JP3904913B2 - 車両用シートの荷重検出構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シート側部材からの入力荷重を検出する荷重検出手段を、シートの下方でシート側部材と床体側のレッグ部材との間に架設状に配してなる車両用シートの荷重検出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートに入力される入力荷重値を検出することにより着座者の体重を計測し、その着座者の種別、つまり子供か大人か等の判別結果に応じてエアバッグ等の各種装備品に対する動作をコントロール可能とした構成が、たとえば特開平11−304579号公報において開示されている。
【0003】
この、特開平11−304579号公報にも開示されているように、着座者の体重を計測する構成、いわゆる荷重検出手段としては、たとえば、その荷重を荷重センサ等で直接的に受けるもの、あるいはその荷重を起歪部材で直接的に受け、この起歪部材の歪曲量を歪みゲージで検出することによってその荷重を検出するもの等が知られている。
【0004】
いずれにしても、この種の荷重検出手段はシートに入力される荷重を直接的に受けるものであるため、大人から子供までの広範囲の体重を明確に検出し判別する高い検出感度の確保、および衝突等の緊急時に作用される過大荷重から保護する高い保護性能の確保が、この荷重検出手段には要求される。
【0005】
ここで、前出の特開平11−304579号公報においては、シートの変位を規制することで荷重検出手段への過大な負荷の入力を防止可能とする変位規制機構を、荷重検出手段に保護性能を付加させる構成として設けている。そして、この公知の変位規制機構は、剛性の高い係合部材間の係合のもとでシートの過剰な昇降を規制可能とするものとして構成されている。
【0006】
このような変位規制機構を設けることにより、シートの過剰な昇降が確実に規制される。つまり、荷重検出手段への過大荷重の入力が、このシートの昇降規制のもとで制限されるため、これによれば、荷重検出手段の安全性が確実に向上されることになる。
【0007】
そして、このような変位規制機構を設けることにより、荷重検出手段自体への高い保護性能の要求は軽減される。つまり、高い検出感度を確保しつつ、それに対する保護性能を付加することが可能となるため、高い検出感度と高い保護性能との両立が、この前出の構成においては確立可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動等のシートに作用される過大荷重は、衝突等の緊急時に作用するものばかりでない。つまり、比較的体重の重い大人の着座者が急激に着座したとき等に生じる瞬間的な入力荷重や、急な段差等を含む悪路の走行時等における、著しく大きな上下振動による瞬間的な入力荷重等も、着座者の体重による通常荷重より著しく大きな荷重であるから、これらも、荷重検出手段に悪影響を及ぼす過大荷重であるといえる。
【0009】
ここで、公知の変位規制機構であれば、これらの瞬間的な過大荷重に対してもその保護性能は十分に確保できる。しかしながら、この公知の変位規制機構は、剛性の高い係合部材間を係合させること等によって、シートの過剰な変位を規制可能とするものであるため、その作動に伴う衝撃、およびその際の異音の発生等が避けられない。
【0010】
衝突等の緊急時であれば、このような衝撃、あるいは異音等の発生は特に問題とならない。しかし、瞬間的な過大荷重は、着座者の通常の着座状態において発生する荷重であるため、変位規制機構の作動のもとでその衝撃、および異音等が発生すると、これらを原因とした違和感、不快感等を着座者に感じさせる虞れが多分にある。つまり、公知の構成においては、保護性能の確保による安全性が得られるものの、それに伴う快適性の低下という弊害も、それと同時に発生しかねない。
【0011】
そして、公知の構成においては、高い検出感度を得ることを目的として、歪曲を得る起歪部材のほかに、アーム部材等の補助部材を設けている。つまり、公知の構成においては、部品点数の増加等による構成の複雑化が避けられない。
【0012】
また、公知の荷重検出構造は、シート側部材、およびレッグ部材を含む全体的な構成として具体化されている。つまり、公知のものは、シート側部材、およびレッグ部材への取り付けのもとでその形態をなす構成であるため、その組立工程、特に荷重検出手段全体の組立工程が複雑化し、作業性の低下を招きやすい。
【0013】
この発明は、高い検出感度と高い保護性能との両立に加えて、保護機能作動時における快適性、および安全性の向上をも、構成の複雑化等を招くことなく可能とした車両用シートの荷重検出構造の提供を目的としている。
【0014】
また、その全体的な組立の容易な車両用シートの荷重検出構造の提供を、この発明の別の目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の車両用シートの荷重検出構造においては、荷重検出手段が、復元力を持った可歪性素材からなる、長手平板形状の起歪板と、起歪板一端部への重ね合わせのもとで配置され、取付ボルトを遊挿可能とするカシメスリーブの連続貫通後のカシメにより、この起歪板一端部に一体的に固定された補剛板と、枢支ピンの貫通可能な挿通孔を有して、起歪板他端部に一体的に固定された支持サポート部材と、補剛板と支持サポート部材との間に規定された起歪板中間領域の上下いずれかの面に固定的に配された、起歪板の歪み量変化を検出可能な歪みゲージと、起歪板一端部の先端上下面を覆って固定的に配された、弾性部材としてなる緩衝カバー体とを備えて予めユニット化されている。
【0016】
そして、取付ボルトによる締め付けの不能なばか孔がレッグ部材の下壁に設けられ、このばか孔、およびカシメスリーブを連続挿通した後の取付ボルトを、シート側部材に固定された固定ナットに螺着することにより、起歪板一端部を、その締結のもとでシート側部材に一体的に固定するとともに、支持サポート部材への貫通を経たレッグ部材の対向縦壁間での枢支ピンの架設挿着によって、この支持サポート部材をレッグ部材の対向縦壁間に軸支することにより、前記荷重検出手段を、そのユニット体のまま、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設している。
【0017】
更に、この請求項1に示す発明においては、緩衝カバー体を囲うリミッタ枠を、レッグ部材に固定することでこれをリミッタ手段とし、特定の隙間としてなるリミッタギャップ内での移動を経た後における、リミッタ枠への緩衝カバー体の係合による起歪板の歪曲量規制のもとで、起歪板への入力荷重を制限可能とするとともに、特定の隙間としてなるストッパギャップ内での移動を経た後にレッグ部材の係合端に係合する係合体を、起歪板固定部と一体的に昇降可能に設けて、これをストッパ手段とし、このストッパ手段によるシート側部材の昇降規制タイミングを、リミッタ枠への緩衝カバー体の係合による入力荷重の制限後として特定化している。
【0018】
また、請求項2に示すこの発明においては、起歪板一端部と補剛板とを一体的に固定するカシメスリーブを、起歪板の長手方向に離間並置された、少なくとも前後2ヶ所に配するものとしている。そして、このカシメスリーブに挿通される、少なくともいずれか一方の取付ボルトが、対応するカシメスリーブの孔径より大径であり、かつレッグ部材のばか孔への遊挿配置の可能な大径の段部、およびばか孔より大径の大径ヘッドを有した段付ボルトとされ、この段付ボルトの大径ヘッドとレッグ部材のばか孔周縁との間の隙間、および荷重検出手段に一体的に設けられた荷重検出手段側部材とレッグ部材のばか孔周縁との間の隙間をそれぞれストッパギャップとして規定することにより、これらをストッパ手段としている。
【0019】
更に、請求項3に示すこの発明においては、シート側部材の固定ナットを、その下方に突設されたカシメナットとするとともに、カシメスリーブの上端ヘッドの形状を非円形の回り止め形状とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状の係合凹部を固定ナット下面に形成することにより、このカシメスリーブと固定ナットとを回転不能に係合、連結可能としている。
【0020】
また、請求項4に示すこの発明においては、補剛板が、起歪板一端部の上下面で、その先端部を除いてそれぞれ配されている。そして、起歪板の一端部先端の嵌入可能な開口を有した断面略コ字形状の樹脂カバーとしてなる緩衝カバー体が、補剛板の係止端末による挟持、係着のもとで、補剛板の除かれた起歪板の一端部先端に一体的に設けられている。
【0021】
更に、請求項5に示すこの発明においては、荷重検出手段が、復元力を持った可歪性素材からなる、長手平板形状の起歪板と、起歪板一端部への重ね合わせのもとで配置され、取付ボルトを遊挿可能とするカシメスリーブの連続貫通後のカシメにより、この起歪板一端部に一体的に固定された補剛板と、枢支ピンの貫通可能な挿通孔を有して、起歪板他端部に一体的に固定された支持サポート部材と、補剛板と支持サポート部材との間に規定された起歪板中間領域の上下いずれかの面に固定的に配された、起歪板の歪み量変化を検出可能な歪みゲージとを備えて予めユニット化されている。
【0022】
そして、取付ボルトによる締め付けの不能なばか孔がレッグ部材の下壁に設けられ、このばか孔、およびカシメスリーブを連続挿通した後の取付ボルトを、シート側部材に固定された固定ナットに螺着することにより、起歪板一端部を、その締結のもとでシート側部材に一体的に固定するとともに、支持サポート部材への貫通を経たレッグ部材の対向縦壁間での枢支ピンの架設挿着によって、この支持サポート部材をレッグ部材の対向縦壁間に軸支することにより、前記荷重検出手段を、そのユニット体のまま、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設可能としている。
【0023】
また、請求項6に示すこの発明においては、支持サポート部材の挿通孔が、起歪板他端部に、その上下方向で重なる位置に設けられている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
図1、図2に示すように、この発明の実施に係る車両用シートの荷重検出構造10においては、起歪板12と、補剛板14-U,14-Lと、支持サポート部材16と、歪みゲージ18との組み合わせとして予めユニット化された荷重検出手段20が、シート側部材22からの入力荷重を検出可能に、シート24の下方位置に配設されている。
【0026】
図2に示すように、この発明の実施の形態においては、シートクッション26の下部に左右一対のシートスライド装置28を備えてなる、いわゆるスライドシートを、荷重検出構造10の設けられるシート(車両用シート)24として例示する。そして、この実施の形態においては、このシートスライド装置28のロアレールを、シート側部材22として具体化している。
【0027】
シートスライド装置28は、従来のものと同様に、シートクッション26に設けられたアッパレール30を、ロアレール(シート側部材)22に対し、スチールボール、ローラ等の転動子(図示しない)を介してスライド可能に組み付けることにより形成されている。そして、この発明においては、シート側部材となるロアレール22からの入力荷重、たとえば着座者からの荷重を受動可能に、荷重検出手段20が、床体32側のレッグ部材34とロアレールとの間に、架設状に配置、介在されている(図1参照)。
【0028】
なお、図1、図2に加えて図3を見るとわかるように、レッグ部材34は、たとえば、断面略上向きコ字形状のレール状体として具体化され、この実施の形態においては、その前後に一体的に設けられた取付片36-f,36-rにより、床体32に対するレッグ部材の固定が行われる。
【0029】
このレッグ部材34は、シートスライド装置28と同じく、シート24の左右離間位置に並置される。そして、この発明における荷重検出手段20は、シート24の下方位置、強いていえばシートクッション26の下部四隅付近にそれぞれ配設されることから、図2に示すようなレッグ部材34の前後2ヶ所、つまり左右を合わせた合計4ヶ所に、この荷重検出手段はそれぞれ配設される。
