JP3904902B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子上に被写体像を形成して画像データを得るカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮影レンズによりCCDセンサ等の撮像素子上に被写体像を形成して画像データを得、この画像データに圧縮処理を施してもしくはそのままスマートメディア等の記録媒体上に記録するカメラが知られている。このようなカメラにおいて、安価なカメラを提供するために様々な提案が行なわれている。例えば、特開平11−225282号公報には、カメラを構成するメモリカードコネクタおよびLCDユニットをシールド構造化することにより、ノイズの影響を受けやすいアナログ回路基板をシールドするための部材を削除する技術が提案されている。また、特開平11−8786号公報には、カメラ本体のグリップ部に単一の電池収納室を設けることにより、複数本の電池それぞれを分割して収納するための壁部を削除する技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特開平11−225282号公報や特開平11−8786号公報に提案された技術は、カメラを構成する部材の一部を工夫してコストを削減するものであるため、カメラの、大幅なコストダウンに欠けるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、大幅なコストダウンが図られたカメラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のカメラは、前カバーと、後カバーと、その前カバーおよびその後カバーを囲う外装用フイルムとを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明のカメラは、例えば、前カバーに撮影レンズが覗く穴や光学式ファインダ対物窓およびシャッタボタンや電源スイッチを備えるとともに、後カバーに光学ファインダ接眼窓やメニュースイッチ等を備え、それら前カバーおよび後カバを外装用フイルムで囲う構成とすることができる。このようにすることにより、従来の、カメラを構成する部材の一部を工夫してコストを削減する技術と比べ、カメラの構成および組立を大幅に簡素化することができる。従って、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0007】
ここで、本発明のカメラは、撮像素子が搭載され上記前カバーと上記後カバーとに挟まれた基板を備えたものであることが好ましい。
【0008】
このようにすると、撮像素子が搭載された基板を簡単に取り付けることができるため、さらなるコストダウンを図ることができる。
【0009】
また、上記外装用フイルムは、このカメラの作用上光がその外装用フイルムを通過する必要のある機能部分が光透過性に、その機能部分を除く部分が遮光性に形成されたものであることも好ましい。
【0010】
このようにすると、前カバーおよびその後カバーを外装用フイルムで囲うにあたり、カメラの機能を満足したままネジや接合部等が外部から見えることが防止されて品位が高まる。
【0011】
さらに、上記外装用フイルムは、押ボタン上部に膨らみを有するものであることも好ましい態様である。
【0012】
このようにすると、前カバーや後カバーから突出した押ボタンを用いた場合であっても、その押ボタンに対して外装用フイルムによるテンションがかかることが防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態のカメラを前面斜め上から見た外観斜視図、図2は、図1のカメラを背面斜め上から見た外観斜視図である。
【0015】
図1に示すように、このカメラ100の前面中央部には、撮影レンズ11が備えられている。また、このカメラ100の前面上部には、光学式ファインダ対物窓12および補助光発光部13が備えられている。さらに、このカメラ100の上面には、シャッタボタン14およびスライド式の電源スイッチ15が備えられている。
【0016】
さらに、図2に示すように、このカメラ100の背面には、光学式ファインダ接眼窓16と、メニュースイッチ17と、実行/画面切換スイッチ18と、画像モニタ19とが備えられている。
【0017】
また、カメラ100のボディは外装用フイルム20で囲われている。この外装用フイルム20は、このカメラ100の作用上光がその外装用フイルム20を通過する必要のある機能部分が光透過性に、その機能部分を除く部分が遮光性に形成されている。以下、この点について図3、図4を参照して詳細に説明する。
【0018】
図3は、図1に示すカメラの、光学式ファインダ周辺の断面図である。
【0019】
