JP3903206B2 - 身体圧分布の基本特性測定・解析システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子などの座り心地の物理量と官能量の対応を示す身体圧分布の測定と解析・評価に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、厚さ0.5mm以下の超薄型のフレキシブルな感圧型センサーシートを使用することで実使用に極めて近い感覚で、椅子や自動車の座席設計等を行うことが可能になった体圧分布測定装置が使用されている。
図47はこうしたセンサーシートの構造を示す図であり、ポリエステルフィルム等のパッキングシート100と105の間に、行電極102と列電極104があり、これらの電極は感圧抵抗性の特殊インク103と電極のシルバーペースト(銀色)でコーティングされて格子状に印刷され構成されている。行電極と列電極の交差部分106がセンシングポイントとして動作する。
【0003】
このセンサーシートを椅子や自動車の座席一杯に敷き詰めて人間が座ると、図47に示すセンシングポイント106に圧力が加わり、図48のグラフに示すように圧力量に応じて特殊インク103の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化は行方向、列方向の電流の変化として検出回路(図示していない)に伝えられ、その数値を8ビットにA/D変換して補正し圧力に対して出力電圧が直線性を持つように変換してパソコン等に身体圧分布データとして取り込まれる。センシングポイントは通常数1000ポイントの単位で存在し、取り込まれた身体圧分布データは画像処理ソフトにより処理され、パソコン上に身体圧分布画像として表示され、椅子やシートの開発データ等に利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、椅子と人体との接触状態より椅子の座面・背面から受ける知覚・感覚刺激を把握する方法の1つとして、センサーシートを用いた身体圧分布の測定が行われていて、この測定によって腰椎を支持する際の支持位置の強さや、椅子の形状や機能にどう言った効果があるかを知ることができることから、身体圧分布による評価は家具メーカや自動車シートメーカなどの椅子・シートの開発のための基本手法となっているが、身体圧分布の採取データの種類も限られたものであり、その解析法についても実験者の経験主観に基づいた判断が主体であり、身体圧分布の長時間に亙る変化についての時系列解析は殆ど行われていないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の第1の発明は、身体特性、姿勢、椅子の形状・機能および着座後の時間経過に関して身体圧分布の基本特性の測定と解析を行うことで、その過程において最大圧力値などのいくつかの物理的なパラメータ(統計値)についての検討も加えて幅広い種類のデータ獲得を目指し、その結果から客観的な知見を分類できる座り心地の物理量と官能量を対応させる身体圧分布の基本特性測定・解析システムを提供することを目的としている。
【0006】
更に、本発明の第2の発明は、身体圧分布データの解析に関して、統計値を直接多変量解析、時系列解析およびニューラルネットワークによる解析評価によって、センサーシートに関する物理量の評価を行い、センサーシートの物理量と座り心地の関係を予測評価して座り心地の物理量と官能量を対応させる身体圧分布の経時的変化予測・評価システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、実効圧の測定が可能なセンサーにより身体圧分布を測定してコンピュータに表示・保存する身体圧分布の測定システムにおいて、椅子またはシートの座面および背面を覆うように配置して人体の座圧および背圧を実効的に検出可能なセンサーシートと骨盤傾斜角を検出する骨盤傾斜角センサーとを用いて被験者の座圧および背圧と骨盤傾斜角とを測定し、コンピュータ上に被験者の座圧および背圧を少なくとも表示する身体圧分布測定手段と、一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行い性別および体型の違いについて考察する身体特性解析手段と、一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行い各種姿勢の違いについて主に座圧より考察する姿勢解析手段と、一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行いクッション素材および形状の違い、後傾姿勢における椅子の機能の違いについて考察する椅子の形状・機能解析手段と、一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行い着座後の時間経過について考察する経時変化解析手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記