JP3902892B2 - 光モジュール - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光モジュール、送信装置、受信装置、光スイッチ装置、光通信装置、アド・ドロップ装置および光モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【将来の技術】
近年、通信用光部品の高機能化・小型化・低コスト化を目的に石英系光導波路及びそれを用いた光スプリッタ、波長合分波器、光スイッチなどの光集積回路の検討が行われている。更に、同光集積回路基板に半導体レーザやフォトダイオードなどの半導体光素子を搭載することによってより高性能な光モジュールを実現することも検討されている。これらの光モジュールを波長多重(wavelength division multiplex : WDM)伝送装置や光アッド・ドロップ(add-and-drop multiplexing:ADM)装置に適用することによって通信装置の大幅な高性能化、小型化、低コスト化が可能になる。石英系導波路に半導体光素子を搭載した光モジュールについては、例えば国際会議Third Optoelectronics and Communications Conference予稿集、p.370-371(1998)にまとめられている。ここでは、導波路アレイに回折格子を作製して導波路端面に半導体アンプを搭載することで波長多重光源モジュールを、3 dBカップラに半導体光アンプを搭載することで波長変換モジュールを、2つの導波路アレイ回折格子型波長合分波器の間に半導体光アンプを搭載することで高速波長フィルタをそれぞれ実現している。
【0003】
一方、光導波路の材料としては石英の他にポリマも検討されている。ポリマ導波路はシリコン(Si)などの基板にポリマを溶剤に溶かしたワニスをスピン塗布することによって作製する。従って、石英系導波路に比べて量産性が高く低コストである。またポリマ導波路は大きな熱光学定数を有する。これを利用することで波長可変フィルタやあるいはデジタル型光スイッチなど石英系導波路では不可能な機能を持つ光集積回路を構成できる。ポリマ導波路を用いた波長可変合分波器については例えばIEICE Transactions on Electronics, vol.7,p.1020-1026 (1026)に、デジタル型光スイッチについては例えば国際会議Third Optoelectronics and Communications Conference予稿集、p.66-67(1998)に記載されている。石英系導波路と同様に、ポリマ導波路やそれを用いた光集積回路に半導体光素子を搭載することによってさらに高機能な光モジュールが実現できると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ポリマ導波路またはポリマ光集積回路を有する基板に導波路型半導体光素子を搭載して両者の間で高い光結合を得るためには、ポリマ導波路の光軸の高さと半導体光素子の光軸の高さを一致させる必要がある。ファイバとの結合損失、光回路の作製トレランス、光回路の大きさの観点を考慮して、ポリマ導波路のコアとクラッドの屈折率差は通常0.3〜1%に、コア層の厚さは5〜8μmにそれぞれ設定される。ポリマ導波路をSi基板の上に作製する場合には、Si基板の影響による損失増加や偏波依存損失(polarization dependent loss :PDL)増加を押さえるためにおよそ10μm以上の厚さの下部クラッド層が必要であり、その結果、コア層の中心の基板表面からの高さは13μm以上になる。これに対して、同じ基板上にフリップチップ状態で搭載される半導体光素子のコア層の中心の高さは高々5ないし12μmである。従って、両者の高さに少なくとも1μmの差があり、基板に直接、素子を搭載しても半導体素子とポリマ導波路間の光結合損失は極めて大きくなってしまう。両者の高さを一致させる方法としては、半導体素子を搭載する部分のSi基板にテラスと呼ばれる突起部を設ける方法が提案され石英系導波路で実施されている。しかしながら、本方法をポリマ光導波路に適用するためにはポリマとSiを同時に研磨して平坦化する必要があり作製困難である。ポリマ光導波路に適用できる高さ合わせの手法としては、電子情報通信学会技術研究報告、EMD98-55(1998)に記載されているように、素子搭載部の下部クラッド層の一部を残し、その残した下部クラッド(ペデスタルと呼ばれる)上に半導体素子を搭載する方法がある。しかしながら、本方法では熱伝導の悪いポリマ上に素子を搭載するためにレーザの温度特性が悪くなることや、エッチングを所定の高さで止めるための金属層を下部クラッド中に設けておく必要があり導波路の作製工程が複雑になるといった問題がある。
