JP3907292B2 - 油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、HST式ミッション装置等に適用され、斜板を操作する油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおける、該油圧サーボ機構のパイロット圧力を制御するパイロット圧力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、HST式ミッション装置等に適用される斜板式油圧ポンプであって、斜板を操作する油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用するものにおいては、例えば、HST式ミッション装置内の主回路の圧力が上昇して斜板に働く力が大きくなると、斜板を制御するために必要となる油圧サーボ機構のパイロット圧力を高圧化しなければならなかった。これに対し、高負荷時において、HST式ミッション装置の主回路の低圧側に与えるチャージ圧力は、前記パイロット圧力よりもかなり低い圧力で十分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、主回路のチャージ圧力と、油圧サーボ機構のパイロット圧力とは共用されているために、高負荷時に高圧に設定する必要がある該パイロット圧力に合わせて、該チャージ圧力は常に同様の高圧に設定されることとなっていた。このため、主回路の圧力が低くて斜板に働く力が小さい場合や、ニュートラル時のように、油圧サーボ機構のパイロット圧力が低圧でよい場合にも、該パイロット圧力及びチャージ圧力は高圧に設定されたままであるので、余分な動力を消費することとなっていた。また、斜板式油圧ポンプの斜板の傾斜方向が逆転すると、該斜板式油圧ポンプ両側の主回路の内、高圧となる回路が入れ替わるため、両主回路において前述の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプ両側の主回路にそれぞれチェックバルブを設け、この両チェックバルブ間に生じる負荷圧力によって、チャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させて該パイロット圧力を制御するものである。
【0006】
請求項2においては、斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプの主回路の負荷圧力により作動する調圧弁を設け、該調圧弁によりチャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させ、該調圧弁のポートをチャージ圧力の最低値を設定するオリフィスに構成することにより、該パイロット圧力を制御するものである。
【0007】
請求項3においては、斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプの主回路の負荷圧力により作動する調圧弁を設け、該調圧弁によりチャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させ、該調圧弁のポートをポート圧力の最低値を設定するオリフィスに構成することにより該パイロット圧力を制御するとともに、該調圧弁を、該調圧弁の作動に伴って主回路の負荷圧力を調圧するリリーフバルブとしても構成するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は参考例の油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置をHST式ミッション装置に適用した場合の油圧回路を示す図、図2は本発明のHST式ミッション装置に適用した油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の油圧回路の第一実施例を示す図、図3は図2に示す油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の低負荷時における状態を示す図、図4は同じく高負荷時における状態を示す図、図5はHST式ミッション装置に適用した油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の油圧回路の第二の実施例を示す図、図6は図5に示す油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の低負荷時における状態を示す図、図7は同じく高負荷時における状態を示す図、図8はHST式ミッション装置に適用した油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の油圧回路の第三の実施例を示す図、図9は図8に示す油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の低負荷時における状態を示す図、図10は同じく高負荷時であり且つリリーフバルブ作動中における状態を示す図、図11はHST負荷と斜板に働く力との関係を示す図、図12はHST負荷とチャージ圧力との関係を示す図、図13はHST負荷と入力動力との関係を示す図、図14はHST負荷とHST式ミッション装置の全効率との関係を示す図である。
