JP3907368B2 - 低温液体気化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、LNG(液化天然ガス)、エチレン、LPG(液化石油ガス)、液体窒素/液体酸素等の低温液体を気化させるオープンラック型気化器を備えた低温液体気化装置の改善に関し、より詳しくは、気化可燃性、毒性を有している加温媒体でも循環使用することができ、しかも加温媒体の気化や吸湿による組成および供給量の変化を少なくすることができるようにした低音液体気化装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
オープンラック型の低温液体気化器を備えた低温液体気化装置は、例えば、液化天然ガス(LNG)、エチレン、液化石油ガス(LPG)、液体窒素/液体酸素等の低温液体を気化させると共に、気体供給ラインを解して供給先に供給するものであるが、このような低温液体気化装置は、その模式的構成説明図の図3に示すように構成されている。
【0003】
以下、図3を参照しながら、この従来例に係る低温液体気化装置の構成例を説明すると、図3に示す符号1は低温液体気化装置であり、この低温液体気化装置1は、後述する構成になるオープンラック型の低温液体気化器2を備えている。
【0004】
前記低温液体気化器2は、低温液体ポンプ41の駆動により低温液体タンク3から低温液体供給ライン4を介して供給される低温液体が流入する低温液体流入口23を備えた下部マニホールド22と、この下部マニホールド22に直角に配設された下部ヘッダー21と、前記下部マニホールド22の上方であって、かつ前記下部マニホールド22と平行に配設され、気体を流出させる気体流出口26を備えた上部マニホールド25と、この上部マニホールド25に直角に配設された上部ヘッダー24とを備えている。さらに、前記下部ヘッダー21と上部ヘッダー24との間に縦向き配設され、後述する加温媒体散布装置6から散布される加温媒体である海水との熱交換により低温液体を気化させる複数の伝熱管27を備えている。
【0005】
そして、これら複数の伝熱管27のそれぞれから流出した気体が前記上部ヘッダー24を経て、さらに上部マニホールド25の気体流出口26から気体供給ライン5を経て、気体を活用する気体供給先に供給されるように構成されている。勿論、気体供給先への気体の供給量によって、低温液体気化器2に供給される低温液体の供給量が、低温液体供給ライン4に介装されてなる供給量制御弁42によって制御されるように構成されている。
【0006】
前記加温媒体散布装置6は、海水等の加温媒体が流入する加温媒体流入口62を備えた加温媒体ヘッダー61と、この加温媒体ヘッダー61から流出する加温媒体を前記伝熱管27に散布する加温媒体トラフ63とから構成されている。前記加温媒体流入口62には、例えば海に設けた海水取入設備8から加温媒体である海水を取入れる加温媒体取入ライン7が連通しており、この加温媒体取入ライン7に介装された加温媒体ポンプ71の駆動により前記加温媒体散布装置6に海水が供給されるようになっている。そして、加温媒体散布装置6の加温媒体トラフ63の図示しない複数のノズルから散布された海水は複数の伝熱管27内を流れている低温液体と熱交換しながら、これら伝熱管27の表面に沿って流下すると共に、低温になった熱交換後の海水は加温媒体貯槽9内に流下し、この加温媒体貯槽9から排水溝91を介して海に戻されるように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、コスト低減のために、低温液体気化装置の加温媒体である海水を取入れるための海水取入設備を設けないようにしたい、海水の性状に起因する問題、例えば塩分に起因する各構成部品の寿命が短命であるという問題を解消し、各構成部品を長寿命にして低温液体気化装置の長期間の稼動を実現したい、あるいは冷熱を利用するために、海水以外の加温媒体を循環使用したいという要望が高まってきている。
【0008】
ところで、海水以外の加温媒体としては、大量購入が容易で、低コストで、親水性があって、かつ沸点が海水よりも低温の物質、例えばメチルアルコール、エチレングリコール等が考えられる。つまり、メチルアルコール水、エチレングリコール水とすれば、海水取入設備を設ける必要がなく、各構成部品の長寿命化が図られ、また冷熱を利用することが可能になるのに加えて、上記のとおり、共に海水よりも融点が低く断熱材となる氷層が伝熱管の外周面に形成され難く、低温液体の気化効率を向上させることができるので極めて好ましいと考えられる。
【0009】
しかしながら、上記従来例に係る低温液体気化装置の低温液体気化器はオープンラック型であって大気に開放されているため、メチルアルコール水、エチレングリコール水等は加温媒体として好ましいにもかかわらず、気化可燃性、毒性を有しているために、加温媒体として使用することができない。また、たとえ、加温媒体が非可燃性、非毒性であったとしても、大気に開放されているが故に、これらは大気中に蒸発・飛散し、あるいは雨水等の流入により濃度や保留量が常に変化し、安定的な気化性能の確保が困難になるため閉ループ方式で循環使用することが困難である。
【0010】
