JP3899767B2 - 精米施設の建屋構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精米施設の建屋構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコイン籾摺精米機等の精米施設の建屋は、柱と側壁と床を組み付け、サッシ式の開閉扉を有する構造のものが一般的である。
しかしながら、従来の建屋構造は、柱に取付金具等で側壁を取り付けているので、柱と側壁との間にどうしても隙間ができてゴミが溜まりやすく清掃性にかける。また、床面上にサッシ枠を配置するので、その部分に段差ができて客室のゴミを掃き出しにくく、さらに客がつまずく原因ともなるため危険である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、床面とサッシ枠との段差をなくして平坦にできる建屋構造を提供することにある。
また、他の目的は、剛性、防振性を向上できる建屋構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、柱と側壁と床を組み付け、サッシ式の開閉扉を有する精米施設の建屋構造であって、
該建屋内を仕切壁で前記開閉扉を備える操作室と、石抜装置や精米装置を備える機械室とに区分けし、該操作室側の左右両コーナーに配置される柱を平面視屈曲形状に形成し、
該柱の前側の端面には前記開閉扉を支持するサッシ枠を取り付け、柱の後側の端面には柱の端面の外面の一部を延設した延設部分と、該延設部分に対向する位置に上下方向にわたって設ける側壁支持部材とで側壁を挟持して支持する構成とし、
側壁を取り付けている柱の端面を床に取り付けると共に、前記サッシ枠とサッシ枠を取り付けている幅の柱の屈曲部分とを床の先端より外側に突出させる構成とし、サッシ枠下面の内側に扉レールを取り付けたときに、扉レールと床面を同じ高さにし、且つ、前記柱の屈曲部分とサッシ枠の部分の下側を柱受け部材で支持することを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6は精米施設の建屋を示すもので、図1は外観側面図、図2は操作室の正面図、図3は内部平面図、図4は図3のS1−S1矢視図、図5は図3のS2−S2矢視図、図6は図3のS3−S3矢視図である。
【0006】
図3の平面図に示すように、精米施設の建屋は、建屋内を仕切壁11で操作室(客室)A側と機械室B側とに区分けしている。仕切壁11は操作室A側に向けて操作パネル(図2参照)を備えており、また中央のやや下方には取り外し可能なカバー12(図2参照)を設けている。このカバー12を取り外すと、操作室A側から機械室B側への出入りが可能になっている。
【0007】
また、操作室A側に面する供給タンク1(穀粒供給口)より機械室B内の複数の搬送装置、精米装置等を経て、再び操作室A側に面する白米タンク8(穀粒取出口)に至る穀粒の作業経路を平面視略コの字型に配設している。すなわち、供給タンク1に続いて、機械室B内の一側に籾摺機4を、他側に精米装置7を備え、上記供給タンク1と籾摺機4との間を籾昇降機3で連通し、籾摺機4と精米装置7との間は精米昇降機6を配設している。また、還元通路17は、機械室B側に搬送された穀粒の操作室A側への返却用通路である。
【0008】
また、上記籾昇降機3と精米昇降機6のそれぞれの駆動モータ9、10を上記コの字型の内部、つまりコの字型の内側と仕切壁11との間に発生する空間内に配設している。
【0009】
さらに、精米作業の前処理工程を行う装置を機械室Bの後方に面して配設している。すなわち、石を除去する石抜機13を籾摺機4の下部に、さらに藁屑等を除去する異物除去装置5を石抜機13の側方であって精米昇降機6との間にそれぞれ配設している(図3、図5、図6参照)。なお、機械室Bの後方には、精米装置7で生じる糠を処理するためのサイクロン14、ヌカラセン15、糠袋16A,16Bをそれぞれ配設している。
【0010】
このような配置構成において、供給タンク1内に投入された籾(および玄米)は供給ラセン2によって籾昇降機3に移送され、さらに籾昇降機3により上方に運ばれて籾摺機4内に投入される。籾摺機4にて選別された玄米が石抜機13に入り、石抜機13にて石を選別される。次いで、異物除去装置5に入り、ここで藁屑等の異物が除去され、精米昇降機6に送られる。精米昇降機6にて上方に移送された玄米は精米装置7内に投入される。精米後の白米は白米タンク8に貯留される。また、精米装置7より圧送された糠はサイクロン14にて空気と分離され、ヌカラセン15にて搬送されて、糠袋16A、16Bに貯められる。
【0011】
図7は上記建屋の一部分解組立斜視図である。
すなわち、基本的には数本の柱20と床板21と数枚の側壁ボード22を組み立ててなる建屋構造であって、正面入口にはサッシ式の左右2枚の開閉扉24、24がサッシ枠23を介して取付けられ、左右の側面にはそれぞれ機械室へ入るためのドア26がドア枠25を介して取付けられる。また、建屋の屋根は、天井裏板27、断熱材28及び天板29を貼り合せている。
【0012】
図8は操作室側の内部斜視図、図9は操作室側の側面図、図10は側壁の取付構造を示す横断面図である。
