JP3900430B2 - 組立て式カムシャフト用マンドレル及びこれを用いた組立て式カムシャフトの拡管方法 - Google Patents

組立て式カムシャフト用マンドレル及びこれを用いた組立て式カムシャフトの拡管方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安価な組立て式カムシャフトの組立てに際して、中空シャフトとカムロブとを固定するのに用いる組立て式カムシャフト用マンドレル及びこれを用いた組立て式カムシャフトの拡管方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記した組立て式カムシャフトを拡管するに際しては、カムロブの開口に中空シャフトを挿入し、次いで、上記中空シャフトの中空部にマンドレルを挿入して中空シャフトを拡管することにより中空シャフトとカムロブとを固定する方法(いわゆる、トリントン方法)が採用され、この方法を用いる場合には、マンドレルによる中空シャフト拡管時の摩擦力を減らすことで、組立て設備にかかる負荷の軽減や、マンドレルの摩耗抑制による工具の長寿命化を図る必要がある。
【0003】
従来において、中空シャフト拡管時の摩擦力を低減して、マンドレルと中空シャフトとの焼き付きを防ぐための対策として、例えば、中空シャフトの拡管を行う前に、中空シャフトの内周壁にリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布しておく手法が講じられている(例えば、特許文献1。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−25832号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したように、中空シャフト拡管時にマンドレルと中空シャフトとが焼き付くのを防ぐために、あらかじめ中空シャフトの内周壁にリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布する手段を採用すると、拡管する前の全ての中空シャフトの各内周壁に潤滑剤を塗布しなくてはならず、その分だけ組立てコストが高くついてしまうという問題があった。
【0006】
また、上記した中空シャフトの内周壁にリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布する場合には、良好な潤滑特性を維持することができるとは言い難く、中空シャフト拡管時においてカムロブに大きな歪が発生して割が生じてしまう可能性があるという問題を有しており、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上述した課題に着目してなされたもので、組立てコストの上昇を抑えたうえで、工具の長寿命化のみならず組立て設備にかかる負荷の軽減を実現することができ、加えて、組立て時におけるカムロブの割れをも阻止することが可能である組立て式カムシャフト用マンドレル及びこれを用いた組立て式カムシャフトの拡管方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、カムロブの開口に挿入した中空シャフトを拡管することによって中空シャフトとカムロブとを固定して成る組立て式カムシャフトの上記中空シャフトを拡管するのに用いるマンドレルであり、上記中空シャフトの内周壁との間に、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤を含有する冷間加工用潤滑油を介在させて、該中空シャフトを拡管するマンドレルであって、円柱状を成すマンドレル本体の外周面から突出して設けられて拡管時に中空シャフトの内周壁を押圧する複数の拡管用突起を備え、これらの拡管用突起の少なくとも中空シャフトの内周壁と接触する部分をイオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングにより成膜した炭素系硬質被膜で被覆すると共に、この炭素系硬質被膜で被覆した状態の仕上げ面粗度をRa0.2μm以下とした構成としたことを特徴としており、この組立て式カムシャフト用マンドレルの構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明では、カムロブの開口に中空シャフトを挿入した後、上記中空シャフトの中空部に請求項1〜4のいずれかに記載の組立て式カムシャフト用マンドレルを挿入して中空シャフトを拡管することにより、中空シャフトとカムロブとを固定する構成としたことを特徴としており、この組立て式カムシャフトの拡管方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0010】
