JP3904827B2 - ギヤポンプおよびこれに用いるハウジング加工方法 - Google Patents

ギヤポンプおよびこれに用いるハウジング加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジングに形成された凹部内で互いに噛み合う一対のギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプと、上述のハウジングの加工方法とに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
例えば、簡素な構造のギヤポンプとして、そのハウジングに凹部を形成し、凹部に上述の一対のギヤを収容し、蓋部材により凹部を密封したものがある。
凹部は、一対のギヤに対応する2つの円がつながった長円形に形成されている。2つの円に対応して、各ギヤの側面に対向する一対の対向部分が設けられている。各対向部分の中央部には、各ギヤを支持するための支持孔がそれぞれ形成されている。
【0003】
ところで、ギヤポンプでは、各ギヤの外周面と、これに対向する凹部の内周壁との隙間量を規制することにより、その隙間を封止して、ポンプ効率を高く維持するようにしている。上述の隙間量を規制するためには、各支持孔とこれに対応する凹部の内周壁とが高い同芯度を必要とすると考えられ、これを実現するために、通常、凹部と支持孔とは、座ぐり加工により図6に示すようにして形成されている。
【0004】
座ぐり工具91は、通常、上記の各ギヤ側面に対向する各対向部分96,97に対応する円とほぼ同径の座ぐり加工部92と、座ぐり加工部92の先端から突出する同芯で小径の支持孔加工部93とを一体に有している。図6(a)および図6(b)に示すように、一方の支持孔94とこの周囲の対向部分96とを加工した座ぐり工具91は、図6(c)および図6(d)に示すように、上記一方の支持孔94から支持孔加工部93を抜かなければ、他方の支持孔95とこれの周囲の対向部分97の加工に移ることができない。すなわち、凹部90の加工において、一対の対向部分96,97の加工は、必然的に互いに別工程となる。
【0005】
このように互いに別工程で加工される一の対向部分96から他の対向部分97へ工具91を移動させる際に、座ぐり工具91の座ぐり加工部92は加工面から一旦離れてしまう(図6(c)参照)。その結果、通常工作機械に存在するバックラッシ等の影響により、工具91が離れる前後で加工された加工面同士の間、すなわち、一対の対向部分96,97の間に段差98が生じる。従って、例えば、一対のギヤが互いに噛み合う部分に対応した位置で、一方の対向部分96に対応する一方のギヤ(このギヤは、段差の高い側となる一方の対向部分96にある支持孔に支持されている。)の側面と、他方の対向部分97(段差の低い側となる。)との間に、段差分の隙間が生じ、作動流体の漏れが多くなって、ポンプ性能が低下してしまうことがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、凹部加工時に段差の生成を防止できるギヤポンプおよびこれに用いるハウジングの加工方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1に記載の発明は、ハウジングに形成された凹部が、一対のギヤにそれぞれ対向する一対の対向部分を含み、上記ハウジングは、上記凹部と対向する方向から見たときに、互いに平行な一対の第1の外側面と互いに平行な一対の第2の外側面とを有して略矩形をなすギヤポンプであって、上記凹部の上記一対の対向部分は、一工程で加工された互いに一続きの平坦面であって、上記凹部と対向する方向から見たときに、ハウジングの上記一対の第1の外側面間の略中央部に配置されるとともに、その輪郭形状が、上記一対の第1の外側面に平行な一対の直線状部分と、これら一対の直線状部分の両端を結ぶ一対の半円状部分とを有する長円形形状をなす平坦面を含むことを特徴とするギヤポンプを提供する。
この発明によれば、一対の対向部分の加工は、一工程でなされ、このとき、工具は加工面から離れることなく連続して加工動作するので、一対の対向部分を互いに一続きの平坦面にすることができる。これにより、ギヤ側面と凹部との間を通して、高圧側から低圧側へ作動流体が漏れることを抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、ハウジングに形成された凹部が、一対のギヤにそれぞれ対向する一対の対向部分を含み、上記ハウジングは、上記凹部と対向する方向から見たときに、互いに平行な一対の第1の外側面と互いに平行な一対の第2の外側面とを有して略矩形をなすギヤポンプにおいて上記ハウジングを加工する方法であって、上記凹部の上記一対の対向部分を、一工程にて加工することにより、一対の対向部分を互いに一続きの平坦面であって、上記凹部と対向する方向から見たときに、ハウジングの上記一対の第1の外側面間の略中央部に配置されるとともに、その輪郭形状が、上記一対の第1の外側面に平行な一対の直線状部分と、これら一対の直線状部分の両端を結ぶ一対の半円状部分とを有する長円形形状をなす平坦面として構成することを特徴とするギヤポンプのハウジング加工方法を提供する
