JP3907220B2 - 複素環含有化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は複素環含有化合物に関する。更に詳しく述べれば、疾病の予防および治療において優れた作用を有する、新規な複素環含有化合物に関する。
【0002】
【発明の背景および先行技術】
レチノイン酸(ビタミンA 酸)は、ヒト並びに他の哺乳類動物の成長や生命維持に必須の物質である。個体発生時には形態形成因子として、また成体においても分化・増殖に対して多岐にわたる作用を有することが知られている。例えば表皮においては角質化反応、毛髪形成や皮脂腺機能等に関与し、結合組織においては骨代謝、軟骨代謝に、免疫系では免疫機能調節、神経系では神経細胞の分化、血液系では血球細胞の分化・増殖、その他甲状腺・副甲状腺のホルモン等の分泌や標的臓器での機能を調節し、鉱質代謝、基礎代謝に関与することが知られている。これらレチノイン酸の多彩な生理作用は、細胞の核内に存在するレチノイドレセプター(RARS、RXRS)ファミリーを介して、直接遺伝子の発現を制御することにより発揮される。レチノイン酸には欠乏症のみならず、角質化異常、脱毛、骨・軟骨代謝異常等の過剰症も存在し、最近では急性前骨髄球性白血病や頭頸部偏平上皮癌、肺癌等でレチノイドレセプターの異常が明らかにされ、病態発症・進展の関与が報告されている。これら多岐にわたるレチノイドの詳細な作用機序の解明と臨床的応用の可能性を追求するにあたり、レチノイドに拮抗する化合物の開発の必要性は大きい。レチノイドに拮抗する化合物として現在までにTD-550、TD-560(Cell Biol. Rev., 25, 209 (1991))、Ro41-5253 (Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A. 89, 7129 (1992)) が知られているが、RARsへの結合能力、レチノイドに対する拮抗作用いずれも不充分と考えられる。
【0003】
本発明者らは上述のごとき実情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、下記に示す複素環含有化合物が非常に強力なRARsへの結合能力、レチノイドに対する拮抗作用を有することを見出し、本発明を完成した。
複素環含有化合物としては、例えば特開平2-240058がレチノイドの過剰症に基づく副作用の点で改良されたアゴニスト作用を有するものとして開示されているが、本発明化合物とは化学構造、薬効いずれの点でも異なる。
【0004】
【発明の構成および効果】
本発明は、次の一般式 (I)で示される複素環含有化合物またはそれらの生理的に許容される塩である。
【化10】
Figure 0003907220
〔式中R1及びR2は水素原子、低級アルキル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、低級アルコキシアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基または両者が一緒になって形成する、低級アルキル基により置換された5〜7員シクロアルキル環を示し、該シクロアルキル環は場合により、硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基、スルフォニル基又は式 NR3 (式中R3は水素原子または低級アルキル基を意味する)で表される基を含んでもよい。破線部分は単結合または二重結合を意味する。A は
【化11】
Figure 0003907220
を示す(式中R1、R2及びR3は前記意味を表す)。
B は
【化12】
Figure 0003907220
を示す(式中R6は水素原子、低級アルキル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、低級アルコキシアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を表し、R13 は水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表し、R7は式
【化13】
Figure 0003907220
を示す。(式中Eはアリ−ル基、ヘテロアリ−ル基又は式
【化14】
Figure 0003907220
を示す(式中R11及びR12は水素原子又は低級アルキル基を表わし、mは1〜3の整数を表す。)。R8は水素原子、水酸基、低級アルコキシ基または−NR9R10(式中R9、R10 は同一、または相異なる水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシルアルキル基、アリール基、ヒドロキシアリ−ル基、ヘテロアリール基またはR9、R10 は、それらが結合している窒素原子と一緒になって窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい環を形成することができる)を意味する)。〕
【0005】
さらに、本発明は一般式(II)または一般式(III) で表される化合物またはそれらの生理的に許容される塩である。
【化15】
Figure 0003907220
〔式中R1及びR2は水素原子、低級アルキル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、低級アルコキシアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基または両者が一緒になって形成する、低級アルキル基により置換された5〜7員シクロアルキル環を示し、該シクロアルキル環は場合により、硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基、スルフォニル基又は式 NR3 (式中R3は水素原子または低級アルキル基を意味する)で表される基を含んでもよい。破線部分は単結合または二重結合を意味する。
B は式
【化16】
Figure 0003907220
をしめす。(式中R6は水素原子、低級アルキル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、低級アルコキシアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、またはヘテロアリールアルキル基を表し、R13 は水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表し、R7は式
【化17】
Figure 0003907220
を示す。(式中Eはアリ−ル基、ヘテロアリ−ル基又は式
【化18】
Figure 0003907220
を示す(式中R11及びR12は水素原子又は低級アルキル基を表わし、mは1〜3の整数を表す)。R8は水素原子、水酸基、低級アルコキシ基または−NR9R10(式中R9、R10 は同一、または相異なる水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシルアルキル基、アリール基、ヒドロキシアリ−ル基、ヘテロアリール基またはR9、R10 は、それらが結合している窒素原子と一緒になって窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい環を形成することができる)を意味する)。〕