さらに、上記目的を達成するため、本発明では、中空シャフトの中空部に組立て式カムシャフト用マンドレルを挿入して拡管するに際して、この組立て式カムシャフト用マンドレルと中空シャフトの内周壁との間に潤滑油、すなわち、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤を含有する潤滑油を介在させて拡管を行う構成としたことを特徴としており、この組立て式カムシャフトの拡管方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、上記した構成としたため、組立てコストを従来とほぼ同等に抑えつつ、工具寿命を延長することや組立て設備にかかる負荷を軽減することが可能であるのに加えて、中空シャフトの拡管時にカムロブに生じる応力を小さく抑えることができ、その結果、カムロブの割れをも防止することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1の組立て式カムシャフト用マンドレルにおいて、円柱状を成すマンドレル本体の外周面から突出する複数の拡管用突起のうちの少なくとも中空シャフトの内周壁と接触する部分を炭素系硬質被膜で被覆するようにした根拠は、従来用いられた非炭素系被膜とほぼ同等のコストであるにもかかわらず、拡管時における潤滑性が大幅に向上することに着目したからである。また、炭素系硬質被膜で被覆した状態の仕上げ面粗度をRa0.2μm以下とした根拠は、良好な潤滑特性を維持できることを見出したからであり、このようになすことで、上記した効果を得ることができる。この際、炭素系硬質被膜をイオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングにより成膜するようにしているが、その根拠は、イオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングにより炭素系硬質被膜を成膜すると、この炭素系硬質被膜の親油性が高くなることを見出したからである。
【0013】
本発明の請求項2の組立て式カムシャフト用マンドレルにおいて、炭素系硬質被膜で被覆した状態の仕上げ面粗度をRa0.02μm以下とした根拠は、このように仕上げ面粗度をRa0.02μm以下とすると、中空シャフト拡管時にマンドレルと中空シャフトとの間に生じる摩擦力を低減させることが可能であるからであり、これにより、工具の長寿命化や組立て設備にかかる負荷の軽減を実現することができるからである。
【0014】
本発明の請求項3の組立て式カムシャフト用マンドレルでは、炭素系硬質被膜を水素を含まないダイヤモンドライクカーボンとしているが、この場合、薄過ぎると被膜の割れが生じ、一方、厚すぎると被膜の剥離が生じるので、炭素系硬質被膜の厚さを0.2〜2.0μmとすることが望ましい。なお、水素を含まないダイヤモンドライクカーボンの成膜には、イオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングの方法を用いることが望ましく、原料に炭化水素ガスを用いるCVD法による成膜は、ダイヤモンドライクカーボン中に水素が含有されることとなるので好ましくない。
【0016】
本発明の請求項4の組立て式カムシャフト用マンドレルにおいて、基材硬さを60HRC以上とした根拠は、基材硬さが軟らかいと、中空シャフトの拡管時に容易に変形して炭素系硬質被膜が剥離してしまい、基材硬さが60HRC以上であれば、炭素系硬質被膜の剥離が生じ難くなることを見出したからである。
【0017】
本発明の請求項5の組立て式カムシャフトの拡管方法では、請求項1〜4のいずれかに記載の組立て式カムシャフト用マンドレルを用いて中空シャフトを拡管するようにしており、このようになすことで、中空シャフトの拡管時におけるカムロブに生じる応力を小さく抑えることが可能となる。
【0018】
本発明の請求項6の組立て式カムシャフトの拡管方法において、マンドレルと中空シャフトの内周壁との間に介在させる潤滑油を油性剤入り潤滑油(例えば、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤を含有する冷間加工用潤滑剤)とした場合、炭素系硬質被膜をイオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングにより成膜したものとすることが望ましい。その根拠は、イオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングにより成膜した炭素系硬質被膜の場合、上記油性剤入り潤滑油との親油性が高く、中空シャフト拡管時にマンドレルと中空シャフトとの間に生じる摩擦力を著しく低減させる効果を有することを見出したからである。
【0019】
この際、マンドレルと中空シャフトの内周壁との間に潤滑油を介在させるには、中空シャフト拡管の前工程で、中空シャフトの内周壁に潤滑油を塗布したり中空シャフト全体を潤滑油に浸けたりする方法を適宜選択して採用する。
【0020】
ここで、本発明に用いる潤滑油について詳細に説明する。上記した潤滑油は、潤滑油基油に脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤を含有して成り、上述した組立て式カムシャフトの拡管方法に用いられる。
【0021】
上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を有する脂肪酸エステルや、脂肪酸アミン化合物や、これらの任意混合物を挙げることができる。上記炭素数が6〜30でないときには、本発明のような中空シャフトの拡管時において、カムロブに生じる応力を小さく抑えることができない可能性がある。
【0022】
また、潤滑油基油は、通常潤滑油組成物の基油として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、鉱油系基油であるか合成系基油であるかを問わず使用することができる。
【0023】
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、ワックス異性化等の処理を1つ以上行って精製したものが挙げられ、特に水素化分解処理や水素化精製処理、あるいは、ワックス異性化処理が施されたものなどの各種の基油を用いることができる。