【0010】
まず、参考例の油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置をHST式ミッション装置に適用した場合の例を、図1により説明する。斜板式油圧ポンプ1は、斜板7の角度を変更することで容量を可変としており、該斜板7の角度は油圧サーボ機構4により操作して制御するように構成している。該斜板式油圧ポンプ1と油圧モータ2とは、主回路8・9により並列に接続され、該主回路8・9には、チャージポンプ3からチャージ回路14を通じて作動油が圧送されている。チャージ回路14と主回路8との間、及び、チャージ回路14と主回路9との間には、それぞれチャージチェックバルブ11・12が介装されており、主回路8・9の内、低圧側の主回路に作動油を供給するように構成している。
【0011】
前記油圧サーボ機構4は電磁弁(手動の方向切換弁)5とピストン6等とにより構成され、該油圧サーボ機構4へは、チャージポンプ3からパイロット回路13を通じてパイロット圧力が与えられている。そして、電磁弁(手動の方向切換弁)5を操作してピストン6を作動させ、このピストン6の作動により斜板式油圧ポンプ1の斜板7の角度を操作するようにしている。
【0012】
前記チャージ回路14の途中部にはチャージリリーフバルブ10を接続して、該チャージ回路14のチャージ圧が設定値以上になった場合に開弁して、ドレン回路15から余分な作動油を排出するように構成している。また、該チャージリリーフバルブ10の背圧側23と、両主回路8・9の一方、例えば、主回路8とは、負荷回路16にて接続されている。尚、チャージ回路14のチャージ圧力、及び、前記油圧サーボ機構4のパイロット圧力は、共にチャージポンプ3から与えられており、同じ圧力に設定されることとなる。
【0013】
このように構成したパイロット圧力制御装置において、前記主回路8が高圧側となっている場合、負荷回路16により主回路8と接続されたチャージリリーフバルブ10の背圧側23には、該主回路8の圧力が導かれ、この圧力の大きさに応じてスプリング22は付勢力を強められる。これにより、バルブ21の開弁圧力が変化するのである。即ち、主回路8が高圧側であって高負荷状態のときは、背圧側23にかかる圧力が高いため、バルブ21の開弁圧力が高くなり、前記チャージ圧力は高圧化する。これにより、斜板7に働く力が大きくなる高負荷状態において、油圧サーボ機構4が該斜板7を制御するのに必要十分である高いパイロット圧力を得ることができる。逆に、主回路8が低負荷状態の場合は、背圧側23にかかる圧力は大きくなく、前記チャージ圧力を低く抑えることができる。これにより、斜板7に働く力が小さい低負荷状態において、油圧サーボ機構4が該斜板7を制御するのに必要な圧力に応じた低いパイロット圧力を得ることができる。このように、主回路8・9の負荷状態に応じたパイロット圧力を得ることができるのである。
【0014】
また、前記パイロット圧力制御装置は、図2に示すように構成することができる。即ち、本構成では、前述の如く構成したパイロット圧力制御装置における、前記主回路8・9間に二個のチェックバルブ18・19を介装して、チャージリリーフバルブ10の背圧側23へ主回路8の圧力を導く負荷回路16を、該チェックバルブ18・19間と背圧側23とを接続する負荷回路17に構成するのである。
【0015】
このように構成することで、主回路8が高圧側である場合、及び、主回路9が高圧側である場合のどちらの場合においても、負荷回路17には、常に該主回路8 ・9 の負荷圧力が生じることとなる。これにより、主回路8及び主回路9のどちらが高圧力側であっても、チャージ圧力及びパイロット圧力を、主回路8・9の負荷状態に応じて制御することができる。そして、本構成を、車両用変速機に適用した場合には、前進又は後進のどちらが高負荷となる場合においても、油圧サーボ機構のパイロット圧力制御を行うことができる。また、前進している際に、後進側回路に高負荷が発生するような状態、例えば、減速時における油圧ブレーキ状態においてもパイロット圧力制御を行うことができることとなる。
【0016】
この場合、チャージリリーフバルブ10の背圧側23は、例えば、図3に示す如く構成している。即ち、背圧側23にピストン25を内装して、背圧側23をピストン室として構成するのである。ピストン25は、負荷回路17からの負荷圧力が小さい場合には、図3に示すように、スプリング22により負荷回路側へ付勢されており、バルブ21の開弁圧力は低い状態に設定されている。そして、図4に示すように、負荷回路17からの負荷圧力が大きくなるに従って、ピストン25はバルブ21側へ移動してスプリング22を圧縮するため、スプリング22の付勢力が増大して、バルブ21の開弁圧力が高圧になる。
【0017】
このように、チャージリリーフバルブ10の背圧側23にピストン25を内装してピストン室として構成することにより、負荷回路17からの負荷圧力に応じて、ピストン25が該負荷圧力を感知し、該ピストン25が移動してスプリング22の付勢力を変化させるため、チャージリリーフバルブ10を、負荷状態に応じた開弁圧力に制御することができるのである。
