JP3906502B2 - プッシュオンスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の操作ボタンとして使用されるプッシュオンスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型・薄型化が進むにつれて、操作ボタン用のプッシュオンスイッチも小型・薄型で多様な形態を要望されるようになり、配線基板に対して水平方向に操作される横押し型のプッシュオンスイッチも多く使用されるようになってきた。
【0003】
この横押し型のプッシュオンスイッチの構造は、実開昭62−173123号公報等に開示されており、以下に図7〜図8を用いてその構成を説明する。
【0004】
図7は、従来のプッシュオンスイッチの側面図、図8は図7のA−A線における断面図である。
【0005】
同図において、1はインサート成形により端子2,3を固定した箱形のスイッチケースであり、そのスイッチケース1の内底面には、端子2,3と各々導通した固定接点2A,3Aがそれぞれ外側と中央に露出しており、その外側の固定接点2Aの露出部分に下端を接するように反転動作可能な金属薄板製のドーム状可動接点4が載置され、操作部5Aを前方に備えた硬質成形樹脂製の押しボタン5と共にスイッチケース1内に内包されている。
【0006】
そして、上面視コの字形の保持金具6が、スイッチケース1の開口部分を中央の前面部で覆うように、スイッチケース1前面に設けた4ヶ所のダボ1Aをカシメることにより取り付けられており、押しボタン5の操作部5Aは保持金具6の前面部の貫通孔部6Aから前方に突出している。
【0007】
そして、上記押しボタン5は、後方の押圧用凸部5Bが可動接点4の頂点部分と接触するとともに、中央のフランジ部5Cの前面が保持金具6前面部に当接することによって挟持されており、前後方向に摺動可能となっている。
【0008】
また、保持金具6の前面部からスイッチケース1の両側面に沿って後方に伸び、プリント配線基板取付用の脚部6Bを下端に有する両側面部の後方端部には、爪部6Cが設けてあり、スイッチケース1の底面後方側に折り曲げられてスイッチケース1の後方への押し止め部を形成しているものであった。
【0009】
このように構成された従来の横押し型のプッシュオンスイッチは、プリント配線基板(図示せず)に、端子2,3と保持金具6の側面部に設けた脚部6Bを半田付けすることにより、強固に取り付けられるものであった。
【0010】
次に、このような構成の横押し型のプッシュオンスイッチの動作を説明すると、押しボタン5の操作部5Aを水平方向に押圧すると、押しボタン5が後方に移動し、押しボタン5の凸部5Bが可動接点4を反転させ、可動接点4の頂点近傍が中央固定接点3Aと接触することによって、スイッチがon状態となり、その押圧力を除くと、可動接点4の復元力によって可動接点4が反転復元して、スイッチがoff状態に戻るとともに、押しボタン5を元の位置まで押し戻すものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のプッシュオンスイッチでは、保持金具6の爪部6C先端とスイッチケース1の間には少しの隙間があるため、押しボタン5を押圧操作することによって、保持金具6とスイッチケース1を固着させているダボ1Aのカシメ部が弛んで、スイッチケース1全体が前後にガタつくことがあり、特に短ストロークで切り替えを行うスイッチでは、このガタのために操作感触が悪くなるとともに接触不安定になることがあった。
【0012】
更に、押圧操作回数が増えると、ダボ1Aのカシメが弛くなるとともに、保持金具6の爪部6Cの先端にスイッチケース1が繰り返し当たり、爪部6Cの根元の曲げ角度がきつくなって、ガタが大きくなるという課題があった。
【0013】
本発明は、押圧操作時のガタが発生し難い優れた横押し型のプッシュオンスイッチを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のプッシュオンスイッチは、スイッチケースの後部底面の外側に係止用テーパ部を設けたものとするとともに、保持金具の両側面部に、下方側が繋がったコの字状の剪断加工をすることにより舌片を形成し、この舌片の上方を内側に折り曲げることにより保持金具の爪部とし、その爪部を上方側になるにつれて深くなるように設けられた係止用テーパ部に食い込ませて固定することにより、保持金具とスイッチケースとが強固に固定されたもの等とするものである。
【0015】