この発明の加工方法によれば、請求項1のギヤポンプのハウジングを得ることができる。従って、このハウジングを用いたギヤポンプにより、上述の請求項1についての作用効果を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態のギヤポンプを説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すギヤポンプの一部断面正面図である。図2は、図1に示すギヤポンプの一部断面平面図であり、図1のA−A断面を図示している。
本ギヤポンプ1は、作動流体の流路となるギヤ室14を区画するケーシング2と、流路に設けられてケーシング2内で噛み合う一対のギヤ3,4とを有している。一対のギヤ3,4を互いに噛み合わせつつ回転させることにより、作動流体を流路の吸込側から吐出側に押し出すことができる。
【0010】
ケーシング2は、凹部15を形成されたハウジング10と、このハウジング10の凹部15と対向して配置される蓋板11とにより構成されている。蓋板11は、ハウジング10の凹部15の開放された側を、これの全面を覆う態様にねじ止めされており、ハウジング10と蓋板11とは、予め定める位置に互いに位置決めされている。
ハウジング10は、上記凹部15と対向する方向から見たときに、図2の紙面上下方向に対向する互いに平行な一対の第1の外側面と、図2の紙面左右方向に対向する互いに平行な一対の第2の外側面とを有し、略矩形をなす。
ハウジング10の凹部15は、ハウジング10の中央部に所定深さで形成され、長円形形状の平坦面をなしている。この平坦面は、上記凹部15と対向する方向から見たときに、ハウジング10の上記一対の第1の外側面間の略中央部に配置されるとともに、その輪郭形状が、上記一対の第1の外側面に平行な一対の直線状部分と、これら一対の直線状部分の両端を結ぶ一対の半円状部分とを有する長円形形状をなす。凹部15の周縁部からは、周壁部16が立設されている。周壁部16と凹部15とが、窪み部17を構成している。この窪み部17は、蓋板11により塞がれている。窪み部17は、蓋板11とハウジング10との間に介在しているOリング19により密封され、このOリング19はハウジング10の環状溝に収容されている。
【0011】
窪み部17内、すなわち、凹部15と、これに対向する蓋板11の平坦面からなる内面部との間にギヤ室14が区画されている。ギヤ室14内には、上述した互いに対をなす駆動ギヤ3と従動ギヤ4とが配置されている。
駆動ギヤ3および従動ギヤ4の支軸30,40は、長円形断面を有するギヤ室14の両側の半円部の軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設されている。すなわち、支軸30,40を支持する一対の支持孔31,41がハウジング10に形成され、支軸30,40を支持する一対の支持孔32,42が蓋板11に形成されている。各支持孔31,32,41,42は、それぞれ対応する支軸30,40を直接に支持し、滑り軸受として機能する。
【0012】
支軸30は、一対の支持孔31,32により両持ち支持され、蓋板11を貫通して外部に延長され、この延長端に伝達される図示しないモータ等の動力源からの駆動力により回転駆動される駆動軸を構成している。また、支軸30には、ギヤ室14の内部において駆動ギヤ3が一体回転可能に装着されている。支軸30が蓋板11を貫通する部分にはオイルシール20が配置されている。
また、支軸40は、一対の支持孔41,42によって両持ち支持され、一対の支持孔41,42内に軸端を有する従動軸を構成している。支軸40には、ギヤ室14の内部において従動ギヤ4が装着されている。従動ギヤ4の支軸40への装着では、軸回りの回転を拘束してもよいし軸回りの回転を許容してもよい。従動ギヤ4は、両支軸30,40の軸心を含む平面近傍範囲内において駆動ギヤ3と噛み合い、支軸30により駆動される駆動ギヤ3の回転に伴って、支軸40と共に(或いは支軸40の回転を伴わずに)従動回転するようにしてある。
【0013】
