JP3901235B2 - ハイブリッド型車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくとも走行駆動源としての電気モータを有し、更にいわゆる内燃エンジンをも備えたハイブリッド型の車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンと電気モータとを搭載したハイブリッド型車両は、種々の構成のものが知られているが、車両の走行駆動源として電気モータのみを用いるいわゆるシリーズ型のものと、電気モータとエンジンとを走行駆動源として使用するいわゆるパラレル型のものに大別される(図7参照)。
【0003】
シリーズ型のハイブリッド型車両では、走行駆動源としての電気モータはバッテリに蓄積された電力で作動するが、一方では、エンジンを駆動することによって発生させられた回転を伝達して発電機を駆動し、この発電機によって得られた電力を直流電流に変換してバッテリに送って充電している(図7A)。
【0004】
また、パラレル型のハイブリッド型車両では、エンジンと電気モータとの双方の駆動力により車両を走行させるものであるが、走行状態等に応じて双方あるいは一方の駆動源を使用するものが提案されている。
【0005】
一例を示せば、エンジンと電気モータとをクラッチを介して車両の駆動軸に連結し、発進時においては電気モータのみを駆動源として作動させ、通常走行時にはクラッチを係合させてエンジンのみを駆動することによってハイブリッド型車両を走行させ、あるいは、急加速時においては電気モータとエンジンの双方を駆動するようにしたパラレル式のハイブリッド型車両がある(図7B)。
【0006】
その他、エンジンと電気モータとが連結され、エンジンだけを駆動するエンジン駆動モード、電気モータだけを駆動するモータ駆動モード、並びにエンジンおよび電気モータを駆動するエンジン・モータ駆動モードで走行させることができるハイブリッド型車両がある。また、パラレル型の一例としてエンジンと発電機とが連結され、前記エンジンからの出力の一部を発電機に伝達し、残りを電気モータが接続される出力軸に直接伝達するようにしたハイブリッド型車両がある(図7C)。
【0007】
いずれのハイブリッド型車両でも、少なくとも駆動源としての電気モータを備えているので、電気モータのみでの走行状態とすることが可能である。また、停止中や減速時、下り坂等を走行する際には、エンジンの駆動力を必要としない場合がある。これらのエンジンを必要としない場合であっても、エンジンには燃料供給が継続され、少なくともアイドリング状態には保持されている。
【0008】
特に、ハイブリッド型車両では、減速時に回生ブレーキによりエネルギの回収を行うことがあるが、この場合にはエンジンを停止させるか、クラッチ等で切り離し、車両の慣性エネルギを電気モータや発電機にだけ伝達される構成とした方がエネルギーの回収効率が高くなる。
【0009】
いずれの場合であっても、エンジンを使用しない状態、あるいはエンジンの駆動力を必要としない状態では、無駄な燃料の消費を抑えるために、車両の使用中であってもエンジンへの燃料供給を停止して、エンジンを停止させることが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
車両の使用中にエンジンを停止させた場合には、当然に、その後エンジンの駆動力が必要な場合に再度エンジンを始動させる必要がある。エンジンの始動時には、スタータの回転のためのエネルギーと始動時の燃焼効率の悪い状態での作動にともない無駄な燃料消費が生ずる。
【0011】
また、エンジンの始動動作時には、起動時の振動やがたつき音の発生等の問題があり、多数の始動動作を走行中に行うことはデメリットが多いので、従来はエンジンを停止させずにアイドリング状態で保持するのが一般的であった。
【0012】
しかし、ある程度の時間間隔でエンジンが使用されない場合には、エンジンを停止状態として保持することが好ましい。このため、車両のブレーキ動作を検知してエンジンを停止する方式が提案されているが、この場合には、ブレーキペダルの踏み込みを検知してエンジンを停止させ、その後、ブレーキが踏み込まれなくなった状態もしくは一定時間の経過後にエンジンを始動させるものである。
【0013】
ところが、この場合には、例えば山岳路の下り坂を走行する場合や、信号機や高速道路の料金所で停止する場合には、ブレーキのポンピング操作(短時間の断続的な踏み込み)や長く緩やかな減速となるので、それに伴ってエンジンの停止と始動が多数繰り返されてしまう。
【0014】
このため、エンジン始動ショックによる振動や騒音が多数回にわたって車両から乗員に伝わってしまい、乗客に不快感を与え、快適性や走行フィーリングに悪影響を及ぼす。
【0015】
また、前述したように、短時間でのエンジンの頻繁な停止と始動は、いずれのハイブリッド型車両においても、始動時の無駄な燃料消費によってエネルギー効率が却って悪くなる場合があり、始動時の燃焼不良に伴う有害な排気ガスも始動頻度に応じて多量に排出するようになり、ハイブリッド型車両の利点が失われてしまう。
【0016】
さらに、始動時でのスタータの使用頻度が増加することによって、スタータの耐久性が一般車両よりも高い水準で求められ、そのために、スタータ自体の質量が増したり、製品コストを押し上げる問題となる。
【0017】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、車両の走行状態や運転状況に応じて好ましい状態でエンジンを停止し、必要な状態でのみエンジンを始動させるハイブリッド型車両を提供することを目的とする。本発明の別の目的は、車両の運転状況に応じて不要なエンジンの始動を行わないハイブリッド型車両を提供することにある。また、本発明の別の目的は、車両の走行状況に応じて不要なエンジン停止を省くハイブリッド型車両を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1に記載された発明では、エンジンと電気モータとを備え、車両の走行中にエンジンを停止させることができるハイブリッド型車両において、前記エンジンの停止時に車両のアクセルの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを始動させるエンジン始動制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両を提供する。
【0019】
本発明は、少なくとも電気モータを走行駆動とし、いわゆる内燃エンジンを搭載したハイブリッド型車両であれば、シリーズ型、パラレル型のいずれであっても応用が可能である。すなわち、電気モータを駆動源として備えていれば、エンジンの駆動力が不要な場合が存在するので、そのうちエンジンを停止させた方が良いと判断した場合にのみエンジンを停止させ、エンジン駆動力が必要な場合を判断してエンジンを始動させるものである。
【0020】
本発明で想定しているエンジンの停止状態は、少なくとも燃料供給と点火動作が行われていない状態をいい、エンジンの回転自体は必ずしも停止していなくても良く、空転状態であっても良い。
【0021】
なお、ハイブリッド型車両の形式によっては、例えば回生ブレーキ等を利用する場合に、エンジン回転を停止させる方が回生効率が上昇する場合があるので、これらの場合には、同時にエンジンの回転自体も停止させることが好ましい。あるいは、エンジンからの出力軸との連結をクラッチ等を設けて切り離すことも考えられる。
【0022】
本発明のエンジン始動制御手段は、エンジンの停止中にエンジンの始動動作を行うものであり、アクセルの踏み込み量と踏み込み時間に基づいて作動する。アクセルの踏み込み量と踏み込み時間、すなわち、踏み込み情報は、言い換えればアクセルペダルの踏み込み状態に関するものであり、運転者の動作によりアクセルが踏み込まれたときに、その状態を検知して出力される出力情報に基づいている。
【0023】
なお、エンジン始動制御手段の作動条件としては、上述のアクセルの踏み込み量(ペダルの傾き角度)と踏み込み時間のほかに、アクセル(ペダル)が踏み込まれているか否か、踏み込み力(ペダルにかかる力)等を採用しても良い。そして、これらを検出できるアクセル検出手段、もしくはアクセルペダル踏み込み状態検出手段から情報として提供されるか、検知信号からこれらの状態を判断する。
【0024】
エンジン始動制御手段は、アクセルの踏み込み状態に関する検知情報に基づいて、上記の踏み込み情報から最適なものを少なくとも一つ選択し、その情報に基づいてエンジンを始動させるか否かを判断する。すなわち、アクセルの踏み込み量と踏み込み時間に基づいて、エンジンを始動させるべき状態であると判断されたときだけエンジンを始動させる始動動作を行うエンジン始動判断手段を備えている。
【0025】
エンジンの始動条件をアクセルの踏み込み量・踏み込み時間に基づいて判断するのは、アクセルが踏み込まれた時は、車両を加速したい時や上り坂等で定速運転であっても駆動力が必要な場合であるので、経時的に必要な駆動力が増加する。このため、必要とされる駆動力が電気モータで十分か否か、あるいはエンジンを必要とするか否か等の判断を行う必要がある。
【0026】
言い換えると、アクセルの踏み込み状態から判断される車両の運転状態には、燃料を消費して排ガスを発生させるエンジンを始動しなくても電気モータのみで対応できるか、あるいは、電気モータのみで対応することが好ましい状況であれば、エンジンは始動すべきではない。逆に、例えばエンジンの駆動力がなければ対応できない場合や電気モータで対応しきれない場合には、エンジンを始動させてエンジンの駆動力を利用すべきである。
【0027】
いずれの場合でも、少なくとも運転者がアクセルを踏み込んだ状態は、踏み込む前の状態の車両の駆動力よりも大きな駆動力が要求されている状態であり、エンジンの停止状態にアクセルが踏み込まれた場合は、エンジンを始動すべきか否かの判断の基礎として、本発明ではアクセルの踏み込み量・踏み込み時間を選択している。言い換えると、エンジンの始動のための条件としてアクセルの踏み込み量・踏み込み時間を選択し、これに基づいてエンジンを始動させるものとしている。
【0028】
したがって、原則としてアクセルが踏み込まれない限りエンジンは始動しないので、不要な始動による振動や騒音の発生、並びに無駄な燃料の消費や始動時に発生する不燃焼ガスの発生等を抑えている。
【0029】
なお、エンジン始動条件としては、他の情報を選択することも可能であり、例えば、電気モータを駆動する蓄電手段の残電力量が考えられる。すなわち、エンジン停止時は電気モータのみでの駆動となるが、電気モータのみでの駆動中に電力消費して残電力量が電気モータの駆動が維持できなくなるような場合には、アクセルの踏み込みを待たずに、エンジンを駆動することが好ましい。