身体圧分布測定手段が、コンピュータ上の画面に被験者の座圧および背圧の分布測定データを表示すると共に、使用センサー数、圧力平均値、標準偏差、分散および最大圧力値を含む各種測定データの統計処理および画面表示を行うことを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、前記身体特性解析手段が、被験者の男女別座圧分布における座圧および背圧の圧力値、活動センサー数、センサー座標を含む各種データを男女別に平均したデータとして性別特徴を抽出し、前記男女別に加えて痩せ型、標準型および太り型等の体型毎に分類された座圧および背圧の各種データを比較することにより解析し分類することを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記姿勢解析手段が、被験者全員の座面での身体圧の圧力値、活動センサー数、センサー座標を含む各種データを各種の座り姿勢と対応する各種統計処理データにより考察することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、前記椅子の形状・機能解析手段が、椅子のクッション素材および形状の違いと、後傾姿勢をとった場合の、椅子の機能の違いを座圧および背圧の変化より判別することを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、前記経時変化解析手段が、前記身体特性、姿勢、椅子の形状・機能等の各測定時における着座条件を設定して長時間観察し、所定時間毎に身体圧分布を測定して変化を抽出することを特徴としている。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、物理量と官能量との対応を分析し評価するために、センサーを用いて測定した各種の身体圧分布データより統計値を縮約してその変数を求める主成分分析手段と、前記主成分分析により求められた縮約された変数である圧力値を時系列解析のAR(自己回帰)モデルを用いてスペクトルに変換し圧力リズムの変化を求める時系列解析手段と、データ間の周期的な変動を明確にするため時系列解析として偏自己相関係数を求め重回帰分析による予測式を立てて負担度の予測を行う負担度予測手段と、前記偏自己相関係数と負担部位別評点とで正準相関分析を行い、負担部位別負担度を予測する負担部位別予測手段と、ニューラルネットワークを用いて前記身体圧分布データの自己組織化マップを作成しクラスタ分類を行って身体圧パターンを抽出し定義する身体圧パターン定義手段と、を更に備えることを特徴としている。
【0011】
また、請求項8に記載の発明は、前記身体圧パターン定義手段が、クラスタ分けした統計値のレーダチャートと身体圧分布によってクラスタと負担評価を対応させる身体圧パターンの抽出および定義を行うことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の、第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の、第1の実施の形態に係る身体圧分布の基本特性測定システムの構成図である。
図2は図1に示す測定システムにおいて測定された身体圧分布データの一例を示す図である。
【0013】
図1において、1は測定対象となる椅子、2は椅子1の座面・背面に敷き詰められ、椅子1に座った被験者3の身体圧分布を検出するためのセンサーシートである。
4は骨盤傾斜角を検出する骨盤傾斜角センサーである。5はセンサーシート2の検出電流をA/D変換するA/Dコンバータ、6は骨盤傾斜角サンサーの出力をA/D変換するA/Dコンバータである。7はA/Dコンバータ5を介して入力するセンサーシート2の出力を取り込み処理するコンピュータである。8はA/Dコンバータ6を介し骨盤傾斜角センサー4の出力を取り込み処理するコンピュータである。9は人体の姿勢を撮影するビデオカメラであり、10は被験者にキーボード入力作業を課す作業用の機器である。
【0014】
図2において、20はコンピュータ7上に表示される座圧データ、21は同じく背圧データである。22は圧力値(単位mmHg)に対応する色を表示するカラーバーである。23は統計値(検出データ)として図面下段に表示される、使用センサー数、圧力平均値、標準偏差、分散、最大圧力値である。
【0015】
つぎに動作について説明する。
先ず、身体圧分布の測定に当たり、図3に示すように、時間経過と共にセンサー2の温度上昇などの要因による伝導率の増加によって圧力値が上昇するので、圧力データの抽出に際し、座り直しを基準に時間を統一することで補正して、信頼性の向上を図る。
【0016】
以下、身体特性、姿勢、椅子の形状・機能、経時変化、について身体圧分布データを測定し、コンピュータのソフトウェアデータとして処理・保持する。
先ず身体特性については、心身共に健康な学生10名(男性5名、女性5名)を被験者として、図1に示すシステムにより身体圧分布の測定を行い、測定結果については座り直し後10秒後のものを使用し、性別・体型の種類別データを測定した。体型は目視により痩せ型、標準型、太り型に分類して測定した。
