JP3905880B2 - 波浪観測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水面からの反射波に基づいて少なくとも波向を観測する技術に関し、特に、船舶用のレーダ式波浪観測装置に好適な技術に関する。
従来より、パルスレーダ等の装置を用いて水面からの反射波を取得し、その反射波のデータから波の諸特性(例えば、波長、波速、波向、波高等)を解析することが行われている。
例えば、非特許文献1には、連続する多数枚(例えば32枚)のレーダ画像情報を3次元フーリエ変換し、その変換結果に波の理論式(分散関係式)を適用することによって雑音を除去して本来の波に関する3次元スペクトラムを抽出し、抽出された3次元スペクトラムを用いて波長、波速、波向、波高等を算出する手法が開示されている。
また、特許文献1には、連続する2スキャンのレーダ画像情報から2次元クロススペクトルを求め、そのスペクトルを波の理論式(波速関係式)によりフィルタリングして、波長、波速、波向、波高等を算出する手法が開示されている。
これら波浪特性のうち、波向は、船舶の船首方向や航行ルートを決定するのに重要な情報である。例えば、船尾側から到来する波(いわゆる追い波)がある場合は、船体や舵などの船尾構造の耐波性の問題や、小型船舶の場合には船尾居住区の扉を破る等の問題から、なるべく真後ろから波を受けないように船首方向(すなわち針路、操船方向)が決定される。
特開2003−21680号公報 ESTIMATION OF SEA STATE DIRECTIONAL SPECTRA BY USING MARINE RADAR IMAGING OF SEA SURFACE,Proceedings of ETCE/OMAE 2000 February14-17,2000,NewOrleans,LA
このように、波向は重要な情報であるが、天候等により、時間的に大きく変動する場合があるし逆にあまり変動しない場合もある。波向が急激に変化する場合には、一般的にはより迅速な針路変更が求められるが、逆にその時間的変化が小さい場合に、より注意を要する場合もある。すなわち、波向の時間的な変化は、操船者にとって非常な有益な情報となり得るのである。しかしながら、従来、波向の時間的な変化度を表示する波浪観測装置は存在しなかった。
本発明にかかる波浪観測装置は、船舶に搭載される波浪観測装置であって、水面からの反射波のデータに基づいて最新の波向と所定時間における波向の平均値とを含む波向情報を取得する波向情報取得部と、前記最新の波向と所定時間における波向の平均値との差に基づいて波向の時間的な変化度を取得する波向変化度取得部と、記波向を示す表示要素または指標と記波向変化度を示す表示要素または指標とを画面表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、を備える。
また、上記本発明にかかる波浪観測装置では、上記波向情報取得部は、レーダ反射波に基づくデータをフーリエ変換し、その変換結果に波の理論式を適用して波スペクトラムを抽出し、その波スペクトラムを用いて波向情報を取得するのが好適である。
また、上記本発明にかかる波浪観測装置では、前記波向変化度を示す表示要素を画面表示するための表示情報は、画面上の波向を示す表示要素あるいは特定の表示領域の色の情報であり、前記表示情報生成部は、画面上の波向を示す表示要素あるいは特定の表示領域の色が波向変化度に応じて変化するよう前記波向変化度を示す表示要素を画面表示するための表示情報を生成するのが好適である。
また、上記本発明にかかる波浪観測装置では、上記表示情報生成部は、画面上の波向を示す表示要素の色が、波向変化度が大きいほど寒色系の色となり、波向変化度が小さいほど暖色系の色となるよう表示情報を生成するのが好適である。
また、上記本発明にかかる波浪観測装置では、上記表示情報生成部は、画面上の所定の表示要素あるいは表示領域の輝度が波向変化度に応じて変化するよう表示情報を生成するのが好適である。
以下、本発明の実施形態にかかる波浪観測装置10について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる波浪観測装置10の一構成例を示すブロック図である。図1の波浪観測装置10は、レーダ装置12、波浪演算処理部14、波向変化度取得部16、制御部18、表示部20、および入力部56を含む。
レーダ装置12は、陸上や船舶上に設置され、所定の波浪観測水域に向けて照射波を送波し、水面からの反射波を受波する。好適にはパルスレーダ装置として構成される。
波浪演算処理部14は、レーダ装置12で取得した反射波のデータに所定の演算処理を施して、波向Wd、波長Wl、波速Wvc(、波高Wh)等を取得する。
図2は、波浪演算処理部14の一構成例を示すブロック図である。図2の波浪演算処理部14は、レーダ信号集録手段22、レーダ干渉検出手段24、2次元演算手段26、平均化手段28、波浪スペクトル推算手段30、およびシーステート解析手段32を含む。