【0006】
本発明化合物 (I)〜(III) における上記の定義にみられる低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基、アミル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などを意味する。これらのうち好ましい基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などを挙げることができる。上記R8、R9、R10 、R13 の定義にみられる低級アルコキシ基とは、例えばメトキシ基、エトキシ基、n −プロポキシ基、イソプロポキシ基、n −ブトキシ基などを意味する。R6の定義中、シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7のシクロアルキル基をいう。またR6の定義にみられるシクロアルキルアルキル基とは上記のシクロアルキル基から誘導される基を示し、代表的なものとしてはシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル基などをあげることができる。また架橋環式炭化水素基とはアダマンチル、アダマンチルメチル基などを意味する。R6、R9、R10 の定義にみられるアリール基とはフェニル基、ナフチル基などをいい、これらはメチル基、エチル基などの低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、水酸基などで置換されていてもよい。R9、R10 の定義にみられるヒドロキシアリール基とはフェニル基、ナフチル基などのアリール基に水酸基が結合した基を意味する。R6の定義中アリールアルキル基とは上記のアリール基から誘導されたアリールアルキル基を意味する。好ましい基としてはベンジル、フェネチル基などをあげることができる。これらのうちアリール基は、メチル基、エチル基などの低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、水酸基などで置換されてもよい。
【0007】
R6の定義にみられるヘテロアリール基とはピリジル基、チアゾール基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基など複素環から誘導された基を意味する。
R6の定義中、ヘテロアリールアルキル基とは上記のヘテロアリール基から誘導された基をいい、例えばピリジルメチル基、ピリジルエチル基などをあげることができる。
【0008】
R6の定義にみられる低級アルコキシアルキル基とは、上記の低級アルコキシ基の定義から誘導される基を意味するが、例えばメトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシエトキシ基などを意味する。
【0009】
R9、R10 の定義中「R9、R10 はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい環を形成することができる」とは、例えば次のような基をあげることができる。
【0010】
【化19】
Figure 0003907220
【0011】
なお、本発明において生理的に認容性の塩とは慣用の無毒性塩類であり、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの無機酸塩、例えば酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩、または例えばアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸との塩などをあげることができる。更にNa、K 、Ca、、Mgなどの金属塩をとることもあり、本発明の生理的に認容性の塩に包含される。
【0012】
次に本発明化合物を得るための代表的な製造方法について述べれば、以下の通りである。
【0013】
〔製造方法1〕
【0014】
【化20】
Figure 0003907220
【0015】
(一連の式中A 、R6、R7、破線は前記の意味を有し、X はハロゲン原子を意味する。)
一般式(1)で表されるジケトン体は、ケトン体(2)に塩基の存在下、酸塩化物(3)を反応させ得ることができる。塩基としてはリチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドなどがよい結果を与える。本反応の溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類が用いられる。反応温度は−78℃〜溶媒の沸点であるが、好ましくは−78℃〜20℃である。
【0016】
次にジケトン体(1)をヒドラジン水和物と反応させて一般式(4)で表されるピラゾール体を製造でき、モノ置換ヒドラジン(5)と反応させ、同時に生成する異性体を結晶化またはカラムクロマトグラフィーで分離することにより(6)のピラゾール体を製造できる。
【0017】
本反応は触媒の添加なしでも進行するが、塩酸、硫酸、酢酸、ポリリン酸など脱水剤としても使用される酸を加えて促進される。
反応溶媒としては原則的にヒドラジンと反応しないものならすべて使用でき、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩素化炭化水素などがあげられる。反応温度は0℃〜溶媒の沸点であるが、好ましくは室温〜溶媒の沸点である。(6)で示される化合物は、また(4)に塩基存在下(7)のハライドを作用させ、同時に生成する異性体を結晶化またはカラムクロマトグラフィーで分離することによっても得ることができる。塩基としては炭酸カリウム、水素化ナトリウムや水素化カリウムなどのアルカリ金属化合物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを用いる。使用する溶媒としてはジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどがあげられ、反応温度は0℃〜溶媒の沸点である。
【0018】
【製造方法2】
【0019】
【化21】
Figure 0003907220
【0020】
(一連の式中R1、R2、R6、R7、A 、n は前記の意味を有する。)
一般式(8)で示される化合物は、一般式(2)で表されるケトン体に触媒量の塩基の存在下、一般式(9) で表されるアルデヒドを反応させて得られるアルコール体 (10) を酸存在下で脱水反応させ得ることができる。アルコール体 (10) を得るために用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリが好ましく、溶媒にはメタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを使用する。反応温度は0℃〜溶媒の沸点であるが、好ましくは20℃〜40℃である。
【0021】
脱水反応において用いられる酸としては塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、リン酸などがあげられる。溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素などを使用し、0℃〜溶媒の沸点の反応温度で行う。化合物によっては脱水反応することなく化合物(2)から直接化合物(8)を得ることもできる。
