JP3902190B2 - モーターの超電力の定数測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モーターの超電力定数(electromotive force constant)を測定する方法に関するものであり、特にモーターが、単相で可動する場合の超電力の定数を測定する方法に関するものである。
三相永久磁石モーター(three phases permanent magnet motor)、所謂永久磁石同期モーター(permanent magnet synchronous motor)若しくはDCブラシレスモーターは、その素晴らしい制御性と反動性のために、市場において優位な立場にある。最も一般的な例としては、自動機械関連業界において利用されているサーボモーターや、オフィスオートメーション業界で利用されるディスクドライブからハードドライブ等のスピンドルモーターが挙げられる。
一般的な三相永久磁石モーターは、Y接合構造を持ち、モーターのワイヤーに基づいて、三線タイプ(three-wired type)または四線タイプに分類することが出来る。三線タイプモーターは、三相巻線(three phase windings)を持ち、モータードライバーに接続される。工場自動化に利用されるサーボモーターは、このカテゴリーに属する。四線タイプモーターは、三相巻線と中立巻線(neutral winding)とを有する。工場自動化業界で利用される小型永久磁石モーターは、このカテゴリーに属する。
永久磁石モーターの磁性パラメータにおいて、MKSにおけるトルク係数と等しい、超電力の定数Kemaxは、モーターのパフォーマンスと、駆動力と、作動(オペレーション)とに密接に係わっている。従来技術には、超電力の定数測定問題に関する幾つかの解決策が開示されている。
その第一の解決策は、オフラインアンチ超電力アプローチであり、サーボ制御可能モーターを利用してテスト対象モーターに接続するものである。テスト対象モーターがオープンとなり、すなわちドライバーには一切接続されない。一端モーターが定電気角速度ωrで回転すると、テスト対象モーターの超電力が、何れかの二相で発生する超電力を通じて(through the electromotive force, induced by any two phases)獲得される。
第二の解決策は、オンラインベクトル制御推定アプローチである。サーボ永久磁石モーター用の規準座標(reference coordinates)には、回転子座標(rotator coordinates)システムを適用することがある。したがって、q軸の入力電流が、一定に設定され、d軸の入力電流が0に設定された場合、モーターは、一定トルクで回転する。ループがステディステイトに到達するまで、二つのクローズループコントローラによって電流制御が行われた後、逆超電力の定数が得られる。
第三の解決策として、台湾特許第488125号には、超電力定数を通じてローテーターの磁化を識別する方法が開示されている。幾つかの補助巻線が、ローテーターの磁界のマグネティックフラックスを感知するために、ステータコアに巻き付けられる。超電力定数は、補助巻線上に誘導された超電力を通じて獲得可能である。
しかしながら、この第一のアプローチには、幾つかの技術面での問題が存在する。例えば、高価な制御可能モーターとドライバーが必要である。また、傾斜無しに二つのモーターを連結するためにクリップフィクスチャが必要である。二つのモーターに深刻な傾きがあると、テスト対象のモーターのロードとベアリングが簡単にダメージを受けるので、サーボモーターは、定速でスムーズに回転しないかもしれない。更に、ハードディスク用のサーベアリング(sir bearing)を採用している幾つかのスピンドルモーターは、他のモーターと連結された後に空気特性を失うものである。
第二のアプローチは、時間がかかり、サーボモーターのため、費用がかかり過ぎる。しかも、このアプローチを小型モーターに適用すると、追加の回路が必要となり、導入するにはモーターに設置された精密なエンコーダーもまた必要である。同時に、この方法では、電流と抵抗の推測エラとコントローラーのデザインが、測定超電力の定数Kemaxに影響をする。
第三のアプローチで示された方法は、モーターを製造する場合のローテーターの磁化にのみ適したものである。補助巻線は、特別に容易する必要があり、モーターが一定速度で、クローズループで駆動する(driven in constant velocity and close loop)必要がある。この方法は、スターターが修理不可であるため、完成したモーターには適していない。しかも、モーターに速度センサーが取り付けられていない場合、定回転のためのクローズループコントロールが提供できない。
