JP3900738B2 - リヤディスチャージモーアの刈草搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リヤディスチャージモーアの刈草搬送装置に関する。
この発明は、移動農機の機体腹下部に昇降自在に取り付け、前進走行に伴って複数の回転刈刃を駆動回転し、走行地表面上に埴生する芝草や雑草を機体幅以上刈り取って、モーアデッキ後部に取り付けたシュータを介して刈草を後方排出するリヤディスチャージモーアに関するものである。
【0002】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】
従来の移動農機に取り付けるリヤディスチャージモーアには、特開平10−286016号公報で示すものが公知である。
この従来公知のものは、モーアデッキ天井面の右側から一体で右後方上部に向かう、斜め方向に固定した筒状体である刈草排出部を、移動車両の機体後方上部側に向かって、モーアデッキ後壁よりも後側に大きく突設している。また、この刈草排出部の基端突出部右側が、平面視で移動車両機体の主フレーム右側と重合している構成となっている。このため昇降するモーアデッキ上面に対し、刈草排出部先端が高位置となっておればモーアデッキの昇降が制限され、また、刈草排出部の基端突出部がモーアデッキ昇降時に主フレームに接当するようであれば、共にモーアデッキの吊り上げ量が制限される恐れを有している。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、従来装置のこのような不具合を解消しようとするものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、天井面の上板2と、外周囲に斜めまたは直下方にたれ下げた立壁3とで下部開口のモーアデッキ1を構成し、平板状の天井面である上板2に略横並びで夫れ夫れ回転可能に下方支持する3本の駆動軸102,101,103を取り付けると共に、夫れ夫れの駆動軸下端に左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5と右側方回転刈刃6を備え、平面視で左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5は右回転させ、右側方回転刈刃6は左回転させてその回転対向部を通路入口側左右方向中心位置として、出口側を左方に振った排草通路13を構成し、該排草通路13の後方の立壁3に排草口7を設けたリヤディスチャージモーア8とし、さらに、モーアデッキ1後部の排草口7廻りに基端部を取付け、先端部を後方に突出する刈草搬送用のシュータ16を設けるものにおいて、平面視でシュータ16の延出方向を前記の排草通路13の方向と同方向としたことを特徴とするリヤディスチャージモーアの刈草搬送装置とした。また移動車両17の左右に一対設けた前後方向に長い左右フレーム18a,18a間幅内に収めるシュータ16を上下揺動自在とすると共に、その突出先端部16aを、左右フレーム18a,18a間後部に取り付けたブロアケース64の吸気筒66先端に挿入支持したことを特徴とする請求項1記載のリヤディスチャージモーアの刈草搬送装置の構成とした。
【0004】
【発明の実施の形態】
図は、この発明の実施例であり、芝や草類を地表から刈り取るリヤディスチャージモーア8を、トラクター等の移動車両17腹下部に昇降自在に取り付けたもので説明する。この発明は、草刈り作業機であるリヤディスチャージモーア8のモーアデッキ1から後方に突出するシュータ16部や、シュータ16の突出先端部と移動車両17側に配置するブロア63部等における、刈草搬送通路部に、この発明を折り込んだものであって、以下詳述する。
【0005】
移動車両17は、図で示すように乗用四輪型のトラクターであり、機体下部にチャンネル材から成る前後方向の主フレーム18,18を左右一対前後方向に向けて配設している。主フレーム18は前後方向中間部で溶接されており、後主フレーム18aを後車輪19に接近するように左右間隔を広くしている。