【0022】
次に(8)をニトロメタンを溶媒にして(化合物が難溶性の場合は必要に応じてテトラヒドロフラン、メタノール、エタノールなどを加え)触媒量の塩基を作用させることにより (11) へと導くことができる。用いられる塩基としては、N −ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、またはジイソプロピルエチルアミンなどがあげられ、0℃〜溶媒の沸点、好ましくは0℃〜室温で反応は行われる。
【0023】
化合物(12) で示されるケタール体は(11)をNef 反応(chem. Rev., 55, 137 (1955))によりγ- ケトアルデヒド体に導き、これをケタール化して得ることができる。ケタール化はメタノールに硫酸、塩酸などの鉱酸を加え、これにγ−ケトアルデヒド体を加えて達成される。反応温度としては−78℃〜溶媒の沸点であるが、好ましくは−40℃〜室温である。
【0024】
次にジメチルケタール体(12) にR6-NH2で表される一級アミンを作用させることによりピロール体(13)が得られる。反応溶媒としては反応に関与しないあらゆる溶媒が使用できるが、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒などが好ましく、これに酸を共存させて反応を進行させる。酸としては、好ましくは、脱水剤としても使用される酸、例えば塩酸、硫酸、氷酢酸、ポリリン酸などと共存させて行う。
【0025】
またジメチルケタール体(12) に酸を作用させてフラン体(14) へと導くことができる。酸としては硫酸、ポリリン酸などを用い、0℃〜 100℃の温度で反応は行われる。さらに(12) に硫化物、たとえば五硫化リン、硫化水素などを作用させ、チオフェン体(15)を得ることもできる。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、ピリジンなどを用い、反応温度は0℃〜溶媒の沸点、好ましくは50℃〜溶媒の沸点である。
【0026】
以下に本発明の効果を示すために薬理実験例を示す。
【0027】
【実験例】
ヒト前骨髄球性白血病細胞 HL60 を用いた Receptor binding assay
HL60細胞の核内にはall-trans レチノイン酸に対する受容体(レチノイン酸レセプター;RAR )が存在する事が知られている(Clara Nervi et al., Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A. 86 , 5854(1989))。そこでHL60の核抽出画分を用いてRAR のall-trans レチノイン酸特異的な結合を求め、またその結合阻害率を測定することにより各化合物のRAR への結合能を調べた。
【0028】
核抽出画分は以下に示すように調製した。
HL60 5×108 細胞を15mlの溶液A (5mMリン酸ナトリウム( sodium phosphate (pH 7.4)), 10mMモノチオグリセロール( monothioglycerol )、 10% (v/v)グリセロール( glycerol )、 1 mMフッ化フェニルメチルスルホニル( phenylmethylsulfonyl fluoride) (PMSF), 10 μg/mlアプロチニン( aprotinin), 25μg/mlロイペプチン( leupeptin) )に懸濁し、ホモジナイザーでホモジナイズした後、遠心分離し上清を除去した。得られた沈殿を15 ml の溶液B (10mMトリス-HCl (pH 8.5), 10 mMモノチオグリセロール( monothioglycerol )、 10% (v/v)グリセロール( glycerol )、 1 mM PMSF, 10 μg/mlアプロチニン( aprotinin), 25μg/mlロイペプチン( leupeptin), 0.8 M KCl)に懸濁し、4℃で1時間放置した後、超遠心(100,000xg, 4℃、1時間)を行った。得られた上清を核抽出画分とし、使用時まで−80℃で冷凍保存した(METHODS IN ENZYMOLOGY. 189 : 248)。
【0029】
レセプタ バイディング アッセイ(Receptor binding assay)は次のように行った。
ポリプロピレン製の96穴プレートに抽出画分 180μl とall-trans レチノイン酸又は化合物の希釈物10μl を加え、さらに10nM 3H-all-trans レチノイン酸を10μl 添加して4℃で16時間放置した。反応液中に3%チャコール−0.3 %デキストラン溶液を加え遠心して遊離の3H-all-transレチノイン酸を分離した後、上清液のカウントをシンチレーションカウンターによって求めた。 200倍過剰量のall-trans レチノイン酸を添加した時のカウントを非特異的な結合として得られた値から差し引き、RAR への特異的な結合量を求めた。以下に示す化合物は3H-all-transレチノイン酸の結合を濃度依存的に抑制した。またそれぞれの50%抑制濃度を算出して表1に示した。
【0030】
HL60 細胞の分化誘導作用における all-trans レチノイン酸に対する拮抗作用
ヒト由来前骨髄球性白血病細胞株HL60は、all-trans レチノイン酸存在下で顆粒球様細胞に分化することが知られている(Breitman, T. Selonick., S. and Collins, S. Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A.77 2936(1980)) 。一般に細胞は分化を遂げることにより、細胞表面上に特異的な分化抗原を表出するようになる。HL60細胞が顆粒球様細胞に分化すると、細胞表面に顆粒球・単核球識別抗原であるCD11b が表出される(Fontana, JA., Reppuci, A. Durham, JP. and Mirand, D. Cancer Res. 46 , 2469-2473(1986))。この現象を利用してall-trans レチノイン酸で誘導される顆粒球様細胞への細胞分化に対する拮抗作用を検討した。
【0031】
HL60細胞は、RPMI1640(Rosewell Park Memorial Instituteで処方された培地)に、10%の非働化処理牛胎児血清、1mMピリジン酸ナトリウム、50μM βメルカプトエタノール、100 国際単位/mlのペニシリン、100 μg/mlのストレプトマイシンを添加した培養液中で、培養・維持した。
【0032】
実験は、1×105 細胞/mlのHL60細胞懸濁液を48ウェル・プレートに1mlずつ蒔き、同時に10mMのall-trans レチノイン酸および種々の濃度のレチノイドアンタゴニストを添加して、5% CO2−空気インキュベーター内で5日間培養した。培養後、各ウェルの細胞を試験管内に回収し、顆粒球・単核球特異抗原であるCD11b に対するFITC標識単クローン抗体を添加後、0.2 %パラホルムアルデヒドで細胞を固定した。固定細胞懸濁液を、フローサイトメトリーを用いて、各ウェルに存在する前HL60細胞集団中のCD11b 陽性細胞の存在率を求めた(Miller, LJ., Schwarting, R. and Springer, TA. J. Immunol. 137, 2891-2900(1986)) 。10nM all-transレチノイン酸で誘導されたCD11b 陽性細胞の存在率を、以下に示す化合物は濃度依存的に抑制し、それぞれの50%抑制濃度を算出し表1に示した。