【0030】
ここで、図4を見るとわかるように、この荷重検出手段20のユニットベースとなる起歪板12は、長手形状の平板として、たとえばばね鋼材等のような、復元力を持った可歪性素材から形成されている。そして、この図4に加えて図1を見るとわかるように、この発明においては、この起歪板12の長手方向の一端部12aに上下一対の補剛板14-U,14-Lが、また、その他端部12bに支持サポート部材16が、それぞれ一体的に固定されている。
【0031】
起歪板一端部12aは、補剛板14-U,14-Lの固定によるその補剛により、シート側部材(ロアレール)22への固定部として規定される。そして、この上下一対の補剛板14-U,14-Lは、図示のように、起歪板固定部(一端部)12aの上下面への重ね合わせのもとでそれぞれ配置され、たとえば、取付ボルト38-1,38-2を遊挿可能とするカシメスリーブ40-1,40-2の連続貫通後のカシメにより、この上下の補剛板は起歪板固定部に対して一体的に固定される(図3参照)。
【0032】
図1、図4に示すように、このカシメスリーブ40-1,40-2は、いずれも、大径ヘッド40-1a,40-2aを一端(上端)に持った略筒状体としてなり、その下端(カシメ端)40-1b,40-2bのカシメにより、上下の補剛板14-U,14-Lが起歪板固定部12aに対して共締めされる。
【0033】
なお、このカシメスリーブ40-1,40-2の貫通孔40-1c,40-2c内に挿通される取付ボルト38-1,38-2に関しての詳細は後述する。
【0034】
また、支持サポート部材16は、起歪板他端部12bの嵌入可能な開口16aを有して形成されている。そして、たとえば通常のヘッド付きカシメピンとしてなる固定ピン42による、その連続的な挿通、およびカシメのもとで、支持サポート部材16は起歪板支持部12bに一体的に固定されている。
【0035】
なお、この固定ピン(ヘッド付きカシメピン)42としては、安定的な一体化を可能なように複数個、たとえば3個が使用される。
【0036】
そして、この支持サポート部材16は、後述する枢支ピン44の挿通される挿通孔46を、起歪板12の短手方向に貫通する貫通孔として有しており、この発明の実施の形態においては、この挿通孔が、開口16aにその上部で重なる位置、つまり、起歪板支持部12bにその上部で重なる位置に設けられている。
【0037】
なお、図4に加えて図3、および図5を見るとわかるように、この挿通孔46の各端部には、枢支ピン44の円滑な滑動、つまりは枢支ピン回りでの支持サポート部材16の円滑な回動を確保可能とする保持部材、たとえばオイルレスブッシュ48がそれぞれ嵌着され、この各端部のオイルレスブッシュ間に規定された中空部49が、グリス等の潤滑剤の充填部として機能される。
【0038】
ここで、図1、図4、および図5に示すように、この発明においては、補剛板14-U,14-Lの固定によりなる起歪板固定部12aと、支持サポート部材16の固定によりなる起歪板支持部12bとの間に、所定の中間領域12cが規定されている。そして、起歪板12の歪み量を検出可能とする歪みゲージ18が、この起歪板中間領域12cの、たとえば上面に、接着、貼着等のもとで固定的に配設されている。
【0039】
歪みゲージ18としては、たとえば、可撓性のある電気絶縁薄板内に金属抵抗線を内設、固定してなる、いわゆる抵抗線ゲージ等が利用できる。
【0040】
なお、歪みゲージ18としてここで例示した抵抗線ゲージは、市販されている一般的なものであり、この歪みゲージ自体の構造、および原理等はこの発明の趣旨でないため、この歪みゲージに対する詳細な説明は、ここでは省略する。
【0041】
また、ここでは歪みゲージ18として抵抗線ゲージを例示しているが、この歪みゲージは、中間領域12cにおいて生じた起歪板12の歪み量変化を、その歪み出力として出力可能なものであれば足りるため、同様の機能を有するものであれば、この抵抗線ゲージに限定されず、他の原理構成のものを歪みゲージとして利用してもよい。
【0042】
図1、および図3に示すように、この発明における荷重検出手段20は、起歪板12をユニットベースとした各部材の取り付けのもとで予めユニット化されている。そして、このユニット化された荷重検出手段20は、シート側部材22への起歪板固定部12aの固定、およびレッグ部材34への支持サポート部材16の連結により、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設される。
【0043】
枢支ピン44として、たとえば段付ボルトが利用でき、レッグ部材の対向縦壁34aに設けた挿通孔50、および支持サポート部材の挿通孔46を連続貫通した後のこの延出端、つまりねじ部44aへのナット52の螺着により、この枢支ピンはレッグ部材34に離脱不能に設けられる。
【0044】
なお、図3、および図5に示すように、この実施の形態においては、このオイルレスブッシュ48とレッグ部材の対向縦壁34aとの間で枢支ピン44回りに、リング状スペーサ54を環装することによって、支持サポート部材16の位置の特定化をはかっている。
【0045】
また、図中の参照符号56は、段付ボルトである枢支ピン44の締結対象となるサポート板であり、このサポート板56は、レッグ部材の対向縦壁34aの、ナット52の位置する側の外面に、溶着等のもとで固着される。
【0046】
そして、図1、および図3に示すように、この発明においては、シート側部材22に設けられた固定ナット58-1,58-2への取付ボルト38-1,38-2の螺着のもとで、起歪板固定部12aがシート側部材22に固定される。
【0047】
固定ナット58-1,58-2としては、一端(上端)をカシメ端58-1a,58-2aとしたカシメナットが利用でき、シート側部材22に設けられた対応する挿通孔60-1,60-2へのカシメ端の挿入後におけるカシメ端のカシメによって、この固定ナット(カシメナット)はシート側部材下面にそれぞれ一体的に突設される。そして、この発明は、レッグ部材34への荷重検出手段20、つまり支持サポート部材16(起歪板支持部12b)の軸支、連結の後におけるシート側部材22への起歪板固定部12aの固定を前提としたものであるため、レッグ部材の下壁34bに設けた対応するばか孔62-1,62-2を介した、レッグ部材下方からの取付ボルト38-1,38-2の挿通のもとで、シート側部材22への起歪板固定部12aの固定が可能となっている。
【0048】
図1、および図3に示すように、起歪板の長手方向に離間並置された、たとえば前後2ヶ所の取付ボルト38-1,38-2は、いずれも段付ボルトとしてなり、荷重検出手段20の下方からの、シート側部材の固定ナット58-1,58-2への螺着によるその締結のもとで、シート側部材22に対する起歪板固定部12aの固定がはかられている。
【0049】
ここで、この実施の形態においては、図示の通り、取付ボルト38-1,38-2が異種の段付ボルトとして具体化されているが、起歪板固定部12aをその締結のもとでシート側部材22に単純に固定するのであれば、ヘッド38-2aで起歪板固定部を挟着、締結可能とする取付ボルト38-2の形態で足りる。しかし、この発明の実施の形態においては、取付ボルト38-1が、後述のストッパ手段64としての利用を前提としたものとして具体化されているため、この取付ボルト38-1は、シート側部材22への起歪板固定部12aの固定のみを前提とした取付ボルト38-2と、その形態を異ならせるものとなっている。
【0050】
なお、この取付ボルト38-1を利用したストッパ手段64に対する説明は後述する。
【0051】
上記のように、この、シート側部材22への起歪板固定部12aへの固定、およびレッグ部材34の対向縦壁34a間での支持サポート部材16の軸支のもとで、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設された荷重検出手段20においては、シート24に付加される荷重Fのもとで支持サポート部材、つまり起歪板支持部12bが枢支ピン44を中心として回動されるのに対し、起歪板固定部12aは、その一体的なシート側部材と共に、ほぼ平行に近い状態でほぼ垂直方向に昇降される。そして、図1、図2に示すように、シート20に付加された荷重F、つまりシート側部材22からの荷重Fが起歪板固定部12aに作用することにより、起歪板12はその中間領域12cにおいて歪曲されることから、この中間領域での歪曲量変化を歪みゲージ18によって検出し、更にはこの歪み量変化に伴って変動する歪み出力をもとにしてシート側部材22からの入力荷重値を検出することにより、この発明における荷重検出手段20における体重測定、および着座者の種別判別等は行われる。
【0052】
ここで、図1、および図3に示すように、この発明の荷重検出構造10においては、上述のストッパ手段64と、リミッタ枠65を有するリミッタ手段66とが、荷重検出手段20に対する保護性能の確保を目的として、それぞれ配設されている。
【0053】
上述したように、この発明の実施の形態においては、前出の取付ボルト38-1がこのストッパ手段64として利用されている。そして、レッグ部材34に対するシート側部材22の昇降範囲を規定可能、かつレッグ部材に対するシート側部材の分断を不能に、このストッパ手段64は構成されている。
【0054】
図1、および図3を見るとわかるように、取付ボルト38-1は、レッグ部材のばか孔62-1に遊挿配置される、このばか孔より小径で、かつカシメスリーブ40-1の貫通孔40-1cより大径の段部38a、およびばか孔より大径の大径ヘッド38bを有する段付ボルトとしてなり、この大径ヘッドとレッグ部材の下壁34bとの間に、ストッパギャップと称される隙間が設けられる。
【0055】
そして、このストッパギャップを経た後における、レッグ部材の下壁34b、つまりばか孔62-1の周縁に対する大径ヘッド38bの係合のもとで、レッグ部材34に対するシート側部材22の上昇規制、およびレッグ部材からのシート側部材の分離阻止を行うものとして、このストッパ手段64は構成されている。
【0056】
この、取付ボルトの大径ヘッド38bを利用する構成においては、レッグ部材34に対するシート側部材22の上昇規制、およびその上昇規制後におけるレッグ部材からのシート側部材の分離阻止を行うのみであるため、これだけではレッグ部材に対するシート側部材の下降規制、つまり昇降範囲の明確化がなされない。そこで、この実施の形態においては、カシメスリーブ40-1でのカシメにより起歪板固定部12aに一体的に設けられたストッパリング68をストッパ手段64における荷重検出手段側部材として更に加えることで、レッグ部材34に対するシート側部材22の下降規制を可能としている。
【0057】
図1、および図4に示すように、ストッパリング68は段付リングとしてなり、その上段部をカシメスリーブのカシメ端40-1bでカシメることによって、起歪板固定部12aに対して一体的に固定される。
【0058】
なお、このストッパリング68とばか孔62-1の周縁との間にも、ストッパギャップと称される隙間が設けられる。
【0059】
これらのストッパギャップは、ストッパ手段64の作動点、つまりばか孔62-1の周縁に取付ボルトの大径ヘッド38b、あるいはストッパリング68を係合させるまでの起歪板12の歪曲保障量を規定するためのものであり、その隙間量は、通常、荷重検出手段20による体重の測定可能範囲をもとに設定される。
【0060】
また、リミッタ手段66は、起歪板固定部12a周りを部分的に囲って配されたリミッタ枠65と、このリミッタ枠に所定の隙間を経た後に係合可能な、起歪板固定部12aの先端12dに固定的に配された緩衝カバー体70との組み合わせとされている。
【0061】
たとえば、図1、および図4に示すように、起歪板固定部12aの先端12dが、補剛板14-U,14-Lの重なりのない露出端として規定され、この先端が、たとえば樹脂カバーとしてなる断面略コ字形状の緩衝カバー体70によって覆われている。
【0062】
この緩衝カバー体70は、その上下端末に係止片70aを有して形成され、たとえば、補剛板14-U,14-Lの段部14-aに形成された係止孔72への遊嵌のもとで、起歪板露出端12dに固定されている。