【0030】
この場合には、蓄電手段の残電力量検出手段とそれに基づく始動判断手段を設けることとなる。そして、この場合のエンジンの駆動力は、車両走行の駆動源として用いても、蓄電手段への電力を供給する発電機の駆動源として用いても、更には双方のために用いてもよい。いずれの場合、車両の連続した安定走行のためには、エンジンを始動してその駆動力を利用することが好ましいからである。
【0031】
また、エンジン開始条件としてエンジン停止からの時間条件を更に付加することも考えられる。すなわち、エンジン停止後に短時間でエンジンを始動させることは始動動作の頻発につながるので、エンジン停止後一定時間経過後で、かつアクセル踏み込み条件を満足する場合にのみエンジンを再始動するものである。一定時間経過するまではアクセル踏み込み条件を満足する場合でもエンジンを始動させなければ、少なくともエンジン停止と始動が短時間で連続して繰り返されることは回避される。この場合には、アクセル情報検出手段に、エンジン停止時からの時間経過を測定する経時手段と、それに基づくエンジン始動判断手段を設ければ良い。
【0032】
本発明では、アクセルの踏み込み条件のうち、踏み込み量と時間とを個別もしくは複合的に利用してエンジンを始動させるか否かの判断条件としている。すなわち、エンジン始動制御手段は、エンジンの停止状態に作動するものであるから、ハイブリッド型車両は電気モータの駆動による走行に適した状態となっている。このため、エンジンを始動させる必要があるのは、電気モータのみの駆動にエンジンの駆動力が必要な場合、あるいは電気モータよりエンジンの駆動による方が適している場合である。
【0033】
ハイブリッド型車両でエンジン駆動が必要な場合とは、電気モータの駆動力が不足している時にエンジン駆動による発電機を作動させて大きな電力を供給する場合か、エンジンの駆動力をそのまま走行駆動力として利用する場合等であるが、特に、アクセルを踏み込んだ状態での車両の走行状態がこれらに該当する。
【0034】
エンジンの停止中は、電気モータの単独駆動により運転されている場合であるが、電気モータの単独駆動力の限界で使用されることはないので、アクセルを踏み込む前の走行状態から大幅に走行状態が変化しない限り、電気モータでの単独走行の継続は可能である。
【0035】
アクセルが踏み込まれる場合は、運転者が車両に駆動力を要求している場合であるので、本発明ではアクセルの踏み込み量を検知して、例えば、駆動力の増加が大幅に必要な場合、即ちアクセルが大きく踏み込まれた場合等にエンジンを始動させ、アクセルが小さく踏み込まれた場合には、エンジンを始動させずに電気モータの駆動力のみを維持するものとしている。これにより、電気モータの駆動力を有効に利用して、エンジンが必要なときにだけ始動させることができるので、不要な始動動作を抑えることができる。
【0036】
このアクセルの踏み込み量の判断の基準(アクセル踏み込み量の閾値)は、アクセルペダルの踏み込み角度等で定められるが、車両により、またはペダルの構成等により個々に異なるものであるので、適宜設定すれば良い。
【0037】
また、本発明では、アクセルの踏み込み時間をエンジン始動の判断条件として使用することができる。すなわち、アクセルが踏み込まれても、その時間が極めて短時間である場合には、運転者はすぐにアクセル踏み込み前の走行状況と同程度の駆動力を要求しているので、電気モータの駆動力のみで十分に対処できる。このような場合にエンジンを再始動させることは、始動動作によるエネルギーロスが大きいことから、適当ではない。
【0038】
このため、本発明ではアクセルが予め定めた時間基準値(アクセル時間閾値)を超えない場合には、エンジンを始動させずに無駄な始動動作を省くとともに、この基準値を超える場合にはエンジンを始動が必要な場合と判断し、エンジンを始動させるものとしている。
【0039】
更に、本発明ではアクセルの踏み込み量と時間の双方を取り込んで複合的にエンジンを始動させるか否かを判断することができる。一例を示せば、アクセルの踏み込み量が多くても極めて短時間であれば、アクセルが踏み込まれなくなった瞬間に更なる駆動力は要求されなくなる。このような場合にはエンジンを始動させると、その後にエンジンが不要な状況でエンジンを作動させなければならないので、エンジンを始動させないことが好ましい。
【0040】
逆に、アクセルの踏み込み量が小さくてもある程度長い時間踏み込まれていれば、駆動力の増加量が時間経過に応じて大きくなる。このような場合には、電気モータの駆動のみでは不十分であるので、エンジンを始動させた方が好ましいと判断される。
【0041】
このように、踏み込み量と時間の各々のみでなく、双方の複合条件からエンジンを始動させるか否かを判断することが、エンジンの停止と始動を不要に行わずに安定した走行を維持できる。これらの判断もエンジン始動判断手段において行うことが可能である。
【0042】
次に、請求項2に記載された発明では、請求項1に記載のハイブリッド型車両において、前記エンジン始動制御手段が、前記ハイブリッド型車両の速度が予め定めた始動速度閾値よりも大きい場合に、前記エンジンを始動させるものであることを特徴とする。
【0043】
本発明では、エンジン始動条件にアクセル踏み込み情報に加え車両の速度情報を付加して複合的にエンジンを始動させるか否かを判断するものである。ハイブリッド型車両に限らず、一般的な内燃エンジンの効率的なエネルギーを利用するには、ある程度の回転数(通常は2000RPM程度)以上に回転させる必要があり、この回転数以下では燃焼効率が悪く、エネルギー効率や不完全燃焼に伴う排ガス等の悪影響がある。
【0044】
したがって、ハイブリッド型車両でエンジンを使用する場合には、エンジンの回転数がある程度以上に上がる状態で使用することが好ましい。言い換えると、エンジンの駆動力を使用する場合に、走行駆動力に使用する場合でも発電機駆動力に使用する場合でも、ある程度の回転数を上げた状態で、エンジン固有の燃料消費効率が優れた回転数の範囲での作動が好ましい。
【0045】
即ち、ハイブリッド型車両の形式によらず、車両の速度がある程度高い状態ではエンジンの回転数が上がっているが、速度が低い状態ではエンジンの回転数が下がっていることが多い。言い換えると、速度が低い時にはエンジンを使用する必要性が低く、かつこのようにエンジンの効率の悪い部分を補うために、電気モータを使用するものも存在する。
【0046】
このため、車両の速度がある程度の基準を超えない場合にはエンジンを始動させないことが好ましい。逆に、電気モータのみの駆動の限界速度に近づいた場合には、エンジンを始動させてその駆動力を利用することが好ましい。
【0047】
本発明では、車両の速度を前提として、アクセルの踏み込み情報に基づいてエンジンを始動させることで、不要なエンジン始動動作やそれに伴う無駄な燃料の消費等の多発を抑えている。そして、エンジン始動判断手段において、このような車速情報とアクセル情報とに基づいてエンジンを始動させるか否かを判断する構成とすれば良い。
【0048】
なお、始動速度閾値は個々の車両において異なるので、ハイブリッド型車両の形式や、個別の電気モータ並びにエンジンの駆動力等、並びにエンジンの単体駆動か電気モータとの併用駆動かの差異も考慮して適宜定めれば良い。例えば、低速域では電気モータの単独駆動である場合には、少なくとも電気モータでカバーできる最高の速度より低い速度が基準値となる。
【0049】
請求項3に記載された発明では、請求項1に記載のハイブリッド型車両において、前記エンジン始動制御手段が、前記電動モータを駆動させるための蓄電手段の残電力量が予め定めた始動電力閾値よりも少ないときに、前記エンジンを始動させるものである。
【0050】
本発明では、エンジン始動条件としてアクセルの踏み込み情報に加え、蓄電手段の残電力情報を付加して判断している。すなわち、エンジンの停止状態では電気モータでの単独駆動となっているが、電気モータを駆動する蓄電手段の残電力が十分でなければ安定走行が維持できない。
【0051】
このため、アクセルの踏み込み条件が、例えば踏み込み量や時間がエンジン始動基準以下であっても、電気モータの駆動のための発電機を駆動させるか、あるいはエンジンの駆動力を車両駆動力として利用することが好ましい。逆に、残電力量が十分であれば、電気モータの駆動力を有効に活用し、エンジンの始動に伴う問題の発生を防止するため、エンジンを始動させる必要性が少ない。
【0052】
このため、本発明では蓄電手段の残電力量が基準値(始動電力閾値)以下である場合には、アクセル踏み込み情報に基づいてエンジンを始動させるものとしている。なお、始動電力閾値は個々の車両において異なるので、ハイブリッド型車両の形式や、個別の電気モータ並びにエンジンの駆動力等、並びにエンジンの単体駆動か電気モータとの併用駆動かの差異も考慮して適宜定めれば良い。
【0053】
例えば、低速域では電気モータの単独駆動である場合には、少なくとも電気モータの駆動力に十分な電力の蓄積量が基準値となる。なお、アクセルの踏み込み情報にも依存するが、踏み込み量が大きい場合と小さい場合では、要求される駆動力などが異なるので、残電力で電気モータがカバーできる範囲も異なるため、これらの条件に応じて基準となる残電力の閾値を適宜定めれば良い。
【0054】
なお、ここにいう蓄電手段は、電動モータを駆動させるためのものであれば足り、化学変化を利用したバッテリに限られず、例えば、キャパシタ、フライホイール・バッテリ、油圧アキュムレータ、空圧アキュムレータなどでも良い。
【0055】
次に、請求項4に記載された発明は、エンジンと電気モータとを備え、車両の走行中にエンジンを停止させることができるハイブリッド型車両において、前記エンジンの作動時に車両のブレーキの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両を提供する。
【0056】
本発明で想定しているエンジンの作動中とは、エンジンに対して燃料供給と点火動作が行われている状態であり、一般にはエンジンが自立作動により回転している状態をいう。
【0057】
本発明のエンジン停止制御手段は、エンジンの作動中にエンジンの停止動作を行うものであり、運転者によるブレーキの踏み込み量と踏み込み時間に基づいて作動する。ブレーキの踏み込み量と踏み込み時間、すなわち、踏み込み情報は、言い換えればブレーキペダルの踏み込み状態に関するものであり、運転者の動作によりブレーキが踏み込まれたときに、その状態を検知して出力される出力情報に基づいている。
【0058】