レーダ信号集録手段22は、レーダ装置12で取得したデータを連続する2スキャン分記録する。このデータは、受信した反射波の信号を増幅・検波したもので、必要な距離分解能に対応した周期でサンプリングし、A/D変換することにより取得される。
レーダ干渉検出手段24は、レーダ信号集録手段22に記録されたデータが、他のレーダやレーダビーコンなどの電波源による電波干渉を受けていないかどうかを検出する。干渉をうけている場合、そのスキャンのレーダデータは廃棄され、この例では、干渉を受けていない連続する2スキャン分のレーダデータのみが、その後段の2次元演算手段26に供給されるようになっている。
レーダ干渉検出手段24における干渉検出には種々の手法があるが、一例をあげれば、データのレベルが通常の閾値レベルを超えている場合に、干渉と見なす手法がある。具体的には、極座標の距離方向のデータを加算し、閾値レベルを超えている場合には干渉とする。閾値レベルは、例えば、8ビットのA/D変換器を使用してそのダイナミックレンジが0〜255である場合において64程度とする。
2次元演算手段26は、受け取った2スキャン分のレーダデータに対し、まず、距離による受信強度の誤差を解消すべく強度補正を行い、次にレーダデータを極座標から直交座標に座標変換する。また、海面の監視範囲として、レーダデータを例えば正方形状(一辺の長さD)に切り出す処理も行う。ただし、この処理は、座標変換時に行ってもよいし、それ以前に行ってもよい。
そして、2次元演算手段26は、座標変換されたレーダデータを、スキャン毎に2次元フーリエ変換(FFT)する。
Figure 0003905880
ここに、F(k,l):2次元のフーリエ変換値、f(n,m):レーダデータ、F(k,l):空間スペクトル、n,m:座標値、k,l:波数、である。
次に、2次元演算手段26は、連続する2スキャン分のレーダデータに対する2次元のFFT値間のクロススペクトルPc(k,l)を求める。
Figure 0003905880
次に、2次元演算手段26は、取得した2次元クロススペクトルPc(k,l)の各ポイント毎の振幅スペクトルSaおよび位相スペクトルSφを算出する。各ポイントのクロススペクトルPc(k,l)は、複素数で表現することができ、その実数部をRe、虚数部をImとすると、それらは、
Figure 0003905880
Figure 0003905880
となる。ここに、atan()はアークタンジェントを示す。
平均化手段28は、2次元クロススペクトルPc(k,1)の各ポイント毎の振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφを所定回数N(例えば32回)分加算し、そのNで除算することにより、振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφの平均値を求める。この処理は、連続する2スキャンのデータを入力しながら処理が行われるので、電波干渉がない場合には連続するN+1スキャンのデータを平均することになる。この平均化により、振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφの2次元クロススペクトルPc(k,1)のスキャン毎のばらつきが吸収される。
波浪スペクトル推算手段30は、まず、平均化された2次元クロススペクトルPc(k,1)から振幅スペクトルSaのピーク値を求める。このピーク点の移相スペクトルSφに対応する位相をφとすると、計算波速Wvcは、次の式(5)により求めることができる。
Figure 0003905880
ここに、D:対象領域の一辺の長さ、k,l:2次元クロススペクトルの波数、T:レーダのスキャン時間、である。
一方、波の性質から、波の理論式である波速関係式により決定される理論波速Wvtは、次の式(6)により求めることができる。
Figure 0003905880
ここに、Wl:波長である。
ここで、式(6)の導出について説明すると、まず、一般に、波の分散関係式は式(7)で表される。
Figure 0003905880
ここに、d:水深、kv:波数ベクトル、U:表面の流れ、である。水深が深い場合にはtanh()≒1とすることができ、さらにU=0とすれば、分散関係式は式(8)となる。
Figure 0003905880
波速の一般式Wvt=ω/kvを用いてωを消去すると、kv=2π/Wlとなる。したがって、上記式(6)が求められる。
このように、計算波速Wvcと理論波速Wvtの双方が計算できるから、これらの一致度によって、その元となるデータすなわちレーダデータの信頼性を判定することができる。一例として、計算波速Wvcの理論波速Wvtに対する誤差が±10%以内である場合には、ノイズの少ない正しいデータとして採用し、後段の波浪特性の算出に利用する。そうでない場合には、そのレーダデータによる波浪特性の算出を行わないようにする。
シーステート解析手段32は、採用された位相スペクトルSφについて、そのピーク値周辺±Lの座標内で重心を求め、その位相スペクトルの重心から、波長Wlおよび波向Wdをそれぞれ次の式(9),(10)により求める。
Figure 0003905880
