JP3905257B2 - 新規なジオール化合物及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジエタノールアミンの窒素原子に結合する水素をβ位に、例えば疎水性の高級アルキル基、親水性のポリオキシエチレン基、及び撥水性や防汚性を付与するフッ素化アルキル基やシリコーン系の基、または高誘電性のシアノ基やニトロ基を置換したエチル基で置換したジオール化合物及び前記ジオール化合物、特に疎水性、撥水性、撥油性などを持つジオール化合物を、ほぼ化学量論量で、一段階の反応により製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
ジオール化合物は、ポリウレタンやポリエステルの製造原料として有用であり、ジオール化合物の化学構造は得られる前記ポリマーに所望の特性、例えば前記したような疎水性、親水性、撥水性、撥油性などの特性を付与するのに重要である。上記のことから、原料としてのジオール化合物の豊富化は、新たな前記ポリマーの用途の開発という面からも重要である。ところで、従来前記ポリマー、特にウレタンの合成に使用され、または使用目的で製造されているジオール化合物類としては、図1に記載のものが知られている。これら中にはN原子を含むジオール化合物もあり、これらは四級化してカチオン性などの特性を付与する化合物として使用されている。しかしながら、これらの化合物の合成は比較的複雑である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、N原子を含むジオールをより簡単な反応により、高収率、例えば最も好ましい理論収率で得られるジオール化合物の合成法および新規な化合物を設計し、得られるポリウレタンやポリエステルに多様性を持たせ、かつ、ジオール化合物の製造の容易性を改善することを考え、鋭意検討する中で、活性水素を持つジエタノールアミンとα,β−不飽和化合物とのマイケル付加反応によって種々の新規なジエタノール化合物がほぼ理論量で得られることを発見し、本願発明を完成したのである。マイケル付加反応そのものはよく知られた反応であるが、本発明のジオール化合物の合成反応に用いることは全く前例がない。従って、本発明の課題は、前記新規なジオール化合物を提供すること、および前記ジオール化合物の新規製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、一般式1で表されるジエタノールアミンの窒素原子に結合する水素をβ位に置換基を持つエチル基で置換したジオール化合物である。
【0005】
【化3】
【0006】〔式中、X=COORであり、Y=Hであり、R=(CH2CH2−O)pOCCH3(式中pは、1〜1000である。)である。〕また、
本発明の第2は、HOCH2CH2−NH−CH2CH2OHと一般式2で表されるα,β−不飽和化合物
【0007】
【化4】
【0008】
(ここで、XおよびYは、一般式1に同じ)とを混合して常温乃至130℃でジエタノールアミンを一般式2の化合物に付加反応させることにより前記一般式1の化合物を製造する方法、好ましくは、一般式2で表されるα,β−不飽和化合物と反応しない溶媒中で反応させることを特徴とする前記一般式1の化合物の製造方法である。
【0009】
【本発明の実施の態様】
本発明をより詳細に説明する。
A.ジオール化合物について。本発明で使用する、α.β−不飽和化合物としては、ポリマーに要求される種々の特性、特に疎水性、撥水性、防汚性の特性を付与するものとして、高級アルキル基、フッ素化アルキル基、シリコーン基を持つものが使用される。勿論、前記以外に種々の機能を持つ基、官能基を持つものを使用することができる。
B.ジオール化合物の製造方法について。
本発明のジオール化合物の製造反応である、マイケル付加反応は室温乃至130℃で実施することができ、好ましくは室温乃至100℃であり、更に好ましくは室温乃至50℃であり、反応はほぼ定量的に進行する。換言すれば、副反応が起こらないため高純度のジオール化合物が得られる。また、反応を進行させるのに溶媒は特に必要ないが、、ジエタノールアミンおよびこれらの反応に関与しないもの、特に前記α,β−不飽和化合物が固体の場合にはそれを溶かす溶媒が好ましく、エーテル系溶媒では、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン系溶媒では、アセトン、メチルエチルケトンなど、双極性溶媒では、 ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど、芳香族系溶媒では、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。前記反応は、(1)凝縮器、撹拌機などを備えた反応器中に前記両原料を入れ、場合によっては加熱して、(2)両原料を反応器に滴下させ、または(3)α,β−不飽和化合物に、アミンを滴下して反応を進行させることができる。
【0010】
【実施例】
参考例1
一般式1において、Y=H、X=COOR、R=CnH2n+1、n=1の化合物の合成。前記(1)の方法で、温度50℃、24時間反応させた。収率は、ほぼ100%であった。得られた化合物のNMRスペクトルを図2に示す。測定条件は、270MHzの核磁気共鳴分析装置(Hitachi)を用い、CDCl3(溶媒)、内部基準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて行った。図3は、前記反応の経過をビニル基の減少を測定することによって追跡した結果を示しており、ビニル基の完全な消失(ほぼ10時間後)は反応の収率が100%であることを示している。
【0011】
実施例1
一般式1において、Y=H、X=COOR、R=(CH2CH2−O)pCH3,p=9の化合物の合成。前記実施例1と同様の条件によって合成した。収率も実施例1と同様にほぼ100%であった。得られた化合物のNMRスペクトルを図4に示す(測定条件は実施例1と同じ)。
【0012】
一般式2において、X=COOR,R=(CH 2 CH 2 −O) p OCCH 3 (式中pは、1〜1000である。)の場合においても、実施例1と同様の条件で、これに相当する一般式1で表される、化合物が得られる。また、他のXおよびYで表される化合物も、同様にして得ることができる。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の化合物は、一般式2で表されるα,β−不飽和化合物にジエタノールアミンをマイケル付加させることによって、化学量論的な反応により目的とするジオール化合物が、容易に、且つ高純度で得られるという、優れた効果がもたらされる。また、前記したように親水性、疎水性、撥水性などの基を持ったジオール化合物が容易に得られることから、これらを原料としてイソシアネート化合物との反応により種々の化合物を合成することが可能となり、ポリウレタンの開発に大いに貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 市販のまたは公知の合成ジオール化合物。
【図2】 参考例1の合成化合物のNMRスペクトル
【図3】 参考例1の反応の経過をビニル基の減少を測定することによって追跡した結果
【図4】 実施例1の合成化合物のNMRスペクトル
Claims (3)
- 一般式2で表されるα、β−不飽和化合物と反応しない溶媒中で反応させることを特徴とする請求項2に記載の請求項1に記載の一般式1の化合物の製造方法。
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JP23733399A JP3905257B2 (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 新規なジオール化合物及びその製造法 |
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JP23733399A JP3905257B2 (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 新規なジオール化合物及びその製造法 |
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JP23733399A Expired - Fee Related JP3905257B2 (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 新規なジオール化合物及びその製造法 |
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