【0005】
本発明の目的は従来よりも低価格な光モジュール等を提供することにある。
【0006】
本発明の実施例の第1の目的は、ポリマ光導波路または同光導波路から構成される光集積回路を有する基板に導波路型の半導体光素子を搭載した光モジュールにおいて、ポリマ導波路と半導体素子のコア層の高さ合せを特性劣化小さく、かつ、作製工程を少なく実現する手法、構造を提案し、これによって従来より高性能、低コストな光モジュールを提供することにある。また、本発明の実施例の第2の目的はこの光モジュールを用いて従来より高機能、低コストな光通信装置等を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴的な構成の一つは、その表面に酸化シリコン膜を有するシリコン基板上にポリマー導波路を有し、前記導波路はコア層、上部クラッド層および下部クラッド層を有し、
前記シリコン酸化膜の厚さをd、前記酸化シリコン膜の屈折率をnSiO2、前記コア層の屈折率をncore、前記ポリマ導波路に伝播する光の波長λとするとき、d>λ/(2π ・ ( ncore 2− nSiO2 21/2)の関係を満たし、
前記シリコン基板上の他の部分には半導体光素子が設けられ、前記導波路の一端面と前記素子の一端面とは所定の誤差範囲内で光学的に結合するように構成され、前記基板断面でみたとき、前記導波路が設けられる部分の前記基板厚さと前記素子が設けられる前記基板厚さとが実質的に同じであることを特徴とする光モジュールにある。
【0008】
上記第1の目的の達成可能は手段は次の通りである。酸化シリコン膜を有するシリコン基板上に、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層を持つポリマ光導波路または同導波路を用いた光集積回路を設け、同基板上のポリマ光導波路を除去した部分の酸化シリコン膜上の電極に半導体光素子を搭載する。ポリマ導波路と光半導体のコア層の中心の高さが一致するように下部クラッド層を従来より薄くして、コア層の中心の高さが5ないし12μmになるようにする。このために下部クラッド層の厚さは3乃至9μmに、コア層の厚さは5乃至8μmに設定する。Si基板への光の漏洩を防ぐために、酸化膜の厚さ(d)、屈折率(nsiO2)、コア層の屈折率(ncore)、光導波路に伝播する光の波長(λ)の間に
d>λ/(2π ・ (ncore 2-nSiO2 2)1/2 )
の関係が成り立つようにd、ncoreを設定する。熱酸化法によって容易に作製できる酸化膜の厚さは1.5μm以下であるので、 ncoreを1.47以上に設定する。また、また更に導波路端面と光ファイバの境界で生じる光の反射を低減するためには、 ncoreを1.55以下に、従ってdを0.4μm以上に設定する。光ファイバ接続損失、光回路の作製トレランスの観点から、コア層の屈折率を上部、下部クラッド層より0.3から1%大きく設定する。下部クラッド層、該コア層、該上部クラッド層を構成するポリマ材料としては例えばフッ素化ポリイミドを用いる。半導体素子としては半導体レーザまたは導波路型フォトダイオードなどを使用し、光集積回路としては分岐回路、導波路アレイ回折格子型波長合分波器、光スイッチなどを用いる。半導体素子として発信波長の異なる複数のレーザまたはレーザアレイを用いて光集積回路として光分岐回路を用いることで波長多重送信モジュールが、半導体素子として複数の導波路型フォトダイオードまたはフォトダイオードアレイを用いて光集積回路として導波路アレイ回折格子型波長合分波器を用いることで波長多重受信モジュールが、半導体素子として導波路型フォトダイオードを用いて光集積回路として光スイッチを用いることでモニタ付光スイッチがそれぞれ実現できる。
【0009】
また、上記第2の目的は上記光モジュールを用いて光伝送装置や光アッド・ドロップ装置を構成することによって達成可能である。
【0010】
