JP3906144B2 - 電極チップの研磨確認装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接ガンに支持されたスポット溶接用の一対の電極チップの研磨後、所定形状に研磨されたか否かを確認する電極チップの研磨確認装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、溶接ガンに支持されたスポット溶接用の一対の電極チップでは、スポット溶接を行なえば、先端面が磨耗することが避けられず、磨耗量の多い状態で溶接作業を行えば、溶接不良を招くことから、所定回数のスポット溶接後、チップドレッサを使用して、先端面相互を研磨して、溶接作業を行っていた。
【0003】
しかし、チップドレッサを使用して、電極チップの先端を研磨した後であっても、チップの先端面が、適正な形状でなく、適正面積を確保していない研磨未完了状態であれば、先端面の面積が広過ぎることとなって、スポット溶接時、所定の電流密度を得られず、溶接不良を招いてしまう。そのため、研磨後には、電極チップが、所定形状に研磨されたか否か重要であった。
【0004】
そして、従来では、電極チップの研磨後に、適正な先端形状を確保しているか否かを確認することが、専ら、作業者の目視により行なわれており、作業効率が悪かった。
【0005】
そしてまた、電極チップの先端が、溶接不良を招かない所定形状に確実に研磨されるように、安全を見越して、チップドレッサの研磨時間を3〜5割多めに確保して電極チップを研磨する場合もあり、この場合には、電極チップの消耗が激しくなってしまう。
【0006】
なお、チップドレッサによる研磨後に、機械的に、研磨完了か否かを検知する装置として、適正な研磨完了状態であれば、先端面が鏡面となるように研磨されることに着目して、光センサを当ててその受光量から判別するものがあったが、この種の装置が、多数の火花の飛ぶようなスポット溶接の現場に設置されることから、誤認識が多く、研磨の適否を正確に判別できなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、電極チップが的確に研磨されたか否かを、簡便な構成で、正確に判別できる電極チップの研磨確認装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る研磨確認装置は、溶接ガンに保持されたスポット溶接用の一対の電極チップが、研磨後、所定形状に研磨されたか否かを確認する電極チップの研磨確認装置であって、
検査治具と、電極チップの研磨完了状態か否かを判断する制御装置と、を備えて構成されるとともに、溶接ガンが、一対の電極チップの相対的な配置位置を検知可能なサーボガンから構成され、
検査治具が、
研磨完了状態の一対の電極チップの先端形状に対応した凹部、を表裏に備えるとともに、
表裏の凹部間を貫通して、研磨完了状態の一対の電極チップの凹部内への収納時に、電極チップの先端面相互を接触可能とし、かつ、研磨未完了状態の一対の電極チップの凹部内への収納時に、電極チップの先端面相互を離した非接触とする貫通孔、を備えて
制御装置が、
一対の電極チップの前記検査治具の凹部内へ収納させた際、一対の電極チップの先端面相互の接触時に、研磨完了と判断し、一対の電極チップの先端面相互の非接触時に、研磨未完了と判断するように、
研磨後、サーボガンを作動させて、一対の電極チップの先端面相互を当接させた際の電極チップ相互の相対的な配置位置を基準位置として、把握し、
また、サーボガンを作動させて、一対の電極チップの検査治具の凹部内へ収納させた際、一対の電極チップ相互の配置位置を治具配置位置として、把握し、
基準位置と治具配置位置とが一致した際、接触を検知して研磨完了と判断し、基準位置と治具配置位置とが不一致の際、非接触を検知して研磨未完了と判断することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る研磨確認装置では、研磨後、溶接ガンを利用して、一対の電極チップを検知治具の凹部内へ収納させる。すると、一対の電極チップが、研磨完了状態であれば、先端面相互が接触し、研磨未完了状態であれば、先端面相互を離した非接触となることから、制御装置が、接触を検知した場合に、電極チップは研磨完了であると判断し、非接触を検知した場合に、電極チップは研磨未完了であると判断する。