従って、本発明の目的は、気化可燃性、毒性を有している加温媒体であっても循環使用することができ、しかも加温媒体の濃度変化を少なくすることを可能ならしめる低温液体気化装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、オープンラック型の低温液体気化器、加温媒体散布装置、および加温媒体貯槽を密閉する構成とすれば、加温媒体が気化可燃性、毒性を有している物質であったとしても、大気中への蒸発・飛散、あるいは雨水等の流入による濃度や保留量の変化を防止しながら、加温媒体を循環使用することが可能になると考えて、本発明をなしたものである。
【0012】
従って、上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る低温液体気化装置が採用した手段は、下部マニホールドと、この下部マニホールドと平行に配設された上部マニホールドと、前記下部マニホールドに直角に配設された下部ヘッダーと、前記上部マニホールドに直角に配設され、前記下部ヘッダーと平行に配設された上部ヘッダーと、これら下部ヘッダーと上部ヘッダーとの間に縦向き配設され、前記下部ヘッダーから流入する低温液体を気化させ、かつ気化した気体を前記上部ヘッダーに流入させる伝熱管とからなるオープンラック型の低温液体気化器を備え、低温液体を気化させる加温媒体を前記伝熱管に散布する加温媒体散布装置を備えると共に、低温になった熱交換後の加温媒体を貯留し、かつ排出する加温媒体貯槽を備えた低温液体気化装置において、前記低温液体気化器と、前記加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを密閉ボックスに収容し、この密閉ボックスに、前記下部ヘッダーに低温液体を流入させる低温液体流入口と、前記上部ヘッダーから気体を流出させる気体流出口と、前記加温媒体散布装置に加温媒体を流入させる加温媒体流入口と、前記加温媒体貯槽内に貯留されている熱交換後の加温媒体を流出させる加温媒体流出口とを設けると共に、微圧の不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を設け、この不活性ガス供給装置により前記密閉ボックス内に不活性ガスを供給して、この密閉ボックスの負圧化を防止するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項2に係る低温液体気化装置が採用した手段は、請求項1に記載の低温液体気化装置において、前記密閉ボックスと、前記オープンラック型の低温液体気化器と、加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを一体化して低温液体気化ユニットとしたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項3に係る低温液体気化装置が採用した手段は、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の低温液体気化装置において、前記加温媒体貯槽内の熱交換後の加温媒体を、前記加温媒体散布装置に循環させる加温媒体循環ラインを設け、加温媒体貯槽内に貯留されている熱交換後の加温媒体の液面を検知して、この熱交換後の加温媒体の液面が所定のレベル範囲になるように、前記加温媒体貯槽内から前記加温媒体循環ラインに加温媒体を流出させる加温媒体の流量を制御すると共に、前記加温媒体貯槽内の熱交換後の加温媒体の液面が上限レベルを超えると警報を発する加温媒体液面制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
【0016】
本発明の請求項4に係る低温液体気化装置が採用した手段は、オープンラック型の低温液体気化器を備え、低温液体を気化させる加温媒体を前記低温液体気化器に散布する加温媒体散布装置を備えると共に、低温になった熱交換後の加温媒体を貯留し、かつ排出する加温媒体貯槽を備えた低温液体気化装置において、前記低温液体気化器と、前記加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを密閉ボックス内に収容すると共に、微圧の不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を設け、この不活性ガス供給装置により前記密閉ボックス内に不活性ガスを供給して、この密閉ボックスの負圧化を防止するようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項5に係る低温液体気化装置が採用した手段は、請求項4に記載の低温液体気化装置において、前記密閉ボックスと、前記オープンラック型の低温液体気化器と、加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを一体化して低温液体気化ユニットとしたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1に係る低温液体気化装置の構成を、その模式的構成説明図の図1を参照しながら説明する。但し、本実施の形態1が上記従来例と相違するところは、オープンラック型の低温液体気化器、加温媒体散布装置、および加温媒体貯槽が密閉ボックスに収容されている点と、熱交換後の加温媒体を加温媒体貯槽から加温媒体ヘッダーに循環させる加温媒体循環ラインを設けた点にあるから、上記従来例と同一のもの並びに同一機能を有するものに同一符号を付して、主としてその相違する点について説明する。
