JP3903753B2 - 加工顔料組成物の製造方法及びその製造方法により得られる加工顔料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、インキ、プラスチック用着色剤、捺染、カラートナーやその他の色材用原料として適性の優れた加工顔料組成の製造方法及びその製造方法により得られる加工顔料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、顔料を各種産業資材の色材として使用するに際して、水分を含んだウエットケーキ顔料が用いられ、インキ、プラスチック用着色剤等の分野で利用されていた。ウエットケーキ顔料は、特開平7−188575号公報、特開平8−60068号公報に記載されているように、分子量数万から十万程度の樹脂と溶剤を含んだワニスによって処理されて加工顔料化されるのが一般的な方法であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
色材としての顔料は、微細粒子を凝集することなく安定かつ取り扱いが容易な性状であることが望まれている。この課題を解決するために、顔料を微細に分散された状態において樹脂などの分散安定剤で包含処理して、顔料同士の凝集を抑制する加工顔料が提案されている。
【0004】
しかしながら、ウエットケーキ顔料の水性懸濁物を通常の樹脂で水相から樹脂相へ転相処理する場合は、流動性および転相効率を向上させるために樹脂への溶剤添加が不可欠になり、処理後の固形分管理の必要性や揮発溶剤の作業環境への影響などの懸念が生じる。
【0005】
また、処理後に完全に溶剤分を揮発させた場合には、インキ化などの際の溶剤への再溶解に長時間を要する等の課題があった。
【0006】
更に、溶剤単独での処理および溶剤含有率の高い樹脂での処理においては、顔料が樹脂相に転相した後に結晶成長を起こす等の問題が生じていた。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、従来よりも低濃度の溶剤量、好ましくは無溶剤で樹脂相に効率よく転相可能、且つ乾燥後の再溶解性の優れた加工顔料組成物の製造方法およびその製造方法を用いた加工顔料組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、常温で流動性を有するオリゴマー領域の非水溶性樹脂を用いて有機顔料の水性懸濁物を処理することによって、顔料の水相から樹脂相への転相性が良好で、転相後の結晶安定性が高く、且つまた乾燥後の再溶解性の優れた加工顔料組成物の製造方法及びその製造方法により得られる加工顔料組成物を見出し本発明に至った。
【0009】
第1の発明は、有機顔料の水性懸濁物を、常温での粘度が10000mPa・s以下であり分子量200〜10000のラジカル架橋反応性を有する非水溶性樹脂を用いて処理することで得られる加工顔料組成物の製造方法である。
【0010】
第2の発明は、有機顔料の水性懸濁物中の顔料分100重量部に対し、非水溶性樹脂500重量部以下とを、撹拌混合装置によって処理することで得られる第1発明記載の加工顔料組成物の製造方法である。
【0011】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明記載の加工顔料組成物の製造方法により得られる加工顔料組成物である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる有機顔料の水性懸濁物は、合成後の未精製水性懸濁液はもちろん、一旦濾過、洗浄を行ったウエットケーキ顔料等を指し、ウエットケーキ顔料に水を添加して再び水性懸濁液としたものでもよい。
【0017】
また、この方法で使用される顔料の水性懸濁物は、合成時に微細粒子とするための表面処理剤、界面活性剤、分散剤や顔料誘導体等の添加を行ってもよい。
【0018】
この有機顔料の水性懸濁物の顔料の濃度は、顔料の種類によって異なるが、一般には10重量%以上、好ましくは25重量%以上である。この範囲は、顔料を処理する際に効率的に水相から樹脂相へ転相できる水分量に基づいている。
【0019】
有機顔料としては、トリアリルメタン系、キサンテン系などの染付けレーキ系顔料、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料および縮合アゾ顔料などのアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料等が挙げられる。
【0020】
より具体的には染付けレーキ顔料とは、ピグメントイエロー(以下PYと略す)18,PY100,PY104、ピグメントオレンジ(以下POと略す)39、ピグメントレッド(以下PRと略す)PR81、PR83、PR90,PR169,PR172,PR173,PR174,PR193、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)1,PV2,PV3,PV4,PV12,PV27,PV39,ピグメントブルー(以下PBと略す)1,PB2,PB14,PB62,ピグメントグリーン(以下PGと略す)PG1,PG2,PG3,PG4、PG45、PBr3等が挙げられる。アゾ系顔料とは、PR53、PR50、PR49,PR57:1,PR48:1,PR52:1等の溶性アゾ顔料、PR1,PR3,PO5,PR21、PR114,PR5,PR146,PR170、PO38、PR187,PY1,PY3,PY167,PY154,PO36、PY12,PY13,PY14,等の不溶性アゾ顔料、PR144,PR166,PR214,PR242,PY93,PY94,PY95等の縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン系顔料とは、銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー等が挙げられる。縮合多環系顔料とは、PY24、PY108,PO51、PR168,PR177,PB60等のアントラキノン系顔料が挙げられる。
