JPH07157680A - 顔料フラッシング方法 - Google Patents

顔料フラッシング方法

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JPH07157680A
JPH07157680A JP30528393A JP30528393A JPH07157680A JP H07157680 A JPH07157680 A JP H07157680A JP 30528393 A JP30528393 A JP 30528393A JP 30528393 A JP30528393 A JP 30528393A JP H07157680 A JPH07157680 A JP H07157680A
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JP
Japan
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outer cylinder
pigment
inner roll
cake
flash
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Application number
JP30528393A
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English (en)
Inventor
Masahiko Asada
匡彦 浅田
Motokazu Ishimori
元和 石森
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 槽状の外筒と、練肉時にこの外筒と狭小部を
形成するように外筒内に配置された内ロールとを有する
練肉機内で、顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその
有機溶剤溶液とを、外筒と内ロールの少なくとも一方を
回転させてこれらの間の狭小部を通過させて練肉するこ
とにより、水性スラリー中の顔料を親油性樹脂またはそ
の有機溶剤溶液中にフラッシングさせると共に、得られ
たフラッシュケーキ中の水分を絞り出すことを特徴とす
る顔料フラッシング方法。 【効果】 顔料合成直後の顔料水性スラリーのように多
量の水分を含むものであっても顔料フラッシングが可能
で、しかも狭小部通過の練肉時にフラッシングすると共
にフラッシングされたケーキ中の水分が絞り出されるた
め、水切れが非常によく、フラッシュケーキの回収が容
易であり、製造工程の合理化、製造時間や製造物のロッ
ト切り替え時間に大幅な短縮が計れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料を合成直後の水性
スラリーの状態ですぐフラッシングでき、分離後の脱水
・練肉の手間もかからず、分離回収も容易な新規顔料フ
ラッシング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機顔料の多くは製造上、出来上がり時
には水性スラリーであり、非水系のインキや塗料を製造
するためには、顔料の回りの水を親油性樹脂またはその
有機溶剤溶液に置き換えなければならない。その方法と
して顔料をあらかじめ乾燥させた後、親油性樹脂または
その有機溶剤溶液と練肉するドライ法と、顔料の水性ス
ラリーまたはこの水性スラリーを濃縮したプレスケーキ
に直接、親油性樹脂またはその有機溶剤溶液を加えて練
肉し、顔料を乾燥させずに親油性樹脂またはその有機溶
剤溶液中にフラッシングさせてしまうフラッシング法等
がある。ドライ法よりもフラッシング法の方が顔料粒子
径の細かい分散体を得やすいが、反面フラッシング方法
は製造工程が長くなり手間がかかるという欠点を持つ。
【0003】そこでフラッシング時間を短縮するためい
ろいろな方法が提案されている。フラッシング自体にか
かる時間を短縮するためにフラッシングの際に特殊な強
力攪拌装置を用いる方法や、フラッシングケーキの脱水
工程を短縮するために特殊な乾燥装置を用いる方法など
がある。また一方で顔料の水性スラリーと加熱した親油
性樹脂またはその有機溶剤溶液とを混合し、スタティッ
クミキサーを通して練肉することによってフラッシング
を行い、そのままロールへ送り込むという連続法も紹介