【0017】
図4は男性に見られる座圧分布の図で、図5は女性に見られる座圧分布の図である。図4、図5で座骨結節部(図面上部)から大腿部(図面下部)にかけて圧力のピーク位を参照して直線を引き、その直線上の圧力値をグラフにすると、図6、図7が得られる。図6は図4(男性用)に引いた直線上の圧力値をグラフにしたものであり、図7は図5(女性用)に引いた直線上の圧力値をグラフにしたものである。なお、この図6、7の直線は座面に掛かる圧力の平均値を示している。
【0018】
図4、図6は男性用、図5、図7は女性用の座圧分布図であるが、これから男性は座骨結節部と大腿下部で支持する傾向があり、女性は座骨結節部を中心に全体で支持する傾向が見られる。
また、図8の最大圧力値の比較図に示すように、男性の方が女性に比べて、最大圧力値が高く出る傾向がある。
また、図9は体型による最大圧力値の比較図であり、痩せ型と標準型と太り型に別けて、圧力値を比較している。これより大柄な男性が比較的女性と似た身体圧分布を示す傾向があることが確認された。
【0019】
次に、姿勢については、学生3名(男性2名、女性1名)を被験者として、図1に示すシステムにより身体圧分布の測定を行った。測定結果については座り直しの10秒後のデータを使用し、主に座骨結節部に掛かる圧力について観察を行った。
【0020】
図10は被験者3名の座面での最大圧力値の平均をグラフにしたものであり、座面の最大圧力値は座骨結節部の圧力を示している。この場合、足を前方や後方に置いた姿勢や、仙骨座り、リクライニング姿勢が低い値を示している。足を前方や後方へ置いた姿勢については、足を置く位置が変わることによって地面から膝までの高さが変わり、大腿部の圧力が上昇してそれに伴い座骨結節部の圧力が減少するためである。
【0021】
また、仙骨座り、リクライニング姿勢の場合は、図11の計測条件を示す図のように、アップライトな座り方に対して、背もたれに掛かる圧力の増加と骨盤の角度が影響していると考えられる。骨盤傾斜角の測定データから、骨盤が後方へ回転することによって、座骨結節部の圧力が減少すると考察される。これは図10からアップライト姿勢や、前傾姿勢、椅子の前方に腰掛けた時に座骨結節部の圧力が高いことからも明らかである。
【0022】
次に、椅子の形状・機能については、被験者3名(男性2名、女性1名)として、VDT(ビデオディスプレイ端末)作業の際によく見られる前傾姿勢、アップライト姿勢、リクライニング姿勢、で5脚の椅子について図1のシステムで身体圧分布の測定を行った。
結果については座り直し後10秒後のものを使用し、クッション素材や形状の違い、後傾姿勢を取った際の、椅子の機能の違いについて考察した。
【0023】
図12は椅子のクッション素材と身体圧分布の相違を示した図であり、今回使用した発泡性クッション(左)とメッシュ状のクッション(右)とでは図のような相違がある。図13の説明図に示すように、発泡性のクッションが接触部分を中心に広範囲に沈み込むのに対して、メッシュ状のものは接触部分が伸び、それに伴い張力が発生する。このために沈み込みが少なく座骨結節の2点間の中心辺りが座面と接触することがないので、圧力が出ていないと考察される。
【0024】
図14は後傾姿勢の場合の、身体圧分布の説明図であり、後傾姿勢を取る際に、図14上の背面のみが傾斜する椅子(以下リクライニング機構と言う)の場合は、座骨結節部の圧力が減少すると共に大腿部の圧力が上昇し、背もたれ上部を中心に上体を支持する傾向が見られる。
また、図14下に示す背面と共に座面が傾斜する椅子(以下ティルト機構と言う)の場合は、座圧の変化は余り見られず腰部を中心に上体を支持する傾向がある。
また、図15は背もたれの水平方向の湾曲が強いティルト機構の椅子の身体圧分布であるが、図15のようにティルト機構の椅子であっても、背もたれの水平方向の、湾曲の強い椅子の場合は、肩硬骨の圧力が強く出るため腰部を中心に上体を支持することはできないということが考察されている。
【0025】
次に、経時変化については、椅子やシートに長時間座り続けると、尻や腰の感じが変わってきて、座り直し等の姿勢変化を行うことがある。今回はこうした身体圧分布の長時間に亙る変化も合わせてデータ化している。被験者としては学生10名(男性5名、女子5名)により20分間の身体圧分布測定を行った。その間被験者にはキーボード作業を課した。
【0026】
図16は時間経過と身体圧分布の変化を示す図であり、一例として身長176cm、体重59Kgの男性を被験者とした場合のアップライト姿勢で作業を行った時の5分毎の身体圧分布を示したものである。この時の変化は、
1、時間経過と共に圧力値が上昇する。
2、座り直しや姿勢変化により圧力値が減少する。
3、時間経過と共に姿勢変化や身体のずれが起こり大腿部に圧力が移行する。
というような経時変化を示す。
【0027】
