JP2016169968A - 表層潮流推定装置、レーダ装置、表層潮流推定方法、及び表層潮流推定プログラム - Google Patents

表層潮流推定装置、レーダ装置、表層潮流推定方法、及び表層潮流推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】第1タイミングでの所定エリア内の表層潮流に対する、第2タイミングでの所定エリア内の表層潮流を算出する。【解決手段】海洋の表層部分の流れである表層潮流を推定するために船舶に装備される表層潮流推定装置であって、互いに異なる2つのタイミングとしての第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出する導出部12,13,14,15と、第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正する補正部16と、を備えた表層潮流推定装置を構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、海洋の表層部分における潮の流れである表層潮流を推定するための表層潮流推定装置、この表層潮流推定装置を備えたレーダ装置、表層潮流を推定するための表層潮流推定方法、及び表層潮流推定プログラムに関する。
従来より、海洋の表層部分の潮の流れである表層潮流を推定するための手法として、例えば特許文献1に示すような手法が知られている。具体的には、特許文献1では、自船近傍のエリア内における波頭フローと、前記エリアとは異なる解析エリア内における波頭フローとの差に基づいて、自船近傍のエリア内の表層潮流に対する解析エリア内の表層潮流(相対表層潮流)を算出する手法が開示されている。
国際公開第2014/192528号
ところで、例えば一例として、所定の目的地へ向かって航行する船舶において、自船が表層潮流の流れに対してどの方向へ航行しているかを把握し、その表層潮流の流れに対して針路を微調整することにより、燃費を向上することが考えられる。この点において、本願発明者は、異なる2つのタイミングを第1タイミング及び第2タイミングと定義した場合において、第1タイミングでの所定エリア内の表層潮流に対する第2タイミングでの前記所定エリア内の表層潮流(以下、本明細書において、単に相対潮流を称する場合もある)を算出することの重要性を見出した。この相対潮流が分かれば、時間経過に伴う表層潮流の変化を把握することができるため、ユーザは、当該表層潮流の変化に応じた操舵を行うことが可能となり、上述のように船舶の燃費を向上することが可能となる。
しかしながら、上記特許文献1に開示される手法によれば、位置が異なる2つのエリアにおける一方のエリアの表層潮流に対する他方のエリアの表層潮流を算出することができるものの、第1タイミングでの所定エリア内の表層潮流に対する第2タイミングでの前記所定エリア内の表層潮流を算出することについては、何ら記載がない。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、第1タイミングでの所定エリア内の表層潮流に対する、第2タイミングでの所定エリア内の表層潮流を算出することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る表層潮流推定装置は、船舶に装備される表層潮流推定装置であって、第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出する導出部と、前記第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、前記第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正する補正部と、を備えている。
(2)好ましくは、前記補正部は、前記第2波頭速度ベクトルから前記第1波頭速度ベクトルを減算することにより、前記第2波頭速度ベクトルを補正する。
(3)好ましくは、各前記タイミングに対応して設定される前記所定エリアは、前記船舶を基準とした相対位置が同じである。
(4)好ましくは、各前記タイミングに対応して設定される前記所定エリアは、絶対位置が同じである。
(5)好ましくは、前記表層潮流推定装置は、ユーザが前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの時間間隔を設定する時間間隔受付部、を更に備えている。
(6)好ましくは、前記表層潮流推定装置は、前記船舶の速度に応じて前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの時間間隔を設定する時間間隔設定部、を更に備えている。
(7)好ましくは、前記表層潮流推定装置は、過去に生成した複数のタイミングでの前記波頭速度ベクトルを記憶する記憶部と、ユーザが、前記記憶部に記憶される複数の前記波頭速度ベクトルの中から2つの前記波頭速度ベクトルを前記第1波頭速度ベクトル及び前記第2波頭速度ベクトルとして抽出する抽出操作受付部、を更に備えている。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係るレーダ装置は、上述したいずれかの表層潮流推定装置と、前記表層潮流推定装置の補正部によって補正された第2波頭速度ベクトルに関する情報を表示する表示器と、を備えている。
(9)好ましくは、前記表示器には、前記補正された第2波頭速度ベクトルの大きさ、及び前記補正された第2波頭速度ベクトルの向き、の少なくとも一方が表示される。
(10)更に好ましくは、前記表示器には、前記補正された第2波頭速度ベクトルの大きさの時間変化、及び前記補正された第2波頭速度ベクトルの向きの時間変化、の少なくとも一方が表示される。
