JP3906125B2 - 光ディスク装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク装置でのスピンドル制御では、CD−R/RW等の光ディスクから絶対時間(ATIP:Absolute Time In Pregroove)情報を取得し、実際の回転速度を検出することで、ラフサーボによる制御とPLLサーボによる制御とが自動的に切り替えられていた。
【0003】
図1に、上記従来技術による光ディスク装置100の構成を示す。図1を参照すると、光ディスク装置100は、LSI1とスピンドルドライバ20とスピンドルモータ21と光ピックアップ12とヘッドアンプ13とを有して構成される。また、LSI1は、復調部14と復号部15とカウンタ16とスピンドルサーボ2とを有して構成される。更に、スピンドルサーボ2は、ラフサーボ用回路17とPLLサーボ用回路18とセレクタ19とを有して構成される。
【0004】
この構成において、光ディスク11にはウォブルと呼ばれる溝が存在する。光ディスクドライバ100は、光ディスク11を回転させながら、このウォブルからATIP情報を読み取る。
【0005】
より具体的に説明すると、スピンドルモータ21によって回転している光ディスク11に対し、光ピックアップ12からレーザ光を照射し、これにより得られた信号をヘッドアンプ13でサンプルホールドする。その後、ヘッドアンプ13内のAGC(Auto Gain Control)回路で信号を増幅し、同じくヘッドアンプ13内のコンパレータを介して2値化の信号(以下、これをウォブル信号という)を生成する。次に、ウォブル信号を光ディスク11用の復調部14に入力してバイフェーズ・データ信号(以下、BIDATAという)とバイフェーズ・クロック信号(以下、BICLKという)とに変換し、更に復号部15に入力してATIP信号に変換する。
【0006】
また、光ディスク11を回転させるためには、スピンドルサーボ2の制御が必要となる。ここで光ディスク11の回転方式としては、線速度一定のまま回転させるCLV(Constant Linear Velocity)方式と、光ピックアップ12の位置に関わらず回転が一定であるCAV(ConstantAngular Velocity)方式との2種類が存在する。以下では、説明の都合上、線速度一定のCLV方式を例に挙げて説明する。
【0007】
更に、CLV方式でスピンドルサーボ2を制御する場合、ラフサーボとPLLサーボとの2種類の制御系が存在する。ラフサーボ制御系は、光ディスク11の回転初期や内周から外周へ光ピックアップ12を動かす際等の光ディスク11の回転が不安定になる場合に、これをおおよその速度で回転させるためのものである。また、PLLサーボ制御系は、光ディスク装置100のDSP(Digital Signal Processer)内部で生成されるPLLクロックと同期させて一定の線速度で光ディスク11を回転させるためのものである。
【0008】
従って、ウォブルを有する光ディスク11の場合、ラフサーボ制御系は、ラフサーボ用回路17にウォブル信号を入力し、ウォブル信号の4分の1周期の信号をカウントする。更に、カウントした値を速度誤差とし、これに基づいてスピンドルモータ21に入力する信号を生成する。
【0009】
これに対してPLLサーボ制御系は、PLLサーボ用回路18にBICLK信号を入力し、BICLK信号をカウントする。更に、カウントした値を速度誤差とし、これに基づいてスピンドルモータ21に入力する信号を生成する。
【0010】
尚、光ディスク11をCLV方式で駆動するためには、ラフサーボでの制御により回転速度が安定したら、制御をPLLサーボに切り替える処理が必要となる。これを実現するために、従来技術では、復号部15でATIP情報を生成するのと同時に、BIDATA信号を基にカウンタ回路16にて、発生したCRCエラーのカウントを行う。この結果、CRCエラーが無く、連続してATIP情報を取得できている場合、セレクタ19は、光ディスク装置100のDSPでラフサーボからPLLサーボへの自動的な切り替えを行う。またこの際、LOCK信号が‘High’となる。
【0011】
以上の動作が行われた後、セレクタ19は、サーボの切り替えによって選択された信号をスピンドルドライバ出力信号(SPDO)として出力する。また、出力されたSPDOは、スピンドルドライバ20において増幅され、その後、スピンドルモータ21に入力される。従って、スピンドルモータ21はSPDOに基づいて光ディスク11を回転させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、開発されたマルチレベルでデータを記録する新規格の光ディスクでは、スピンドル制御を行うための信号が従来のものとは異なるため、従来の構成を用いてラフサーボからPLLサーボへ自動的に切り替えることが不可能となる問題が存在する。具体的に言うと、新規格の光ディスクにはATIP情報が書き込まれていないため、これに基づいたサーボの自動的な切り替えが不可能となる。