されている。
【0004】しかしながら、上記のように攪拌や乾燥の
段階にそれぞれ装置的な工夫をしても、結局、攪拌工程
と乾燥工程は別々に行われる。また連続法にしても練肉
のためスタティックミキサーの流路が複雑で、その洗い
が困難になり、製造物のロットの変更に大変な手間がか
かってしまい、現在のところまだ本当に合理化された簡
便な方法は見つかっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで顔料を合成直後
の水性スラリーの状態ですぐフラッシングでき、分離後
の脱水・練肉の手間もかからず、かつ分離回収が容易で
あるという、根本的にまったく新しいフラッシングシス
テムを見い出すことが本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、顔料の水性スラリ
ーと親油性樹脂またはその有機溶剤溶液とを、内部に内
ロールを有する槽状の外筒からなり、かつ練肉時に外筒
の内壁と内ロールの外壁との間に狭小部を形成する練肉
機に入れ、外筒の内壁と内ロールの外壁との間の狭小部
に挟み込むように通過させる練肉方法を用いると、顔料
合成直後の顔料水性スラリーのように多量の水分を含む
ものであっても顔料フラッシングが可能で、狭小部通過
時の練肉で水性スラリー中の顔料が親油性樹脂またはそ
の有機溶剤溶液中に容易にフラッシングすると共に、フ
ラッシングされたケーキ中の水分が絞り出されるため水
切れが非常によく、顔料の微粒化も促進されること、お
よび外筒内部と内ロールの形状が複雑でなくともフラッ
シングできるため、フラッシュケーキの回収も容易であ
り、製造工程の合理化、製造時間や製造物のロット切り
替え時間に大幅な短縮が計れることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、槽状の外筒と、練肉時に
この外筒と狭小部を形成するように外筒内に配置された
内ロールとを有する練肉機内で、顔料水性スラリーと親
油性樹脂またはその有機溶剤溶液とを、外筒と内ロール
の少なくとも一方を回転させてこれらの間の狭小部を通
過させて練肉することにより、水性スラリー中の顔料を
親油性樹脂またはその有機溶剤溶液中にフラッシングさ
せると共に、得られたフラッシュケーキ中の水分を絞り
出すことを特徴とする顔料フラッシング方法を提供する
ものである。
【0008】ここで用いられる練肉機としては、練肉時
に槽状の外筒と内ロールの少なくとも一方が槽状の外筒
の内壁と内ロールの外壁の間に狭小部を形成するように
回転し、顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその有機
溶剤溶液とを練肉できることが必要であるが、この条件
を満たす装置であれば一般には練肉機として使用されて
いない装置、例えば各種の粉砕機や粘度測定装置であっ
ても本発明では顔料フラッシング用の練肉機として用い
ることができる。また、ここで用いる内ロールの本数に
は限定はなく、外筒の内径と内ロールの外径に応じて適
宜選択することができ、その軸線は通常外筒と平行であ
ることが好ましい。
【0009】上記槽状の外筒の形状としては、特に限定
はないが、円筒状、樽状等が挙げられる。また、内ロー
ルの形状も、特に限定はないが、外筒の内周側面と内ロ
ールの外周面の間隔がほぼ一定のものがフラッシング効
率に優れる点で好ましい。ただし、この内ロールは、フ
ラッシングが可能であれば、ロールの外周部分とロール
軸とが一体的に固定されているものである必要はなく、
例えば1個または2個以上のリングに軸を連通させてリ
ングと軸の間に隙間を設け、内ロールとしてのリングを
移動可能としたものやロッドミル中のロッドのようにそ
れ自身が固定されていないものなどでもよい。
【0010】尚、外筒と内ロールの表面状態、材質、回
転数の差異等、各種の条件によりフラッシングの進行に
伴ってフラッシュケーキが外筒および/または内ロール
に付着し、その厚みを成長させて狭小部の間隔を狭くし
てしまうことがあるが、本発明の方法ではフラッシュケ
ーキの付着成長があると、フラッシング終了後のフラッ
シングケーキの回収が容易になり、かつ水との分離が計
れるのでむしろ望ましく、このような場合にはフラッシ
ュケーキの付着成長の状況に応じて外筒と内ロールの間