なお、エンジン停止制御手段の作動条件としては、上述のブレーキの踏み込み量(ペダルの傾き角度)と踏み込み時間のほかに、ブレーキ(ペダル)が踏み込まれているか否か(ブレーキが作動しているか否か)、踏み込み力(ペダルにかかる力)等を採用しても良い。そして、これらを検出できるブレーキ検出手段、もしくはブレーキペダル踏み込み状態検出手段から情報として送られるか、これらの検知信号に基づいて判断する。
【0059】
一例を示せば、ブレーキが踏み込まれた状態を検知した時(踏み込み開始時)にエンジンを停止させることが考えられる。この場合には、減速と同時にエンジンが停止されるので、電気モータのみの駆動となるが、回生ブレーキを考慮すれば回生制動によるエネルギーの回収が最も効率的に回収される。
【0060】
このように、エンジン停止制御手段は、ブレーキの踏み込み状態に関する検知情報に基づいて、上述の踏み込み情報から最適なものを選択し、その情報に基づいてエンジンを停止させるか否かを判断する。すなわち、ブレーキの踏み込み量と踏み込み時間に基づいて、エンジンを停止させるべき状態であると判断されたときだけエンジンを停止させる停止動作を行うようなエンジン停止判断手段を備えている。
【0061】
ブレーキの踏み込み情報に基づいて判断するのは、ブレーキの作動時は、車両が減速されている状態や停止している状態であるので、経時的に必要な駆動力が減少するか、更なる駆動力を必要としない状態である。
【0062】
言い換えると、燃料を消費し排ガスを発生させるエンジンを停止しても、車両の運転状態には悪影響が少ない状態であるので、燃料の無駄な消費と排ガスの発生の抑制を考慮すれば、エンジンを停止すべき状態である。したがって、本発明ではエンジンを停止すべき条件として、ブレーキの踏み込み情報を選択し、この情報に基づいてエンジンを停止させるものとしている。
【0063】
これにより、エンジンを必要としないときにはエンジンが停止され、エンジン始動制御手段によりアクセルが踏み込まれない限り停止状態が維持されるので、無駄な燃料の消費を抑えると共に排気ガスの発生を抑えることができるものとなっている。
【0064】
この発明では、前述したブレーキの踏み込み情報から、すなわち、ブレーキ(ペダル)の踏み込み量と踏み込み時間の情報をエンジン停止のための判断材料として使用する。
【0065】
ブレーキを踏み込み量は、言い換えればブレーキペダルの踏み込み量(又は角度)であるが、一般的な運転状態では、車両を停止させようとする時には踏み込み量が多くなり、一時的な減速の時には踏み込み量が少なくなる。また、ブレーキペダルには、実際にブレーキが作動するまでの若干の角度的な余裕(いわゆる遊び)がある。
【0066】
この遊びの範囲ではブレーキは実際に作動しておらず、一般には運転者が前方の安全確認状態でブレーキに軽く足をかける状態がある。そして、本当にブレーキが必要であれば更に踏み込むこととなり、この場合には車両を大幅に減速させあるいは停止させようとする場合にはブレーキを大きく踏み込む。逆に、若干の減速であればブレーキを軽く(小さく)踏み込む。
【0067】
エンジンを停止させる必要があるのは前者であり、後者の場合には安全確認後に定速走行を行うかあるいは加速をするので、ブレーキを踏む前の走行状態、すなわち、エンジンの作動状態を維持できることが好ましい。
【0068】
したがって、本発明ではブレーキペダルの遊びの範囲を含めた所定の範囲までブレーキが踏み込まれたか否かを判断し、ブレーキの踏み込みが小さい場合にはエンジンを停止させず、ブレーキの踏込が大きい場合にのみエンジンを停止させるものとしている。
【0069】
この判断基準となる踏み込み量(ブレーキ踏み込み量の閾値)は、車両ごとにも、またブレーキペダルの構成によっても異なるので、試験結果や部材構成等から適宜選択すれば良い。
【0070】
次に、本発明ではブレーキの踏込時間をエンジン停止の判断の対象としてエンジンを停止させる。すなわち、ブレーキの踏み込み情報のうち踏み込まれている時間的長さは、制動が必要な時間の長さにも関連する。例えば、走行中に一時的に減速する場合にはブレーキを短時間しか踏み込まないが、停止させようとする場合にはある程度の長さにわたりブレーキを踏み続ける。さらに、例えば、ブレーキを瞬間的に踏み込んだ場合にも、いちいちエンジンを停止したのでは、始動動作の頻発の原因となる。
【0071】
このため、ブレーキの踏み込み時間が短い場合には、エンジンを停止させない方が好ましい場合が多く、ある程度の長さでブレーキが踏まれた時にエンジンを停止させる方が好ましい。
【0072】
また、ここでいう踏み込み時間は、前述したようにブレーキペダルの遊びを考慮して、実際にブレーキが作動している状態まで踏み込まれた時間とすることが好ましい。ブレーキに足をかけている程度では、エンジンの停止が必要な状況とは考えられないからである。
【0073】
そして、踏み込み時間が所定の判断基準時間(ブレーキ踏み込み時間の閾値)を超える場合にエンジンを停止させ、超えない場合にはエンジンを停止させないこととなる。
【0074】
更に、本発明ではブレーキの踏み込み量と時間の双方をエンジン停止の判断条件として採用することができる。一例を示せば、定速での走行中は、停止する場合でも軽くブレーキを踏むだけの場合があり、踏み込み量がエンジン停止のための基準(踏み込み量の閾値)に達していない場合がある。この場合でも、停止する意志があればブレーキを踏み続けることとなるので、エンジンの駆動力は必要でなく、エンジンを停止させることが好ましい。
【0075】
逆に、ある程度の速度での走行状態で速度を大幅に減速する場合等には、ブレーキを多めに踏むことがあるが、踏み込み時間は短いものである。このような場合には、減速した後の状態で走行状態が保持されるので、エンジンの駆動力が必要であることが多く、エンジンを停止させない方が好ましい。
【0076】
したがって、踏み込み量と時間の各々のみでなく、双方の複合条件からエンジンを停止させるか否かを判断することが、不必要なエンジンの停止と始動を行うことなく、安定した走行を維持できる。
【0077】
なお、判断の基準となる閾値は、単独で判断する場合と複合で判断する場合とは同じ(前述した第一のブレーキ踏み込み量閾値と第一のブレーキ踏み込み時間閾値)であっても、異なっていても(第二のブレーキ踏み込み量閾値と第二のブレーキ踏み込み時間閾値)良いし、さらに、走行状況に応じて異なる値を用いても良い。そして、これらの判断はエンジン停止判断手段により行われる。
【0078】
次に、請求項5に記載された発明では、請求項4に記載のハイブリッド型車両において、前記エンジン停止制御手段が、前記ハイブリッド型車両の速度が予め定めた停止速度閾値よりも小さい場合に、前記エンジンを停止させるものであることを特徴とする。
【0079】
本発明では、ブレーキの踏み込み情報に加え、ハイブリッド型車両の速度情報をエンジンを停止させるか否かの判断条件として複合的に利用する。すなわち、速度が予め定めた停止速度閾値よりも小さい(速度が遅い)場合には、ブレーキの踏み込み情報に基づいてエンジンを停止させるが、停止速度閾値よりも大きい(速度が速い)場合には、ブレーキの踏み込み情報のいかんにかかわらず、エンジンを停止させない。
【0080】
ハイブリッド型車両においては、ある程度以上の速度で走行している場合には、通常エンジンが作動している。例えば、電気モータのみを駆動源とするシリーズ型では、ある程度の高速走行時では電気モータの電力消費量が大きいことから、発電機を作動して電力の連続供給を行うためにエンジンを作動させている。
【0081】
また、エンジンと電気モータを併用するパラレル型においても、ある程度の高速走行時ではエネルギー効率はエンジンの方が良く、電気モータの駆動力のみでは十分でないので、エンジン単体で駆動されるか電気モータと併用で駆動されている。
【0082】
このため、車両がある程度高速で走行している場合には、例えば減速してある程度の速度を維持して走行する場合等、ブレーキの踏み込みによりエンジンを停止させてもすぐにエンジンの駆動が必要となる(シリーズ型やパラレル型の併用駆動)か、エンジンを停止させること自体が安定走行を阻害する(パラレル型のエンジン単独駆動)ことがある。
【0083】
逆に、ある程度の低速での走行中は、エンジンでのエネルギー効率も悪く、電気モータの電力消費量も少ないし、電気モータの駆動力で十分走行できるので、エンジンを停止させた方が無駄なエネルギーの消費を抑えることができる。例えば、車両を停止させようとする場合等は、低速走行状態からブレーキを作動させて停止させるが、この場合には回生制動の効率的なエネルギー回収のためにもエンジンを停止させることが好ましい。
【0084】
したがって、本発明では車両の速度を前提として、ブレーキの踏み込み情報に基づいてエンジンを停止させることで、不要なエンジン停止動作やそれに伴う始動動作の多発を抑えている。これらの停止すべきか否かの判断は、ブレーキ情報と共に速度情報を付加してエンジン停止判断手段により行う。
【0085】
なお、停止速度閾値は個々の車両において異なるので、ハイブリッド型車両の形式や、個別の電気モータ並びにエンジンの駆動力等、並びにエンジンの単体駆動か電気モータとの併用駆動かの差異も考慮して適宜定めれば良い。
【0086】
例えば、低速域では電気モータの単独駆動である場合には、少なくとも電気モータで賄うことができる最高の速度よりも高い速度が基準値となる。逆に、高速域ではエンジン単体駆動となるものでは、エンジン単体駆動の最低速度より低い速度が基準値となる。
【0087】
次に、請求項6に記載された発明では、請求項4に記載のハイブリッド型車両において、前記エンジン停止制御手段は、前記電動モータを駆動させるための蓄電手段の残電力量が予め定めた停止電力閾値よりも多いときに、前記エンジンを停止させるものである。
【0088】
本発明では、エンジン停止条件としてブレーキの踏み込み情報に加え、蓄電手段の残電力情報を付加して判断している。すなわち、エンジンを停止させることは、蓄電手段で駆動される電気モータの単独駆動となるので、電気モータを効率的に使用するためには、蓄電手段の電力が十分に蓄積されていることが前提となる。このため、蓄電手段の残電力量が十分でない場合にはエンジンを停止させることは好ましくない。
【0089】
言い換えると、蓄電手段の残電力量が不足していれば、電気モータの駆動力が十分確保されなくなり、もしエンジンを停止させれば、車両の駆動力が十分に確保されないか、あるいはエンジンにより駆動される発電機からの電力供給が止まり、やはり電気モータの駆動力が十分に保証されない。
【0090】
蓄電手段の残電力量は、電気モータの駆動力に十分な電力の蓄積がなされているか否かが基準であり、例えば、要求される駆動力パワーが出せるかどうか、あるいは通常必要とされる継続時間の作動が維持できるか否か等により残電力量の基準値、すなわち第一の電力閾値が定められる。