なお、前記基板と前記導波路となるポリマー導波路との間には他の層が設けてもよく、その層は薄膜層であることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず本発明の実施例に係る作用を図1〜3を用いて説明する。 図1は本発明の実施例に係るポリマ導波路に半導体光素子を搭載した光モジュールを導波路の光軸に沿って切断した断面図を、図2は本発明の実施例に係る光モジュールにおける光導波路の基本モードの光強度分布を示す。
【0012】
本発明の実施例に係る光モジュールは、酸化シリコン(Si02)膜2を持つシリコン(Si)基板上に、下部クラッド層4、コア層5、上部クラッド層6からなる光導波路を有し、同下部クラッド層、コア層、上部クラッド層はSiO2膜より大きな屈折率を持つポリマから構成する。従って、SiO2膜2は電極3のパッシベーション膜としてのみならず導波路の光がSi基板に漏洩するのを防ぐクラッド層としての役目も果たす。このSiO2膜のクラッド効果が十分であれば、例え下部クラッド層4が薄く(3〜9μm)ても損失が小さい光導波路が得られるという点が本発明の実施例に係る着眼点である。下部クラッド層4の厚さが従来より薄く設定できれば、前述のテラスやペデスタルといった高さ合わせの構造を用いなくても、直接SiO2膜2上に設けた電極3上に半導体光素子7を搭載することによって半導体光素子のコア層8とポリマ導波路の活性層5の中心の高さが一致でき、両者の間で高光結合が容易に得られる。 シリコン基板上にSiO2膜を最も低コストで且つ高品質で作製する方法は熱酸化法であるが、通常の熱酸化法で得られるSiO2の膜厚は最大でも1.5μm程度である。これではSi基板への光の漏洩を押さえるのに不十分ではないかと考えたが、以下に定量的に議論するように上部に作製する下部クラッド層4、コア層5、上部クラッド層6の屈折率をSiO2の屈折率(約1.46)に比べて所定値以上大きくすることによって改善できることがわかった。これにより導波路の光強度は図2に示すようにSiO2中で急激に減衰しSi基板への漏洩を阻止できる。また、図2に示すように本実施例に係る導波路では光強度分布が非対称となるために端面に接続する光ファイバとの結合損失が大きく増加することが懸念される。しかし、下部クラッド層は実際には3μm以上の厚さを持つために、光ビームの形状がSiO2層の影響を受けて非対称になるのは光強度の弱い裾野の部分だけである。
【0013】
従って、光ファイバ9との結合損失は従来と比較しても高々0.3 dB程度しか増加しない。
【0014】
次にポリマの屈折率と酸化膜の厚さをどのくらいに設定すればSi基板への光漏洩を十分に低減できることにつき、定性的に述べる。 SiO2膜2中で導波路の光強度は指数関数的に減少する。その減衰長(電界強度が1/eになる長さ)Lは導波路の基本モード光の等価屈折率をneffとして
L=λ/(2π ・ (neff 2−nSiO2 2)1/2 ) (1)
で与えれる。コア−クラッドの屈折率差(Δn)が小さい時には、
L〜λ/(2π ・ (ncore 2−nSiO2 2)1/2 ) (2)
と近似できる。 nSiO2=1.46とした時のLとncoreの関係を図3に示す。Si基板に光が漏れないようにするためには、酸化膜の厚さ(d)に対して
L<d (3)
となるようにncoreの値を設定すれば良い。図3から、例えばdが熱酸化で容易に得られる最大の値である1.5μmの場合にはncore>1.47と設定すれば良い。ポリマ材料の屈折率範囲はポリマの種類やフッ素化率を制御することによって1.3〜1.7程度の広い範囲をとる。従って、dが最低でも0.25μmあれば、(3)式を満たすことが可能である。実際には、 ncoreを大きくしすぎると、導波路端面に設けた石英光ファイバ9と導波路の端面で屈折率の差によって生じる光の反射が大きくなるという問題があり、 ncoreを必要以上に大きくすることは好ましくない。例えば光反射を-30 dB以下に抑えるためには ncoreを1.55以下にする必要があり、この時(3)式を満たすためにはdを0.4μm以上にする必要がある。
【0015】
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。
【0016】
(実施例1)
まず本発明の実施例に係る波長多重送信モジュール(図4)について述べる。