【0063】
また、リミッタ枠65は、この緩衝カバー体70を離間状態で囲う枠体としてなり、この緩衝カバー体を囲う位置、つまり緩衝カバー体との整列位置で、レッグ部材の下壁34bに溶着等のもとで固定されている。
【0064】
図1に示すように、リミッタ枠66に対する緩衝カバー体70の上下には、リミッタギャップと称する隙間が形成されている。この隙間(リミッタギャップ)は、リミッタ枠65に妨げられることのない起歪板12の歪曲、つまりはレッグ部材34に対するシート側部材22の昇降を確保するためのものであり、この隙間量は、ストッパ手段64でのストッパギャップと同様に、通常、荷重検出手段20による体重の測定可能範囲をもとに設定される。
【0065】
つまり、着座者の体重による入力荷重、つまり通常荷重の入力のもとでは、起歪板中間領域12cが歪曲しても、リミッタ枠65への緩衝カバー体70の係合はこのリミッタギャップにより生じない。即ち、このリミッタギャップ内での緩衝カバー体70の移動程度であれば、起歪板12は、何の妨げをも受けることなく、その入力荷重に応じて歪曲できるため、荷重検出手段20による入力荷重の測定は適切に行える。
【0066】
そして、荷重検出手段20での測定可能範囲を越える過大な荷重が、シート側部材22から入力されると、緩衝カバー体70がリミッタ枠65に係合される。この緩衝カバー体70、リミッタ枠65間の係合によるリミッタ手段66の作動が生じると、それ以降の起歪板中間領域12cの歪曲が阻止されるとともに、シート側部材22からの入力荷重が、起歪板中間領域を介することなく、緩衝カバー体、つまり起歪板固定部12aからリミッタ枠、更にはレッグ部材34に直接的に作用、伝達されるため、この入力荷重の伝達経路から、起歪板中間領域が排除されることになる。
【0067】
つまり、過大な入力荷重の作用時においても、その過剰分の入力荷重は起歪板中間領域12cには入力されないため、この過大荷重からの起歪板12の保護が確実にはかられる。
【0068】
そして、この発明の荷重検出構造10においては、ストッパ手段64によるシート側部材22の昇降規制を、リミッタ手段66の作動による起歪板中間領域12cへの荷重の入力制限後に行うものとして、その作動順位を特定化している。
【0069】
このリミッタ手段66とストッパ手段64との作動順位の特定化は、リミッタギャップ、あるいはストッパギャップの差異等によりはかられる。
【0070】
つまり、荷重検出手段20での測定可能範囲を越える過大な荷重が、シート側部材22から入力されると、まず、リミッタ枠65への緩衝カバー体70の係合により、起歪板中間領域12cでの過剰な歪曲が規制される。そしてその後、その過大な入力荷重が、たとえば緩衝カバー体70を圧縮変形させるくらいの、衝突等の緊急時に発生する著しく大きな荷重であった場合においては、シート側部材22の更なる昇降に伴った起歪板固定部の移動により、大径ヘッド38a、およびストッパリング68のいずれかがばか孔62-1の周縁に係合されるため、この係合のもとで、レッグ部材34に対するシート側部材22の過剰な昇降が確実に規制される。
【0071】
そして、大径ヘッド38a、およびストッパリング68は、いずれもばか孔62-1より大径であるため、ばか孔62-1の周縁に対するその係合のもとで、レッグ部材34からのシート側部材22の分断も確実に阻止される。
【0072】
上記のように、この発明の車両用シートの荷重検出構造10においては、起歪板12を長手形状の平板としているため、高い検出感度が容易に確保可能となる。特に、長手形状の平板であれば、起歪板12が削り出し等の精密加工を要することなく形成できるため、高い検出感度の確保に加えたその作業性の向上、および製造コストの低下が確実にはかられる。
【0073】
また、起歪板固定部12a、および起歪板支持部12bに補剛板14-U,14-L、および支持サポート部材16を一体的に固定することで起歪板各端部の補剛を得ているため、歪みゲージ18の配置される中間領域12cとこの各端部との剛性対比が確実に得られる。つまり、起歪板12における歪曲箇所の特定化が確実にはかられるため、荷重の検出精度も確実に向上される。
【0074】
更に、この発明においては、荷重検出手段20を、ユニットベースとなる起歪板12への各部材の取り付けのもとで予めユニット化している。つまり、シート側部材22とレッグ部材34との間への配設前に、荷重検出手段20が形成できるため、荷重検出手段の組立工程が確実に簡単化される。そして、この一ユニット体としてなる荷重検出手段20を、シート側部材22とレッグ部材34との間に架設状に配設すれば足りるため、その取付工程も確実に簡単化されることから、この発明によれば、その作業性が向上される。
【0075】
特に、この発明においては、レッグ部材34の下方からのボルト止めのもとで起歪板固定部12aをシート側部材22に固定するものとしているため、その作業性が一層向上される。
【0076】
更に、この発明においては、リミッタ手段66とストッパ手段64とを設けることに加えて、その作動順位を、ストッパ手段にリミッタ手段を先行させるものとして特定化している。つまり、荷重検出手段20での測定可能範囲内である通常荷重を越える過大荷重が、シート側部材22から入力されると、まず、リミッタ手段の作動のもとで起歪板中間領域12cの歪曲量を制限し、これによる荷重伝達経路の短絡により、その過剰分をレッグ部材34、つまりは床体32に逃がすため、この過大荷重からの起歪板中間領域、ひいては荷重検出手段20の保護が確実にはかられる。
【0077】
そして、リミッタ手段66の作動後、ストッパ手段64がこれに遅れて作動することにより、シート側部材22からの過大な入力荷重が取付ボルト38-1、あるいはストッパリング68を介してレッグ部材34に直接的に逃がされるため、リミッタ手段の作動荷重を越える過大荷重からも、荷重検出手段20の保護が十分にはかられることになる。
【0078】
更に、ストッパ手段64は、レッグ部材34からのシート側部材22の分断を不能とするものであるため、リミッタ手段の作動荷重を越える過大荷重、つまり衝突等の緊急時における過大荷重の作用時においても、その保護性能は十分に確保される。
【0079】
そして、ストッパ手段64は、起歪板固定部12aをシート側部材22に固定する取付ボルト38-1を利用したものであるため、シート側部材からの荷重入力位置の直下に、このストッパ手段が位置することになる。つまり、シート側部材22からの過大な入力荷重は、レッグ部材34に、このストッパ手段64を経て円滑に伝達、作用し、この過大荷重の伝達経路を最小限に抑えているため、この点からも、その安全性の確保が十分にはかられる。
【0080】
従って、この発明によれば、高い検出感度の確保と、高い保護性能の確保との両立、および高い安全性の確保が容易、かつ十分に可能となる。
【0081】
そして、この発明においては、レッグ部材34に対するシート側部材22の昇降規制と、レッグ部材からのシート側部材の分断阻止とを、ストッパ手段64においていずれも得ているため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0082】
更に、この発明においては、リミッタ枠65で起歪板固定部12aを部分的に囲うことでリミッタ手段66を構成しているため、その大型化が確実に防止できる。
【0083】
つまり、この発明によれば、構成の複雑化、および大型化等を伴うことなく、起歪板易歪部12aに対する荷重の入力量規制、およびレッグ部材30に対するシート側部材18の昇降規制、更にはレッグ部材からのシート側部材の分断阻止が、いずれも確保可能となる。
【0084】
そして、この発明においては、起歪板固定部の先端12dに固定的に配した緩衝カバー体70と、この緩衝カバー体を囲うリミッタ枠65との組み合わせをリミッタ手段66としているため、リミッタ手段の作動時、つまりリミッタ枠への緩衝カバー体の係合時には、緩衝カバー体による緩衝が得られる。つまり、この緩衝のもとで、その係合時における衝撃、および異音が確実に抑止される。
【0085】
このように、起歪板中間領域12cに対する荷重の入力量規制時、つまりリミッタ手段66の作動時における衝撃、および異音が抑止されれば、これらを原因とする違和感、不快感等が軽減できるため、通常の着座状態における過大荷重の発生時、つまり急激な着座時での瞬間的な過大荷重や悪路走行時等の振動による瞬間的な過大荷重等の発生時における快適性が確保可能となる。
【0086】
従って、高い検出感度の確保と、高い保護性能の確保との両立に加えた安全性、快適性の向上が、この発明によれば十分に可能となる。
【0087】
ここで、この発明のように、取付ボルト38-1,38-2での締め付けのもとで起歪板固定部12aをシート側部材22に固定する場合においては、取付ボルトの回転方向への起歪板12、つまり荷重検出手段20の位置ずれ、強いていえば枢支ピン44に対する支持サポート部材16の傾斜に起因した枢支ピンへのオイルレスブッシュ48の圧接等が、枢支ピン回りでの支持サポート部材の円滑な回動を低下させる原因となり得るものとして懸念される場合がある。そこで、図3、および図4に示すように、この発明においては、カシメスリーブの上端ヘッド40-1a,40-2aの形状を非円形の回り止め形状、たとえば六角形とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状(六角形)の係合凹部72をカシメナット58-1,58-2の下面に形成することにより、このカシメスリーブとカシメナットとを回転不能に係合、連結可能としている。
【0088】
このような構成によれば、取付ボルト38-1,38-2による締め付けのもとで、起歪板固定部12a、ひいては荷重検出手段20がその締め付け回転方向に回動しようとしても、カシメスリーブ、カシメナット間の係合のもとで、この回動が確実に阻止されるため、枢支ピン44に対する支持サポート部材16の傾斜が確実に防止される。従って、枢支ピン44に対する支持サポート部材16の円滑な回動を容易に確保することができる。
【0089】
なお、この実施の形態においては、カシメスリーブの上端ヘッド40-1a,40-2a、およびカシメナット58-1,58-2の係合凹部72の回り止め形状を六角形として具体化しているが、非円形の回り止め形状であれば足りるため、六角形に限定されず、たとえば四角形等の他の多角形や、円周を部分的に切り欠いた切欠き円形等から、回り止め形状を形成してもよい。
【0090】
また、上述したこの実施の形態においては、起歪板の長手方向に離間並置された前後2ヶ所の取付ボルト38-1,38-2によって起歪板固定部12aをシート側部材22に固定するものとして具体化しているが、その数はこの限りではない。つまり、起歪板固定部12aをシート側部材22に対して安定的に固定可能であれば足りるため、前後2ヶ所に限定されず、たとえば前後3ヶ所等でのボルト止めのもとで、起歪板固定部12aをシート側部材22に固定する構成としてもよい。
【0091】
ところで、この発明の実施の形態においては、取付ボルト38-1,38-2のうち、取付ボルト38-1のみを、ストッパ手段64として機能可能な大径ヘッド付きの形態としているが、これに限定されず、たとえば、取付ボルト38-1,38-2の双方を大径ヘッド付きの形態とすることで、双方の取付ボルトをストッパ手段として機能させてもよい。
【0092】
更に、この実施の形態においては、取付ボルト38-1を利用してストッパ手段64を構成しているが、レッグ部材34に対するシート側部材22の昇降範囲を規定し、かつレッグ部材からのシート側部材の分断を阻止可能とすれば足りるため、これに限定されず、たとえば他の係合部材等を用いて、ストッパ手段を構成してもよい。
【0093】
しかしながら、ストッパ手段64に取付ボルト38-1を利用すれば、部品点数の増加が確実に抑制されるため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0094】
また、この発明の実施の形態においては、歪みゲージ18を、起歪板中間領域12cの上面に配設しているが、中間領域での歪曲量を検出可能であれば足りるため、これとは逆の下面に、この歪みゲージを固定的に配してもよい。