【0091】
本発明では、蓄電手段の残電力量が停止電力閾値よりも多い場合には、ブレーキ踏み込み情報に基づいてエンジンを停止させるが、停止電力閾値よりも少ない場合には、エンジン停止は車両が安定走行する上で好ましくないので、エンジンを停止させないものとなっている。そして、これらの判断もエンジン停止判断手段により行わせることができる。
【0092】
なお、ここにいう蓄電手段は、電動モータを駆動させるためのものであれば足り、化学変化を利用したバッテリに限られず、例えば、キャパシタ、フライホイール・バッテリ、油圧アキュミレータ、空圧アキュムレータなどでも良い。
【0093】
次に、請求項7に記載された発明は、本発明の最適な実施形態に基づくハイブリッド型車両に関するものである。本発明は、走行駆動源としてのエンジンと電気モータとを備え、車両の走行中にエンジンを停止させることができるハイブリッド型車両において、車両のブレーキの踏み込み量を検出するブレーキ検出手段と、車両のアクセルの踏み込み状態を検出するアクセル検出手段と、前記エンジンが運転されているか否かを検知するエンジン検出手段と、車両の速度を検知する車速検出手段と、前記電動モータを駆動させるための蓄電手段の残電力量を検出する蓄電検出手段とを備えている。
【0094】
さらに、本発明では、前記エンジン検出手段により前記エンジンが停止していることが検出された場合に、前記蓄電検出手段により検出された蓄電手段の残電力量に基づいて定められる始動速度閾値並びにブレーキ踏み込み量始動条件と、前記車速検出手段により検出された車速並びにブレーキ検出手段により検出されたブレーキ踏み込み量とを比較して、前記エンジンを始動させるか否かを判断するエンジン始動判定手段と、前記エンジン始動判定手段によりエンジンを始動すべきと判断された場合に、前記アクセル検出手段により検出されたアクセルの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを始動させるエンジン始動手段とを備えている。
【0095】
加えて、本発明は、前記エンジン検出手段により前記エンジンが作動していることが検出された場合に、前記蓄電検出手段により検出された蓄電手段の残電力量に基づいて定められる停止速度閾値並びにブレーキ踏み込み量停止条件と、前記車速検出手段により検出された車速並びに前記ブレーキ検出手段により検出されたブレーキの踏み込み量とを比較して、ブレーキの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを停止させるか否かを判断するエンジン停止判定手段と、前記エンジン停止判定手段によりエンジンを停止すべきと判断された場合に、前記エンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えるものである。
【0096】
本発明におけるエンジン停止制御手段では、エンジン停止判断手段としてのエンジン停止判定手段により、エンジンを停止するか否かを、ブレーキの踏み込み量と踏み込み時間、車速および蓄電手段の残電力量を総合的に判断して決定する。
【0097】
本発明で、エンジンを停止させる一例を示すと、ブレーキの踏み込み量が大きくかつ踏み込み時間が長く、車速が遅い場合で、蓄電手段の残電力量が十分にある場合である。逆に、蓄電手段の残量が予め定めた値よりも小さいと蓄電手段残量検知手段から検知信号を受けた場合は、ブレーキの踏み込みや車速の検知信号のいかんにかかわらず、エンジン停止制御手段は、エンジンを停止させることはしない。
【0098】
これにより、電気モータの駆動はエンジンにより補完され、更に、エンジンにより発電機を作動させれば蓄電手段も充電されるので、蓄電手段の過放電が防止される。
【0099】
また、本発明のエンジン始動制御手段では、エンジン始動判断手段としてのエンジン始動判定手段により、エンジンを始動するか否かは、アクセルの踏み込み量と踏み込み時間、車速および蓄電手段の残電力量を総合的に判断して決定する。
【0100】
本発明でエンジンを始動させる場合の一例を示すと、アクセルの踏み込み量が大きくかつ踏み込み時間が長く、車速が速い場合で、蓄電手段の残電力量が十分でない場合である。
【0101】
逆に、蓄電手段残量検知手段から蓄電手段の残量が予め定めた値よりも大きい場合で、車速が速度基準値以下の低速で走行している場合(例えば停止している状態)では、アクセルの踏み込み量や時間にかかわらず、所定の速度に達するか蓄電手段の残電力量が基準値以下になるまでは、エンジンを始動させない。これにより、不要なエンジンの始動動作を抑えている。
【0102】
なお、ここにいう蓄電手段は、電動モータを駆動させるためのものであれば足り、化学変化を利用したバッテリに限られず、例えば、キャパシタ、フライホイール・バッテリ、油圧アキュミレータ、空圧アキュムレータなどでも良い。
【0103】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。まずハイブリッド型車両の概略構成を図7に示す。図7(A)は、いわゆるシリーズタイプのハイブリッド型車両の概略構成を示すものであり、デフ701を介して駆動輪と連結された車両駆動源としての電気モータ703にバッテリ709から駆動用の電力が供給される。更に、エンジン707で駆動される発電機705が設けられ、バッテリ709に電力が供給されるものとなっており、車両駆動用としてのエンジンは備えていない。
【0104】
図7(B)は、エンジンと電気モータを車両駆動源として併用するパラレル型のハイブリッド型車両の一例を示すものであり、エンジン717と電気モータ716とが車両駆動系に直列に配置されている。バッテリ719で駆動される電気モータ716の出力軸は、デフ711を介して駆動輪に連結されている。さらに、クラッチ718を介してエンジン717も車両駆動系に連結されている。また、電気モータ716は発電機も兼用しており、エンジンの単独駆動時並びに回生制動時等には、回生電力をバッテリ719に供給する。
【0105】
このタイプでは、エンジン717による車両駆動力が必要な場合にクラッチ718を係合させ、電気モータ716と共にあるいはエンジン717の単独で車両駆動源となる。
【0106】
図7(C)は、パラレル型の変形タイプであり、車両駆動軸に対して、エンジン737からの出力軸とモータ733の出力軸とが並列的に連結されて、各々が単独であるいは併用して車両駆動力を伝達する。
【0107】
駆動輪に連結されたデフ731には、駆動軸ギア741が連結され、電気モータ出力ギア743とエンジン出力ギア747とが接続されている。エンジン出力ギア747は、エンジン737の出力軸に連結された遊星ギア748と発電機735の駆動軸に連結された太陽ギア745と合わせて遊星(差動)歯車手段を構成している。
【0108】
この遊星歯車手段を設けたことで、クラッチを用いることなくエンジンと電気モータとの切り替えや併用の動作が行えるものとなっている。なお、遊星歯車の動作のために発電機735の駆動軸を固定する発電機ブレーキ751を備えていることが好ましい。エンジン出力を遊星歯車を介して無駄なく車両駆動系に伝達するためである。
【0109】
そして、発電機735は遊星歯車手段を介して主にエンジン737の駆動力によって作動し、電気モータ駆動用のバッテリ739に電力を供給する。また、回生制動時には、エンジン回転を停止(あるいはエンジンの出力軸をクラッチ等で切り離して固定させて回転を停止)させることにより、回生制動力は発電機にも供給されるので、ここでのエネルギー回収も可能である。
【0110】
しかし、燃料供給と点火動作を停止した状態で慣性回転させることで、回生制動力を電気モータにほとんど供給し、電気モータでのエネルギー回収を行う方が、一般的なハイブリッド型車両では回収効率が良い。
【0111】
いずれの場合でも、特に回生制動時にはエンジンの駆動力は必要とされないので、その間の無駄な燃料消費を抑えるためにエンジンを停止(少なくとも燃料供給の停止)させることが好ましい。
【0112】
また、いずれの形式のハイブリッド型車両であっても、電気モータが車両駆動系に接続されているので、所要の使用(運行)中にエンジンを停止することは可能である。エンジン停止中の駆動力は電気モータから供給されるからである。
【0113】
次に、本発明の第一の実施形態におけるハイブリッド型車両の制御系に関する概略構成を、図1に示すブロック図により説明する。なお、以下の説明では、図7(C)に示すハイブリッド型車両に本発明を応用した例を用いるが、他のタイプのハイブリッド型車両への応用も可能である。
【0114】
車両制御手段101は、本発明に係るハイブリッド型車両の総合制御系を構成するものであり、本発明における各々の制御手段の一部又は全部を含むものである。また、車両制御装置101には、以下の情報信号が入力され、各々の情報信号に基づいてエンジンや電気モータ並びに発電機の動作を制御する。
【0115】
まず、アクセルペダルの踏み込み状態を検知するアクセル検知手段としてのアクセルセンサ102から、アクセル(ペダル)の踏み込み量に基づくアクセルの開度αの情報信号が入力される。さらに、ハイブリッド型車両の速度を検出する速度検出手段としての車速センサ103から、車速Vの情報信号が入力される。また、ブレーキペダルの踏み込み状態を検知するブレーキ検知手段としてのブレーキセンサ104から、ブレーキ踏み量βの情報信号が入力される。
【0116】
そして、例えば、車速Vが速度基準値以下の場合には、電気モータのみの単独駆動に切り替えるためにエンジンを停止させたり、あるいは、ブレーキが踏み込まれた場合には、回生制動のためにエンジンを停止させたりする制御信号を各々の制御装置に出力する。
【0117】
エンジン制御装置105は、エンジン106への燃料供給状態や点火動作等を制御する。ここでは、車両制御手段101からのON/OFF情報を含めたスロットル信号に基づいて、スロットル開度情報θをエンジン(のスロットルアクチュエータ、図示せず)に出力して、エンジンへの燃料供給を調整する。さらに、エンジン106から実際のエンジン回転数Neの情報信号が車両制御装置101にフィードバックされる。
【0118】
このため、エンジン制御装置105は、車両制御手段101と共に、本発明のエンジン停止制御手段並びにエンジン始動手段を構成する。すなわち、エンジン停止判断手段としての車両制御手段101がエンジンを停止すべきと判断した場合には、エンジン制御装置105にスロットルOFF信号が入力され、これに基づいて燃料の供給を停止すべくスロットル開度θを零とする制御信号を出力すると共にエンジンの点火動作を停止させる。逆に、エンジン始動判断としての車両制御手段101がエンジンを始動すべきと判断した場合には、エンジン制御装置105にスロットルON信号が出力され、更にエンジンのスタータを含めた始動手段への制御信号が出力される。