【0013】
従って、本発明は、ATIP情報に基づかずに光ディスクに対するスピンドル制御を可能とする光ディスク装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、第1のサーボ系とこれより精度の高い第2のサーボ系を切り換えてスピンドル制御を行う光ディスク装置において、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取った信号が規則性を有するかどうかを判定する第1の手段と、該第1の手段による判定結果に基づき前記第1及び第2のサーボ系の切り換えを制御する第2の手段とを有することを。これにより、ATIP情報に基づかずに光ディスクに対するスピンドル制御が可能となる。
【0015】
また、上記の構成において、前記信号に基づき生成されるデータであって、例えば前記判定結果が2つ以上連続するデータに誤りが含まれない第1の規則性を示す場合、前記第2の手段が前記第1のサーボ系から前記第2のサーボ系に切り替える。これにより、光ディスクの回転が安定したことに応じて精度の高いサーボ制御を実行することが可能となる。
【0016】
また、上記の構成において、前記信号に基づき生成されるデータであって、例えば前記判定結果が2つ以上連続するデータ全てに誤りが含まれる第2の規則性を示す場合、前記第2の手段が前記第2のサーボ系から前記第1のサーボ系に切り替える。これにより、光ディスクの回転が不安定となったことに応じて精度の高いサーボ制御を解除することが可能となる。
【0017】
また、本発明は、光ディスク上に書き込まれたデータを読み取るデータ読取手段と、前記データ読取手段で読み取られた前記データのうち、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取ったデータを誤り訂正する誤り訂正手段と、前記誤り訂正手段により2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否か、又は、全て誤りを含んで取得されたか否かを判定する連続データ取得判定手段と、前記連続データ取得判定手段で前記2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたと判定された場合、又は、全て誤りを含んで取得されたと判定された場合、サーボ制御を切り替えるサーボ制御切替手段と、を有することを特徴とする光ディスク装置である。これにより、ATIP情報に基づかずに光ディスクに対するスピンドル制御が可能となる。
【0018】
また、上記の構成において、例えば前記誤り訂正手段による誤り訂正の結果を記憶する誤り訂正結果記憶手段を有し、前記連続データ取得判定手段が、前記誤り訂正結果記憶手段に記憶された前記2つ以上連続するデータの誤り訂正の結果に基づいて、当該2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否かを判定する。これにより、誤り訂正結果記憶手段を参照するだけで、正しくデータを取得できたか否かを判別することが可能となる。
【0019】
また、上記の構成において、例えば前記データが、アドレス情報又はIDマッチ信号である。また、上記の構成として、例えば前記誤り訂正手段が、CRC符号,ハミング符号,BCH符号,リードソロモン符号の何れかである。
【0020】
また、本発明は、第1のサーボ系とこれより精度の高い第2のサーボ系を切り換えてスピンドル制御を行う光ディスク装置に組み込まれたコンピュータを機能させるためのプログラムであって、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取った信号が規則性を有するかどうかを判定する第1の処理と、該第1の処理による判定結果に基づき前記第1及び第2のサーボ系の切り換えを制御する第2の処理とを有する。これにより、ATIP情報に基づかずに光ディスクに対するスピンドル制御が可能となる。
【0021】
また、上記の構成において、例えば前記第2の処理が、前記信号に基づき生成されるデータであって、前記判定結果が2つ以上連続するデータに誤りが含まれない第1の規則性を示す場合、前記第1のサーボ系から前記第2のサーボ系に切り替えさせる。これにより、光ディスクの回転が安定したことに応じて精度の高いサーボ制御を実行することが可能となる。
【0022】
また、上記の構成において、例えば前記第2の処理が、前記信号に基づき生成されるデータであって、前記判定結果が2つ以上連続するデータ全てに誤りが含まれる第2の規則性を示す場合、前記第2のサーボ系から前記第1のサーボ系に切り替えさせる。これにより、光ディスクの回転が不安定となったことに応じて精度の高いサーボ制御を解除することが可能となる。