図3に示す外装用フイルム20は、光透過性の部分である透過性素材21と、その光透過性の部分が着色(もしくはプリント)処理されてなる遮光性の部分である遮光性素材22とから構成されている。光学式ファインダ対物窓12および光学式ファインダ接眼窓16は、透過性素材21で覆われている。また、光学式ファインダ対物窓12と光学式ファインダ接眼窓16の間には、ボディ30に支持されたファインダ用レンズ50が備えられている。ボディ30は、遮光性素材22で覆われている。
【0020】
図4は、図1に示すカメラの、画像モニタ周辺の断面図である。
【0021】
画像モニタ19は、ボディ30に載置されており、この画像モニタ19は、透過性素材21で覆われている。また、ボディ30の、画像モニタ19を除く部分は、遮光性素材22で覆われている。
【0022】
本実施形態のカメラ100では、図3、図4に示すように、外装用フイルム20の、光学式ファインダ対物窓12,光学式ファインダ接眼窓16および画像モニタ19に対応する部分が光透過性である透過性素材21で形成されるとともに、ボディ30の、上記光学式ファインダ対物窓12,光学式ファインダ接眼窓16,画像モニタ19を除く部分が遮光性である遮光性素材22で形成されている。このため、カメラ100の機能を満足したままネジや接合部等が外部から見えることが防止されて品位が高められている。
【0023】
再び図2に戻って説明を続ける。図2に示すメニュースイッチ17および実行/画面切換スイッチ18には、カメラ100のボディ30から突出したスイッチが用いられている。これらメニュースイッチ17,実行/画面切換スイッチ18は、外装用フイルム20で覆われている。以下、図5を参照して詳細に説明する。
【0024】
図5は、図2に示すカメラの、メニュースイッチ周辺の断面図である。
【0025】
メニュースイッチ17は、図5(a)に示すように、ボディ30から突出してそのボディ30に載置されている。外装用フイルム20は、図5(b)に示すように、メニュースイッチ17の上部に膨らみ部23を有する。このようにすることにより、ボディ30から突出したメニュースイッチ17に対して外装用フイルム20によるテンションがかかることが防止される。尚、実行/画面切換スイッチ18も、ボディ30から突出してそのボディ30に載置されており、外装用フイルム20は、その実行/画面切換スイッチ18の上部にも膨らみ部(図示せず)を有する。このため、実行/画面切換スイッチ18に対しても外装用フイルム20によるテンションがかかることが防止される。また、外装用フイルム20の、メニュースイッチ17,実行/画面切換スイッチ18に対応する位置にマークが印字されているため、操作に何らの支障もない。
【0026】
尚、メニュースイッチ17,実行/画面切換スイッチ18として、カメラ100のボディ30から突出することが抑えられたプッシュスイッチを用いてもよい。その場合、外装用フイルム20の、メニュースイッチ17,実行/画面切換スイッチ18に対応する部分が透過性素材21であってもよい。
【0027】
図2に示す画像モニタ19の表面は、硬質のガラスもしくはアクリル等の透明素材で覆われている。また、外装用フイルム20の、画像モニタ19に対応する部分は、透過性素材21で形成されている。このため、画像モニタ19の表面は、硬質のガラスもしくはアクリル等の透明素材および外装用フイルム20の双方で保護される。従って、画像モニタ19の表面に傷が付きにくいという利点を有する。
【0028】
図6は、図1に示すカメラの、外装用フイルムで囲われる前の分解斜視図である。
【0029】
図6には、カメラ100のボディ30を構成する前カバー31および後カバー32と、それら前カバー31および後カバー32に挟まれた基板33が示されている。
【0030】
前カバー31には、撮影レンズ11が覗く穴31bと、シャッタボタン14と、電源スイッチ15と、光学式ファインダ対物窓12および補助光発光部13が覗く穴(図示せず)とが備えられている。また、前カバー31には4つのスタッド31aが立設されている。
【0031】
一方、後カバー32には、光学式ファインダ接眼窓16と、メニュースイッチ17と、実行/画面切換スイッチ18と、画像モニタ19とが備えられている。また、後カバー32には4つの孔32aが設けられている。
【0032】
また、基板33には、カメラ100としての、撮像素子33bを含む電子部品が実装されている。さらに、基板33には4つの孔33aが設けられている。
【0033】
図7は、図6に示す前カバー,基板,後カバーの一部を拡大して示す図である。
【0034】