【0119】
発電機制御装置107は、車両制御装置101からの制御信号に基づいて、発電機用モータ108をエンジンの駆動力、もしくは回生制動力により駆動させて電力をバッテリ111に供給する。また、時には、発電機108に駆動用の電流を供給し、発電機を電動機(発電機モータ)として駆動させる。あるいは、空転状態とするか、例えば図7(C)の発電機ブレーキ751を作動させて固定状態とする場合もある。
【0120】
これらは、車速情報から判断される車両の駆動軸(ギア741)の回転数に基づいて、この実施形態における差動歯車装置の各々の歯車要素を適時選択して作動させるために制御される。例えば、遊星歯車手段の第三の歯車要素としてのギア747の回転数は、ギア741の回転数から算出(歯数Z3 とZ5 の比から算出)する。さらに、第一の歯車要素としてのギア745、第二の歯車要素としてのギア748、並びにこれらの歯数(Z6 、Z7 、並びにZ8 )と相対配置関係から、ギア745(発電機)の回転数が算出できる。
【0121】
そして、発電機制御装置107では、エンジンの駆動状態や車両の回生状態に応じて発電機として作動させるか、あるいは固定されてエンジン出力を車両駆動軸に無駄なく伝達させるか、あるいはエンジンの始動や停止時に差動歯車を介してエンジンの回転数や駆動力(トルク)の変化を車両駆動軸に伝えないために発電機モータとして駆動される場合もある。
【0122】
駆動モータ制御装置109は、車両制御装置101から駆動制御信号に基づいて、電気モータとしての駆動用モータ110に駆動電力(トルク)の信号を出力し、駆動用モータ110の動作を制御する。さらに、駆動モータの回転数Nmおよび出力トルクTmの各信号をフィードバックする。
【0123】
車両制御装置101は、アクセル開度α、車速V、並びにブレーキ踏み量β等の情報に基づいて、駆動用モータの出力トルクを算出し、駆動トルクTm*の制御信号を出力する。
【0124】
なお、発電機用モータ108と駆動用モータ110は、いずれもバッテリ111と電気的に接続されており、充電や放電が行われるようになっている。また、バッテリ111にはバッテリ状態(残電力量)検出手段(図示せず)が設けられており、残電力量の信号が車両制御装置101に出力される。そして、このバッテリの残電力情報に基づいて、エンジンを停止すべきか否かを車両制御装置101が判断する。
【0125】
この実施形態では、発電機108と駆動用モータ110との電力の授受を行う電源装置(蓄電手段)としてバッテリ111を用いたが、他の種類の電源でも良い。例えば、キャパシタ、フライホイール・バッテリ、油圧アキュムレータ、空圧アキュムレータなどである。
【0126】
キャパシタとしては、例えば、単位体積当たりの容量が大きく、かつ低抵抗で出力密度が大きい電気二重層コンデンサ、その他のキャパシタが使用される。この際、残電力量SOCとしては、キャパシタの電圧値を使用する。
【0127】
フライホイール・バッテリはフライホイールに同軸に配置されたモータで、フライホイールを駆動・回生することにより、電力の授受を行うバッテリである。この際の残電力量SOCとしては、フライホイールの回転数を使用する。
【0128】
油圧アキュムレータや空圧アキュムレータは、アキュムレータに連結された油圧・空圧を出し入れすることにより、電力の授受を行うバッテリである。この際の残電力量SOCとしては、油圧・空圧を使用する。
【0129】
次に、図2のフローチャートを用い、本発明の第一の実施形態におけるエンジンの停止及び始動制御動作を説明する。ここでは、図7(C)に示すハイブリッド型車両に本発明を応用した例を説明するが、他のハイブリッド型車両にも応用できることはいうまでもない。
【0130】
この実施の形態では、エンジン停止制御手段においてブレーキ踏み込み情報と車速情報とを判断材料としている。また、エンジン始動制御手段では、アクセル踏み込み情報と車速情報とを判断条件としている。
【0131】
このハイブリッド型車両には、図1に示したようにブレーキ踏み込み状態検出手段と、アクセル踏み込み状態検出手段、並びに車両の速度検出手段とが設けられており、各々がブレーキ踏み込み情報信号、アクセル踏み込み情報信号、車速情報信号を制御手段に入力する。
【0132】
まず、エンジン停止制御手段によるエンジン停止動作を説明する。ハイブリッド型車両の走行中に、ブレーキペダルが踏み込まれるとブレーキ踏み込み情報が制御手段に入力される(ステップ201)。このブレーキの踏み込み情報を受けると、車両制御手段ではエンジンが運転中か否かを判断する(ステップ202)。ここで、「運転中」とは、エンジンに燃料が供給され、点火装置が作動している状態をいい、単に空転している状態は含まない。
【0133】
エンジンが運転中のときには、制御の流れはステップ203に進んでエンジンを停止すべきか否かを判断する。エンジンが運転中でないときには、ステップ206に進んでエンジンを始動すべきか否かを判断するが、始動条件はエンジン始動手段によるアクセル踏み込み情報を受けて判断されるので、再度アクセルを踏み込まない限り、エンジンは始動せず終了する。
【0134】
ステップ203では、ブレーキの踏み込み量および車速から、エンジン停止条件を満足するか否かの判断を行う。すなわち、ブレーキの踏み込み情報から踏み込み量の情報を選択し、更にこの入力の時点での車速検知手段からの車速情報も入力される。ステップ204では、ステップ203で求めたエンジン停止条件に基づいて、エンジンを停止すべきかどうかが判定される。エンジンを停止すべきときには、ステップ205に進みエンジンの停止処理を行って、エンジン停止の制御動作を終了する。また、停止すべきでないと判断されたときには、そのまま制御動作を終了し、エンジンの運転状態が維持される。
【0135】
ところで、これらの情報に基づいてエンジンを停止させるか否かの判断は、車両の特性などに応じて適宜定めれば良いが、その一例を図3に示す。縦軸はブレーキ踏み込み量(%)であり、横軸は車速(km/h)である。ブレーキ踏み込み量はブレーキペダルの可動範囲を基準としており、最大可動範囲が100%であり、この中には遊び分も含まれる。したがって一例を示せば、図8に示すように、実際にブレーキが効き始めるのは、2%から回生ブレーキ、20%からメカニカルブレーキである。
【0136】
ここでは、エンジン作動時におけるエンジンの停止条件を、以下のように定めている。ブレーキ踏み込み量閾値は、エンジンを停止させるための閾値としての停止条件βoff は、ブレーキの踏み込み量が12%の場合、一方、エンジンを停止させないための閾値としての停止条件βonは、同じく踏み込み量が2%の場合の二つの閾値を採用している。
【0137】
閾値として12%を採用したのは、ブレーキペダルがこの程度踏み込まれたときには、確実にブレーキペダルが踏み込まれており、かつ、かなりの回生制動が作用しているため、バッテリの許容充電電力に近いからである。また、閾値として2%を採用したのは、ブレーキペダルの遊び分を考慮したものであり、例えば、単にブレーキペダルに足を乗せているだけでありすぐにでも加速するおそれがあるか、またはブレーキ踏み込み量検出手段の誤差範囲内にすぎないからである。
【0138】
更に、速度の基準値としては、エンジンを停止させるための第一の速度閾値Voff1として5Km/h、エンジンを停止させないための第二の速度閾値Voff2として45Km/hを採用している。
【0139】
閾値として5Km/hおよび45Km/hの2種類を設けたのは、判断が頻繁に行われるのを防ぐためである。また、前者を採用したのは、この程度の速度では体感上ほとんど停止状態と同じと見ることができるからである。したがって、5Km/hではなく、0(零)Km/hを採用しても良い。
【0140】
一方、後者を採用したのは、以下の理由による。すなわち、車速が45Km/hのときにエンジンを停止すると、発電機回転数は最大回転数である6000rpmに迫る5600rpmとなってしまい、発電機の破壊という問題を生じ、その上、発電機でエンジンを始動しようとすると、トルクが不足して始動できないという問題も生ずるからである。したがって、発電機の特性などを考慮して、他の値を採用しても良い。
【0141】
以上、本実施形態をまとめると、速度が45Km/h以上で走行しているときには、ブレーキペダルを踏んでもエンジンは停止せず、また、5Km/h以下の走行時では、ブレーキペダルを踏み込みさえすれば、ブレーキペダルの踏み込み量いかんにかかわらずエンジンが停止する。一方、車速が5〜45Km/hの場合には、ブレーキの踏み込み量によってエンジン停止の有無が判断されることになり、2%以下の場合にはエンジンが停止せず、12%以上踏み込まれた場合にはエンジンが停止する。
【0142】
次に、エンジン始動制御手段に関する第一の実施形態の動作を図2並びに図3を用いて説明する。ハイブリッド型車両の運行中にアクセルペダルが踏み込まれると、アクセル踏み込み情報が制御手段に入力され(ステップ201)、制御手段ではエンジンが運転中か否かを判断する(ステップ202)。
【0143】
エンジンが運転中のときには、制御の流れはステップ203に進んでエンジンを停止すべきか否かを判断するが、アクセルとブレーキが同時に踏まれていない限りエンジンは停止されないので、そのままエンジン停止せずに、制御動作を終了する。
【0144】
エンジンが運転中でないとき(停止状態のとき)には、ステップ206に進んでエンジンを始動すべきか否かを判断する。ここでは、ブレーキの踏み込み情報に加え、その時の速度情報が同時に取り込まれている。そして、これらのブレーキの踏み込み情報および車速情報から、前述したようにエンジン始動の制御マップ(図3)に基づいて、エンジンを始動するか否かの判断を行う。
【0145】
ここで、通常はアクセルが踏み込まれた状態ではブレーキが踏み込まれていないが、エンジンの停止・始動条件の一態様として同じ制御マップで判断する場合には、アクセルが踏み込まれた状態は横軸上の状態である。
【0146】
ここでは、エンジン始動制御手段において、エンジン停止時にエンジン始動のための始動速度閾値Vonを8Km/hとしている。このため、8Km/h未満の速度の場合には、アクセルを踏んでも始動せず、8Km/h以上の場合にアクセルを踏むとエンジンが始動する。
【0147】