(11)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る表層潮流推定方法は、第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出するステップと、前記第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、前記第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正するステップと、を含む。
(12)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る表層潮流推定プログラムは、第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出するステップと、前記第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、前記第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正するステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、第1タイミングでの所定エリア内の表層潮流に対する、第2タイミングでの所定エリア内の表層潮流を算出できる。
本発明の実施形態に係る相対潮流推定装置、及び該相対潮流推定装置を備えたレーダ装置、の構成を示すブロック図である。 図1に示す相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す第1波頭フロー算出部によって算出された第1波頭フロー分布の一例を示す図である。 図2に示す第2波頭フロー算出部によって算出された第2波頭フロー分布の一例を示す図である。 各波頭速度ベクトル及び相対潮流速度ベクトルのそれぞれを構成する速度ベクトル成分について説明するためのベクトル図であって、(A)は第1波頭速度ベクトル、(B)は第2波頭速度ベクトル、(C)は相対潮流速度ベクトルについて説明するための図である。 海面エコー画像の一例を示す図である。 第2表示器に表示される2つのグラフを示す図であって、(A)は相対潮流速度ベクトルの大きさの時間変化を示すグラフ、(B)は相対潮流速度ベクトルの向きの時間変化を示すグラフ、である。 相対潮流推定装置の動作を示すフローチャートである。 変形例に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図9に示す相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。 図10に示す絶対潮流算出部の動作を示すフローチャートである。 図9に示すレーダ装置の第2表示器で表示される2つのグラフを示す図であって、(A)は絶対潮流速度ベクトルの大きさの時間変化を示すグラフ、(B)は絶対潮流速度ベクトルの向きの時間変化を示すグラフ、である。 変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る相対潮流推定装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係る相対潮流推定装置10、及び相対潮流推定装置10を備えるレーダ装置1について、図を参照して説明する。本発明の実施形態に係るレーダ装置1は、例えば船舶(自船)に装備され、海上の物標(例えば他船)を探知するために用いられる。また、本実施形態に係るレーダ装置1は、相対潮流推定装置10によって、海洋の表層の部分の潮流(表層潮流)に関する情報を得ることができるように構成されている。相対潮流推定装置10は、海上を航行する船舶に装備され、例えば一例として、表層潮流の流れに乗ることにより燃料を節約できるよう、当該船の針路を微調整するために用いられる。
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置1の構成を示すブロック図である。レーダ装置1は、図1に示すように、アンテナユニット2と、信号処理装置3と、第1表示器4aと、第2表示器4b(表示器)と、を備えている。
アンテナユニット2は、アンテナ5と、受信部6と、A/D変換部7と、を含んでいる。
アンテナ5は、指向性の強いパルス状電波を送波可能なレーダアンテナである。また、アンテナ5は、物標からの反射波を受波するように構成されている。レーダ装置1は、パルス状電波を送波してから反射波を受波するまでの時間を測定する。これにより、レーダ装置1は、物標までの距離rを検出することができる。自船と物標とが向かい合う方向は、距離方向として定義される。
アンテナ5は、水平面上で360°回転可能に構成されており、鉛直軸線回りを回転する。アンテナ5は、パルス状電波の送波方向を変えながら(アンテナ5の回転角度を変えながら)、電波の送受信を繰り返し行うように構成されている。以上の構成で、レーダ装置1は、自船周囲の平面上の物標を、360°にわたり探知することができる。
受信部6は、アンテナ5で受波した反射波から得られたエコー信号を検波して増幅する。受信部6は、増幅したエコー信号を、A/D変換部7へ出力する。A/D変換部7は、アナログ形式のエコー信号をサンプリングし、複数ビットからなるデジタルデータ(エコーデータ)に変換する。ここで、上記エコーデータの値は、アンテナ5が受信したエコー信号の強度(信号レベル)を特定するデータを含んでいる。A/D変換部7は、エコーデータを、信号処理装置3の画像生成部8へ出力する。
信号処理装置3は、画像生成部8と、相対潮流推定装置10(表層潮流推定装置)と、を含んでいる。
