JP3909918B2 - 画素欠陥補正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子から出力される画素信号に含まれる画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子を用いて被写体を撮像する固体撮像カメラが従来より知られている。このうち、画素数の多い固体撮像素子を用いる高精細カメラでは不良画素の発生頻度が高くなり、入力画像中の画素欠陥を補正する技術が必要になる。そこで、撮像素子の後段に設けられたディジタル画像処理手段により欠陥を検出し、補正することができれば、カメラの歩留まりを向上させることができる上に、出荷時に発生予測が困難な欠陥にも対応できる。
【0003】
特開平06−205302号公報は、画像処理により固体撮像カメラにおける画素欠陥を検出して補正する技術を開示している。この公報では、注目画素とその近傍の連続する4画素を用い、注目画素信号が周辺画素信号に対して一定値以上突き出しており、かつ、隣接する前後の画素信号が一定のレベル以上であるときに当該注目画素は欠陥画素であると判定してこれを補正している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平06−205302号公報は、注目画素を中心とする連続5画素を対象としたアルゴリズムを提案しており、これを実現するハードウェア構成は最低5画素に対応したものでなければならない。また、特開平06−205302号公報は画素欠陥を点光源から区別する判定手法を開示しているが、周辺画素列が変化している中に画素欠陥が含まれるような場合には対応することができない。さらに、特開平06−205302号公報は欠陥があると判定された画素の補正方法については具体的に記載していない。
【0005】
本発明の画素欠陥補正装置はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、画素欠陥を判定するために最小限必要な画素数によるアルゴリズムを提案し、それを実現するより簡便なハードウェア構成による画素欠陥補正装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、周辺画素列が変化している中に画素欠陥が含まれるような場合を含む、より広い適用対象に対して有効に画素欠陥の判定を行うことができる画素欠陥補正装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、補正後の画像に違和感のない滑らかな補正を行うことができる画素欠陥補正装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明に係る画素欠陥補正装置は、固体撮像素子から出力される4つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 のうち、前記画素信号xj-2 およびxj-1 に基づいて予測される第1の予測画素信号x* j を算出する第1の予測手段と、前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異を評価する第1の評価手段と、前記第1の予測手段における算出値を基に第2の予測画素信号x* j+1 を算出する第2の予測手段と、前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差異を評価する第2の評価手段と、前記第1の評価手段において前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異が大きいと判定され、かつ前記第2の評価手段において前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差異が小さいと判定された場合に、前記画素信号xj を前記第1の予測画素信号x* j に置き換えて補正する補正手段とを具備する。
【0008】
また、第2の発明に係る画素欠陥補正装置は、第1の発明に係る画素欠陥補正装置において、前記第1および第2の予測手段は、線形予測に基づいて予測画素信号の計算を行う。
【0009】
また、第3の発明に係る画素欠陥補正装置は、固体撮像素子から出力される5つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 ,xj+2 のうち、少なくとも3つの画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第1の予測画素信号x* jを算出する第1の欠陥判定手段と、少なくとも3つの画素信号xj ,xj+1 ,xj+2 を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第2の予測画素信号x* j を算出する第2の欠陥判定手段と、前記第1および第2の欠陥判定手段の出力から前記画素信号xj が欠陥信号であると判定された場合に、前記第1および第2の予測画素信号x* jおよびx* j に基づいて補正画素信号xc jを算出し、前記画素信号xj をこの補正画素信号xc jに置き換えて補正する補正手段とを具備する。
また、第4の発明に係る画素欠陥補正装置は、第3の発明に係る画素欠陥補正装置において、更に所定のパラメータを記録する記録手段を有し、かつ前記第1の欠陥判定手段は、注目画素信号x j の近傍画素信号による第1の線形予測画素信号x * j と実測信号x j との差を計算する第1の差信号算出手段と、前記パラメータと前記第1の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する第1の比較手段とを有し、前記第2の欠陥判定手段は、注目画素信号x j の近傍画素信号による第2の線形予測画素信号x * j と実測信号x j との差を算出する第2の差信号算出手段と、前記パラメータと前記第2の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する第2の比較手段とを有する。
【0010】