【0024】
一方、合成系基油としては、種種の混合物を例示することができるが、中でも1−オクテンオリゴマーや1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
【0025】
さらに、脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を有する脂肪酸と、脂肪族1価アルコール又は脂肪酸多価アルコールとから成るエステルなどを例示することができる。具体的な好適例としては、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ソルビタンモノオレート及びソルビタンジモノオレートがある。
【0026】
さらにまた、脂肪酸アミン化合物としては、脂肪酸モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸ポリアミン、イミダゾリン化合物等、及びこれらの誘導体を例示することができる。具体的には、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ステアリルアミン等を挙げることができ、好適な例として、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等がある。
【0027】
そして、本発明で用いる潤滑油に含まれる脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤の含有量は、特に制限されることはないが、組成物基準で、0.05〜3.0%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0%、特に好ましくは0.5〜1.4%がよい。この含有量が0.05%未満であると、摩擦低減効果が小さくなり易く、3%を超えると、優れた摩擦低減効果が得られるものの、潤滑油への溶解性や貯蔵安定性が著しく悪化し、沈殿物が発生し易くなるので好ましくない。
【0028】
また、本発明で用いる潤滑油には、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有することが好適である。その含有量は特に制限されないが、0.1〜15%が望ましく、より望ましくは1.0〜12%がよい。0.1%未満では清浄性効果に乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得難く、抗乳化性が悪化し易くなるので好ましくない。
【0029】
ここで、中空シャフトの拡管時にカムロブに割れが生じるか否かは、カムロブに発生する歪が破断限界歪に対して余裕があるか否かに依存しており、中空シャフトの拡管時のカムロブ歪が小さければ小さいほど、割れに対する安全率が向上する。また、高い捩じり強度を要求されて中空シャフトとカムロブとの締め代を厳しくする場合においても、本発明の炭素系硬質被膜で被覆したマンドレルを用いることで、中空シャフトの拡管時にカムロブ歪が著しく上昇するのを回避し得る。
【0030】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
【0031】
(実施例1)
図1に示すように、組立て式カムシャフト1は、カムロブ2の開口2aに挿入した中空シャフト3を拡管することで中空シャフト3とカムロブ2とを固定して成っており、この組立て式カムシャフト1の中空シャフト3に挿入して拡管するマンドレル10は、円柱状を成すマンドレル本体11と、このマンドレル本体11の外周面から突出して設けられて拡管時に中空シャフト3の内周壁3aを押圧する台形状を成す拡管用突起12を複数備えている。
【0032】
この実施例において、マンドレル10には基材硬さが62HRCのJIS工具鋼を用い、イオンプレーティングによって全体を膜厚1.5μmの水素を含まないダイヤモンドライクカーボン(DLC;炭素系硬質被膜)13で被覆した後、研磨加工を行って仕上げ面粗度をRa0.2μmとした。
【0033】
このマンドレル10を用いて組立て式カムシャフト1を拡管するに際しては、カムロブ2の開口2aに中空シャフト3を挿入した後、上記マンドレル10を中空シャフト3の中空部に送り速度200mm/minで挿入して、中空シャフト3を拡径率6%で拡管することにより、中空シャフト3とカムロブ2とを固定する。
【0034】
この際、マンドレル10と中空シャフト3の内周壁3aとの間には、油性剤を含んだ潤滑油を介在させて拡管を行った。
【0035】
(実施例2)
この実施例において、マンドレル10には基材硬さが63HRCのJIS工具鋼を用い、図2に示すように、拡管用突起12の少なくとも中空シャフト3の内周壁3aと接触する部分をイオンプレーティングによって膜厚1.0μmの水素を含まないダイヤモンドライクカーボン(炭素系硬質被膜)13で被覆した後、研磨加工を行って仕上げ面粗度をRa0.02μmとした。そして、このマンドレル10を用いて先の実施例と同じ条件で組立て式カムシャフト1の拡管を行った。
【0036】
(参考例)
の参考例において、実施例1のマンドレル10を用いて組立て式カムシャフト1を組立てるに際して、マンドレル10と中空シャフト3の内周壁3aとの間には潤滑油を介在させずに中空シャフト3の内周壁3aをりん酸亜鉛化成皮膜で被覆することを除いて、実施例1と同じ条件で拡管を行った。
【0037】
(比較例1)