【0023】
また、上記の構成において、例えば前記データが、アドレス情報又はIDマッチ信号である。
【0024】
また、本発明は、精度の異なるサーボ制御を切り替えてスピンドル制御を行う光ディスク装置に組み込まれたコンピュータを機能させるためのプログラムであって、 光ディスク上に書き込まれたデータを読み取らせるデータ読取処理と、前記データ読取処理で読み取られた前記データのうち、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取ったデータを誤り訂正させる誤り訂正処理と、前記誤り訂正処理により2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否か、又は、全て誤りを含んで取得されたか否かを判定する連続データ取得判定処理と、前記連続データ取得判定処理で前記2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたと判定した場合、又は、全て誤りを含んで取得されたと判定した場合、サーボ制御を切り替えさせるサーボ制御切替処理と、を前記コンピュータに実行させる。これにより、ATIP情報に基づかずに光ディスクに対するスピンドル制御が可能となる。
【0025】
また、上記の構成において、例えば前記誤り訂正処理による誤り訂正の結果を記憶させる誤り訂正結果記憶処理を前記コンピュータに実行させ、前記連続データ取得判定処理が、前記誤り訂正結果記憶処理で記憶された前記2つ以上連続するデータの誤り訂正の結果に基づいて、当該2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否かを判定する。これにより、誤り訂正結果記憶手段を参照するだけで、正しくデータを取得できたか否かを判別することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
光ディスク装置では、ATIP情報が書き込まれていない新規格の光ディスクであってもラフサーボによる回転制御は可能である。従って、本発明は、PLLサーボを掛けるのに十分な回転数がラフサーボにより得られたか否かを判定することにより、PLLサーボに切り替えることが可能か否かを判断し、この判断に基づいて、光ディスク装置側のDSPの設定を切り替える。以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0027】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態では、PLLサーボを掛けるのに十分な回転数がラフサーボにより得られたか否かを判定するために、ラフサーボにより回転する光ディスクから定期的及び連続的に発生する信号を監視する構成を有する。更に、この監視の結果、定期的で且つ連続的に光ディスクから信号が読み取られた場合、PLLサーボに切り替える構成を有する。
【0028】
図2に、本実施形態による光ディスク装置100Aの構成を示す。尚、本実施形態において、光ディスク装置100Aとしては、CD−ROMやCD−R/RW等のドライブ装置を適用することが可能である。
【0029】
図2を参照すると、光ディスク装置100Aは、LSI1Aとスピンドルドライバ20とスピンドルモータ21と光ピックアップ12とヘッドアンプ13とアドレス変換部22とCPU23とを有して構成される。また、LSI1Aは、復調部14と復号部15とカウンタ16とスピンドルサーボ2Aとを有して構成される。更に、スピンドルサーボ2Aは、ラフサーボ用回路17とPLLサーボ用回路18とセレクタ19Aとを有して構成される。尚、スピンドルモータ21は、ディスク回転手段に相当するものであり、スピンドルドライバ20は回転制御手段に相当するものであり、光ピックアップ11はデータ読取手段に相当するものである。また、スピンドルサーボは、サーボ制御切替手段に相当するものである。
【0030】
この構成において、ATIP情報が書き込まれていない新規格の光ディスク11Aにもウォブルと呼ばれる溝が存在する。そこで、光ディスク装置100Aは、光ディスク11Aを回転させながら、このウォブルからアドレス情報を読み取る。尚、アドレス情報とは、光ディスク11A上の物理アドレスを示すものであり、トラック上のセクタの位置を示す識別情報である。このアドレス情報は、一般的に0〜30万程度の数値が、トラックの先頭より順番に配列される。
【0031】