一対のギヤ3,4の外周面が、ギヤ室14の内周面となるハウジング10の周壁部16に接近した状態で対向している。また、各ギヤ3,4の一方の側面は、これに対応するギヤ室14の一方のギヤ側側面となるハウジング10の凹部15に接近した状態で対向している。また、各ギヤ3,4の他方の側面は、これに対応するギヤ室14の他方のギヤ側側面となる蓋板11の内面部に接近した状態で対向している。各ギヤ3,4の各面とギヤ室14の各面とは、互いに摺接可能とされている。
【0014】
図2には、駆動ギヤ3およびこれに連動する従動ギヤ4の回転方向が矢符により示してあり、両ギヤ3,4の噛み合い位置を挟んだ両側には、回転方向側に吸込室5が、反回転方向側に吐出室6が形成されている。これら吸込室5および吐出室6は、ハウジング10の対応位置に形成された吸込連通溝21および吐出連通溝22と、蓋板11に形成された吸込口および吐出口(図示せず)とを介して、ケーシング2外の図示しない吸込先および吐出先にそれぞれ接続されるようにしてある。
【0015】
このような構成により、吸込連通溝21を経て吸込室5に導入される作動流体は、吸込室5に臨む駆動ギヤ3および従動ギヤ4の歯間に受け入れられ、両ギヤ3,4の回転により、それぞれの歯間とハウジング10の周壁部16との間に封止された状態で搬送され、吐出室6に送り出される。吐出室6への送り出しを終えた駆動ギヤ3と従動ギヤ4とは、両ギヤ3,4の噛み合い位置を経て吸込室5側に向き、この吸込室5内の作動流体を再度受け入れて吐出室6側へ送り出す作用をなす。
【0016】
ところで、両ギヤ3,4の噛み合い位置の近傍となる凹部15に、従来、段差が形成されていることがあった。このような段差があると、作動流体が吐出室6側から吸込室5側へ漏れるので、ポンプ性能が低下する。本発明では、以下のように、上述の段差の形成を防止することができる。
本発明の実施形態のギヤポンプ1では、ハウジング10に形成された凹部15は、一対のギヤ3,4の側面にそれぞれ対向する一対の対向部分23,24を含み、凹部15の一対の対向部分23,24は、一工程で加工された互いに一続きの平坦面26を含むようにされている。これにより、上述の段差の生成を未然に防止することができる。
【0017】
凹部15では、長円形形状の長手方向に沿って一対の対向部分23,24が並んでいる。凹部15の長円形は、ギヤ室14の断面形状と等しく、両端にある一対の半円部と、一対の半円部をその直径と等しい幅でつなぐ矩形の中間部とを有している。凹部15は、平坦面26からなり、両半円部および中間部を一続きで面一に形成されている。
各対向部分23,24は、各ギヤ3,4の外径とほぼ等しい直径の円形をなしている。各対向部分23,24の円形は、互いに等しくされ、凹部15の半円部を形成している。各対向部分23,24の中心近傍、例えば、円形の中心位置に各支持孔31,41が形成されている。一対の対向部分23,24は、凹部15の中央部で互いに重なり合って配置されている。なお、一対の対向部分23,24は、平坦面26に対して窪んだ油溝等を有していてもよい。要は、一対の対向部分23,24の、対応するギヤ3,4の側面と摺接する部分が、平坦面26からなっていればよい。
【0018】
平坦面26は、一対の対向部分23,24を互いに一続きとしている。平坦面26は、一対の対向部分23,24の少なくとも一方に含まれる部分と、何れの対向部分23,24にも含まれずに吐出室6や吸込室5を形成している部分とを有している。
ハウジング10の凹部15は、以下のように加工できる。図3の模式図を参照する。
【0019】
第1の工程では、ワーク50の荒加工をする。これにより、凹部15の概ねの基本形状を有する荒加工部53および各支持孔31,41の下孔54を得る。荒加工の具体的な方法としては、公知の方法を利用できる。
第2の工程では、荒加工部53を仕上げ加工し、凹部15および周壁部16を得る。この工程では、凹部15の一対の対向部分23,24を、この一工程にて加工することにより、一対の対向部分23,24を互いに一続きの平坦面26として構成する。例えば、工具51(一点鎖線で図示した)により一方の対向部分24を加工し、このときの工具51の高さ位置(凹部15の深さ方向に沿う位置)を維持して、工具51により加工を続けながら、他方の対向部分23へ工具51(この状態の工具51を二点鎖線で図示した)を移動させ、他方の対向部分23を加工する。この間、加工の途中で上述の工具51を加工面55から離すことなく、連続して加工動作させ、一対の対向部分23,24となる平坦面26を得る。この平坦面26は、ギヤ室14に対応する所定深さで形成されている。
【0020】
また、第2の工程では、工具51により凹部15とともに周壁部16も一括して加工される。これにより、凹部15と周壁部16とを高い加工精度、例えば、直角度、位置精度で得ることができる。
