JP3904650B2 - 静電浮上力発生機構及びこれを用いた静電チャック装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被保持体に作用させる静電吸引力と静電反発力とのバランスをとって浮上力を発生させることにより、被保持体を静電的に支持する静電浮上力発生機構及びこれを用いた静電チャック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、例えば、以下に示すようなものがあった。
図6は従来の静電チャックを示す断面図であり、具体的には被保持体の固定に使用されるものである。
【0003】
この静電チャックは、円盤状をした絶縁基板401の表面に半円状をした2枚の吸引電極402,403を敷設するとともに、この吸引電極402,403を覆うように絶縁基板401の表面を絶縁皮膜404で被覆し、その表面を吸着面405としたものであり、この吸着面405に被保持体410を載置し、吸引電極402,403間に電圧を印加することによって被保持体410を分極させて帯電せしめ、その電荷と吸引電極402,403との間に作用する静電吸引力で被保持体410を吸着面405に保持するようになっていた。
【0004】
そして、吸引電極402,403間に印加する電圧を上げて、静電吸引力を高めることにより、被保持体410と吸着面405との間の摩擦力を増大させ、搬送時や外部からの振動に対して位置ズレを生じることなく、所定の位置に被保持体410を保持するようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6のような静電チャックでは、真空中の固定や搬送において、次のような問題点があった。
固定又は離脱に際して、被保持体410の底面を広域な面積を介して接触させ、更に位置合わせのために摺動させなければならないことから、この接触と摺動による摩耗粉によって真空容器中を汚染することが知られている。
【0006】
一般的な例であるが、被保持体410に8インチのシリコンウエハを用いた場合、チャック動作の1アクションで0.02mgの摩耗粉等の粉体(パーティクル)が平均して飛び散る。そして、この飛び散った粉体は真空容器中に浮遊して被保持体410の表面に付着する確率が高く、半導体製造装置における歩留りを大きく低下させているのが現状であった。
【0007】
この確率は、製造装置の状態(清掃の有無等)で異なるが、真空中での処理に関する不良の原因を挙げると、殆どが真空容器中に浮遊する粉体(パーティクル)汚染であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、被保持体に対する一対の吸引電極と反発電極とを備えてなる絶縁基体と、前記吸引電極上に形成した誘電体からなる突出部材とから静電浮上力発生機構を構成し、前記吸引電極への電圧の印加による静電吸引力と、前記反発電極への電圧の印加による静電反発力との均衡により浮上力を発生させ、被保持体を静電的に支持するようしたものである。
【0009】
また、本発明は、前記静電浮上力発生機構を複数整列させて配置することにより、静電チャック装置を構成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の静電浮上力発生機構を示す斜視図、図2は図1の静電浮上力発生機構の動作説明図、図3は図1の静電浮上力発生機構の吸引電極及び反発電極にそれぞれ印加するパルス波形を示す図である。
【0011】
図1及び図2の静電浮上力発生機構は、絶縁基体200の一表面に被保持体201に静電吸引力を作用させるための2つの吸引電極202と、被保持体201へ静電反発力を作用させるための2つの反発電極203を具備してなり、この2つの反発電極203は2つの吸引電極202間に介在するように形成するとともに、反発電極203の面積を吸引電極202より大きくしてある(例えば、吸引電極202と反発電極203の面積比を1対10とする)。また、上記吸引電極202上には誘電体からなる突出部材204を設けてあり、被保持体201を突出部材204の頂部上で支持するようにしている。
【0012】
なお、図2において、205は吸引電極202に通電するための吸引電源、206は反発電極203に通電するための反発電源、207は吸引電極202側に作用する吸引電気力線、208は反発電極203側に作用する反発電気力線、301は吸引電極202へ印加される正のパルス波形、302は反発電極203へ印加される負のパルス波形である。
【0013】
次に、図2及び図3を用い、動作原理をモデルに従って説明する。ただし、図2は図1の左半分のみを示したものであり、右側の1点鎖線は電界の中性線を表す。