上記の構成を具体的に説明すると、スピンドルモータ21によって回転している光ディスク11Aに対し、光ピックアップ12からレーザ光を照射し、これにより得られた信号をヘッドアンプ13でサンプルホールドする。その後、ヘッドアンプ13内のAGC(Auto Gain Control)回路で信号を増幅し、同じくヘッドアンプ13内のコンパレータを介して2値化の信号(以下、これをウォブル信号という)を生成する。次に、ウォブル信号を光ディスク11A用の復調部14に入力してバイフェーズ・データ信号(以下、BIDATAという)とバイフェーズ・クロック信号(以下、BICLKという)とに変換する。尚、変換により生成されたBICLKとBIDATAとは、復号部15及びカウンタ16に入力されなくてもよい。これは、本実施形態において、ウォブル信号にATIP情報が含まれていないためである。
【0032】
また、変換で得られたBICLKとBIDATAとをアドレス変換部22に入力し、アドレス情報に変換する。尚、アドレス情報は、光ディスク11Aにおける渦状のウォブルに書き込まれているものであるため、これをATIPに対応して、AIP(Address In Pregroove)と呼ぶ。
【0033】
また、図3はアドレス変換部22の構成を示すブロック図である。更に、図4はアドレス情報のフレームフォーマットを示す図である。
【0034】
本実施形態において、アドレス変換部22は、SYNCディテクタ31とフレーム・CRC(Cyclic Redundancy Check)生成回路32とエラー訂正回路33とアドレスマッチング処理回路34とレジスタ35とCPU36とを有して構成される。
【0035】
この構成において、BICLKとBIDATAとは、まず、SYNCディテクタ31及びフレーム・CRC生成回路32にそれぞれ入力される。SYNCディテクタ31では、入力されたBICLK及びBIDATAからSYNCが検出される。尚、従来の光ディスク装置100では、光ディスク11AのSYNCを検出不可能なため、アドレス情報を取得することは不可能である。また、アドレス情報は、図4に示すように、48bitsのデータであり、先頭にSYNC(同期符号)、末尾に誤り訂正用のCRC code(誤り訂正符号)が含まれている。
【0036】
SYNCディテクタ31は、先のBIDATAのSYNCを検出した後、次のBIDATAのSYNCを検出すると、コントロール信号(biclk ctr)を生成して、これをフレーム・CRC生成回路32に入力する。これに対してフレーム・CRC生成回路32は、入力されたBICLK及びBIDATAからbiclk ctrに基づいて、1フレーム48ビットのフレーム(アドレス情報を含む:frame)とCRC code(CRC)とを生成し、これをエラー訂正回路33へ入力する。エラー訂正回路33は、図5(a)に示すように、入力されたframeとCRCとを照らし合わせることで、frame内にビット誤りが存在するか否かを判定し、存在すればこれの訂正を実行して、アドレス情報(data)を得る。尚、存在しなければ、frameをそのままアドレス情報(data)とする。
【0037】
これにより得られたアドレス情報(data)は、アドレスマッチング処理回路34に入力される。これに対して、アドレスマッチング処理回路34は割り込み信号を発生させ、これをCPU23へ入力する。更に、アドレスマッチング処理回路34は、入力されたアドレス情報(data)をAddressとしてレジスタ35に書き込む。
【0038】
尚、フレーム・CRC生成回路32において誤りが含まれるframeが生成されてしまい、尚且つこれの誤り訂正がエラー訂正回路33で不可能であった場合、得られたアドレス情報には誤りが含まれる。このため、エラー訂正回路33は、図5(b)に示すように、アドレスマッチング処理回路34に不正なアドレス情報であることも入力する。これは、validの‘1’(=誤り無し),‘0’(=誤り有り)の設定により行われる。更に、レジスタ35には、エラー訂正回路33からvalidが、且つ、アドレスマッチング処理回路34からAddressが入力されて、両者が対応づけられて所定の番地に記憶される。
【0039】
このように、アドレス変換部22(特にエラー訂正回路33)は、光ピックアップ11で読み取られたアドレス情報を誤り訂正する誤り訂正手段として機能し、また、アドレス変換手段22におけるレジスタ35は、誤り訂正の結果(valid)を記憶する誤り訂正結果記憶手段として機能する。
【0040】
また、CPU23は、アドレスマッチング処理回路34から割り込み信号が入力されると、アドレス変換部22内のレジスタ35にアクセスすることで、アドレス情報及びこのvalidを取得する。即ち、CPU23は、割り込み信号が入力された際にレジスタ35を参照して、アドレス情報が正しく取得できたか否かを取得する。
【0041】