なお、Vonを8Km/hとしたのは、この実施形態で想定したハイブリッド型車両では、8Km/h未満の状態では電気モータのみで車両を駆動した場合でも十分な駆動力が得られる速度範囲だからである。また、この速度域でエンジンを車両の駆動のために使用するには、エンジンの回転数が低いか、ギア比を落として回転数を上げる必要があり、いずれにしても燃料(エネルギー)消費効率が悪いからである。
【0148】
すなわち、この実施形態では、図9に示すように、スロットルを開いたときに振動が生じないでトルクが発生する回転数の下限であるエンジン実用下限回転数は、1800rpm程度になる。そして、この程度の回転数では、車速が7.74Km/h以上でないと、エンジンを始動してもアイドリングしているだけで、実用上使えないという事態が生じることから、この実施形態では、Vonとして8Km/hを採用したものである。したがって、車両特性等を考慮して、Vonを他の値にしても良い。
【0149】
そして、ステップ207では、ブレーキの踏み込み条件および車速から、エンジン始動条件を求める処理を行うが、実際にはブレーキを同時に踏み込むことは少ないので、車速が8Km/h未満の場合には、エンジンを始動すべきでないものと判断して、エンジンを始動させずに制御動作を終了する。
【0150】
また、ステップ207では、車速が8Km/h以上である場合に、ステップ208に進み、アクセル踏み込み情報を検討する。ここでは、アクセルの踏み込み情報のみを判断しているので、始動すべきと判断し、ステップ209に進んでエンジン始動処理を行い、制御を終了する。
【0151】
また、アクセル情報に関しては、ここでは速度に依存させ、アクセルが踏み込まれたか否かの情報のみを使用する場合を示しているが、アクセルの踏み込み量に依存させる構成としても良い。本発明の別の実施態様では、アクセルの踏み込み量を条件としてエンジンを始動すべきか否かを判断する。なお、その場合には、センサ入力誤差等を考慮し、アクセル踏み込み量として、2%程度の値を採用しても良い。
【0152】
一方、この発明の実施態様では、過ってブレーキとアクセルを同時に踏み込んだ場合の制御動作も示されている。すなわち、車速が8Km/hを超えた場合には、ブレーキ踏み込み量が2%未満であれば、エンジンを始動させる制御を行うが、ブレーキ踏み込み量が2%を超える場合には、エンジンを始動させないものとなっている。
【0153】
すなわち、ステップ206では、ステップ201で検知したアクセルとブレーキの踏み込み情報が同時に検出されている場合、前述した制御マップに基づいてブレーキの踏み込み量が2%よりも大きいかどうかが判定され、大きいときにはステップ207でエンジンを始動すべきでないと判断して、エンジンを始動させずに制御動作を終了する。
【0154】
逆に、ブレーキの踏み込み量が2%未満のときには、ステップ207でエンジンを始動しても良いと判断し、ステップ209に進み、アクセルの踏み込み情報に基づいてエンジンを始動するか否かを判断する。
【0155】
このように、過ってアクセルとブレーキとが同時に踏まれても、ブレーキの踏み込み状態からエンジン始動すべきか否かを判断するので、誤動作が防止され、安全性が高いものとなっている。
【0156】
なお、いずれの制御の場合であっても、制御終了後は、リターンされる。このため、例えば、エンジン作動中にブレーキペダルを踏み込んだ時には、エンジン停止条件よりも速い速度であったためにエンジンを停止せず、制御を終了しても、この判断を繰り返すうちに減速されて、速度基準以下の速度に減速された状態でエンジンが停止されるものとなる。
【0157】
また、エンジン始動の際にも、例えば、停止状態からアクセルを踏み続けた場合には、速度基準に達するまではエンジンを始動しないまま制御が終了するが、電気モータの駆動で速度が基準値を超えた状態になったとき、エンジンの始動動作が行われるものとなっている。
【0158】
このように本発明の第一の実施形態によれば、ハイブリッド型車両の運行中に不必要なエンジンの停止と始動を行わないので、始動動作の頻発に伴う振動の発生や燃料の無駄を抑えることができる。
【0159】
次に、図4を用いて本発明の第二の実施形態を説明する。前述した第一の実施形態と同様に、ハイブリッド型車両に応用したものであるが、この他のハイブリッド型車両にも応用可能である。
【0160】
この実施形態では、エンジン停止制御手段においてブレーキ踏み込み情報と車速情報とを判断材料としている。また、エンジン始動制御手段では、アクセル踏み込み情報(時間)と車速情報とを判断条件としている。そして、図1に示したようなブレーキ踏み込み状態検出手段と、アクセル踏み込み状態検出手段、並びに車両の速度検出手段とが設けられており、各々がブレーキ踏み込み情報信号、アクセル踏み込み情報信号、車速情報信号を制御手段に入力する。
【0161】
図4は、本発明の第二の実施形態における制御動作を示すフローチャートであるが、エンジンの始動制御に際してアクセル踏み込み情報のうちアクセル(ペダル)の連続的な踏み込み時間を判断条件とする点で、先の実施の形態とは異なるものであるが、それ以外の点はほぼ同様である。
【0162】
このエンジン始動制御手段では、アクセルの連続的な踏み込み時間を、制御ループ内に設けたカウンターにより計時している。具体的には、アクセル踏み込み時間のカウンターとして、ステップ411、412が設けられており、これに伴って、カウンターのリセットをするステップ405、410が新たに設けられている。
【0163】
この実施形態では、エンジン停止制御手段における制御動作は先の第一の実施形態とほぼ同様であるので、簡略に説明する。まず、ブレーキの踏み込み情報が入力される(ステップ401)と、エンジンが運転中か否かが判断され(ステップ402)、運転中でない場合には、ステップ407に進み、通常はアクセルが踏み込まれていない状態でブレーキが踏み込まれるので、そのまま制御動作は終了する。
【0164】
ステップ402でエンジンが運転中である場合には、ステップ403に進み、この時点での車速と、ブレーキの踏み込み情報のうちの踏み込み量とを取り込んで、前述した図3に示す制御マップに従って、エンジンを停止すべきか否かを判断する。
【0165】
エンジンの停止条件を満足していない場合には、エンジンを停止させずに制御動作を終了する(ステップ404)。逆に、エンジンの停止条件を満足している場合には、エンジンの停止動作を行うが、その際に、アクセルの踏み込み時間の経時カウンターをリセット(Caon=0)する。
【0166】
次に、この実施形態におけるエンジン始動制御手段の動作を説明する。アクセルの踏み込み情報が制御手段に入力されると(ステップ401)、エンジンが運転中か否かが判断され(ステップ402)、エンジンが運転中である場合には、ステップ403に進んだ後、通常はブレーキが同時に踏み込まれていないので、エンジンを停止させずに運転状態を維持したまま制御動作を終了する。
【0167】
ステップ402でエンジンが停止中である場合には、ステップ407に進み、ブレーキの踏み込み情報と車速情報とから図2のマップに従い、エンジンを始動して良いか否かを判断する。
【0168】
前述したように、ブレーキの踏み込み量が2%以上の場合、並びに車速が8Km/h未満の場合には、エンジンを始動すべきでないものとして、エンジンを始動させずに制御動作を終了する(ステップ408)。なお、この際にはアクセル踏み込み時間のカウンタがリセットされる(ステップ410)。
【0169】
ステップ408でエンジンを始動すべきと判断された場合(車速が8Km/h以上で、ブレーキが踏み込まれていないか、又は踏み込み量が2%未満の場合)には、アクセル情報に基づいてエンジンを始動するか否かを判断する(ステップ409)。
【0170】
ここでは、前記の実施形態と同様に、アクセルが踏み込まれている状態(アクセルオンであること、もしくはアクセルペダルが踏み込まれていること)のみに基づいて判断している。しかし、前述したようにアクセルの踏み込み量の情報に基づいてそれが一定の基準値に達しているか否かを判断条件としても良い。
【0171】
アクセルが踏み込まれている場合には、踏み込み時間カウンターで積算(カウンタ数値をプラスする、ステップ411)し、時間カウンタの数値Caonを算出する。この数値は時間換算数値であり、エンジン始動のためのアクセルの踏み込み時間閾値Neonと対比される(ステップ412)。
【0172】
このフローチャートでは、エンジン始動・停止ルーチンをタイマ割り込み処理によって一定間隔ごとに処理するものであり、タイマ割り込み間隔は、例えば2秒程度を採用することができ、この場合には、アクセルの踏み込み時間閾値Neonは、2秒となる。
【0173】
ステップ412では、ステップ411で加算されたCaonが予め定めたNeonの値よりも大きいかどうかを判定し、大きいときには、アクセル踏み込み時間がエンジンを始動すべき条件を満足するものとして、ステップ413に進んでエンジン始動処理を行い、制御を終了する。
【0174】
また、Caonが予め定めたNeonの値よりも小さい場合には、アクセル踏み込み時間がエンジンを始動すべき条件を満足していないものとして、エンジンを始動させずに制御は終了する。この時、踏み込み時間の積算カウンターはリセットされないので、更にアクセルを踏み続けている場合には、再度同じ動作が繰り返され、積算時間が閾値を超えたときに、エンジンの始動動作が行われる。
【0175】
なお、アクセルを踏み込み続けても、連続した踏み込み時間が時間閾値に満たない状態で終了した時、すなわち、時間閾値以下の間だけアクセルが踏み込まれていた場合には、やはり同様にエンジンは始動されずに制御動作は終了する。
この場合にも、ステップ410によって積算カウンタはリセットされる。
【0176】
このように本発明の第二の実施形態では、アクセルの踏み込み時間をエンジン始動条件とすることで、短時間のアクセルの踏み込みのような、大きな駆動力を必要としない場合には、エンジンを始動させずに電気モータの駆動を維持するものとなっている。このため、エンジンの無駄な始動動作が低減され、始動の頻発に伴う問題点の発生が抑制される。
【0177】
次に、図5を用いて本発明の第三の実施形態を説明する。前述した第一の実施形態と同様に、ハイブリッド型車両に応用したものであり、この他のハイブリッド型車両に応用可能である。
【0178】
この第三の実施の形態では、エンジン停止制御手段においてブレーキ踏み込み情報と車速情報と電気モータを駆動するバッテリの残電力情報とを判断材料としている。また、エンジン始動制御手段でも、アクセル踏み込み情報と車速情報と電気モータを駆動するバッテリの残電力情報とを判断条件としている。そして、図1に示すようなブレーキ踏み込み状態検出手段と、アクセル踏み込み状態検出手段、車両の速度検出手段、並びにバッテリの残電力検出手段とが設けられており、各々がブレーキ踏み込み情報信号、アクセル踏み込み情報信号、車速情報信号、バッテリの残電力信号を制御手段に入力する。