画像生成部8は、A/D変換部7からのエコーデータに基づき、比較的信号レベルが大きいデータ(例えば他船等)に基づく画像データを生成する。本実施形態では、画像生成部8は、PPI(Plan Position Indicator)画像データを生成する。画像生成部8で生成された画像データは、第1表示器4aに出力される。これにより、ユーザは、自船位置を基準とした他船位置を把握することができる。
また、画像生成部8は、A/D変換部7からのエコーデータに基づき、海面からの反射波に基づき、海面エコー画像を生成する。画像生成部8は、複数のタイミングにおける海面エコー画像を生成する。具体的には、画像生成部8は、アンテナ5の1回転に対応する1スキャン毎に、海面エコー画像を生成する。このように生成された海面エコー画像は、画像生成部8内において記憶される。
相対潮流推定装置10は、海面エコー画像に基づき、所定エリアにおける相対潮流の速度ベクトルを推定するように構成されている。相対潮流推定装置10の構成については、詳しくは後述する。
なお、本実施形態での相対潮流とは、あるタイミング(第1タイミング)での所定エリアにおける表層潮流に対する、前記あるタイミングとは異なるタイミング(第2タイミング)での前記所定エリアにおける表層潮流のことである。表層潮流(絶対表層潮流)とは、海洋における表層部分(一例として、水深数メートルから十数メートル程度までの部分)の潮の流れのことであり、時間によらず流れがほぼ一定である海流とは区別される。表層潮流は、主に、風浪(その場で吹いている風によって引き起こされた波)、及びうねり(他の海域で風によって起こされた波が伝わってきた波)によって引き起こされる。
第1表示器4aは、画像生成部8で生成された画像データ(他船等に起因する画像データ)を表示する。また、第2表示器4bは、相対潮流推定装置10で算出された相対潮流速度ベクトルの大きさの時間変化、及び相対潮流速度ベクトルの向きの時間変化、を表示する。
[相対潮流推定装置の構成]
図2は、図1に示す相対潮流推定装置10の構成を示すブロック図である。相対潮流推定装置10は、図2に示すように、画像選択部11と、第1波頭フロー算出部12と、第2波頭フロー算出部13と、第1解析エリア設定部14と、第2解析エリア設定部15と、相対潮流算出部16(補正部)と、を備えている。なお、第1波頭フロー算出部12及び第1解析エリア設定部14によって、導出部が構成される。同様に、第2波頭フロー算出部13及び第2解析エリア設定部15によって、導出部が構成される。
相対潮流推定装置10は、CPU、RAM及びROM(図示せず)等を含むハードウェアを用いて構成されている。また、相対潮流推定装置10は、ROMに記憶された相対潮流推定プログラムを含むソフトウェアを用いて構成されている。
上記相対潮流推定プログラムは、本発明の一実施形態における相対潮流推定方法を、相対潮流推定装置10に実行させるためのプログラムである。このプログラムは、外部からインストールできる。このインストールされるプログラムは、例えば、記録媒体に格納された状態で流通する。上記ハードウェアとソフトウェアとは、協働して動作するように構成されている。これにより、相対潮流推定装置10を、画像選択部11、第1波頭フロー算出部12、第2波頭フロー算出部13、第1解析エリア設定部14、第2解析エリア設定部15と、及び相対潮流算出部16として機能させることができる。
画像選択部11は、画像生成部8内に記憶される複数の海面エコー画像から、2枚の海面エコー画像を選択する。具体的には、画像選択部11は、最新のスキャン時(p+qスキャン時、第2タイミング時)に得られた海面エコー画像と、当該海面エコー画像が得られたスキャンからqスキャン前に得られた(すなわち、pスキャン時、第1タイミング時に得られた)海面エコー画像と、を選択する。本実施形態では、qの値は、一定値として予め設定されている。
図3は、第1波頭フロー算出部12によって算出された第1波頭フロー分布M1の一例を示す図である。また、図4は、第2波頭フロー算出部13によって算出された第2波頭フロー分布M2の一例を示す図である。
第1波頭フロー算出部12は、画像選択部11によって選択されたpスキャン時の海面エコー画像、及びpスキャン時直前のスキャン時(p−1スキャン時)の海面エコー画像、に基づいて、第1波頭フロー分布M1を算出する。具体的には、第1波頭フロー算出部12は、上述した2枚の海面エコー画像から、波頭のオプティカルフローを算出する。すなわち、第1波頭フロー算出部12は、pスキャン時のオプティカルフローを算出する。なお、ここでは、第1波頭フロー分布M1を算出するために、pスキャンの直前のスキャン時(p−1スキャン時)に得られた海面エコー画像を用いているが、これに限らず、pスキャン時よりも過去のスキャン時に得られた海面エコー画像を用いることにより、第1波頭フロー分布M1を算出してもよい。
なお、オプティカルフローとは、画像中における運動物体(本実施形態では、波頭)の見かけの速度ベクトルの分布である。波頭のオプティカルフローを算出する手法としては、例えば、相関法、勾配法等が挙げられる。これらの手法については、公知であるため、その詳細な説明は省略する。
第2波頭フロー算出部13は、画像選択部11によって選択された最新スキャン時(p+qスキャン時)の海面エコー画像、及び最新スキャン時直前のスキャン時(p+q−1スキャン時)の海面エコー画像、に基づいて、第2波頭フロー分布M2を算出する。具体的には、第2波頭フロー算出部13は、上述した2枚の海面エコー画像から、波頭のオプティカルフローを算出する。すなわち、第2波頭フロー算出部13は、最新スキャン時(p+qスキャン時)のオプティカルフローを算出する。なお、ここでは、第2波頭フロー分布M2を算出するために、(p+q)スキャンの直前のスキャン時(p+q−1スキャン時)に得られた海面エコー画像を用いているが、これに限らず、p+qスキャン時よりも過去のスキャン時に得られた海面エコー画像を用いることにより、第2波頭フロー分布M2を算出してもよい。