【0018】
また、油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置は、図5の如く構成することもできる。前述のように、斜板式油圧ポンプ1と油圧モータ2とは、主回路8・9により並列に接続され、該主回路8・9には、チャージポンプ3からチャージ回路14を通じて作動油が圧送されている。チャージ回路14と主回路8との間、及び、チャージ回路14と主回路9との間には、それぞれチャージチェックバルブ11・12が介装されており、主回路8・9の内、低圧側の主回路に作動油を供給するように構成している。また、該主回路8・9間に二個のチェックバルブ18・19を介装している。電磁弁(手動の方向切換弁)5とピストン6等とにより構成された油圧サーボ機構4へは、チャージポンプ3からパイロット回路13を通じてパイロット圧力が与えられている。そして、電磁弁(手動の方向切換弁)5を操作してピストン6を作動させ、このピストン6の作動により斜板式油圧ポンプ1の斜板7の角度を操作するようにしている。
【0019】
チャージ回路14の途中部にはチャージリリーフバルブ26を接続して、該チャージ回路14のチャージ圧が設定値以上になった場合に開弁して、ドレン回路15から余分な作動油を排出するように構成している。また、該チャージ回路14には、調圧弁27をチャージリリーフバルブ26と並列に接続し、該調圧弁27と、チェックバルブ18・19の間とを負荷回路28で連結して、該調圧弁27が主回路8・9の負荷圧力によって作動されるように構成している。該調圧弁27のポートはオリフィス29に構成している。
【0020】
以上のように構成したパイロット圧力制御装置において、主回路8・9の負荷圧力が低い場合は、図6に示すように、チャージ回路14内の作動油が、調圧弁27のオリフィス29を介してドレン回路15へ流出する状態となっている。これにより、チャージリリーフバルブ26は開弁せずに閉じている。そして、この場合のチャージ圧力はオリフィス29の絞りの程度により決定され、この絞りの程度を変化することで、チャージ圧力及びパイロット圧力を任意に設定することができる。このオリフィス29により決定されたチャージ圧力値は、調圧弁27及びチャージリリーフバルブ26により制御されるチャージ圧力の最低値となる。
【0021】
逆に、主回路8・9の負荷圧力が高い場合は、図7に示すように、調圧弁27は該負荷圧力によって作動して閉じる。これにより、チャージ圧力がチャージリリーフバルブ26にかかることとなって、チャージ圧力は、該チャージリリーフバルブ26の設定開弁圧力となる。また、調圧弁27が開いた状態から、負荷圧力により閉じていく際には、オリフィス29を通過してドレン回路15へ流出する流路面積は、負荷圧力の増大に伴って連続的に減少するので、チャージ圧力も連続的に増加していくこととなる。このように、主回路8・9の負荷圧力の変化に応じて、チャージ圧力を調節することができるのである。
【0022】
さらに、油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置は次の如く構成することもでき、図8においては、図5に示すパイロット圧力制御装置の調圧弁27に、リリーフ用ポート30を設けて調圧弁27’として構成し、主回路8・9の負荷圧力を該リリーフ用ポート30を通じてチャージ回路14へ逃がすリリーフ回路31を構成したものである。
【0023】
このように構成したパイロット圧力制御装置においては、主回路8・9の負荷圧力が低い場合は、図9に示すように、チャージ回路14内の作動油が、調圧弁27’のオリフィス29’を介してドレン回路15へ流出する状態となっている。これにより、チャージリリーフバルブ26は開弁せずに閉じている。また、調圧弁27’のリリーフ用ポート30は閉じている。そして、この場合のチャージ圧力はオリフィス29の絞りの程度により決定され、この絞りの程度を変化することで、チャージ圧力及びパイロット圧力を任意に設定することができる。逆に、主回路8・9の負荷圧力が高い場合は、図10に示すように、調圧弁27’は該負荷圧力によって作動して閉じる。これにより、チャージ圧力がチャージリリーフバルブ26にかかることとなって、チャージ圧力は、該チャージリリーフバルブ26の設定開弁圧力となる。
【0024】
また、調圧弁27’が閉じることにより、調圧弁27’のリリーフ用ポート30が開いて、負荷回路28とリリーフ回路31とが連通する。これにより、主回路8・9の作動油が、リリーフ用ポート30及びリリーフ回路31を通じてチャージ回路14へ戻ることとなる。尚、調圧弁27が開いた状態から、主回路8・9負荷圧力により閉じていく際には、オリフィス29を通過してドレン回路15へ流出する流路面積は、負荷圧力の増大に伴って連続的に減少するので、チャージ圧力も連続的に増加していくこととなる。このように、調圧弁27’は、チャージ圧力の調圧弁としての機能と、主回路8・9のリリーフバルブとしての機能を併せ持っているのである。これにより、主回路8・9のリリーフバルブを別途設ける必要がないので、装置のコストダウンを図ることができる。