【0033】
【表1】
Figure 0003907220
【0034】
上記の実験例により、本発明化合物は非常に強力なRARsへの結合能力、all-trans レチノイン酸に対する拮抗作用を有することが明らかであり、例えば以下に述べる疾病に効果が期待できる。
【0035】
・各種角質化異常症、乾癬、座瘡、白板症、色素性乾皮症
・円形脱毛症、脂漏性脱毛症、悪液質性脱毛症等の各種脱毛症
・閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、特発性骨粗鬆症、糖尿病性骨減少症、慢性関節リウマチ性骨減少症、腎性骨軟化症、異所性過骨形成
・慢性関節リウマチ、変形性関節炎、肩関節周囲炎
・免疫不全症における免疫機能賦活、免疫機能低下時や胎児のサイトメガロウイルス感染症、日和見感染症
・甲状腺機能亢進症
・偏平上皮癌、膀胱癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌
・高カルシウム血症
・肺線維症、肝線維症、肝硬変
【0036】
本発明化合物をこれらの疾病の予防・治療剤として投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、また坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投与してもよい。
経口・非経口投与のための製剤化は、通常の製薬的に許容できる担体を用い、常法により製造する。
注射剤、点滴剤などを調製する場合は、主薬に必要によりpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加し、必要ならば凍結乾燥などを行って、常法により皮下・筋肉内・静脈内用注射剤・点滴注射剤とする。
【0037】
【実施例】
次に本発明化合物及びその製造方法を実施例を挙げてより詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに、以下の実施例で使用する原料化合物の製造方法を参考例で説明する。なお、核磁気共鳴スペクトルデータにおいてカルボン酸のピークが検出されないものもある。また、融点の測定には微量融点測定器(柳本製作所製)を用いた。
【0038】
〔実施例1〕
4- 5,6- ジヒドロ -2,3- ジイソプロピル -9-(3- ピリジルメチル ) ピロロ〔 2,3-f 〕キノキサリン -7- イル〕安息香酸の製造
第1工程
4-(7,8- ジヒドロ -2,3- ジイソプロピル -5(2H)- キノキサリノン -6- イリデン)安息香酸メチルの製造
【0039】
【化22】
Figure 0003907220
【0040】
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,3- ジイソプロピル-5- キノキサリノン 2.0g 及びテレフタルアルデヒド酸メチル 1.27gを酢酸10mlに溶解し、濃硫酸 2mlを加え室温で一晩攪拌した。反応溶液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、 1.04gの標記化合物を白色固体として得た。
【0041】
融点; 100〜 102℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.31(d,J=6.8Hz,6H), 1.37(d,J=6.8Hz,6H),
3.10〜3.22(m,4H), 3.38〜3.47(m,2H), 3.05(s,3H), 7.50(d,J=8.2Hz,2H), 7.89(s,1H), 8.09(d,J=8.2Hz,2H).
【0042】
第2工程
4- 1-(7,8- ジヒドロ -2,3- ジイソプロピル -5(2H)- キノキサリノン -6- イル )-2,2- ジメトキシエチル〕安息香酸メチルの製造
【0043】
【化23】
Figure 0003907220
【0044】
4-(7,8- ジヒドロ-2,3- ジイソプロピル-5(2H)- キノキサリノン-6- イリデン)安息香酸メチル 1.0g をニトロメタン12mlとテトラヒドロフラン 4mlの混合溶媒に溶解し、40%のメタノール性水酸化ベンジルトリメチリアンモニウム溶液 1mlを加えて、室温で一晩攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、有機層を希塩酸、水、飽和重曹水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して 1.38gの褐色油状物質を得た。
これを塩化メチレン15mlとテトラヒドロフラン15mlの混合溶媒に溶解し、−35℃で28%ナトリウムメトキシド溶液 1.5mlを加え40分間攪拌した。
この溶液を−35℃で別個に調製した濃硫酸 4mlとメタノール20mlからなる混合溶媒に滴下した。反応溶液を室温にて30分間攪拌後、飽和重層水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して 1.24gの標記化合物を褐色粉末として得た。これをさらに精製することなく次の反応に用いた。
【0045】
第3工程
4- 5,6- ジヒドロ -2,3- ジイソプロピル -9-(3- ピリジルメチル)ピロロ〔 2,3-f 〕キノサリン -7- イル〕安息香酸の製造
【0046】
【化24】
Figure 0003907220
【0047】
4-〔1-(7,8- ジヒドロ-2,3- ジイソプロピル-5(2H)- キノキサリノン-6- イル)-2,2- ジメトキシエチル〕安息香酸メチル0.6g及び3-アミノメチルピリジン 0.202mlを酢酸10mlに溶解し、1 時間加熱還流した。室温まで放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、0.15g の淡褐色粉末を得た。
これをエタノール15mlに溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液 5mlを加え、室温で 4時間攪拌した。攪拌下に希塩酸を加え析出した結晶を濾取した。水洗後、減圧下に乾燥し0.1gの標記化合物を淡褐色固体として得た。
【0048】
融点; 158〜 160℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ;1.01(d,J=6.6Hz,6H), 1.17(d,J=6.6Hz,6H),
3.04(s,4H), 3.18〜3.32(m,2H), 5.90(s,2H), 7.30(dd,J=4.6,7.8Hz,1H), 7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.52(d,J=7.9Hz,2H), 7.54(s,1H), 7.91(d,J=7.9Hz,2H), 8.38(s,1H), 8.41(d,J=4.6Hz,1H).
