JP3906845B2 - 乗員検出装置および方法 - Google Patents
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この装置は、同一被写体について時間差をもって撮像された2枚の原画像のエッジ画像をそれぞれ作成し、該エッジ画像の差分処理を行い、移動したエッジ成分に基づいて乗員の頭部の位置検出を行う。これにより、背景エッジをなくして、効率的に動きのある被写体の状態、位置などに関する情報を得ることができる、というものである。
図1は本発明の一実施の形態の乗員検出装置のハードウェアを示す構成図である。本実施の形態の乗員検出装置は、図1に示すように、IRカメラ(赤外線カメラ)1、マイクロコンピュータ2から構成され、後続の装置として、モニタ3、エアバッグ制御装置4、エアコン制御装置5が接続されている。
また、エアバッグ制御装置4は、マイクロコンピュータ2の出力である座席ごとの乗員の有無および頭部位置に基づいて、例えば乗員不在の座席のエアバッグを開かない等のエアバッグの展開制御を行う。
さらに、エアコン制御装置5は、マイクロコンピュータ2の出力である座席ごとの乗員の有無、頭部位置および顔の代表温度に基づいて、例えばエアコン制御における乗員の表面温度を利用した快適空調制御等を行う。
図4に示すように、乗員検知処理を開始すると、まず、ステップ1(S1)において、以降の処理の実行に使用するカウンタやフラグを初期設定する初期化の処理を実行する。例えば、参照領域テンプレートの初期値として、座席のヘッドレスト位置周辺の領域のテンプレートの値を例えば1に設定し、それ以外を0とするものとする。参照領域テンプレートは、二次元情報内で乗員の頭部が存在すると思われる候補位置の情報がわかるものであればよく、存在すると思われる領域とそうでない領域の違いがわかれば1や0という値に限定されるものではない。
次に、ステップ3(S3)において、ステップ2(S2)で取り込まれた二次元熱画像情報に対して、図5に示すように運転席乗員20の頭部20aの運転席乗員検出用領域25および運転席の後席乗員21の頭部21aの後席乗員検出用領域26を設定する(図3の乗員検出用領域分割手段12)。この処理では、IRカメラ1の車両への取り付け位置に基づいて、運転席乗員20の頭部20aや後席乗員21の頭部21a等の各検出対象の存在位置を特定し、例えばx軸方向の所定位置で二次元熱画像情報を分割するものである。本実施の形態では運転席乗員20と運転席の後席乗員21を検出するために乗員検出用領域を二つに分割しているが、抽出したい乗員の部位に応じて分割数を増やしてもよいことは言うまでもない。
図6は本実施の形態における動き情報抽出と、参照領域抽出を説明するための図である。
このような処理により、例えば図6(a)に示すように運転席乗員20の頭部20aおよび運転席の後席乗員21の頭部21aが、矢印A、Bに示すように横方向に動いた場合には、温度変化が大きな位置として、図6(b)に示すような動き情報27a、27bが得られる。また、例えば図6(d)に示すように運転席乗員20の頭部20aだけが矢印Cに示すように傾いた場合には、温度変化が大きな位置として図6(e)に示すような動き情報27cが得られる。これらの動き情報には、温度変化が大きかった画素の位置情報に加えて、画素の持つ値の符号により、その位置の温度が低温に変化したのか高温に変化したのかの温度変化情報が含まれている。このような動き情報を抽出して、次のステップ6(S6)に進む。
前回の参照領域テンプレートが図7(a)に示すような場合で、今回の処理のステップ6(S6)で抽出された参照領域情報が図7(b)であるような場合において、動きの量が所定値Tm未満の場合、前回の参照領域テンプレートと抽出領域情報の同一座標の画素同士の論理和演算を行った図7(c)に示すような結果を新たな参照領域テンプレートとする。一方、動きの量が所定値Tm以上の場合、今回の処理のステップ6(S6)で抽出された参照領域情報を新たな参照領域テンプレートとする。なお、抽出された参照領域の位置により、所定値Tmを変更することも可能である。これにより、後席乗員等のIRカメラ1から遠い乗員の情報をも確実に検出することができる。また、本実施の形態では動きの量に基づいた参照領域テンプレートの更新について記載したが、この処理に加えて、抽出された参照領域の位置に応じて参照領域テンプレートの更新方法を変更しても構わない。例えば、ステップ3(S3)で設定された各乗員検出用領域の中で、IRカメラ1の車両への取り付け位置に基づいて想定される乗員の頭部位置に、前回の処理で参照領域テンプレートが存在している場合には、今回の処理のステップ6(S6)で抽出された参照領域の内、参照領域テンプレートの画素値が1である領域と空間的に繋がっていない参照領域は、参照領域テンプレートへの追加処理から除外するものである。これにより、乗員の頭部情報を抽出する際にノイズとなる手の動き等による影響を低減して、乗員の情報を確実に検出することができる。
このように動き情報が発生した場合の熱画像情報における参照領域の設定方法を、動きの量が大きな場合には新規の動きを優先的に選択し、動きの量が小さな場合には前回までの参照領域に追加することを行う。これにより、頭部以外の手などの動きがあった場合にその動きに影響されることなく、乗員の有無を確実に検出することが可能である。したがって、この乗員の有無の出力信号により、乗員の有無に基づいたエアバッグの展開制御や空調吹出し口の制御を行うことが可能である。
また、取得された熱画像情報に対して、二次元平面上の所定の位置で複数の乗員検出用領域に分割するようにしているので、IRカメラ1で複数の乗員を検出する場合、車両内における前後または左右座席の乗員の状態をそれぞれ個別に抽出することが可能である。
また、分割された乗員検出用領域ごとに参照領域テンプレートを生成するので、車両内における前後または左右座席の乗員の状態をそれぞれ個別に抽出することが可能である。