【0010】
すなわち、本発明の研磨確認装置では、所定の貫通孔を設けて表裏に所定の凹部を形成した検査治具に対し、研磨後の一対の電極チップを、検査治具の所定の凹部内に収納させることによって、研磨完了状態であれば、先端面相互が接触し、研磨未完了状態であれば、先端面相互が離れた非接触となり、制御装置が、それらの接触・非接触を検知するだけで、簡単かつ正確に、電極チップの研磨完了・未完了を判断することができる。
【0011】
したがって、本発明に係る研磨確認装置では、電極チップが的確に研磨されたか否かを、簡便な構成で、正確に判別することができる。
【0015】
そして、制御装置による接触・非接触の検知としては、溶接ガンを、一対の電極チップの相対的な配置位置を検知可能なサーボガンから構成し、制御装置が、研磨後、サーボガンを作動させて、一対の電極チップの先端面相互を当接させた際の電極チップ相互の相対的な配置位置を基準位置として、把握し、また、サーボガンを作動させて、一対の電極チップの検査治具の凹部内へ収納させた際、一対の電極チップ相互の配置位置を治具配置位置として、把握して、基準位置と治具配置位置とを比較して検知する。すなわち、この場合、制御装置は、基準位置と治具配置位置とが一致した際、接触を検知して研磨完了と判断し、基準位置と治具配置位置とが不一致の際、非接触を検知して研磨未完了と判断することとなる。
【0016】
上記のような構成では、一対の電極チップを、検査治具を介在させた状態で、相互に接近させる他、検査治具を介在させない状態で、相互に接近させて、チップ相互の配置位置を比較するだけで、研磨の適否を判別でき、多数の火花の飛び散るようなスポット溶接の現場に配置されても、誤認識することなく、正確に研磨の適否を判別することが可能となる。
【0017】
また、上記のような構成では、制御装置として、サーボガンを制御する制御装置を利用することができることから、この場合でも、チップドレッサの他、溶接機に、検査治具を配設するだけで、溶接・研磨・研磨確認の三工程からなるスポット溶接作業を円滑に行なうことが可能となる。
【0018】
そして、検査治具は、貫通孔の軸直交方向へ検査治具を移動可能に撓む緩衝作用を有した支持材により、支持することが望ましい。このように構成する場合には、溶接ガンに保持された状態で、一対の電極チップが検査治具の所定の凹部内に挿入された際、一対の電極チップと検査治具の凹部とが、位置ずれを生じていても、支持材の緩衝作用で、検査治具が貫通孔の軸直交方向へ移動し、電極チップの先端面相互を円滑に貫通孔に導くことができて、一層、誤認識することなく、正確に研磨の適否を判別することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の研磨確認装置Mは、図1に示すように、順次送られてくるワークW1・W2…をスポット溶接する多関節の溶接ロボット1の近傍に配置されて、磨耗した電極チップの研磨後における研磨の適否を確認するように、配設されている。
【0020】
溶接ロボット1のアーム2の先端には、図1・2に示すように、溶接ガンとしてのサーボガン5が取り付けられて、サ−ボガン5は、一対の電極チップ11・12を相互に対向するシャンク7・8に嵌め込んでいる。このサ−ボガン5は、汎用のものであり、一対の電極チップ11・12を保持したシャンク7・8相互を、溶接時等に、サーボモータ6によって、シャンク7・8の対向方向に沿って移動可能としている。なお、チップ11・12の移動は、サーボモータ6のみならず、アーム2を移動させるサーボモータ(図符号省略)も作動させて、各シャンク7・8を移動させることとなる。また、サーボガン5は、サーボモータ6や図示しないサーボモータに、エンコーダが内蔵されており、シャンク7・8や電極チップ11・12の配置位置を検知できて、チップ11・12の位置制御や加圧力制御等を行なうことができる。
【0021】
