転送し出力ポート1から送信する。
従って、入口レータ1dから中継ルータ2pに対するフレームのマルチキャスト用LSPは、ユーザとユーザ拠点としての入口ルータ1dとを示すものとして機能する。
一方、中継ルータ2pは、このフレームを受信すると、L2ヘッダの「プロトコルタイプ」からマルチキャストMPLSフレームであることを知り、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索する。中継ルータ2pは、この検索結果に基づいて、ラベルを「12」にスワップしたフレームを出力ポート2に出力し、また、ラベルを「15」にスワップしたフレームを出力ポート3に送信する。従って、中継ルータ2pは、フレームの複製とラベルとをスワップし、これにより、VCIDを有するMPLSフレームを中継する。
さらに、各出口ルータ3d〜3fがこのMPLSフレームを受信すると、マルチキャスト用LSPラベルとユーザ識別子VCIDとに基づいて、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を検索し、アドレス学習の対象のVCラベルを知る。具体的には、各出口ルータ3d〜3fは、VCIDが「1234」のマルチキャスト用VCラベルテーブル14の保持内容を、マルチキャスト用ラベル13により検索し、VCラベル301を学習する。
従って、本発明の第6のフレーム転送方法(「方式6」)は、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、入口ルータ1dが、入口ルータ1dと、MPLS網50から転送されたMPLSフレームに付与されたトンネルラベルおよびVCラベルを除去してMPLS網50の外部に送信する3台の出口ルータ3d〜3fのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用VCLSPおよびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネルLSPを設定し(設定ステップ)、複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから3台の中継ルータ2p〜2rに転送する複数のMPLSフレームの内部に、ユーザを識別するユーザ識別子を付与し(付与ステップ)、そして、入口ルータ1dが、付与ステップにてフレーム内部に付与されたユーザ識別子を含むMPLSフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを介して各中継ルータ2p〜2rに送信する(送信ステップ)。
また、中継にあたり(中継ステップ)、各中継ルータ2p〜2rが、送信ステップにて送信されたMPLSフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを介して複製転送する(転送ステップ)。
また、各出口ルータ3d〜3fが、転送ステップにて用いた拠点・トンネルLSPと付与ステップにて付与されたユーザ識別子とを用いてアドレス学習する(学習ステップ)。
このように、VCIDがユーザ識別およびユーザ拠点識別の両機能を発揮するので、トンネルLSPおよびVCIDにポイントツーマルチポイントのパスを新規に設定でき、効率的にフレーム転送可能となる。
さらに、このように、入口ルータ1dおよび中継ルータ2p〜2r間の各リンクにおいて、同一フレームの送信が回避され、従って、MPLS網50の負荷は軽減される。
(G)本発明の第7実施形態の説明
図24は本発明の第7実施形態に係るMPLS網50の構成図である。この図24に示すMPLS網50は、入口ルータ1c(図17)と、中継ルータ2p〜2r(図21)と、出口ルータ3g〜3iとをそなえて構成されている。これら以外の符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを示す。
図25は本発明の第7実施形態に係る出口ルータ3gのブロック図である。この図25に示す出口ルータ3gのポップ処理部31eは、マルチキャスト用ラベルポップ部31fと、アドレス学習部31aとをそなえて構成されている。
このマルチキャスト用ラベルポップ部31fは、マルチキャスト用LSPラベルについてアドレス学習するためのものである。なお、アドレス学習部31aおよび図25に示す符号のうちの上記と同一符号を有するものは同一のものを示す。
また、図24に示す出口ルータ3h,3iもこの出口ルータ3gと同様な構成であり、これらについての重複した説明を省略する。
このような構成により、図24に示す入口ルータ1cは、MPLS網50の入口ルータ1cおよび出口ルータ3g間に新規に定義したマルチキャスト用LSPを送信元の入口ルータ1c(ユーザ拠点)が識別できるようにポイントツーマルチポイントパスとしてエンドツーエンドで作成する。
図26は本発明の第7実施形態に係るマルチキャスト用LSPの一例を示す図である。そして、入口ルータ1cは、ポイントツーマルチポイントのマルチキャスト用LSPを入口ルータ1cおよび出口ルータ3g間において設定し、また、VCIDについては、入口ルータ1cおよび各出口ルータ3g〜3iが識別できるように設定される。