実施例1と同様の製法により、実施例2の化合物を得た。
【0049】
【化25】
Figure 0003907220
【0050】
〔実施例3〕
4- 4,5- ジヒドロ -7,8- ジイソプロピル -1-(3- ピリジルメチル ) ピラゾロ〔 5,4-f 〕キノキサリン -3- イル〕安息香酸の製造
第1工程
4-(7,8- ジヒドロ -2,3- ジイソプロピル -5(2H)- キノキサリノン -6- イル - カルボニル)安息香酸メチルの製造
【0051】
【化26】
Figure 0003907220
【0052】
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,3- ジイソプロピル-5- キノキサリン 0.74gをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、−78℃でリチウムビストリメチルシリルアミドの1Mテトラヒドロフラン溶液3.51mlを滴下し、30分間攪拌した。これにテレフタル酸モノメチルクロライド0.7gのテトラヒドロフラン 5ml溶液を加え、1 時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、 0.58gの標記化合物を褐色固体として得た。
【0053】
融点;82〜84℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.30(d,J=6.8Hz,6H), 1.36(d,J=6.8Hz,6H),
2.82〜2.87(m,2H), 3.00〜3.04(m,2H), 3.37〜3.45(m,2H), 3.96(s,3H), 7.66(d,J=8.6Hz,2H), 8.14(d,J=8.6Hz,2H).
【0054】
第2工程
4-(4,5- ジヒドロ -7,8- ジイソプロピルピラゾロ〔 5,4-f 〕キノキサリン -3- イル ) 安息香酸メチルの製造
【0055】
【化27】
Figure 0003907220
【0056】
4-(7,8- ジヒドロ-2,3- ジイソプロピル-5(2H)- キノキサリン-6- カルボニル) 安息香酸メチル0.58g を酢酸10mlに溶解し、ヒドラジン1水和物0.107ml を加え4時間加熱還流した。反応溶液を室温まで放冷後、飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、0.524gの標記化合物を淡黄色固体として得た。
融点; 204〜 206℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.30(d,J=6.8Hz,6H), 1.32(d,J=6.8Hz,6H),
3.16〜3.26(m,4H), 3.32〜3.39(m,2H), 3.95(s,3H), 7.83(d,J=8.6Hz,2H), 8.12(d,J=8.6Hz,2H).
【0057】
第3工程
4- 4,5- ジヒドロ -7,8- ジイソプロピル -1-(3- ピリジルメチル)ピラゾロ〔 5,4-f 〕キノキサリン -3- イル〕安息香酸の製造
【0058】
【化28】
Figure 0003907220
【0059】
4-(4,5- ジヒドロ-7,8- ジイソプロピルピラゾロ〔5,4-f 〕キノキサリン-3- イル)安息香酸メチル 0.19gをN,N-ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、0 ℃に冷却して水素化ナトリウム 0.04gを加え10分間攪拌した後、3-ピコリルクロリドハイドロクロリド 0.08gを加え10分間攪拌した。室温にてさらに30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下に乾燥し、0.144gの淡褐色粉末を得た。
これをエタノール15mlに溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液 5mlを加え、室温で 1時間攪拌した。攪拌下に希塩酸を加え析出した結晶を濾取した。水洗後、減圧下に乾燥し 0.13gの標記化合物を白色固体として得た。
【0060】
融点; 279〜 281℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ;1.21(d,J=6.4Hz,6H), 1.29(d,J=6.4Hz,6H),
3.14〜3.25(m,4H), 3.27〜3.37(m,2H), 6.16(s,2H), 7.21〜7.28(m,1H), 7.60〜7.65(m,1H), 7.85(d,J=8.2Hz,2H), 8.17(d,J=8.2Hz,2H), 8.49〜8.56(m,1H), 8.58〜8.66(m,1H).
実施例3と同様の製法により、実施例4の化合物を得た。
【0061】
【化29】
Figure 0003907220
【0062】
〔実施例5〕
4- 4,5,7,8,9,10- ヘキサヒドロ -7,7,10,10- テトラメチル -1-(3- ピリジルメチルピロロ〔 2,3-a 〕フェナジン -3- イル〕安息香酸の製造
第1工程
4- (3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ -6,6,9,9- テトラメチル -1(2H)- フェナジノン -2- イル)ヒドロキシメチル〕安息香酸メチルの製造
【0063】
【化30】
Figure 0003907220
【0064】
1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロ-6,6,9,9- テトラメチルフェナジン-1- オン0.5g及びテレフタルアルデヒド酸メチル 0.38gをメタノール15mlに溶解し、水酸化ナトリウムを少量加え一晩攪拌した。析出した結晶を濾取し少量のメタノールで洗浄後、減圧下に乾燥し、0.53g の標記化合物を白色固体として得た。
【0065】
融点; 190〜 192℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.30(s,3H), 1.32(s,3H), 1.38(s,6H),
1.82(s,4H), 1.85〜1.92(m,1H), 2.12〜2.23(m,1H), 2.89〜2.92(m,1H), 2.93〜3.16(m,3H), 3.92(s,3H), 5.78〜5.81(m,1H), 7.48(d,J=8.0Hz,2H), 8.06(d,J=8.0Hz,2H).
【0066】
第2工程
4-(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ -6,6,9,9- テトラメチル -1(2H)- フェナジノン -2- イリデン ) 安息香酸メチルの製造
【0067】
【化31】
Figure 0003907220
【0068】
4-〔(3,4,6,7,8,9- ヘキサメチル-6,6,9,9- テトラメチル-1(2H)- フェナジノン-2- イル)ヒドロキシメチル〕安息香酸メチル 0.53gを1,4-ジオキサン12mlに溶解し、濃硫酸 1mlを加え60℃で 6時間攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をヘキサンで洗浄後、結晶を濾取して減圧下に乾燥し、0.36g を標記化合物の淡黄色固体として得た。
【0069】
融点; 149〜 151℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.35(s,6H), 1.41(s,6H), 1.84(s,4H),
3.10〜3.23(m,2H), 3.95(s,3H), 7.50(d,J=8.3Hz,2H), 8.09(d,J=8.4Hz,2H).