第1解析エリア設定部14は、第1波頭フロー算出部12によって算出された波頭のオプティカルフローに対して、第1解析エリアA1(所定エリア)を選択する。具体的には、第1解析エリア設定部14は、自船を基準とした相対的な位置を固定し、当該位置を第1解析エリアA1として選択する。本実施形態では、第1解析エリア設定部14で設定される第1解析エリアA1の位置は、自船を基準とした所定方向及び所定距離によって、予め設定されている。
第2解析エリア設定部15は、第2波頭フロー算出部13によって算出された波頭のオプティカルフローに対して、第2解析エリアA2(所定エリア)を選択する。具体的には、第2解析エリア設定部15は、自船を基準とした相対的な位置を固定し、当該位置を第2解析エリアA2として選択する。第2解析エリア設定部15で選択される所定エリアの自船を基準とした位置は、第1解析エリア設定部14で選択される所定エリアの自船を基準とした位置と同じである。本実施形態では、第2解析エリア設定部15で設定される第2解析エリアA2の位置は、第1解析エリア設定部14で設定される第1解析エリアA1の位置と同様、自船を基準とした所定方向及び所定距離によって、予め設定されている。
相対潮流算出部16は、第2解析エリア設定部15で設定された第2解析エリアA2内の波頭フロー(第2波頭速度ベクトルV2)を、第1解析エリア設定部14で設定された第1解析エリアA1内の波頭フロー(第1波頭速度ベクトルV1)で補正する。具体的には、相対潮流算出部16は、第2波頭速度ベクトルV2から第1波頭速度ベクトルV1を減算する。これにより、相対潮流算出部16では、過去のスキャン時(pスキャン時)に得られた第1解析エリアA1内の波頭速度ベクトルV1を基準とした、最新スキャン時(p+qスキャン時)に得られた第2解析エリアA2内の波頭速度ベクトルV2、すなわち相対潮流速度ベクトルVAが算出される。
図5は、各波頭速度ベクトルV1,V2及び相対潮流速度ベクトルVAのそれぞれを構成する速度ベクトル成分について説明するためのベクトル図であって、(A)は第1波頭速度ベクトルV1、(B)は第2波頭速度ベクトルV2、(C)は相対潮流速度ベクトルVAについて説明するための図である。図5に示すように、第1波頭速度ベクトルV1及び第2波頭速度ベクトルV2は、それぞれ、主な成分として、波浪速度ベクトルV1a,V2aと、絶対潮流速度ベクトルV1b,V2bと、観測誤差ベクトルV1c,V2cと、が合成された速度ベクトルとして表すことができる。波浪速度ベクトルV1a,V2aは、海面の高低運動である波浪の速度ベクトルである。また、絶対潮流速度ベクトルV1b,V2bは、表層潮流(絶対表層潮流)の速度ベクトルである。また、観測誤差ベクトルV1c,V2は、アンテナ5の方位に依存する観測誤差のベクトルである。
第2波頭速度ベクトルV2を第1波頭速度ベクトルV1で減算すると、以下の理由により相対潮流速度ベクトルVAが算出される。
双方の波頭速度ベクトルV1,V2に含まれる波浪速度ベクトルV1a,V1bは、主に風の影響により引き起こされる速度ベクトルであり、短時間(pスキャン時と、p+qスキャン時)では大きく変化せず、概ね同じである。よって、上記減算結果から、それぞれに含まれる波浪速度ベクトルV1a,V1bが相殺される。
また、双方の波頭速度ベクトルV1,V2に含まれる観測誤差ベクトルV1c,V2cは、アンテナの方位方向に依存する誤差ベクトルである。ここで、観測誤差ベクトルについて、以下で説明する。
図6は、海面エコー画像の一例を示す図である。図6は、白抜き矢印方向に風が吹いていて、その矢印方向に波頭が進行している状態を示している。
自船周辺エリアにおける実際の波峰線は、当該エリア全体に亘って線状に発生しているが、図6に示すエコー画像では、方位毎にエコーの見え方が異なっている。
具体的には、領域Xのエコー画像では、実際の波峰線に近い形状のエコーが観測される。これは、自船に装備された本実施形態に係るレーダ装置1のアンテナ5からの送信波が、波峰線に対して略垂直な方向から入射するため、波峰線の実際の形状を的確に画像に反映できるためである。
一方、領域Yのエコー画像では、実際の波峰線とは異なるドット状のエコーが観測される。これは、アンテナ5からの送信波が、波峰線の側方から入射するため、波峰線が線状に映らずドット状に映るためである。
また、領域Zのエコー画像では、エコー画像が観測されていない。これは、自船付近に障害物があり、この障害物によってアンテナ5からの送信波が遮られているためである。
上述のように、実際は自船周辺エリアの全領域に亘って線状に発生している波峰線が、方位によって異なるエコー画像として表示される。本明細書では、このようにアンテナ5の方位方向によって見え方が異なる誤差のベクトルを、観測誤差ベクトルと称する。なお、この観測誤差ベクトルは、うねり等が原因となる場合もある。
本実施形態では、第1波頭速度ベクトルV1及び第2波頭速度ベクトルV2が抽出されるエリア、すなわち第1解析エリアA1及び第2解析エリアA2は、自船を基準とした相対的な位置が同じとなるように設定される。従って、上記減算結果からは、それぞれに含まれる観測誤差ベクトルV1c,V2cが相殺される。
よって、上記減算結果から得られるベクトル成分には、p+qスキャン時に得られた絶対潮流速度ベクトルV2bから、pスキャン時に得られた絶対潮流速度ベクトルV2aを減算したベクトル、すなわち相対潮流速度ベクトルVAが算出される。