また、SYNCディテクタ31におけるSYNCパターンの検出方法を、図6を用いて詳細に説明する。SYNCディテクタ31は、BICLKとBIDATAとが入力されると、BICLKのタイミングに同期させてBIDATAの遷移を判定する。ここで、SYNCパターンは予め定められたパターンであるため、そのパターン通りにBIDATAが遷移すれば、これをSYNCと判定することができる。尚、図3において、SYNCディテクタ31は、SYNCのみを検出するための構成であり、フレーム・CRC生成回路32は、BIDATA全体をチェックして2値‘1’,‘0’のデータに置き換えるための構成である。
【0042】
また、本実施形態では、アドレス情報を連続して取得できるか否かに基づいて、スピンドルサーボ1Aを切り替えるが、これはアドレス変換部22におけるエラー訂正回路33の誤り訂正の結果をチェックすれば容易に判定できる。なぜならば、光ディスク11Aの回転が安定していなければ、ウォブル信号を正確に2値化することができないためである。即ち、この場合、BIDATA及びBICLKも正常でないため、CRCによるエラー訂正が不可能となる。
【0043】
また、本実施形態によるアドレス変換部22の構成では、アドレス情報だけでなく、誤り訂正の結果(valid)もレジスタ35に格納されるため、レジスタ35の内容をチェックすることで、取得したアドレス情報が正確であるか否かを判別することが可能である。つまり、アドレス情報を取得して割り込み信号が発生した際に、CPU23は、レジスタ35を参照することのみで、連続してアドレス情報を取得してるか否かを容易に判別できる。
【0044】
また、アドレス情報を連続して取得できることが判別できると、CPU23は、セレクタ19AへラフサーボからPLLサーボへの切替信号を入力する。これに対して、セレクタ19Aは、サーボをラフサーボからPLLサーボに切り替える。
【0045】
以上の動作が行われた後、セレクタ19は、サーボの切り替えによって選択された信号をスピンドルドライバ出力信号(SPDO)として出力する。また、出力されたSPDOは、スピンドルドライバ20において増幅され、その後、スピンドルモータ21に入力される。従って、スピンドルモータ21はSPDOに基づいて光ディスク11Aを回転させる。
【0046】
次に、本実施形態によるスピンドルサーボの切り替え時の動作を、図7を用いて詳細に説明する。尚、この動作は、ファームウェアにより実現されるものである。
【0047】
図7を参照すると、本動作では、まず、アドレス変換部22からCPU23に割り込み信号が入力されると、CPU23はアドレス変換回路22に対してアドレス情報を要求する(ステップS10)。これは、アドレス変換回路22のレジスタ35に対して行われる。尚、これによりCPU23は一時、アドレス情報取得待ちの状態となり、一定時間、アドレス情報が取得されるまで待機する。
【0048】
次に、CPU23は、レジスタ35から応答された情報(valid)に基づいて、アドレス情報が正常に取得されたか否かを判定し(ステップS11)、正常に取得できた場合(ステップS11のYes)、取得成功回数をカウントアップし(ステップS12)、取得失敗回数をクリア(リセット)する(ステップS13)。
【0049】
更に、CPU23は、連続してカウントされている取得成功回数が例えば3回(但し、2回以上等であってもよい)であれば(ステップS14のYes)、必要に応じてスピンドルサーボ2AをPLLサーボに切り替える(ステップS15)。これは、スピンドルモータ21の回転が安定していると見なせるためである。その後、CPU23は、取得成功回数及び取得失敗回数をクリアし(ステップS16)、処理を終了する。また、連続してカウントされている取得成功回数が例えば3回に満たない場合(ステップS14のNo)、CPU23は、ステップS10に帰還する。
【0050】
これに対して、ステップS11の判定の結果、アドレス情報が正常に取得されていない場合(ステップS11のNo)、CPU23は、取得失敗回数をカウントアップし(ステップS17)、取得成功回数をクリア(リセット)する(ステップS18)。
【0051】
更に、CPU23は、連続してカウントされている取得失敗回数が例えば3回(但し、2回以上等であってもよい)であれば(ステップS19のYes)、必要に応じてスピンドルサーボ2Aをラフサーボに切り替える(ステップS15)。これは、スピンドルモータ21の回転が安定していないと見なせるためである。その後、CPU23は、取得成功回数及び取得失敗回数をクリアし(ステップS16)、処理を終了する。また、連続してカウントされている取得失敗回数が例えば3回に満たない場合(ステップS19のNo)、CPU23は、ステップS10に帰還する。
【0052】