これにより、マルチキャスト用LSPは、パス決定、つまりトンネルとしての役割をも有する。そして、入口ルータ1cは、ユーザサイトから受信した、マルチキャストフレームに対して、マルチキャスト用VCラベルテーブル14を参照し、マルチキャスト用LSPを設定して中継ルータ2pに転送して送信する。
具体的には、入口ルータ1cは、フラッディングするレイヤ2フレームをマルチキャスト処理部に出力する。ここで、マルチキャスト用ラベルテーブル14を検索してラベル11を付与して転送し、出力ポート1から送信する。
一方、中継ルータ2pおよび中継ルータ2pに接続された中継ルータ2q等は、このフレームを受信すると、L2ヘッダの「プロトコルタイプ」からマルチキャストMPLSフレームであることを知り、マルチキャスト用VCラベルテーブル14(図21)を検索しその検索結果に基づいて、受信フレームを複製しマルチキャスト用ユーザ識別LSPラベルおよびトンネルLSPラベルを、交換(付け替え)して送信する。
例えば、中継ルータ2pは、ラベルを「12」にスワップしたフレームを出力ポート2に送信し、また、ラベルを「15」にスワップしたフレームを出力ポート3にそれぞれ送信する。
さらに、出口ルータ3gは、中継ルータ2qから、MPLSフレームを受信すると、マルチキャストフレームのラベル13に基づいてアドレス学習用VCラベルテーブル32を検索してアドレス学習の対象となるVCラベルを知る。
従って、本発明の第7のフレーム転送方法(「方式7」)は、転送処理にあたり(転送処理ステップ)、入口ルータ1cが、入口ルータ1cと、MPLS網50から転送されたMPLSフレームに付与されたトンネルラベルおよびVCラベルを除去してMPLS網50の外部に送信する3台の出口ルータ3d〜3fのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用VCLSPおよびマルチキャスト用トンネルLSPを識別する拠点・トンネルLSPを設定し(設定ステップ)、複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから3台の中継ルータ2p〜2rに転送する複数のMPLSフレームの外部に、設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを付与し(付与ステップ)、そして、付与ステップにて拠点・トンネルLSPを付与されたMPLSフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを介して各中継ルータ2p〜2rに送信する(送信ステップ)。
さらに、中継ステップは、各中継ルータ2p〜2rが、送信ステップにて送信されたMPLSフレームを、設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを介して複製転送し(転送ステップ)、送信ステップにて送信されたMPLSフレームを設定ステップにて設定された拠点・トンネルLSPを介して複製転送する(転送ステップ)。
また、各出口ルータ3d〜3fが、転送ステップにて用いた拠点・トンネルLSPを用いてアドレス学習する(学習ステップ)。
このように、入口ルータ1cおよび中継ルータ2p間のリンクにおいて、同一フレームの送信が回避され、MPLS網50の負荷は軽減される。
また、このように、入口ルータ1cおよび出口ルータ3g間に新規なマルチキャスト用LSPが設定され、出口ルータ3d〜3fが送信元の入口ルータ1cを識別でき、ポイントツーマルチポイントパスがエンドツーエンドで作成される。
このようにして、レイヤ2MPLS網50(L2VPN)において、MPLS網50の負荷を最小限に抑制でき、効率的に転送帯域を利用できる。
(H)その他
本発明は上述した実施態様及びその変形態様に限定されるものではない。
MPLS網50は、下位レイヤフレームとして、レイヤ2パケット以外に、光フレーム又は光セルをカプセル化して転送することもできる。例えば、MPLS網50が光波長伝送網(図示省略)と接続されている場合、光波長伝送網が下位レイヤ網に相当し、MPLS網が上位レイヤ網に相当する。
さらに、詳述すると、MPLS網に属する複数のルータは、各ルータの下位レイヤであるレイヤ2にて、上記リンクに相当する光パスと、ルータに相当する光スイッチとを介して接続する。さらに、MPLS網に属するルータの上位レイヤであるMPLSと、光波長伝送網に属する光伝送装置の上位レイヤである光スイッチ機能とが、相互に、光パスおよび光スイッチのそれぞれに設定されたLSPを介して論理接続されるようにもできる。
以上、詳述したように、本発明のルータ,フレーム転送方法および下位レイヤフレーム仮想転送システムによれば、入口エッジルータおよび中継ルータ間の同一リンクにおいて同一フレームが複製転送されず、仮想網の負荷増大が防止される。また、仮想網の負荷を軽減できるので、効率的に伝送帯域を利用できる。さらに、各種プロトコルのパケット又はフレームの形式にかかわらず、仮想網においてマルチキャストおよびブロードキャストを実現できる。加えて、既存の網資源を用いることができる。加えて、出口エッジルータは、アドレス学習機能を有するので、送信元入口エッジルータを識別でき、ポイントツーマルチポイントパスがエンドツーエンドで提供される。

Claims (13)

  1. 複製又は非複製を識別するプロトコル識別子を含む下位レイヤフレームと階層的なパス識別子とを有するラベルスイッチフレームを該階層的なパス識別子に基づいて転送可能な仮想網におけるルータであって、