【0017】
本送信モジュールでは、1:4の光分岐回路23を有するポリマ導波路基板に波長の異なる4個のDFB(distributed feed back)レーザ21−1〜4が搭載され、端面には光ファイバ9が接着されている。4個のDFBレーザから発生する波長の異なる光信号は光分岐回路23により合波されて光ファイバに出力される。
【0018】
この波長多重送信モジュールは図9に示すところの以下の工程で作成する。熱酸化膜2(d=1μm)を有するSi基板1表面上にTi/Au電極3-1〜3-4を設ける(図9(a))。異なる2種類のフッ素化ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸のN―Nジメチルアセトアミド溶液(ワニス)を順次スピン塗布・ベークすることによって、フッ素化ポリイミドから成る下部クラッド層4(厚さ5.0μm)、コア層5(厚さ6.0μm)を形成する(図9(b))。フォトマスクを設けてコア層5の一部をO2ガスを用いた反応性イオンエッチングにより除去し、光導波路と分岐回路部のパターンニングを行う(図9(c))。ここで分岐部以外の導波路のコア層の幅は6.0μmとする。同様にワニスをスピン塗布・ベークしてフッ素化ポリイミドから成る上部クラッド層6(厚さ15μm)を設ける(図9(d))。
【0019】
ここで下部、上部クラッド層の屈折率はそれぞれ1.520、コア層の屈折率は1.526、屈折率差(Δn)は0.006(0.4%)とする。このような屈折率を有するフッ素化ポリイミドについては、例えばJournal of lightwave technology, vol.16, p.1024-1029 (1998)に記載されている。 次に素子を搭載する部分の下部クラッド層、コア層、上部クラッド層をドライエッチングで十分に除去して電極3-1〜3-4を露出し(図9(e))、同電極上に発信波長が異なる(1551.2、1552.0 、1552.8、1553.6 nm)4つのDFBレーザ21-1〜21-4をAuSn半田を用いてジャンクションダウンで搭載する(図9(f))。 最後に導波路端面に光ファイバ9を接着する。DFBレーザの活性層22の中心のSiO2表面からの高さは約8μmであり、ポリマ導波路のコア層の中心とほぼ一致しており、レーザとポリマ導波路の結合損失は10dB以下となる。 また同導波路の伝播損失は0.4 dB/cmであり、下部クラッド層が厚い(>15μm)導波路とほぼ同じ損失となる。また光ファイバとポリマ光導波路の結合損失も0.3 dBと小さな値をとる。各レーザにそれぞれ60 mA程度の電流を流すことにより、光ファイバ出力で各波長当たり ―8dBmの波長多重光信号が得られる。
【0020】
(実施例2)
次に本発明の実施例に係る波長多重受信モジュール(図5)について述べる。
【0021】
本受信モジュールでは、ポリマ導波路から構成されたアレイ回折格子(arrayed waveguide grating: AWG)型波長合分波器32を有する基板に導波路型フォトダイオード(PD)アレイ(N=4)30が搭載され、端面には光ファイバ9を接着する。光ファイバ9から入射する波長多重光信号はAWG合分波器32によって各波長に分波され、PDアレイ30によってそれぞれ電気信号に変換される。本波長多重受信モジュールは以下の工程で作成する。熱酸化膜2(d = 1μm)を有するSi基板1上にTi/Au電極3を設ける。2種類のフッ素化ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸のワニスを順次スピン塗布・ベークすることによって、フッ素化ポリイミドから成る下部クラッド層4(厚さ5.5μm)、コア層5(厚さ5.0μm)を設ける。次にコア層5の不要部分をO2ガスを用いた反応性イオンエッチングにより除去して光導波路とAWG合分波器パターンを作製する。同様にワニスをスピン塗布・ベークしてフッ素化ポリイミドから成る上部クラッド層6(厚さ15μm)を設ける。下部及び上部クラッド層の屈折率は1.520、コア層の屈折率は1.535、屈折率差(Δn)は0.015(1.0 %)とする。コア層の大きさは5μm×5μmである。次にPDアレイを搭載する部分のポリマ層をドライエッチングにより十分に除去して電極3―1〜4を露出し、同電極上に4チャンネルの導波路型PDアレイ30をAuSn半田を用いてジャンクションダウンで搭載する。最後に導波路端面に光ファイバ9を接着する。PDアレイの吸収層31の中心のSiO2表面からの高さは約8μmであり、ポリマ導波路のコア層の中心とほぼ一致している。PDとポリマ導波路の光結合損失は0.5 dB以下である。AWG分波器は中心波長が1552.4 nm、波長間隔が0.8 nm、チャンネル数4に設計する。試作した光受信モジュールに波長1551.2、1552.0 、1552.8、1553.6 nmの波長多重信号を入射したところ4つの電極から各波長光に対する光電流が得られる。