主フレーム18,18は、前方側でその間隔が幅狭に成っており、前方上部にエンジン21が搭載されている。主フレーム18の前方下部には、フロントアクスル22をセンターピボット方式で左右揺動自在に取り付け、このフロントアクスル22の端部には、キングピン23を介して前車輪20,20を操舵自在に取り付けている。24はステアリングハンドルであって、前車輪20,20を操舵する。また、左右の後主フレーム18a,18a間には、軸受を介在して後車軸24を内装したリヤアクスル25と、走行用伝動ケース26が取り付けられて強度メンバーを構成している。そして、後車軸24,24の両端部に夫れ夫れ設けたホイルボス27,27に、後車輪19,19を取り付けている。
【0006】
左右の主フレーム18,18前端部間はサイドステーで左右連結され、後主フレーム18a,18a後端部には夫れ夫れ断面四角の支柱28が、溶接やボルト止め等により上下方向直立状に配設されている。左右支柱28の上部は、前後方向長さの異なる左右の補強枠29,30により、後主フレーム18a上面との間を迂回連結して強度アップおよび整備性の向上を図っている。
【0007】
エンジン21の外周はボンネット31やサイドカバー32等で覆われ、該ボンネット31後部に前述したステアリングハンドル78を上方に向けて突設している。そして、このサイドカバー32の側方から、左右後車輪19,19間上方に設けた座席33付きのフェンダー34の前縁部間の空間部に、主フレーム18又は後主フレーム18aに接近した状態に上面を覆って運転者の足を乗せるためのステップ35を取り付けている。
【0008】
次に、動力伝動系について、簡単に説明する。
エンジン21はクランク軸を後下がりの前後方向としており、前方突出軸に駆動プーリー36と、後方に機体走行用の第一PTO軸37を突設している。また、フロントアクスル22の左右中間部を支持するセンターピボット軸38の軸心方向を、クランク軸と略平行状とし、センターピボット軸38前端部に従動プーリー39を取り付け、センターピボット軸38後端を作業機駆動用の第二PTO軸40として、後方に向けて突出している。駆動プーリー36と従動プーリー39間にはVベルトやチェーン等の回転動力伝達具41が巻廻されており、図示しないクラッチを介して第二PTO軸40の回転を入切操作している。
【0009】
リヤディスチャージモーア8の詳細については後述するが、モーアデッキ1の上板2左右方向中央上方に突設した伝動ケース42の入力軸43と、センターピボット軸38後端を突出した作業機駆動用の第二PTO軸40の間は、自在継手44を介して動力伝動を行なっている。リヤディスチャージモーア8は、左右一対づつ機体に前端部を軸着した前後リンク45,46の後端部に、モーアデッキ1の前後部を夫れ夫れ軸着しており、左の後リンク46を昇降操作するリフトアーム47とリフトリンク48により、リヤディスチャージモーア8の昇降を行なう。49は昇降用アクチュエータであって、図例は油圧シリンダー構成としており、主フレーム18に一端を取り付けた油圧シリンダーを伸ばすと、軸50を支点にリフトアーム47の一端が動かされ、リフトアーム47他端がリフトリンク48を引き上げる。リヤディスチャージモーア8の前後には、下降時にデッキ1の高さを調節するゲージ車輪51,51..が首振り自在に左右一対取り付けられており、デッキ1の高さ調節に伴い地表面の芝草の刈り残し高さを長短調節する。
【0010】
クランク軸後方に突出する第一PTO軸37は後車輪19,19を駆動するためのものであり、以下詳述する。
後車軸24の右側で後主フレーム18a内方接近位置に、走行用伝動ケース26がオフセットして取り付けられている。走行用伝動ケース26の前部上方には、ポンプ53とモータ54である静油圧動力駆動伝達装置である所謂H.S.T装置を内装したHSTケース55が取り付けられている。56は走行用入力軸であり、HSTケース55の上部から前方に向かって突出しており、エンジン21から後方に突出した第一PTO軸37との間に、走行用自在継手57を取り付けて駆動力を伝達している。この走行用入力軸56でポンプ53を駆動しており、斜板の調節によりモータ54を所要回転数に変速出力し、このモータ54の回転を走行用伝動ケース26内の各種歯車に伝達し、前後進や高低速等副変速を変更して、後車輪19,19を駆動し走行する。
【0011】