    受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームについて、該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定部と、
    該判定部にて非複製対象と判定された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームを通過処理し、該判定部にて複製対象と判定された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームに、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子とのうちの少なくとも一つを付与して転送する転送処理部とをそなえて構成されたことを特徴とする、ルータ。
  2. 該ルータが、該仮想網の外部からの外部下位レイヤフレームに該階層的なパス識別子を付与した該ラベルスイッチフレームを該仮想網にプッシュする入口エッジルータとして構成され、
    該判定部が、複製対象の物理アドレスと複数の出力ポートとを対応付けたマルチキャスト物理アドレステーブルに基づいて受信外部下位レイヤフレームの複製の要否を判定するとともに、
    該転送処理部が、該判定部にて複製対象と判定された該受信外部下位レイヤフレームに、ユニキャストフレームを転送するための複数のユーザ拠点識別パスから選択したユーザ拠点識別パスのラベルと、該複製対象フレームの転送元の拠点を示すユーザ拠点識別パスラベルおよび該複製対象フレームの仮想経路を示すトンネルパスラベルと、マルチキャスト用のマルチキャストラベルと、ユーザを識別するユーザ識別子とのうちの少なくとも1個のラベルを付与して転送するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載のルータ。
  3. 該ルータが、該階層的なパス識別子に基づいて該ラベルスイッチフレームを該仮想網に転送する中継ルータとして構成され、
    該判定部が、該ラベルスイッチフレームに含まれるプロトコルタイプ識別子に基づいて該ラベルスイッチフレームについて複製対象又は非複製対象を判定するとともに、
    該転送処理部が、該判定部にて非複製対象と判定された該ラベルスイッチフレームをブリッジ転送するとともに、該判定部にて複製対象と判定された該ラベルスイッチフレームについて、少なくともユーザ拠点識別パスラベルと複製対象の該ラベルスイッチフレームに対する処理内容とを対応付けたマルチキャスト用VCラベルテーブルに基づいて、複製処理と、該ユーザ拠点識別パスラベルおよび該トンネルパスラベルの付与処理とを行なうように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載のルータ。
  4. 該ルータが、該仮想網から転送された該ラベルスイッチフレームに付与された該階層的なパス識別子を取り除いて該仮想網の外部に送信する出口エッジルータとして構成され、
    該転送処理部が、該ラベルスイッチフレームの送信元物理アドレスと、該階層的なパス識別子との対応を学習するとともに、該階層的なパス識別子を取り除いた下位レイヤフレームを該仮想網の外部に送信するポップ処理部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載のルータ。
  5. 複製又は非複製を識別するプロトコル識別子を含む下位レイヤフレームと階層的なパス識別子とを有するラベルスイッチフレームを該階層的なパス識別子に基づいて転送可能な仮想網におけるフレーム転送方法であって、
    該仮想網の外部からの外部下位レイヤフレームに該階層的なパス識別子を付与した該ラベルスイッチフレームを該仮想網にプッシュする入口エッジルータが、受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームについて、該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定ステップと、
    該入口エッジルータが、該判定ステップにて非複製対象と判定された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームを通過処理し、該判定ステップにて複製対象と判定された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームに、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子とのうちの少なくとも一つを付与して転送する転送処理ステップと、
    該仮想網に転送する中継ルータが、該ユニキャスト用の階層的なパス識別子と該マルチキャスト用の階層的なパス識別子と該ユーザ識別子との少なくとも一つに基づいて、該転送処理ステップにて転送された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームを複製又は転送する中継ステップとをそなえたことを特徴とする、フレーム転送方法。
  6. 該転送処理ステップは、該入口エッジルータが該受信外部下位レイヤフレームの送信先アドレスにマルチキャスト用アドレスを付与した該ラベルスイッチフレームを転送し、