すなわち、第1の発明に係る画素欠陥補正装置においては、まず、固体撮像素子から出力される4つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 のうち、前記画素信号xj-2 およびxj-1 に基づいて予測される第1の予測画素信号x* j を第1の予測手段によって算出する。次に、前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異を第1の評価手段によって評価するとともに、前記第1の予測手段における算出値を基に第2の予測画素信号x* j+1 を第2の予測手段によって算出する。次に、前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差異を第2の評価手段によって評価する。そして、前記第1の評価手段において前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異が大きいと判定され、かつ前記第2の評価手段において前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差異が小さいと判定された場合に、補正手段によって前記画素信号xj を前記第1の予測画素信号x* j に置き換えて補正する。
【0011】
また、第2の発明に係る画素欠陥補正装置においては、前記第1および第2の予測手段が予測画素信号の計算を行う場合に、線形予測を用いる。
また、第3の発明に係る画素欠陥補正装置においては、まず、第1の欠陥判定手段によって、固体撮像素子から出力される5つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 ,xj+2 のうち、少なくとも3つの画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第1の予測画素信号x* jを算出する。次に、第2の欠陥判定手段によって、少なくとも3つの画素信号xj ,xj+1 ,xj+2 を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第2の予測画素信号x* j を算出する。そして、前記第1および第2の欠陥判定手段の出力から前記画素信号xj が欠陥信号であると判定された場合に、補正手段によって前記第1および第2の予測画素信号x* jおよびx* j に基づいて補正画素信号xc jを算出し、前記画素信号xj をこの補正画素信号xc jに置き換えて補正する。
また、第4の発明に係る画素欠陥補正装置によれば、第3の発明に係る画素欠陥補正装置において、更に所定のパラメータを記録手段により記録し、かつ前記第1の欠陥判定手段は、第1の差信号算出手段を用いて注目画素信号x j の近傍画素信号による第1の線形予測画素信号x * j と実測信号x j との差を計算するとともに、第1の比較手段を用いて前記パラメータと前記第1の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定し、前記第2の欠陥判定手段は、第2の差信号算出手段を用いて注目画素信号x j の近傍画素信号による第2の線形予測画素信号x * j と実測信号x j との差を算出するとともに、第2の比較手段を用いて前記パラメータと前記第2の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明が適用される第1実施形態の撮像装置の全体構成を示す図であり、固体撮像素子100と、A/D変換器200と、画素欠陥補正回路300と、パラメータ供給回路400とから構成される。
【0013】
固体撮像素子100は、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMD(Charge Modulation Device)などの半導体エリアセンサを用いて構成され、受光面上に結像された物体の像である光強度分布を電荷に変換し、電気的時系列信号として出力する。その出力信号はA/D変換器200により所定のディジタル信号に変換され、画素欠陥補正回路300により欠陥画素の検出・補正処理が行われて、画像メモリや画像表示装置などへ送られる。また、パラメータ供給回路400には画素欠陥補正回路300における検出・補正処理に必要なパラメータが記録されている。
【0014】
図2は、上記した画素欠陥補正回路300の詳細な構成を示す図である。A/D変換器200から転送される注目画素信号xj を中心とする連続する3つの画素信号xj-1 ,xj ,xj+1 はフリップフロップ(FF)301−1〜303−3に各々記録される。ここで、連続する画素信号とは画素欠陥補正回路300に連続して入力される画素信号を意味し、固体撮像素子100の連続して配置された画素からの信号のみならず、固体撮像素子100の離れた位置に配置された画素からの信号を連続して受ける場合も含む。
【0015】
上記した3つの画素信号xj-1 ,xj ,xj+1 に連続する次の画素信号xj-2 と、FF301−1に記録されている画素信号xj-1 は減算器302に入力され、ここで減算(xj-1 −xj-2 )が実行される。その算出結果である差Sは、加算器303によってFF301−1に記録されている画素信号xj-1 と加算され、注目画素信号xj の線形予測画素信号(第1の予測画素信号)x* j =xj-1 +Sが算出される。上記したFF301−1、減算器302、加算器303は第1の予測手段を構成する。
【0016】
線形予測画素信号x* j と実際に入力された注目画素信号xj とは差の絶対値を演算する演算器304に入力され、ここで差の絶対値dj =|x* j −xj |が算出される。この差の絶対値dj は比較器308−1によって、パラメータ供給回路400にあらかじめ記録されているパラメータthr1と大小が比較され、dj >thr1の場合に比較器308−1からは信号“1”が出力される。そうでない場合は比較器308−1からの出力信号は“0”のままである。上記した演算器304と比較器308−1とパラメータ供給回路400とは第1の評価手段を構成する。
【0017】
一方、減算器302の出力である差Sと加算器303からの出力である線形予測画素信号x* j とは第2の予測手段としての加算器305において加算され、ここで画素信号xj+1 の線形予測画素信号(第2の予測画素信号)x* j+1 =x* j +Sが算出される。その線形予測画素信号x* j+1 と実際に入力された画素信号xj+1 とは差の絶対値を演算する演算器306に入力され、差の絶対値dj+1 =|x* j+1 −xj+1 |が算出される。この差の絶対値dj+1 は比較器308−2において、パラメータ供給回路400にあらかじめ記録されているパラメータthr2と大小が比較され、dj <thr2の場合に比較器308−2からは信号“1”が出力される。また、そうでない場合には“0”が出力される。上記した演算器306と比較器308−2とパラメータ供給回路400とは第2の評価手段を構成する。
【0018】