このように、CPU23は、連続して取得したアドレス情報が規則性(連続して誤りを含む/連続して正しい)を有するか否かを判定する機能を実現し、この判定結果に基づいて、ラフサーボとPLLサーボとをセレクタ19Aに切り替えさせる機能を実現する。より具体的には、CPU23は、ファームウェアを読み出して実行することにより、2つ以上連続するアドレス情報が誤り無く取得されたか否か、又は、全て誤りを含んで取得されたか否かを判定する連続データ取得判定手段として機能し、また、この連続データ取得手段で得られた判定結果に基づいてサーボ切替手段であるスピンドルサーボ2Aのセレクタ19Aでの選択を制御する機能を実現する。
【0053】
以上のような動作により、本実施形態では、簡素で且つ安価な構成により新規格ディスクに対するスピンドル制御を行える光ディスク装置100Aを実現することができる。尚、これらの動作は、ファームウェアにより実現されるものである。このファームウェアは、光ディスク装置100Aに組み込まれたROM等に格納されているもので、これがCPU23により読み出されて実行される。
【0054】
〔他の実施形態〕
以上、説明した実施形態は本発明の好適な一実施形態にすぎず、本発明はその趣旨を逸脱しない限り種々変形して実施可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では、アドレス情報が所定回数連続して正常に読み取れたか否かに基づいて、光ディスク11Aが安定して回転しているか否かを判定し、スピンドル制御を切り替えたが、アドレス情報を例えばIDマッチ信号等に置き換えることも可能である。即ち、本発明では、回転の安定時に所定間隔で読み出される信号に基づいて、光ディスク11Aが安定して回転しているか否かを判定し、スピンドル制御を切り替えるのであれば、如何様にも変形することが可能である。
【0056】
また、上記実施形態では、誤り訂正において、CRC(Cyclic Redundancy Check)符号を適用していたが、これを例えばハミング符号やBCH符号等のランダム誤り訂正符号、又はリードソロモン符号等のシンボル誤り訂正符号等に置き換えてもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ATIP情報に基づかずに光ディスクに対するスピンドル制御が可能となる。更に、これをプログラムで実現するため、回路構成等の大幅な設計変更をすることなく、簡素且つ安価にATIP情報に基づかない光ディスクのスピンドル制御を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による光ディスク装置100Aの構成を示すブロック図である。
【図3】光ディスク装置100Aのアドレス変換部22の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態によるアドレス情報のフレームフォーマットを示す図である。
【図5】(a)はアドレス変換部22において正常に誤り訂正がなされた場合を説明するための図であり、(b)はアドレス変換部22において誤り訂正が不可能であった場合を説明するための図である。
【図6】SYNCディテクタ31におけるSYNCパターンの検出方法を説明する為の図である。
【図7】本発明の第1の実施形態によるスピンドルサーボの切り替え時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A LSI
2A スピンドルサーボ
16A カウンタ
19A セレクタ
22 アドレス変換部
23 CPU
31 SYNCディテクタ
32 フレーム・CRC生成回路
33 エラー訂正回路
34 アドレスマッチング処理回路
35 レジスタ
100A 光ディスク装置

Claims (13)

  1. 第1のサーボ系とこれより精度の高い第2のサーボ系を切り換えてスピンドル制御を行う光ディスク装置において、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取った信号が規則性を有するかどうかを判定する第1の手段と、該第1の手段による判定結果に基づき前記第1及び第2のサーボ系の切り換えを制御する第2の手段とを有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記信号に基づき生成されるデータであって、前記判定結果が2つ以上連続するデータに誤りが含まれない第1の規則性を示す場合、前記第2の手段が前記第1のサーボ系から前記第2のサーボ系に切り替えることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記信号に基づき生成されるデータであって、前記判定結果が2つ以上連続するデータ全てに誤りが含まれる第2の規則性を示す場合、前記第2の手段が前記第2のサーボ系から前記第1のサーボ系に切り替えることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  4. 光ディスク上に書き込まれたデータを読み取るデータ読取手段と、