【0070】
第3工程
4- 1-(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ -6,6,9,9- テトラメチル -1(2H)- フェナジノン -2- イル )-2,2- ジメトキシエチル〕安息香酸メチルの製造
【0071】
【化32】
Figure 0003907220
【0072】
4-(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ-6,6,9,9- テトラメチル-1(2H)- フェナジノン-2- イリデン)安息香酸メチル0.6gをニトロメタン 7mlとテトラヒドロフラン 3mlの混合溶媒に溶解し、40%のメタノール性水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム溶液 0.3mlを加えて、室温で一晩攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、有機層を希塩酸、水、飽和重曹水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して 0.74gの淡褐色油状物質を得た。
これを塩化メチレン15mlとテトラヒドロフラン15mlの混合溶媒に溶解し、−35℃で28%ナトリウムメトキシド溶液0.78mlを加え40分間攪拌した。
この溶液を−35℃で個別に調製した濃硫酸 2mlとメタノール10mlからなる混合溶媒に滴下した。反応溶液を室温にて30分間攪拌後、飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して0.7gの標記化合物を褐色粉末として得た。これをさらに精製することなく次の反応に用いた。
【0073】
第4工程
4- 4,5,7,8,9,10- ヘキサヒドロ -7,7,10,10- テトラメチル -1-(3- ピリジルメチル)ピロロ〔 2,3-a 〕フェナジン -3- イル〕安息香酸メチルの製造
【0074】
【化33】
Figure 0003907220
【0075】
4-〔1-(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ-6,6,9,9- テトラメチル-1(2H)- フェナジノン-2- イル)-2,2- ジメトキシエチル〕安息香酸メチル0.4g及び3-アミノメチルピリジン 0.13ml を酢酸 8mlに溶解し、1 時間加熱還流した。室温まで放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、0.2gの褐色粉末を得た。
これをエタノール15mlに溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液 5mlを加え、60℃で 1時間加熱した。室温まで放冷後、攪拌下に希塩酸を加え析出した結晶を濾取した。水洗後、減圧下に乾燥し0.1gの標記化合物を淡黄色固体として得た。
【0076】
融点; 245〜 247℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ;1.03(s,6H), 1.23(s,6H), 1.67(s,4H),
3.05(s,4H), 5.89(s,2H), 7.28〜7.33(m,1H), 7.40〜7.44(m,1H), 7.55(d,J=8.0Hz,2H), 7.57(s,1H), 7.92(d,J=8.0Hz,2H), 8.34〜8.37(m,1H), 8.38〜8.43(m,1H).
【0077】
実施例5と同様の手法により、参考例2,3で得たケトンおよび参考例3と同様の手法により得られた6,7,8,9-テトラヒドロ-9,9- ジメチルチアナフト〔2,3-b 〕シクロヘキサ-1- オンを用い実施例6〜12の化合物を得た。
【0078】
【化34】
Figure 0003907220
【0079】
【化35】
Figure 0003907220
【0080】
〔実施例11〕
4- 4,5,7,8,9,10- ヘキサヒドロ -7,7,10,10- テトラメチル -1-(3- ピリジルメチル ) ピラゾロ〔 5,4-a 〕フェナジン -3- イル〕安息香酸の製造
第1工程
4-(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ -6,6,9,9- テトラメチル -1(2H)- フェナジノン -2- イル - カルボニル)安息香酸メチルの製造
【0081】
【化36】
Figure 0003907220
【0082】
−60℃に冷却した塩化オキザリル 0.124mlの塩化メチレン10ml溶液に、ジメチルスルホキシド 0.2mlの塩化メチレン 1ml溶液を滴下し 5分間攪拌した。これに4-〔(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ-6,6,9,9- テトラメチル-1(2H)- フェナジノン-2- イル)ヒドロキシメチル〕安息香酸メチル0.5gの塩化メチレン10ml溶液を滴下し15分間攪拌後、トリエチルアミン 0.954mlを滴下した。反応溶液を室温まで昇温させ30分間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を、水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒; 5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、0.248gの標記化合物を淡黄色油状物質として得た。
【0083】
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.34(s,6H), 1.40(s,6H), 1.83(s,4H),
2.81〜2.87(m,2H), 2.98〜3.04(m,2H), 3.96(s,3H), 7.67(d,J=8.6Hz,2H), 8.14(d,J=8.6Hz,2H).
【0084】
第2工程
4-(4,5,7,8,9,10- ヘキサヒドロ -7,7,10,10- テトラメチルピラゾロ〔 5,4-a 〕フェナジン -3- イル ) 安息香酸メチルの製造
【0085】
【化37】
Figure 0003907220
【0086】
4-(3,4,6,7,8,9- ヘキサヒドロ-6,6,9,9- テトラメチル-1(2H)- フェナジノン-2- イル- カルボニル)安息香酸メチル 0.23gをメタノール10mlに溶解し、ヒドラジン 1水和物0.04mlを加え 1時間加熱還流した。反応液を氷で冷却し、析出した結晶を濾取した。少量のメタノールで洗浄後、減圧下に乾燥し 0.16gの標記化合物を白色固体として得た。
【0087】
融点; 250〜 252℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.34(s,6H), 1.36(s,6H), 1.80(s,4H),
3.16〜3.25(m,4H), 3.95(s,3H), 7.83(d,J=8.6Hz,2H), 8.12(d,J=8.6Hz,2H).
