JP3907028B2 - 連続乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレーク状又は粒状固形物の連続乾燥装置に関し、とくにスライスした野菜、果実類やお茶の葉等のフレーク状の食品や豆類、穀類等の粒状の食品を効率良く乾燥するための連続乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉粒体を攪拌しつつ移送し、効率良くその乾燥を行なう手段として、種々の形式の横置きのドラムミキサーを用いた連続乾燥装置が、従来から数多く提案されている。図10は、従来のドラムミキサーの代表例を示す断面概要図で、図10(a)はスクリューミキサーの例を、図10(b)はパドルミキサーの例を示す。
【0003】
スクリューミキサーは、図10(a)に示すように、横置きした円筒状容器30の軸心部に回転軸31を設置し、この回転軸にらせん状のリボンスクリュー32を取り付けて、このスクリューにより固形物を攪拌しかつ一方向に移送するものである。また、パドルミキサーは、図10(b)に示すように、リボンスクリューに替えて、回転軸31に対して一定方向に傾斜した多数の攪拌翼(パドル)33を取り付けたものである。
【0004】
いずれの場合も、円筒状容器30内に熱風を流通させ、又は円筒状容器30をその外部から加熱して、スクリュー32又はパドル33により被乾燥物を容器の一端から他端へ移送する間に、その乾燥を行うものである。
しかし、スクリューミキサーやパドルミキサーを用いた連続乾燥装置は、攪拌を強化しようとして回転軸の回転速度を大きくすると、被乾燥物の移送速度も大きくなる。そのため、強攪拌しかつ被乾燥物の円筒状容器内の滞留時間すなわち乾燥時間を自由に制御することが難しいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
風味のよい乾燥食品を得るためには、適正な温度でその乾燥を行なうことが必要である。一般的には、できるだけ室温に近い温度で緩やかに乾燥することが望ましい。乾燥中の食品が比較的高い温度、例えば50℃以上になると、酵素の働きが活溌になり、食品中の有用成分や香りの成分が酸化されたり、分解し易くなったりする。また、乾燥温度が高いと、乾燥ムラや過乾燥の部分が生じ、食品が変色したり、その食感(歯ざわり)が悪くなったりする。
【0006】
しかし、乾燥温度が室温に近い低い温度、例えば40℃以下の場合には、乾燥速度が著しく低下するため、できるだけ被乾燥物と周囲の空気との接触を良くして、乾燥速度を大きくすることが必要になる。
【0007】
また、野菜、果実、魚類等の乾燥においては、乾燥後の食品中の残留水分量を適正に調節する必要がある。過度に乾燥すると食品の風味が低下し、乾燥不足では長期間の保存が難しくなる。したがって、残留水分量を狭い範囲に調節する必要があり、そのためには乾燥時間を精度良く制御することが重要になる。前述したように、従来のドラムミキサーでは、固形物の攪拌を強化しかつその移送速度を自由に調節するという二つの目的を両立させることが難しいという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、フレーク状又は粒状固形物を連続的に乾燥するに際して、被乾燥物の移送速度を大きくすることなくその攪拌を強化しうる手段を提供し、これにより、被乾燥物と周囲気体との接触を良くして、その乾燥速度を大幅に増大し得る乾燥手段を提供することを目的とする。
【0009】
また本発明は、このような強攪拌の条件下においても、被乾燥物の移送速度を任意に制御し、乾燥室内の滞留時間すなわち乾燥時間を所要の値に調節しうる手段を提供することを目的とする。
【0010】
さらに本発明は、上記のような攪拌手段と適切な加熱手段とを組み合わせることにより、フレーク状又は粒状の食品を低い乾燥温度で効率良くかつ均一に乾燥して、保存性に富みかつ風味のよい乾燥食品を得る手段を提供することを目的とする。