【0021】
本発明の常温で流動性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂とは、塗料、インキ、プラスチック用着色剤、捺染、カラートナーなどの目的とする用途に用いられる各種の樹脂そのもの、あるいはそれら各種の樹脂、溶剤およびその他の添加剤との相溶性を有し、得られる製品の物性を損なわないものであり、0℃〜40℃の温度範囲の中で流動性を有する樹脂である。ここでの流動性とは上記温度域での粘度が10000mPa・s以下の状態である。
【0022】
また本発明において述べる分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定法による重量平均分子量をである。
【0023】
分子量10000以上の樹脂は、顔料を水相から樹脂相へ転相する速度が非常に遅い。一方、分子量200以下の低分子量の溶剤もしくは樹脂中においては、転相された顔料が結晶成長する。
【0024】
ここで顔料を転相させるためには、常温で流動性を有する必要があり、例えば分子量が10000以下であってもTgが高く剛直な樹脂の場合は、長時間撹拌混合しても転相は起こらない。先に述べたように粘度が10000mPa・s以下の状態の樹脂を用いる必要がある。ただし、粘度が10000mPa・s以下の樹脂に粘度が10000mPa・sを越える樹脂あるいは流動性のない樹脂を溶解させて、樹脂全体の粘度を10000mPa・s以下の状態とさせた複合樹脂を用いることも本発明においては可能である。
【0025】
また、加工顔料化された顔料の溶剤やインキおよび塗料などのバインダー樹脂に対する溶解あるいは分散の速度は、樹脂の分子量が低い方が良好であり、上記の転相性、結晶成長の抑制などの効果と併せて考慮すると、非水溶性樹脂のより好ましい分子量は、200〜2000である。
【0026】
このような樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、天然樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂などがあげられ、任意に単独または2種類以上の樹脂成分を組み合わせて使用できる。
【0027】
とりわけアクリル樹脂については、共重合組成を考慮することで任意のガラス転移点の樹脂を設計でき、流動性を制御することが可能であり本発明には最適である。
【0028】
本発明の非水溶性樹脂が架橋反応性を有するとは、架橋性の官能基を有する樹脂である。具体的には、イソシアネートを架橋剤として用いる場合は活性水素を有する官能基、すなわち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などを有する樹脂が挙げられる。また、エポキシを架橋剤として用いる場合は、カルボキシル基、アミノ基、チオール基などを有する樹脂が挙げられる。
【0029】
この他、架橋性の官能基としては、ラジカル架橋性を有するエチレン性不飽和二重結合が挙げられ、熱重合性の開始剤、紫外線硬化性の開始剤をそれぞれ用いて硬化させることが可能で、電子線を用いる場合は、樹脂単独で架橋することが可能となる。
【0030】
より具体的には、以下の樹脂を例示することができる。
【0031】
水酸基を有する樹脂としては、綜研化学社製のSKオリゴマーのUT−200(粘度:2500〜3000mPa・s(25℃)、固形分:98%以上、分子量2000)、UT−300(粘度:3000〜4000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2000)、UMB−1001(粘度:200〜400mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量850)、UMB−2005(粘度:2000〜2500mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量1100)が挙げられる。
【0032】
カルボキシル基を有する樹脂としては、綜研化学社製のSKオリゴマーのCB−300(粘度:1500〜3500mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2500)、CBB−301(粘度:18000〜21000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2600)、CBLE−301(粘度:25000〜28000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2600)などがある。