そして、溶接ロボット1の移動区域内には、研磨確認装置Mの他に、電極チップ11・12の交換時に使用済みの電極チップ11・12を各シャンク7・8から取り外す図示しないチップ抜き装置、新たな電極チップ11・12を各シャンク7・8に取り付ける図示しないチップ供給装置、及び、交換前における磨耗時に電極チップ11・12を研磨するチップドレッサ18、が配設されている。
【0022】
さらに、溶接ロボット1の移動区域の近傍には、図1に示すように、制御装置3が配設されており、この制御装置3は、電極チップ11・12へ流す電流を調整したり、電流を流すサイクル等を調整する溶接制御を行うもので(所謂タイマーを利用したものであり)、検査装置23とともに、研磨確認装置Mを構成している。
【0023】
なお、溶接ロボット1、サ−ボガン5、チップドレッサ18、図示しないチップ抜き装置等の作動も所定の制御装置によって制御されており、これらの制御も併せて、制御装置3が行なうように構成してもよい。
【0024】
そして、実施形態の場合、制御装置3は、チップ11・12に電流を流して通電しない場合に、制御装置3の近傍に配置されたパトライト4を点灯させるとともに図示しないブザーを鳴らすように、構成されている。
【0025】
なお、チップドレッサ18は、図1〜3に示すように、ハウジング19内に、サーボモータ21の作動により回転するカッタ20を収納させて、溶接作業中におけるチップ11・12の交換前の状態での、磨耗した各チップ11・12の先端11a・12aを研磨できるように、設定されている。ドレッサ18の使用時には、各チップ11・12を、シャンク7・8の各先端に取り付けた状態で、ドレッサ18の上下からカッタ20の上下面に押し付けて、サーボモータ21の作動によるカッタ20の回転により、研磨することとなる。
【0026】
実施形態の場合、電極チップ11・12は、図4に示すように、直径D0を16mmとして、カッタ20の回転による研磨によって適正に研磨された際には、先端11a・12aの形状として、先端面11b・12bに直径D1を6mmとする円形の平坦面が形成され、かつ、先端面11b・12bからチップ外周面にかけての肩部に、半径Rを8mmとする弧面11c・12cが形成されるように、設定されている。ちなみに、磨耗時のチップ11・12は、弧面11c・12cがチップ11・12の軸方向に沿う長さを短くさせて、先端面11b・12bが広がるようになる(図5参照)。そして、回転するカッタ20により研磨されれば、磨耗した各チップ11・12は、先端11a・12aに、図4のAに示すような肩部(弧面)11c・12cと先端面11b・12bとが形成されることとなる。
【0027】
また、図1・2に示すように、ドレッサ18のハウジング19は、検査装置23のハウジング24と一体化されて、上下方向に配設固定された支持板14に、ばね17等を介在させて、上下移動可能に支持されている。支持板14には、上下に所定距離離隔されて、支持ブラケット15・15が、二列並設され、上下一対の支持ブラケット15・15には、相互を連結するように支持ロッド16が上下方向に配設され、各支持ロッド16に二つずつの圧縮コイルばね17・17が外装されて、さらに、上下二つのばね17・17間にハウジング19のブラケット19aが配設されている。そのため、ドレッサ18は、検査装置23とともに、ばね17・17に支持されて、復元可能に上下に移動するように、配設されている。
【0028】
検査装置23は、図4に示すように、絶縁材料のセラミック等から形成される検査治具25と、検査治具25をハウジング24内で支持する支持材29と、を備えて構成されている。
【0029】
検査治具25は、図4〜6に示すように、略円柱状として、表裏に、すなわち、実施形態の場合には、上下の両端面に、すり鉢状に凹む凹部26・27を配設させ、さらに、凹部26・27の中心間には、治具25の軸方向に沿って凹部26・27間を貫通する貫通孔25aが、形成されている。凹部26・27は、貫通孔25aの周縁を、適正に研磨を完了させたチップ11・12の先端11a・12aにおける弧面11c・12cの外形形状に対応させた支持面26a・27aとしている。なお、凹部26・27内の外周縁付近は、円錐状に凹むテーパ面26b・27bとして、適正に研磨された電極チップ11・12の先端11a・12a付近の外周面から直線状に離れるような断面形状に、設定されている。これらのテーパ面26b・27bは、電極チップ11・12が凹部26・27内に挿入された際、チップ11・12の先端11a・12aを、相対的に、貫通孔25aの中心O2側に案内する案内面としての役目を果たす。