また、分割された乗員検出用領域ごとに、所定値Tmを変更するようになっているので、車室内に前席と後席の乗員が存在する場合にも、双方の情報を確実に検出することが可能である。
また、分割された乗員検出用領域の平均温度に基づいて、動き情報の温度の変化状態の組み合わせを変更するようになっているので、車室内の温度が乗員の表面温度よりも高い場合や低い場合にかかわらず、乗員の動きを安定して検出することができる。
また、乗員情報として乗員の有無を算出して出力するようにしているので、乗員の有無を検出することができる。
また、乗員の頭部位置を算出して出力するようにしているので、乗員の頭部位置に基づいたエアバッグの展開制御や空調の吹出し口および吹出し方向制御を行うことが可能である。
また、乗員の顔温度を算出して出力するようにしているので、乗員の温感に基づいた空調制御を行うことが可能である。
3…モニタ 4…エアバッグ制御装置
5…エアコン制御装置
11…熱画像情報取得手段 12…乗員検出用領域分割手段
13…動き情報抽出手段 14…参照領域抽出手段
15…テンプレート生成手段 16…乗員情報検出手段
20…運転席乗員 20a…運転席乗員の頭部
21…運転席の後席乗員 21a…運転席の後席乗員の頭部
22…サイドガラス 23…リアガラス
24…天井
25…運転席乗員検出用領域 26…後席乗員検出用領域
27a、27b、27c…動き情報 28a、28b、28c…参照領域
Claims (10)
- 車室内の温度分布を表わす熱画像情報を取得する熱画像情報取得手段と、
前記熱画像情報取得手段により取得された時間の異なる二つの熱画像情報の差を求め、温度変化が大きかった画素の位置情報と、その位置の温度の変化方向を示す温度変化情報からなる動き情報を抽出する動き情報抽出手段と、
前記動き情報抽出手段で抽出された動き情報に基づき、温度が上昇した部分と温度が低下した部分の間の領域または温度が低下した部分と温度が上昇した部分の間の領域を参照領域情報として抽出する参照領域抽出手段と、
前記参照領域抽出手段により抽出された参照領域情報に基づいて、温度算出のための参照領域テンプレートを生成するテンプレート生成手段と、
前記テンプレート生成手段の結果に基づいて前記熱画像情報を用い、乗員情報を検出する乗員情報検出手段とを有し、
前記テンプレート生成手段は、
前記動き情報抽出手段で抽出された動き情報から求めた動きの量が所定値未満の場合は、前回生成された参照領域テンプレートに、前記参照領域抽出手段で取得された参照領域情報を追加する処理を行うことで新たな参照領域テンプレートを生成し、
前記動きの量が所定値以上の場合は、前記参照領域抽出手段で取得された参照領域情報を、新たな参照領域テンプレートとすることを特徴とする乗員検出装置。 - 前記テンプレート生成手段は、
前記参照領域抽出手段で抽出された参照領域の位置により前記所定量を変更することを特徴とする請求項1記載の乗員検出装置。 - 前記熱画像情報取得手段により取得された熱画像情報に対して、二次元平面上の所定の位置で複数の乗員検出用領域に分割を行う乗員検出用領域分割手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗員検出装置。
- 前記テンプレート生成手段は、
前記乗員検出用領域分割手段により分割された乗員検出用領域ごとに前記参照領域テンプレートを生成することを特徴とする請求項3記載の乗員検出装置。 - 前記動き情報検出手段は、
前記乗員検出用領域分割手段により分割された乗員検出用領域ごとに前記所定量を変更することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の乗員検出装置。 - 前記参照領域抽出手段は、
前記乗員検出用領域分割手段により分割された乗員検出用領域の平均温度に基づいて、前記動き情報の温度の変化状態の組み合わせを変更することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の乗員検出装置。 - 前記乗員情報検出手段は、
乗員の有無を算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の乗員検出装置。 - 前記乗員情報検出手段は、
乗員の位置を算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の乗員検出装置。 - 前記乗員情報検出手段は、
乗員の顔温度を算出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の乗員検出装置。 - 車室内の温度分布を表わす熱画像情報を取得する熱画像情報取得工程と、
前記熱画像情報取得工程により取得された時間の異なる二つの熱画像情報の差を求め、温度変化が大きかった画素の位置情報と、その位置の温度の変化方向を示す温度変化情報からなる動き情報を抽出する動き情報抽出工程と、
前記動き情報抽出工程で抽出された動き情報に基づき、温度が上昇した部分と温度が低下した部分の間の領域または温度が低下した部分と温度が上昇した部分の間の領域を参照領域情報として抽出する参照領域抽出工程と、
前記参照領域抽出工程により抽出された参照領域情報に基づいて、温度算出のための参照領域テンプレートを生成するテンプレート生成工程と、
前記テンプレート生成工程の結果に基づいて前記熱画像情報を用い、乗員情報を検出する乗員情報検出工程とを有し、
前記テンプレート生成工程は、
前記動き情報抽出工程で抽出された動き情報から求めた動きの量が所定値未満の場合は、前回生成された参照領域テンプレートに、前記参照領域抽出工程で取得された参照領域情報を追加する処理を行うことで新たな参照領域テンプレートを生成し、
前記動きの量が所定値以上の場合は、前記参照領域抽出工程で取得された参照領域情報を、新たな参照領域テンプレートとすることを特徴とする乗員検出方法。
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