【0095】
更に、この発明の実施の形態においては、起歪板固定部12aの上下面の双方に補剛板14-U,14-Lを配しているが、シート側部材22への固定部として機能可能な剛性を、この起歪板固定部に確保可能とすれば足りるため、これに限定されず、たとえば、起歪板固定部の上下のいずれかの面のみに、補剛板を配する構成としてもよい。
【0096】
ここで、この実施の形態においては、この上下の補剛板14-U,14-Lによって、リミッタ手段66をなす緩衝カバー体70の固定を行っている。つまり、この実施の形態のような、断面略コ字形状の緩衝カバー体70を有する構成においては、上下の補剛板14-U,14-Lで起歪板固定部12aを挟着することが、構成の簡素化や作業性の向上に繋がるものとして好ましい。
【0097】
なお、この実施の形態においては、上下の補剛板14-U,14-Lによる挟持、係着のもとで、緩衝カバー体70の固定的保持をはかっているが、起歪板固定部の先端12dに緩衝カバー体を保持可能とすれば足りるため、これに限定されず、他の手段、たとえばねじ止め等のもとで起歪板固定部の先端に緩衝カバー体を固定してもよい。
【0098】
また、この実施の形態においては、上下の補剛板14-U,14-Lの除かれた起歪板固定部の先端12dに、緩衝カバー体70を配設しているが、この緩衝カバー体は、起歪板固定部12aに位置し、なおかつその回りにリミッタ枠65を配置可能であれば足りるため、これに限定されず、たとえば上下の補剛板回りに、この緩衝カバー体を固定的に配設する構成としてもよい。
【0099】
しかしながら、上下の補剛板14-U,14-L回りに緩衝カバー体70を設けると、緩衝カバー体、およびリミッタ枠65の大型化、ひいては高さ方向での荷重検出構造10の大型化が避けられない。これに対し、上下の補剛板14-U,14-Lの除かれた起歪板固定部の先端12dに、緩衝カバー体70を配設すれば、緩衝カバー体の大型化、およびこれに伴ったリミッタ枠65の大型化が確実に抑制されるため、高さ方向での荷重検出構造10の大型化が確実に防止可能となる。
【0100】
また、この実施の形態においては、緩衝カバー体70を樹脂カバーとして例示しているが、緩衝カバー体は、リミッタ枠65への係合時における衝撃、異音等の発生を抑止可能とする弾性素材からなるものであれば足りるため、これに限定されず、たとえば合成ゴム等からなる部材を、この緩衝カバー体として利用してもよい。
【0101】
更に、この発明の実施の形態においては、支持サポート部材の挿通孔46の位置を、起歪板支持部12bとその上下方向で重なる位置として具体化しているが、枢支ピン44の貫通を、起歪板支持部12bに妨げられることなく保障可能とする位置であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、起歪板支持部とのその平面上での整列位置、つまり起歪板12の長手軸線の延長線上に、支持サポート部材の挿通孔を設ける構成としてもよい。
【0102】
しかしながら、このように起歪板支持部12bとのその平面上での整列位置に挿通孔46を設けると、起歪板12の長手方向における支持サポート部材16の大型化、つまり荷重検出手段20の長大化が避けられない。これに対し、支持サポート部材の挿通孔46の位置を、起歪板支持部12bとその上下方向で重なる位置とすれば、この、荷重検出手段20の長大化が確実に防止できるため、この構成によれば、荷重検出手段の小型化が十分に可能となる。
【0103】
ところで、この種の構造においては、荷重検出手段20がシートクッション26の前後左右の4ヶ所に配設され、通常は、この各荷重検出手段により検出した荷重の合計から、シート24に付与された荷重の計測、判別が行われる。しかし、この合計による荷重の測定のみでなく、たとえば、荷重検出手段20を前部、後部に分離規定し、いずれの側の荷重検出手段に多くの荷重が作用しているか等によって、その着座姿勢をも判別可能としてもよい。
【0104】
そして、この発明の実施の形態においては、シートスライド装置のロアレールを、シート24に一体的に設けられたシート側部材22として例示している。しかし、シート側部材22は、シート24に一体的に設けられたものであれば足りるため、シートスライド装置を有しないシートであれば、シートクッション自体を、シート側部材として置き換えればよい。
【0105】
また、この実施の形態においては、自動車等のシートを車両用シートとして例示しているが、これに限定されず、バス、トラック等の他の車両用シートに、この発明を応用してもよい。更に、自動車等に限定されず、電車、飛行機、船舶等の他の乗り物用シートに、この発明を応用してもよい。
【0106】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0107】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係る車両用シートの荷重検出構造によれば、起歪板を長手形状の平板としているため、高い検出感度が容易に確保可能となる。特に、長手形状の平板であれば、起歪板が削り出し等の精密加工を要することなく形成できるため、高い検出感度の確保に加えたその作業性の向上、および製造コストの低下が確実にはかられる。
【0108】
そして、起歪板固定部、および起歪板支持部に補剛板、および支持サポート部材を一体的に固定することで起歪板各端部の補剛を得ているため、歪みゲージの配置される中間領域とこの各端部との剛性対比が確実に得られる。つまり、起歪板12における歪曲箇所の特定化が確実にはかられるため、荷重の検出精度も確実に向上される。
【0109】
更に、この発明では、レッグ部材に対するシート側部材の昇降規制を行うストッパ手段に加えて、起歪板への荷重の入力規制をこのストッパ手段の作動前に行うリミッタ手段を設けているため、検出感度、および保護性能の両立がはかられる。
【0110】
そして、このリミッタ手段の作動時における衝撃、および異音の発生が、リミッタ手段をなすリミッタ枠と緩衝カバー体との組み合わせのもとで確実に抑止されるため、検出感度、および保護性能の両立、確保に加えた安全性、快適性の向上が容易に得られる。
【0111】
更に、ストッパ手段は、レッグ部材に対するシート側部材の昇降規制と、レッグ部材からのシート側部材の分断阻止とを兼ねるものであるため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0112】
また、この発明においては、荷重検出手段を、ユニットベースとなる起歪板への各部材の取り付けのもとで予めユニット化している。つまり、シート側部材とレッグ部材との間への配設前に、荷重検出手段が形成できるため、荷重検出手段の組立工程が確実に簡単化される。そして、この一ユニット体としてなる荷重検出手段を、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設すれば足りるため、その取付工程も確実に簡単化されることから、この発明によれば、その作業性が向上される。
【0113】
特に、この発明においては、レッグ部材の下方からのボルト止めのもとで起歪板固定部をシート側部材に固定するものとしているため、その作業性が一層向上される。
【0114】
また、取付ボルトをストッパ手段として利用すれば、部品点数の増加が確実に抑制されるため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0115】
そして、カシメスリーブの上端ヘッドの形状を非円形の回り止め形状とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状の係合凹部を、カシメナットとしてなるシート側部材の固定ナットに形成すれば、取付ボルトによる締め付けのもとで荷重検出手段がその締め付け回転方向に回動しようとしても、カシメスリーブ、カシメナット間の係合のもとで、この回動が確実に阻止されるため、枢支ピンに対する支持サポート部材の傾斜が確実に防止される。従って、枢支ピンに対する支持サポート部材の円滑な回動を容易に確保することができる。
【0116】
更に、補剛板の除かれた起歪板固定部の先端に、緩衝カバー体を配設すれば、緩衝カバー体の大型化、およびこれに伴ったリミッタ枠の大型化が確実に抑制されるため、高さ方向での荷重検出構造の大型化が確実に防止可能となる。
【0117】
そして、支持サポート部材の挿通孔の位置を、起歪板支持部とその上下方向で重なる位置とすれば、この、荷重検出手段の長大化が確実に防止できるため、この構成によれば、荷重検出手段の小型化が十分に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用シートの荷重検出構造の概略縦断面図である。
【図2】この発明の荷重検出構造を備えた車両用シートの概略側面図である。
【図3】車両用シートの荷重検出構造の概略分解斜視図である。
【図4】荷重検出手段の概略分解斜視図である。
【図5】車両用シートの荷重検出構造の、一部破断の概略平面図である。
【符号の説明】
10 車両用シートの荷重検出構造
12 起歪板
14-U、14-L 補剛板
16 支持サポート部材
18 歪みゲージ
20 荷重検出手段
22 シート側部材(ロアレール)
34 レッグ部材
38-1,38-2 取付ボルト
40-1,40-2 カシメスリーブ
44 枢支ピン
58-1,58-2 固定ナット(カシメナット)
62-1,62-2 ばか孔
64 ストッパ手段
65 リミッタ枠
66 リミッタ手段
70 緩衝カバー体
【発明の属する技術分野】
この発明は、シート側部材からの入力荷重を検出する荷重検出手段を、シートの下方でシート側部材と床体側のレッグ部材との間に架設状に配してなる車両用シートの荷重検出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートに入力される入力荷重値を検出することにより着座者の体重を計測し、その着座者の種別、つまり子供か大人か等の判別結果に応じてエアバッグ等の各種装備品に対する動作をコントロール可能とした構成が、たとえば特開平11−304579号公報において開示されている。
【0003】
この、特開平11−304579号公報にも開示されているように、着座者の体重を計測する構成、いわゆる荷重検出手段としては、たとえば、その荷重を荷重センサ等で直接的に受けるもの、あるいはその荷重を起歪部材で直接的に受け、この起歪部材の歪曲量を歪みゲージで検出することによってその荷重を検出するもの等が知られている。
【0004】
いずれにしても、この種の荷重検出手段はシートに入力される荷重を直接的に受けるものであるため、大人から子供までの広範囲の体重を明確に検出し判別する高い検出感度の確保、および衝突等の緊急時に作用される過大荷重から保護する高い保護性能の確保が、この荷重検出手段には要求される。
【0005】
ここで、前出の特開平11−304579号公報においては、シートの変位を規制することで荷重検出手段への過大な負荷の入力を防止可能とする変位規制機構を、荷重検出手段に保護性能を付加させる構成として設けている。そして、この公知の変位規制機構は、剛性の高い係合部材間の係合のもとでシートの過剰な昇降を規制可能とするものとして構成されている。
【0006】
このような変位規制機構を設けることにより、シートの過剰な昇降が確実に規制される。つまり、荷重検出手段への過大荷重の入力が、このシートの昇降規制のもとで制限されるため、これによれば、荷重検出手段の安全性が確実に向上されることになる。
【0007】
そして、このような変位規制機構を設けることにより、荷重検出手段自体への高い保護性能の要求は軽減される。つまり、高い検出感度を確保しつつ、それに対する保護性能を付加することが可能となるため、高い検出感度と高い保護性能との両立が、この前出の構成においては確立可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動等のシートに作用される過大荷重は、衝突等の緊急時に作用するものばかりでない。つまり、比較的体重の重い大人の着座者が急激に着座したとき等に生じる瞬間的な入力荷重や、急な段差等を含む悪路の走行時等における、著しく大きな上下振動による瞬間的な入力荷重等も、着座者の体重による通常荷重より著しく大きな荷重であるから、これらも、荷重検出手段に悪影響を及ぼす過大荷重であるといえる。