また、図17の座面に掛かる圧力の時系列変化を示す図のように、時間経過と共に圧力値の増加が見られるが、これはセンサーの特性の影響による部分が大きい。しかし、圧力値の急激な変化については座り直し等の姿勢の変化によるものである。
その他、図18の骨盤傾斜角の時系列変化を示す図のように、骨盤傾斜角の時系列変化については、比較的安定しているが座り直しの度に骨盤が前方に回転している傾向が見られる。
【0028】
図19は座り直し時の体圧分布を抽出したもので、これから座り直し前の体圧分布と後の体圧分布を比較すると姿勢変化後は前に比較して圧力が低くなる。これは図17からも明らかである。
また、図20は身体のズレと身体圧分布の変化を示す図であり、図16の場合に、開始10分以降から、多くの被験者について座骨結節部の圧力の減少と大腿下部に掛かる圧力の増加が見られたが、これは図20のように身体のズレにより座骨結節部に掛かる圧力が大腿部へ移行しているものと考察される。身体が図20のようにズレることによって図18のように骨盤が後方に回転し、座骨結節部の圧力が減少するものと思われる。
【0029】
以上、本実施の形態により、身体圧分布の「身体的特性、姿勢、椅子の形状・機能、時間経過」の基本特性について、次のような客観的な知見による分類データが得られた。
1、身体的特性、について、
a、男性と女性では、男性の方が最大圧力値は高く出る傾向がある。
b、男性の背圧分布が広いのに対して、女性は座圧が広い傾向にある。
c、大柄な男性は女性と似た体圧分布を示す傾向がある。
d、痩せ型の体型の人は接触面積が狭く、圧力が高く出る傾向がある。
e、太り型の人は最大圧力値が低い傾向がある。
【0030】
2、姿勢、について、
f、足を置く位置が座圧に影響している。
g、骨盤が回転することにより、座骨結節部に掛かる圧力が変化する。
【0031】
3、椅子の形状・機能、について、
h、クッション素材により、身体圧分布に違いが見られた。
i、リクライニング機構の椅子は、座骨結節部の圧力が減少すると共に大腿部の圧力が上昇し、背もたれ上部を中心に上体を支持する傾向がある。
j、ティルト機構の椅子は、座圧の変化は余り見られず、腰部を中心に上体を支持する傾向がある。
k、背もたれの湾曲が強いものほど肩硬骨に掛かる圧力が高い。
【0032】
4、時間経過、について、
m、時間経過と共に圧力値が上昇する。
n、座り直しや姿勢変化により、圧力が減少する。
o、時間経過と共に姿勢変化や身体のズレが起こり、それが原因となって座骨結節部の圧力が減少し、大腿下部の圧力が増加する。
【0033】
このように、本実施の形態によれば、身体圧分布と「身体特性、姿勢、椅子の形状・機能、時間経過」についての関連性については、身体特性、姿勢など個人差による影響が大きいため一般化は難しいが、個人に合った椅子の選定や制作を目的とした場合は、個人の特徴を抽出する必要があるので、その際は、以上のデータを椅子・シートのCADデータ等としてデータベース化して置けば、重要な評価指標の一つとして利用することができる。
【0034】
次に、本発明の、第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図21は本発明の、第2の実施の形態に係る身体圧分布の経時的変化予測・評価システムの処理のフローチャートである。
前実施の形態では、各種の身体圧分布データを測定したが、第2の実施の形態では説明を簡単にするために、男女大学生2名の被験者に長時間座位を目的として椅子の条件を角度条件A、Bの2条件とし、クッション素材を柔らかいものから硬いものまで順にs、h、mの3条件として、身体圧分布データを測定し、測定データを客観的評価方法として、統計値(データ)を直接多変量解析、時系列解析、ニューラルネットワーク処理等による分析・評価を行い、座り心地等の官能評価を行うものである。
【0035】
この場合の身体圧分布測定の1フレームは30秒とし、全実験フレームは210で1時間半から2時間としている。
同時に、官能評価として図22に示すような負担評価用紙を用いて被験者アンケートにより負担評価を行う。負担評点は5段階として5を最高負担得点に、肩から腿までの8部位について行っている。
【0036】
つぎに図21を参照して評価処理の詳細を説明する。
先ず、図23の統計値の説明図に示すように、身体圧分布データの統計値として、座面又は背面のセンサー数(例えば、センサーシートのセンシングポイント数等)、平均圧力値、標準偏差、変化率、最大圧力値の10データを使い(S100)、これらの多変量解析に主成分分析を用い統計値の縮約を行って整理し、この縮約された変数で散布図を描いて、条件ごとの椅子の傾向を抽出する(S101)。
【0037】
具体的には多次元のデータを要約する主成分分析は、図24に示すように、図23に示した10次元のデータを、因子負荷量の絶対値の大きい変数に着目して主成分を求める手法により2次元データに縮約する。
これは図25の主成分分析の結果を示す因子負荷量の図で見ると、第1因子の圧力関係値0.779、0.855と、0.846、0.7、および第3因子のセンサー数0.458、0.542、とで因子寄与率56.1%に達することから、平均圧力値とセンサー数の2次元データに縮約することになる。