この比較例において、マンドレルには基材硬さが60HRCのJIS工具鋼を用い、イオンプレーティングによって全体を膜厚2μmのTiNで被覆した後、研磨加工を行って仕上げ面粗度をRa0.2μmとした。そして、このマンドレルを用いて参考例と同じ条件で組立て式カムシャフトの拡管を行った。
【0038】
(比較例2)
この比較例において、マンドレルには基材硬さが55HRCのJIS工具鋼を用い、イオンプレーティングによって全体を膜厚1.5μmの水素を含まないダイヤモンドライクカーボンで被覆した後、研磨加工を行って仕上げ面粗度をRa0.6μmとした。そして、このマンドレルを用いて実施例1と同じ条件で組立て式カムシャフトの拡管を行った。
【0039】
(比較例3)
この比較例において、マンドレルに基材硬さが62HRCのJIS工具鋼を用いたことを除いて、比較例2と同じ条件で拡管を行った。
【0040】
(比較例4)
この比較例において、マンドレルに基材硬さが55HRCのJIS工具鋼を用い、浸漬によって全体を膜厚15μmのりん酸Mnで被覆した。そして、このマンドレルを用いて組立て式カムシャフトを組立てるに際して、マンドレルと中空シャフトの内周壁との間には潤滑油を介在させずに中空シャフトの内周壁をりん酸亜鉛化成皮膜で被覆することを除いて、比較例3と同じ条件で拡管を行った。
【0041】
そこで、実施例1,2と、参考例と、比較例1〜4における各々の中空シャフトの拡管時において、マンドレルの挿入に必要とする最大荷重(kgf)と、硬度を700HV程度に調質した炭素鋼カムロブに発生する最大歪(μs)とを測定した。この測定結果を実施例1,2と、参考例と、比較例1〜4の各仕様とともに表1に示す。
【0042】
また、実施例1,比較例2及び3における各々の中空シャフトの拡管時に用いた潤滑油Aと、実施例2における中空シャフトの拡管時に用いた潤滑油Bを表2に示す。
【0043】
この際、カムロブ歪は、図3に示すように、カムロブ2のベースサークル部分に設けた内径R溝(カムの位相を決めるための溝)2bに貼り付けた歪ゲージSで測定するようにしており、歪の単位(μs)は、例えば、6000μsならば、測定部位が0.6%歪んでいることを示している。
【0044】
【表1】
Figure 0003900430
【0045】
【表2】
Figure 0003900430
【0046】
表1に示す結果から、比較例1〜4と比べて、実施例1,2の各中空シャフト拡管時におけるマンドレル挿入荷重及びカムロブ内径溝底歪がいずれも低いことが判り、加えて、中空シャフト拡管後において、マンドレル10にはダイヤモンドライクカーボン13の剥離が認められなかったことから、実施例1,2のマンドレル10が良好な潤滑特性を有していることが実証できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるマンドレルを用いて中空シャフトを拡管する状況を示す部分断面説明図である。
【図2】本発明の他の実施例によるマンドレルを用いて中空シャフトを拡管する状況を示す部分断面説明図である。
【図3】カムロブ歪を測定する際の歪ゲージ測定部位を示すカムロブの正面説明図(a)及びカムロブの部分斜視説明図(b)である。
【符号の説明】
1 組立て式カムシャフト
2 カムロブ
2a 開口
3 中空シャフト
3a 内周壁
10 マンドレル
11 本体
12 拡管用突起
13 ダイヤモンドライクカーボン(炭素系硬質被膜)

Claims (6)

  1. カムロブの開口に挿入した中空シャフトを拡管することによって中空シャフトとカムロブとを固定して成る組立て式カムシャフトの上記中空シャフトを拡管するのに用いるマンドレルであり、
    上記中空シャフトの内周壁との間に、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪酸アミン系無灰摩擦調整剤を含有する冷間加工用潤滑油を介在させて、該中空シャフトを拡管するマンドレルであって、
    柱状を成すマンドレル本体の外周面から突出して設けられて拡管時に中空シャフトの内周壁を押圧する複数の拡管用突起を備え、これらの拡管用突起の少なくとも中空シャフトの内周壁と接触する部分をイオンプレーティング又はマグネトロンスパッタリングにより成膜した炭素系硬質被膜で被覆すると共に、この炭素系硬質被膜で被覆した状態の仕上げ面粗度をRa0.2μm以下としたことを特徴とする組立て式カムシャフト用マンドレル。
  2. 炭素系硬質被膜で被覆した状態の仕上げ面粗度をRa0.02μm以下とした請求項1に記載の組立て式カムシャフト用マンドレル。
  3. 炭素系硬質被膜を水素を含まないダイヤモンドライクカーボンとした請求項1又は2に記載の組立て式カムシャフト用マンドレル。
  4. 基材硬さを60HRC以上とした請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の組立て式カムシャフト用マンドレル。
  5. カムロブの開口に中空シャフトを挿入した後、上記中空シャフトの中空部に請求項1〜4のいずれかに記載の組立て式カムシャフト用マンドレルを挿入して中空シャフトを拡管することにより、中空シャフトとカムロブとを固定すること特徴とする組立て式カムシャフトの拡管方法。
  6. 中空シャフトの中空部に組立て式カムシャフト用マンドレルを挿入して拡管するに際して、この組立て式カムシャフト用マンドレルと中空シャフトの内周壁との間に潤滑油を介在させて拡管を行う請求項5に記載の組立て式カムシャフトの拡管方法。
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