JP3900923B2 - ストッカ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハーキャリア等のワークを保管するストッカに係り、特に、人がストッカ内に立ち入るための開閉自在な扉(メンテナンス扉)の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ストッカには、メンテナンスや異常時・停電時などに人がストッカ内に出入りするために開閉自在な扉が設けられているのが一般的である。最近では、ストッカの無駄なスペースを省略し、ワークの収納効率を増加するため、収納部にワークを出し入れする移載ロボットを有するスタッカクレーンが走行する通路の幅とスタッカクレーンの幅とがほぼ同等となっている。即ち、スタッカクレーンが通路を塞ぐこととなり、作業者がストッカ内に出入りする際、スタッカクレーンの通路の一方から入った場合にスタッカクレーンの反対側の通路にまわりこむのが困難になっていた。
【0003】
そこで、従来は、図4に示すストッカ11のように、ワーク16を移載するスタッカクレーン14により通路13が塞がれていたとしてもスタッカクレーン14の前後いずれの通路13にも出入りすることができるように、スタッカクレーン14の通路13の両側に開閉自在な扉15が設置されていた。また、ストッカの設置条件によっては、他装置や建屋のパーティションと干渉し、スタッカクレーンの通路の両側に扉を設置することができない場合があるが、かかる場合は、図5(a)に示すストッカ21のようにストッカ21の保管棚22厚み方向を横切って通路23に至る扉25が設置され、図5(b)に示すようにワーク26を移載するスタッカクレーン24により通路23が塞がれていたとしても通路23に出入りすることができるように構成されていた。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
ところが、ストッカの保管棚厚み方向を横切って通路に至る扉を設置した場合、扉からストッカ内の通路に至るまで、作業員が出入りするためのスペースが必要となる。従って、かかるスペースを確保するため、図5(a)及び(b)に示すように、扉25の内側の部分においては保管棚22を設けることができず、収納効率の低下へとつながっている。
【0005】
本発明の目的は、人がストッカ内に出入りすることができるメンテナンス扉のストッカへの設置を確保しつつ、ストッカ内の無駄なスペースを排除し、ワークの収納効率を向上させることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の請求項1に記載のストッカは、ワークを収納する収納部を上下左右に複数配列した保管棚の一対が通路を挟んで向かい合わせに配置され、前記通路に、前記ワークを前記収納部に出し入れする移載ロボットを有するスタッカクレーンが走行自在に配置され、前記保管棚の厚み方向を横切って前記通路に至る開閉自在な扉が前記保管棚に設けられたストッカであって、前記扉は前記収納部を有する前記保管棚の一部として設けられ、前記扉は片開き式であり、閉じた位置を再現する位置決め手段が設けられ、前記収納部と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1の構成によれば、保管棚の厚み方向を横切って通路に至る扉を設置したとしても扉に収納部を有する保管棚の一部を設けることができるため、扉の内側のスペースが無駄にならない。このため、ワークの収納効率を増加させることができる。
また、扉が収納部と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されているため、メンテナンスや異常時・停電時などに人がストッカ内に出入りする手段が確保される。また、位置決め手段により扉の閉じた位置を再現することができ、ワーク移載のためにティーチングされているスタッカクレーンに対して位置再現性を確保することができる。
【0008】
請求項2に記載のストッカは、請求項1に記載のストッカであって、前記通路の一端が閉鎖され、閉鎖された側の前記保管棚に前記扉が設けられ、前記通路の他端に第二の扉が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の構成によれば、ストッカの設置条件によって、他装置や建屋のパーティションと干渉し、スタッカクレーンの通路の両側に扉を設置することができない場合についても、保管棚の厚み方向を横切って通路に至る扉を設置することができる。これによって、扉に収納部を有する保管棚の一部を設けることができるため、ワークの収納効率を向上させることができる。
また、扉が収納部と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されているため、メンテナンスや異常時・停電時などに人がストッカ内に出入りする手段が確保される。
【0012】
ストッカは、ワークを収納する収納部を上下左右に複数配列した保管棚の一対が通路を挟んで向かい合わせに配置され、前記通路に、前記ワークを前記収納部に出し入れする移載ロボットを有するスタッカクレーンが走行自在に配置され、前記保管棚の厚み方向を横切って前記通路に至る開閉自在な扉が前記保管棚に設けられたストッカであって、前記扉は前記ストッカクレーンを制御するための制御盤を有するものとして設けられ、前記扉は前記制御盤と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この場合、扉の内側のスペースが無駄にならない。