【0022】
受信感度は0.2 A/W以上、波長間クロストークは-30dB以下の良好な性能が得られる。
【0023】
(実施例3)
次に本発明の実施例に係るモニタ付光スイッチモジュール(図6)について述べる。本光スイッチは光信号を必要に応じてアッド・ドロップするための2×2の光スイッチであり、ポリマ導波路の熱光学効果を利用したY分岐型スイッチが2つ集積されている。薄膜ヒータ42―1と42―2に電流を流し、42―3に電流を流さない状態では光ファイバ9―1から入射する信号光は光ファイバ9―4にそのまま出力される。一方、薄膜ヒータ42―3に電流を流し、42―1と42―2に電流を流さない状態では光ファイバ9―1から入射する光信号は光ファイバ9―3にドロップされ、光ファイバ9―2から新たな光信号を与えることで光ファイバ9―4に光信号をアッドすることができる。更に本光スイッチは光信号の一部を取り出すカップラ43―1、2と光信号強度をモニタするための導波路型PD41―1、2を有する。
【0024】
本波長多重受信モジュールは以下の工程で作成する。熱酸化膜2(d = 1μm)を有するSi基板1上にTi/Au電極3―1、2を設ける。異なる2種類のフッ素化ポリイミドのワニスを順次スピン塗布・ベークすることによって、フッ素化ポリイミドから成る下部クラッド層4(厚さ4.5μm)、コア層5(厚さ7.0μm)を設ける。次にコア層5の不要部分をO2ガスを用いた反応性イオンエッチングによって除去して光スイッチ部、カップラ部を含む光導波路パターンを形成する。同様にワニスをスピン塗布・ベークを用いてフッ素化ポリイミドから成る上部クラッド層6(厚さ20μm)を設ける。下部・上部クラッド層の屈折率は1.520、コア層の屈折率は1.525、すなわち屈折率差(Δn)が0.005(0.3 %)とする。
【0025】
また導波路コア層の大きさは7μm×7μmである。スイッチングを行うためのCr薄膜ヒータ42―1〜3を上部クラッド上に設けた後、PDを搭載する部分のポリマ層をドライエッチングにより十分に除去して電極3―1、2を露出し、同電極上に導波路型PD41―1、2をAuSn半田を用いてジャンクションダウンで搭載する。最後に導波路端面に光ファイバ9―1〜4を接着する。PD(フォト ダイオード)の吸収層31の中心のSiO2表面からの高さは約8μmであり、ポリマ導波路のコア層の中心とほぼ一致し、PDとポリマ導波路の光結合損失は0.5 dB以下になる。また、光カップラの分岐比は1:10に設定する。作製した光スイッチモジュールのヒータ42―1と42―2に電流を流したスルーの状態での損失(9―1と9―4の間の損失)は約3.5 dBである。またヒータ42―3に電流を流したアッドドロップの状態では、ドロップポートの損失(9―1と9―3間の損失)が2.5 dB、アッドポートの損失(9―2と9―3間の損失)が2.5 dB、クロストーク(9―1と9―4間の損失)が -40 dB以下の良好な値を得る。また、モニタPD41―1、―2は光入力パワーに対して0.05〜0.07 A/Wの効率で光強度をモニタできる。
【0026】
(実施例4)
次に本発明の実施例に係る波長多重送信モジュール(図4)と波長多重受信モジュール(図5)を用いて構成した波長多重光伝送装置(図7)について述べる。本装置では4チャンネルの2.5 Gbit/sの電気信号で波長多重送信モジュール51のDFBレーザをそれぞれ駆動して4波長の波長多重信号を発生する。波長多重信号はファイバ光アンプ52―1によって増幅し、光ファイバ53―1〜4(80 km × 4 = 320 km)を光アンプ52―2〜4を用いて中継伝送し、光アンプ52―5で増幅した後、波長多重受信モジュール54によって各波長に分波受信されて、再び電気信号(2.5 Gbit/s x 4 ch)に変換される。本伝送装置の誤り率は10-9以下であり正常に動作する。