まず、吸引電源205により吸引電極202間に図3(a)のような正のパルス波形301を持った電圧を印加し、反発電源206により反発電極203間に図3(b)のような負のパルス波形302を持った電圧を印加する。この時、吸引電極202と反発電極203に印加する電圧は共に同じ周波数を持ったものとし、その時間比(デューティ比)を例えば吸引電極202と反発電極203の面積比と同じ1対10に設定すると、吸引電極202による静電吸引力と反発電極203による静電反発力とが同じ程度となり、被保持体201に浮上力を作用させた状態で支持することができる。
【0014】
すなわち、吸引電源205より供給した電圧により、吸引電極202側には吸引電気力線207が発生し、この吸引電気力線207は突出部材204にて誘導され、被保持体201の内部を通過することになる。
そのため、電界が被保持体201に集中し、被保持体201の物性が導体に近いものであれば内部を通過する吸引電気力線207は密となり、被保持体201を速やかに分極せしめて帯電させ、静電吸引力が発生する。
【0015】
一方、反発電源206より供給した電圧により、反発電極203側には反発電気力線208が発生するが、この時、誘導するものが無いために被保持体201を通過する反発電気力線208は少なく、図2の曲線のような分布となる。
そのため、図3(a)に示すような正のパルス波形301を吸引電極202間へ、図3(b)に示すような負のパルス波形302を反発電極203間へ供給すると、図3(a)に示す正のパルス波形301に対応して被保持体201に作用していた静電吸引力が短時間に無くなり、図3(b)に示す負のパルス波形302に対応して静電反発力が長い時間にわたって発生することになるため、静電吸引力と静電反発力との合力である浮上力を発生させ、被保持体201を突出部材204の頂部上で支持することができる。
【0016】
なお、この浮上力の程度は、材質の帯電即応性と電荷を保持する能力にもよるが、各電源205,206より印加する電圧のパルス波形301,302の繰り返し周期を制御することで、調整することができ、好ましくは、吸引力の80%が浮上力となるようにすることが良い。
次に、本発明の静電浮上力発生機構を用いた静電チャック装置を図4及び図5を用いて説明する。
【0017】
図4の静電チャック装置は、図1の静電浮上力発生機構を1セルとし、このセルを絶縁基体100上に整列させて配置したものであり、例えば、縦横15個ずつ、合計で225個の静電浮上力発生機構(セル)を配列させる。
具体的には、図5に図4のA部を拡大した側面図を示すように、被保持体101の下部には、正の吸引電極111,121,131と負の吸引電極112,122を間隔を設けて交互に配置し、これらの間に吸引電極111,121,131、112,122より大きい面積を持った正の反発電極114,124,134,144と負の反発電極115,125,135,145を配置してある。
【0018】
また、上記各吸引電極111,121,131,112,122上には誘電体からなる突出部材113,123,133,143,153をそれぞれ形成している。なお、図5において、102,103,104,105はそれぞれセルを示している。
このように構成すれば、正の吸引電極111,121,131と負の吸引電極112、122間に図3(a)に示すような正のパルス波形301をもった電圧を印加し、正の反発電極114,124,134,144と、負の反発電極115,125,135,145間に図3(b)に示すような負のパルス波形302をもった電圧を印加することで、各静電浮上力発生機構(セル)の2箇所に浮上力(図中の矢印で示す)が発生し、被保持体101を支持することができる。
【0019】
そのため、この静電チャック装置により被保持体101を保持する場合、浮上力を発生させて突出部材113,123,133,143,153の頂部上に支持した状態で被保持体101の位置決めを行い、位置決め完了時には、その静電反発力を解除し、本来の静電吸着力による静電チャック機能に移行させることで所定の位置に被保持体101を保持することができる。
【0020】
また、被保持体101の離脱時においては、吸引電極111,121,131,112,122間への通電を止めても被保持体101の帯電が一定時間保持されるため、直ぐに離脱させることができないのであるが、本発明の静電チャック装置では静電反発力を作用させて浮上力を発生させることにより、静電吸引力の残留を無くし、被保持体101を低トルクにて直ちに離脱することができる。
【0021】
さらに、本発明の静電チャック装置では、突出部材113,123,133,143,153の頂部のみが被保持体101と当接することから接触面積が小さく、また、位置決め時には被保持体101との摺動接触する圧力を飛躍的に小さくできるため、摺動摩擦で発生する粉体(パーティクル)の総量を激減させることができる。