【0038】
以上のように縮約された2次元の変数を用いた、各条件(角度条件と素材の硬軟度)の散布図(横軸に圧力平均値、縦軸はセンサー数関連値)を図26〜図31に示す。これらの散布図に見られる傾向としては、a:縦軸に長い、b:右上がり、c:右下がり、d:二極化、が挙げられる。
先ず、aの場合は、センサー数に関係なく平均圧力が一定幅を保っている。これはクッション性が硬い素材で角度条件がAの、条件A−hに相当する図27に示す椅子にこの傾向が見られる。
【0039】
bの場合は、センサー数の増加に伴い平均圧力値も増加してプロット点が右方向へ伸び出している。これはクッション性の柔らかい素材の条件の、椅子の図26の条件がA−sの椅子に相当し、ワイドサポートされていて長時間座位姿勢を続けるとクッション性によりこの関係が成り立つ。
【0040】
cの場合は、センサー数の増加に伴い平均圧力が減少する傾向にあり、クッション性が一番硬い素材である図28に示すA−mの椅子に相当する。これは良好な座位姿勢がとれていると考えられる。
最後にdの場合は、クッション性に関わらず、角度条件がBの図29〜31に見られる傾向であり、センサー数の増加に伴い平均圧力が減少し良好な座位姿勢がとれていると考えられる。
【0041】
次に、以上のように主成分分析の結果、縮約された変数である圧力値を時系列解析する(S102)。
先ず、ARモデルを用いて、スペクトルに変換し圧力値、圧力リズムの変化を観察する(S103)。
ARモデルは自己回帰(Autoregressive Model)モデルと呼ばれ、時系列データの線形予測処理に常套的に用いられる手法であり、時系列解析にかけた結果を図32〜図35に横軸に周期を縦軸に圧力値を取って示している。又、同じ時系列周期で圧力値の階差をとった場合を図36〜図39に示す(S104)。
なお、この場合の椅子の、条件毎の負担評価を図40に示す。
【0042】
図32〜図35に示した圧力値のスペクトルは、順に被験者1、2と、角度条件、クッション性の違い(A−s、B−s、A−m)によるもので、1時間半〜2時間の実験時間中には大きな変化は見られない。この時系列周期で圧力値の階差をとり圧力値の単位を変えてみると、図36〜図39のように各条件で変動が見られる。定常に見えていても微細な部分では非定常となっている。この状態を圧力リズムと呼び、圧力リズムの有る無しと図40の負担評価の結果とで負担を予測する(S105)。しかし、これで負担度を予測することは難しいので、圧力リズムの評価アルゴリズムについては、現時点では参考データにとどめ、他の評価指数との対応付けの余地を残し、システムでは今後、そうした学習によって圧力リズムによる評価アルゴリズムが、時系列的に追加更新され進化できるようにして置くものとする。
【0043】
そこで時系列解析における別の計算値として偏自己相関係数(PARCOR)を求める(S106)。偏自己相関係数は前向き予測誤差と後向き予測誤差の相関係数として定義されるので、モデルの次数には依存せず、より時系列におけるデータ間の周期的な変動が明確になる。その変動周期によって圧力リズム同様の負担度予測式を、重回帰分析を用いて立てる(S107)。
【0044】
求めた式は、
Y=φ1×(−2.3)+φ3×(−8.0)+φ4×4.1+5.5
但し、Y:負担評点
φ:偏自己相関係数
R2=0.8887(決定係数)
であり、φは重回帰モデルの定数に相当する。
【0045】
式の妥当性を見るための検証として新データの偏自己相関係数を代入して、図40、図41のように被験者1、椅子タイプA/s、の場合に、各偏自己相関係数の代入の結果、予測値Y=3.5、が得られた。実測値は3.1であるから、予測値は妥当性のあるもので有った。以上が負担度予測手段の処理となる。
【0046】
時系列解析を更に進めて、負担部位(図22の8部位:肩〜下腿)別に負担度を予測できないかを探るため、偏自己相関係数と負担部位別評点とで正準相関分析を行った(S108)。結果を図42に示す。図42の表中、X1〜X5は1次から5次の偏自己相関係数で、Y6〜Y13は図22の負担評価用紙の上から順にある負担部位の負担評点である。FとGはXとYの合成関数である。正準相関分析は正準変量間の相関の最大化を図るものであり、この表からは、4次の偏自己相関係数において背部、腰部、臀部の負担を抽出できる。
【0047】
以下更に、ニューラルネットワークを用いて、例えば、主成分分析により多次元データを縮約したセンサー数、圧力値の2次元データより、図43に示すような自己組織化マップを作成した(S109)。
自己組織化マップは特性上、高次元の情報をニューロンの学習により人間の可視できる2次元平面で再現するもので、図43の自己組織化マップも約1000回の学習により作成されている。
【0048】