【0019】
図1に示す符号1は、本発明の実施の形態1に係る低温液体気化装置であって、この低温液体気化装置1のオープンラック型の低温液体気化器2、加温媒体散布装置6、および加温媒体貯槽9は、何れも後述する密閉ボックス10内に収容されている。
【0020】
前記密閉ボックス10には、低温液体気化器2の下部マニホールド22に、例えばLNG、エチレン、LPG、液体窒素/液体酸素等の低温液体を流入させる低温液体流入口23と、上部マニホールド25から気体を流出させる気体流出口26と、前記加温媒体散布装置6の加温媒体ヘッダー61に加温媒体を流入させる加温媒体流入口62とが設けられている。さらに、この密閉ボックス10の底部に設けられた加温媒体貯槽9から、低温液体との熱交換により低温になった熱交換後の加温媒体を流出させる加温媒体流出口91が設けられている。
【0021】
前記加温媒体貯槽9の加温媒体流出口91から、前記加温媒体ヘッダー61の加温媒体流入口62には、熱交換後の加温媒体を循環させる加温媒体ポンプ71と、熱交換後の加温媒体を加熱するヒーター72とが介装されてなる加温媒体循環ライン7が連通している。つまり、加温媒体貯槽9内の熱交換後の加温媒体が加温媒体ポンプ71の駆動により加温媒体循環ライン7を流れ、ヒーター72により所定の温度になるまで加温されて、再び加温媒体流入口62、加温媒体ヘッダー61を経て加温媒体トラフ63に供給される。そして、この加温媒体トラフ63から噴霧されて、再び伝熱管27内を流れる低温液体と熱交換し、熱交換後の加温媒体が加温媒体貯槽9に受けられて貯留されるというように、加温媒体が循環使用されるように構成されている。
【0022】
上記構成になる本実施の形態1に係る低温液体気化装置1によれば、上記のとおり、加温媒体が循環使用されるが、オープンラック型の低温液体気化器2、加温媒体散布装置6、および加温媒体貯槽9が共に密閉ボックス10に収容されていて、この密閉ボックス10により大気と遮断されており、従来例に係る低温液体気化装置のように、加温媒体が大気中に散逸してしまうようなことがない。そのため、たとえ気化可燃性、毒性を有していても、加温媒体として好ましいメチルアルコール水やエチレングリコール水等を使用することができる。勿論、非可燃性、非毒性の加温媒体も大気中に蒸発・飛散することがなく、また雨水等が流入することがなく、加温媒体の濃度や保留量が変化するようなことがないから、加温媒体を何の支障もなく循環使用に供することができる。
【0023】
従って、本実施の形態1に係る低温液体気化装置1によれば、従来例に係る低温液体気化装置のように海水取入設備を設ける必要がなく、各構成部品が長寿命になって低温液体気化装置の長期間の稼動が可能になり、また冷熱を利用することが可能になるのに加えて、低温液体の気化効率も向上させるという極めて優れた効果がある。
【0024】
ところで、加温媒体の低温液体との熱交換による温度低下に伴って、密閉ボックス10内は負圧になるが、この密閉ボックス10に不活性ガスである窒素ガスを供給する窒素ガス供給装置を設け、この窒素ガス供給装置により密閉ボックス10内に微圧の窒素ガスを供給することにより、この密閉ボックス10の負圧化を防止することができるように構成されている。このように、密閉ボックス10に微圧の不活性ガスを供給することにより、可燃性流体を加温媒体として用いても安全に運用させることが可能となる。
【0025】
次に、本発明の実施の形態2に係る低温液体気化装置の構成を、その主要部を示す模式的構成説明図の図2を参照しながら説明する。但し、本実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、主としてオープンラック型の低温液体気化器と、密閉ボックスと、加温媒体貯槽とをユニット化したところにあるから、上記実施の形態1と同一のもの並びに同一機能を有するものに同一符号を付して、主として、その相違する点について説明する。
【0026】
上記実施の形態1に係る図1との比較において良く理解されるように、本実施の形態2に係る低温液体気化装置1は、オープンラック型の低温液体気化器2、加温媒体散布装置6、および密閉ボックス10が低温液体気化ユニット20として一体化されており、そしてこの密閉ボックス10の底部に、加温媒体貯槽9が形成されている。
【0027】
勿論、この密閉ボックス10には、上記実施の形態1の場合と同様に、下部マニホールド22に低温液体を流入させる低温液体流入口23と、上部マニホールド25から気体を流出させる気体流出口26と、前記加温媒体ヘッダー61に加温媒体を流入させる加温媒体流入口62とが設けられ、この密閉ボックス10の底部に形成されている加温媒体貯槽9から熱交換後の加温媒体を流出させる加温媒体流出口91が設けられると共に、内部は微圧の窒素ガスの供給により負圧化が防止されるように構成されている。
【0028】