Figure 0003905880
なお、ここでは、2次元FFTを行う場合の一例について示したが、これに替えて3次元FFTやその他の処理を用いることももちろん可能である。
波向変化度取得部16は、波浪演算処理部14によって取得された波向Wdに基づいてこの波向Wdの所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとり、さらにその差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号△Wdavを得る。波向変化度取得部16には、所定のタイミングで(例えば2分おきに)波向Wdが入力される。
ここで波向変化度取得部16の構成および動作の一例について図面を参照して説明する。図3は、波向変化度取得部16の一例を示すブロック図、図4は、波向Wdのベクトル合成の概念を示す図、また図5は、180度処理回路40の演算処理の概念を示す図である。
図3の波向変化度取得部16は、第一の平均処理回路34、減算回路36、絶対値取得回路38、180度処理回路40、および第二の平均処理回路42を含む。
第一の平均処理回路34は、入力された波向Wdの複数(例えば15個)のデータを移動平均した結果を出力する。ここで、その時々の最新の平均出力が取得されるよう、移動平均に使うデータには最新のものが含まれるようにする。一例として15個のデータを用いる場合、過去14個のデータと最新のデータ1個を用いる。
この第1の平均処理回路34での平均化処理は、0(deg)から360(deg)に亘る角度データのベクトル合成で行われる。波向情報Wdの角度θdを、Y軸を基準角度0(deg)として、X軸成分とY軸成分とに分け、X軸側をsin(θd)、Y軸側をcos(θd)とする。連続的に得られる平均化処理に使用する15個の波向情報の角度θdから得る、各X軸成分を加算して加算値ΣXを得、各Y軸成分を加算して加算値ΣYを得る。この加算値ΣX、ΣYから合成角度θg(=atan(ΣY/ΣX))を得る。この合成角度θgは、図示されていないが、加算値ΣX、ΣYの正負によって、種々の象限に存在することになる。なお、atanは、アークタンジェントを表す。また、加算値ΣXが0になったときは演算エラーを防止するために、正の0に近い値、例えば0.000001に置き換える。
波向情報の平均した角度θdavを得るために、合成角度θgを得た加算値ΣXの極性が正であれば、角度θdav=90−θg(deg)とし、その加算値ΣXの極性が負であれば、角度θdav=270−θg(deg)とする。この処理を、新しい波向情報Wdの入力毎に行うことで、移動平均処理とする。
この第1の平均処理回路34での移動平均処理を、図4を参照して具体例で説明する。この移動平均処理は15個の波向情報Wdについて行われるが、説明を簡単にするために、ここでは2個の波向情報Wd1、Wd2の場合を例にする。2個の波向情報Wd1、Wd2の角度θd1、θd2を30(deg)および310(deg)とする。
角度θd1のX軸成分x1=sin(30)=0.5、Y軸成分y1=cos(30)=0.866025であり、角度θd2のX軸成分x2=sin(310)=−0.766044、Y軸成分y2=cos(310)=0.642788である。加算値ΣX、ΣYを用いて、合成角度θgを求めると、θg=atan(ΣY/ΣX)=atan(1.508813/−0.266044)=−80(deg)となる。このときの加算値ΣXの極性は負であるから、平均した波向情報Wdavの角度θdavは350(=270−(−80))(deg)となる。
減算回路36で、そのときの波向情報Wdの角度θdから平均角度θdavを減算して波向変化値を得る。その波向変化値は、角度で示されるが、減算回路36での減算処理によって正負の両極性になっているので、次の180度処理のために絶対値取得回路38で絶対値の角度に変換する。
180度処理回路40では、2分間隔で得られる波向変化値をその角度値に関係なく、連続的に数値処理できるように、波向変化値を180(deg)内に収めるための角度変換処理を行う。この角度変換処理は、図5に示すように、180度処理回路40に入力される波向変化値が、0(deg)以上180(deg)未満の範囲ではそのまま出力し、180(deg)以上360(deg)未満の範囲では、360−(波向変化値)(deg)に変換して、第2の平均処理回路42に出力する。この180度処理によって、波向変化値が0(deg)から360(deg)側へ、あるいは360(deg)から0(deg)側へ変化する場合にも、第2の平均処理回路42での平均処理を容易に行うことができる。
第2の平均処理回路42は、180度処理回路40から入力される波向変化値を移動平均する。この移動平均は、過去の29個の波向変化値と最新の1個の波向変化値を平均するものであり、ばらつきを抑えその時々の最新の平均値を、平均化波向変化信号ΔWdavとして出力する。
制御部(例えばCPU等)18は、波向変化度を含む波浪の状態を表示部(例えばディスプレイ等)20に出力するための表示情報を生成する。図6は、表示部20の表示画面44の一例を示す図である。