    前記データ読取手段で読み取られた前記データのうち、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取ったデータを誤り訂正する誤り訂正手段と、
    前記誤り訂正手段により2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否か、又は、全て誤りを含んで取得されたか否かを判定する連続データ取得判定手段と、
    前記連続データ取得判定手段で前記2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたと判定された場合、又は、全て誤りを含んで取得されたと判定された場合、サーボ制御を切り替えるサーボ制御切替手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  5. 前記誤り訂正手段による誤り訂正の結果を記憶する誤り訂正結果記憶手段を有し、
    前記連続データ取得判定手段は、前記誤り訂正結果記憶手段に記憶された前記2つ以上連続するデータの誤り訂正の結果に基づいて、当該2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否かを判定することを特徴とする請求項4記載の光ディスク装置。
  6. 前記データは、アドレス情報又はIDマッチ信号であることを特徴とする請求項4又は5記載の光ディスク装置。
  7. 前記誤り訂正手段は、CRC符号,ハミング符号,BCH符号,リードソロモン符号の何れかであることを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載の光ディスク装置。
  8. 第1のサーボ系とこれより精度の高い第2のサーボ系を切り換えてスピンドル制御を行う光ディスク装置に組み込まれたコンピュータを機能させるためのプログラムであって、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取った信号が規則性を有するかどうかを判定する第1の処理と、該第1の処理による判定結果に基づき前記第1及び第2のサーボ系の切り換えを制御する第2の処理とを有することを特徴とするプログラム。
  9. 前記第2の処理は、前記信号に基づき生成されるデータであって、前記判定結果が2つ以上連続するデータに誤りが含まれない第1の規則性を示す場合、前記第1のサーボ系から前記第2のサーボ系に切り替えさせることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
  10. 前記第2の処理は、前記信号に基づき生成されるデータであって、前記判定結果が2つ以上連続するデータ全てに誤りが含まれる第2の規則性を示す場合、前記第2のサーボ系から前記第1のサーボ系に切り替えさせることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
  11. 前記データは、アドレス情報又はIDマッチ信号であることを特徴とする請求項9又は10に記載のプログラム。
  12. 精度の異なるサーボ制御を切り替えてスピンドル制御を行う光ディスク装置に組み込まれたコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    光ディスク上に書き込まれたデータを読み取らせるデータ読取処理と、
    前記データ読取処理で読み取られた前記データのうち、絶対時間情報が記録されていない光ディスクのウォブルから読み取ったデータを誤り訂正させる誤り訂正処理と、
    前記誤り訂正処理により2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否か、又は、全て誤りを含んで取得されたか否かを判定する連続データ取得判定処理と、
    前記連続データ取得判定処理で前記2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたと判定した場合、又は、全て誤りを含んで取得されたと判定した場合、サーボ制御を切り替えさせるサーボ制御切替処理と、
    を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 前記誤り訂正処理による誤り訂正の結果を記憶させる誤り訂正結果記憶処理を前記コンピュータに実行させ、
    前記連続データ取得判定処理は、前記誤り訂正結果記憶処理で記憶された前記2つ以上連続するデータの誤り訂正の結果に基づいて、当該2つ以上連続するデータが誤り無く取得されたか否かを判定することを特徴とする請求項12記載のプログラム。
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