図例では、左右後車輪19,19上方から前方に亘って左右のフェンダー34,34で覆い、左右のフェンダー34,34間を壁面で連結したフロアカバー58とし、フロアカバー58上に座席33を設けている。このフロアカバー58で左右連結したフェンダー34は、平行リンク的にピン軸着支持した左右一対の上下リンク59,60とダンパー61によって、上昇位置と下降位置に位置規制状に保持される。通常作業や走行時にはフェンダー34は下降位置に保持され、走行用伝動ケース26廻りや後述するシュータ16廻り等の内部点検時には、フェンダー34とフロアカバー58を大きく持ち上げた位置で保持している。
【0012】
左右支柱28,28の上端前方には支持金具62,62が溶接等で一体的に取り付けられ、支持金具62の上下に二個所開口した取付孔の夫れ夫れに、上リンク59の後端部は上の取付孔に、下リンク60の後端部は下の取付孔に、夫れ夫れ上下揺動自在に取り付けている。
また、左右支柱28,28間の後方には、ブロア63を内挿したブロアケース64が、ボルト,ナット等の締付具を介して一体に取り付けられている。また、ブロアケース64前壁部から下部前方に向かって、後車軸24下方に迂回して前方開口した吸気口65を有する吸気筒66を斜め下方に一体突設している。吸気口65は正面視幅広の四角形状の開口であって、この吸気口65内に、リヤディスチャージモーア8のモーアデッキ1後部の立壁3から後方突設する断面幅広の四角形状のシュータ16の突出先端部16aが入り込んでいる。このシュータ16は、モーアデッキ1の昇降に伴いシュータ16も昇降するので、シュータ16前部はモーアデッキ1後端部上に横軸心のヒンジ67を介して上下揺動自在に取り付け、シュータ16後端は前述した吸気口65の周縁部で上下揺動を支持している。
【0013】
ブロアケース64上方には搬送筒68が上方に向かって突出しており、この搬送筒68の先端部は、収納容器であるコレクタ69の上部に突入し内方に開口している。また、ブロアケース64の後壁面64aには、ブロア63駆動用の伝動具を覆うカバーケース70が取り付けられる。カバーケース70内には、第一プーリ71と第二プーリ72が内装されている。そして、第一プーリ71は、右側の後壁面64aから前方に突出する第一軸73の後部に取り付けられている。第一軸73は、走行用伝動ケース26の後上方に突出する駆動軸74との間を、駆動自在継手75を介して伝動している。第二プーリ72の取付軸前部にはブロア63が取り付けられ、Vベルトやチェーン等の回転動力伝達具76を介してブロア63を回転している。ブロア63の回転により吸気筒66内は負圧となり、モーアデッキ1後部と吸気口65間を連通するシュータ16内も負圧となり、モーアデッキ1内の刈り取った芝草をブロア63によって吸引し、搬送筒68からコレクタ69へ搬送する。吸引された芝草は、コレクタ69に送りこまれ、満杯近くになると後半部の蓋体77を開け、所定の場所に排出する。
【0014】
次に、主要部の一つであるリヤディスチャージモーア8について説明する。
前後車輪20,19のホイルベース間で主フレーム18下方に、左右方向略中央部を四本の前後リンク45,46..を介して吊持されたリヤディスチャージモーア8は、モーアデッキ1の略平板状の上板2に対し、軸心方向を上下方向として進行方向最前位に設けた中央回転刈刃5の中央駆動軸101と、これを頂点とした略二等辺三角形状の両端左右を後位置とした、左側方回転刈刃4用の左側方駆動軸102と右側方回転刈刃6用の右側方駆動軸103の三本の駆動軸を並設している。
【0015】
夫れ夫れの駆動軸下方端部には、前述の各回転刈刃を夫れ夫れボルト等で取り付けた、横長刈り幅の草刈装置としており、各回転刈刃よりも下方まで垂下した立壁3によって、回転刈刃が回転時に生じる飛散小石や固形物の飛散を防止している。
リヤディスチャージモーア8の一工程における刈り幅は、図2の全体平面図で示すように、移動車両17の最大幅よりも両外側方へ突き出しており、左右側方回転刈刃4,6の回転軌跡は、夫れ夫れ前後車輪20,19よりも外方に突出している。また、夫れ夫れ隣合う左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5と右側方回転刈刃6間の間隔は、回転時に互いに接当しない最小の間隙tを有して軸間距離を決めているが、中央回転刈刃5が機体進行方向「F」に対して前方方向に先行して位置しているから、対地の芝草刈り取りに対して刈刃同士は寸法Sだけ重合することとなり刈り残しは生じない。
【0016】