比較器308−1と比較器308−2の出力信号は論理積演算器309に入力され、両信号が“1”のときのみ出力信号“1”が、そうでない場合は出力信号“0”がセレクタ310に入力される。セレクタ310にはこの他に、実際に入力された注目画素信号xj と加算器303からの出力である注目画素の線形予測画素信号x* j とが入力され、論理積演算器309からの出力信号が“1”の場合には線形予測画素信号x* j を、そうでない場合には入力画素信号xj を注目画素の画素信号として選択・出力する。上記した論理積演算器309、セレクタ310とは補正手段を構成する。
【0019】
以下に、上記した構成の作用についてさらに説明する。まず、注目画素xj を含む4つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 に対して以下の3条件が成り立つと仮定する。
【0020】
(a)4画素近傍における画素信号列はその信号レベルがほぼ線形に変化する。
(b)ノイズ成分は欠陥画素信号と周辺画素信号とのギャップに比べて十分小さい。
【0021】
(c)4連続画素中において、画素欠陥は注目画素以外には存在しない。
図3は、上記した3条件を満たす画素列の概念図である。上記仮定において、本実施形態では以下のようなアルゴリズムが実行される。
【0022】
( i) 画素信号xj-2 とxj-1 の差S=xj-2 −xj-1 を計算する。
(ii) 注目画素信号xj の線形予測画素信号x* j =xj-1 +Sを求める。
(iii) 注目画素の実測画素信号xj とその線形予測画素信号x* j との差の絶対値dj =|xj −x* j |を求める。
【0023】
(iv ) 差の絶対値dj とあらかじめ設定されているパラメータthr1との大小を比較する。
(v)画素信号xj+1 の線形予測画素信号x* j+1 =x* j +Sを求める。
(vi)実測画素信号xj+1 とその線形予測画素信号x* j+1 との差の絶対値dj+1 =|xj+1 −x* j+1 |を求める。
【0024】
(vii) 差の絶対値dj+1 とあらかじめ設定されているパラメータthr2との大小を比較する。
(viii) dj >thr1かつdj+1 <thr2の場合に注目画素信号xj を画素欠陥のある信号であると判定し、その線形画素信号x* j に置き換える。
【0025】
上記したアルゴリズムは、注目画素信号をその近傍の連続画素信号による線形予測値と比較することにより画素欠陥があるかどうかを判定し、補正する手法を具現化するものである。つまり、画素信号列が滑らかに推移している中に突出した欠陥画素信号が存在する場合にそれを検出し、線形予測画素信号で置換えることにより、画素信号列の滑らかを維持し、違和感の少ない補正画像を提供することを意図している。
【0026】
しかも、最少の参照画素数で画素欠陥を検出するアルゴリズムであるのでハードウェア構成を簡便にできる。また、上記アルゴリズムの(iii) においてxj −x* j <0の場合は輝度値の小さい欠陥信号、いわば黒点を対象とし、逆にxj −x* j >0の場合は輝度値の大きい欠陥信号、いわば白点を対象とすることができるので、dj =|xj −x* j |を評価することにより両者を同時に扱うことができる。さらに、本アルゴリズムでは(iv)と(vii) の2つの条件を同時に満足する場合にはじめて画素欠陥が存在すると判定するようにしたので、画像中の凹凸やエッジなどの影響により対象画素列が急激な変化をするような場合において、注目画素を欠陥のある画素として誤認識することを防止することができる。
【0027】
以下に本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態におけるパラメータ供給回路400の代わりに、複数のパラメータを記憶する記憶回路と、この複数のパラメータから任意のパラメータを選択するための選択回路とを備えたパラメータ供給回路500を用いる。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。
【0028】
図4は本発明の第2実施形態に係るパラメータ供給回路500の構成を示す図である。パラメータ供給回路500の内部には第1実施形態で使用したパラメータthr1の候補として、n(n≧2)個のパラメータthr11 ,thr12 ,…,thr1n を各々記録するROM501−1,501−2,…,501−nが設けられている。同様に第1実施形態で使用したパラメータthr2の候補として、m(m≧2)個のパラメータthr21 ,thr22 ,…,thr2m を各々記録するROM502−1,502−2,…,502−mが設けられている。セレクタ503−1は、ROM501−1,501−2,…,501−nに記録されているn個のパラメータから一つを選択し、画素欠陥補正回路300に送る。同様にセレクタ503−2はROM501−1,502−2,…,502−mに記録されているm個のパラメータから一つを選択し、画素欠陥補正回路300に送る。
【0029】
セレクタ503−1,503−2がどのパラメータを選択するかは、パラメータ選択器504の指令信号に基づく。つまり、パラメータ選択器504はROMなどで構成され、画素欠陥補正回路300に入力された画素信号列xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 の信号レベル(平均や中間値、あるいは画素信号xj-2 の値など)に応じて適当な選択指令信号をセレクタ503−1,503−2に送るようにする。
【0030】
なお、パラメータ供給回路500の構成は、n(n≧2)個のパラメータthr11 ,thr12 ,…,thr1n を1個のROMに記録し、パラメータ選択器504は所定のパラメータが記録されているROMのアドレスを出力するようにすることにより同様な処理を行わせるようにしても良い。その場合、セレクタは不要になる。
【0031】
以下に、上記した構成の作用についてさらに説明する。画素欠陥を検出し、補正するアルゴリズムは第1実施形態と同様であるが、第2実施形態はパラメータthr1,thr2を連続する画素信号列のレベルに応じて適応的に選択する機能を有する。このような機能によって、固体撮像素子100が信号に依存したノイズ特性を有するような場合に対して、パラメータを適当に調整することにより画素欠陥の検出精度を良い状態に保つことができる。
【0032】
すなわち、本実施形態のアルゴリズムでは注目画素値の線形予測を行うため、ノイズは検出精度に敏感に影響する。ノイズによる画素欠陥の誤検出は、パラメータthr1,thr2の調整で防ぐことができるが、それらを最適な値に設定するにはノイズの定量的な推定が必要である。そこで、本実施形態では連続する画素信号列の信号レベルを基にノイズを予測し、パラメータの最適化を行うようにする。