の間隔が広くなる構造の練肉機を用いることが好まし
い。但し、通常の場合、付着成長過程のフラッシュケー
キと外筒および/または内ロールとの間に隙間がなくな
るか、その状態に近くなるまでは、外筒と内ロールの間
隔を変化させることは必ずしも必要ではない。
【0011】上記フラッシュケーキの付着成長状況に応
じて外筒と内ロールの間の間隔を広くする方法として
は、特に限定されないが、例えばフラッシュケーキの
付着成長状況に応じて手動で広くする方法、フラッシ
ュケーキの付着成長状況を感知器で感知して自動的に広
くする方法、フラッシュケーキの付着成長による圧力
を受けて、内ロール自体が移動して狭小部間隔が広くな
る構造を有する練肉機を用いる方法等が挙げられる。
【0012】この方法に適した練肉機の具体例として
は、まず図1の説明図に示すような狭小部を有する二重
円筒型構造の練肉部を、図2の側面図に示すような装置
内に有するもの(例えば、特開平4−193343号公
報に記載の液体を攪拌させながら粘性を測定する装置)
やその大型機等が挙げられる。
【0013】図1および図2において、1は円筒状の外
筒、2は内ロール、3は狭小部であり、また図2におい
て、内ロール2は軸受4とトルク検出部5(本発明では
必ずしも必要ではない)を介して駆動用モータ6に接続
されており、軸受4とトルク検出部5と駆動用モータ6
は台座7に取り付けられ、台座7はモータ8により上下
移動できる。9は外筒の周囲を包む恒温槽(本発明では
必ずしも必要ではなく、通常は使用しなくともよい)、
10は外筒1の駆動用モータであり、恒温槽9と駆動用
モータ10は水平移動可能な台座11に据え付けられ、
送りネジ12により位置調整を行うことができる。
【0014】上記した外筒1と内ロール2は、一方また
は両方をそれぞれ任意の回転速度および方向に回転させ
ることができ、しかも回転速度と方向は同じであっても
異なっていてよい。回転速度が速いほど試料が狭小部3
を通過する頻度が高くなるのでフラッシング時間は短縮
されるが、通常は内ロール2を500〜3,000rp
mで回転させ、外筒1は0〜100rpmで回転させる
のが適当である。この内ロール2は円筒状の外筒1の中
に軸線を平行にするように収納され、外筒1の内壁との
間に狭小部3を構成させるが、上記した装置の様にその
間隔を制御または調整できるものが好ましい。
【0015】上記狭小部3の間隔は、顔料の種類、顔料
水性スラリーの濃度、親油性樹脂またはその有機溶剤溶
液の種類、その粘度、装置の大きさ、フラッシュケーキ
の付着の有無やその付着量等により大きく異なり、特に
限定されないが、顔料水性スラリーと親油性樹脂または
その有機溶剤溶液とを投入した後のフラシング開始時に
おいて、通常0.1〜100mm、好ましくは0.3〜
30mm程度である。
【0016】尚、装置内に投入した顔料水性スラリーと
親油性樹脂またはその有機溶剤溶液がフラッシュケーキ
となって外筒1や内ロール2に付着する場合は、外筒1
と内ロール2の間の狭小部3の間隔を付着層の厚みに応
じて前記あるいはの方法の様に手動あるいは自動的
に次第に拡大すると、付着層の成長を阻害せずに顔料フ
ラッシングとフラッシュケーキの脱水を進行させること
ができるので好ましい。この場合、付着したフラッシュ
ケーキの脱落や付着成長の阻害をしない範囲であれば、
付着成長過程のフラッシュケーキと外筒1および/また
は内ロール2との間に隙間がなくなるまでフラッシュケ
ーキを成長させた後、隙間がない状態を維持した状態で
狭小部3を拡大すると、顔料フラッシングとフラッシュ
ケーキの脱水とをより効率的に続行できるので好まし
い。
【0017】本発明の方法では、フラッシングされたフ
ラッシュケーキは外筒1の内壁または内ロール2のどち
らに付着してもよいが、付着させて回収する場合、掻き
取り易いどちらか一方のみにフラッシュケーキが付着す
るようにすることが望ましい。そのため、例えば粘着性
の物質が2本のロールの間を通過すると、表面の回転速
度の早いロールの方に付着する傾向があることを利用し
て外筒1の内壁表面と内ロール2の外壁表面の速度に差
ができる条件で回転させてどちらか一方のみにフラッシ
ュケーキ付着させる方法、外筒1または内ロール2のい
ずれか一方の表面に他方の表面よりフラッシュケーキを
付着しにくい材料を用いて他方のみにフラッシュケーキ
付着させる方法、例えば一方の表面に撥油性の素材を使