この本発明により、操作時のガタが発生し難い優れたプッシュオンスイッチを提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、前面が開口となり後部底面内に接点部を備えるとともに後部底面外側に係止用テーパ部を有する樹脂製の箱形スイッチケースと、上面視コの字形の中央の前面部でスイッチケースの開口部を塞ぎ、前面部中央に設けた貫通孔から接点部駆動用の操作用ボタンを突出させ、この前面部からスイッチケースの両側面に沿って後方に伸びた下端に取付用脚部を有する両側面部の後部に設けられた爪部がスイッチケース底面側に折り曲げられ、その爪部を上記スイッチケースの係止用テーパ部に食い込ませることにより固定される保持金具からなるプッシュオンスイッチであって、保持金具の両側面部に、下方側が繋がったコの字状の剪断加工をすることにより舌片を形成し、この舌片の上方を内側に折り曲げることにより保持金具の爪部とし、その爪部を上方側になるにつれて深くなるように設けられた係止用テーパ部に食い込ませることにより保持金具を固定したプッシュオンスイッチとしたものであり、保持金具の爪部をスイッチケース底面の係止用テーパ部に食い込ませて固定するため、押圧操作時に保持金具とスイッチケース間のガタが発生し難くでき、しかも当該構成であれば、押圧操作回数が増えても、爪部の折り曲げ角度が変わり難いので、長期に亘って強固に保持金具とスイッチケースを固定できるとともに、スイッチケースの前後寸法と保持金具の前面から爪部までの寸法に多少の差があっても、爪部の折り曲げ角度を変えることによって強固に固定できるという作用を有する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前面が開口となり後部底面内に接点部を備えるとともに後部底面外側に係止用テーパ部を有する樹脂製の箱形スイッチケースと、上面視コの字形の中央の前面部でスイッチケースの開口部を塞ぎ、前面部中央に設けた貫通孔から接点部駆動用の操作用ボタンを突出させ、この前面部からスイッチケースの両側面に沿って後方に伸びた下端に取付用脚部を有する両側面部の後部に設けられた爪部がスイッチケース底面側に折り曲げられ、その爪部を上記スイッチケースの係止用テーパ部に食い込ませることにより固定される保持金具からなるプッシュオンスイッチであって、保持金具の爪部を両側面部後方に突出させるとともに中央に貫通孔を有する形状とし、かつスイッチケースの底面外側に内側面が係止用テーパ部となった凸部を設け、爪部をスイッチケース底面側に折り曲げて、爪部の貫通孔側の端面を凸部の係止用テーパ部に食い込ませることにより保持金具を固定したプッシュオンスイッチとしたものであり、保持金具の爪部をスイッチケース底面の係止用テーパ部に食い込ませて固定するため、押圧操作時に保持金具とスイッチケース間のガタが発生し難くでき、しかも当該構成では爪部でスイッチケースを抱き込むようにしたため、保持金具とスイッチケースをより強固に固定できるとともにその固定部分の前後方向の厚さも薄くできるという作用を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前面が開口となり後部底面内に接点部を備えるとともに後部底面外側に係止用テーパ部を有する樹脂製の箱形スイッチケースと、上面視コの字形の中央の前面部でスイッチケースの開口部を塞ぎ、前面部中央に設けた貫通孔から接点部駆動用の操作用ボタンを突出させ、この前面部からスイッチケースの両側面に沿って後方に伸びた下端に取付用脚部を有する両側面部の後部に設けられた爪部がスイッチケース底面側 に折り曲げられ、その爪部を上記スイッチケースの係止用テーパ部に食い込ませることにより固定される保持金具からなるプッシュオンスイッチであって、保持金具の爪部を両側面部後方に突出させるとともに後方側が広くなった台形形状とし、かつスイッチケースの底面外側に側面が係止用テーパ部となった台形形状の凹部を設け、爪部をスイッチケース底面側に折り曲げて、爪部の側方端面を凹部の係止用テーパ部に食い込ませることにより保持金具を固定したプッシュオンスイッチとしたものであり、保持金具の爪部をスイッチケース底面の係止用テーパ部に食い込ませて固定するため、押圧操作時に保持金具とスイッチケース間のガタが発生し難くでき、しかも当該構成であれば、爪部の端面を係止用テーパ部に長い寸法で食い込ませることができ、保持金具とスイッチケースを短い前後寸法で強固に固定できるという作用を有する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図6を用いて説明するが、従来の技術の項と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図、図2は同側面図、図3は図2のA−A線矢視方向における断面図である。
【0021】
同図において、10は、内底面の外側と中央に固定接点2A,3Aが露出するように、各々と導通した端子2,3をインサート成形により固定した箱形のスイッチケースであり、従来の技術と同様に、その前方にはドーム状可動接点4及び押しボタン5が内包されている。
【0022】