【0033】
ラジカル架橋性を有する樹脂としては、アクリレートオリゴマーのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ、この他BASF社製のアクリル系オリゴマーLaromerシリーズ、ダイセルのEbecrylシリーズ、荒川化学社製のビームセットシリーズ、東亞合成社製のアロニクスシリーズ、昭和高分子社製のリポキシシリーズ、日本化薬社製のカヤラッドシリーズ、共栄社化学社製のライトアクリレートシリーズなどの樹脂が挙げられる。
【0034】
紫外線架橋性を有する樹脂としては、ラジカル架橋性を有する樹脂の中で挙げた樹脂を使用することが可能であるが、より好ましくは重合架橋時の酸素阻害効果の抑制が比較的大きなものであるならば、本発明においてより好ましい。
【0035】
本発明における撹拌混合機とは、有機顔料の水性懸濁物と非水溶性樹脂を撹拌混合可能で混練できる機械である。すなわち、撹拌混合装置内で水性懸濁物中の顔料が混練されて水相から樹脂中に転相することが可能であればいかなる機械を用いても何ら制限されない。具体的には、ディスパー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。
【0036】
本発明における加工顔料組成物の製造フローは、合成直後の有機顔料スラリーやソルトミリング等により粉砕分散処理されたスラリーもしくは乾燥顔料のリスラリー等の水性懸濁物をニーダーなどの撹拌混合機に投入し、次に非水溶性樹脂を添加して混練する。この撹拌混合によって水相中の顔料成分が樹脂相に転相して樹脂相に顔料が水性懸濁物中の微細な状態で分散される。その後分離した水を排水し、場合によっては加熱あるいは減圧加熱して揮発分を蒸発させて樹脂中に顔料が分散された加工顔料を得ることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。実施例において「部」はすべて重量部、「%」はすべて重量%を示す。
【0038】
【実施例1】
3,3’−ジクロロベンジジン253部を常法に従ってテトラゾ溶液を得た。一方、アセトアセトアニリド354部を用いて常法に従ってカップラ−液を得た。このカップラ−液とテトラゾ溶液をカップリングさせ、アゾ顔料(PY12)の含有率が4%の水性懸濁液を得た。この得られた未精製顔料の水性懸濁物をフィルタープレスによって濾過、水洗、脱水して顔料含有率25%とした。このウエットケーキ100部に対し、ジアリルフタレート(粘度:12mPa・s(25℃)、樹脂成分:99%以上、分子量246.3)50部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、ジアリルフタレート樹脂中にPY12が分散された加工顔料1(固形分100%)75部を得た。
【0039】
【実施例2】
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸95部の酸析を行い、冷却後、常法に従ってジアゾ成分を得た。一方、β−オキシナフトエ酸95部 を用いて常法に従ってカップラー溶液を得た。このカップラー液にジアゾ成分をカップリングさせ、染料を得た。これに、ロジンソープ21部を加え、pH11.0にした後、35%塩化カルシウム水溶液300部を加え、レーキ化を行いアゾ顔料(PR−57)の含有率が3%の水性懸濁液を得た。この得られた未精製顔料の水性懸濁物をフィルタープレスによって濾過、水洗、脱水して顔料含有率22%とした。このウェットケーキ100部に対し、綜研化学社製SKオリゴマーUMB−1001(粘度:200〜400mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量850)100部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、アクリル樹脂中にPR57が分散された加工顔料2(固形分100%)122部を得た。
【0040】
【実施例3】
東洋インキ製造社製の銅フタロシアニンのクルードブルーを常法のアシッドペースティング法により微細化し、フィルタープレスによって濾過、水洗、脱水してα型銅フタロシアン(PB15)の顔料含有率を30%とした。このウェットケーキ100部に対し、トリメチロールプロパントリメタクリレート(粘度:90mPa・s(25℃)、樹脂成分:99%以上、分子量338)100部を加え、プラネタリーミキサーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、トリメチロールプロパントリメタクリレート樹脂中にPB15が分散された加工顔料3(固形分100%)130部を得た。
【0041】
【実施例4】
実施例1と同様な方法で、アゾ顔料(PY12)の含有率が25%のウエットケーキを得た。このウエットケーキ100部に対し、綜研化学社製SKオリゴマーUT−300(粘度:3000〜4000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2000)50部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、アクリル樹脂中にPY12が分散された加工顔料4(固形分100%)75部を得た。
【0042】
【実施例5】