図6の例では、表示画面44には、船体を示す表示要素46、最新の波向Wdを示す表示要素48、所定時間における波向Wdの平均角度θdを示す表示要素50、波向Wdの数値表示(指標)52、およびレーダ装置12から得られた海面反射信号の映像54が表示されている。
かかる表示画面44を生成するための情報が、制御部18によって生成される。一例をあげれば、表示要素46,48,50の形状や色、輝度等(ただし色や輝度が変わる要素を除く)は予め設定されており、制御部18は、その前段の波浪演算処理部14や波向変化度取得部16等で取得されたデータを元に、それら表示要素46,48,50を表示する角度(姿勢;指向方向)を決定し、それらを所定のレイアウトで表示するための表示画面44の表示情報(例えば各画素の輝度値等)を生成する。図6は、船舶用の波浪観測装置において船舶の針路(船首方向)が常に画面の上側を指すよう、表示画面44の座標を船舶を基準として決定した場合の例であるが、この場合には、制御部18において、船首方向と波向Wdや平均角度θdとの相対関係から、当該画面座標における各表示要素の角度が取得され、さらに、指定されたレイアウト(表示倍率や表示領域、表示位置等)に合わせて座標変換等の演算処理が行われて表示情報が生成される。表示画面44のレイアウトは、所定の入力部(例えばキーボードやマウス、操作ボタン、スイッチ等)56からの入力信号により適宜変更されるようにしてもよい。なお、もちろん地球座標等の絶対座標系で表示されるように構成してもよいし、必要に応じて相対座標系(例えば船舶固定の座標系)で表示するかあるいは絶対座標系で表示するかを切り替えるようにしてもよい。
波向変化度は、特定の表示要素あるいは表示領域の色によって表示することができる。例えば、制御部18は、予め設定された波向変化度出力ΔWdavと色との相関から、当該波向変化度出力ΔWdavに対応する表示要素50の色を決定し、表示画面44において当該表示要素50をその決定した色で表示させる。その場合、波向変化度に応じて暖色系から寒色系に色彩が段階的にまたは連続的に変化するようにするのが好適である。なお、表示要素50以外の表示要素(46や48)の色を変化させてもよい。
ここで、その色は、波向変化度出力ΔWdavが小さいほど暖色系、大きいほど寒色系とするのが良い場合がある。具体的には、波向変化度出力ΔWdavが0の場合には赤、ΔWdavが所定値以上の場合を青とし、波向変化度出力ΔWdavが0から当該所定値の間で、表示要素50の色(スペクトル)が赤→橙→黄→緑→青と徐々に変化するようにする。かかる設定は、表示画面44において、波向変化度が小さいことがわかりやすくなるようにしたい場合に有効である。
発明者らの研究により、波向変化度と波高との間には、波向変化度が小さいほど波高が高いという一定の相関関係があることが判明した。図7は、ある海域で2分間隔で実際に観測された波向変化度および波高の経時変化を示す図である(約4日分のデータ)。図7を見れば、波高が大きいときには波向変化度が小さくなり、波高が小さいときには逆に波向変化度が大きいという相関があることがわかる。つまり、波向変化度が小さいことがわかりやすくなるようにすることで、波が高い状況あるいは波が高くなりそうな状況を把握しやすくなるという効果が得られる。
一方、航行する場所や天候等によっては、操船上、波向変化度が大きいことの方がより重要になるという場合も考えられる。そのような場合には、上述したのとは逆に、波向変化度出力ΔWdavが小さいほど寒色系、大きいほど暖色系となるように設定してもよい。また、種々のケースを考慮し、波向変化度の大きさに対応した表示態様が所定の入力部(例えばキーボードやマウス、操作ボタン、スイッチ等)56からの入力信号によって切り替わるように構成してもよい。
なお、波向変化度に応じて特定の表示要素(例えば表示要素48,50等)あるいは特定の表示領域の輝度を変化させるようにしても同様の効果が得られる。さらに、色(スペクトル)および輝度の双方が変化するようにしてもよい。この場合、制御部18は、予め設定された波向変化度出力ΔWdavと輝度との相関から、取得された波向変化度出力ΔWdavに対応する輝度を取得すればよい。
このように、本実施形態にかかる波浪観測装置10によれば、波向とともに波向変化度が表示される。こうした表示は、操船者にとっては、当該波向に対応した操船操作を決定するための一助となるものである。なお、波向変化度に替えて波高に応じた表示を行っても同様の効果が得られる。その場合、波浪演算処理部14から上記波高値Whが出力されるようにするか、あるいは別途設けた超音波波高計から波高値を取得するようにし、上述した波向変化度と同様に波高によって色が変化するように構成すればよい。
また、表示画面44において、併せて波速あるいは波長が表示されるようにしてもよい。一例として、所定時間における波向Wdの平均角度θdを示す表示要素50の長さを、波速または波長が大きいほど長く、また波速または波長が小さいほど短くするなど、波速や波長に併せて変化するようにすればよい。