図43の自己組織化マップは、設定ニューロンがy軸方向に集まっている。これは身体圧分布のデータの特徴を表しているもので、この結果から図44に示すように、発火ニューロンで、3つのクラスタに分けられる。これによってニューラルネットワークによる分類処理が行われる。これは主成分分析による被験者1、2、椅子の特性A−s、A−h、A−m、等の分類(図26〜)に対応するものである。
この結果をレーダチャートに示しその時の身体圧パターンを抽出して見る(S110)。
その一例をクラスタ分け後の統計値のレーダチャートと共に図45、図46に示す。但し、クラスタ2は省略する。
【0049】
図45と図46におけるクラスタと負担評価とを対応させると、クラスタ1においては臀部の負担があるとなる。また、クラスタ3については臀部、腰部、背部の負担度が大きいとなる。その場合の代表的な身体圧パターンを抽出すると、確かに前者は臀部の圧力値が高く、後者は臀部の圧力は同じように高く、背面を使用しないというパターンの定義付けになる(S111)。
【0050】
なお、ニューラルネットワークについては、身体圧の分類(S110)の後、今後、他の評価指標との対応付けを参考とする余地も残し、予測・評価アルゴリズムも、学習の都度、時系列的に追加更新され、進化できるようにする。
こうして、S100〜S111までの予測・評価アルゴリズムにおいて、ARモデルによる圧力リズムの検証、偏自己相関係数による予測評価、ニューラルネットワークによる予測評価、の3つについて最終的には、圧力リズムは参考データにとどめ、偏自己相関係数による予測評価を主軸に、および(AND)/または(OR)、ニューラルネットワークによる予測評価、という形で相互確認システムを構成し、総合評価を行う(S112)。
【0051】
このように、第2の実施の形態によれば、身体圧分布の物理量と座り心地などの官能量との対応評価に当たり、主成分分析により身体圧分布の統計値を縮約してデータを扱うことが可能になり、時系列解析で得られるスペクトルで椅子に関する身体圧データを圧力のリズムに置き換えて分析し、更に、時系列解析で得られた偏自己相関係数により負担度を予測する重回帰式を得て、予測化の信頼度を向上させ、更に、偏自己相関係数と負担とで正準相関分析を行って、負担部位別の予測を実施し、ニューラルネットワークによっても身体圧データをクラスタ分けして、体圧パターンも抽出し負担部位別の予測を行って相互確認することによって、身体圧分布の物理量と主観評価の心理量を用いた長時間座位姿勢における信頼性の高い評価が可能になる。
なお、ここまでは椅子、シートを対象に説明したが、靴用等の足裏の測定や、ベッド等の医療用その他にも適用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の身体圧分布の基本特性測定・解析システムによれば、椅子またはシートの座面及び背面を覆うように配置して人体の座圧および背圧を実効的に検出可能なセンサーシートを用いて測定し、コンピュータ上に被験者の座圧および背圧を表示し、一定数の被験者について身体圧分布測定を行い、性別・体型の違い及び各種姿勢の違いについて主に座圧より考察し、クッション素材および形状の違い、後傾姿勢における椅子の機能の違い、及び着座後の時間経過について考察する各手段を備えているので、身体圧分布データを多変量統計値として幅広く測定することが可能になり、椅子やシート等の個人に合ったものの選定、制作を目的とする場合に個人の特徴を容易に抽出できるので、重要な評価指標としてデータベース化して利用できるという効果がある。
【0053】
また、本発明によれば、コンピュータ上の画面に被験者の座圧および背圧の分布測定データを表示すると共に、使用センサー数、圧力平均値、標準偏差、分散および最大圧力値を含む各種測定データの統計処理および画面表示を行うので、身体圧分布データの観察、分析、評価がインタラクティブに容易になるという効果がある。
また、本発明によれば、被験者の男女別座圧分布における座圧および背圧の圧力値、活動センサー数、センサー座標を含む各種データを男女別に平均したデータとして性別特徴を抽出し、男女別に加えて痩せ型、標準型および太り型等の体型毎に分類された座圧および背圧の各種データを比較することにより解析し分類するので、身体圧分布データによる男女別、体型別の識別が容易にできるという効果がある。
【0054】
また、本発明によれば、被験者全員の座面での身体圧の圧力値、活動センサー数、センサー座標を含む各種データを各種の座り姿勢と対応する各種統計処理データにより考察するので、身体圧分布データにより前傾姿勢などの椅子に座る姿勢判別ができるという効果がある。
また、本発明による椅子の形状・機能解析手段は、椅子のクッション素材および形状の違いと、後傾姿勢をとった場合の、椅子の機能の違いを座圧および背圧の変化より判別するので、身体圧分布データにより椅子の形状および機能の違いを容易に識別できるという効果がある。
また、本発明による経時変化解析手段は、身体特性、姿勢、椅子の形状および機能等の各測定時における着座条件を設定して長時間観察し、所定時間毎に身体圧分布を測定して変化を抽出するので、身体圧分布の長時間に亙る変化についての解析が可能になるという効果がある。