【0088】
第3工程
4- 4,5,7,8,9,10- ヘキサヒドロ -7,7,10,10- テトラメチル -1-(3- ピリジルメチル)ピラゾロ〔 5,4-a 〕フェナジン -3- イル〕安息香酸の製造
【0089】
【化38】
Figure 0003907220
【0090】
4-(4,5,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-7,7,10,10- テトラメチルピラゾロ〔5,4-a 〕フェナジン-3- イル)安息香酸メチル 0.20gをN,N-ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、0℃に冷却して水素化ナトリウム0.04g を加え10分間攪拌した後、3-ピコリルクロリドハイドロクロリド 0.09gを加え10分間攪拌した。室温にてさらに30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をヘキサン−ジイソプロピルエーテル混合溶媒で洗浄し、減圧下に乾燥し 0.15gの淡褐色粉末を得た。
これをエタノール15mlに溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液 5mlを加え、室温で 4時間攪拌した。攪拌下に希塩酸を加え析出した結晶を濾取した。水洗後、減圧下に乾燥し0.1gの標記化合物を白色固体として得た。
【0091】
融点; 265〜 267℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ;1.13(s,6H), 1.27(s,6H), 1.73(s,4H),
3.16(s,4H), 6.02(s,2H), 7.29〜7.34(m,1H), 7.50〜7.55(m,1H), 7.83(d,J=8.1Hz,2H), 8.01(d,J=8.1Hz,2H), 8.42〜8.46(m,2H).
実施例11と同様の手法により、実施例12〜13の化合物を得た。
【0092】
【化39】
Figure 0003907220
【0093】
〔実施例14〕
4- 7,8,9,10- テトラヒドロ -7,7,10,10- テトラメチル -1-(3- ピリジルメチル)ピロロ〔 2,3-a 〕フェナジン -3- イル〕安息香酸の製造
【0094】
【化40】
Figure 0003907220
【0095】
4-〔4,5,7,8,9,10- ヘキサヒドロ-7,7,10,10- テトラメチル-1-(3-ピリジルメチルピロロ〔2,3-a 〕フェナジン-3- イル)安息香酸エチル 0.07gを1,4-ジオキサン10mlに溶解し、2,3-ジクロロ-5,6- ジシアノ-1,4- ベンゾキノン 0.03gを加え、一晩加熱還流した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、 0.05gの淡褐色粉末を得た。
これをエタノール10mlに溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液 5mlを加え、60℃で 1時間加熱攪拌した。反応液を放冷後、攪拌下に希塩酸を加え析出した結晶を濾取した。水洗後、減圧下に乾燥し 0.03gの標記化合物を淡黄色固体として得た。
【0096】
融点; 286〜 288℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ;1.16(s,6H), 1.36(s,6H), 1.82(s,4H),
6.31(s,2H), 7.22〜7.28(m,1H), 7.34〜7.39(m,1H), 7.68(d,J=8.8Hz,1H), 7.85(d,J=8.2Hz,2H), 8.03(d,J=8.2Hz,2H), 8.15(s,1H), 8.27(d,J=8.8Hz,1H), 8.36〜8.44(m,2H).
【0097】
〔参考例1〕
5,6,7,8- テトラヒドロ -2,3- ジイソプロピル -8- キノキサリノンの製造
工程1
5,6,7,8- テトラヒドロ -2,3- ジイソプロピルキノキサリンの製造
【0098】
【化41】
Figure 0003907220
【0099】
2,5-ジメチル-3,4- ヘキサンジオン8.7g及び1,2-シクロヘキサンジアミン11.2mlを酢酸20mlに溶解し、30時間加熱還流した。放冷後、反応溶液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒; 5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、6.8gの標記化合物を無色油状物質として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.25(d,J=6.8Hz,12H), 1.84 〜1.92(m,4H), 2.83〜2.90(m,4H), 3.23〜3.34(m,2H).
【0100】
工程2
5,6,7,8- テトラヒドロ -2,3- ジイソプロピル -8- キノキサリノンの製造
【0101】
【化42】
Figure 0003907220
【0102】
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,3- ジイソプロピルキノキサリン1.5gを酢酸10mlに溶解後、無水クロム酸1.0gの酢酸 6ml、水 1ml溶液を滴下し、80℃で 2時間攪拌した。放冷後、反応溶液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、0.6gの標記化合物を褐色固体として得た。
【0103】
融点;92〜94℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.28(d,J=6.8Hz,6H), 1.32(d,J=6.8Hz,6H),
2.16〜2.22(m,4H), 2.75〜2.78(m,2H), 3.11〜3.14(m,2H), 3.33〜3.43(m,2H).
【0104】
〔参考例2〕
1,2,3,4,6,7,8,9- オクタヒドロ -6,6,9,9- テトラメチルフェナシン -1- オンの製造
工程1
3,3,6,6- テトラメチル -1,2- シクロヘキサンジオンの製造
【0105】
【化43】
Figure 0003907220
【0106】
窒素雰囲気下、キシレン1lにナトリウム(40%油性ディスパージョン) 44.6gを懸濁後、 100℃に加熱し、2,2,5,5-テトラメチルヘキサンジカルボン酸エチル 50gのキシレン 100ml溶液を30分間かけて滴下し、さらに 2時間攪拌した。反応溶液を室温まで放冷後、氷冷で冷却し、50%硫酸水溶液 100mlを注意深く滴下した。この反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒; 5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、 28gの淡黄色油状物質を得た。
これを酢酸70mlに溶解し、10℃で無水クロム酸 18gの酢酸70ml、水 9mlの混合溶液を滴下し、室温にもどしさらに 3時間攪拌した。反応溶液を水2lに注ぎ、析出した結晶を濾取し、水洗後、減圧下に乾燥して、 19.5gの標記化合物を黄色固体として得た。
融点; 109〜 111℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.16(s,12H), 1.87(s,4H).