【0179】
図5は、本発明の第三の実施形態における制御動作を示すフローチャートであるが、エンジンの停止並びに始動制御に際してバッテリの残電力情報を判断条件とする点で、先の実施の形態とは異なるものであるが、それ以外の点はほぼ同様である。
【0180】
この第三の実施の形態における、エンジン停止制御手段の制御動作について説明する。まず、ブレーキの踏み込み情報が入力される(ステップ501)と、エンジンが運転中か否かが判断され(ステップ502)運転中でない場合には、ステップ506に進み、通常はアクセルが踏み込まれていない状態でブレーキが踏み込まれるので、そのまま制御動作は終了(ステップ507)する。
【0181】
ステップ502でエンジンが運転中である場合には、ステップ503に進み、この時点での車速とバッテリの残電力情報、並びにブレーキの踏み込み情報のうちの踏み込み量とを取り込んで、後述する図6に示す制御マップにしたがって、エンジンを停止すべきか否かを判断する。
【0182】
エンジンの停止条件を満足していない場合には、エンジンを停止させずに制御動作を終了する(ステップ504)。逆に、エンジンの停止条件を満足している場合には、エンジンの停止処理動作を行い(ステップ505)、制御動作を終了する。
【0183】
ところで、この実施形態では、エンジンの停止条件においてバッテリの残電力条件を加味して判断している。具体的には、ステップ503においての制御マップがバッテリの残電力量(SOC)に応じて異なるものが準備されており、各々について判断の基準値が異なる。なお、これらの条件は、使用するハイブリッド型車両の特性、バッテリの容量、電気モータの駆動電力量等などに応じて適宜決定すれば良い。
【0184】
この実施形態で使用したバッテリの残電力量SOCに応じた制御マップの一例を図6(a)(b)(c)に示す。いずれも、縦軸にブレーキ踏み込み量(%)を取っており、横軸に車速(km/h)を取っている。各々は、残電力量が少ない場合(SOC≦60%)、中程度の場合(60%<SOC<80%)、充分にある場合(SOC≧80%)である。
【0185】
図6(a)は、残電力量SOCが60%以下のときの制御マップである。この場合には、エンジンを停止させるための速度閾値Voff1aを5Km/h、並びにVoff2aに45Km/h設定している。また、エンジンを停止させるためのブレーキの踏み込み量の閾値βoff1aは12%に設定されている。なお、エンジン始動制御手段におけるエンジンを始動させるための速度の閾値Vonaを5Km/h、同じくエンジン始動のためのブレーキの踏み込み量の閾値Vonaは2%に設定されている。
【0186】
したがって、ステップ503では、残電力量SOCが60%以下の場合にはこのマップに示される条件によりエンジンの停止並びに始動を判断する。即ち、判断時の車速が5Km/h未満の場合には、ブレーキ踏み込み量のいかんを問わずに、ブレーキの踏み込みがあったこと(踏み込み情報が入力されていること)に基づいて、エンジンを停止させる。
【0187】
また、判断時の車速が5Km/h以上で、45Km/h未満の場合には、ブレーキ踏み込み量βが12%を超えたときに、エンジンを停止させるが、12%以下の場合にはエンジンを停止させない。一方、判断時の車速が45Km/hを超えた場合には、ブレーキ踏み込み量のいかんを問わずに、エンジンは停止させない。
【0188】
なお、エンジン始動条件については、車速の閾値が8Km/hを超えた場合であって、ブレーキ踏み込み量が閾値βonの2%未満であれば、エンジンを始動させることとなる。
【0189】
図6(b)は、残電力量SOCが60%を超え80%未満のときの制御マップである。この場合には、エンジンを停止させるための速度閾値Voff1bを10Km/h、並びにVoff2bを45Km/hに設定している。また、エンジンを停止させるためのブレーキの踏み込み量の閾値βoff1bは10%に設定されている。なお、エンジン始動制御手段におけるエンジンを始動させるための車速の閾値Vonbを15Km/h、同じくエンジン始動のためのブレーキの踏み込み量の閾値βonbは2%に設定されている。
【0190】
したがって、ステップ503では、残電力量SOCが60%を超え、80%未満の場合には、このマップに示される条件によりエンジンの停止並びに始動を判断する。すなわち、判断時の車速が10Km/h未満の場合には、ブレーキ踏み込み量のいかんを問わず、踏み込みがあったこと(踏み込み情報が入力されていること)に基づいてエンジンを停止させる。また、判断時の車速が10Km/h以上で、45Km/h以下の場合には、ブレーキ踏み込み量βoff が12%を超えたときにエンジンを停止させるが、12%以下の場合にはエンジンを停止させない。一方、判断時の車速が45Km/hを超えた場合には、ブレーキ踏み込み量のいかんを問わず、エンジンは停止させない。
【0191】
なお、エンジン始動条件については、車速の閾値が10Km/hを超えた場合に、ブレーキ踏み込み量が閾値βonの2%未満であれば、アクセルの踏み込み情報に基づいてエンジンを始動させることとなる。
【0192】
図6(c)は、残電力量SOCが80%以上のときの制御マップである。この場合には、エンジンを停止させるための速度閾値Voff1cを15Km/h、並びにVoff2cを45Km/hに設定している。また、エンジンを停止させるためのブレーキの踏み込み量の閾値βoff1cは8%に設定されている。なお、エンジン始動制御手段におけるエンジンを始動させるための車速の閾値Voncを20Km/h、同じくエンジン始動のためのブレーキの踏み込み量の閾値βoncは2%に設定されている。
【0193】
したがって、ステップ503では、残電力量SOCが80%以上の場合には、このマップに示される条件によりエンジンの停止並びに始動を判断する。すなわち、判断時の車速が15Km/h未満の場合には、ブレーキ踏み込み量のいかんを問わず、踏み込みがあったこと(踏み込み情報が入力されていること)に基づいてエンジンを停止させる。また、判断時の車速が15Km/h以上で、45Km/h以下の場合には、ブレーキ踏み込み量が8%を超えたときにエンジンを停止させるが、8%以下の場合にはエンジンを停止させない。一方、判断時の車速が45Km/hを超えた場合には、ブレーキ踏み込み量のいかんを問わず、エンジンは停止させない。
【0194】
なお、エンジン始動条件については、車速の閾値が20Km/hを超えた場合であって、ブレーキ踏み込み量が閾値βonの2%未満であれば、アクセルの踏み込み情報に基づいてエンジンを始動させることとなる。
【0195】
ここで、Voff2a、Voff2bおよびVoff2cは、発電機の最大定格から定まる値であり、いずれも45Km/hとしている。また、Voff1aが5Km/h、Voff1bが10Km/h、Voff1cが15Km/hと、残電力量SOCが少ないほど、エンジンを停止させるための速度閾値を小さくして、できるだけエンジンを止めないようにしている。また、βoff1aが12%、βoff1bが10%、βoff1cが8%としているのも、同様の理由からである。
【0196】
一方、Vonaが8Km/h、Vonbが15Km/h、Voncが20Km/hと、残電力量SOCによってエンジンを始動させる速度閾値を変えているのは、SOCが少ないときは早めにエンジンを始動させ、多いときは遅めにエンジンを始動させるようにしたからである。また、βona、βonbおよびβoncは、発電機の定格から定まる値であり、いずれも、2%としている。
【0197】
このように、本発明の第三の実施形態では、エンジン停止条件にバッテリの残電力量の条件を加味しており、バッテリの残電力量が少ない場合には、電気モータの安定駆動、もしくはエンジンの補助駆動を維持するために、できるだけエンジンを停止させないものとなっている。すなわち、速度のみで判断する速度閾値Voff は、バッテリの残電力量が少ないほど小さく(低速に)設定されている。
【0198】
そして、更に消費電力が多くなり、バッテリの残電力量が40%程度以下になった場合には、車両停止状態でもエンジンを停止させない。これは、車両停止時にエンジンを作動させて発電すると、エンジンの回転数は1500rpm程度になり、高負荷領域の運転となって、振動が発生する原因となるものの、バッテリの放電深度が大きくなれば劣化の原因となり、さらに、電気モータの安定した作動や駆動力に不安があることから、このような事態を避けるために車両停止状態でもエンジンを停止させることなく、発電するようにしたものである。
【0199】
また、ブレーキの踏み込み量を加味する速度域では、エンジンを停止させるブレーキ踏み込み量が加味されるが、バッテリの残電力量が少ない場合には、電気モータの安定駆動、もしくはエンジンの補助駆動を維持するために、できるだけエンジンを停止させないものとなっている。すなわち、ブレーキの踏み込み量閾値βoff は、バッテリの残電力量が少ないほど大きく(ブレーキを強く踏む低速)設定されている。
【0200】
そして、更に消費電力が多くなり、バッテリの残電力量が40程度以下になった場合には、ブレーキ踏み込み量がどんなに大きくてもエンジンを停止させない。やはり、バッテリの放電深度が大きくなると、劣化などの不具合の原因になるために、エンジンで発電するようにしたものである。
【0201】
次に、この実施形態におけるエンジン始動制御手段の動作を説明する。アクセルの踏み込み情報が制御手段に入力されると(ステップ501)、エンジンが運転中か否かが判断され(ステップ502)、エンジンが運転中である場合には、ステップ503に進んだ後、通常はブレーキが同時に踏み込まれていないので、エンジンを停止させずに運転状態を維持したまま制御動作を終了する。
【0202】
ステップ502でエンジンが停止中である場合には、ステップ506に進み、ブレーキの踏み込み情報と車速情報とに加え、バッテリの残電力情報から図6の各々のマップに従いエンジンを始動して良いか否かを判断する。
【0203】
前述したように、ブレーキの踏み込み量が2%以上の場合、並びに車速が始動のための速度閾値Von未満の場合には、エンジンを始動すべきでないものとして、エンジンを始動させずに制御動作を終了する(ステップ507)。
【0204】
なお、前述したように、バッテリの残電力量に応じて速度閾値Vonは各々異なるので、ステップ507でエンジンを始動させない場合は、車両の速度が各々8Km/h未満(SOC≦60%)、15Km/h未満(60%<SOC<80%)、20Km/h(SOC≧80%)となる。
【0205】
