JP3907918B2 - 粉体充填装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粉体充填装置に関し、詳細には形状が任意に変わる容器にトナー等の粉体を充填する粉体充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
サプライ製品の一般的な傾向として、リサイクル性あるいは廃棄性に優れた形態が要求されている。その反面、複写機、FAX、プリンタ等のマシン関連のサプライ製品の容器は、図8の(a),(b)に示すようなプラスチックを中心とした硬質容器81,82が大多数を占めており、上記の要求に遅れをとっているのが実状である。しかし、複写機、FAX、プリンタ等のマシンに使われているトナー等の粉体は平均粒径が7〜10μmと超微粒子であり、図8に示すような硬質容器に充填するのが生産側から見た場合最も効率が良く、マシン内での使用についても効率の良い形態であるのも又事実である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにリサイクル性あるいは廃棄性に優れた容器を提供するためには減容可能であることが重要になる。そこで、従来紙質又はフィルム質の袋状容器に粉体を充填することが提案されているが、袋の容積が常に一定にならず規定量を安定して充填することが困難であった。
【0004】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、リサイクル性あるいは廃棄性に優れ、容器形状が任意に変わる軟質の容器に、規定量の粉体を安定して高速に充填できる粉体充填装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、トナー等の粉体を容器に充填する、本発明に係る粉体充填装置は、形状が任意に変わる軟質の容器内に粉体を切出して少なくとも1つの充填ノズルを介して充填する充填器と、充填器によって粉体を容器に充填しながら容器の外部から圧力を加えて容器の容積を減容させて容器内に充填した粉体を充填器側に押し出す容器減容器とを有することに特徴がある。よって、充填器と容器の接合部分で滞留した粉体の詰まりを回避でき、かつ容器形状が任意に変わる軟質の容器に粉体を充填しながら粉体含有の空気を脱気することで、規定量の粉体を安定して高速に充填できる。
【0006】
また、粉体を容器に充填する前に、形状が任意に変わる軟質の容器内にエアを充填して所定の容積に膨らませる容器エア充填器を具備することにより、粉体の自重だけでなく、粉体充填前に強制的に容器を膨らませることで容器に粉体を確実に充填できる。
【0007】
更に、容器減容器による減容を解除又は動作時に、粉体含有のエアを脱気する脱気器を更に具備することにより、容器内の粉体嵩密度が向上し、余すことなく規定量の粉体を安定に充填できる。
【0008】
また、容器はフィルム樹脂を熱溶着して袋状に形成したもの又は紙質の袋状のものであることにより、リサイクル性あるいは廃棄性に優れている。
【0009】
更に、充填ノズルに振動を間欠的に又は連続的に加えて充填ノズルに滞留した粉体をふるい落とす充填ノズル粉体詰り防止装置を具備することにより、規定量の粉体を安定に充填できる。
【0010】
また、容器減容器の動作時間を減容量に応じて任意に設定可能とし、又は脱気器の動作時間を脱気量に応じて任意に設定可能とすることにより、粉体の種類に対応でき、規定量の粉体を安定して高速に充填できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の粉体充填装置は、形状が任意に変わる軟質の容器内に粉体を切出して少なくとも1つの充填ノズルを介して充填する充填器と、容器の外部から圧力を加えて容器の容積を減容させる容器減容器とを有する。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係る粉体充填装置の全体構成を示す断面図である。なお、本実施例は1ヘッドの粉体充填装置を例として説明するものとする。同図において、本実施例の粉体充填装置1は、トナー等の粉体12を容器に充填するオーガー式の充填器11と、後述する搬送用袴14を各工程に搬送する搬送コンベア13と、容器を各工程へ搬送するために容器を設置し固定する搬送用袴14と、容器内にエアを充填する容器エア充填器15と、容器に外圧力を加えて容器の容積を減少させる容器減容装置16と、充填機11からの粉体12を容器に注入する充填ノズル17と、充填ノズル17に振動等を加えて充填ノズル17に付着した粉体12をふるい落とす充填ヘッド粉体詰り防止装置18と、容器内のエアを脱気する脱気器19と、容器に充填ノズル17を装填するために充填ノズル17を昇降させる容器‐充填ノズル密着装置20とを含んで構成されている。本実施例において用いられる容器は、フィルム状の樹脂を熱溶着して袋状に形成したもの又は紙質の袋状のものであり、充填口径がφ5mm〜φ30mmのものである。