相対潮流算出部16は、最新のスキャン(p+q)時の海面エコー画像が得られる毎に、最新の相対潮流速度ベクトルVAを算出する。このように相対潮流算出部16によって順次、算出された相対潮流速度ベクトルVAに関する情報は、順次、第2表示器4bへ通知される。
図7は、第2表示器4bに表示される2つのグラフを示す図であって、(A)は相対潮流速度ベクトルの大きさの時間変化を示すグラフ、(B)は相対潮流速度ベクトルの向きの時間変化を示すグラフ、である。
図7(A)に示すグラフは、レーダ装置1を起動してから最初に算出された相対潮流速度ベクトルVAの大きさ(すなわち、相対潮流速度ベクトルVAの大きさの初期値)を基準とした場合における、その後の相対潮流速度ベクトルVAの大きさの時間変化を示している。すなわち、ユーザは、図7(A)のグラフを見れば、相対潮流速度ベクトルVAの大きさの初期値と比べて、所望の位置における表層潮流の速さがどの程度変化したかを把握することができる。
また、図7(B)に示すグラフは、レーダ装置1を起動してから最初に算出された相対潮流速度ベクトルVAの向きを基準とした場合における、その後の相対潮流速度ベクトルVAの向きの時間変化を示している。すなわち、ユーザは、図7(B)のグラフを見れば、相対潮流速度ベクトルVAの最初の向きと比べて、所望の位置における表層潮流の向きがどの程度変化したかを把握することができる。
[相対潮流推定装置の動作]
図8は、相対潮流推定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。以下では、図8を用いて、相対潮流推定装置10の動作を説明する。
まず、ステップS1では、画像選択部11が、画像生成部8に記憶されている複数の海面エコー画像の中から、2枚の海面エコー画像を選択する。具体的には、画像選択部11は、最新スキャン(p+q)時に得られた海面エコー画像と、最新スキャンからqスキャンのスキャンp時に得られた海面エコー画像と、を選択する。
次に、ステップS2Aでは、第1波頭フロー算出部12が、スキャンp時に得られた海面エコー画像に基づき、波頭のオプティカルフロー(第1波頭フロー分布M1)を算出する。
次に、ステップS3Aでは、第1解析エリア設定部14が、ステップS2Aで算出された第1波頭フロー分布M1に対して、第1解析エリアA1を選択する。
ステップS2B及びステップS3Bは、上述したステップS2A及びステップS2Bと並行して、又は、上述したステップS2A及びステップS2Bの前又は後に、行われる。
ステップS2Bでは、第2波頭フロー算出部13が、スキャン(p+q)時に得られた海面エコー画像に基づき、波頭のオプティカルフロー(第2波頭フロー分布M2)を算出する。
次に、ステップS3Bでは、第2解析エリア設定部15が、ステップS2Bで算出された第2波頭フロー分布M2に対して、第2解析エリアA2を選択する。上述したように、第2解析エリアA2の自船を基準とした距離及び方向は、第1解析エリアA1の自船を基準とした距離及び方向と同じである。
次に、ステップS4では、相対潮流算出部16が、第2解析エリアA2に含まれる第2波頭速度ベクトルV2から、第1解析エリアA1に含まれる第1波頭速度ベクトルV1を減算することにより、相対潮流速度ベクトルVAを算出する。この相対潮流速度ベクトルVAは、アンテナ5が1回転する毎に(すなわち、スキャンが行われる毎に)算出される。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る相対潮流推定装置10では、互いに異なる2つのタイミング(第1タイミング及び第2タイミング)のそれぞれで導出された解析エリアA1,A2内の波頭速度ベクトルV1,V2に基づいて、相対潮流速度ベクトルVAが算出される。具体的には、相対潮流推定装置10では、一方の波頭速度ベクトル(第2波頭速度ベクトルV2)を他方の波頭速度ベクトル(第1波頭速度ベクトルV1)で補正している。こうすると、図5に示すように、双方の波頭速度ベクトルV1,V2に含まれている波浪速度ベクトルV1a,V1bが相殺される。同様に、双方の波頭速度ベクトルV1,V2に含まれている観測誤差ベクトルV1c,V2cが相殺される。これにより、相対潮流推定装置10では、図5(c)に示すように、一方の波頭速度ベクトルV2に含まれる絶対潮流速度ベクトルV2bから、他方の波頭速度ベクトルV1に含まれる絶対潮流速度ベクトルV2aが減算されたベクトル、すなわち相対潮流速度ベクトルVAが算出される。
従って、相対潮流推定装置10では、第1タイミングでの所定エリア(解析エリアA2)内の表層潮流に対する、第2タイミングでの所定エリア(解析エリアA1)内の表層潮流を算出することができる。
そして、上述のようにして算出された相対潮流速度ベクトルVAを用いれば、例えば一例として、所定の目的地へ向かって航行する船舶において、燃費を向上することが可能となる。具体的には、船舶の操舵者が、相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向きに応じて針路を微調整することにより、適切な針路を選択することができる。すなわち、相対潮流推定装置10によれば、燃費向上の観点において優れた装置を提供できる。
また、相対潮流推定装置10では、第2波頭速度ベクトルV2を第1波頭速度ベクトルV1で減算することにより、相対潮流速度ベクトルVAを算出している。これにより、相対潮流速度ベクトルVAを適切に算出することができる。
また、相対潮流推定装置10では、相対潮流速度ベクトルVAが算出される解析エリアA1,A2を、自船を基準とした相対位置が同じとなるように設定される。この場合、例えば一例として、解析エリアA1,A2を自船近傍に設定することにより、自船が表層潮流の流れに乗って航行しているか否かを確認することができる。