【0027】
(実施例5)
次に本発明の実施例に係るモニタ付き光スイッチ(図6)を用いた波長多重光アッド・ドロップ(Add and drop multiplexing: ADM)装置(図8)について述べる。本ADM装置に入射する波長信号は波長分波器60によって各波長に分波され、各波長の光は2×2の光モニタ付アッドドロップスイッチ62―1〜4によって必要に応じて光信号をアッドドロップした後、波長合波器61によって再び合波されて出力される。各スイッチ62―1〜4は光強度をモニタするPDを持っているために、本装置に入出力する波長多重光信号の各波長ごとの光強度をモニターすることができる。従って、障害等により特定の波長の信号が欠如した場合にエラー信号を出したり、特定の波長の光信号のパワーが他のチャンネルと同等になるように光出力を調整することが可能である。
【0028】
【発明の効果】
従来よりも低価格な光モジュール等を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に係るポリマ導波路基板に半導体光素子を搭載した光モジュールの光軸垂直断面を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施例に係る光導波路の光強度分布を示す図である。
【図3】図3は、コア層の屈折率と酸化シリコン膜への侵入距離の関係を説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の実施例に係る波長多重送信モジュールを説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の実施例に係る波長多重受信モジュールを説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の実施例に係るモニタ付光スイッチを説明するための図である。
【図7】図7は、本発明の実施例に係る波長多重伝送装置を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の実施例に係る光アッド・ドロップ装置を説明するための図である。
【図9】図9は、本発明の実施例に係る光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…酸化シリコン膜、3…電極、4…下部クラッド層、5…コア層、6…上部クラッド層、7…半導体光素子、8…半導体光素子コア層、9…光ファイバ、21…DFBレーザ、22…活性層、23…光分岐回路、30…導波路型フォトダイオードアレイ、31…吸収層、32…アレイ回折格子合分波器、41…導波路型フォトダイオード、42…薄膜ヒータ、43…光カップラ、50…駆動回路、51…本発明による波長多重送信モジュール、52…ファイバ光アンプ、53…シングルモードファイバ、54…本発明による波長多重受信モジュール、55…受信回路、60…波長分波器、61…波長合波器、62…本発明によるモニタ付光スイッチ。

Claims (1)

  1. その表面に酸化シリコン膜を有するシリコン基板上にポリマー導波路を有し、前記導波路はコア層、上部クラッド層および下部クラッド層を有し、
    前記シリコン酸化膜の厚さをd、前記酸化シリコン膜の屈折率をnSiO2、前記コア層の屈折率をncore、前記ポリマー導波路に伝播する光の波長λとするとき、
    d>λ/(2π ・ ( ncore 2− nSiO2 21/2
    の関係を満たし、かつ、
    前記ポリマー導波路を構成するポリマー材料の屈折率範囲は1.3〜1.7であって、かつ、前記( ncore 2− nSiO2 2)の値が正の値をとるものであり、
    前記シリコン基板上の他の部分には半導体光素子が設けられ、前記導波路の一端面と前記素子の一端面とは所定の誤差範囲内で光学的に結合するように構成され、前記基板断面でみたとき、前記導波路が設けられる部分の前記基板厚さと前記素子が設けられる前記基板厚さとが実質的に同じであり、
    前記導波路の他の端面には光ファイバの一端が光学的に結合されていることを特徴とする光モジュール。
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