【0025】
以上の如く、油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置を、図2、図5、図8に示すような油圧回路の構成としたので、HST式ミッション装置が低負荷状態の場合は、チャージ圧力(油圧サーボ機構のパイロット圧力)を低減することができ、かつ、HST式ミッション装置が高負荷状態の場合は、負荷状態に応じて必要なチャージ圧力に上昇することができる。
【0026】
ここで、図11に示すように、HST負荷、即ち、HST式ミッション装置の主回路8・9負荷圧力が大きくなるに従って、斜板式油圧ポンプ1の斜板7に働く力が大きくなるが、前述の如く油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置を構成しているので、図12に示すように、チャージ圧力(油圧サーボ機構のパイロット圧力)51は、HST式ミッション装置が低負荷状態のときは必要であるだけの低い値で、高負荷状態になるにつれて必要に応じて高くなる。これにより、高負荷状態においても、必要十分な斜板7の操作力を得ることができる。また、一定的にHST式ミッション装置が高負荷状態にあるときに必要な値にチャージ圧力(油圧サーボ機構のパイロット圧力)52を設定した場合と比べると、特に、低負荷状態において、チャージ圧力(油圧サーボ機構のパイロット圧力)の無駄な圧力53分を低減することができるのである。さらに、高負荷時の吸入抵抗を軽減することができるので、流路内等に空洞を生じるキャビテーションの発生を防止することができる。
【0027】
また、チャージ圧力は低負荷状態のときは低い値で、高負荷状態になるにつれて高くなるので、図13に示すように、チャージポンプ3への入力動力55は、チャージ圧力を一定的に設定した場合の入力動力56に比べて、特に、低負荷状態において低くすることができる。さらに、チャージポンプ3への入力動力55とHSTミッション装置の斜板式油圧ポンプ1への入力動力とを加えた入力動力57も、チャージ圧力を一定的に設定した場合の入力動力58と比べて、特に、低負荷状態において低い値にすることができる。
【0028】
そして、チャージ圧力を低減した分だけ、主回路8・9の低圧側の回路圧力を低減することができるので、チャージ圧力を一定的に設定した場合と同じ仕事量(高圧側圧力と低圧側圧力の差圧)を発生させるための高圧側の絶対圧力も低減することができる。これにより、プランジャ、プランジャブロック、及び、バルブ等の構成部品にかかる負担を低減することができて、耐久性を向上することができる。
【0029】
また、図14に示すように、チャージ圧力を一定的に設定した場合のHST式ミッション装置の全効率60と比べて、低負荷時におけるHST式ミッション装置の全効率59を向上することができる。これにより、低燃費化を図ることができるとともに、始動性の向上を図ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1記載の如く、斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプ両側の主回路にそれぞれチェックバルブを設け、この両チェックバルブ間に生じる負荷圧力によって、チャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させて該パイロット圧力を制御するので、斜板に働く力が大きくなる高負荷状態において、油圧サーボ機構が該斜板を制御するのに必要十分である高いパイロット圧力を得ることができるとともに、斜板に働く力が小さい低負荷状態において、油圧サーボ機構が該斜板を制御するのに必要な圧力に応じた低いパイロット圧力を得ることができ、斜板式油圧ポンプの負荷状態に応じたパイロット圧力を得ることができた。
これにより、高負荷状態においては必要十分な斜板の操作力を得ることができ、低負荷状態においてはチャージ圧力(油圧サーボ機構のパイロット圧力)の無駄な圧力を低減することができた。そして、高負荷時の吸入抵抗を軽減することができるので、流路内等に空洞を生じるキャビテーションの発生を防止することができた。
【0032】
また、斜板式油圧ポンプ両側の主回路にそれぞれチェックバルブを設け、この両チェックバルブ間に生じる負荷圧力によって、チャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させて該パイロット圧力を制御したので、本構成を、車両用変速機に適用した場合には、前進又は後進のどちらが高負荷となる場合においても、油圧サーボ機構のパイロット圧力制御を行うことができ、また、前進している際に、後進側回路に高負荷が発生するような状態、例えば、減速時における油圧ブレーキ状態においてもパイロット圧力制御を行うことができることとなった。
さらに、HST式ミッション装置に適用した場合は、低負荷時における全効率を向上することができ、低燃費化を図ることができるとともに、始動性の向上を図ることができた。
【0034】