そして、上面視コの字形の保持金具11が、スイッチケース10の開口部分を中央の前面部で覆うように、スイッチケース10前面の4ヶ所のダボ10Aをカシメることにより取り付けられており、押しボタン5の操作部5Aは保持金具11の前面部の貫通孔部11Aから前方に突出している。
【0023】
また、保持金具11の前面からスイッチケース10の両側面に沿って後方に伸び、その下端に配線基板取付用脚部11Bを有する両側面部の後方端部には、後方側が繋がったコの字状の剪断加工をすることにより形成された舌片の前方を内側に折り曲げて設けた爪部11Cを備えており、この爪部11Cの先端は、スイッチケース10の底面後方に設けた内側になるにつれて浅くなるテーパ状係止部10Bに食い込んでスイッチケース10を固定している。
【0024】
このように構成されたプッシュオンスイッチは、スイッチケース10の前方のダボ10Aのカシメに加えて、保持金具11後方の爪部11Cの先端がスイッチケース10のテーパ状係止部10Bに食い込んでいるので、保持金具11とスイッチケース10との取付強度が大きく向上し、長期に亘って操作時のガタの少ないプッシュオンスイッチとなる。
【0025】
また、保持金具11の爪部11Cを剪断加工法により形成するため、同一面積内でも爪部11Cの外形を大きく形成することができるので、小型プッシュオンスイッチに対しても同様に、保持金具11とスイッチケース10を強固に固定することができる。
【0026】
この横押し型のプッシュオンスイッチのプリント配線基板への取付方法及びその動作等については、従来の技術と同じであるため説明を省略する。
【0027】
なお、保持金具11の爪部11Cは、保持金具11とスイッチケース10を組み合わせる前に折り曲げてあっても良いし、組立て工程内で曲げ加工しても同様の効果を得られることは勿論である。
【0028】
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図であり、同図において、12はインサート成形により端子2,3を固定した箱形のスイッチケースであり、その底面後方には上方側になるにつれて深くなるテーパ状係止部12Aが設けてある。
【0029】
そして、スイッチケース12の前方のダボ(図示せず)をカシメることにより、上面視コの字形の保持金具13がスイッチケース12に取り付けられており、保持金具13の両側面部に剪断加工法により形成され、上方側が内側に倒れ込んだ爪部13Aの前方端面は、スイッチケース12のテーパ状係止部12Aに食い込んでスイッチケース12を固定している。
【0030】
このようにして保持金具13とスイッチケース12を固定すると、上記実施の形態1に記載した効果に加えて、保持金具13の爪部13Aは折り曲げ方向に対して直角方向に押圧操作力を受けることとなるので、繰返し操作によって爪部13Aの根元の折れ曲がり角度が変わり難く、長期に亘ってガタの発生が少ない操作感触の良いプッシュオンスイッチとなるとともに、スイッチケース12の前後寸法と保持金具13の前面から爪部13Aまでの寸法に多少の差があっても、爪部13Aの折り曲げ角度を変えることによって、強固に固定できるものである。
【0031】
(実施の形態3)
図5は本発明の第3の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図であり、同図において、14はインサート成形により端子2,3を固定した箱形のスイッチケースであり、その底面後方には、内側の壁部がテーパ状係止部14Aとなった凸部14Bが設けてある。
【0032】
そして、上面視コの字形の保持金具15が、スイッチケース14の前方のダボ(図示せず)をカシメて取り付けられるとともに、保持金具15の側面部に設けた保持用孔部15Aを有する爪部15Bは、スイッチケース14の底面側に折り曲げられて、保持用孔部15Aの内側端面は、凸部14Bの内壁のテーパ状係止部14Aに食い込んでスイッチケース14を固定している。
【0033】
このように保持金具15の爪部15Bによりスイッチケース14を抱き込む構成とすると、保持金具15とスイッチケース14をより強固に固定でき、その固定部分の薄型化も図れるものである。
【0034】
(実施の形態4)
図6は本発明の第4の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図であり、同図において、16はインサート成形により端子2,3を固定した箱形のスイッチケースであり、その底面後方には、壁部がテーパ状係止部16Aとなった台形形状の凹部16Bが設けてある。
【0035】
そして、上面視コの字形の保持金具17が、スイッチケース16の前方のダボ(図示せず)をカシメて取り付けられるとともに、保持金具17の側面部に設けた台形形状の爪部17Aは、スイッチケース16の底面側に折り曲げられて、爪部17Aの側方端面は、凹部16Bのテーパ状係止部16Aに食い込んでスイッチケース16を固定している。