【0033】
以下に本発明の第3実施形態を説明する。本発明の第3実施形態は、第2実施形態の構成に標準偏差算出器(第1、第2の評価手段に含まれる)を加え、注目画素の近傍領域における画素信号の標準偏差を参照することにより最適なパラメータを選択する機能を付加している。図5は、本発明が適用される第3実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。図5において、固体撮像素子100からの出力信号をA/D変換器200によりディジタル画像信号に変換する。このA/D変換器200からの連続画素信号列は画素欠陥補正回路300と共に標準偏差算出器600に入力される。標準偏差算出器600は累積加算器、2乗計算器、減算器、平方根算出器などで構成され(図示せず)、注目画素近傍の連続画素列について画素信号の標準偏差を算出する。パラメータ供給回路500は第2実施形態における構成と同様であるが、本実施形態においては、標準偏差算出器600からの出力値に基づいて最適なパラメータが選択されるように構成される。それ以外の構成は、第2実施形態と同様である。
【0034】
すなわち、本実施形態では、注目画素近傍の連続画素列における画素信号の標準偏差を参照して最適なパラメータを設定することでノイズに対して適応的な処理を行わせる。つまり、画像が滑らかに推移する局所領域では標準偏差を算出することによりノイズの大きさを定量評価できるので、それを基に最適なパラメータthr1,thr2を選択することができる。
【0035】
以下に本発明の第4実施形態を説明する。本発明の第4実施形態は、最適なパラメータthr1,thr2を注目画素の線形予測の際に算出される隣接画素間の勾配を基に算出するものである。
【0036】
図6は第4実施形態に係るパラメータ供給回路700の構成を示す図である。このパラメータ供給回路700内には、ROM701−1,701−2が設けられ、それぞれ所定の係数α,βが記録されている。画素欠陥補正回路300内では第1実施形態と同様に、画素信号列xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 に対する画素欠陥検出処理の過程で画素信号xj-2 とxj-1 の差S=xj-2 −xj-1 が算出されるが、この差Sはパラメータ供給回路700内に導かれ、積算器702−1,702−2においてそれぞれ係数α,βと積算される。その算出結果がそれぞれパラメータthr1,thr2として画素欠陥補正回路300にフィードバックされる。
【0037】
以下に上記した構成の作用をさらに説明する。本実施形態では、注目画素近傍の勾配を参照してパラメータthr1,thr2を算出する作用を有する。本実施形態のアルゴリズムによれば、注目画素の線形予測に基づいて画素欠陥の判定を行うので注目画素近傍の画素信号がどの程度の勾配で推移しているかを考慮しながら最適なパラメータを設定することは欠陥検出精度にとって重要である。そこで、本実施形態では画素欠陥補正回路300内で算出される差Sを参照してパラメータを算出する。その際に、パラメータthr1,thr2を次式のような単純な計算により設定するようにモデル化している。
【0038】
thr1=α×S, thr2=β×S
係数α,βはあらかじめ実験的に最適な値を調べておけばよい。このような構成により、パラメータの設定自由度を広げ、適用範囲を拡大することができる。しかも、単純な計算によりパラメータをその場で算出することができるので、ハードウェア構成を簡便にすることができる。
【0039】
なお、本実施形態では差Sを参照してパラメータを算出するように構成したが第2実施形態と同様に参照する値は注目画素近傍の画素信号自身でも良い。また第3実施形態の構成において、パラメータ供給回路500を本実施形態のパラメータ供給回路700に置き換えることにより、注目画素近傍の画素信号列における標準偏差を参照してパラメータを算出するように構成しても良い。
【0040】
以下に本発明の第5実施形態を説明する。本発明の第5実施形態は、画像メモリに記録された画像信号に対して画素欠陥補正の処理を効率良く行う装置に関する。
【0041】
図7は本発明が適用される第5実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。固体撮像素子100で撮像され、A/D変換器200でディジタル信号に変換された画像データは画像メモリ800に一旦記録される。画素欠陥補正回路900は画像メモリ800に記録されている画像信号に対して所定の処理を実行し、補正処理を施した画素信号を画像メモリ800に再び書き込む。
【0042】
図8は上記した画素欠陥補正回路900の内部構成を示す図である。画像メモリ800から転送される連続画素信号列xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 はバッファメモリ(BM)901−1〜901−4に記録される。これらの画素信号に対して、セレクタ902−1,902−2、加減算器903、バッファメモリ(BM)904,905、絶対値演算器906、比較器907により後述するアルゴリズムに従った画素欠陥検出処理が行われ、回路全体の制御に必要な中間処理データおよび最終結果はCPU908に送られる。
【0043】
CPU908は前記アルゴリズムを実行するために必要なセレクタ及び加減算器などの制御を行う。また、最終的に注目画素xj が欠陥であると判定された場合にはCPU908からゲート909を制御することによりバッファメモリ(BM)905に記録されている予測信号x* j を画像メモリ800に送り、画素信号xj を予測信号x* j に書き換えることにより画素欠陥の補正を行う。
【0044】
上記した構成において、第1の予測手段はセレクタ901−1、902−2、加減算器903、BM904、905、CPU908より構成され、第1の評価手段はセレクタ901−1、902−2、加減算器903、BM904、絶対値演算器906、比較器907、CPU908、パラメータ供給回路400より構成され、第2の予測手段は、セレクタ901−1、902−2、加減算器903、BM904、905、CPU908より構成され、第2の評価手段は、セレクタ901−1、902−2、加減算器903、BM904、905、絶対値演算器906、比較器907、CPU908、パラメータ供給回路400より構成され、補正手段はBM905とCPU908とから構成される。
【0045】
以下に上記した構成の作用をさらに説明する。本実施形態では、以下に示すようなアルゴリズムに従った画素欠陥検出・補正処理が行われる。このアルゴリズムは第1実施形態に示したものとほぼ同様であるが、画像メモリに記録された画像信号に対して非同期に処理を行うことを想定した変形例である。