図1の要部平面図で示す実施例では、左側方駆動軸102と中央駆動軸101の軸2本は平面視で右回り回転とし、右側方駆動軸103のみを左回り回転としている。また、図2の全体平面図や図3の全体側面図で示すように、モーアデッキ1の略平板状の上板2中央上方には、先に述べたように伝動ケース42が配設されている。該伝動ケース42の入力軸43には、センターピボット軸38後端を突出した作業機駆動用の第二PTO軸40の駆動力を、自在継手44を介して動力伝動を行なっている。入力軸43後部と中央駆動軸101上部間には一対の傘歯車104が備えられており、第二PTO軸40の駆動力が中央駆動軸101に伝動されている。
【0017】
リヤディスチャージモーア8は、図3で示す下降状態から、図5で示す吊り上げ状態に操作される時、左右の主フレーム18,18間に伝動ケース42が位置する。また、詳細は後述する安全カバー114や突部126の上方と、左右の主フレーム18,18下方間にも空間部があり、吊り上げに支障のない干渉しない構成としている。
【0018】
図2,図3,図4で示すように、伝動ケース42と上板2間の中央駆動軸101には、キーやスプライン等の係合具を介して中央プーリ105が取り付けられている。また、略平板状の上板2から上方に突出する、左側方駆動軸102の軸上部には左側プーリ106が係合具を介して取り付けられている。同様に、略平板状の上板2から上方に突出する右側方駆動軸103の軸上部には、平歯車107が取り付けられている。
【0019】
該平歯車107は、反転ギヤケース108内に内装され右回転する、同歯数の駆動平歯車109に噛み合っている。駆動平歯車109には、軸110が上方に向かって突出しており、軸110突出端に右側プーリ111が取り付けられている。
112はテンションプーリであって、同径のVプーリである右回転駆動の中央プーリ105と、左側プーリ106と、右側プーリ111間に駆け廻されたVベルト113の張り方向と張り力を調節している。これらのVベルト113や、中央プーリ105と左側プーリ106と右側プーリ111等の回転プーリの上部と側部は、安全カバー114で覆われている。
【0020】
図2で示すように、テンションプーリ112を、中央プーリ105と右側プーリ111の接線方向よりも大きく内方に押し込んだ位置に配設しているから、簡単な構成で、中央プーリ105と右側プーリ111に対するVベルト113の接触面積が増加し伝達伝動力が大きくできる。また、右側プーリ111の下部で平歯車107,109を利用して、右回りのVベルト113の回転方向を確実に左回りとして右側方駆動軸103に伝えることができるので、従来のように多くのVプーリを必要としない単純な構成と成り、コストダウンを図れる。
【0021】
各回転刈刃4,5,6はプロペラ状の平板であって、長手方向中央部を夫れ夫れの駆動軸102,101,103に取り付けており、突出平板の回転前方縁に芝草を切断する切刃115を有し、回転後方縁に芝草を飛散排出する羽根板116を有した一回転に二枚の切刃を設けた構成としている。この回転刈刃を前述したように、中央駆動軸101部を進行方向先頭とし、左右方向に三本並べて設けている。また、各駆動軸102,101,103間は前述したように、同一の角速度で駆動するようVベルト等の回転動力伝達具で連動連結されており、組立て当初は各回転刈刃4,5,6を夫れ夫れ90度の位相差となるように組付けている。しかし、使用に伴いVベルト113部でのスリップや、図示しない回転刈刃衝撃逃げ機構等でのスリップによって、各回転刈刃4,5,6の刃先位置はバラバラな位置になる。
【0022】
図例では、右回転刃を2軸と左回転刃を1軸として、その回転対向部をモーアデッキ1の右側方に偏位させている。そして、この対向部後方の立壁3部に刈草の排草口7を設けている。
次に、モーアデッキ1の内部に設けた、刈草案内部について図1,図4を主体に説明する。上板2は略平板状としているので、内面にガイド板がない場合、各回転刈刃4,5,6の先端側に設けた切刃115で刈り取って、羽根板116で上方に持ち上げた刈取芝草は上板2下面に接近状に溜り、所定量を越すと自重により地表面に落下するから、芝草の塊が走行後にあちこち不規則に点在し回収や掃除が大変である。
【0023】