【0030】
そして、検査治具25の貫通孔25aは、研磨完了状態の一対の電極チップ11・12の凹部26・27内への収納時に、電極チップ11・12の先端面11b・12b相互を接触可能とし(図4参照)、かつ、研磨未完了状態の一対の電極チップ11A・12Aの凹部26・27内への収納時に、電極チップ11A・12Aの先端面11b・12b相互を離した非接触とするように(図5参照)、深さLと内径dとが設定されている。すなわち、溶接不良を招くような研磨未完了状態に応じて、先端面11b・12b間に隙間が発生するように、貫通孔25aの深さLと内径dとが、設定されている。
【0031】
実施形態の場合、これらの凹部26・27と貫通孔25aとの設定は、適正に研磨を完了させた状態、すなわち、未使用の状態と同様な状態で、チップ11・12の先端面11b・12b相互を当接させるように接触させた状態で、貫通孔25aの外周縁付近、すなわち、凹部26・27の支持面26a・27aが、先端面11b・12bと干渉せずに、チップ11・12の弧面11c・12cに当接して、弧面11c・12cを支持できるように、設定されている。
【0032】
そして、実施形態の場合、貫通孔25aの深さLは3mm、内径dは10mmとしている。さらに、実施形態の貫通孔25aでは、研磨後の先端面11b・12bの直径D1が、6.25mmとなった際、各チップ11・12の弧面11c・12cを加圧して支持面26a・27aに当てても、先端面11b・12bの間に、0.1mmの隙間が空くように、設定されている。
【0033】
また、検査治具25には、外周面に円板状に突設された鍔部25bが形成されており、この鍔部25bを利用して、検査治具25が支持材29に支持されている。
【0034】
支持材29は、略円筒状として、撓み可能な弾性変形するゴムから形成され、検査治具25を支持して、ハウジング24内に固定されている。この支持材29は、拡径し易いように昇温させて、検査治具25の鍔部25bに被せるように嵌め、そして、ハウジング24に固定することにより、検査治具25を、ハウジング24内で移動可能に保持している。
【0035】
実施形態の研磨確認装置Mの作動時には、まず、チップドレッサ18を利用して研磨した後、研磨した一対の電極チップ11・12を、サーボガン5を作動させて、検査治具25の凹部26・27内に収納させ、さらに、相互に接近させる。
【0036】
すると、一対の電極チップ11・12が、適正な研磨完了状態であれば、図4のA・Bに示すように、検査治具25の貫通孔25aを経て、電極チップ11・12の先端面11b・12b相互を接触させることとなる。そしてその後、制御装置3が一対の電極チップ11・12に電流を流せば、通電することから、制御装置3は、検査治具25に配置された一対の電極チップ11・12は研磨完了状態である、と判断する。
【0037】
一方、図5に示すように、一対の電極チップ11A・12Aが、研磨未完了状態であれば、弧面(肩部)11c・12cの軸方向長さが短い状態となって、各チップ11A・12Aの先端面11b・12bの面積が広くなる。そのため、凹部26・27内で電極チップ11A・12A相互を接近させて、弧面11c・12cを支持面26a・27aに当接支持させても、チップ11A・12Aの先端面11b・12b相互が離れて非接触となり、その後、制御装置3が一対の電極チップ11A・12Aに電流を流しても、通電せず、制御装置3は、検査治具25に配置された一対の電極チップ11A・12Aは研磨未完了状態である、と判断する。なお、検査治具25は、絶縁材料から形成されているため、電極チップ11A・12A相互が接触していなければ、電気が流れず、通電されない。実施形態の場合、先端面11b・12b相互が、0.1mm離れていても、通電されない。
【0038】
そして、制御装置3が、検査治具25に配置された一対の電極チップ11・12は研磨完了状態である、と判断すれば、溶接ロボット1やサーボガン5等が作動されて、研磨された電極チップ11・12を使用して、スポット溶接の溶接作業を行うこととなる。