【0036】
このようにして保持金具17とスイッチケース16を固定すると、爪部17Aを長い寸法でテーパ状係止部16Aに食い込ますことができ、短い前後寸法で強固に固定できるものである。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明の構成によるものであれば、保持金具の爪部をスイッチケースの底面外側の係止用テーパ部に食い込ませて保持金具とスイッチケースを固定するので、押圧操作時にガタが発生し難く、長期に亘って操作感触の良い高品質なプッシュオンスイッチを提供することができるとともに、連続加工し易い簡素な構成であるため、自動組立化の容易な実用的価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図
【図2】 同側面図
【図3】 同図2のA−A線矢視方向における断面図
【図4】 本発明の第2の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図
【図5】 本発明の第3の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図
【図6】 本発明の第4の実施の形態によるプッシュオンスイッチの斜視図
【図7】 従来のプッシュオンスイッチの側面図
【図8】 同図7のA−A線における断面図
【符号の説明】
2,3 端子
2A,3A 固定接点
4 可動接点
5 押しボタン
5A 操作部
10,12,14,16 スイッチケース
10A ダボ
10B,12A,14A,16A テーパ状係止部
11,13,15,17 保持金具
11A 貫通孔部
11B 脚部
11C,13A,15B,17A 爪部
14B 凸部
15A 保持用孔部
16B 凹部
Claims (3)
- 前面が開口となり後部底面内に接点部を備えるとともに後部底面外側に係止用テーパ部を有する樹脂製の箱形スイッチケースと、上面視コの字形の中央の前面部でスイッチケースの開口部を塞ぎ、前面部中央に設けた貫通孔から接点部駆動用の操作用ボタンを突出させ、この前面部からスイッチケースの両側面に沿って後方に伸びた下端に取付用脚部を有する両側面部の後部に設けられた爪部がスイッチケース底面側に折り曲げられ、その爪部を上記スイッチケースの係止用テーパ部に食い込ませることにより固定される保持金具からなるプッシュオンスイッチであって、保持金具の両側面部に、下方側が繋がったコの字状の剪断加工をすることにより舌片を形成し、この舌片の上方を内側に折り曲げることにより保持金具の爪部とし、その爪部を上方側になるにつれて深くなるように設けられた係止用テーパ部に食い込ませることにより保持金具を固定したプッシュオンスイッチ。
- 前面が開口となり後部底面内に接点部を備えるとともに後部底面外側に係止用テーパ部を有する樹脂製の箱形スイッチケースと、上面視コの字形の中央の前面部でスイッチケースの開口部を塞ぎ、前面部中央に設けた貫通孔から接点部駆動用の操作用ボタンを突出させ、この前面部からスイッチケースの両側面に沿って後方に伸びた下端に取付用脚部を有する両側面部の後部に設けられた爪部がスイッチケース底面側に折り曲げられ、その爪部を上記スイッチケースの係止用テーパ部に食い込ませることにより固定される保持金具からなるプッシュオンスイッチであって、保持金具の爪部を両側面部後方に突出させるとともに中央に貫通孔を有する形状とし、かつスイッチケースの底面外側に内側面が係止用テーパ部となった凸部を設け、爪部をスイッチケース底面側に折り曲げて、爪部の貫通孔側の端面を凸部の係止用テーパ部に食い込ませることにより保持金具を固定したプッシュオンスイッチ。
- 前面が開口となり後部底面内に接点部を備えるとともに後部底面外側に係止用テーパ部を有する樹脂製の箱形スイッチケースと、上面視コの字形の中央の前面部でスイッチケースの開口部を塞ぎ、前面部中央に設けた貫通孔から接点部駆動用の操作用ボタンを突出させ、この前面部からスイッチケースの両側面に沿って後方に伸びた下端に取付用脚部を有する両側面部の後部に設けられた爪部がスイッチケース底面側に折り曲げられ、その爪部を上記スイッチケースの係止用テーパ部に食い込ませることにより固定される保持金具からなるプッシュオンスイッチであって、保持金具の爪部を両側面部後方に突出させるとともに後方側が広くなった台形形状とし、かつスイッチケースの底面外側に側面が係止用テーパ部となった台形形状の凹部を設け、爪部をスイッチケース底面側に折り曲げて、爪部の側方端面を凹部の係止用テーパ部に食い込ませることにより保持金具を固定したプッシュオンスイッチ。
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