そこで、図例では、これらの各回転刈刃4,5,6近傍に切断した芝草を案内する外周案内壁を設けている。左側方駆動軸102下端部の左側方回転刈刃4の回転軌跡と、中央駆動軸101下端部の中央回転刈刃5の回転軌跡の前方接線から少し前方へ余裕を持った位置に、天井側に上端部を固定した前案内板9を回転刈刃の略前方まで垂下し、この前案内板9と略等間隔に上下方向に短く後案内板10を同様に垂下して、該垂下した前後案内板9,10により左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5の前部間にわたる上方で、モーアデッキ1の上板2下面部に、刈草側方搬送路11を構成している。
【0024】
120は左側方立壁であって、左側方回転刈刃4の外周囲を間隙を持って覆う立壁であり、その前端部は、前述した前案内板9左側の通路開始端に接続され、後端部は中央回転刈刃5の外周囲を間隙を持って覆う立壁の一部である中央後立壁121と交わった交点部122まで延びている。前述したように後案内板10は下方を夫れ夫れの回転刈刃が通過するため所定以上は長くできず、図例では上板2と略平行の底板123で下面を閉鎖し、交点部122以降は暫時上板2側に向かう傾斜面123aとしている。
【0025】
中央回転刈刃5と右側方回転刈刃6の回転軌跡前方部には、少しの間隙を有した位置に平面視でV字状のV型案内板12を垂下すると共に、該V型案内板12の突出先端部124を通路の左右方向略中心位置として、モーアデッキ1後方に向かう出口側を左方に振った排草通路13のための左右案内板14,15をデッキ1の天井面側である上板2から垂下している。左案内板14の前部は、同様に中央回転刈刃5が通過するため、前記底板123を延長した端縁から上方突出する左短案内立壁14aとして上部空間を閉鎖した案内面としており、右案内板15の前部は、右側方回転刈刃6が通過するため、前記底板123と同程度の高さの右短案内立壁14aとしている。右短案内立壁14a右方の刈刃上部空間は、底板123bを横方向に延長して刈刃上部空間を閉鎖し狭くしている。
【0026】
右側方回転刈刃6の回転軌跡外周には間隙を持って、右側方立壁125が刈刃下方まで垂下しており、その前端部はV型案内板12側に接続され、後端部は右案内板15に接続している。
排草通路13後端部に位置するモーアデッキ1後方の立壁3部には、排草口7が開口されている。127は出口底板であって、排草口7下縁から内方にテーブル状に延びた面としており草排出性を向上させる。また、排草口7近傍の上板2部は、後方視下部開口「コ」字状に後部を少し上方突出した突部126を構成しており、通路断面積を増やして草排出を少しでも容易にしようとしている。突部126の前縁は、Vベルト113の下部前方から突出すると邪魔になるので、Vベルト113に接触しない後方部から上方に突設している。また、先に述べた反転ギヤケース108下部の上板2を形状に沿って浅く凹ました下方突部126aとしている。その他の上板2部には凹凸を設けていないので、製造しやすい構成のモーアデッキ1と成っている。また、内部の案内板を取り外せば、他のマルチングモーアのデッキにも素材共用化が容易になりコストダウンになる。
【0027】
このリヤディスチャージモーア8における、刈り取り芝草の流れを説明すると、機体の前進に伴い最初に中央回転刃5で刈り取った芝草は、V型案内板12に沿って即座に排草通路13に送られる。また、遅れて左側方回転刈刃4で切断する芝草は、刈草側方搬送路11を経て中央回転刃5で刈り取った芝草と共に、V型案内板12に沿って同様に排草通路13に送られる。また、右側方回転刈刃6で刈り取った芝草は、V型案内板12に沿って同様に排草通路13に送られる。
【0028】
この時、切断後に回転刈刃廻りに廻り込もうとする芝草は、上板2から下方に垂下した後案内板10や、左右短案内立壁14a,15aによって、モーアデッキ1内上半部の浮遊刈草を、通路以外への廻り込みを規制しながら即座に、出口方向を左に振った排草通路13に沿って下流の排出口7に刈草を搬出する。排出口7の廻りには横長四角形のシュータ16の基端部が位置しており、搬出刈草は排草通路13と同方向の出口方向を左に振ったシュータ16の筒内を、勢いを殺すことなく移動してブロアケース64から前方突出する吸気筒66の吸気口65まで一気に達する。
【0029】