【0011】
上記の課題を解決するための本発明は、
(1)フレーク状又は粒状固形物の連続乾燥装置であって、一端に被乾燥物を供給する手段と他端にこれを排出する手段とを有し、その底部内面の形状が半円筒形で略水平に設置された乾燥機本体と、
該乾燥機本体内の被乾燥物を加熱する手段又は/及び乾燥機本体内に乾燥用気体を供給する手段と、
該乾燥機本体の底部半円筒の軸上に配され、回転速度可変な駆動装置により回転駆動される回転軸と、
その外径が前記乾燥機本体の底部半円筒の径よりやや小さい円筒形のコイルからなり、支柱を介して前記回転軸に取り付けられてその回転により被乾燥物を移送するコイル状の送り具と、
該送り具のコイルの外周に沿ってコイルピッチ間を架橋するような位置に配置され、前記コイル又は前記回転軸に取り付けられた多数の棒状又はブレード状の攪拌部材とを有し、
該攪拌部材のコイルに対する傾斜角がコイルの軸方向に対する傾斜角より大きくなるように攪拌部材をコイル又は回転軸に取り付けて、該攪拌部材により被乾燥物に後退運動を与えるように構成するとともに、
前記攪拌部材の傾斜角が可変になるような固定手段を用いて、攪拌部材をコイル又は回転軸に取り付けて、該傾斜角を変更することにより被乾燥物の移送速度を変更可能にしたことを特徴とする連続乾燥装置である。
【0013】
(2)フレーク状又は粒状の食品を乾燥するための連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体の天井面のほぼ前面を覆うように遠赤外線放射体とその背部に加熱源とを配し、該遠赤外線放射体からの輻射熱により被乾燥食品を加熱することを特徴とする上記第(1)項記載の連続乾燥装置である。
【0014】
(3)フレーク状又は粒状の食品を乾燥するための連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体を気密に形成し、該乾燥機本体内に乾燥用空気を供給する給気手段とその内部の空気を排出する排気手段とを配し、給気量および排気量を調節することにより、該乾燥機本体内の圧力を大気圧以下に維持しうるようにしたことを特徴とする上記第(1)項又は第 ( 2 ) 項に記載の連続乾燥装置である。
【0015】
本発明の構成において、被乾燥物は前記送り具により前進運動を与えられるとともに、前記攪拌部材により、乾燥機本体の内壁面に沿って掻き上げられる。攪拌部材のコイルに対する傾斜角がコイルの軸方向に対する傾斜角よりも大きいため、本体の内壁面に沿って上昇する攪拌部材は、被乾燥物の前進方向と逆の方向に傾斜している。そのため、攪拌部材によって掻き上げられた被乾燥物は、攪拌部材の上面に沿って流下し、後退運動が与えられる。
【0016】
本発明の連続乾燥装置においては、被乾燥物は上記のように前進ー掻き上げー後退という運動を繰り返し、この循環運動の際に、周囲の乾燥用気体と十分に接触する。また、攪拌部材により後退運動するため、回転軸の回転速度を大きくしても、被乾燥物の平均移送速度はあまり大きくならない。
【0017】
また、上記第(2)項の構成において、攪拌部材のコイルに対する傾斜角を大きくすれば、被乾燥物の後退速度が大きくなる。したがって、攪拌部材の傾斜角を変更可能にすることにより、被乾燥物の平均移送速度を任意に調節しうる。
【0018】
上記第(3)項及び第(4)項の本発明は、フレーク状又は粒状の食品の乾燥に適した連続乾燥装置を提供するものである。上記第(3)項の構成において、被乾燥食品は、その表面全体を遠赤外線により均一かつ緩やかに輻射加熱される。フレーク状又は粒状の固形物はその比表面積が大きく、かつ周囲の気体と十分に接触するため、乾燥温度が比較的低くても、乾燥速度をかなり大きくすることができる。このような遠赤外線による加熱方式によれば、食品の乾燥ムラを少くし、かつ有用成分や香りの成分の分解を抑制して、風味のよい乾燥食品を得ることができる。
【0019】