加工方法としては、切削加工等の公知の除去加工方法を利用できる。また、加工工具51としては、汎用のエンドミル等の切削工具を利用することができ、例えば、対向部分23,24の円形の直径と等しい直径の工具を利用する場合には、短時間で加工することができ、さらに、工具の高い形状精度で、凹部15の一対の対向部分23,24および周壁部16を得ることができる。
【0021】
第3の工程では、支持孔31,41を加工する。すなわち、第1の工程で予め形成された上述の下孔54に仕上げ加工を施し、対応する支持孔31,41を得る。例えば、支持孔31,41は、それぞれ対応する工具52により同時に加工される。なお、下孔54は、第3の工程で形成されても構わない。
なお、第1の工程と第2の工程とをまとめて一括して行ってもよい。すなわち、工具を連続して加工動作させることにより、凹部15の荒加工および仕上げ加工を連続して行っても構わない。また、支持孔31,41を凹部15よりも先に形成し、支持孔31,41に合わせて凹部15および周壁部16を形成することも考えられる。
【0022】
このように本発明の実施形態によれば、上述のように凹部15の加工時に、一対の対向部分23,24の加工は、第2の工程からなる一工程でなされ、このとき、工具は加工面から離れることなく連続して加工動作するので、一対の対向部分23,24を互いに一続きの平坦面26にすることができる。
従って、例えば、一続きの平坦面26により、従来のハウジングの加工方法による上述の段差の生成を防止できるので、この段差に起因して一方のギヤの側面と他方のギヤに対応する対向部分との間の隙間が生じることも抑制できる。従って、平坦面26と、これと対向する両ギヤ3,4の側面とが互いに摺接できて、作動流体の漏れが抑制され、ポンプ性能を高く維持することができる。
【0023】
ここで、一工程で加工するとは、切削、研削等の除去加工を行うことにより仕上げ面を得るときに、除去加工のための工具を、ワークの加工面から離さずに、凹部15の深さ方向についての工具の位置を維持しながら、工具に連続して加工のための動作をさせることである。
また、凹部15と周壁部16とを、同一の工具で同時に一括して加工することにより、凹部15と周壁部16との位置精度、例えば、直角度を高くすることができる。
【0024】
特に、凹部15は、中間部が半円部の円弧の直径と等しい幅で長手方向に延びる略0字形形状の長円形形状とされている。これにより、凹部15を加工する際の工具を、凹部15の半円部の円弧の直径と同径のものを利用できるので、通常高い工具の精度により、凹部15と周壁部16の円形を高い形状精度で容易に実現することができる。
また、支持孔31,41に設けられる滑り軸受の軸受隙間は、通常の程度の隙間量が設けられることが、好ましい。というのは、軸受隙間は少なくとも通常量であれば、支持孔31,41と、これに対応する各対向部分23,24との間の加工精度の誤差や、支持孔31,41と周壁部16との間の加工精度の誤差を吸収できるからである。その一方で、軸受隙間は小さいほど、軸受剛性を大きくできる。
【0025】
また、支持孔31,41を、周壁部16と別工程、例えば、周壁部16の加工工程よりも後の工程で加工している。これにより、支持孔31,41を周壁部16に対して所望の位置、例えば、軸受機能にとって適切な位置に形成することもできる。これにより、運転時に支軸30,40と支持孔31,41との間の軸受隙間を適切量にしたり、支軸30,40と支持孔31,41とが互いに摺接し合う部位をハウジングに対して適宜設定することもできる。
【0026】
また、凹部15を形成したハウジング10を利用しているので、通常、ケーシングを構成するための部品点数を少なくでき、しかも、部材間の封止構造を簡素化できる。特に、ギヤ室14を凹部15とこれに対向して固定された蓋板11とにより区画する場合には、構造をより一層簡素化できる。
なお、図4および図5にそれぞれ示す2つのギヤポンプ1のように、ギヤ室14の一方のギヤ側側面を凹部15により形成し、他方のギヤ側側面をサイドプレート12により区画しても構わない。なお、図4および図5に示す各ギヤポンプ1は、図1に示すギヤポンプ1と以下の点で異なり、それ以外の点については、同様に構成されているものであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