用したり、フッ素あるいはシリコンコーティングする方
法、一方の表面にポリエチレンやポリプロピレン等を用
い、他方の表面にポリエチレンやポリプロピレンよりも
フラッシュケーキを付着し易い鉄などの金属を用いる方
法等が有効である。
【0018】尚、どちらか一方のみにフラッシュケーキ
が付着するようにするというこれらの方法は、本発明で
用いる上記以外の練肉機、例えば以下に例示する練肉機
の場合にも応用できることは無論である。
【0019】また、本発明のフラッシング方法として
は、蓋のできる円筒状容器(瓶でもよい)を外筒として
用い、その中に顔料水性スラリーと親油性樹脂またはそ
の有機溶剤溶液をいれ、さらに内ロールとして円柱状の
ロッドを入れ、容器を横にして回転させる方法も有効で
ある。これはいわゆるロッドミル法という練肉分散方法
であり、図3にその斜視図を示す。図3において、1は
円筒状容器からなる外筒であり、2は円柱状の内ロー
ル、3は狭小部である。
【0020】円筒状容器からなる外筒1が回転すると、
外筒1中の内ロール2は重力によって低い方へと転がり
続け、内ロール2の自重で外筒1の内壁との間に顔料水
性スラリーと親油性樹脂またはその有機溶剤溶液とが入
り込んで狭小部3を形成すると共にこれらを練肉するた
め、フラッシングが起こり、同時に脱水も行ってしま
う。練肉の度合いは外筒1や中に入れた内ロール2の形
状や本数にもよるが、外筒1の回転速度、内ロール2の
重さ、外筒1と内ロール2の直径比等によっても制御で
きる。
【0021】更に本発明のフラッシング方法としては、
上記以外にも、例えば図4の平面図に示すような微粉砕
機も本発明の顔料フラッシング用の練肉機として使用で
きる。図4において、1は外筒、2はリング状の内ロー
ル、3は狭小部である。更に、13は外筒1の中心で回
転する主軸、14はこの主軸13の回転に連動して外筒
1の内側を公転する複数の副軸で、各副軸14はその外
径よりも大きい内径を有する1個または2個以上のリン
グ状の内ロール2を連通しており、副軸14とリング状
の内ロール2との間には該内ロール2が副軸14の外径
よりも大きい内径を有するために生じた移動可能な隙間
15を有している。
【0022】この微粉砕機を練肉機として用いるには、
顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその有機溶剤溶液
の存在下に主軸13を回転させればよい。主軸13を回
転させると、これに伴って各副軸14がリング状の内ロ
ール2を伴って外筒1の内側を公転する。この時、リン
グ状の内ロール2は副軸14との間に移動可能な隙間1
5を有するため、副軸14の公転によりそれぞれ遠心力
を受けて外側方向に移動し、外筒1の内壁と内ロール2
との間に顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその有機
溶剤溶液とを入り込ませて狭小部3を形成しつつ自転す
ると共にこれらを練肉するため、フラッシングが起こ
り、同時に水分の絞り出しもなされる。水分を絞り出さ
れたフラッシュケーキは、外筒1および/または内ロー
ル2に付着し、成長することがあるが、この方法の場
合、リング状の内ロール2が副軸14との間に移動可能
な隙間15を有しているため、フラッシュケーキの付着
成長による圧力を受けてリング状の内ロール2自体が内
側に移動して狭小部3の間隔が広くなり、フラッシング
をそのまま続行することができるという利点がある。た
だし、フラッシュケーキの付着成長は、外筒1の内壁の
みに生じる条件で行うことが好ましい上記の場合、主軸
13の回転速度は、回転速度が速いほど試料が狭小部を
通過する頻度が高くなるのでフラッシング時間は短縮さ
れるが、通常は500〜3,000rpmが適当であ
る。
【0023】副軸14の数は外筒1とリング状の内ロー
ル2の大きさにより異なるが、通常2〜30個、好まし
くは3〜8個である。リング状の内ロール2は、1本の
副軸14に対して1個の円筒である必要はなく、2個以
上、例えば10〜50個のリングを重ね合わせたものを
内ロール2として用いてもよい。
【0024】副軸14の位置は、顔料水性スラリーと親
油性樹脂またはその有機溶剤溶液とを練肉できる位置で
あればよく、空の外筒1中で主軸13を回転させてリン
グ状の内ロール2に遠心力を与えた時の該内ロール2の