また、上記第(4)項の構成によれば、乾燥機本体内には外部の新鮮な空気が常に供給され、かつ本体内が減圧に保たれるため、本体内の空気の水蒸気分圧が低くなり、これにより乾燥速度をさらに大きくすることができる。乾燥機本体内の雰囲気圧力を、大気圧より10mb(ミリバール)以上低い減圧状態に維持すれば、十分に乾燥速度を大きくする効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、実施例の図面に基いて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の実施例である連続乾燥装置の内部構造を説明するための斜視概要図、図2(a)は同じ装置の正面概要図、図2(b)は側面概要図である。
【0021】
横長の乾燥機本体1(以下、単に本体1という)は下部の内面形状が半円筒状で、略水平に設置されている。この本体1内に配された回転軸2に、コイル状の(ソレノイド状の)送り具3が支柱4により取付けられている。回転軸2は軸受5により支持され、その軸心が半円筒状の本体1の中心軸(断面下部円弧の中心を結ぶ線)と略一致するように取付けられている。また、回転軸2は変速機6を介してモーター7により回転駆動される。
【0022】
送り具3のコイルの外径rは、本体1の底部円弧の内径Rよりやや小さくし、かつ支柱4の高さは一定とする。これにより、送り具3のコイル外面と本体1の内壁面の間は、一定の間隔(R−r)となり、送り具3による被乾燥物の送りがスムーズに行われる。図1及び2の例では、軸受5は本体1の両端に設けた仕切り板8a、8bに取付けられているが、軸受5の取付け位置は、本図の例に限られない。
【0023】
本体1の一端の上部には被乾燥物の供給ホッパー9が、他端には排出口10が設けられている。また、図示していないが、本体1には被乾燥物を加熱する手段又は/及び乾燥用気体を供給する手段が配設されており、本体1を乾燥室として用いて、その内部を通過する被乾燥物を連続的に乾燥する。
【0024】
図3は、図1の実施例におけるコイル状の送り具3の部分拡大図である。支柱4により回転軸2に取付けられた送り具3には、複数の棒状の攪拌部材11が固定具12により固定されている。攪拌部材11は、コイル外周に沿って、コイルピッチ間を架橋するように配置されている。本図の例においては、攪拌部材11の一端のみがコイルに固定されているが、その両端をコイルに固定してもよい。
【0025】
図4は、本発明の他の実施例におけるコイル状の送り具3の拡大部分図である。この例においては、複数のブレード状の攪拌部材11が固定具12と支柱13により回転軸2に固定され、コイル外周に沿って、コイルピッチ間を架橋するように配置されている。
【0026】
図3及び図4の送り具3のいずれも、1コイルピッチ(距離l)間の攪拌部材11の本数はとくに限定する必要はないが、通常は4〜12本程度とする。また、攪拌部材11のコイルに対する傾斜角αは、コイルの回転軸方向に対する傾斜角θより大きくする。
【0027】
図5は、本体1内における被乾燥物の運動の説明図である。フレーク状又は粒状の被乾燥物は、本体1の内壁底面及び側面で、送り具3によって矢印A方向に前進し、かつ攪拌部材11によって矢印B方向に掻き上げられる。掻き上げられた被乾燥物は、本体内壁側面のある高さ迄上がったところで、攪拌部材11の傾斜に沿って矢印C方向へ流下し、後退運動をするようになる。
【0028】
このように、各コイルピッチ内で、被乾燥物は上記のような前進−掻き上げ−後退の循環運動を繰返し、これにより周囲の気体と十分接触するようになる。攪拌部材11のコイルに対する傾斜角αをコイルの軸方向に対する傾斜角θより大きくして、攪拌部材11の傾斜により、被乾燥物に後退運動を与えるようにしたことが、本発明の特徴である。
【0029】
本発明の連続乾燥装置においては、回転軸2の回転数を大きくした時に、被乾燥物は、一方的に前進するのではなく、後退運動も大きくなるため、平均の移送速度はあまり大きくならない。したがって、回転数を大きくして被乾燥物の循環運動を促進し、固気接触効率を高めることができる。