    該中継ステップは、該中継ルータが、マルチキャスト用アドレスおよび転送先ルータアドレスを対応付けたマルチキャスト用物理アドレステーブルに基づいて、該転送処理ステップにて転送された該ラベルスイッチフレームを複製転送することを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  7. 該転送処理ステップは、
    該入口エッジルータが、複製対象の物理アドレスおよびユニキャストフレームを転送するためのユーザ拠点識別パスを対応付けた物理アドレステーブルに基づいて、該受信外部下位レイヤフレームの複製の要否を判定する判定ステップと、
    該入口エッジルータが、該ユーザ拠点識別パスのうちの、該非複製対象フレームを転送するための複数のユーザ拠点識別パスのうちの該複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから転送する複数の該非複製対象フレームのユーザ拠点識別パスから選択する選択ステップと、
    該入口エッジルータが、該選択ステップにて選択されたユーザ拠点識別パスを有する該ラベルスイッチフレームを送信する送信ステップとをそなえ、
    該中継ステップは、
    該中継ルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスラベルおよび転送先ルータアドレスとを対応付けたマルチキャスト用ユーザ拠点識別パスラベルテーブルに基づいて、該送信ステップにて送信された該ラベルスイッチフレームを複製転送することを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  8. 該転送処理ステップは、
    該入口エッジルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを設定する設定ステップと、
    該入口エッジルータが、該マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスおよび該マルチキャスト用トンネルパスを介して該ラベルスイッチフレームを転送する転送ステップとをそなえ、
    該中継ステップは、
    第1の中継ルータが、該マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスラベルおよび転送先ルータアドレスを対応付けたマルチキャスト用ラベルテーブルに基づいて、該ラベルスイッチフレームを複製転送する複製転送ステップと、
    第2の中継ルータが、該複製転送ステップにて複製転送された該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された該マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを介して複製転送することを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  9. 該転送処理ステップは、
    該入口エッジルータが、マルチキャスト用ユーザ拠点およびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネル識別パスを設定する設定ステップと、
    該入口エッジルータが、該拠点・トンネル識別パスを介して該ラベルスイッチフレームを転送する転送ステップとをそなえ、
    該中継ステップは、
    第1の中継ルータが、該拠点・トンネル識別パスおよび転送先ルータアドレスを対応付けた第2マルチキャスト用ラベルテーブルに基づいて、該ラベルスイッチフレームを複製転送する複製転送ステップと、
    第2の中継ルータが、該複製転送ステップにて複製転送された該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された該拠点・トンネル識別パスを介して複製転送することを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  10. 該転送処理ステップは、
    該入口エッジルータと、該仮想網から転送された該ラベルスイッチフレームに付与された該階層的なパス識別子を取り除いて該仮想網の外部に送信する複数の出口エッジルータのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスとマルチキャスト用トンネルパスとを設定する設定ステップと、
    該入口エッジルータが、該複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから複数の該中継ルータに転送する複数の該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された該マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスと該マルチキャスト用トンネルパスとを介して各中継ルータに送信する送信ステップとをそなえ、
    該中継ステップは、