波向変化度を他の表示態様によって出力してもよい。図8はその一例を示す図である。図8は、図6の表示画面44内あるいは他の表示機構に設けた波向変化度の表示領域58の一例を示す図である。この例では、波向変化度ΔWdavを所定値で除算することで無次元化し、その無次元値が0の場合(すなわちΔWdav:0)には指示位置が左端となり、無次元値が1の場合(すなわちΔWdav:所定値)には指示位置が右端となるようにしたものである。さらに、0から指示位置までの領域(ハッチング領域;指示位置の左側の領域)60を色づけしたり、当該領域60の輝度を相対的に高くしたりしてもよい。
以上、説明したように、本実施形態にかかる波浪観測装置によれば、波向変化度がわかりやすく表示されるので、海面あるいは湖面等の波の状況をより詳細にまた迅速に把握することができるようになる。なお、上記実施形態では、レーダ装置に接続された波浪観測装置を例にあげて説明したが、レーダ装置以外から取得された波向に対しても、同様の処理を行うことで同様の効果を得ることは可能である。また、船舶ではなく陸上に固定的に設置される装置を、本発明にかかる波浪観測装置として構成することもできる。
本発明の実施形態にかかる波浪観測装置の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる波浪観測装置に含まれる波浪演算処理部の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる波浪観測装置に含まれる波向変化度取得部の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる波浪観測装置に含まれる平均処理回路で実行される波向のベクトル合成の概念を示す図である。 本発明の実施形態にかかる波浪観測装置に含まれる180度処理回路の演算処理の概念を示す図である。 本発明の実施形態にかかる波浪観測装置の表示部で出力される表示画面の一例を示す図である。 波向変化度および波高の経時変化の一例を示す図である。 本発明の実施形態にかかる波浪観測装置による波向変化度の表示態様の一例を示す図である。
符号の説明
10 波浪観測装置、12 レーダ装置、14 波浪演算処理部、16 波向変化度取得部、18 制御部(表示情報生成部)、20 表示部、22 レーダ信号集録手段、24 レーダ干渉検出手段、26 2次元演算手段、28 平均化手段、30 波浪スペクトル推算手段、32 シーステート解析手段、34 (第一の)平均処理回路、36 減算回路、38 絶対値取得回路、40 180度処理回路、42 (第二の)平均処理回路、44 表示画面、46 船を示す表示要素、48 波向Wdを示す表示要素、50 波向Wdの所定時間の平均値θdを示す表示要素、52 波向Wdの数値を示す表示要素、54 海面反射信号の映像、56 入力部、58 表示領域、60 波向変化度の大きさを示すための領域。

Claims (5)

  1. 船舶に搭載される波浪観測装置であって、
    水面からの反射波のデータに基づいて最新の波向と所定時間における波向の平均値とを含む波向情報を取得する波向情報取得部と、
    前記最新の波向と所定時間における波向の平均値との差に基づいて波向の時間的な変化度を取得する波向変化度取得部と、
    前記波向を示す表示要素または指標と前記波向変化度を示す表示要素または指標とを画面表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、
    を備える波浪観測装置。
  2. 前記波向情報取得部は、レーダ反射波に基づくデータをフーリエ変換し、その変換結果に波の理論式を適用して波スペクトラムを抽出し、その波スペクトラムを用いて波向情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の波浪観測装置。
  3. 前記波向変化度を示す表示要素を画面表示するための表示情報は、画面上の波向を示す表示要素あるいは特定の表示領域の色の情報であり、
    前記表示情報生成部は、画面上の波向を示す表示要素あるいは特定の表示領域の色が波向変化度に応じて変化するよう前記波向変化度を示す表示要素を画面表示するための表示情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の波浪観測装置。
  4. 前記表示情報生成部は、画面上の波向を示す表示要素の色が、波向変化度が大きいほど寒色系の色となり、波向変化度が小さいほど暖色系の色となるよう表示情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の波浪観測装置。
  5. 前記表示情報生成部は、画面上の所定の表示要素あるいは表示領域の輝度が波向変化度に応じて変化するよう表示情報を生成することを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一つに記載の波浪観測装置。
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