【0009】
ここで、公知の変位規制機構であれば、これらの瞬間的な過大荷重に対してもその保護性能は十分に確保できる。しかしながら、この公知の変位規制機構は、剛性の高い係合部材間を係合させること等によって、シートの過剰な変位を規制可能とするものであるため、その作動に伴う衝撃、およびその際の異音の発生等が避けられない。
【0010】
衝突等の緊急時であれば、このような衝撃、あるいは異音等の発生は特に問題とならない。しかし、瞬間的な過大荷重は、着座者の通常の着座状態において発生する荷重であるため、変位規制機構の作動のもとでその衝撃、および異音等が発生すると、これらを原因とした違和感、不快感等を着座者に感じさせる虞れが多分にある。つまり、公知の構成においては、保護性能の確保による安全性が得られるものの、それに伴う快適性の低下という弊害も、それと同時に発生しかねない。
【0011】
そして、公知の構成においては、高い検出感度を得ることを目的として、歪曲を得る起歪部材のほかに、アーム部材等の補助部材を設けている。つまり、公知の構成においては、部品点数の増加等による構成の複雑化が避けられない。
【0012】
また、公知の荷重検出構造は、シート側部材、およびレッグ部材を含む全体的な構成として具体化されている。つまり、公知のものは、シート側部材、およびレッグ部材への取り付けのもとでその形態をなす構成であるため、その組立工程、特に荷重検出手段全体の組立工程が複雑化し、作業性の低下を招きやすい。
【0013】
この発明は、高い検出感度と高い保護性能との両立に加えて、保護機能作動時における快適性、および安全性の向上をも、構成の複雑化等を招くことなく可能とした車両用シートの荷重検出構造の提供を目的としている。
【0014】
また、その全体的な組立の容易な車両用シートの荷重検出構造の提供を、この発明の別の目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の車両用シートの荷重検出構造においては、荷重検出手段が、復元力を持った可歪性素材からなる、長手平板形状の起歪板と、起歪板一端部への重ね合わせのもとで配置され、取付ボルトを遊挿可能とするカシメスリーブの連続貫通後のカシメにより、この起歪板一端部に一体的に固定された補剛板と、枢支ピンの貫通可能な挿通孔を有して、起歪板他端部に一体的に固定された支持サポート部材と、補剛板と支持サポート部材との間に規定された起歪板中間領域の上下いずれかの面に固定的に配された、起歪板の歪み量変化を検出可能な歪みゲージと、起歪板一端部の先端上下面を覆って固定的に配された、弾性部材としてなる緩衝カバー体とを備えて予めユニット化されている。
【0016】
そして、取付ボルトによる締め付けの不能なばか孔がレッグ部材の下壁に設けられ、このばか孔、およびカシメスリーブを連続挿通した後の取付ボルトを、シート側部材に固定された固定ナットに螺着することにより、起歪板一端部を、その締結のもとでシート側部材に一体的に固定するとともに、支持サポート部材への貫通を経たレッグ部材の対向縦壁間での枢支ピンの架設挿着によって、この支持サポート部材をレッグ部材の対向縦壁間に軸支することにより、前記荷重検出手段を、そのユニット体のまま、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設している。
【0017】
更に、この請求項1に示す発明においては、緩衝カバー体を囲うリミッタ枠を、レッグ部材に固定することでこれをリミッタ手段とし、特定の隙間としてなるリミッタギャップ内での移動を経た後における、リミッタ枠への緩衝カバー体の係合による起歪板の歪曲量規制のもとで、起歪板への入力荷重を制限可能とするとともに、特定の隙間としてなるストッパギャップ内での移動を経た後にレッグ部材の係合端に係合する係合体を、起歪板固定部と一体的に昇降可能に設けて、これをストッパ手段とし、このストッパ手段によるシート側部材の昇降規制タイミングを、リミッタ枠への緩衝カバー体の係合による入力荷重の制限後として特定化している。
【0018】
また、請求項2に示すこの発明においては、起歪板一端部と補剛板とを一体的に固定するカシメスリーブを、起歪板の長手方向に離間並置された、少なくとも前後2ヶ所に配するものとしている。そして、このカシメスリーブに挿通される、少なくともいずれか一方の取付ボルトが、対応するカシメスリーブの孔径より大径であり、かつレッグ部材のばか孔への遊挿配置の可能な大径の段部、およびばか孔より大径の大径ヘッドを有した段付ボルトとされ、この段付ボルトの大径ヘッドとレッグ部材のばか孔周縁との間の隙間、および荷重検出手段に一体的に設けられた荷重検出手段側部材とレッグ部材のばか孔周縁との間の隙間をそれぞれストッパギャップとして規定することにより、これらをストッパ手段としている。
【0019】
更に、請求項3に示すこの発明においては、シート側部材の固定ナットを、その下方に突設されたカシメナットとするとともに、カシメスリーブの上端ヘッドの形状を非円形の回り止め形状とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状の係合凹部を固定ナット下面に形成することにより、このカシメスリーブと固定ナットとを回転不能に係合、連結可能としている。
【0020】
また、請求項4に示すこの発明においては、補剛板が、起歪板一端部の上下面で、その先端部を除いてそれぞれ配されている。そして、起歪板の一端部先端の嵌入可能な開口を有した断面略コ字形状の樹脂カバーとしてなる緩衝カバー体が、補剛板の係止端末による挟持、係着のもとで、補剛板の除かれた起歪板の一端部先端に一体的に設けられている。
【0021】
更に、請求項5に示すこの発明においては、荷重検出手段が、復元力を持った可歪性素材からなる、長手平板形状の起歪板と、起歪板一端部への重ね合わせのもとで配置され、取付ボルトを遊挿可能とするカシメスリーブの連続貫通後のカシメにより、この起歪板一端部に一体的に固定された補剛板と、枢支ピンの貫通可能な挿通孔を有して、起歪板他端部に一体的に固定された支持サポート部材と、補剛板と支持サポート部材との間に規定された起歪板中間領域の上下いずれかの面に固定的に配された、起歪板の歪み量変化を検出可能な歪みゲージとを備えて予めユニット化されている。
【0022】
そして、取付ボルトによる締め付けの不能なばか孔がレッグ部材の下壁に設けられ、このばか孔、およびカシメスリーブを連続挿通した後の取付ボルトを、シート側部材に固定された固定ナットに螺着することにより、起歪板一端部を、その締結のもとでシート側部材に一体的に固定するとともに、支持サポート部材への貫通を経たレッグ部材の対向縦壁間での枢支ピンの架設挿着によって、この支持サポート部材をレッグ部材の対向縦壁間に軸支することにより、前記荷重検出手段を、そのユニット体のまま、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設可能としている。
【0023】
また、請求項6に示すこの発明においては、支持サポート部材の挿通孔が、起歪板他端部に、その上下方向で重なる位置に設けられている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
図1、図2に示すように、この発明の実施に係る車両用シートの荷重検出構造10においては、起歪板12と、補剛板14-U,14-Lと、支持サポート部材16と、歪みゲージ18との組み合わせとして予めユニット化された荷重検出手段20が、シート側部材22からの入力荷重を検出可能に、シート24の下方位置に配設されている。
【0026】
図2に示すように、この発明の実施の形態においては、シートクッション26の下部に左右一対のシートスライド装置28を備えてなる、いわゆるスライドシートを、荷重検出構造10の設けられるシート(車両用シート)24として例示する。そして、この実施の形態においては、このシートスライド装置28のロアレールを、シート側部材22として具体化している。
【0027】
シートスライド装置28は、従来のものと同様に、シートクッション26に設けられたアッパレール30を、ロアレール(シート側部材)22に対し、スチールボール、ローラ等の転動子(図示しない)を介してスライド可能に組み付けることにより形成されている。そして、この発明においては、シート側部材となるロアレール22からの入力荷重、たとえば着座者からの荷重を受動可能に、荷重検出手段20が、床体32側のレッグ部材34とロアレールとの間に、架設状に配置、介在されている(図1参照)。
【0028】
なお、図1、図2に加えて図3を見るとわかるように、レッグ部材34は、たとえば、断面略上向きコ字形状のレール状体として具体化され、この実施の形態においては、その前後に一体的に設けられた取付片36-f,36-rにより、床体32に対するレッグ部材の固定が行われる。
【0029】
このレッグ部材34は、シートスライド装置28と同じく、シート24の左右離間位置に並置される。そして、この発明における荷重検出手段20は、シート24の下方位置、強いていえばシートクッション26の下部四隅付近にそれぞれ配設されることから、図2に示すようなレッグ部材34の前後2ヶ所、つまり左右を合わせた合計4ヶ所に、この荷重検出手段はそれぞれ配設される。
【0030】
ここで、図4を見るとわかるように、この荷重検出手段20のユニットベースとなる起歪板12は、長手形状の平板として、たとえばばね鋼材等のような、復元力を持った可歪性素材から形成されている。そして、この図4に加えて図1を見るとわかるように、この発明においては、この起歪板12の長手方向の一端部12aに上下一対の補剛板14-U,14-Lが、また、その他端部12bに支持サポート部材16が、それぞれ一体的に固定されている。
【0031】
起歪板一端部12aは、補剛板14-U,14-Lの固定によるその補剛により、シート側部材(ロアレール)22への固定部として規定される。そして、この上下一対の補剛板14-U,14-Lは、図示のように、起歪板固定部(一端部)12aの上下面への重ね合わせのもとでそれぞれ配置され、たとえば、取付ボルト38-1,38-2を遊挿可能とするカシメスリーブ40-1,40-2の連続貫通後のカシメにより、この上下の補剛板は起歪板固定部に対して一体的に固定される(図3参照)。
【0032】
図1、図4に示すように、このカシメスリーブ40-1,40-2は、いずれも、大径ヘッド40-1a,40-2aを一端(上端)に持った略筒状体としてなり、その下端(カシメ端)40-1b,40-2bのカシメにより、上下の補剛板14-U,14-Lが起歪板固定部12aに対して共締めされる。
【0033】
なお、このカシメスリーブ40-1,40-2の貫通孔40-1c,40-2c内に挿通される取付ボルト38-1,38-2に関しての詳細は後述する。
【0034】
また、支持サポート部材16は、起歪板他端部12bの嵌入可能な開口16aを有して形成されている。そして、たとえば通常のヘッド付きカシメピンとしてなる固定ピン42による、その連続的な挿通、およびカシメのもとで、支持サポート部材16は起歪板支持部12bに一体的に固定されている。
【0035】
なお、この固定ピン(ヘッド付きカシメピン)42としては、安定的な一体化を可能なように複数個、たとえば3個が使用される。
【0036】
そして、この支持サポート部材16は、後述する枢支ピン44の挿通される挿通孔46を、起歪板12の短手方向に貫通する貫通孔として有しており、この発明の実施の形態においては、この挿通孔が、開口16aにその上部で重なる位置、つまり、起歪板支持部12bにその上部で重なる位置に設けられている。
【0037】
なお、図4に加えて図3、および図5を見るとわかるように、この挿通孔46の各端部には、枢支ピン44の円滑な滑動、つまりは枢支ピン回りでの支持サポート部材16の円滑な回動を確保可能とする保持部材、たとえばオイルレスブッシュ48がそれぞれ嵌着され、この各端部のオイルレスブッシュ間に規定された中空部49が、グリス等の潤滑剤の充填部として機能される。