また、レーダ装置1では、相対潮流速度ベクトルVAに関する情報(本実施形態の場合、相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向き)が、第2表示器4bに表示される。これにより、本実施形態によれば、相対潮流速度ベクトルVAに関する情報を容易に認識可能なレーダ装置を提供できる。
また、レーダ装置1では、相対潮流速度ベクトルVAの大きさの時間変化、及び相対潮流速度ベクトルVAの向きの時間変化、の双方が表示される。これにより、ユーザは、相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向きが、時間経過に応じてどの程度変化したかを容易に把握できるため、利便性に優れたレーダ装置1を提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
[変形例]
(1)図9は、変形例に係るレーダ装置1aの構成を示すブロック図である。図9に示すように、本変形例に係るレーダ装置1aは、上記実施形態に係るレーダ装置1が有する構成要件の他に、潮流計9を備えている。また、本変形例の相対潮流推定装置10aは、上記実施形態の相対潮流推定装置10が有する構成要件の他に、絶対潮流算出部17を備えている。
潮流計9は、レーダ装置1aが設けられた船舶に装備されている。潮流計9は、例えば一例として、ドップラーソナーで構成されている。潮流計9によれば、表層潮流速度の大きさ及び方向を計測することができる。潮流計9で計測された表層潮流速度の大きさ及び方向は、相対潮流推定装置10aへ通知される。
図10は、図9に示す相対潮流推定装置10aの構成を示すブロック図である。絶対潮流算出部17は、潮流計9から通知された表層潮流速度の大きさ及び方向と、相対潮流算出部16から通知された相対潮流速度ベクトルとに基づき、表層潮流(絶対表層潮流)の速度の大きさ及び方向を算出する。
図11は、絶対潮流算出部17の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS10では、相対潮流算出部16から、相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向きが、絶対潮流算出部17へ通知される。
次に、ステップS11では、絶対潮流算出部17へ通知された相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向きが、レーダ装置1aを起動してから最初に通知されたものであるか否かが判定される。最初に通知されたものであった場合(ステップS11のYes)、絶対潮流算出部17は、このときの相対潮流速度ベクトルVAが算出されたスキャン時に対応するタイミングで計測された潮流計9での検出値(絶対潮流の大きさ及び向き)を、当該絶対潮流算出部17で最初に算出される絶対潮流の大きさ及び向きとして記憶する(ステップS12)。そして、次に、ステップS13において、当該記憶された絶対潮流の大きさ及び向きを、第2表示器4bに通知する。
一方、ステップS11において、絶対潮流算出部17へ通知された相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向きが、最初に通知されたものでなかった場合(ステップS11のNo)、絶対潮流算出部17は、その時点で自身が記憶している絶対潮流の大きさ及び向きのそれぞれに、相対潮流算出部16から出力された相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び向きのそれぞれを加算することにより、最新の絶対潮流速度ベクトルを算出する(ステップS14)。そして、絶対潮流算出部17は、その時点で記憶している絶対潮流速度ベクトルの大きさ及び方向を、新たに算出した絶対潮流速度ベクトルの大きさ及び方向で置き換えて記憶する(ステップS15)。新たに記憶された絶対潮流速度ベクトルの大きさ及び方向は、第2表示器4bに通知される(ステップS13)。
図12は、本変形例のレーダ装置1aが有する第2表示器4bに表示される2つのグラフを示す図であって、(A)は絶対潮流速度ベクトルの大きさの時間変化を示すグラフ、(B)は絶対潮流速度ベクトルの向きの時間変化を示すグラフ、である。
図12(A)に示すグラフでは、上述した図7(A)に示すグラフとは異なり、表層潮流速度ベクトルの大きさの絶対値を読み取ることができる。これにより、ユーザは、現在、及び過去の所定時刻における表層潮流の速さを把握することができる。また、図12(B)に示すグラフでは、上述した図7(B)に示すグラフとは異なり、表層潮流速度ベクトルの向きを読み取ることができる。これにより、ユーザは、現在、及び過去の所定時刻における表層潮流の向きを把握することができる。
以上のように、本変形例に係るレーダ装置1aでは、表層潮流速度ベクトルの大きさ及び向きを算出することができる。
(2)図13は、変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10bの構成を示すブロック図である。上記実施形態に係るレーダ装置1は、相対潮流速度ベクトルVAを算出する基となる2つの海面エコー画像を、ユーザが任意で設定することができないように構成されていた。しかしながら、本変形例に係るレーダ装置では、上述した2つの海面エコー画像を、ユーザが任意で設定できる。