建屋の正面入口側の左右両コーナーに配置される柱20A,20Bは、平面視屈曲形状に形成されており、この柱の正面側の端面には、サッシ式の左右2枚の開閉扉24A,24Bを支持するサッシ枠23を取り付けている。そして、このサッシ枠23を取付ける柱20A,20Bの部分(柱の屈曲部分)を床21の先端より外側に突出して設ける。要するに、図9を見ると明らかなように、建屋の側面から見て、少なくともサッシ枠23を取付けている幅の分だけ柱20A、20Bを床21の先端より外側に突出させて取付けることにより、サッシ枠23の設置位置を床面より低くできる。この突出した柱の部分の下端は断面コの字状の柱受け部材30を左右幅方向に亘って配置することにより支持する。なお、サッシ枠23下面の内側に扉レール31を取付けたときに、扉レール31と床面をほぼ同じ高さに設定できる。
【0013】
また、上述の如く平面視屈曲形状に形成された柱20A,20Bの内部は空洞に形成されている。さらにその側壁を取付ける側の端部は、図10に示すように柱の外面が延設され、柱の内面には所定の大きさの押え板33が縦の方向に嵌入されその先端が上記外面の延設部分20bとほぼ同じぐらいの位置に突出している。そして、これら柱外面の延設部分20b、柱端面および押え板33によって平面視コの字状に形成される部分に側壁ボード22の端部を差し込んで内側から押えボルト32で押え板33を固定し側壁ボード22を挟持固定することにより、柱20A,20Bに側壁ボード22を隣接して取付ける。なお、押え板33は柱の上下方向にわたって複数備えている。
【0014】
以上のように構成すると、サッシ枠23を床面上には設置しないのでサッシ枠23の設置位置を低くすることが可能となり、床面とサッシ枠23との段差を平坦にすることができる。したがって、たとえば客が穀粒袋等を持って出入りする際に足がつまずいて転倒するような危険を防止でき、さらに操作室の床面の清掃もしやすくなる。
【0015】
また、柱20A,20Bと側壁ボード22を一体的に取り付けることが可能となり、その結果建屋の剛性、防振性を向上させることができ、とくに本実施形態のように、柱20A,20Bの一部が床より外側に突出する構成においては建屋の剛性、防振性の向上効果は大きい。また、柱20A,20Bと側壁ボード22を取付けたときに隙間ができないので、ゴミ、穀粒等が入り込むのを防止できる。
【0016】
次に、建屋の照明手段について説明する。
図11は照明手段を示す建屋の一部を切り欠いた側面図である。
すなわち、操作室A側と店頭看板36側との境目の仕切をなくして、その位置に蛍光灯などの光源34を1つ設置し、店頭照明と客室照明に兼用するもので、店頭用と客室用に別々の光源を設置しなくても済み、コストダウンが図れる。また、看板36の軒下にカバー35を取付けておくと、虫が内部に入り込むのを防止できる。
【0017】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の建屋構造は、柱と側壁と床を組み付ける構造において、サッシ式の開閉扉を支持するサッシ枠を取り付ける建屋の柱の部分を床の先端より外側に突出して設けることにより、サッシ枠の取付位置を低くして床面とサッシ枠との段差を無くし平坦にすることができる。
【0018】
また、本発明の建屋構造は、建屋の柱を平面視屈曲形状に形成し、さらに柱の外面の一部を延設し、この屈曲した柱に上下方向にわたって固定した側壁支持部材と、柱の延設部分とで側壁を挟持して取り付けることにより、柱と側壁を一体的に取り付けることが可能でありさらに柱の屈曲部分とサッシ枠の部分の下側を柱受け部材で支持するので、建屋の剛性、防振性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】精米施設の建屋の外観側面図である。
【図2】その操作室の正面図である。
【図3】その内部平面図である。
【図4】図3のS1−S1矢視図である。
【図5】図3のS2−S2矢視図である。
【図6】図3のS3−S3矢視図である。
【図7】一部分解組立斜視図である。
【図8】操作室側の内部斜視図である。
【図9】操作室側の側面図である。
【図10】側壁の取付構造を示す横断面図である。
【図11】照明手段を示す建屋側面図である。
【符号の説明】
1 供給タンク
2 供給ラセン
3 籾昇降機
4 籾摺機
5 異物除去装置
6 精米昇降機
7 精米機
8 白米タンク
9、10 駆動モータ
11 仕切壁
12 カバー
13 石抜機
14 サイクロン
15 ヌカラセン
16A,16B 糠袋
17 還元通路
20A,20B 柱
21 床板
22 側壁ボード
23 サッシ枠
24A,24B 開閉扉
30 柱受け部材
31 扉レール
33 押え板

Claims (1)

  1. 柱と側壁と床を組み付け、サッシ式の開閉扉を有する精米施設の建屋構造であって、
    該建屋内を仕切壁で前記開閉扉を備える操作室と、石抜装置や精米装置を備える機械室とに区分けし、該操作室側の左右両コーナーに配置される柱を平面視屈曲形状に形成し、
    該柱の前側の端面には前記開閉扉を支持するサッシ枠を取り付け、柱の後側の端面には柱の端面の外面の一部を延設した延設部分と、該延設部分に対向する位置に上下方向にわたって設ける側壁支持部材とで側壁を挟持して支持する構成とし、
    側壁を取り付けている柱の端面を床に取り付けると共に、前記サッシ枠とサッシ枠を取り付けている幅の柱の屈曲部分とを床の先端より外側に突出させる構成とし、サッシ枠下面の内側に扉レールを取り付けたときに、扉レールと床面を同じ高さにし、且つ、前記柱の屈曲部分とサッシ枠の部分の下側を柱受け部材で支持する構成としたことを特徴とする精米施設の建屋構造。
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