【0030】
図6は、図3の送り具において、攪拌部材11をコイルに取り付ける方法を示す説明図である。固定具12はコイルに接合されたスリーブ14と複数の止めねじ15からなり、丸棒状の攪拌部材11をスリーブ14に嵌入して、止めねじ15により着脱自在に固定することができる。図6に示したように、取付け側端部付近で屈曲した攪拌部材11に交換すれば、攪拌部材のコイルに対する傾斜角αを任意に変更することができる。
【0031】
また図7は、図4の送り具において、攪拌部材11を回転軸2に取り付ける方法を示す説明図である。固定具12は攪拌部材11に接合されたスリーブ14と複数の止めねじ15からなり、回転軸2に固定された支柱13をスリーブ14に嵌入し、止めねじ15により固定して傾斜角αを任意に変更することができる。なお、図6及び図7に示す攪拌部材の取付け方法は例示であって、この取付け方法に限定されるものではない。
【0032】
上記のような構成により、攪拌部材11のコイルに対する傾斜角αを任意に変更することができる。傾斜角αを大きくすれば、被乾燥物の後退速度が大きくなって、平均の移送速度が低下する。このように、攪拌部材のコイルに対する傾斜角αを変更可能にして、被乾燥物の移送速度を自由に調節しうるようにしたことが本発明の第2の特徴である。
【0033】
なお、連続乾燥装置の定常運転時には、被乾燥物の供給速度(したがって排出速度)をほぼ一定にするが、移送速度が低下すれば装置内の滞留量が増加し、その結果滞留時間すなわち乾燥時間が延長される。被乾燥物の移送速度は、回転軸2の回転速度や本体内の滞留量にも依存するが、傾斜角αと回転速度の両者を適正に選択することにより、精度良く乾燥時間を調節することができる。
【0034】
本発明において、送り具3や攪拌部材11の断面形状は、円形(棒状)でも矩形(リボン状又はブレード状)でも良く、両者を同じにする必要はない。また、送り具3のコイルピッチlもとくに限定する必要はないが、通常はコイルの外径2rの0.3〜2倍程度とする。コイルの外周とケーシング1の内壁面との間隔(R−r)は、被乾燥物の粒度・形状等を考慮して定めればよいが、通常は0.5〜5mm程度とする。
【0035】
本発明の連続乾燥装置は、下記の特徴を有するため食品の乾燥に適する。
(1)被乾燥物が、周囲の気体とよく接触するため、乾燥温度が比較的低くても乾燥速度を大きくすることができる。
(2)被乾燥物が十分に攪拌されるため、乾燥ムラが生じにくい。
(3)攪拌部材の傾斜角や回転軸の回転速度を調節することにより、被乾燥物の送り速度、すなわち乾燥時間を適正に制御することができる。
【0036】
また、対象とする固形物が粒状であってもフレーク状であっても、スムーズに流動し、よく攪拌される。したがって、本発明の連続乾燥装置は、豆類、穀類等の粒状の食品の他、スライスした野菜、果実、魚肉類等のフレーク状の食品の乾燥にも適する。
【0037】
本発明において、被乾燥物を加熱し乾燥する手段はとくに限定する必要はない。例えば、本体1の上部に電熱ヒーターや赤外線ヒーターを配して、被乾燥物を加熱してもよい。また、本体1の内壁面を熱伝導のよい材料で構成し、その背部に電熱ヒーターやスチームヒーターを埋設してもよい。或いは、本体1の内部に熱風を流通させてよく、熱風の流通と上記のような加熱手段とを併用してもよい。
【0038】
しかし、食品の乾燥において、より風味の良い乾燥食品を得るためには、上述した被乾燥物を攪拌する手段に加えて、適切な加熱手段を選択することが望ましい。望ましい加熱手段の一つが、遠赤外線による輻射加熱である。
【0039】
図8は、本発明の他の実施例である食品の連続乾燥装置の説明図である。図8において、本体1内のフレーク状又は粒状の食品は、攪拌部材11を有する送り具3により攪拌されると共に、天井面のほぼ全面を覆うように配した遠赤外線ヒーター16により加熱される。遠赤外線ヒーター16は、遠赤外線放射体17と、その背面に配したシースヒーター18と、その外側の断熱材19及びカバー20等から構成されている。