( i)画素信号xj-2 とxj-1 の差S=xj-2 −xj-1 を計算する。
(ii )注目画素信号xj の線形予測画素信号x* j =xj-1 +Sを求める。
(iii) 注目画素の実測信号xj とその線形予測画素信号x* j との差の絶対値dj =|xj −x* j |を求める。
(iv )差の絶対値dj とあらかじめ設定されているパラメータthr1との大小を比較し、dj >thr1の場合には(v)に進む。
( v)画素信号xj+1 の線形予測画素信号x* j+1 =x* j +Sを求める。
(vi ) 実測画素信号xj+1 とその線形予測画素信号x* j+1 との差の絶対値dj+1 =|xj+1 −x* j+1 |を求める。
(vii) 差の絶対値dj+1 とあらかじめ設定されているパラメータthr2との大小を比較し、dj+1 <thr2の場合に注目画素信号xj を画素欠陥のある信号である判定しその線形画素信号x* j に置き換える。
【0046】
上記アルゴリズム2段階の条件分岐で構成され、(iv)の分岐において補正処理を必要としない多くの場合を除外することにより、処理の高速化を実現できる。また、加減算器を1個だけ用いるなどハードウェア構成を簡便にすることができる。
【0047】
以下に本発明の第6実施形態を説明する。本発明の第6実施形態は、注目画素の近傍5画素を利用して画素欠陥の判定および補正を行う画素欠陥補正装置に関する。本発明が適用される第6実施形態の撮像装置の全体構成は画素欠陥補正回路以外は図1に示す第1実施形態と同様である。
【0048】
図9は、本発明の第6実施形態における画素欠陥補正回路1000の詳細な内部構成を示す図である。画素欠陥補正回路1000に入力される連続画素信号xj-1 ,xj ,xj+1 ,xj+2 は内部のFF1001−1〜1001−4にそれぞれ格納される。これらの連続画素信号のうち、画素信号xj-1 ,xj および新たに入力される画素信号xj-2 は第1の欠陥判定手段としての欠陥判定回路1002−1に入力され、画素信号xj-2 ,xj-1 から算出される画素信号xj の予測画素信号(第1の予測画素信号)x* j と、実際に観測された画素信号xj との比較が行われ、その比較結果と予測画素信号x* j が欠陥判定/補正回路1003に転送される。
【0049】
同様に、画素信号xj ,xj+1 ,xj+2 は第2の欠陥判定手段としての欠陥判定回路1002−2に入力され、画素信号xj+2 ,xj+1 から算出される画素信号xj の予測画素信号(第2の予測画素信号)x*jと実際に観測された実測画素信号xj との比較が行われ、その比較結果と予測画素信号x*jが欠陥判定/補正回路1003に転送される。なお、欠陥判定回路1002−1,1002−2は共に第1実施形態における画素欠陥補正回路300と類似した構成を有し、2つの画素信号xj+2 ,xj-1 (またはxj+2 ,xj+1 )の線形予測から予測画素信号x* j (またはx*j)を算出し、実測画素信号xj と予測画素信号x* j (またはx*j)の差とパラメータ供給回路400に格納されているパラメータthr1との大小を比較する動作を行う。パラメータ供給回路400は、第1及び第2の欠陥判定手段に各々含まれる。
【0050】
欠陥判定/補正回路1003では、欠陥判定回路1002−1,1002−2による比較結果を総合的に評価することにより注目画素信号xj が画素欠陥のある信号であるかどうかを判定し、画素欠陥のある信号であると判定された場合は予測画素信号x* j ,x*jから新たな補正画素信号xc j を算出する。欠陥判定/補正回路1003による判定結果と補正画素信号xc j はセレクタ1004に送られ、欠陥と判定された場合は補正画素信号xc j を、そうでない場合は実測画素信号xj が選択される。上記した欠陥判定/補正回路1003とセレクタ1004とは補正手段を構成する。
【0051】
以下に上記した構成の作用をさらに説明する。本実施形態では、以下に示すようなアルゴリズムに従った画素欠陥検出・補正処理が行われる。このアルゴリズムは第1実施形態に示したものを、近傍5画素を対象とするように変更した変形例である。
( i) 画素信号xj-2 とxj-1 の差S=xj-2 −xj-1 を計算する。
(ii) 注目画素信号xj の線形予測画素信号x* j =x j-1+Sを求める。
(iii) 注目画素の実測画素信号xj とその線形予測画素信号x* j との差の絶対値dj =|xj −x* j |を求める。
(iv ) 差の絶対値dj とあらかじめ設定されているパラメータthr1との大小を比較する。
( v)画素信号xj+2 とxj+1 の差S′=xj+2 −xj+1 を計算する。
(vi )注目画素信号xj の線形予測画素信号x*j=xj+1 +S′を求める。
(vii) 注目画素の実測画素信号xj とその線形予測画素信号x*jとの差の絶対値d′ j=|xj −x*j|を求める。
(viii) 差の絶対値d′ jとあらかじめ設定されているパラメータthr1との大小を比較する。
(ix )dj ,d′ jとthr1の大小関係を評価することにより画素欠陥を判定し、必要に応じて注目画素信号xj を線形予測画素信号x* j ,x*jから新たに算出される補正画素信号xc j に置き換える。
【0052】
本実施形態では上記したアルゴリズムを採用することにより、注目画素信号の予測性を180°異なる向きから評価して欠陥判定精度を向上させている。
なお、上記アルゴリズムの(ix)に相当する欠陥判定/補正回路1003にお
ける総合的な判定基準および補正画素信号xc j の算出法としては、具体的に次のような場合がある。
【0053】
(1)2つの欠陥判定回路1002−1,1002−2による比較結果が共に欠陥であると判定されるものである場合に、注目画素を欠陥と判定する。補正画素信号xc j は各予測画素信号x* j ,x*jの平均値とする。
【0054】
(2)2つの欠陥判定回路1002−1,1002−2による比較結果の内の少なくともどちらか一方が欠陥を有すると判定される場合には注目画素を欠陥画素であると判定する。補正画素信号xc j は欠陥判定回路1002−2による比較結果のみが欠陥を有すると判定される場合には予測画素信号x*jを採用し、それ以外の場合は予測信号x* j を採用する。
【0055】
実際は、固体撮像素子や対象物の特性、あるいは入力画像の用途・目的に応じて、上述したような条件の中から最も適切なものを選択すれば良い。