外壁と外筒1の内壁との間の間隔が0.5mm以下とな
る位置が通常であるが、なかでもリング状の内ロール2
の外壁と外筒1の内壁が接触しつつ該内ロール2が自転
する位置が好ましい。
【0025】副軸14とリング状の内ロール2との間に
ある隙間15の最大間隔は、外筒1とリング状の内ロー
ル2の大きさにより異なり、限定できないが、2〜10
0mm、なかでも5〜30mmが好ましい。
【0026】本発明で用いる顔料水性スラリーとして
は、製造された直後のスラリーはもちろん、すでに濾
過、洗浄をしたプレスケーキを水にリスラリーしたも
の、また乾燥・粉砕された顔料粉体や体質顔料等を再度
水に分散させたものであってもかまわない。水性スラリ
ー中の顔料濃度は1〜30重量%が適当である。
【0027】顔料の例としては無機顔料の酸化チタン、
べんがら、カーボンブラック、有機顔料のモノアゾ顔
料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キ
レートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノ
ン系顔料、ペリレン顔料、チオインジゴ系顔料、キナク
リドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン
系顔料、キノフタロン系顔料などが挙げられる。
【0028】親油性樹脂またはその有機溶剤溶液として
は水に不溶または難溶であり、100ポイズ〜10,0
00ポイズの粘度、好ましくは500ポイズ〜3,00
0ポイズの粘度を持つものであれば何でもよく、例えば
フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、変性キシ
レン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、乾性および半乾性油、脂肪族および芳香族炭化水素
樹脂などが挙げられる。これらはさらに溶剤を加えても
かまわないが、最終的に上記の粘度範囲にあることが好
ましい。溶剤としては、やはり水に不溶のものが望まし
く、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
系溶剤や軽油などが挙げられるが、場合によってはイソ
プロピルアルコール、メチルエチルケトンなどを少量含
んでいてもかまわない。また最終目的物が複数の樹脂ま
たはその有機溶剤溶液を必要とするものであれば、これ
らを混合した状態で用いてもよい。このうちアルキド樹
脂、ウレタン樹脂、これらの有機溶剤溶液などはフラッ
シングの際には適さず、後から希釈用として添加するの
が一般的であるが、本方法ではこれらを使用してもかま
わない。
【0029】フラッシングを行う際に練肉機内に投入す
る顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその有機溶剤溶
液の量の比は、顔料水性スラリーの濃度や親油性樹脂ま
たはその有機溶剤溶液の粘度により異なってくる。親油
性樹脂またはその有機溶剤溶液の量の比が多くなるほど
フラッシングは容易に進行するようになるが、生成した
フラッシング生成物中の顔料濃度が低くなるため、イン
キなどの最終目的物に適さないものとなってしまうこと
があるうえ、フラッシング生成物の粘性が高くなって回
収が困難になっていくという欠点がある。そこで顔料と
親油性樹脂またはその有機溶剤溶液の種類によって最適
な組成は異なるが、一般的には顔料固形分と親油性樹脂
またはその有機溶剤溶液の重量比が1:1から1:9の
間が望ましく、特に1:2から1:6で最適となること
が多い。
【0030】顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその
有機溶剤溶液の投入方法および投入時期は、特に限定さ
れず、例えば顔料水性スラリーと親油性樹脂またはその
有機溶剤溶液とを練肉機の運転開始に際してそれぞれ別
々に投入したり、途中で追加投入したりする方法でもよ
いが、予めこれらの混合物を練肉機の運転開始前に練肉
機に投入しておく方法が最も好ましい。
【0031】本発明の方法で顔料水性スラリーと親油性
樹脂またはその有機溶剤溶液とをフラッシングしていく
と、顔料水性スラリーの濃度が次第に低下して透明性を