【0038】
ここで、図1、図4、および図5に示すように、この発明においては、補剛板14-U,14-Lの固定によりなる起歪板固定部12aと、支持サポート部材16の固定によりなる起歪板支持部12bとの間に、所定の中間領域12cが規定されている。そして、起歪板12の歪み量を検出可能とする歪みゲージ18が、この起歪板中間領域12cの、たとえば上面に、接着、貼着等のもとで固定的に配設されている。
【0039】
歪みゲージ18としては、たとえば、可撓性のある電気絶縁薄板内に金属抵抗線を内設、固定してなる、いわゆる抵抗線ゲージ等が利用できる。
【0040】
なお、歪みゲージ18としてここで例示した抵抗線ゲージは、市販されている一般的なものであり、この歪みゲージ自体の構造、および原理等はこの発明の趣旨でないため、この歪みゲージに対する詳細な説明は、ここでは省略する。
【0041】
また、ここでは歪みゲージ18として抵抗線ゲージを例示しているが、この歪みゲージは、中間領域12cにおいて生じた起歪板12の歪み量変化を、その歪み出力として出力可能なものであれば足りるため、同様の機能を有するものであれば、この抵抗線ゲージに限定されず、他の原理構成のものを歪みゲージとして利用してもよい。
【0042】
図1、および図3に示すように、この発明における荷重検出手段20は、起歪板12をユニットベースとした各部材の取り付けのもとで予めユニット化されている。そして、このユニット化された荷重検出手段20は、シート側部材22への起歪板固定部12aの固定、およびレッグ部材34への支持サポート部材16の連結により、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設される。
【0043】
枢支ピン44として、たとえば段付ボルトが利用でき、レッグ部材の対向縦壁34aに設けた挿通孔50、および支持サポート部材の挿通孔46を連続貫通した後のこの延出端、つまりねじ部44aへのナット52の螺着により、この枢支ピンはレッグ部材34に離脱不能に設けられる。
【0044】
なお、図3、および図5に示すように、この実施の形態においては、このオイルレスブッシュ48とレッグ部材の対向縦壁34aとの間で枢支ピン44回りに、リング状スペーサ54を環装することによって、支持サポート部材16の位置の特定化をはかっている。
【0045】
また、図中の参照符号56は、段付ボルトである枢支ピン44の締結対象となるサポート板であり、このサポート板56は、レッグ部材の対向縦壁34aの、ナット52の位置する側の外面に、溶着等のもとで固着される。
【0046】
そして、図1、および図3に示すように、この発明においては、シート側部材22に設けられた固定ナット58-1,58-2への取付ボルト38-1,38-2の螺着のもとで、起歪板固定部12aがシート側部材22に固定される。
【0047】
固定ナット58-1,58-2としては、一端(上端)をカシメ端58-1a,58-2aとしたカシメナットが利用でき、シート側部材22に設けられた対応する挿通孔60-1,60-2へのカシメ端の挿入後におけるカシメ端のカシメによって、この固定ナット(カシメナット)はシート側部材下面にそれぞれ一体的に突設される。そして、この発明は、レッグ部材34への荷重検出手段20、つまり支持サポート部材16(起歪板支持部12b)の軸支、連結の後におけるシート側部材22への起歪板固定部12aの固定を前提としたものであるため、レッグ部材の下壁34bに設けた対応するばか孔62-1,62-2を介した、レッグ部材下方からの取付ボルト38-1,38-2の挿通のもとで、シート側部材22への起歪板固定部12aの固定が可能となっている。
【0048】
図1、および図3に示すように、起歪板の長手方向に離間並置された、たとえば前後2ヶ所の取付ボルト38-1,38-2は、いずれも段付ボルトとしてなり、荷重検出手段20の下方からの、シート側部材の固定ナット58-1,58-2への螺着によるその締結のもとで、シート側部材22に対する起歪板固定部12aの固定がはかられている。
【0049】
ここで、この実施の形態においては、図示の通り、取付ボルト38-1,38-2が異種の段付ボルトとして具体化されているが、起歪板固定部12aをその締結のもとでシート側部材22に単純に固定するのであれば、ヘッド38-2aで起歪板固定部を挟着、締結可能とする取付ボルト38-2の形態で足りる。しかし、この発明の実施の形態においては、取付ボルト38-1が、後述のストッパ手段64としての利用を前提としたものとして具体化されているため、この取付ボルト38-1は、シート側部材22への起歪板固定部12aの固定のみを前提とした取付ボルト38-2と、その形態を異ならせるものとなっている。
【0050】
なお、この取付ボルト38-1を利用したストッパ手段64に対する説明は後述する。
【0051】
上記のように、この、シート側部材22への起歪板固定部12aへの固定、およびレッグ部材34の対向縦壁34a間での支持サポート部材16の軸支のもとで、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設された荷重検出手段20においては、シート24に付加される荷重Fのもとで支持サポート部材、つまり起歪板支持部12bが枢支ピン44を中心として回動されるのに対し、起歪板固定部12aは、その一体的なシート側部材と共に、ほぼ平行に近い状態でほぼ垂直方向に昇降される。そして、図1、図2に示すように、シート20に付加された荷重F、つまりシート側部材22からの荷重Fが起歪板固定部12aに作用することにより、起歪板12はその中間領域12cにおいて歪曲されることから、この中間領域での歪曲量変化を歪みゲージ18によって検出し、更にはこの歪み量変化に伴って変動する歪み出力をもとにしてシート側部材22からの入力荷重値を検出することにより、この発明における荷重検出手段20における体重測定、および着座者の種別判別等は行われる。
【0052】
ここで、図1、および図3に示すように、この発明の荷重検出構造10においては、上述のストッパ手段64と、リミッタ枠65を有するリミッタ手段66とが、荷重検出手段20に対する保護性能の確保を目的として、それぞれ配設されている。
【0053】
上述したように、この発明の実施の形態においては、前出の取付ボルト38-1がこのストッパ手段64として利用されている。そして、レッグ部材34に対するシート側部材22の昇降範囲を規定可能、かつレッグ部材に対するシート側部材の分断を不能に、このストッパ手段64は構成されている。
【0054】
図1、および図3を見るとわかるように、取付ボルト38-1は、レッグ部材のばか孔62-1に遊挿配置される、このばか孔より小径で、かつカシメスリーブ40-1の貫通孔40-1cより大径の段部38a、およびばか孔より大径の大径ヘッド38bを有する段付ボルトとしてなり、この大径ヘッドとレッグ部材の下壁34bとの間に、ストッパギャップと称される隙間が設けられる。
【0055】
そして、このストッパギャップを経た後における、レッグ部材の下壁34b、つまりばか孔62-1の周縁に対する大径ヘッド38bの係合のもとで、レッグ部材34に対するシート側部材22の上昇規制、およびレッグ部材からのシート側部材の分離阻止を行うものとして、このストッパ手段64は構成されている。
【0056】
この、取付ボルトの大径ヘッド38bを利用する構成においては、レッグ部材34に対するシート側部材22の上昇規制、およびその上昇規制後におけるレッグ部材からのシート側部材の分離阻止を行うのみであるため、これだけではレッグ部材に対するシート側部材の下降規制、つまり昇降範囲の明確化がなされない。そこで、この実施の形態においては、カシメスリーブ40-1でのカシメにより起歪板固定部12aに一体的に設けられたストッパリング68をストッパ手段64における荷重検出手段側部材として更に加えることで、レッグ部材34に対するシート側部材22の下降規制を可能としている。
【0057】
図1、および図4に示すように、ストッパリング68は段付リングとしてなり、その上段部をカシメスリーブのカシメ端40-1bでカシメることによって、起歪板固定部12aに対して一体的に固定される。
【0058】
なお、このストッパリング68とばか孔62-1の周縁との間にも、ストッパギャップと称される隙間が設けられる。
【0059】
これらのストッパギャップは、ストッパ手段64の作動点、つまりばか孔62-1の周縁に取付ボルトの大径ヘッド38b、あるいはストッパリング68を係合させるまでの起歪板12の歪曲保障量を規定するためのものであり、その隙間量は、通常、荷重検出手段20による体重の測定可能範囲をもとに設定される。
【0060】
また、リミッタ手段66は、起歪板固定部12a周りを部分的に囲って配されたリミッタ枠65と、このリミッタ枠に所定の隙間を経た後に係合可能な、起歪板固定部12aの先端12dに固定的に配された緩衝カバー体70との組み合わせとされている。
【0061】
たとえば、図1、および図4に示すように、起歪板固定部12aの先端12dが、補剛板14-U,14-Lの重なりのない露出端として規定され、この先端が、たとえば樹脂カバーとしてなる断面略コ字形状の緩衝カバー体70によって覆われている。
【0062】
この緩衝カバー体70は、その上下端末に係止片70aを有して形成され、たとえば、補剛板14-U,14-Lの段部14-aに形成された係止孔72への遊嵌のもとで、起歪板露出端12dに固定されている。
【0063】
また、リミッタ枠65は、この緩衝カバー体70を離間状態で囲う枠体としてなり、この緩衝カバー体を囲う位置、つまり緩衝カバー体との整列位置で、レッグ部材の下壁34bに溶着等のもとで固定されている。
【0064】
図1に示すように、リミッタ枠66に対する緩衝カバー体70の上下には、リミッタギャップと称する隙間が形成されている。この隙間(リミッタギャップ)は、リミッタ枠65に妨げられることのない起歪板12の歪曲、つまりはレッグ部材34に対するシート側部材22の昇降を確保するためのものであり、この隙間量は、ストッパ手段64でのストッパギャップと同様に、通常、荷重検出手段20による体重の測定可能範囲をもとに設定される。
【0065】
つまり、着座者の体重による入力荷重、つまり通常荷重の入力のもとでは、起歪板中間領域12cが歪曲しても、リミッタ枠65への緩衝カバー体70の係合はこのリミッタギャップにより生じない。即ち、このリミッタギャップ内での緩衝カバー体70の移動程度であれば、起歪板12は、何の妨げをも受けることなく、その入力荷重に応じて歪曲できるため、荷重検出手段20による入力荷重の測定は適切に行える。
【0066】
そして、荷重検出手段20での測定可能範囲を越える過大な荷重が、シート側部材22から入力されると、緩衝カバー体70がリミッタ枠65に係合される。この緩衝カバー体70、リミッタ枠65間の係合によるリミッタ手段66の作動が生じると、それ以降の起歪板中間領域12cの歪曲が阻止されるとともに、シート側部材22からの入力荷重が、起歪板中間領域を介することなく、緩衝カバー体、つまり起歪板固定部12aからリミッタ枠、更にはレッグ部材34に直接的に作用、伝達されるため、この入力荷重の伝達経路から、起歪板中間領域が排除されることになる。
【0067】
つまり、過大な入力荷重の作用時においても、その過剰分の入力荷重は起歪板中間領域12cには入力されないため、この過大荷重からの起歪板12の保護が確実にはかられる。
【0068】
そして、この発明の荷重検出構造10においては、ストッパ手段64によるシート側部材22の昇降規制を、リミッタ手段66の作動による起歪板中間領域12cへの荷重の入力制限後に行うものとして、その作動順位を特定化している。
【0069】
このリミッタ手段66とストッパ手段64との作動順位の特定化は、リミッタギャップ、あるいはストッパギャップの差異等によりはかられる。
【0070】