始動のための速度閾値がバッテリの残電力量に応じて大きく(速度が速く)なっているのは、電気モータの駆動力が十分であるので、電気モータの駆動をできるだけ利用して排ガスの発生を抑制するためである。また、エンジンの始動動作をできるだけ行わず、始動回数を低減させることにより無駄な燃料の消費や始動動作に伴う問題の発生を抑えるためである。
【0206】
ステップ507でエンジンを始動すべきと判断された場合(図6のバッテリ残量に応じた制御マップに各々従うが、少なくとも速度が速度閾値Von以上の場合である)には、必要に応じて、エンジン始動条件としてのバッテリの残電力情報が加味される(ステップ508)。
【0207】
このステップ508では、エンジン始動のためのバッテリ残量閾値Sonを70%に設定しており、バッテリ残量SOCが70%未満のときには、ステップ510に進み、そのままエンジン始動処理動作を行う。また、バッテリ残量SOCが70%を超えているときには、ステップ509に進み、アクセル踏み込み情報を判定する。
【0208】
ステップ509では、前記の実施形態と同様に、アクセルが踏み込まれている状態(アクセルオンであること、もしくはアクセルペダルが踏み込まれていること)のみに基づいて判断している。
【0209】
しかし、前述したようにアクセルの踏み込み量の情報に基づいてそれが一定の基準値に達しているか否かを判断条件としても良い。この基準値としては、センサの入力誤差や遊び分等を考慮し、例えば2%程度を採用することができる。
【0210】
なお、エンジン始動制御手段は、エンジン停止制御手段と同じ制御マップを使用しなくてもよい。例えば、始動制御手段では、常に図6Cの制御マップに従う事として、バッテリの残電力量が70%以上未満になった場合にのみ、エンジンを始動させる構成とすることができる。
【0211】
例えば、この実施形態でも、アクセルの踏み込み情報が0(零)の場合の情報信号も取り込んでいれば、実際にアクセルが踏み込まれたか否かにかかわらず、速度が8Km/h以上の状態で、ブレーキが踏み込まれていなければ(踏み込み量が2%未満)、エンジンを始動させる制御行うこととなる。
【0212】
即ち、この第三の実施形態では、エンジン停止中にブレーキ情報が検知された場合に、バッテリ残電力量情報のみに基づいて(アクセル情報に基づかず)エンジンを始動することがある。言い換えると、エンジン始動制御手段が、バッテリ残電力情報と車速情報に基づいてエンジン始動の制御を行うものである。
【0213】
具体的に述べると、ブレーキ情報が入力された場合に、エンジンが停止中であればステップ506でバッテリ残量に応じた制御マップに従って、エンジンを始動すべきか否かの条件が定められている。この時、車速がエンジン始動のための速度閾値Vonを超えている場合であって、ブレーキ踏み込み量が始動のための踏み込み閾値βon未満である場合には、ステップ507でエンジンを始動すべきと判断され、ステップ508においてバッテリの残電力量が判断される。バッテリの残電力量がバッテリ残量閾値Sonである70%以下である場合には、エンジン始動処理動作が行われる。
【0214】
このように、この実施の形態では、アクセルの踏み込み情報なしにエンジンが始動される条件を満足し、エンジンが始動されることとなる。これは、電気モータの作動の保護のためであり、常にバッテリに余裕ある電力量を蓄積させて電気モータを駆動させるためのエンジン始動制御動作である。このため、ここで始動されたエンジンは主に発電機の駆動のために使用される。
【0215】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハイブリッド型車両を円滑に走行させることができ、また、エネルギーの損失を減少させることができるとともに、コストを低減させることができる。
【0216】
すなわち、本発明によればエンジンの作動が必要でないときにはエンジンを停止させると共に、必要なときだけエンジンを作動させるものとなっているので、エンジンの停止による燃料消費の抑制と、始動の頻発防止による燃料のロスとを同時に抑えることができるものとなっている。
【0217】
また、本発明によれば、エンジンの停止条件を的確に選択することにより、好ましくない状態ではエンジンを停止させないことで、始動動作の回数を低減させているので、始動動作に伴う振動や騒音、クランキングの発生、並びに、無駄な燃料消費や有害な排ガスの発生を抑えることができる。
【0218】
一方、本発明によれば、エンジンの始動条件を的確に選択することにより、作動が好ましくない条件ではエンジンを始動させないので、始動動作の回数が低減され、始動動作に伴う振動や騒音の発生、並びに、無駄な燃料消費や有害な排ガスの発生を抑えることができる。
【0219】
更に、エンジンの始動動作を低減することで、スタータモータの負担が低減され、搭載するスタータの耐久性を下げることができ、ハイブリッド型車両の軽量化や製造コストの削減と図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の概略構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る第一の実施形態におけるエンジンの停止動作並びに始動動作の制御状態を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る第一の実施形態におけるエンジン停止条件およびエンジン始動条件を表している制御マップであり、縦軸はブレーキ踏み込み量(%)、横軸は所領の速度(Km/h)である。
【図4】本発明に係る第二の実施形態におけるエンジンの停止動作並びに始動動作の制御状態を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る第三の実施形態におけるエンジンの停止動作並びに始動動作の制御状態を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る第三の実施形態におけるエンジン停止条件およびエンジン始動条件を表している制御マップであり、縦軸はブレーキ踏み込み量(%)、横軸は所領の速度(Km/h)である。
【図7】一般的なハイブリッド型車両の概略構成を示す概念図であり、(A)はシリーズ型、(B)はパラレル型、(C)はパラレル型の変形タイプを示すものである。
【図8】ブレーキ踏み込み量と回生トルクとの関係を示したグラフであり、縦軸は回生トルクであり、横軸は車速である。
【図9】車速とエンジン回転数との関係を示したグラフであり、縦軸はエンジン回転数(rpm)であり、横軸は車速(Km/h)である。

Claims (7)

  1. エンジンと電気モータとを備え、車両の走行中にエンジンを停止させることができるハイブリッド型車両において、
    前記エンジンの停止時に車両のアクセルの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを始動させるエンジン始動制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両。
  2. 前記エンジン始動制御手段は、前記ハイブリッド型車両の速度が予め定めた始動速度閾値よりも大きい場合に、前記エンジンを始動させるものであることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド型車両。
  3. 前記エンジン始動制御手段は、前記電動モータを駆動させるための蓄電手段の残電力量が予め定めた始動電力閾値よりも少ないときに、前記エンジンを始動させるものであることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド型車両。
  4. エンジンと電気モータとを備え、車両の走行中にエンジンを停止させることができるハイブリッド型車両において、
    前記エンジンの作動時に車両のブレーキの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両。
  5. 前記エンジン停止制御手段は、前記ハイブリッド型車両の速度が予め定めた停止速度閾値よりも小さい場合に、前記エンジンを停止させるものであることを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド型車両。
  6. 前記エンジン停止制御手段は、前記電動モータを駆動させるための蓄電手段の残電力量が予め定めた停止電力閾値よりも多いときに、前記エンジンを停止させるものであることを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド型車両。
  7. 車両駆動源としてのエンジンと電気モータとを備え、車両の走行中にエンジンを停止させることができるハイブリッド型車両において、
    車両のブレーキの踏み込み量を検出するブレーキ検出手段と、
    車両のアクセルの踏み込み状態を検出するアクセル検出手段と、
    前記エンジンが運転されているか否かを検知するエンジン検出手段と、
    車両の速度を検知する車速検出手段と、
    前記電動モータを駆動させるための蓄電手段の残電力量を検出する蓄電検出手段と、
    前記エンジン検出手段により前記エンジンが停止していることが検出された場合に、前記蓄電検出手段により検出された蓄電手段の残電力量に基づいて定められる始動速度閾値並びにブレーキ踏み込み量始動条件と、前記車速検出手段により検出された車速並びにブレーキ検出手段により検出されたブレーキ踏み込み量とを比較して、前記エンジンを始動させるか否かを判断するエンジン始動判定手段と、
    前記エンジン始動判定手段によりエンジンを始動すべきと判断された場合に、前記アクセル検出手段により検出されたアクセルの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを始動させるエンジン始動手段と、
    前記エンジン検出手段により前記エンジンが作動していることが検出された場合に、前記蓄電検出手段により検出された蓄電手段の残電力量に基づいて定められる停止速度閾値並びにブレーキ踏み込み量停止条件と、前記車速検出手段により検出された車速並びに前記ブレーキ検出手段により検出されたブレーキの踏み込み量とを比較して、ブレーキの踏み込み量が所定の閾値を超え、かつ、踏み込み時間が所定の閾値を超えることに基づいて前記エンジンを停止させるか否かを判断するエンジン停止判定手段と、
    前記エンジン停止判定手段によりエンジンを停止すべきと判断された場合に、前記エンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド型車両。
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