また、扉が収納部と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されているため、メンテナンスや異常時・停電時などに人がストッカ内に出入りする手段が確保される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明のストッカの実施形態例について説明する。
【0015】
[第一実施形態]図1及び図2は、本発明に係るストッカの実施形態の一例を示した概略斜視図である。図1において、第一実施形態におけるストッカ1は、保管棚2と、通路3と、スタッカクレーン4と、扉5と、図示されない制御盤とを備えてなる。ストッカ1は、通路3の一端がパーティション7によって閉鎖され、更にパーティション8によって通路3の一端の隣接する面も閉鎖される状態で設置されている。
【0016】
保管棚2は、通路3を挟んで一対に設けられている。また、保管棚2は、収納部2aを構成する棚板と、柱2bと、背面板2cと、側面板2dとから構成されている。収納部2aは、保管棚2の一対に通路3を挟んで向かい合わせに上下左右複数列配列されている。また、収納部2aは、スタッカクレーン4の移載ロボット4aによるワーク6の出し入れのため、前面が開放されている。柱2bは保管棚2の骨格を形成している。また、棚板は柱2bに固定されており、収納部2aにワーク6を収納する。保管棚2の背面側に設けられた背面板2cおよび保管棚2の側面側に設けられた側面板2dは、ストッカ1と外部との仕切りを形成している。なお、図1の例では、パーティション7が側面板2d及びパーティション8が背面板2cを兼用している。
【0017】
通路3は、一対に設けられた保管棚2の間に設けられている。通路3にはスタッカクレーン4が走行するための走行レール3aを備えている。スタッカクレーン4は走行レール3a上をレール方向に往復自在に走行することができる。また、走行レール3aは保管棚2と平行に敷設されている。
【0018】
スタッカクレーン4は、ワーク6を収納部2aに出し入れする移載ロボット4aと、移載ロボット4aを維持し上下に移動させる支柱4bと、走行レール3a上を走行する走行部4cとを有している。スタッカクレーン4は制御盤により制御されている。また、スタッカクレーン4は、ワーク6移載のためティーチングされている。移載ロボット4aは位置決め座標に基づいてワーク6をハンドリングし、保管棚2に移載したり、保管棚2から取り出したりするものである。なお、制御盤は収納部2aに設置することもできるが、スペースの効率化のためにはスタッカクレーン4のデッドスペースを利用してスタッカクレーン4のデッドスペースに設置することが好ましい。
【0019】
扉5は、ストッカ1に二つ設けられており、一つの扉5aは通路3の一端に設けられており、もう一つの扉5bは通路3の他端側に保管棚2の厚み方向を横切って通路3に至るように設けられている。扉5aは、開閉自在な扉であり、通路3へ人の出入りが可能となるように構成されている。また、扉5bは、開閉自在な扉であり、保管棚2の一部として設けられている。扉5bは、収納部2aと共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されている。
【0020】
扉5a、5bはヒンジを用いた片開き式であり、扉の5a、5bの側面部の上下に設けられたヒンジによって扉を開閉することができる。扉5bは図2に示すように、上下に二つ設けられたヒンジ10を有し、片側に開閉することができる。また、扉5b側に設置されたピン(または孔)9aと、背面板2c側に設置された孔(又はピン)9bの組み合わせによる位置決め手段9を有する。即ち、扉5bを閉める場合にピン(または孔)9aが孔(又はピン)9bに嵌合することにより、扉5bの閉じた位置、即ち保管棚2の位置が再現される。
【0021】
このように、本実施形態例に係るストッカ1では、保管棚2の厚み方向に横切って通路3に至って設けられている開閉自在な扉5bが収納部2aを有する保管棚2の一部として設けられており、かつ、収納部2aと共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されているため、従来のように人の出入りスペース確保のため、扉部分の収納部2aを排除する必要がなくなる。このため、通路3への人の出入りを確保できると共に、扉5bの部分の収納部2aも利用することが可能となり、収納効率を良くすることができる。
【0022】
また、位置決め手段9によって、扉5bの閉じた位置、即ち保管棚2の位置を再現するため、ワーク6移載のためティーチングされているスタッカクレーン4に対して位置再現性を確保することができる。
【0023】
[第二実施形態例]図3は、本発明に係るストッカの実施形態の一例を示したストッカの縦断面図である。第二実施形態例に係るストッカ101では、第一実施形態例に係るストッカと比較して保管棚102の厚み方向に横切って通路103に至って設けられている開閉自在な扉105bが収納部を有する保管棚102の一部としてではなく、扉105bのスペースを利用してスタッカクレーン104を制御する制御盤106が設置されていることを特徴としている。