つまり、荷重検出手段20での測定可能範囲を越える過大な荷重が、シート側部材22から入力されると、まず、リミッタ枠65への緩衝カバー体70の係合により、起歪板中間領域12cでの過剰な歪曲が規制される。そしてその後、その過大な入力荷重が、たとえば緩衝カバー体70を圧縮変形させるくらいの、衝突等の緊急時に発生する著しく大きな荷重であった場合においては、シート側部材22の更なる昇降に伴った起歪板固定部の移動により、大径ヘッド38a、およびストッパリング68のいずれかがばか孔62-1の周縁に係合されるため、この係合のもとで、レッグ部材34に対するシート側部材22の過剰な昇降が確実に規制される。
【0071】
そして、大径ヘッド38a、およびストッパリング68は、いずれもばか孔62-1より大径であるため、ばか孔62-1の周縁に対するその係合のもとで、レッグ部材34からのシート側部材22の分断も確実に阻止される。
【0072】
上記のように、この発明の車両用シートの荷重検出構造10においては、起歪板12を長手形状の平板としているため、高い検出感度が容易に確保可能となる。特に、長手形状の平板であれば、起歪板12が削り出し等の精密加工を要することなく形成できるため、高い検出感度の確保に加えたその作業性の向上、および製造コストの低下が確実にはかられる。
【0073】
また、起歪板固定部12a、および起歪板支持部12bに補剛板14-U,14-L、および支持サポート部材16を一体的に固定することで起歪板各端部の補剛を得ているため、歪みゲージ18の配置される中間領域12cとこの各端部との剛性対比が確実に得られる。つまり、起歪板12における歪曲箇所の特定化が確実にはかられるため、荷重の検出精度も確実に向上される。
【0074】
更に、この発明においては、荷重検出手段20を、ユニットベースとなる起歪板12への各部材の取り付けのもとで予めユニット化している。つまり、シート側部材22とレッグ部材34との間への配設前に、荷重検出手段20が形成できるため、荷重検出手段の組立工程が確実に簡単化される。そして、この一ユニット体としてなる荷重検出手段20を、シート側部材22とレッグ部材34との間に架設状に配設すれば足りるため、その取付工程も確実に簡単化されることから、この発明によれば、その作業性が向上される。
【0075】
特に、この発明においては、レッグ部材34の下方からのボルト止めのもとで起歪板固定部12aをシート側部材22に固定するものとしているため、その作業性が一層向上される。
【0076】
更に、この発明においては、リミッタ手段66とストッパ手段64とを設けることに加えて、その作動順位を、ストッパ手段にリミッタ手段を先行させるものとして特定化している。つまり、荷重検出手段20での測定可能範囲内である通常荷重を越える過大荷重が、シート側部材22から入力されると、まず、リミッタ手段の作動のもとで起歪板中間領域12cの歪曲量を制限し、これによる荷重伝達経路の短絡により、その過剰分をレッグ部材34、つまりは床体32に逃がすため、この過大荷重からの起歪板中間領域、ひいては荷重検出手段20の保護が確実にはかられる。
【0077】
そして、リミッタ手段66の作動後、ストッパ手段64がこれに遅れて作動することにより、シート側部材22からの過大な入力荷重が取付ボルト38-1、あるいはストッパリング68を介してレッグ部材34に直接的に逃がされるため、リミッタ手段の作動荷重を越える過大荷重からも、荷重検出手段20の保護が十分にはかられることになる。
【0078】
更に、ストッパ手段64は、レッグ部材34からのシート側部材22の分断を不能とするものであるため、リミッタ手段の作動荷重を越える過大荷重、つまり衝突等の緊急時における過大荷重の作用時においても、その保護性能は十分に確保される。
【0079】
そして、ストッパ手段64は、起歪板固定部12aをシート側部材22に固定する取付ボルト38-1を利用したものであるため、シート側部材からの荷重入力位置の直下に、このストッパ手段が位置することになる。つまり、シート側部材22からの過大な入力荷重は、レッグ部材34に、このストッパ手段64を経て円滑に伝達、作用し、この過大荷重の伝達経路を最小限に抑えているため、この点からも、その安全性の確保が十分にはかられる。
【0080】
従って、この発明によれば、高い検出感度の確保と、高い保護性能の確保との両立、および高い安全性の確保が容易、かつ十分に可能となる。
【0081】
そして、この発明においては、レッグ部材34に対するシート側部材22の昇降規制と、レッグ部材からのシート側部材の分断阻止とを、ストッパ手段64においていずれも得ているため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0082】
更に、この発明においては、リミッタ枠65で起歪板固定部12aを部分的に囲うことでリミッタ手段66を構成しているため、その大型化が確実に防止できる。
【0083】
つまり、この発明によれば、構成の複雑化、および大型化等を伴うことなく、起歪板易歪部12aに対する荷重の入力量規制、およびレッグ部材30に対するシート側部材18の昇降規制、更にはレッグ部材からのシート側部材の分断阻止が、いずれも確保可能となる。
【0084】
そして、この発明においては、起歪板固定部の先端12dに固定的に配した緩衝カバー体70と、この緩衝カバー体を囲うリミッタ枠65との組み合わせをリミッタ手段66としているため、リミッタ手段の作動時、つまりリミッタ枠への緩衝カバー体の係合時には、緩衝カバー体による緩衝が得られる。つまり、この緩衝のもとで、その係合時における衝撃、および異音が確実に抑止される。
【0085】
このように、起歪板中間領域12cに対する荷重の入力量規制時、つまりリミッタ手段66の作動時における衝撃、および異音が抑止されれば、これらを原因とする違和感、不快感等が軽減できるため、通常の着座状態における過大荷重の発生時、つまり急激な着座時での瞬間的な過大荷重や悪路走行時等の振動による瞬間的な過大荷重等の発生時における快適性が確保可能となる。
【0086】
従って、高い検出感度の確保と、高い保護性能の確保との両立に加えた安全性、快適性の向上が、この発明によれば十分に可能となる。
【0087】
ここで、この発明のように、取付ボルト38-1,38-2での締め付けのもとで起歪板固定部12aをシート側部材22に固定する場合においては、取付ボルトの回転方向への起歪板12、つまり荷重検出手段20の位置ずれ、強いていえば枢支ピン44に対する支持サポート部材16の傾斜に起因した枢支ピンへのオイルレスブッシュ48の圧接等が、枢支ピン回りでの支持サポート部材の円滑な回動を低下させる原因となり得るものとして懸念される場合がある。そこで、図3、および図4に示すように、この発明においては、カシメスリーブの上端ヘッド40-1a,40-2aの形状を非円形の回り止め形状、たとえば六角形とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状(六角形)の係合凹部72をカシメナット58-1,58-2の下面に形成することにより、このカシメスリーブとカシメナットとを回転不能に係合、連結可能としている。
【0088】
このような構成によれば、取付ボルト38-1,38-2による締め付けのもとで、起歪板固定部12a、ひいては荷重検出手段20がその締め付け回転方向に回動しようとしても、カシメスリーブ、カシメナット間の係合のもとで、この回動が確実に阻止されるため、枢支ピン44に対する支持サポート部材16の傾斜が確実に防止される。従って、枢支ピン44に対する支持サポート部材16の円滑な回動を容易に確保することができる。
【0089】
なお、この実施の形態においては、カシメスリーブの上端ヘッド40-1a,40-2a、およびカシメナット58-1,58-2の係合凹部72の回り止め形状を六角形として具体化しているが、非円形の回り止め形状であれば足りるため、六角形に限定されず、たとえば四角形等の他の多角形や、円周を部分的に切り欠いた切欠き円形等から、回り止め形状を形成してもよい。
【0090】
また、上述したこの実施の形態においては、起歪板の長手方向に離間並置された前後2ヶ所の取付ボルト38-1,38-2によって起歪板固定部12aをシート側部材22に固定するものとして具体化しているが、その数はこの限りではない。つまり、起歪板固定部12aをシート側部材22に対して安定的に固定可能であれば足りるため、前後2ヶ所に限定されず、たとえば前後3ヶ所等でのボルト止めのもとで、起歪板固定部12aをシート側部材22に固定する構成としてもよい。
【0091】
ところで、この発明の実施の形態においては、取付ボルト38-1,38-2のうち、取付ボルト38-1のみを、ストッパ手段64として機能可能な大径ヘッド付きの形態としているが、これに限定されず、たとえば、取付ボルト38-1,38-2の双方を大径ヘッド付きの形態とすることで、双方の取付ボルトをストッパ手段として機能させてもよい。
【0092】
更に、この実施の形態においては、取付ボルト38-1を利用してストッパ手段64を構成しているが、レッグ部材34に対するシート側部材22の昇降範囲を規定し、かつレッグ部材からのシート側部材の分断を阻止可能とすれば足りるため、これに限定されず、たとえば他の係合部材等を用いて、ストッパ手段を構成してもよい。
【0093】
しかしながら、ストッパ手段64に取付ボルト38-1を利用すれば、部品点数の増加が確実に抑制されるため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0094】
また、この発明の実施の形態においては、歪みゲージ18を、起歪板中間領域12cの上面に配設しているが、中間領域での歪曲量を検出可能であれば足りるため、これとは逆の下面に、この歪みゲージを固定的に配してもよい。
【0095】
更に、この発明の実施の形態においては、起歪板固定部12aの上下面の双方に補剛板14-U,14-Lを配しているが、シート側部材22への固定部として機能可能な剛性を、この起歪板固定部に確保可能とすれば足りるため、これに限定されず、たとえば、起歪板固定部の上下のいずれかの面のみに、補剛板を配する構成としてもよい。
【0096】
ここで、この実施の形態においては、この上下の補剛板14-U,14-Lによって、リミッタ手段66をなす緩衝カバー体70の固定を行っている。つまり、この実施の形態のような、断面略コ字形状の緩衝カバー体70を有する構成においては、上下の補剛板14-U,14-Lで起歪板固定部12aを挟着することが、構成の簡素化や作業性の向上に繋がるものとして好ましい。
【0097】
なお、この実施の形態においては、上下の補剛板14-U,14-Lによる挟持、係着のもとで、緩衝カバー体70の固定的保持をはかっているが、起歪板固定部の先端12dに緩衝カバー体を保持可能とすれば足りるため、これに限定されず、他の手段、たとえばねじ止め等のもとで起歪板固定部の先端に緩衝カバー体を固定してもよい。
【0098】
また、この実施の形態においては、上下の補剛板14-U,14-Lの除かれた起歪板固定部の先端12dに、緩衝カバー体70を配設しているが、この緩衝カバー体は、起歪板固定部12aに位置し、なおかつその回りにリミッタ枠65を配置可能であれば足りるため、これに限定されず、たとえば上下の補剛板回りに、この緩衝カバー体を固定的に配設する構成としてもよい。
【0099】
しかしながら、上下の補剛板14-U,14-L回りに緩衝カバー体70を設けると、緩衝カバー体、およびリミッタ枠65の大型化、ひいては高さ方向での荷重検出構造10の大型化が避けられない。これに対し、上下の補剛板14-U,14-Lの除かれた起歪板固定部の先端12dに、緩衝カバー体70を配設すれば、緩衝カバー体の大型化、およびこれに伴ったリミッタ枠65の大型化が確実に抑制されるため、高さ方向での荷重検出構造10の大型化が確実に防止可能となる。
【0100】
また、この実施の形態においては、緩衝カバー体70を樹脂カバーとして例示しているが、緩衝カバー体は、リミッタ枠65への係合時における衝撃、異音等の発生を抑止可能とする弾性素材からなるものであれば足りるため、これに限定されず、たとえば合成ゴム等からなる部材を、この緩衝カバー体として利用してもよい。
【0101】