また、本実施形態に次のような機能を付加しても良い。つまり、上記アルゴリズムのステップ(iii) ,(vii) において差の絶対値dj =|xj −x* j |(あるいはd′j =|xj −x*j |)を求めると同時に差の正負情報を記録しておく。そして、欠陥判定回路1002−1,1002−2における差の正負が逆転している場合、例えばxj <x* j かつxj >x*j の場合は自動的に欠陥がないと判定する。このような機能を設けることにより、注目画素を中心にちょうど両側が不連続に接続されている場合に、注目画素が欠陥を有するものとして誤判定されることを防ぐことができる。これは、回路的にはわずかな改良で実現できるので、図示は省略する。
【0056】
なお、本実施形態では欠陥判定回路1002−1,1002−2に3つの連続画素信号列xj-2 ,xj-1 ,xj (またはxj+2 ,xj+1 ,xj )を入力することにより近傍2画素信号列xj-2 ,xj-1 (またはxj+2 ,xj+1 )から注目画素信号xj の予測性を評価したが、各々4つの連続画素信号列xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 (またはxj+2 ,xj+1 ,xj ,xj-1 )を入力することにより近傍の3画素信号列xj-2 ,xj-1 ,xj+1 (またはxj+2 ,xj+1 ,xj-1 )から注目画素信号xj の予測性を評価するようにしても良い。つまり、第1実施形態で述べた手法を180°異なる向きから2回行うことにより、欠陥検出精度と補正信号の適正さを向上させる例である。この場合、2つの欠陥判定回路1002−1,1002−2はそれぞれ第1実施形態における画素欠陥補正回路300の演算部と同様に構成すれば良い。
【0057】
なお、上記した実施形態には以下のような構成の発明が含まれている。
1.
固体撮像素子から出力される4つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 のうち、前記画素信号xj-2 およびxj-1 に基づいて予測される第1の予測画素信号x* j を算出する第1の予測手段と、
前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異を評価する第1の評価手段と、
前記第1の予測手段における算出値を基に第2の予測画素信号x* j+1 を算出する第2の予測手段と、
前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差異を評価する第2の評価手段と、
前記第1の評価手段において前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異が大きいと判定され、かつ前記第2の評価手段において前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差異が小さいと判定された場合に、前記画素信号xj を前記第1の予測画素信号x* j に置き換えて補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする画素欠陥補正装置。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1には少なくとも第1実施形態が対応する。
(効果)
最少の参照画素数で画素欠陥を検出する方式であるのでハードウェア構成を簡便にでき、しかも画像中でエッジや凹凸など変化の大きい領域においてもそれらを欠陥であると誤認識することがない。また、欠陥画素値を近傍からの予測値に変換することにより、滑らかに補正を施すことができる。
1−1.
構成1の画素欠陥補正装置において、
前記第1および第2の予測手段は、線形予測に基づいて予測画素信号の計算を行うことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2には少なくとも第1実施形態が対応する。
(効果)
予測演算を線形予測即ち加減算で実現できるため、簡便なハードウェア構成で高速に処理を実行できる。
1−2.
構成1及び1−1の画素欠陥補正装置において、
前記第1の評価手段は、
前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差信号dj を計算する第1の差分回路と、
所定の第1のパラメータthr1をあらかじめ記録しておく第1の記録手段と、
前記差信号dj と前記第1のパラメータthr1とを比較する第1の比較回路とを有し、
前記第2の評価手段は、
前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差信号dj+1 を計算する第2の差分回路と、
所定の第2のパラメータthr2をあらかじめ記録しておく第2の記録手段と、
前記差信号dj+1 と前記第2のパラメータthr2とを比較する第2の比較回路と、
を有することを特徴とする。
(効果)
画素信号xj と予測画素信号x* j との差異の評価を、差分演算を行う差分回路と、この差分演算結果とパラメータとの大小比較を行う比較回路とを用いて行うことにより、簡便なハードウェア構成で高速に処理を実行できる。また、差分値をパラメータと比較するように構成すれば、パラメータを調整することによりノイズに強い方式にするなど用途に応じて最適なシステムを簡単に構成できる。さらに、パラメータを記録しておく手段を設けることにより処理を高速に行える。
1−2−1.
構成1−2の画素欠陥補正装置において、
前記第1および第2の差分回路は、
入力された画素信号間の差分を計算すると共にその絶対値を算出する
ことを特徴とする。
(効果)
差分回路の出力が正の場合は輝度値の小さい欠陥信号、すなわち黒点が、また負の場合は輝度値の大きい欠陥信号、すなわち白点を対象とすることができるので、絶対値を評価することにより同一回路で両方の欠陥に対応できる。
1−2−2.
構成1−2及び1−2−1の画素欠陥補正装置において、
前記第1の記録手段は、前記第1パラメータの候補として複数のパラメータthr11 ,thr12 ,…,thr1n (n≧2)を記録し、かつ、前記第2の記録手段は、前記第2のパラメータの候補として複数のパラメータthr21 ,thr22 ,…,thr2n (n≧2)を記録すると共に、前記第1及び第2の評価手段はそれらの候補パラメータからそれぞれ1つを選択するパラメータ選択手段を有する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−2−2には少なくとも第2実施形態が対応する。
(効果)
画像の明るさ、変化の起伏、S/Nなど画像の性質に応じてパラメータを選択することにより、最適な処理を実現できる。
1−2−2−1.