前カバー31に立設されたスタッド31aには円筒部31a1が形成されている。このカメラ100を組み立てるには、前カバー31に立設されたスタッド31aの円筒部31a1に基板33の孔33aを挿入して基板33を前カバー31に載置する。次に、基板33の上から後カバー32をかぶせ、さらに後カバー32の孔32aから基板33の孔33aを介してネジ34でスタッド31aの円筒部31a1に固定する。さらに、外装用フイルム20で、前カバー31および後カバー32を囲う。これにより、ネジ34が露出したり前カバー31と後カバー32との接合部が外部から見えることが防止されて品位が高まることとなる。
【0035】
図8は、図7に示す前カバー,基板,後カバーの拡大図とは異なる前カバー,基板,後カバーの拡大図である。
【0036】
図8には、前カバー31に立設されたスタッド31aに代えて、プラスティック状のスタッド41aが示されている。このスタッド41aは、後カバー32の孔32aに嵌合される嵌合部41bを有する。このようなスタッド41aを備えると、ネジ34を用いることなく、前カバー31と後カバー32とで基板33を挟むことができるため一層のコストダウンが図られる。
【0037】
図9は、基板に搭載された撮像素子のズレを説明するための図である。
【0038】
図9(a)に示す撮像素子33bには、パッケージ33b1と、パッケージ33b1の中央部に位置する枠部33b2と、その枠部33b2内に配備された半導体チップ33b3とが備えられている。ここで、半導体チップ33b3は、枠部33b2内に配備されるにあたり、撮像素子33bの基準線Aに対して所定の回転角α(誤差)を有する。このような撮像素子33bが基板33に搭載される。ここで、基板33に撮像素子33bを搭載するにあたり、図9(b)に示すように、基板33の基準線Bに対しても所定の回転角β(誤差)を有する。そこで、基板33を挟んで前カバー31と後カバー32をネジ34で固定するにあたり、これらの誤差を相殺するように固定すると、精度のよいカメラ100を提供することができる。
【0039】
図10は、図1に示すカメラの回路構成を示すブロック図である。
【0040】
このカメラ100には、前述した撮影レンズ11および補助光発光部13と、シャッタ・絞り部71と、撮像素子32bとが備えられている。撮影レンズ11およびシャッタ・絞り部71を経由して結像された撮影像は、撮像素子32b上で焦点を結びアナログの画像信号に変換される。ここで、シャッタ・絞り部71を構成するシャッタ部は、撮像素子32bからアナログ信号が読み出すにあたり、光によるスミアの発生を抑えるものであるが、撮像素子32bの構成により必ずしも必要なものではない。また、絞り(絞り部)は、単一の絞りであってもよく切換自在な複数の絞りからなるものであってもよい。補助光発光部13は、低照度時に補助光として用いられるものであるが、低照度以外の必要時にあるいは強制的にさせることもできる。
【0041】
また、このカメラ100には、アナログ信号処理部72と、A/D部73と、デジタル信号処理部74と、テンポラリメモリ75と、圧縮伸長部76と、内蔵メモリ(またはメモリカード)77と、画像モニタ19と、駆動回路78とが備えられている。撮像素子32bは、駆動回路78内のタイミング発生回路(図示せず)によって発生したタイミングで駆動され、アナログの画像信号を出力する。また、駆動回路78には、レンズ11,シャッタ・絞り部71,補助光発光部13等を駆動する駆動回路も含まれている。撮像素子32bから出力されたアナログの画像信号は、アナログ信号処理部72でアナログ信号処理され、A/D部73でA/D変換されてデジタル信号処理部74でデジタル信号処理される。デジタル信号処理された信号を表わすデータはテンポラリメモリ75に一時的に格納される。テンポラリメモリ75に格納されたデータは、圧縮伸長部76で圧縮されて内蔵メモリ(またはメモリカード)77に記録される。尚、撮影モードによっては、圧縮の過程を省いて内蔵メモリ77に直接記録してもよい。テンポラリメモリ75に格納されたデータは画像モニタ19に読み出され、これにより画像モニタ19に被写体の画像が表示される。
【0042】
また、カメラ100には、このカメラ100全体の制御を行なうCPU79と、前述したメニュースイッチ17および実行/画面切換スイッチ18からなる操作スイッチ群80と、シャッタボタン14とが備えられており、操作スイッチ群80を操作して所望の撮影状態に設定してシャッタボタン14を押下することにより写真撮影が行なわれる。
【0043】
本実施形態のカメラ100は、前カバー31に撮影レンズ11が覗く穴や光学式ファインダ対物窓12およびシャッタボタン14や電源スイッチ15を備えるとともに、後カバー32に光学ファインダ接眼窓16やメニュースイッチ17および画像モニタ19を備え、それら前カバー31および後カバー32でカメラ100としての撮像素子33bを含む電子部品が実装された基板33を挟んで外装用フイルム20で囲う構成であるため、従来の、カメラを構成する部材の一部を工夫してコストを削減する技術と比較し、カメラ100の構成および組立が大幅に簡素化される。従って、大幅なコストダウンが図られる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大幅なコストダウンが図られたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカメラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【図2】図1のカメラを背面斜め上から見た外観斜視図である。