増してゆき、透明になったところがフラッシングの通常
終点であり、次いで水を排除した後、フラッシュケーキ
を回収する。フラッシュケーキは、外筒および/または
内ロールにその一部乃至全部が付着している場合と、全
く付着していない場合とがあるが、いずれの場合でも外
筒の内壁と内ロールの間の狭小部でよくプレスされて水
分が絞り出されているため、その排除は容易である。
【0032】このようにして取り出したフラッシュケー
キは外筒の内壁と内ロールの間の狭小部でよくプレスさ
れて水分が絞り出されており、含水量も通常5重量%以
下と低いため、その後の脱水を簡単に短時間で終了させ
ることができる。フラッシングの開始から終点に達する
までの時間は、装置の大きさや練肉条件、顔料水性スラ
リーと親油性樹脂またはその有機溶剤溶液の種類や量
等、各種の条件により異なるが、通常5〜50分程度で
ある。
【0033】このように本発明の方法で得たフラッシン
グケーキは、通常短時間の脱水操作を行うだけで、その
ままインキとして使用することができる。また、必要に
応じて親油性樹脂またはその有機溶剤溶液を追加し、再
び練肉してインキとすることもできる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、例中の部および%は特に断りのない限り重量
基準である。
【0035】実施例1 図1に示す二重円筒型構造の練肉部を有する図2の側面
図に示す装置を用い、この装置内の外筒1(内径30m
m、深さ90mm)に、ジスアゾイエロー顔料(C.
I.Pigment Yellow 12)〔以下、顔
料(P−1)と称す〕の水性スラリー(顔料濃度4%)
を20g入れ、ロジン変性フェノール樹脂(ロジン変性
フェノール樹脂濃度50%、これ以外にアマニ油15
%、ヒマシ油5%および軽油30%含有)〔以下、樹脂
(R−1)と称す〕を4.5g加えた後、内ロール2
(外径20mm、高さ60mm)を静かに外筒1中に挿
入した。外筒1と内ロール2の狭小部の幅は0.3mm
とし、外筒1を60rpmで回転させ、同時に内ロール
2を外筒1と同じ方向に2,000rpmで回転させな
がら8分間混練したところ、内ロール2の回りに樹脂が
均一に巻き付き、その樹脂の中に顔料がフラッシュされ
取り込まれてきた。この時点で顔料水性スラリーの色は
ある程度薄くなったが、完全な透明ではなかった。次い
で送りネジ12により台座11上の外筒1を狭小部の幅
が0.45mmになるまで徐々に移動させながら、さら
に外筒1を60rpm、内ロール2を2,000rpm
で回転させ5分間混練した。顔料水性スラリーの色はか
なり薄くなり、顔料が樹脂中にフラッシュされたフラッ
シュケーキが内ロール2の回りに均一に付着していた。
このフラッシュケーキは割合硬く、含水率も2%と極め
て低かった。これをゴムべらで掻き取り、フーバーマー
ラーで脱水し、紙の上にへら引きしたところ、良好な発
色性と透明性を示し、このままインキとして使用可能で
あった。
【0036】実施例2 300mlのステンレスビーカーに顔料(P−1)の水
性スラリーを100g入れ、樹脂(R−1)を22.5
g加えた後、ホモジナイザーで2分間よく攪拌して分散
液を作成した。この分散液を500mlのポリ瓶(ポリ
エチレン製)からなる外筒に入れ、次いで円柱状の鉄の
ロッド(長さ100mm、直径30mm)からなる内ロ
ールを1本入れてポリ瓶の蓋を閉め、卓上ボールミル上
に横向きに置いて400rpmで回転させた。
【0037】20分後には顔料が樹脂中にフラッシュさ
れたフラッシュケーキが内ロールに付着し、スラリーの
色もかなり薄くなってきた。このフラッシュケーキはや
はり割合硬く、含水率も5%と低く、ゴムべらで掻き取
りフーバーマーラーで脱水し、紙の上にへら引きしたと
ころ、良好な発色性と透明性を示し、このままインキと
して使用可能であった。
【0038】実施例3 図1に示す二重円筒型構造の練肉部を有する図2の側面
図に示す装置を用い、この装置内の外筒1(内径30m
m、深さ90mm)に、フタロシアニンブルー顔料(P
−2)(Pigment Blue 15)の水性スラ
リー(顔料濃度7重量%)を18g入れ、ロジン変性フ
ェノール樹脂(ロジン変性フェノール樹脂濃度45%、
これ以外にアマニ油20%および軽油35%含有)〔以
下、樹脂(R−2)と称す〕を7.1g加えた後、テフ