構成1−2−2の画素欠陥補正装置において、
前記パラメータ選択手段は、画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 を含むそれらの近傍領域における画素値を参照することにより前記複数のパラメータからそれぞれ1つを選択する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−2−2−1には少なくとも第2実施形態が対応する。
(効果)
注目画素の近傍画素信号の大小に応じて変化する画像の特性を考慮した最適な処理が行える。
1−2−2−2.
構成1−2−2の画素欠陥補正装置において、
前記第1および第2の評価手段は、画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 を含む近傍領域における画素値の標準偏差を参照することにより、記録された複数のパラメータthr11 ,thr12 …,thr1n (またはthr21 ,thr22 ,…,thr2n )(n≧2)から1つを選択する選択手段を有する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−2−2−2には少なくとも第3実施形態が対応する。
(効果)
注目画素の近傍画素信号のノイズ成分を考慮した最適な処理が行える。
1−3.
構成1及び1−1の画素欠陥補正装置において、
前記第1の評価手段は、
前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差信号dj を計算する第1の差分回路と、
第1のパラメータthr1を算出する第1のパラメータ算出手段と、
前記差信号dj と前記第1のパラメータthr1とを比較する第1の比較回路と、
を有し、
前記第2の評価手段は、
前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1 との差信号dj+1 を計算する第2の差分回路と、
第2のパラメータthr2を算出する第2のパラメータ算出手段と、
前記差信号dj+1 と前記第2のパラメータthr2とを比較する第2の比較回路と、
を有することを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−3には少なくとも第4実施形態が対応する。
(効果)
パラメータをリアルタイムで算出することにより、画像の性質に応じた最適な処理を実現できる。
1−3−1.
構成1−3の画素欠陥補正装置において、
前記第1および第2のパラメータ算出手段は、
前記画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 を対象としたそれぞれ前記第1及び第2の差分回路における算出値を参照することによりパラメータを算出する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−3−1には少なくとも第4実施形態が対応する。
(効果)
パラメータをリアルタイムで算出することにより、パラメータをあらかじめROMに書き込んでおくための構成と手間を省くことができる。また、差分回路における算出値を参照することにより画素信号列の変化に対応したパラメータを算出できる。
1−3−2.
構成1−3の画素欠陥補正装置において、
前記第1および第2のパラメータ算出手段は、
それぞれ前記画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 を含むそれらの近傍領域における画素値を参照することによりパラメータを算出する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−3−2には少なくとも第4実施形態が対応する。
(効果)
パラメータをリアルタイムで算出することにより、あらかじめパラメータをROMに書き込んでおくための構成と手間を省くことができる。また、注目画素の近傍画素信号を参照することにより画素信号の大小による画像の特性に応じたパラメータを算出できる。
1−3−3.
構成1−3の画素欠陥補正装置において、
前記第1および第2のパラメータ算出手段は、
それぞれ前記画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 を含むそれらの近傍領域における画素値の標準偏差を参照することによりパラメータを算出する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−3−3には少なくとも第4実施形態が対応する。
(効果)
パラメータをリアルタイムで算出することにより、あらかじめパラメータをROMに書き込んでおくための構成と手間を省くことができる。また、注目画素の近傍画素信号の標準偏差を参照することによりノイズに応じたパラメータを算出することができる。
1−4.
構成1乃至1−3の画素欠陥補正装置において、
前記第1の評価手段において前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* j との差異が大きいと判定された場合にのみ前記第2の評価手段を動作させ、そうでない場合には補正処理を続行しないように判断する判断手段を有する
ことを特徴とする画素欠陥補正装置。
(上記した実施形態との対応関係)
構成1−4には少なくとも第5実施形態が対応する。
(効果)
第1の評価手段で判定される補正処理を必要としない多くの場合を除外することにより、処理の高速化を実現できる。また、加減算器の数を減らせるなどハードウェア構成を簡便にすることができる。
2.
固体撮像素子から出力される5つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 ,xj+2 のうち、少なくとも3つの画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第1の予測画素信号x* j を算出する第1の欠陥判定手段と、
少なくとも3つの画素信号xj ,xj+1 ,xj+2 を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第2の予測画素信号x*j を算出する第2の欠陥判定手段と、
前記第1および第2の欠陥判定手段の出力から前記画素信号xj が欠陥信号であると判定された場合に、前記第1及び第2の予測画素信号x* j およびx*j に基づいて補正画素信号xc j を算出し、前記画素信号xj をこの補正画素信号xc j に置き換えて補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする画素欠陥補正装置。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
簡便なハードウェア構成でありながら、注目画素に対して欠陥判定処理を180°異なる向きから計2回行うことにより検出の正確さを向上させることができる。
2−1.
構成2に記載の画素欠陥補正装置において、
更に所定のパラメータを記録する記録手段を有し、
かつ前記第1の欠陥判定手段は、
注目画素信号xj の近傍画素信号による第1の線形予測画素信号x* j と実測信号xj との差を算出する第1の差信号算出手段と、前記パラメータと前記第1の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する第1の比較手段とを有し、
前記第2の欠陥判定手段は、
注目画素信号xj の近傍画素信号による第2の線形予測画素信号x*j と実測信号xj との差を算出する第2の差信号算出手段と、前記パラメータと前記第2の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する第2の比較手段とを有する
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2−1には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
予測演算を加減算で実現できるため、簡便なハードウェア構成で高速に処理を実行できる。
2−1−1.
構成2−1の画素欠陥補正装置において、
前記補正手段は、
前記第1および第2の欠陥判定手段により判定された大小関係が異なる場合には前記画素信号xj が欠陥を有するとの判定を行わない
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2−1−1には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
画素信号列が注目画素信号xj を中心に不連続に推移している場合においても欠陥画素であると誤認識することがない。
2−2.