【0039】
一方、制御装置3が、検査治具25に配置された一対の電極チップ11A・12Aは研磨未完了状態である、と判断すれば、制御装置3は、パトライト4を点灯させるとともにブザーを作動させる。これにより、作業者は、チップ11A・12Aの研磨不良を認識でき、チップ11A・12Aを目視して、再使用可能であれば、チップドレッサ18による研磨工程に戻す。また、研磨しても再使用不能であれば、チップ抜き工程・チップ取付工程に移行させるように、操作する。
【0040】
なお、制御装置3が、検査治具25に配置された一対の電極チップ11A・12Aは研磨未完了状態である、と判断した際、1回程度、チップドレッサ18による研磨工程に戻し、再度、研磨不良と判断した場合に、制御装置3が、パトライト4を点灯させて、ブザーを作動させるように設定してもよい。
【0041】
以上のように、実施形態の研磨確認装置Mでは、所定の貫通孔25aを設けて表裏に所定の凹部26・27を形成した検査治具25に対し、研磨後の一対の電極チップ11・11A・12・12Aを、検査治具25の所定の凹部26・27内に収納させることによって、研磨完了状態であれば、先端面11b・12b相互が接触し、研磨未完了状態であれば、先端面11b・12b相互が離れた非接触となり、制御装置3が、それらの接触・非接触を検知するだけで、簡単かつ正確に、電極チップ11・12の研磨完了・未完了を判断することができる。
【0042】
したがって、実施形態の研磨確認装置Mでは、電極チップ11・11A・12・12Aが的確に研磨されたか否かを、簡便な構成で、正確に判別することができる。
【0043】
特に、実施形態の場合には、一対の電極チップ11・12に電流を流して、通電するか否かを判別する制御装置3の他、単に、絶縁材料から形成されて、貫通孔25aを設けて表裏に所定の凹部26・27を形成した検査治具25を使用するだけよく、簡便な構成で製造できる。
【0044】
さらに、実施形態の場合、一対の電極チップ11・12に電流を流す制御装置3として、スポット溶接時に電流を流す溶接機自体の所謂タイマーを利用しており、一層、研磨確認装置Mの構成を簡便にできる。ちなみに、この場合には、チップドレッサ18の他、溶接機に、検査装置23(検査治具25)を配設するだけで、溶接・研磨・研磨確認の三工程からなるスポット溶接作業を円滑に行なうことが可能となる。
【0045】
勿論、実施形態の研磨確認装置Mでは、検査治具25の凹部26・27内に収納させた一対の電極チップ11・12に電流を流して、研磨の適否を判別するものであり、多数の火花(スパッタ)の飛び散るようなスポット溶接の現場に配置されても、通電・無通電を判別するだけであって、誤認識することなく、正確に研磨の適否を判別することが可能となる。
【0046】
さらに、実施形態の場合、検査治具25が、撓んで緩衝作用を奏する支持材29で支持されて、検査装置23のハウジング24内に収納されている。
【0047】
そのため、サーボガン5に保持された状態で、図7のAに示すように、一対の電極チップ11B・12Bが検査治具25の凹部26・27内に挿入される際、電極チップ11B・12Bの軸心(中心)O1と検査治具25の凹部26・27の軸心(中心)O2とが、位置ずれを生じていても、支持材29の撓む緩衝作用により、図7のBに示すように、検査治具25が貫通孔25aの軸直交方向へ移動し、電極チップ11B・12Bの先端面11b・12b相互を円滑に貫通孔25aに導くことができる。その結果、実施形態の研磨確認装置Mでは、一層、誤認識することなく、正確に研磨の適否を判別することが可能となる。
【0048】
特に、実施形態の場合には、凹部26・27内の外周縁付近が、直線状の案内面26b・27bを形成しており、電極チップ11B・12Bの先端面11b・12b相互を、一層、円滑に貫通孔25aに導くことができる。
【0049】