このように、モーアデッキ1内で回転する三個の回転刈刃の起風により各案内板に沿って送られる刈草は、モーアデッキ1の立壁3の右側に偏位した位置に開口した排草口7位置でありながら、立壁3の前後に設けた排草通路13とシュータ16内の通路を、出口側を左方向に振った斜めの方向の通路としているため、刈草の移送抵抗少なく真っ直ぐに移送でき、刈草が通路内に詰まりにくくできメンテナンスが楽になる。また、斜め方向の通路としているため、所定幅の主フレーム18,18や、後主フレーム18a,18aの幅内空間を有効に利用でき、モーアデッキ1の吊り上げに際しても、中央の伝動ケース42は主フレーム18,18間に入り込むから、高く吊り上げが可能である。
【0030】
さらに、シュータ16の前端側を、横軸等のヒンジ67を介して排草口7の外周囲を覆って、シュータ16の突出先端部16aを吸気筒66の吸気口65で支持しているから、モーアデッキ1昇降時にシュータ16がヒンジ67を中心に上下揺動でき、簡単な構成で刈草搬送通路を構成できる。また、モーアデッキ1の安全カバー114と上方への突部126やシュータ16の各上面等と、後主フレーム18a,18a下部間には図5で示すように、吊り上げ時も間隙が生じているから吊り上げ高さを制限されない。
【0031】
これらの構成により、ブロア63を駆動回転すると、シュータ16の突出先端部16aまで一気に移送された刈草は、吸気筒66を経て搬送筒68からコレクタ69に送られる。
図6は、シュータ16入り口部で断面した、全体正面図であり、左右の後車輪19,19間に配設された後主フレーム18a,18aに対し、走行用伝動ケース26は右側の後主フレーム18a下側から内側方に取り付けられている。
【0032】
また、ブロアケース64と吸気筒66は、後主フレーム18a,18a間の左方に偏位し、シュータ16出口側は、走行用伝動ケース26下部の幅広空間部に配設されており、シュータ16基端部が昇降時に上下揺動しても、他物と接当しない。
このように、走行用伝動ケース26を右側の後主フレーム18a側に寄せたので、シュータ16の延出方向を平面視で出口側を左に振って、所定幅の左右後主フレーム18a,18a間であっても、余裕を持った幅広のシュータ16筒体とすることができ、刈草の詰まりの少ない搬送通路とすることが可能と成った。
【0033】
【発明の作用効果】
この発明は、前述した構成により、次のような技術的特有の効果を奏する。即ち、天井面の上板2と、外周囲に斜めまたは直下方にたれ下げた立壁3とで下部開口のモーアデッキ1を構成し、平板状の天井面である上板2に略横並びで夫れ夫れ回転可能に下方支持する3本の駆動軸102,101,103を取り付けると共に、夫れ夫れの駆動軸下端に左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5と右側方回転刈刃6を備え、平面視で左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5は右回転させ、右側方回転刈刃6は左回転させてその回転対向部を通路入口側左右方向中心位置として、出口側を左方に振った排草通路13を構成し、該排草通路13の後方の立壁3に排草口7を設けたリヤディスチャージモーア8とし、さらに、モーアデッキ1後部の排草口7廻りに基端部を取付け、先端部を後方に突出する刈草搬送用のシュータ16を設けるものにおいて、平面視でシュータ16の延出方向を前記の排草通路13の方向と同方向としたことを特徴とするリヤディスチャージモーアの刈草搬送装置としたので、モーアデッキ1内で回転する三個の回転刈刃の起風により各案内板に沿って送られる刈草は、モーアデッキ1の立壁3の右側に偏位した位置に開口した排草口7位置でありながら、立壁3の前後に設けた排草通路13とシュータ16内の通路を、出口側を左方向に振った斜めの方向の通路としているため、刈草の移送抵抗少なく真っ直ぐに移送でき、刈草が通路内に詰まりにくくできメンテナンスが楽になる。また、斜め方向の通路としているため、所定幅の主フレーム18,18や、後主フレーム18a,18aの幅内空間を有効に利用でき、モーアデッキ1の吊り上げに際しても、中央の伝動ケース42は主フレーム18,18間に入り込むから、高く吊り上げが可能である。
【0034】