【図3】図1に示すカメラの、光学式ファインダ周辺の断面図である。
【図4】図1に示すカメラの、画像モニタ周辺の断面図である。
【図5】図2に示すカメラの、メニュースイッチ周辺の断面図である。
【図6】図1に示すカメラの、外装用フイルムで囲われる前の分解斜視図である。
【図7】図6に示す前カバー,基板,後カバーの一部を拡大して示す図である。
【図8】図7に示す前カバー,基板,後カバーの拡大図とは異なる前カバー,基板,後カバーの拡大図である。
【図9】基板に搭載された撮像素子のズレを説明するための図である。
【図10】図1に示すカメラの回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 撮影レンズ
12 光学式ファインダ対物窓
13 補助光発光部
14 シャッタボタン
15 電源スイッチ
16 光学式ファインダ接眼窓
17 メニュースイッチ
18 実行/画面切換スイッチ
19 画像モニタ
20 外装用フイルム
20a 外装用フイルムの部分
21 透過性素材
22 遮光性素材
23 膨らみ部
30 ボディ
31 前カバー
31a,41a スタッド
31a1 円筒部
31b,32a,32b,33a 孔
32 後カバー
33 基板
33b 撮像素子
33b1 パッケージ
33b2 枠部
33b3 半導体チップ
34 ネジ
41b 嵌合部
50 ファインダ用レンズ
71 シャッタ・絞り部
72 アナログ信号処理部
73 A/D部
74 デジタル信号処理部
75 テンポラリメモリ
76 圧縮伸長部
77 内蔵メモリ
78 駆動回路
79 CPU
80 操作スイッチ群
100 カメラ
Claims (5)
- 撮影レンズにより撮像素子上に被写体像を形成して画像データを得、この画像データを記録媒体上に記録するカメラにおいて、
前記カメラの撮影レンズ窓を持つ前カバーと、
後カバーと、
前記撮像素子が搭載され、前記前カバーと前記後カバーとに挟まれた基板と、
前記前カバーと前記基板と前記後カバーとを一体的に締結する締結部材と、
前記前カバーおよび前記後カバーを囲う外装用フイルムとを備え、
前記基板が、前記前カバーおよび前記後カバーに対する回転角が調整された状態に、前記締結部材により締結されており、
前記外装用フイルムが、前記撮影レンズ前面は光透過性に、前記前カバーと前記後カバーとの接合部を覆う部分および前記締結部材による締結部を覆う部分は遮光性に形成されたものであることを特徴とするカメラ。 - 撮影レンズにより撮像素子上に被写体像を形成して画像データを得、この画像データを記録媒体上に記録するカメラにおいて、
前記カメラの撮影レンズ窓を持つ前カバーと、
後カバーと、
前記撮像素子が搭載され、前記前カバーと前記後カバーとに挟まれた基板と、
前記前カバーと前記基板と前記後カバーとを一体的に締結する締結部材と、
前記前カバーおよび前記後カバーを囲う外装用フイルムと、
補助光発光部とを備え、
前記基板が、前記前カバーおよび前記後カバーに対する回転角が調整された状態に、前記締結部材により締結されており、
前記外装用フイルムが、前記撮影レンズ前面および前記補助光発光部前面は光透過性に、前記前カバーと前記後カバーとの接合部を覆う部分および前記締結部材による締結部を覆う部分は遮光性に形成されたものであることを特徴とするカメラ。 - 光学式ファインダを内蔵し、前記前カバーに光学式ファインダ対物窓を有するとともに前記後カバーに光学式ファインダ接眼窓を有し、
前記外装用フイルムは、さらに、前記光学式ファインダ対物窓前面および前記光学式ファインダ接眼窓前面も光透過性に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のカメラ。 - 画像を表示する画像モニタを有し、
前記外装用フイルムは、さらに、前記画像モニタ前面も光透過性に形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のカメラ。 - 押ボタンを備え、前記外装用フイルムが、さらに、前記押ボタンを覆う部分も光透過性に形成されていることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載のカメラ。
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