なお、実施形態では、支持材29として、ゴムからなるものを例示したが、ばね等の弾性変形するものを使用したり、あるいは、貫通孔25aの軸直交方向へ移動可能に検査治具25を支持できれば、弾性的に復帰させるような支持材でなくともよい。但し、ゴムやばねを利用した支持材であれば、検査治具を移動させた後、復帰させることができて、所定以上に検査治具をずらしてしまうことを防止することができる。
【0050】
また、制御装置による接触・非接触の検知としては、電極チップ11・12に電流を流す他、チップ11・12を保持する溶接ガンが、サーボガン5であれば、サーボガン5が一対の電極チップ11・12の相対的な配置位置を検知可能な点に着目して、つぎの研磨確認装置M1のように検知してもよい。
【0051】
すなわち、制御装置3が、研磨後、まず、サーボガン5を作動させて、図8のA・Bに示すように、一対の電極チップ11・12の先端面11b・12b相互を当接させた際の電極チップ11・12相互の相対的な配置位置を、先端面11b・12b相互の隙間がゼロであるとするように、基準位置T0として把握する。なお、図8には、制御装置3は図示していないが、この研磨確認装置M1では、図1に示すパトライト4を備えた制御装置3を具備している。但し、この場合の制御装置3は、溶接機のタイマーでなく、溶接ロボット1やサーボガン5の作動を制御するものを、利用している。
【0052】
ついで、基準位置T0を把握した後、制御装置3は、サーボガン5を作動させて、図8のCに示すように、一対の電極チップ11・12の検査治具25の凹部26・27内へ収納させる。その際、制御装置3は、一対の電極チップ11・12相互の配置位置を、エンコーダから先端面11b・12b間の距離を算出する等して、治具配置位置T1として、把握する。
【0053】
そして、制御装置3は、基準位置T0と治具配置位置T1とを比較して、接触・非接触を検知する。すなわち、図8のA・B・Cに示す場合には、制御装置3は、基準位置T0と治具配置位置T1とが一致することから、制御装置3は、接触を検知して、研磨完了と判断することとなる。
【0054】
一方、図9のA・Bに示すように、研磨未完了の電極チップ11A・12Aの場合には、制御装置3は、研磨後の先端面11b・12b相互を当接させた際の電極チップ11A・12A相互の相対的な配置位置を、先端面11b・12b相互の隙間がゼロであるとするように、基準位置T0として把握し、その後に、図9のCに示すように、検知治具25の凹部26・27内にチップ11A・12Aを収納させた際におけるチップ11A・12A相互の治具配置位置T1を把握する。しかし、チップ11A・12Aでは、図9のB・Cに示すように、先端面11b・12b間に隙間が発生して、基準位置T0と治具配置位置T1とが不一致となることから、制御装置3は、非接触を検知して研磨未完了と判断する。
【0055】
上記のような研磨確認装置M1でも、一対の電極チップ11・11A・12・12Aを、検査治具25を介在させた状態で、相互に接近させる他、検査治具25を介在させない状態で、相互に接近させて、チップ11・11A・12・12A相互の配置位置T0・T1を比較するだけで、研磨の適否を判別でき、多数の火花の飛び散るようなスポット溶接の現場に配置されても、誤認識することなく、正確に研磨の適否を判別することが可能となる。
【0056】
また、この研磨確認装置M1でも、制御装置3として、サーボガン5を制御する制御装置を利用することができることから、この場合でも、チップドレッサ18の他、溶接機に、検査装置23(検査治具25)を配設するだけで、溶接・研磨・研磨確認の三工程からなるスポット溶接作業を円滑に行なうことが可能となる。
【0057】
なお、この研磨確認装置M1の検査治具25は、チップ11・12間に電気を流さないことから、絶縁材料から形成しなくともよい。
【0058】
また、この研磨確認装置M1では、先に、基準位置T0を測定して、その後に、治具基準位置T1を測定したが、先に、検査治具25を使用して治具基準位置T1を測定し、その後に、検査治具25を使用しないで、基準位置T0を測定し、制御装置3によって、その両者の位置T0・T1を比較してもよい。
【0059】
さらに、この研磨確認装置M1でも、検査治具25は、支持材29に支持されており、チップ11・12の軸心と検査治具25の凹部26・27の軸心とが、位置ずれを生じていても、支持材29の撓む緩衝作用により、検査治具25が貫通孔25aの軸直交方向へ移動し、電極チップ11・12の先端面11b・12b相互を円滑に貫通孔25aに導くことができる。