更に、請求項2記載の如く、斜板式油圧ポンプの主回路の負荷圧力により作動する調圧弁を設け、該調圧弁によりチャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させ、該調圧弁のポートをチャージ圧力の最低値を設定するオリフィスに構成することにより、該パイロット圧力を制御したので、チャージリリーフバルブと調圧弁とにより主回路の負荷圧力を感知し、該負荷圧力の変化に応じて、チャージ圧力及びパイロット圧力を調節することができた。
また、調圧弁によりチャージ圧力及びパイロット圧力の最低値を設定することができることとなった。
【0035】
更に、請求項3記載の如く、前記調圧弁を、該調圧弁の作動に伴って主回路の負荷圧力を開放するリリーフバルブとしても構成したので、調圧弁はチャージ圧力の調圧弁としての機能と、主回路のリリーフバルブとしての機能を併せ持つこととなった。これにより、主回路のリリーフバルブを別途設ける必要がないので、装置のコストダウンを図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置をHST式ミッション装置に適用した場合の油圧回路を示す図である。
【図2】 本発明のHST式ミッション装置に適用した油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の油圧回路の第一実施例を示す図である。
【図3】 図2に示す油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の低負荷時における状態を示す図である。
【図4】 同じく高負荷時における状態を示す図である。
【図5】 HST式ミッション装置に適用した油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の油圧回路の第二の実施例を示す図である。
【図6】 図5に示す油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の低負荷時における状態を示す図である。
【図7】 同じく高負荷時における状態を示す図である。
【図8】 HST式ミッション装置に適用した油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の油圧回路の第三の実施例を示す図である。
【図9】 図8に示す油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置の低負荷時における状態を示す図である。
【図10】 同じく高負荷時における状態を示す図である。
【図11】 HST負荷と斜板に働く力との関係を示す図である。
【図12】 HST負荷とチャージ圧力との関係を示す図である。
【図13】 HST負荷と入力動力との関係を示す図である。
【図14】 HST負荷とHST式ミッション装置の全効率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 斜板式油圧ポンプ
2 油圧モータ
3 チャージポンプ
4・5 油圧サーボ機構
7 斜板
8・9 主回路
10 チャージリリーフバルブ
14 チャージ回路
15 ドレン回路
16・17 負荷回路
18・19 チェックバルブ
Claims (3)
- 斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプ両側の主回路にそれぞれチェックバルブを設け、この両チェックバルブ間に生じる負荷圧力によって、チャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させて該パイロット圧力を制御することを特徴とする油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置。
- 斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプの主回路の負荷圧力により作動する調圧弁を設け、該調圧弁によりチャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させ、該調圧弁のポートを、チャージ圧力の最低値を設定するオリフィスに構成することにより、該パイロット圧力を制御することを特徴とする油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置。
- 斜板の操作を行う油圧サーボ機構を有し、チャージ圧力を該油圧サーボ機構のパイロット圧力と共用する斜板式油圧ポンプにおいて、該斜板式油圧ポンプの主回路の負荷圧力により作動する調圧弁を設け、該調圧弁によりチャージ圧力を一定に保つチャージリリーフバルブの開弁圧力を変化させ、該調圧弁のポートを、ポート圧力の最低値を設定するオリフィスに構成することにより該パイロット圧力を制御するとともに、該調圧弁を、該調圧弁の作動に伴って主回路の負荷圧力を調圧するリリーフバルブとしても構成したことを特徴とする油圧サーボ機構のパイロット圧力制御装置。
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