【0040】
遠赤外線放射体17は、下面にセラミックコーティング層を有する金属板からなり、シースヒーター18により加熱されて、遠赤外線を放射する。セラミックスは遠赤外線放射率の高い物質、例えばアルミナ、チタニア、ジルコニア等の単体、混合物またはこれらの複合酸化物を用い、その粉末をプラズマ溶射等の方法により、金属板の表面にコーティングする。
【0041】
シースヒーター18は、電力調節器を有する電源(図示していない)に接続され、被加熱食品が適正な温度、例えば40〜50℃になるように加熱電力を調節する。本乾燥装置においては、食品はその表面全体から均一かつ緩やかに加熱されるので、乾燥ムラが生じにくい。フレーク状又は粒状の食品は比表面積が大きく、かつ周囲の気体と良く接触するので、上記のような低い乾燥温度でも、その乾燥速度を大きくすることができる。
【0042】
すでに述べたように、野菜や果実等の乾燥において、風味の良い乾燥食品を得るには、乾燥温度をできるだけ室温に近い温度、例えば35〜40℃以下にすることが望ましい。このような低い温度で乾燥速度を大きくするためには、本体1内に新鮮な空気を供給するとともに、本体内を減圧状態に維持して、雰囲気中の水蒸気分圧を低くすることが望ましい。
【0043】
図9は、本発明の第3の実施例である食品の連続乾燥装置の説明図である。本実施例においては、本体1は気密に形成され、その一端に給気用ファン21と他端に排気用ファン22がダクトを介して連結されている。給気用ファン21は外部の新鮮な空気を本体内に供給し、排気用ファン22は本体内の湿分の多い空気を排出して、本体内には空気流が形成される。
【0044】
給気用ファン21と排気用ファン22は共に、風量制御手段(図示していない)により空気流量を調節することができる。排気流量を給気流量より大きくすることにより、本体内は減圧状態に維持される。本発明者の知見によれば、本体内の雰囲気圧力を大気圧より10mb以上低い減圧状態に維持すれば、食品の温度が30〜40℃でも、大気圧下で40〜50℃の温度で乾燥した時と同等の乾燥速度が得られることが確められた。
【0045】
このような低い温度で乾燥すれば、酵素の働きによる食品の変質や雑菌の繁殖を抑制することができ、元の生鮮食品と同じような風味を有する乾燥食品が得られる。
【0046】
本発明の連続乾燥装置は、さつまいも、じゃがいも、人参、大根、かぼちゃ等の野菜をスライスした細片、きゃべつ、もやし、たまねぎ等の野菜を細断したフレーク状の細片、りんご、パイナップル等の果実の細片や鮭、鯖、鮪、たこ、いか、あわび、ほたて等の魚介類をスライスした細片等の乾燥に適する。
【0047】
同様に、米穀類、豆類等の粒状食品や、芋類、根菜類等を賽の目切りした粒状食品の乾燥にも適する。これらのフレーク状又は粒状の食品を、比較的低温でムラなく乾燥し、かつ乾燥時間を制御して残留水分量を適正に調節することができる。これにより、元の食品の風味を残しかつ長期保存可能な乾燥食品を製造することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の連続乾燥装置では、フレーク状又は粒状の固形物を、局所的な停滞部が生じることなく全体を良く攪拌して、周囲気体との接触を十分に行わせることができ、かつ移送速度(滞留時間)を自由に調節することができる。
【0049】
本発明の連続乾燥装置は、低い加熱温度でも乾燥速度を高めることができ、かつ乾燥ムラや過度の乾燥を避けることができるという特徴からフレーク状又は粒状の食品の乾燥に適しており、本装置により、元の食品の風味を残しかつ長期保存可能な乾燥食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である連続乾燥装置の内部構造を説明するための斜視概要図である。