本変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10bは、図13に示すように、時間間隔受付部18を有している。時間間隔受付部18は、ユーザが、相対潮流速度ベクトルVAを算出する基となる2つの海面エコー画像が取得される時間間隔を入力することにより、当該時間間隔を受け付ける。そして、画像選択部11は、選択する2つの海面エコー画像のそれぞれが生成されたスキャンの時間間隔が、ユーザによって入力された時間間隔となるように、2つの海面エコー画像を選択する。具体的には、画像選択部11は、最新のスキャン時における海面エコー画像と、当該海面エコー画像が得られたスキャンの時刻から上記時間間隔だけ遡ったスキャン時における海面エコー画像と、を選択する。これにより、本変形例に係るレーダ装置では、ユーザが、相対潮流速度ベクトルを算出する基となる2つの海面エコー画像を任意で選択できる。
(3)図14は、変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10cの構成を示すブロック図である。上記実施形態に係るレーダ装置1では、解析エリアA1,A2の位置が、装置側によって予め設定されていたが、これに限らない。
本変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10cは、図14に示すように、ユーザ設定部19を有している。ユーザ設定部19は、ユーザが操作機器(図示省略)等を適宜操作して解析エリアA1,A2の位置を設定することにより、その位置に解析エリアA1,A2の位置を設定する。これにより、本変形例に係るレーダ装置では、ユーザが、所望の地点における相対潮流速度ベクトルを知ることができる。
(4)図15は、変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10dの構成を示すブロック図である。上記実施形態に係るレーダ装置1では、相対潮流速度ベクトルVAを算出する基となる2つの海面エコー画像のスキャン間隔が固定されていたが、これに限らない。
本変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10dは、図15に示すように、時間間隔設定部20を有している。時間間隔設定部20は、例えば一例として、レーダ装置が装備された船舶の速度に応じて、相対潮流速度ベクトルVAを算出する基となる2つの海面エコー画像が取得される時間間隔を設定する。例えば一例として、時間間隔設定部20は、船舶の速度が速い場合には、上記時間間隔を狭くする一方、船舶の速度が遅い場合には、上記時間間隔を広くする。
一般的に、2つの地点を考えた場合、両者が近接していれば表層潮流の差は小さく(すなわち、相対潮流速度ベクトルは0に近く)なり易く、両者が離間していれば表層潮流の差は大きく(すなわち、相対潮流速度ベクトルは大きく)なり易い。よって、仮に船舶の速度が遅い場合に上記時間間隔を小さくすると、算出される相対潮流速度ベクトルVAの大きさ及び方向が小さくなり、図7(A)及び(B)に示すグラフが、非常に見づらいグラフとなってしまう。
この点につき、本変形例にように、船舶の速度が遅い場合に上記時間間隔を大きくすると、相対潮流速度ベクトルVAを大きくできるため、図7(A)及び(B)に示すグラフの上下動が大きくなり易い。よって、本変形例によれば、相対潮流速度ベクトルVAの時間経過に伴う変動を把握しやすくなる。
一方、船舶の速度が速い場合には、上記時間間隔を狭くしても、相対潮流速度ベクトルVAが算出される2つの地点(解析エリア)の絶対位置が十分に離間する。よって、上記時間間隔を狭くしても相対潮流速度ベクトルVAの時間経過に伴う上下動の大きさを十分に確保でき、図7(A)及び(B)に示すグラフの見やすさを維持できる。
(5)上記実施形態では、解析エリアA1,A2が、自船を基準とした相対位置が一定となるように設定されたが、これに限らない。具体的には、絶対位置(緯度及び経度)が同じとなるように解析エリアA1,A2が設定されてもよい。
(6)上記実施形態に係るレーダ装置1の使用目的として、船舶の燃費向上を一例に挙げたが、これに限らず、例えば一例として、漁獲高を向上させる目的として用いることもできる。この場合、海上の所望の位置における相対潮流を把握して魚群の挙動を推測することにより、漁獲高を向上することが可能となる。
(7)図16は、変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10eの構成を示すブロック図である。本変形例では、ユーザが、任意の2つの時刻を選択することにより、各時刻に対応するスキャン時に得られた2つの海面エコー画像に基づいて、相対潮流速度ベクトルVAを算出することができる。
本変形例に係るレーダ装置の相対潮流推定装置10eは、記憶部21及び抽出操作受付部22を有している。
記憶部21は、画像生成部8によって生成された各スキャンに対応する海面エコー画像を記憶する。記憶部21は、過去の所定時間(例えば一例として、過去の数時間)に生成された海面エコー画像を、全て記憶する。
抽出操作受付部22は、記憶部21に記憶されている多数の海面エコー画像の中から、ユーザによって選択される2つの時刻(例えば一例として、現在から1時間前、及び現在から2時間前)のそれぞれに対応する海面エコー画像を抽出して選択する。これにより、本変形例によれば、任意の過去の2つの時刻の間の相対潮流速度ベクトルを算出することができるため、利便性に優れたレーダ装置を提供できる。
(8)図17は、本発明の実施形態に係る相対潮流推定装置10(表層潮流推定装置)の構成を示すブロック図である。上記実施形態では、本発明の適用例として、アンテナユニット2、第1表示器4a、及び第2表示器4bを備えたレーダ装置1を例に挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、本発明を、図17に示すような、アンテナユニット2及び各表示器4a,4bが省略された構成において適用することもできる。