超電力定数Kemaxは、モーターのパフォーマンス、駆動力、そしてオペレーションに影響を及ぼす。しかしながら、従来技術では、この技術的問題の有効な解決策となるような技術は提供されていない。したがって、超電力定数の測定方法が、モーター技術には必要なものとなっている。
本発明はこれまでに説明した従来技術の欠点に鑑みて成されたもので、本発明の主な目的は、モーターの超電力定数を測定する方法を提供することにあり、従来技術の制限や欠点のために起きていた問題を充分に克服する技術を提供することにある。
本発明の目的を達成し、その利点を提供するために、以下に実施例にし、概要を示したように、本発明の方法は、まずモーターが単相モードで回転することを可能とし、モーターが既定速度(predetermined velocity)で回転した時、モーターの相電圧(phase voltage)を測定して、少なくとも、相電圧と既定速度との関係にしたがって、モーターの超電力定数を取得するものである。
すなわち、本発明は単相モードでモーターを回転させ、回転速度が既定値に達した時、モーターの三相電機子電圧を測定し、二つの伝導相(2 conducted phase)の電機子電圧の和を求めて、欠相の電機子電圧を二度控除し、時間積分を行って、前記時間積分の結果より時間の正弦状関数を取得し、正弦振幅が、超電力定数であることを特徴とするモーターの超電力定数測定方法を提供するものである。
さらに本発明は前記した超電力定数測定方法において、モーターが、三相永久磁石モーターから構成されることを特徴とする、超電力定数測定方法を提供するものである。
さらに本発明は前記した超電力定数測定方法において、単相モードが、一相オープン(one phase open)であり、他の二相が直列に接続されていることを特徴とする、超電力定数測定方法を提供するものである。
さらに本発明は前記した超電力定数測定方法において、規定速度が1800rpmであることを特徴とする、超電力定数測定方法を提供するものである。
さらに本発明は上記した超電力定数測定方法において、モーターの起動には、モーターがすぐに規定速度に達するための三相ドライバーが利用され、その後モーターが単相ドライブに変更され、一つの相がオープンであり他の二相が直列に接続されていることを特徴とする、超電力定数測定方法を提供するものである。
さらに本発明は上記した超電力定数測定方法において超電力が、相電圧と既定速度との関係の積分の加速電流ピーク値であることを特徴とする、超電力定数測定方法を提供するものである。
本発明の原理と方法を基にした本発明は、永久磁石モーターの超電力定数Kemaxを測定する簡単なアプローチを利用するものである。このアプローチは、単相回転モードで、三相のモーター電圧を測定し、定数を求めるものである。ここで、モーターはクローズループで作動する必要がないことに注意する。したがって、モーターには、アングル変位(angle displacement)またはアングル速度を検知するエンコーダーが必要なくなり、モーターインピーダンスまたは電流もまた予め獲得する必要がない。従来技術と比較すれば、ここに開示された方法は、より効果的で経済的なものである。よって、ここに開示された方法は、工場自動化または小オフィスの自動化に適用が可能なものである。
本発明の適用範囲は、以下に記載する詳細な説明よりより明らかなものとなる。しかしながら、詳細な説明と特定の例は、本発明の好適な実施例を説明する一方、あくまで例として挙げられたものであり、当業者にとっては、本願の説明から、様々な変更や変形が、本発明の精神と範疇から逸脱しない程度に可能である。したがって、以下の詳細な説明でより明確になる本発明は、ここに挙げられる実施例に限定されるものではない。
図1には、本発明の超電力定数の測定方法がフローチャートで説明されている。図1の実施例には、三相永久磁石モーターが例として示されている。まず、三相永久磁石モーターは、単相モードでの回転が可能である(ステップ100)。単相モードにおいて、モーターの一相、例えば相cは常にオープンであり、他の二相、例えば相aとbは直列に接続されている。相aおよびbの相電流は同じである。例えば、単一相モードは、三相ドライバー〜一相ドライバーによって駆動可能である。
モーターが単相モードで既定速度1800rpm程度で回転する場合に、モーターの相電圧va, vb, vcを測定する(ステップ200)。既定速度は、安定している場合もあれば、そうでない場合もあり、モーター速度は、周波数発生器(Frequency Generator/FG)の周波数から変換が可能である。そして、超電力定数は、電圧変数にしたがって取得され、それは相電圧から得られる時間関数である(ステップ300)。
本発明の原理は、以下に詳細に説明される。一般的にいって、三相永久磁石モーターの電気数学モデルは、次式のように表すことができる。