構成2及び2−1の画素欠陥補正装置において、
前記補正手段は、
前記第1および第2の欠陥判定手段のうち少なくともどちらか一方において前記画素信号xj が欠陥を有すると判定された場合に、前記画素信号xj を前記補正画素信号xc j に置き換える
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2−2には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
画素欠陥を見逃す確率を低減することができる。
2−2−1.
構成2−2の画素欠陥補正装置において、
前記補正手段は、
前記第1および第2の欠陥判定手段のうちの一方において前記画素信号xj が欠陥を有すると判定された場合に前記補正画素信号xc j を当該欠陥判定手段で算出された前記予測画素信号とする
ことを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2−2−1には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
画素欠陥を見逃す確率を低減し、かつ適切に補正することができる。
2−3.
構成2及び2−1の画素欠陥補正装置において、
前記補正手段は、
前記第1および第2の欠陥判定手段の両方において前記画素信号xj が欠陥信号であると判定された場合に前記画素信号xj を前記補正画素信号xc j に置き換えることを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2−3には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
画素欠陥の誤検出を低減することができる。
2−4.
構成2,2−1,2−2,2−2−1,2−3の画素欠陥補正装置において、
前記補正手段は、
前記第1および第2の欠陥判定手段において算出される前記第1及び第2の予測画素信号x* j 及びx*j の平均値を前記補正画素信号xc j とすることを特徴とする。
(上記した実施形態との対応関係)
構成2−4には少なくとも第6実施形態が対応する。
(効果)
補正後の画像をより滑らかに連続させることができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、画素欠陥を判定するために最小限必要な画素数によるアルゴリズムを提案し、それを実現するより簡便なハードウェア構成による画素欠陥補正装置を提供することができる。また、周辺画素列が変化している中に画素欠陥が含まれるような場合を含む、より広い適用対象に対して有効に画素欠陥の判定を行うことができる。さらに、補正後の画像に違和感のない滑らかな補正を行うことができる。
【0059】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、簡単なハードウェア構成で高速に処理を実行できる。
また、請求項3に記載の発明によれば、簡便なハードウェア構成でありながら、注目画素に対して欠陥判定処理を180°異なる向きから計2回行うことにより検出の正確さを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される第1実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す画素欠陥補正回路の詳細な構成を示す図である。
【図3】注目画素xj を含む4つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 に対して3条件を満たす画素列の概念図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るパラメータ供給回路の構成を示す図である。
【図5】本発明が適用される第3実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係るパラメータ供給回路の構成を示す図である。
【図7】本発明が適用される第5実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。
【図8】図7に示す画素欠陥補正回路の内部構成を示す図である。
【図9】本発明の第6実施形態における画素欠陥補正回路の詳細な内部構成を示す図である。
【符号の説明】
100…固体撮像素子、
200…A/D変換器、
300…画素欠陥補正回路、
301−1乃至301−3…フリップフロップ(FF)、
302…減算器、
303、305…加算器、
304、306…差の絶対値を演算する演算器、
308−1、308−2…比較器、
309…論理積演算器、
310…セレクタ、
400…パラメータ供給回路。

Claims (4)

  1. 固体撮像素子から出力される4つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 のうち、前記画素信号xj-2 およびxj-1 に基づいて予測される第1の予測画素信号x* jを算出する第1の予測手段と、
    前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* jとの差異を評価する第1の評価手段と、
    前記第1の予測手段における算出値を基に第2の予測画素信号x* j+1を算出する第2の予測手段と、
    前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1との差異を評価する第2の評価手段と、
    前記第1の評価手段において前記画素信号xj と前記第1の予測画素信号x* jとの差異が大きいと判定され、かつ前記第2の評価手段において前記画素信号xj+1 と前記第2の予測画素信号x* j+1との差異が小さいと判定された場合に、前記画素信号xj を前記第1の予測画素信号x* jに置き換えて補正する補正手段と、
    を具備することを特徴とする画素欠陥補正装置。
  2. 前記第1および第2の予測手段は、線形予測に基づいて予測画素信号の計算を行うことを特徴とする請求項1記載の画素欠陥補正装置。
  3. 固体撮像素子から出力される5つの連続する画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj ,xj+1 ,xj+2 のうち、少なくとも3つの画素信号xj-2 ,xj-1 ,xj を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第1の予測画素信号x* jを算出する第1の欠陥判定手段と、少なくとも3つの画素信号xj ,xj+1 ,xj+2 を用いて前記画素信号xj が欠陥信号であるかどうかを評価すると共に、前記画素信号xj の第2の予測画素信号x* j を算出する第2の欠陥判定手段と、
    前記第1および第2の欠陥判定手段の出力から前記画素信号xj が欠陥信号であると判定された場合に、前記第1および第2の予測画素信号x* jおよびx* j に基づいて補正画素信号xc jを算出し、前記画素信号xj をこの補正画素信号xc jに置き換えて補正する補正手段と、
    を具備することを特徴とする画素欠陥補正装置。
  4. 更に所定のパラメータを記録する記録手段を有し、かつ前記第1の欠陥判定手段は、
    注目画素信号x j の近傍画素信号による第1の線形予測画素信号x * j と実測信号x j との差を計算する第1の差信号算出手段と、前記パラメータと前記第1の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する第1の比較手段とを有し、
    前記第2の欠陥判定手段は、
    注目画素信号x j の近傍画素信号による第2の線形予測画素信号x * j と実測信号x j との差を算出する第2の差信号算出手段と、前記パラメータと前記第2の差信号算出手段の算出結果との大小関係を判定する第2の比較手段とを有する
    ことを特徴とする請求項3記載の画素欠陥補正装置。
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