【図2】図1の連続乾燥装置の正面概要図及び側面概要図である。
【図3】図1の実施例におけるコイル状の送り具の部分拡大図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるコイル状の送り具の部分拡大図である。
【図5】乾燥機本体内における被乾燥物の運動の説明図である。
【図6】図3の送り具において、攪拌部材をコイルに取り付ける方法の例を示す説明図である。
【図7】図4の送り具において、攪拌部材をコイルに取り付ける方法の例を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施例である食品の連続乾燥装置の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施例である食品の連続乾燥装置の説明図である。
【図10】従来のドラムミキサーの代表例を示す断面概要図である。
【符号の説明】
1:乾燥機本体、 2:回転軸、 3:コイル状の送り具、 4:支柱、
5:軸受、 6:変速機、 7:モーター、 8a、8b:仕切り板、
9:供給ホッパー、 10:排出口、 11:攪拌部材、
12:固定具、 13:支柱、 14:スリーブ、 15:止めネジ、
16:遠赤外線ヒーター、 17:遠赤外線放射体、
18:シースヒーター、 19:断熱材、 20:カバー、
21:給気用ファン、 22:排気用ファン、 30:円筒状容器、
31:回転軸、 32:スクリュー、 33:パドル、
r:送り具のコイル外径、 R:乾燥機本体の底部円弧内径、
l:コイルピッチ、α:攪拌部材のコイルに対する傾斜角、
θ:コイルの回転軸方向に対する傾斜角
Claims (3)
- フレーク状又は粒状固形物の連続乾燥装置であって、一端に被乾燥物を供給する手段と他端にこれを排出する手段とを有し、その底部内面の形状が半円筒形で略水平に設置された乾燥機本体と、
該乾燥機本体内の被乾燥物を加熱する手段又は/及び乾燥機本体内に乾燥用気体を供給する手段と、
該乾燥機本体の底部半円筒の軸上に配され、回転速度可変な駆動装置により回転駆動される回転軸と、
その外径が前記乾燥機本体の底部半円筒の径よりやや小さい円筒形のコイルからなり、支柱を介して前記回転軸に取り付けられてその回転により被乾燥物を移送するコイル状の送り具と、
該送り具のコイルの外周に沿ってコイルピッチ間を架橋するような位置に配置され、前記コイル又は前記回転軸に取り付けられた多数の棒状又はブレード状の攪拌部材とを有し、
該攪拌部材のコイルに対する傾斜角がコイルの軸方向に対する傾斜角より大きくなるように攪拌部材をコイル又は回転軸に取り付けて、該攪拌部材により被乾燥物に後退運動を与えるように構成するとともに、
前記攪拌部材の傾斜角が可変になるような固定手段を用いて、攪拌部材をコイル又は回転軸に取り付けて、該傾斜角を変更することにより被乾燥物の移送速度を変更可能にしたことを特徴とする連続乾燥装置。 - フレーク状又は粒状の食品を乾燥するための連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体の天井面のほぼ前面を覆うように遠赤外線放射体とその背部に加熱源とを配し、該遠赤外線放射体からの輻射熱により被乾燥食品を加熱することを特徴とする請求項1に記載の連続乾燥装置。
- フレーク状又は粒状の食品を乾燥するための連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体を気密に形成し、該乾燥機本体内に乾燥用空気を供給する給気手段とその内部の空気を排出する排気手段とを配し、給気量および排気量を調節することにより、該乾燥機本体内の圧力を大気圧以下に維持しうるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の連続乾燥装置。
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