ロンシールテープを均一に巻き付けた内ロール2を静か
に外筒1中に挿入した。外筒1と内ロール2の狭小部の
幅は0.5mmとし、外筒1を30rpmで回転させ、
同時に内ロール2を外筒1と同じ方向に1000rpm
で回転させながら10分間混練したところ、外筒1の内
壁に樹脂が均一に付着し、その樹脂の中に顔料がフラッ
シュされ取り込まれてきた。この時点で顔料水性スラリ
ーの色はある程度薄くなったが、完全な透明ではなかっ
た。次いで送りネジ12により台座11上の外筒1を狭
小部の幅が0.8mmになるまで徐々に移動させなが
ら、さらに外筒1を30rpm、内ロール2を1,00
0rpmで回転させ10分間混練した。顔料水性スラリ
ーの色はかなり薄くなり、顔料が樹脂中にフラッシュさ
れたフラッシュケーキが外筒1のに均一に付着してい
た。このケーキはわりあい硬く、含水率も3%と極めて
低くかった。これをゴムべらで掻き取りフーバーマーラ
ーで脱水し、紙の上にへら引きしたところ、良好な発色
性と透明性を示し、このままインキとして使用可能であ
った。
【0039】
【発明の効果】本発明の顔料フラッシング方法によれ
ば、顔料合成直後の顔料水性スラリーのように多量の水
分を含むものであっても顔料フラッシングが可能で、し
かも狭小部通過の練肉時にフラッシングすると共にフラ
ッシングされたケーキ中の水分が絞り出されるため、水
切れが非常によく、フラッシュケーキの回収が容易であ
り、製造工程の合理化、製造時間や製造物のロット切り
替え時間に大幅な短縮が計れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる練肉機の練肉部構造の一例を示
す説明図である。
【図2】本発明で用いる練肉機の一例を示す側面図であ
って、図1に示す練肉部構造を有する。
【図3】本発明で用いる練肉機の他の一例を示す斜視図
である。
【図4】本発明で用いる練肉機の他の一例を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 外筒 2 内ロール 3 狭小部 4 軸受 5 トルク検出部 6 駆動用モータ 7 台座 8 台座移動用モータ 9 恒温槽 10 駆動用モータ 11 台座 12 送りネジ 13 主軸 14 副軸 15 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 槽状の外筒と、練肉時にこの外筒と狭小
    部を形成するように外筒内に配置された内ロールとを有
    する練肉機内で、顔料水性スラリーと親油性樹脂または
    その有機溶剤溶液とを、外筒と内ロールの少なくとも一
    方を回転させてこれらの間の狭小部を通過させて練肉す
    ることにより、水性スラリー中の顔料を親油性樹脂また
    はその有機溶剤溶液中にフラッシングさせると共に、得
    られたフラッシュケーキ中の水分を絞り出すことを特徴
    とする顔料フラッシング方法。
  2. 【請求項2】 外筒および/または内ロールの壁面にフ
    ラッシュケーキが付着した場合に、その厚みに応じて外
    筒と内ロールの間の狭小部間隔が広くなる構造の練肉機
    を用いる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 外筒と内ロールのいずれか一方の表面
    に、他方の表面よりフラッシュケーキを付着しにくい材
    料を用いた練肉機を用いる請求項1または2記載の方
    法。
JP30528393A 1993-12-06 1993-12-06 顔料フラッシング方法 Pending JPH07157680A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004065503A1 (ja) * 2001-08-01 2004-08-05 Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. 加工顔料組成物の製造方法およびその製造方法により得られる加工顔料組成物
CN100448935C (zh) * 2003-01-23 2009-01-07 东洋油墨制造株式会社 加工颜料组合物的制造方法及由该制造方法获得的加工颜料组合物

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