また、加温媒体貯槽9内の熱交換後の加温媒体の液面を制御する加温媒体液面制御手段である後述する構成になる加温媒体液面制御器11が設けられている。この加温媒体液面制御器11は、加温媒体循環ライン7の加温媒体ポンプ71の吐出側に介装されてなる流量制御弁111と、検出した加温媒体貯槽9内の加温媒体の液面が所定の範囲内になるように前記流量制御弁111の弁開度を制御する液面検知器112とから構成されている。
この液面検知器112は、警報機能を備えており、例えば故障等の不具合により加温媒体貯槽9内の熱交換後の加温媒の液面が上限を超えると警報を発するものである。
【0029】
本実施の形態2に係る低温液体気化装置1によれば、低温液体気化器2、加温媒体散布装置6、および加温媒体貯槽9は何れも密閉ボックス10に収容されている。従って、上記実施の形態1に係る低温液体気化装置と同様の効果があるのに加えて、上記のとおり、低温液体気化器2と、加温媒体散布装置6と、底部に加温媒体貯槽9が形成された密閉ボックス10とが低温液体気化ユニット20としてユニット化されていて、この低温液体気化ユニット20を製作工場において製造することができるから、据付現場における据付工事期間を大幅に短縮することができる。また、各構成各機器を個別に据付ける従来例と比較して、低温液体気化装置の据付工事のための所要コンクリート量を削減することができるという据付工事費低減効果もある。
【0030】
さらに、本実施の形態2に係る低温液体気化装置1によれば、加温媒体貯槽9内の熱交換後の加温媒体の液面が所定のレベル範囲になるように制御すると共に、熱交換後の加温媒体の液面が上限を超えると警報を発する警報機能を備えた加温媒体液面制御器11が設けられているから、熱交換後の加温媒体の液面レベルの異常低下に起因する加温媒体ポンプ71へのガスの侵入や熱交換後の加温媒体の液面レベルの異常上昇により、低温液体気化器2がこの熱交換後の加温媒体に浸漬されるのを防止することができるという効果がある。
【0031】
なお、上記実施の形態1または2に係る低温液体気化装置は、本発明に係る低温液体気化装置の具体例に過ぎないから、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在であり、従って上記実施の形態1または2に係る低温液体気化装置によって、本発明の技術的思想の適用範囲が限定されるものではない。例えば、本実施の形態1または2においては、低温液体気化装置が新規に製作される場合を例として説明しているが、予め工場等で製作した密閉パネルによりオープンラック型の低温液体気化器を覆って密閉ボックスとすることができるから、オープンラック型の低温液体気化器を備えた既設の低温液体気化装置に対しても本発明の技術的思想を適用することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1乃至5に係る低温液体気化装置によれば、密閉ボックスに、オープンラック型の低温液体気化器と、加温媒体散布装置と、加温媒体貯槽とが収容されていて、従来例に係る低温液体気化装置のように、加温媒体が大気中に散逸してしまうようなことがない。従って、気化可燃性、有毒の如何を問わず、加温媒体として好ましい物質を混入した水を循環使用することができるから、従来例に係る低温液体気化装置のように海水取入設備を設ける必要がなく、各構成部品が長寿命になって低温液体気化装置の長期間の稼動が可能になり、また冷熱を利用することが可能になるのに加えて、低温液体の気化効率も向上させることが可能になるという極めて優れた効果がある。さらに、加温媒体の低温液体との熱交換による温度低下に伴って、密閉ボックス内は負圧になるが、この密閉ボックス内への不活性ガスの充填により負圧化が防止されるので、可燃性流体を加温媒体として用いても安全に運用させることが可能になるという効果がある。
【0033】
本発明の請求項2または5に係る低温液体気化装置によれば、密閉ボックスと、オープンラック型の低温液体気化器と、加温媒体散布装置と、加温媒体貯槽とが低温液体気化ユニットとして一体化されている。従って、この低温液体気化ユニットを製作工場において製造することができるから、据付現場における据付工事期間を大幅に短縮することができ、また低温液体気化装置の各機器類を個別に据付ける場合に比較して据付工事のための所要コンクリート量を削減することができるという据付工事費低減効果がある。
【0034】
本発明の請求項3に係る低温液体気化装置によれば、加温媒体貯槽内の熱交換後の加温媒体の液面を検知して、熱交換後の加温媒体の液面が所定のレベル範囲になるように、前記加温媒体貯槽内から加温媒体循環ラインへ流出させる加温媒体の流量を制御すると共に、加温媒体貯槽内の熱交換後の加温媒体の液面が上限を超えると警報を発する加温媒体液面制御手段が設けられているから、熱交換後の加温媒体液面の異常低下に起因する加温媒体ポンプへのガスの侵入や加温媒体の液面の異常上昇により、低温液体気化器が熱交換後の加温媒体に浸漬されるのを防止することができるという効果がある。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る低温液体気化装置の模式的構成説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係る低温液体気化装置の主要部を示す模式的構成説明図である。