【0022】
例えば、絶縁基体100上に静電浮上力発生機構(セル)を図4のように15×15個の合計225個配置し、パターン面積が200×260mmとなるようにするとともに、吸引電極111,121,131,112,122と反発電極114,124,134,144,115,125,135,145の面積比を1対10、突出部材113,123,133,143,153を比誘電率が2000のチタン酸バリウムで形成し、その厚みを130μmとした静電チャック装置を試作し、ピーク電圧1500V、周波数68Hzの正のパルス波形をもった電圧を正の吸引電極111、121、131と負の吸引電極112、122間に印加し、ピーク電圧1500V、周波数68Hzの負のパルス波形をもった電圧を、正の反発電極114,124,134,144と負の反発電極115,125,135,145間に印加すると、厚さ0.7mmの8インチのシリコンウエハに0.15g/cm2 の浮上力を発生させることができ、シリコンウエハの自重(0.16g/cm2 )に対してわずかに小さく、完全な浮上には至らないものの、突出部材113,123,133,143,153との接触圧を1/16に減少させることができる。そのため、実際発生した粉体(パーティクル)の総量を測定したところ、100回の動作アクションでも0.006mgと、従来の静電チャックにおける1回の動作アクションでの0.02mgに比べて大きく改善することができた。
【0023】
なお、本発明は上記実施形態のもののみに限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、例えば、静電浮上スピンドル、静電浮上アクチュエータ等々の一般機械装置にも広く応用できることは言うまでもなく、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0024】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、静電浮上力発生機構を、被保持体に対する一対の吸引電極と反発電極とを備えてなる絶縁基体と、前記吸引電極上に形成した誘電体からなる突出部材とから構成したことにより、前記吸引電極への電圧の印加による静電吸引力と、前記反発電極への電圧の印加による静電反発力との均衡により浮上力を発生させ、被保持体を静電的に支持することができる。
【0025】
また、本発明は上記静電浮上力発生機構を複数整列させて配置して静電チャック装置を構成したことにより、粉体(パーティクル)汚染を激減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例である静電浮上力発生機構を示す斜視図である。
【図2】図1の静電浮上力発生機構の動作説明図である。
【図3】図1の静電浮上力発生機構の静電力発生電極に印加するパルス波形を示す図である。
【図4】図1の静電浮上力発生機構を用いた本発明に係る静電チャック装置を示す斜視図である。
【図5】図4のA部を拡大した断面図である。
【図6】従来の静電チャックを示す断面図である。
【符号の説明】
100,200 絶縁基体
101,201 被保持体
102,103,104,105 セル
111,121,131 正の吸引電極
112,122 負の吸引電極
113,123,133,143,153,204 突出部材
114,124,134,144 正の反発電極
115,125,135,145 負の反発電極
202 吸引電極
203 反発電極
205 吸引電源
206 反発電源
207 吸引電気力線
208 反発電気力線
301 吸引電極側へ印加される正のパルス波形
302 反発電極側へ印加される負のパルス波形

Claims (2)

  1. (a)被保持体に対する一対の吸引電極と反発電極とをそれぞれ備えてなる絶縁基体と、
    (b)前記吸引電極上に形成した誘電体からなる突出部材とを備え、
    (c)前記吸引電極への電圧の印加による静電吸引力と、前記反発電極への電圧の印加による静電反発力との均衡により浮上力を発生させ、前記突出部材の頂部上に被保持体を支持するようにしたことを特徴とする静電浮上力発生機構。
  2. 被保持体に対する一対の吸引電極と反発電極とをそれぞれ備えてなる絶縁基体と、前記吸引電極上に形成した誘電体からなる突出部材とを備え、前記吸引電極への電圧の印加による静電吸引力と、前記反発電極への電圧の印加による静電反発力との均衡により浮上力を発生させ、前記突出部材の頂部上に被保持体を支持するようにした静電浮上力発生機構を、複数整列させて配置し、被保持体を保持するようにしたことを特徴とする静電チャック装置。
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