    各中継ルータが、該送信ステップにて送信された該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された該マルチキャスト用ユーザ拠点識別パスと該マルチキャスト用トンネルパスとを介して複製転送することを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  11. 該転送処理ステップは、
    該入口エッジルータと、該仮想網から転送された該ラベルスイッチフレームに付与された該階層的なパス識別子を取り除いて該仮想網の外部に送信する複数の出口エッジルータのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用ユーザ拠点およびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネル識別パスを設定する設定ステップと、
    該入口エッジルータが、該複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから複数の該中継ルータに転送する複数の該ラベルスイッチフレームの内部に、ユーザを識別するユーザ識別子を付与する付与ステップと、
    該入口エッジルータが、該付与ステップにてフレーム内部に付与された該ユーザ識別子を含む該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して各中継ルータに送信する送信ステップとをそなえ、
    該中継ステップは、
    各中継ルータが、該送信ステップにて送信された該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された該拠点・トンネル識別パスを介して複製転送する転送ステップと、
    該出口エッジルータが、該転送ステップにて用いた該拠点・トンネル識別パスと該付与ステップにて付与された該ユーザ識別子とを用いてアドレス学習する学習ステップとをそなえたことを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  12. 該転送処理ステップは、
    該入口エッジルータと、該仮想網から転送された該ラベルスイッチフレームに付与された該階層的なパス識別子を取り除いて該仮想網の外部に送信する複数の出口エッジルータのそれぞれとの間において、それぞれ、マルチキャスト用ユーザ拠点およびマルチキャスト用トンネルを識別する拠点・トンネル識別パスを設定する設定ステップと、
    該入口エッジルータが、該複製対象フレームを転送する出力ポートと同一出力ポートから複数の該中継ルータに転送する複数の該ラベルスイッチフレームの外部に、該設定ステップにて設定された該拠点・トンネル識別パスを付与する付与ステップと、
    該入口エッジルータが、該付与ステップにて該拠点・トンネル識別パスを付与された該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された拠点・トンネル識別パスを介して各中継ルータに送信する送信ステップとをそなえ、
    該中継ステップは、
    各中継ルータが、該送信ステップにて送信された該ラベルスイッチフレームを、該設定ステップにて設定された該拠点・トンネル識別パスを介して複製転送する転送ステップと、
    各中継ルータが、該送信ステップにて送信された該ラベルスイッチフレームを該設定ステップにて設定された該拠点・トンネル識別パスを介して複製転送する転送ステップと、
    該出口エッジルータが、該転送ステップにて用いた該拠点・トンネル識別パスを用いてアドレス学習する学習ステップとをそなえたことを特徴とする、請求の範囲第5項記載のフレーム転送方法。
  13. 複製又は非複製を識別するプロトコル識別子を含む下位レイヤフレームと階層的なパス識別子とを有するラベルスイッチフレームを該階層的なパス識別子に基づいて転送可能な仮想網の外部からの外部下位レイヤフレームに該階層的なパス識別子を付与した該ラベルスイッチフレームを該仮想網にプッシュする入口エッジルータと、
    該階層的なパス識別子に基づいて該入口エッジルータから転送された該ラベルスイッチフレームを該仮想網に転送する中継ルータと、
    該中継ルータから転送された該ラベルスイッチフレームに付与された該階層的なパス識別子を取り除いて該仮想網の外部に送信する出口エッジルータとをそなえ、
    上記の入口エッジルータ,中継ルータおよび出口エッジルータが、
    受信下位レイヤフレーム又は受信ラベルスイッチフレームについて、該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームのプロトコル識別子に基づいて複製対象又は非複製対象を判定する判定部と、
    該判定部にて非複製対象と判定された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームを通過処理し、該判定部にて複製対象と判定された該受信下位レイヤフレーム又は該受信ラベルスイッチフレームに、ユニキャスト用の階層的なパス識別子とマルチキャスト用の階層的なパス識別子とユーザ識別子とのうちの少なくとも一つを付与して転送する転送処理部とをそなえて構成されたことを特徴とする、下位レイヤフレーム仮想転送システム。
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