また移動車両17の左右に一対設けた前後方向に長い左右フレーム18a,18a間幅内に収めるシュータ16を上下揺動自在とすると共に、その突出先端部16aを、左右フレーム18a,18a間後部に取り付けたブロアケース64の吸気筒66先端に挿入支持したことを特徴とするリヤディスチャージモーアの刈草搬送装置の構成としたので、モーアデッキ1昇降時にシュータ16がヒンジ67を中心に上下揺動でき、簡単な構成で刈草搬送通路を構成できる。また、モーアデッキ1の安全カバー114と上方への突部126やシュータ16の各上面等と、後主フレーム18a,18a下部間には、吊り上げ時も間隙を保ったまま昇降することができるから吊り上げ高さを制限されずに、刈草をシュータ16内に詰まらせずにその突出先端部16aから排草できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を切断した、モーアの回転刈刃廻りの、平面図である。
【図2】モーアを移動車両に取り付けた状態を示す、全体平面断面図である。
【図3】モーアと収納容器を移動車両に取り付け、モーア下降状態を示す、全体側面図である。
【図4】図1におけるモーアデッキの、A−A断面図である。
【図5】モーアと座席部を上昇した状態を示す、全体側面要部図である。
【図6】シュータ入り口部で断面した、全体正面図である。
【符号の説明】
1 モーアデッキ
2 上板
3 立壁
4 左側方回転刈刃
5 中央回転刈刃
6 右側方回転刈刃
7 排草口
8 リヤディスチャージモーア
13 排草通路
16 シュータ
16a 突出先端部
17 移動車両
18 主フレーム
18a 後主フレーム
64 ブロアケース
66 吸気筒
101 中央駆動軸
102 左側方駆動軸
103 右側方駆動軸
Claims (2)
- 天井面の上板2と、外周囲に斜めまたは直下方にたれ下げた立壁3とで下部開口のモーアデッキ1を構成し、平板状の天井面である上板2に略横並びで夫れ夫れ回転可能に下方支持する3本の駆動軸102,101,103を取り付けると共に、夫れ夫れの駆動軸下端に左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5と右側方回転刈刃6を備え、平面視で左側方回転刈刃4と中央回転刈刃5は右回転させ、右側方回転刈刃6は左回転させてその回転対向部を通路入口側左右方向中心位置として、出口側を左方に振った排草通路13を構成し、該排草通路13の後方の立壁3に排草口7を設けたリヤディスチャージモーア8とし、さらに、モーアデッキ1後部の排草口7廻りに基端部を取付け、先端部を後方に突出する刈草搬送用のシュータ16を設けるものにおいて、平面視でシュータ16の延出方向を前記の排草通路13の方向と同方向としたことを特徴とするリヤディスチャージモーアの刈草搬送装置。
- 移動車両17の左右に一対設けた前後方向に長い左右フレーム18a,18a間幅内に収めるシュータ16を上下揺動自在とすると共に、その突出先端部16aを、左右フレーム18a,18a間後部に取り付けたブロアケース64の吸気筒66先端に挿入支持したことを特徴とする請求項1記載のリヤディスチャージモーアの刈草搬送装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09513299A JP3900738B2 (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | リヤディスチャージモーアの刈草搬送装置 |
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Family Applications (1)
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JP09513299A Expired - Fee Related JP3900738B2 (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | リヤディスチャージモーアの刈草搬送装置 |
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JP (1) | JP3900738B2 (ja) |
-
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- 1999-04-01 JP JP09513299A patent/JP3900738B2/ja not_active Expired - Fee Related
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