【0013】
次に、図1に示す本実施例の粉体充填装置1の充填工程について各工程の様子を示す図2〜図5に基づいて説明する。
図2に示すように、搬送用袴14に装填された、容器形状が任意に変わる軟質の容器21は搬送コンベア13によってエア充填工程エリアまで順次搬送されてくる。先ず、粉体を充填する前に容器21は容器エア充填器15によって所定の容積に膨らまされる。なお、エア充填工程を行わず、しぼんだままの容器に粉体の自重を利用して充填することも可能である。そして、膨らんだ容器21は粉体充填工程エリアまで搬送され、図3の(a)に示すように、容器21には容器‐充填ノズル密着装置20によって下降する充填ノズル17がセットされる。次に、図3の(b)に示すように、予め設定された充填条件に従い充填器11からトナー等の粉体12が切出される。この時の充填量が少ないと切出しは一回で完了させることが可能であり、充填量が多いと小分け充填となる。切出された粉体12は充填ノズル17を介して自重により容器21に充填される。充填される粉体12は空気を含んでおり、容器21に全量の粉体12が入らず一部充填ノズル17に粉体が滞留した状態になるので、図4の(a),(b)に示すように、容器減容装置16を駆動させることにより、容器21の容積を減少させて容器内の空気や粉体12を充填ノズル17側に押し出す。粉体12は再度自重により容器21内に入り、空気は外部に放出される。
【0014】
そして、図5の(a)に示すように、容器減容装置16を解除することにより、容器21は粉体12の自重により元の状態(膨らんだ状態)に戻り、充填ノズル17に戻されていた粉体12は自重により容器21内に入る。そして、図5の(b)に示すように、脱気器19の脱気ノズルが容器21内に挿入し、決められた条件下にて脱気を行うことにより、粉体21含有のエアは脱気ノズルにより吸引され、容器21内から抽出される。よって、容器21内の粉体嵩密度が上がり、充填ノズル17に残った粉体12が容器21内に充填され得る。ここで、充填ノズル粉体詰り防止装置18を間欠的に又は連続的に作動させることにより、充填ノズル17に付着した粉体12が滞留することなく容器21に充填され、結果容器21と充填ノズル17が離れた時のボタ落ちも軽減できる。上述の容器減容装置16の駆動回数、脱気条件の最適条件取りを行うことにより、高速高密度充填が可能となる。なお、これは充填量により何回に分けて行うこともあるが一連の動作は基本的には同じである。所定量の充填が完了したら、図5の(c)に示すように、脱気ノズルは容器内で逆洗し、脱気ノズルに吸着された粉体を剥離させ、脱気ノズルを上昇させ容器21から引き出される。脱気ノズルの上昇確認後、図5の(d)に示すように、容器‐充填ノズル密着装置20によって充填ノズル17を上昇させ、充填ノズル17と容器21が離れて、1回の充填サイクルが完了する。
【0015】
次に、本実施例の粉体充填装置を用いた実験例について説明する。下記の条件及び結果を図6及び図7に示す。各実験例では、1ヘッド充填機にてトナーを300g切出し、軟質の容器に充填した例である。切出し量は100g/3secで切出しと同時に300g充填する秒数を測定したものとしてである。なお、容器の容積は最大700ccである。その際の充填率は0.46g/ccである。また、実験で使用したトナーの体積平均粒径はマルチサイザーで測定した結果7.0μmで、トナー嵩密度はパウダーテスターで測定して0.332g/ccであった。
【0016】
図6及び図7に示すように、条件によっては300g充填するに5分以上要したが本発明の最終段階(実験10)では安定して26秒で充填することが可能であった。容器が最初から膨らんでいない実験1,2では容器が充填時、トナー自重にて順調に膨らめば更に短時間で充填可能であったが、容器が膨らんでいない状態あるいは膨らんでも脱気により容器がしぼんだ場合、所定の300gが充填できないこともあり、量産機として使うには信頼性を得ることができないという結果となった。
【0017】
本発明は充填前に予め容器を膨らませて充填ノズルにトナーが詰まったときに容器減容装置により容器を押して容器内の空気を充填ノズル側に押し出すことにより、容器容積は最大のまま充填ノズル内に滞留しているトナーを自重にて容器に充填することができ、容器内がトナーで満たされても容器を若干押すことにより容器内のトナーが減容によって充填ノズル側に押し出されて充填ノズルのトナーが閉塞することなく容器に充填が可能である。また、このような状態で容器内を脱気しても容器がしぼまない条件が存在し(実験7〜10)、高速かつ確実に充填を完了することが可能である。