(9)上記実施形態では、図7に示すように、第2表示器4bに2つのグラフ(相対潮流速度ベクトルの大きさの時間変化を示すグラフ、及び相対潮流速度ベクトルの向きの時間変化を示すグラフ)が表示される例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、第2表示器4bに、上述した2つのグラフのうちのいずれか一方のみが表示されてもよい。また、第2表示器4bには、上述した2つのグラフが表示されなくてもよく、例えば一例として、最新の相対潮流速度ベクトルの大きさ及び向きが表示されてもよい。
1,1a レーダ装置
10,10a〜10e 相対潮流推定装置(表層潮流推定装置)
12 第1波頭フロー算出部(導出部)
13 第2波頭フロー算出部(導出部)
14 第1解析エリア設定部(導出部)
15 第2解析エリア設定部(導出部)
16 相対潮流算出部(補正部)

Claims (12)

  1. 船舶に装備される表層潮流推定装置であって、
    第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出する導出部と、
    前記第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、前記第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正する補正部と、
    を備えていることを特徴とする、表層潮流推定装置。
  2. 請求項1に記載の表層潮流推定装置において、
    前記補正部は、前記第2波頭速度ベクトルから前記第1波頭速度ベクトルを減算することにより、前記第2波頭速度ベクトルを補正することを特徴とする、表層潮流推定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の表層潮流推定装置において、
    各前記タイミングに対応して設定される前記所定エリアは、前記船舶を基準とした相対位置が同じであることを特徴とする、表層潮流推定装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の表層潮流推定装置において、
    各前記タイミングに対応して設定される前記所定エリアは、絶対位置が同じであることを特徴とする、表層潮流推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表層潮流推定装置において、
    ユーザが前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの時間間隔を設定する時間間隔受付部、を更に備えていることを特徴とする、表層潮流推定装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表層潮流推定装置において、
    前記船舶の速度に応じて前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの時間間隔を設定する時間間隔設定部、を更に備えていることを特徴とする、表層潮流推定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表層潮流推定装置において、
    過去に生成した複数のタイミングでの前記波頭速度ベクトルを記憶する記憶部と、
    ユーザが、前記記憶部に記憶される複数の前記波頭速度ベクトルの中から2つの前記波頭速度ベクトルを前記第1波頭速度ベクトル及び前記第2波頭速度ベクトルとして抽出する抽出操作受付部、を更に備えていることを特徴とする、表層潮流推定装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表層潮流推定装置と、
    前記表層潮流推定装置の補正部によって補正された第2波頭速度ベクトルに関する情報を表示する表示器と、
    を備えていることを特徴とする、レーダ装置。
  9. 請求項8に記載のレーダ装置において、
    前記表示器には、前記補正された第2波頭速度ベクトルの大きさ、及び前記補正された第2波頭速度ベクトルの向き、の少なくとも一方が表示されることを特徴とする、レーダ装置。
  10. 請求項9に記載のレーダ装置において、
    前記表示器には、前記補正された第2波頭速度ベクトルの大きさの時間変化、及び前記補正された第2波頭速度ベクトルの向きの時間変化、の少なくとも一方が表示されることを特徴とする、レーダ装置。
  11. 表層潮流推定方法であって、
    第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出するステップと、
    前記第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、前記第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正するステップと、
    を含むことを特徴とする、表層潮流推定方法。
  12. 表層潮流推定プログラムであって、
    第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれにおいて、所定エリア内における水面の波頭速度ベクトルを導出するステップと、
    前記第2タイミングでの波頭速度ベクトルである第2波頭速度ベクトルを、前記第1タイミングでの波頭速度ベクトルである第1波頭速度ベクトルで補正するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする、表層潮流推定プログラム。
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