【0055】
また、本発明の身体圧分布の経時的変化予測・評価システムによれば、身体圧分布の統計値を縮約し、主成分分析の結果より時系列解析のAR(自己回帰)モデルを用いて圧力リズムの変化を観測し、時系列解析として偏自己相関係数を求め負担度との重回帰分析による予測式を立てて負担度の予測を行い、偏自己相関係数と負担部位別評点とで正準相関分析を行って負担部位別負担度を予測し、更にニューラルネットワークに身体圧分布データをかけて自己組織マップを作成しクラスタ分類を行って身体圧パターンを抽出し定義する各手段を備えているので、身体圧分布の物理量と官能量との長時間座位姿勢における負担度の評価システムを構築できるという効果がある。
【0056】
また、本発明によれば、クラスタ分けした統計値のレーダチャートと身体圧分布によってクラスタと負担評価を対応させる身体圧パターンの抽出定義を行うので、各負担部位の身体圧分布の体圧パターンを抽出し定義付けすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1の実施の形態に係る身体圧分布の基本特性測定システムの構成図である。
【図2】図1に示す測定システムよる身体圧分布測定データの一例を示す図である。
【図3】図1に示す測定システムでの時間経過による圧力値の上昇例を示す図である。
【図4】図2に示す座圧の、男性の場合の例を示す図である。
【図5】図2に示す座圧の、女性の場合の例を示す図である。
【図6】図4に示す座圧をグラフで表した図である。
【図7】図5に示す座圧をグラフで表した図である。
【図8】図1に示す測定で男女間の最大圧力値を比較する棒グラフを示す図である。
【図9】図1に示す測定で体型による最大圧力値を比較した棒グラフを示す図である。
【図10】図1に示す測定において座骨結節部に掛かる圧力の姿勢による違いを棒グラフで示した図である。
【図11】図1に示す測定において傾斜角による違いを示す説明図である。
【図12】図1に示す測定において椅子のクッション素材と身体圧分布の違いを示す図である。
【図13】図12に示すクッション素材の違いの説明図である。
【図14】図1に示す測定で後傾姿勢を取った場合の、椅子の機能の違いと身体圧分布を示す図である。
【図15】図14に示すティルト機構の椅子で背もたれの水平方向の湾曲が強い椅子の身体圧分布を示す図である。
【図16】図1に示す測定で経時変化を示す身体圧分布を示す図である。
【図17】図16に示す経時変化の圧力値の時系列変化を示す図である。
【図18】図17に示す時系列変化に対する骨盤傾斜角の時系列変化を示す図である。
【図19】図16に示す経時変化の測定中における座り直しの際の、身体圧分布の変化を示す図である。
【図20】図16に示す経時変化の測定中に起きる身体のズレによる身体圧分布の変化を示す図である。
【図21】本発明の、第2の実施の形態に係る身体圧分布の経時的変化予測・評価システムの処理のフローチャートである。
【図22】図21に示す評価システムで使用される負担評価用紙を示す図である。
【図23】図21に示す主成分分析処理に使用する統計値の説明図である。
【図24】図21に示す主成分分析処理の説明図である。
【図25】図21に示す主成分分析の結果である因子負荷量を示す図である。
【図26】図21に示す主成分分析の条件A−sの椅子についての散布図である。
【図27】図21に示す主成分分析の条件A−hの椅子についての散布図である。
【図28】図21に示す主成分分析の条件A−mの椅子についての散布図である。
【図29】図21に示す主成分分析の条件B−sの椅子についての散布図である。
【図30】図21に示す主成分分析の条件B−hの椅子についての散布図である。
【図31】図21に示す主成分分析の条件B−mの椅子についての散布図である。
【図32】図21に示す時系列解析において被験者1椅子A−sの場合のスペクトラムを示す図である。
【図33】図21に示す時系列解析において被験者2椅子A−sの場合のスペクトラムを示す図である。
【図34】図21に示す時系列解析において被験者1椅子B−sの場合のスペクトラムを示す図である。
【図35】図21に示す時系列解析において被験者1椅子A−mの場合のスペクトラムを示す図である。
【図36】図32に示すスペクトラムにおいて圧力値の階差を取った場合の図である。
【図37】図33に示すスペクトラムにおいて圧力値の階差を取った場合の図である。
【図38】図34に示すスペクトラムにおいて圧力値の階差を取った場合の図である。
【図39】図35に示すスペクトラムにおいて圧力値の階差を取った場合の図である。
【図40】図21に示す時系列解析において使用する椅子の、条件毎の負担評価の表を示す図である。
【図41】図21に示す偏自己相関係数を示す図である。
【図42】図21に示す正準相関分析の結果を示す図である。
【図43】図21に示す身体圧パターン抽出における自己組織化マップを示す図である。
【図44】図43に示す自己組織化マップと関連するクラスタの説明図である。