【0018】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、トナー等の粉体を容器に充填する、本発明に係る粉体充填装置は、形状が任意に変わる軟質の容器内に粉体を切出して少なくとも1つの充填ノズルを介して充填する充填器と、充填器によって粉体を容器に充填しながら容器の外部から圧力を加えて容器の容積を減容させて容器内に充填した粉体を充填器側に押し出す容器減容器とを有することに特徴がある。よって、充填器と容器の接合部分で滞留した粉体の詰まりを回避でき、かつ容器形状が任意に変わる軟質の容器に粉体を充填しながら粉体含有の空気を脱気することで、規定量の粉体を安定して高速に充填できる。
【0020】
また、粉体を容器に充填する前に、形状が任意に変わる軟質の容器内にエアを充填して所定の容積に膨らませる容器エア充填器を具備することにより、粉体の自重だけでなく、粉体充填前に強制的に容器を膨らませることで容器に粉体を確実に充填できる。
【0021】
更に、容器減容器による減容を解除又は動作時に、粉体含有のエアを脱気する脱気器を更に具備することにより、容器内の粉体嵩密度が向上し、余すことなく規定量の粉体を安定に充填できる。
【0022】
また、容器はフィルム樹脂を熱溶着して袋状に形成したもの又は紙質の袋状のものであることにより、リサイクル性あるいは廃棄性に優れている。
【0023】
更に、充填ノズルに振動を間欠的に又は連続的に加えて充填ノズルに滞留した粉体をふるい落とす充填ノズル粉体詰り防止装置を具備することにより、規定量の粉体を安定に充填できる。
【0024】
また、容器減容器の動作時間を減容量に応じて任意に設定可能とし、又は脱気器の動作時間を脱気量に応じて任意に設定可能とすることにより、粉体の種類に対応でき、規定量の粉体を安定して高速に充填できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る粉体充填装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本実施例の粉体充填装置の充填工程について各工程の様子を示す図である。
【図3】本実施例の粉体充填装置の充填工程について各工程の様子を示す図である。
【図4】本実施例の粉体充填装置の充填工程について各工程の様子を示す図である。
【図5】本実施例の粉体充填装置の充填工程について各工程の様子を示す図である。
【図6】本実施例の粉体充填装置を用いた実験結果を示す図である。
【図7】本実施例の粉体充填装置を用いた実験結果を示す図である。
【図8】従来の容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1;粉体充填装置、11;充填器、12;粉体、13;搬送コンベア、
14;搬送用袴、15;容器エア充填器、16;容器減容装置、
17;充填ノズル、18;充填ヘッド粉体詰り防止装置、
19;脱気器、20;容器‐充填ノズル密着装置、21;容器。
Claims (7)
- トナー等の粉体を容器に充填する粉体充填装置において、
形状が任意に変わる軟質の容器内に粉体を切出して少なくとも1つの充填ノズルを介して充填する充填器と、
該充填器によって粉体を前記容器に充填しながら前記容器の外部から圧力を加えて前記容器の容積を減容させて前記容器内に充填した粉体を前記充填器側に押し出す容器減容器と
を有することを特徴とする粉体充填装置。 - 粉体を前記容器に充填する前に、前記容器内にエアを充填して所定の容積に膨らませる容器エア充填器を具備する請求項1記載の粉体充填装置。
- 前記容器減容器による減容を解除又は動作時に、粉体含有のエアを脱気する脱気器を具備する請求項1記載の粉体充填装置。
- 前記容器はフィルム状の樹脂を熱溶着して袋状に形成したもの又は紙質の袋状のものである請求項1〜3のいずれかに記載の粉体充填装置。
- 前記充填ノズルに振動を間欠的に又は連続的に加えて前記充填ノズルに滞留した粉体をふるい落とす充填ノズル粉体詰り防止装置を具備する請求項1記載の粉体充填装置。
- 前記容器減容器の動作時間を減容量に応じて任意に設定可能とする請求項1記載の粉体充填装置。
- 前記脱気器の動作時間を脱気量に応じて任意に設定可能とする請求項1記載の粉体充填装置。
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