Figure 0003902190
vas, vbs, vcsは、モーターの三相の端子電圧(terminal voltage)であり、va, vb, vcは、中立電圧(neutral voltage)vsの夫々の電圧であり、ia, ib, icは、モーターの相電流であり、Pは、ローテーターマグネット磁極数であり、rs, Ls, Mは、各相夫々の抵抗器、自己誘導、相互誘導であり、ωrは、ローテーターの電気角の回転速度であり、θrは、ローテーターの電気角であり、Kemaxは、モーターの超電力定数である。その機械的モデルは、次の数式2のように表すことができる。
Figure 0003902190
Teがローターの出力トルクである場合、Jはモーメントインテグラであり、Bmはローターの制動比(damping ratio)であり、TLはモーターのローディングである。
三相永久磁石モーターとドライバーとは、図2のように接続される。図2のドライバーは、三つの電気ブリッジLeg1, Leg2, Leg3からなる。各電気ブリッジは、二つのパワーエレメントを持ち、これらはTr1, Tr2, Tr3, Tr4, Tr5, Tr6である。例えば、これらのパワーエレメントは、トランジスター、MOSFET、IGBTである。符号a,b,cは、中立ラインである。符号ia, ib, icは、モーターの相電流である。
単相モードでモーターが回転する場合、二つの相だけに電流が流れる。例えば、これらの二つの相は、相aと相bであり、相cはオープンである。同時に、 ia=−ib=i,ic=0である。単相モードにおいて、パワーエレメントTr3, Tr4, Tr5, Tr6のみが機能する。したがって、上述のモデルは、次の数式3,4のように表すことができる。
Figure 0003902190
Figure 0003902190
数式3と数式4から、ドライバーによって供給された電流iの相が、cos(θr+π/6)である場合、出力トルクTe>0は、モーターが継続的に回転するようになっている。Vω(t)を時間関数と定義し、数式3を利用すると、次の数式5が得られる。
Figure 0003902190
したがって、Kemaxは、次の数式6によって得ることが可能である。
Figure 0003902190
したがって、相電圧va, vb, vcと回転速度ωrとが得られると、超電力定数が数式6から得られる。例えば、回転速度ωrが、ポジションエンコーダーのような速度センサーによって計測可能である。超電力定数が、速度測定後に送られる。
vθ(t)はvω(t)のインテグラであり、vdcは直流バイアスコンスタントである。よって、Kemaxが次の数式8により求められる。
Figure 0003902190
数式8のキーは、vθ(t)の交流(AC)の履歴をとる。交流(AC)の振幅値は超電力K emax である。小型モーターに関しては、モーターの回転速度を求める必要がないので、数式8は、超電力Kemaxの計算に非常に適している
上述の方法はまた、ドライバーが供給する出力電流が0の場合に適している。モーターが、既定の速度で回転し、ドライバーのパワーが突然切れる場合、ローテーターのモーメント慣性(moment inertia)が充分であれば、ステーターがある期間回転し続ける。したがって、その期間中、数式6または数式8で超電力が求められる。
以下に示す例を以って本発明の原理を証明する。
DCノンブラッシモーターおよびY接続の三線タイプのスピンドルモーターが選択される。モーターは、整流器とブラッシを取り替えるために、内部に三つのホールエレメントHa, Hb, Hcを有している。ホールエレメントとステーターとモーターのローテーターの各位置は、図3に示されている。ドライバーが、モーターに正確な相転移電流(phase-changing current)を提供可能である一方、ホールエレメントが、ローテーターの磁界を検知するので、モーターが継続回転可能である。モーターの磁極数は12であり、指定Kemaxは0.00475ボルト/rad/sec)である。
3つのホールエレメントの各出力Ha, Hb, Hcは、夫々Ha +, Ha -, Hb +, Hb -, Hc +, Hc -である。ROHM社(www.rohm.com)製のIC BA6849であるドライバーが、ここで選択されたモーターを駆動するのに利用された。ドライバーは、180度の6段方形波、すなわち3相ドライバーである。
モーターが単相モードでの回転を可能とするために幾つかの変更やデザインが提供される。図4に示されるように、モーターのc相巻線は、ドライバーに接続不能である。a相巻線とb相巻線は、ドライバー10に接続される。ホールエレメントが、ドライバーに接続されるには、変更が必要である。