【0060】
さらにまた、各実施形態の研磨確認装置M・M1では、使用する電極チップ11・12として、先端11a・12aの形状を一般的な形状で例示したが、使用できる電極チップは、図例の形や寸法に限らず、種々の形状・寸法のものを使用することができ、そして、それらのチップの研磨確認を行なうことができる。
【0061】
また、各実施形態の研磨確認装置M・M1では、電極チップ11・12を上下方向で研磨し、かつ、研磨状態の確認時、チップ11・12相互を上下方向で接近させるように構成したが、勿論、一対の電極チップ11・12の対向方向に対応させて、研磨用のカッタ20や検査治具25の軸方向を、上下方向以外の水平方向等に配置させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の研磨確認装置を配置させた溶接現場を示す概略平面図である。
【図2】同実施形態の研磨確認装置における検査装置を示す概略側面図である。
【図3】同実施形態の研磨確認装置における検査装置の概略平面図である。
【図4】同実施形態の研磨確認装置の使用態様を順次示す拡大部分概略縦断面図であり、電極チップが適正な研磨完了時の状態を示す。
【図5】同実施形態の研磨確認装置の使用態様を示す拡大部分概略縦断面図であり、電極チップが研磨未完了時の状態を示す。
【図6】同実施形態に使用する検査治具の斜視図である。
【図7】同実施形態の研磨確認装置の使用態様を示す拡大部分概略縦断面図であり、電極チップと検査治具との軸心が若干ずれている際の挙動を示す。
【図8】他の実施形態の研磨確認装置の使用態様を順に示す拡大部分概略縦断面図であり、電極チップが適正な研磨完了時の状態を示す。
【図9】同実施形態の研磨確認装置の使用態様を順に示す拡大部分概略縦断面図であり、電極チップが研磨未完了時の状態を示す。
【符号の説明】
3…制御装置、
11・11A・11B・12・12A・12B…電極チップ、
11a・12a…先端、
11b・12b…先端面、
23…検査装置、
25…検査治具、
25a…貫通孔、
26・27…凹部、
29…支持材、
M・M1…研磨確認装置。
Claims (2)
- 溶接ガンに保持されたスポット溶接用の一対の電極チップが、研磨後、所定形状に研磨されたか否かを確認する電極チップの研磨確認装置であって、
検査治具と、電極チップの研磨完了状態か否かを判断する制御装置と、を備えて構成されるとともに、前記溶接ガンが、一対の電極チップの相対的な配置位置を検知可能なサーボガンから構成され、
前記検査治具が、
研磨完了状態の一対の電極チップの先端形状に対応した凹部、を表裏に備えるとともに、
表裏の前記凹部間を貫通して、研磨完了状態の一対の電極チップの前記凹部内への収納時に、電極チップの先端面相互を接触可能とし、かつ、研磨未完了状態の一対の電極チップの前記凹部内への収納時に、電極チップの先端面相互を離した非接触とする貫通孔、を備えて
前記制御装置が、
一対の電極チップの前記検査治具の凹部内へ収納させた際、一対の電極チップの先端面相互の接触時に、研磨完了と判断し、一対の電極チップの先端面相互の非接触時に、研磨未完了と判断するように、
研磨後、前記サーボガンを作動させて、一対の電極チップの先端面相互を当接させた際の電極チップ相互の相対的な配置位置を基準位置として、把握し、
また、前記サーボガンを作動させて、一対の電極チップの前記検査治具の凹部内へ収納させた際、一対の電極チップ相互の配置位置を治具配置位置として、把握し、
前記基準位置と前記治具配置位置とが一致した際、接触を検知して研磨完了と判断し、前記基準位置と前記治具配置位置とが不一致の際、非接触を検知して研磨未完了と判断することを特徴とする電極チップの研磨確認装置。 - 前記検査治具が、前記貫通孔の軸直交方向へ前記検査治具を移動可能に撓む緩衝作用を有した支持材により、支持されていることを特徴とする請求項1に記載の電極チップの研磨確認装置。
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