更に、この発明の実施の形態においては、支持サポート部材の挿通孔46の位置を、起歪板支持部12bとその上下方向で重なる位置として具体化しているが、枢支ピン44の貫通を、起歪板支持部12bに妨げられることなく保障可能とする位置であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、起歪板支持部とのその平面上での整列位置、つまり起歪板12の長手軸線の延長線上に、支持サポート部材の挿通孔を設ける構成としてもよい。
【0102】
しかしながら、このように起歪板支持部12bとのその平面上での整列位置に挿通孔46を設けると、起歪板12の長手方向における支持サポート部材16の大型化、つまり荷重検出手段20の長大化が避けられない。これに対し、支持サポート部材の挿通孔46の位置を、起歪板支持部12bとその上下方向で重なる位置とすれば、この、荷重検出手段20の長大化が確実に防止できるため、この構成によれば、荷重検出手段の小型化が十分に可能となる。
【0103】
ところで、この種の構造においては、荷重検出手段20がシートクッション26の前後左右の4ヶ所に配設され、通常は、この各荷重検出手段により検出した荷重の合計から、シート24に付与された荷重の計測、判別が行われる。しかし、この合計による荷重の測定のみでなく、たとえば、荷重検出手段20を前部、後部に分離規定し、いずれの側の荷重検出手段に多くの荷重が作用しているか等によって、その着座姿勢をも判別可能としてもよい。
【0104】
そして、この発明の実施の形態においては、シートスライド装置のロアレールを、シート24に一体的に設けられたシート側部材22として例示している。しかし、シート側部材22は、シート24に一体的に設けられたものであれば足りるため、シートスライド装置を有しないシートであれば、シートクッション自体を、シート側部材として置き換えればよい。
【0105】
また、この実施の形態においては、自動車等のシートを車両用シートとして例示しているが、これに限定されず、バス、トラック等の他の車両用シートに、この発明を応用してもよい。更に、自動車等に限定されず、電車、飛行機、船舶等の他の乗り物用シートに、この発明を応用してもよい。
【0106】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0107】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係る車両用シートの荷重検出構造によれば、起歪板を長手形状の平板としているため、高い検出感度が容易に確保可能となる。特に、長手形状の平板であれば、起歪板が削り出し等の精密加工を要することなく形成できるため、高い検出感度の確保に加えたその作業性の向上、および製造コストの低下が確実にはかられる。
【0108】
そして、起歪板固定部、および起歪板支持部に補剛板、および支持サポート部材を一体的に固定することで起歪板各端部の補剛を得ているため、歪みゲージの配置される中間領域とこの各端部との剛性対比が確実に得られる。つまり、起歪板12における歪曲箇所の特定化が確実にはかられるため、荷重の検出精度も確実に向上される。
【0109】
更に、この発明では、レッグ部材に対するシート側部材の昇降規制を行うストッパ手段に加えて、起歪板への荷重の入力規制をこのストッパ手段の作動前に行うリミッタ手段を設けているため、検出感度、および保護性能の両立がはかられる。
【0110】
そして、このリミッタ手段の作動時における衝撃、および異音の発生が、リミッタ手段をなすリミッタ枠と緩衝カバー体との組み合わせのもとで確実に抑止されるため、検出感度、および保護性能の両立、確保に加えた安全性、快適性の向上が容易に得られる。
【0111】
更に、ストッパ手段は、レッグ部材に対するシート側部材の昇降規制と、レッグ部材からのシート側部材の分断阻止とを兼ねるものであるため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0112】
また、この発明においては、荷重検出手段を、ユニットベースとなる起歪板への各部材の取り付けのもとで予めユニット化している。つまり、シート側部材とレッグ部材との間への配設前に、荷重検出手段が形成できるため、荷重検出手段の組立工程が確実に簡単化される。そして、この一ユニット体としてなる荷重検出手段を、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設すれば足りるため、その取付工程も確実に簡単化されることから、この発明によれば、その作業性が向上される。
【0113】
特に、この発明においては、レッグ部材の下方からのボルト止めのもとで起歪板固定部をシート側部材に固定するものとしているため、その作業性が一層向上される。
【0114】
また、取付ボルトをストッパ手段として利用すれば、部品点数の増加が確実に抑制されるため、その構成の簡素化が十分にはかられる。
【0115】
そして、カシメスリーブの上端ヘッドの形状を非円形の回り止め形状とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状の係合凹部を、カシメナットとしてなるシート側部材の固定ナットに形成すれば、取付ボルトによる締め付けのもとで荷重検出手段がその締め付け回転方向に回動しようとしても、カシメスリーブ、カシメナット間の係合のもとで、この回動が確実に阻止されるため、枢支ピンに対する支持サポート部材の傾斜が確実に防止される。従って、枢支ピンに対する支持サポート部材の円滑な回動を容易に確保することができる。
【0116】
更に、補剛板の除かれた起歪板固定部の先端に、緩衝カバー体を配設すれば、緩衝カバー体の大型化、およびこれに伴ったリミッタ枠の大型化が確実に抑制されるため、高さ方向での荷重検出構造の大型化が確実に防止可能となる。
【0117】
そして、支持サポート部材の挿通孔の位置を、起歪板支持部とその上下方向で重なる位置とすれば、この、荷重検出手段の長大化が確実に防止できるため、この構成によれば、荷重検出手段の小型化が十分に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用シートの荷重検出構造の概略縦断面図である。
【図2】この発明の荷重検出構造を備えた車両用シートの概略側面図である。
【図3】車両用シートの荷重検出構造の概略分解斜視図である。
【図4】荷重検出手段の概略分解斜視図である。
【図5】車両用シートの荷重検出構造の、一部破断の概略平面図である。
【符号の説明】
10 車両用シートの荷重検出構造
12 起歪板
14-U、14-L 補剛板
16 支持サポート部材
18 歪みゲージ
20 荷重検出手段
22 シート側部材(ロアレール)
34 レッグ部材
38-1,38-2 取付ボルト
40-1,40-2 カシメスリーブ
44 枢支ピン
58-1,58-2 固定ナット(カシメナット)
62-1,62-2 ばか孔
64 ストッパ手段
65 リミッタ枠
66 リミッタ手段
70 緩衝カバー体
Claims (6)
- シート側部材からの入力荷重を検出する荷重検出手段を、シート側部材と床体側のレッグ部材との間に架設状に配してなる車両用シートの荷重検出構造において、
上記荷重検出手段が、復元力を持った可歪性素材からなる、長手平板形状の起歪板と;起歪板一端部への重ね合わせのもとで配置され、取付ボルトを遊挿可能とするカシメスリーブの連続貫通後のカシメにより、この起歪板一端部に一体的に固定された補剛板と;枢支ピンの貫通可能な挿通孔を有して、起歪板他端部に一体的に固定された支持サポート部材と;補剛板と支持サポート部材との間に規定された起歪板中間領域の上下いずれかの面に固定的に配された、起歪板の歪み量変化を検出可能な歪みゲージと;起歪板一端部の先端上下面を覆って固定的に配された、弾性部材としてなる緩衝カバー体と;を備えて予めユニット化され、
取付ボルトによる締め付けの不能なばか孔がレッグ部材の下壁に設けられ、このばか孔、およびカシメスリーブを連続挿通した後の取付ボルトを、シート側部材に固定された固定ナットに螺着することにより、起歪板一端部を、その締結のもとでシート側部材に一体的に固定するとともに、支持サポート部材への貫通を経たレッグ部材の対向縦壁間での枢支ピンの架設挿着によって、この支持サポート部材をレッグ部材の対向縦壁間に軸支することにより、前記荷重検出手段を、そのユニット体のまま、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設し、
前記緩衝カバー体を囲うリミッタ枠を、レッグ部材に固定することでこれをリミッタ手段とし、特定の隙間としてなるリミッタギャップ内での移動を経た後における、リミッタ枠への緩衝カバー体の係合による起歪板の歪曲量規制のもとで、起歪板への入力荷重を制限可能とするとともに、
特定の隙間としてなるストッパギャップ内での移動を経た後にレッグ部材の係合端に係合する係合体を、起歪板固定部と一体的に昇降可能に設けて、これをストッパ手段とし、このストッパ手段によるシート側部材の昇降規制タイミングを、リミッタ枠への緩衝カバー体の係合による入力荷重の制限後として特定化したことを特徴とする車両用シートの荷重検出構造。 - 起歪板一端部と補剛板とを一体的に固定するカシメスリーブを、起歪板の長手方向に離間並置された、少なくとも前後2ヶ所に配するものとし、
このカシメスリーブに挿通される、少なくともいずれか一方の取付ボルトが、対応するカシメスリーブの孔径より大径であり、かつレッグ部材のばか孔への遊挿配置の可能な大径の段部、およびばか孔より大径の大径ヘッドを有した段付ボルトとされ、この段付ボルトの大径ヘッドとレッグ部材のばか孔周縁との間の隙間、および荷重検出手段に一体的に設けられた荷重検出手段側部材とレッグ部材のばか孔周縁との間の隙間をそれぞれストッパギャップとして規定することにより、これらをストッパ手段とした請求項1記載の車両用シートの荷重検出構造。 - シート側部材の固定ナットを、その下方に突設されたカシメナットとするとともに、
カシメスリーブの上端ヘッドの形状を非円形の回り止め形状とし、この上端ヘッドの嵌入可能な対応形状の係合凹部を固定ナット下面に形成することにより、このカシメスリーブと固定ナットとを回転不能に係合、連結可能とした請求項1または2記載の車両用シートの荷重検出構造。 - 補剛板が、起歪板一端部の上下面で、その先端部を除いてそれぞれ配され、
起歪板の一端部先端の嵌入可能な開口を有した断面略コ字形状の樹脂カバーとしてなる緩衝カバー体が、補剛板の係止端末による挟持、係着のもとで、補剛板の除かれた起歪板の一端部先端に一体的に設けられた請求項1ないし3のいずれか記載の車両用シートの荷重検出構造。 - シート側部材からの入力荷重を検出する荷重検出手段を、シート側部材と床体側のレッグ部材との間に架設状に配してなる車両用シートの荷重検出構造において、
上記荷重検出手段が、復元力を持った可歪性素材からなる、長手平板形状の起歪板と;起歪板一端部への重ね合わせのもとで配置され、取付ボルトを遊挿可能とするカシメスリーブの連続貫通後のカシメにより、この起歪板一端部に一体的に固定された補剛板と;枢支ピンの貫通可能な挿通孔を有して、起歪板他端部に一体的に固定された支持サポート部材と;補剛板と支持サポート部材との間に規定された起歪板中間領域の上下いずれかの面に固定的に配された、起歪板の歪み量変化を検出可能な歪みゲージと;を備えて予めユニット化され、
取付ボルトによる締め付けの不能なばか孔がレッグ部材の下壁に設けられ、このばか孔、およびカシメスリーブを連続挿通した後の取付ボルトを、シート側部材に固定された固定ナットに螺着することにより、起歪板一端部を、その締結のもとでシート側部材に一体的に固定するとともに、
支持サポート部材への貫通を経たレッグ部材の対向縦壁間での枢支ピンの架設挿着によって、この支持サポート部材をレッグ部材の対向縦壁間に軸支することにより、前記荷重検出手段を、そのユニット体のまま、シート側部材とレッグ部材との間に架設状に配設可能としたことを特徴とする車両用シートの荷重検出構造。 - 支持サポート部材の挿通孔が、起歪板他端部に、その上下方向で重なる位置に設けられた請求項1ないし5のいずれか記載の車両用シートの荷重検出構造。
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