ホールエレメントHaの信号は、デジタル信号に変換された後、ドライバー20に送られる。ホールエレメントHb, Hcの信号は利用されない。ドライバー10のピンHb +, Hb -, Hc +, Hc -の入力信号は、ピンHaの入力から複製(counterfeit)される。ピンの入力信号Hc +は、まずインバータ30を通過する。したがって、ドライバーは、モーターを単相モードで回転させることが可能である。三相磁気出口(three-phased magnet-exit)の六相転移は、単相磁気出口の二相転移(two-phased change)となる。
図5には、三相モードで稼動中のホールエレメントの出力信号が示されており、アングル差異(angle difference)は120度である。図6には、ドライバーで受信した、単相モードで稼動中の入力信号が示されている。
モーターを単相モードで回転させるためには、図4の変更無しには、図5の信号が、直接ドライバーに送られることは不可能である。そして、図6に示される変更信号は、ドライバーに送られて、図7に表れる結果が求められる。図7は、相巻線の相電流iと時間との関係と、ホールエレメントHa +-Ha -と時間との関係とを示している。Ha +-Ha -のポジティブロジックおよびネガティブロジックが、相電流のiの状況変化(state-changing)のためのベースとしてとられる。図から、相電流iの周期(period of phase current)は360度であり、ポジティブ電流およびネガティブ電流は対称的である。したがって、モーターは、シングルモードで回転することになる。
図8は、単相モードで可動中の、vωと時間との関係と、vθと時間との関係を示している。vθは、デジタル積分装置から得られた積分値(integral obtained from digital integral device)である。図8において、仕様(specification)に非常に似た数式8から、vdc= -0.00468 V, Kemax = 0.00465 Volt/(rad/sec)を求める。
したがって、本発明が示す方法は、ローテーターの永久磁石の磁化強度を測定することに利用が可能であり、Kemax を測定する測定器に適用し、モーターやコントローラーの選択の基準とすることが可能である。しかも、ここに開示された方法は、接続されたモーターの超電力定数を求めるために、ユニバーサルドライブの自己診断工程に適用可能であり、コントローラーのオートチューニングに適用が可能である。
本発明のモーターの超電力定数を測定する方法を示すフローチャート。 モータードライバーに接続される三相永久磁石モーターの回路を示す図。 スターターと測定されるモーターのローターとホール素子との相対位置を示す概略図。 単相モードで可動する時のローターの回路図。 三相モードで可動する時のホール素子の出力信号を示す図。 単相モードで可動する時のドライバーで受信する入力信号を示す図。 相電流と時間との関係とホール素子と時間との関係とを説明する図。 単相モードで可動する時のvω と時間との関係とvθ と時間との関係とを説明する図。

Claims (6)

  1. 単相モードでモーターを回転させ、
    回転速度が既定値に達した時、モーターの三相電機子電圧を測定し、
    二つの伝導相(2 conducted phase)の電機子電圧の和を求めて、欠相の電機子電圧を二度控除し、
    時間積分を行って、前記時間積分の結果より時間の正弦状関数を取得し、
    正弦振幅が、超電力定数であることを特徴とする、
    モーターの超電力定数測定方法。
  2. モーターが、三相永久磁石モーターから構成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の超電力定数測定方法。
  3. 単相モードが、一相オープン(one phase open)であり、他の二相が直列に接続されていることを特徴とする、
    請求項に記載の超電力定数測定方法。
  4. 請求項1に記載の超電力定数測定方法において、
    既定速度が1800rpmであることを特徴とする、
    超電力定数測定方法。
  5. 請求項1に記載の超電力定数測定方法において、
    モーターの起動には、モーターがすぐに規定速度に達するための三相ドライバーが利用され、
    その後モーターが単相ドライブに変更され、一つの相がオープンであり他の二相が直列に接続されていることを特徴とする、
    超電力定数測定方法。
  6. 請求項5に記載の超電力定数測定方法において、
    規定速度が1800rpmであることを特徴とする、
    超電力定数測定方法。
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