例えば、図4および図5に示す各ギヤポンプ1では、ケーシング2は、ギヤ室14の一方のギヤ側側面を凹部15で区画する上述のハウジング10と、ハウジング10の窪み部17内にフローティング状態で支持されてギヤ室14の他方のギヤ側側面を区画するサイドプレート12と、サイドプレート12を窪み部17内に収容した状態で窪み部17を塞ぐ上述の蓋板11とを有している。サイドプレート12の反ギヤ側側面と蓋板11との間には、サイドプレート12の収容溝に収容されたシール13が設けられている。サイドプレート12の反ギヤ側側面では、シール13を境界として、互いに対向するサイドプレート12と蓋板11との間の空間が、吸込室5に連通する低圧側空間と、吐出室6と連通する高圧側空間とに仕切られている。このように、サイドプレート12の背面である反ギヤ側側面には、シール13で仕切られた状態で、低圧の作動流体および高圧の作動流体が背圧として作用し、これが、サイドプレート12に吐出圧に応じて負荷されるので、サイドプレート12と両ギヤ3,4との間の隙間、および凹部15と両ギヤ3,4との間の隙間が高精度で維持される結果、高圧時のポンプ効率を高く維持できる。
【0028】
なお、図4および図5には、支軸30,40のサイドプレート側部分の支持方法が異なる2つのギヤポンプ1をそれぞれ示している。図4のギヤポンプ1では、サイドプレート12に形成された挿通孔27を貫通した支軸30,40の端部が、蓋板11の支持孔32,42により支持されている。また、図5のギヤポンプ1では、蓋板11の支持孔32,42に代えて、支軸30,40を支持する支持孔33,43をサイドプレート12に形成している。
【0029】
また、上述の実施形態では、ギヤポンプ1を説明したが、本発明は、ギヤポンプのハウジング10の加工方法としても実施することができる。すなわち、本発明の加工方法では、凹部15の一対の対向部分23,24を、一工程にて加工することにより、一対の対向部分23,24を互いに一続きの平坦面26として構成している。この加工方法により、凹部15の一対の対向部分23,24が一続きの平坦面26を含むハウジング10を得ることができる。従って、上述のギヤポンプ1による作用効果を得ることができる。
【0030】
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すギヤポンプの一部断面正面図である。
【図2】図1に示すギヤポンプの一部断面平面図であり、図1のA−A断面を図示している。
【図3】ギヤポンプのハウジングの加工手順の主要部を示す模式図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すギヤポンプの一部断面正面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態を示すギヤポンプの一部断面正面図である。
【図6】従来のギヤポンプのハウジングの加工手順を説明する模式図であり、ハウジングと工具とを加工手順にしたがって(a)〜(d)に図示し、(e)は(d)の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 ギヤポンプ
3 駆動ギヤ
4 従動ギヤ
10 ハウジング
15 凹部
23,24 一対の対向部分
26 平坦面

Claims (2)

  1. ハウジングに形成された凹部が、一対のギヤにそれぞれ対向する一対の対向部分を含み、上記ハウジングは、上記凹部と対向する方向から見たときに、互いに平行な一対の第1の外側面と互いに平行な一対の第2の外側面とを有して略矩形をなすギヤポンプであって
    上記凹部の上記一対の対向部分は、一工程で加工された互いに一続きの平坦面であって、上記凹部と対向する方向から見たときに、ハウジングの上記一対の第1の外側面間の略中央部に配置されるとともに、その輪郭形状が、上記一対の第1の外側面に平行な一対の直線状部分と、これら一対の直線状部分の両端を結ぶ一対の半円状部分とを有する長円形形状をなす平坦面を含むことを特徴とするギヤポンプ。
  2. ハウジングに形成された凹部が、一対のギヤにそれぞれ対向する一対の対向部分を含み、上記ハウジングは、上記凹部と対向する方向から見たときに、互いに平行な一対の第1の外側面と互いに平行な一対の第2の外側面とを有して略矩形をなすギヤポンプにおいて上記ハウジングを加工する方法であって、
    上記凹部の上記一対の対向部分を、一工程にて加工することにより、一対の対向部分を互いに一続きの平坦面であって、上記凹部と対向する方向から見たときに、ハウジングの上記一対の第1の外側面間の略中央部に配置されるとともに、その輪郭形状が、上記一対の第1の外側面に平行な一対の直線状部分と、これら一対の直線状部分の両端を結ぶ一対の半円状部分とを有する長円形形状をなす平坦面として構成することを特徴とするギヤポンプのハウジング加工方法。
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