実施例1と同様な方法で、アゾ顔料(PY12)の含有率が25%のウエットケーキを得た。このウエットケーキ100部に対し、日本化薬社製SKオリゴマー カヤラッドUX−2201(粘度:650〜950mPa・s(70℃)、固形分:99%以上、分子量8300)50部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、樹脂中にPY12が分散された加工顔料5(固形分100%)75部を得た。
【0043】
【比較例1】
実施例1と同様な方法で、アゾ顔料(Y−12)の含有率が25%のウエットケーキを得た。このウエットケーキ100部に対し、トルエン(粘度:0.6mPa・s(25℃)、分子量92.1)50部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の油相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、トルエン中にY−12が分散された加工顔料6(固形分35%)70部を得た。(水と共沸したので仕込み分より減少)
【0044】
【比較例2】
実施例1と同様な方法で、アゾ顔料(PY12)の含有率が25%のウエットケーキを得た。このウエットケーキ100部に対し、日本合成化学社製紫光UV−2000B(粘度:55000mPa・s(60℃)、分子量25000)50部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の油相への転相処理を行った。
【0045】
転相後一次排水をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、樹脂中にPY12が分散された加工顔料7(固形分100%)75部を得た。
【0046】
以上得られた加工顔料を以下の項目で評価する。
【0047】
[評価]
1.転相性
各加工顔料を作成する際の転送工程において、顔料ウエットケーキから水分が分離し終わるまでの時間(一次排水)を測定して転相性の評価とした。転相性が良好なほど短時間で転相が終了する。
2.溶解性
各加工顔料と、バインダー樹脂溶液として三菱レイヨン社製アクリル樹脂BR−87の40%トルエン溶液を用いて固形分中の顔料濃度が10%となるように表2の組成比で配合してディスパーで攪拌を10分間行い、塗工液とした。
グラインドメーターを用いて各塗工液の分散度値(単位μm)を測定した。この値が小さい程溶解性が優れていることを示し、溶解が不十分であると分散度値は大きな値になる。加工顔料のバインダー樹脂溶液に対する溶解性を各塗工液の分散度値から評価した。結果を表2に示す。
3.色相評価
上記要領で作成した塗工液を2枚の50μm厚の透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの間に500μm厚で挟み込み、色相(L、a、b)を日本電色工業株式会社製測色色差計ZE−2000により反射によって側色した。結果を表3に示す。
(転相性)
加工顔料を作成する際の転相時間を表1に示す。加工顔料1、2、3、4、5、6の転相時間は20分以下であり、良好な転相性が得られた。分子量の高い樹脂で処理された加工顔料7は転相するまでに30分の時間を要した。
(溶解性)
加工顔料1、2、3、4、5、6の分散度値は表2に示したように7.5μm以下であり良好な分散性が得られており、溶解性が良かった。一方、分子量の高い樹脂で処理した加工顔料7の分散度値は目視で数mm程度のブツが観察され、十分にバインダー樹脂溶液に溶解していなかった。
(色相評価)
所定時間で溶解した加工顔料1、2、3、4、5、6について測色を行った結果を表3に示す。同じ顔料ケーキを用いた加工顔料1と6を比較すると、加工顔料6は透明性の尺度となるL値が大きな値となり不透明な色相となっていた。
【0048】
不透明化の原因については、顔料が結晶成長によることが知られており、加工顔料6は処理中および処理後の低分子量の良溶媒であるトルエン環境下で結晶成長が促進されたものと考えられる。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】
本発明により、常温で流動性を有するオリゴマー領域の非水溶性樹脂を用いて、有機顔料の水性懸濁物を処理することにより顔料の水相から樹脂相への転相性が良好で、転相後の結晶安定性が高く、且つまた乾燥後にバインダー樹脂などへの再溶解性の優れた加工顔料組成物およびその製造方法が可能になった。
【0053】
また、非水溶性樹脂の分子量が低いと転相性が良好になったが、分子量が200以下であると顔料の結晶成長が起こり色相が不透明になり、また分子量が10000以上であると転相性ならびに転相後の溶解性が著しく悪くなった。
Claims (3)
- 有機顔料の水性懸濁物を、常温での粘度が10000mPa・s以下であり分子量200〜10000のラジカル架橋反応性を有する非水溶性樹脂を用いて処理することで得られる加工顔料組成物の製造方法。
- 有機顔料の水性懸濁物中の顔料分100重量部に対し、非水溶性樹脂500重量部以下とを、撹拌混合装置によって処理することで得られる請求項1記載の加工顔料組成物の製造方法。
- 請求項1または2記載の加工顔料組成物の製造方法により得られる加工顔料組成物。
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