【0024】
したがって、制御盤106はストッカ内の保管棚102に設置される場合は、制御盤106を設置するために保管棚102にスペースを確保する必要があるが、本実施形態例に係るストッカ101の場合は、扉105bのスペースを利用することができ、ストッカ101内の無駄なスペースの排除及びワークの収納効率を向上することができる。
【0025】
なお、本発明に係るストッカは、前記第一実施形態及び第二実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、前記第一実施形態及び第二実施形態例においては、扉5b(又は扉105b)は片開き式であったが、人の出入りが確保できる開閉自在な扉であれば良く、ストッカの背面板と平行状態を保ったまま背面板と近づいたり離れたりすることができるスライド式の扉であってもよい。即ち、人が出入りする際に、扉5b(又は扉105b)が保管棚からレールやマジックハンドによってスライドして分離するような構成であってもよい。なお、この場合、扉5b(又は扉105b)については保管棚と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されていることが必要である。
【0026】
更に、前記第一実施形態例における扉5bをスライド式の扉にする場合においても、ピンと孔の組み合わせによる位置決め手段を有するのが好ましい。位置決め手段により扉の閉じた位置、即ち保管棚の位置を再現するため、ワーク移載のためティーチングされているスタッカクレーンに対して位置再現性を確保することができる。
【0027】
なお、前記第一実施形態例及び第二実施形態例については、パーティション7及び8によりストッカの通路の一端が閉鎖されていたが、パーティション7及び8等の壁により通路の一端が閉鎖されている場合ではなく、他の装置が存在する等によりストッカの通路の一端にある扉を十分に開けることができない場合においても本発明に係るストッカは有効である。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に記載のストッカでは、保管棚の厚み方向を横切って通路に至る開閉自在な扉について、人の出入りスペースを確保するために収納部を削減することなく、扉と一体化した収納部を設置することができる。このため、ストッカのスペースを無駄にすることなく、収納効率を向上することができる。また、ワークを収納部の決められた位置に正確に移載する必要があるため、スタッカクレーンがティーチングされていることにより正確に閉じた位置を再現する必要がある扉に対して、位置決め手段により位置再現性を確保することができる。
【0029】
請求項2に記載のストッカでは、ストッカの設置条件によって、他装置や建屋のパーティションと干渉し、通路の両端に扉を設置することができない場合であっても、閉鎖された通路側の保管棚の厚み方向を横切って通路に至る開閉自在な扉を設置することができ、かつ、その扉について、人の出入りスペースを確保するために収納部を削減することなく、扉を一体化した収納部を設置することができ、請求項1の構成による前記効果が得られる利点がある。
【0031】
本実施の形態におけるストッカでは、保管棚の厚み方向を横切って通路に至る開閉自在な扉について制御盤を配置することにより、人の出入りのために確保されたスペースを有効に利用することができる。このため、ストッカのスペースの無駄を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るストッカの第一実施形態例を示す斜視断面図である。
【図2】図1における側面板側のストッカの側面図である。
【図3】本発明に係るストッカの第二実施形態例を示す縦断面図である。
【図4】従来のストッカの一例を示す斜視断面図である。
【図5】従来のストッカの一例を示す概略図であり、(a)は平面図であり、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1 ストッカ
2 保管棚
2a 収納部
3 通路
4 スタッカクレーン
4a 移載ロボット
5 扉
6 ワーク
9 位置決め手段

Claims (2)

  1. ワークを収納する収納部を上下左右に複数配列した保管棚の一対が通路を挟んで向かい合わせに配置され、前記通路に、前記ワークを前記収納部に出し入れする移載ロボットを有するスタッカクレーンが走行自在に配置され、前記保管棚の厚み方向を横切って前記通路に至る開閉自在な扉が前記保管棚に設けられたストッカであって、前記扉は前記収納部を有する前記保管棚の一部として設けられ、前記扉は片開き式であり、閉じた位置を再現する位置決め手段が設けられ、前記収納部と共に人の出入りが可能となるまで開くように構成されているストッカ。
  2. 前記通路の一端が閉鎖され、閉鎖された側の前記保管棚に前記扉が設けられ、前記通路の他端に第二の扉が設けられている請求項1に記載のストッカ。
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