【0107】
工程2
1,2,3,4,6,7,8,9- オクタヒドロ -1,1,4,4- テトラメチルフェナジンの製造
【0108】
【化44】
Figure 0003907220
【0109】
3,3,6,6-テトラメチル-1,2- シクロヘキサンジオン20.0g 及び1,2-シクロヘキサンジアミン20mlを酢酸20mlに溶解し、 6時間加熱還流した。放冷後、反応溶液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒; 5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、16.0g の標記化合物を無色油状物質として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.28(s,12H), 1.75(s,4H),1.86〜1.90(m,4H), 2,83〜2,88(m,4H).
【0110】
工程3
1,2,3,4,6,7,8,9- オクタヒドロ -6,6,9,9- テトラメチルフェナジン -1- オンの製造
【0111】
【化45】
Figure 0003907220
【0112】
1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロ-1,1,4,4- テトラメチルフェナジン8.0gを酢酸30mlに溶解後、無水クロム酸4.9gの酢酸30ml、水 4ml溶液を滴下し、80℃で30分間攪拌した。放冷後、反応溶液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、1.6gの標記化合物を褐色油状物質として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ;1.33(s,6H), 1.35(s,6H), 1.81(s,4H),
2.15〜2.23(m,2H), 2,77(dd,J=5.9,6.9Hz,2H),3.12(dd,J=5.9,5.9Hz,2H).
【0113】
〔参考例3〕
6,7,8,9- テトラヒドロ -6,6,9,9- テトラメチルチアナフト〔 2,3-b - シクロヘキサ -1- オンの製造
【0114】
【化46】
Figure 0003907220
【0115】
工程1
2,5- ジメチル -5-(2- チエニル) -2- ヘキサノールの製造
【0116】
【化47】
Figure 0003907220
【0117】
4-メチル-4-(2-チエニル)吉草酸エチル 20.4gの無水ジエチルエーテル溶液 200mlに氷冷下、メチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(3mol/l)70mlを滴下し、10分間攪拌した後、室温でさらに 2.5時間攪拌した。反応溶液を氷冷し、注意深く飽和塩化アンモニウム水溶液を加え過剰の試薬を分解した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して、標記アルコール体 19.8gを無色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) ;1.16(s,6H), 1.30〜1.38(m,2H),
1.38(s,6H), 1.65〜1.72(m,2H), 6.77〜6.80(m,1H), 6.88〜6.92(m,1H), 7.13(d,J=5.0Hz,1H).
【0118】
工程2
4,5,6,7- テトラヒドロ -4,4,7,7- テトラメチルチアナフテンの製造
【0119】
【化48】
Figure 0003907220
【0120】
氷冷下、塩化アルミニウム 16gのジクロロメタン懸濁液 150mlに2,5-ジメチル-5-(2-チエニル)-2-ヘキサノール 19.8gを加え、30分間攪拌した。反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン)で精製し、9.3gの無色油状物を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) ;1.23(s,6H), 1.33(s,6H),
1.65〜1.75(m,4H), 6,83(d,J=5.4Hz,1H), 7.15(d,J=5.4Hz,1H).
【0121】
工程3
6,7,8,9- テトラヒドロ -6,6,9,9- テトラメチルチアナフト〔 2,3-b - シクロヘキサ -1- オンの製造
【0122】
【化49】
Figure 0003907220
【0123】
4,5,6,7-テトラヒドロ-4,4,7,7- テトラメチルチアナフテン9.3g及びコハク酸モノエチルクロリド9.4gを塩化メチレン 100ml中に加え、氷冷下1M塩化第 2スズ塩化メチレン溶液 6.7mlを滴下し、室温にて 2.5時間攪拌した。反応溶液を氷水に注ぎ酢酸エチル 200mlで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をエタノール 100mlに溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液50mlを加え室温で 2時間攪拌した。反応溶液に希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して得られた固体残渣をn−ヘキサンで洗浄し、12.6g の白色固体を得た。
これをジエチレングリコール 150mlに懸濁し、水酸化ナトリウム8.6g及びヒドラジン1 水和物6.4gを加え、窒素気流下 180℃で 4時間激しく攪拌した。放冷後、冷希塩酸中に注ぎ酢酸エチル 200mlで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮すると 10.4gの黄色油状物が得られた。
これにポリリン酸100gを加え、窒素気流下 170℃で 2時間攪拌した。放冷後、氷水に注ぎ、酢酸エチル 200mlで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒; 2%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して、7.0gの標記化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) ;1.28(s,6H), 1.36(s,6H), 1.66(s,4H),
2.08〜2.16(m,2H), 2,53(t,J=6.8Hz,2H), 2.96(t,J=6.8Hz,2H).

Claims (1)

  1. 一般式(II)または一般式(III) で表される化合物またはそれらの生理的に許容される塩。
    Figure 0003907220
    〔式中R1及びR2は水素原子、低級アルキル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、低級アルコキシアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基または両者が一緒になって形成する、低級アルキル基により置換された5〜7員シクロアルキル環を示し、該シクロアルキル環は場合により、硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基、スルフォニル基又は式 NR3 (式中R3は水素原子または低級アルキル基を意味する)で表される基を含んでもよい。破線部分は単結合または二重結合を意味する。B は式
    Figure 0003907220
    で示される基で、破線部分で一般式( II )及び( III )に示すように縮合環を形成している。(式中R6は水素原子、低級アルキル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、低級アルコキシアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、またはヘテロアリールアルキル基を表し、R13 は水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表し、R7は式
    Figure 0003907220
    を示す(式中Eはフェニル基を示す。R8は水素原子、水酸基、低級アルコキシ基または−NR9R10(式中R9、R10 は同一、または相異なる水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシルアルキル基、アリール基、ヒドロキシアリ−ル基、ヘテロアリール基またはR9、R10 は、それらが結合している窒素原子と一緒になって窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい環を形成することができる)を意味する)。〕
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