【図3】 従来例に係る低温液体気化装置の模式的構成説明図である。
【符号の説明】
1…低温液化気化装置
2…低温液化気化器(オープンラック型),21…下部ヘッダー,22…下部マニホールド,23…低温液体流入口,24…上部ヘッダー,25…上部マニホールド,26…気体流出口,27…伝熱管
3…低温液体タンク
4…低温液体供給ライン,41…低温液体ポンプ,42…供給量制御弁
5…気体供給ライン
6…加温媒体散布装置,61…加温媒体ヘッダー,62…加温媒体流入口,63…加温媒体トラフ
7…加温媒体取入ラインまたは加温媒体循環ライン,71…加温媒体ポンプ,72…ヒーター
8…海水取入設備
9…加温媒体貯槽,91…排水溝または加温媒体流出口
10…密閉ボックス
11…加温媒体液面制御器,111…流量制御弁,112…液面検知器
20…低温液体気化ユニット
Claims (5)
- 下部マニホールドと、この下部マニホールドと平行に配設された上部マニホールドと、前記下部マニホールドに直角に配設された下部ヘッダーと、前記上部マニホールドに直角に配設され、前記下部ヘッダーと平行に配設された上部ヘッダーと、これら下部ヘッダーと上部ヘッダーとの間に縦向き配設され、前記下部ヘッダーから流入する低温液体を気化させ、かつ気化した気体を前記上部ヘッダーに流入させる伝熱管とからなるオープンラック型の低温液体気化器を備え、低温液体を気化させる加温媒体を前記伝熱管に散布する加温媒体散布装置を備えると共に、低温になった熱交換後の加温媒体を貯留し、かつ排出する加温媒体貯槽を備えた低温液体気化装置において、前記低温液体気化器と、前記加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを密閉ボックスに収容し、この密閉ボックスに、前記下部ヘッダーに低温液体を流入させる低温液体流入口と、前記上部ヘッダーから気体を流出させる気体流出口と、前記加温媒体散布装置に加温媒体を流入させる加温媒体流入口と、前記加温媒体貯槽内に貯留されている熱交換後の加温媒体を流出させる加温媒体流出口とを設けると共に、微圧の不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を設け、この不活性ガス供給装置により前記密閉ボックス内に不活性ガスを供給して、この密閉ボックスの負圧化を防止するようにしたことを特徴とする低温液体気化装置。
- 前記密閉ボックスと、前記オープンラック型の低温液体気化器と、加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを一体化して低温液体気化ユニットとしたことを特徴とする請求項1に記載の低温液体気化装置。
- 前記加温媒体貯槽内の熱交換後の加温媒体を、前記加温媒体散布装置に循環させる加温媒体循環ラインを設け、加温媒体貯槽内に貯留されている熱交換後の加温媒体の液面を検知して、この熱交換後の加温媒体の液面が所定のレベル範囲になるように、前記加温媒体貯槽内から前記加温媒体循環ラインに加温媒体を流出させる加温媒体の流量を制御すると共に、前記加温媒体貯槽内の熱交換後の加温媒体の液面が上限レベルを超えると警報を発する加温媒体液面制御手段を設けたことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の低温液体気化装置。
- オープンラック型の低温液体気化器を備え、低温液体を気化させる加温媒体を前記低温液体気化器に散布する加温媒体散布装置を備えると共に、低温になった熱交換後の加温媒体を貯留し、かつ排出する加温媒体貯槽を備えた低温液体気化装置において、前記低温液体気化器と、前記加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを密閉ボックス内に収容すると共に、微圧の不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を設け、この不活性ガス供給装置により前記密閉ボックス内に不活性ガスを供給して、この密閉ボックスの負圧化を防止するようにしたことを特徴とする低温液体気化装置。
- 前記密閉ボックスと、前記オープンラック型の低温液体気化器と、加温媒体散布装置と、前記加温媒体貯槽とを一体化して低温液体気化ユニットとしたことを特徴とする請求項4に記載の低温液体気化装置。
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2000
- 2000-02-17 JP JP2000039306A patent/JP3907368B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
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US11371655B2 (en) | 2017-11-15 | 2022-06-28 | Taylor-Wharton Malaysia Sdn. Bhd. | Cryogenic fluid vaporizer |
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