【図45】図44に示すクラスタ1のレーダチャートと身体圧を示す図である。
【図46】図44に示す他のクラスタのレーダチャートと身体圧を示す図である。
【図47】従来のセンサーシートの構造を示す図である。
【図48】図47に示すセンサーシートの感度特性を示す図である。
【符号の説明】
1 椅子
2 センサーシート
3 被験者
4 骨盤傾斜角センサー
5、6 A/Dコンバータ
7、8 パソコン
9 ビデオカメラ
10 キーボード
20 座圧
21 背圧
22 カラーバー
23 統計値
Claims (8)
- 実効圧の測定が可能なセンサーにより身体圧分布を測定してコンピュータに表示し保存する身体圧分布の測定システムにおいて、
椅子またはシートの座面および背面を覆うように配置して人体の座圧および背圧を実効的に検出可能なセンサーシートと骨盤傾斜角を検出する骨盤傾斜角センサーとを用いて被験者の座圧および背圧と骨盤傾斜角とを測定し、コンピュータ上に被験者の座圧および背圧とを少なくとも表示する身体圧分布測定手段と、
一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行い性別および体型の違いについて考察する身体特性解析手段と、
一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行い各種姿勢の違いについて主に座圧より考察する姿勢解析手段と、
一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行いクッション素材および形状の違い、後傾姿勢における椅子の機能の違いについて考察する椅子の形状・機能解析手段と、
一定数の被験者について前記身体圧分布測定手段による身体圧分布および骨盤傾斜角測定を行い着座後の時間経過について考察する経時変化解析手段と、を備えることを特徴とする身体圧分布の基本特性測定・解析システム。 - 前記身体圧分布測定手段は、コンピュータ上の画面に被験者の座圧および背圧の分布測定データを表示すると共に、使用センサー数、圧力平均値、標準偏差、分散および最大圧力値を含む各種測定データの統計処理および画面表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。
- 前記身体特性解析手段は、被験者の男女別座圧分布における座圧および背圧の圧力値、活動センサー数、センサー座標を含む各種データを男女別に平均したデータとして性別特徴を抽出し、前記男女別に加えて痩せ型、標準型および太り型等の体型毎に分類された座圧および背圧の各種データを比較することにより解析し分類することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。
- 前記姿勢解析手段は、被験者全員の座面での身体圧の圧力値、活動センサー数、センサー座標を含む各種データを各種の座り姿勢と対応する各種統計処理データにより考察することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。
- 前記椅子の形状・機能解析手段は、椅子のクッション素材および形状の違いと、後傾姿勢をとった場合の、椅子の機能の違いを座圧および背圧の変化より判別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。
- 前記経時変化解析手段は、前記身体特性、姿勢、椅子の形状および機能等の各測定時における着座条件を設定して長時間観察し、所定時間毎に身体圧分布を測定して変化を抽出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。
- 物理量と官能量との対応を分析し評価するために、
センサーを用いて測定した各種の身体圧分布データより統計値を縮約してその変数を求める主成分分析手段と、
前記主成分分析により求められた縮約された変数である圧力値を時系列解析のAR(自己回帰)モデルを用いてスペクトルに変換し圧力リズムの変化を求める時系列解析手段と、
データ間の周期的な変動を明確にするため時系列解析として偏自己相関係数を求め重回帰分析による予測式を立てて負担度の予測を行う負担度予測手段と、
前記偏自己相関係数と負担部位別評点とで正準相関分析を行い、負担部位別負担度を予測する負担部位別予測手段と、
ニューラルネットワークを用いて前記身体圧分布データの自己組織化マップを作成しクラスタ分類を行って身体圧パターンを抽出し定義する身体圧パターン定義手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。 - 前記身体圧パターン定義手段は、クラスタ分けした統計値のレーダチャートと身体圧分布によってクラスタと負担評価を対応させる身体圧パターンの抽出および定義を行うことを特徴とする請求項7に記載の身体圧分布の基本特性測定・解析システム。
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