JP3899458B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイクロン集塵器を備えた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から集塵室の塵埃を圧縮する手段を備えた電気掃除機は開発されており、図11は例えば特開昭54−50153号公報に開示された従来の電気掃除機を示す一部切欠きした側面図、図12はその本体ケースを縦置きにした状態を示す側面図である。
【0003】
図において、101は横長の本体ケースであり、電動送風機102を内蔵する電動ケース103、電動ケース103側にフィルタユニット104を収納する集集塵ケース105から構成されている。106は集塵ケース105内に形成され塵埃が集積される集塵室である。107は電動ケース103の後端壁、108は後端壁107に形成された排気口であり、電動ケース103に連通している。109は集塵室106に連通する吸引口である。110、111は電動ケース103と集塵ケース105にそれぞれ形成されたガイド部、112はガイド部110、111に摺動可能に保持された摺動軸、113a、113bはガイド部110、111に設けられたばねであり、摺動軸112を後端壁107側に付勢させる。114は摺動軸112の後端壁107側先端部に設けられた受部であり、ガイド部111から本体ケース101の後方に摺動可能に突出している。115は集塵室106内に設けられ、摺動軸112の先端に固定された圧縮板であり、多数の小孔(図示せず)が形成されている。
【0004】
掃除をする際、通常本体ケース101は図11に示すように横長に床面上に置かれる。この状態において摺動軸112はばね113a、113bに付勢され、受部114は本体ケース101の後端から突出している。そして、本体ケース101を図12に示すように縦置きにすると、受部114が床面Xに押されてガイド部111内へ摺動すると共に摺動軸112が集塵室106側に摺動し、圧縮板117が集塵室106内の塵埃を圧縮するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来に示す電気掃除機の構成においては、集塵室106内に塵埃が捕集された状態で本体ケース101を縦置きにした場合、受部114が摺動して集塵ケース105内の塵埃を圧縮することができるが、本体ケース101を床面に横長に置いて掃除を行う際、受部14は本体ケース101の後端壁107から突出しているため、掃除機本体を引き回す際に家具に衝突してしまうという課題があった。
【0006】
また、受部114の突出部分が本体ケース101を縦置きにする際、邪魔になり、掃除機本体の収納作業が煩わしくなるという課題があった。
【0007】
さらには、圧縮板115の移動可能な距離が塵埃の量に関わらず一定であるため、圧縮板115の移動距離が短かく構成されている場合は、塵埃の十分な圧縮効果が得られないという課題があった。また、逆に圧縮板115の移動距離が長く構成されている場合は、塵埃の圧縮効果は大きくなるが、受部114の本体ケース101の後端壁107からの突出量が大きくなり、使い勝手が悪くなるとともに、集塵室内106内の塵埃量が多い場合には、本体ケース101を縦置きにした時、受部114が本体ケース101の後端壁107から完全に収容されずに突出するため、縦置きにできなくなるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、塵埃の集塵量に関わらず、集塵室内の塵埃を圧縮して集塵室の集塵容量を増加させる使い勝手のよい電気掃除機を得ること目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる電気掃除機は、吸引した空気と塵埃を旋回させるサイクロン旋回室と該サイクロン旋回室で分離された塵埃を捕集する集塵室とを有するサイクロン集塵器を掃除機本体に設けた電気掃除機において、
前記集塵室内に、前記掃除機本体の傾斜に伴って前記集塵室内を重力の作用により移動すると共に、その重量により塵埃を圧縮する塵埃圧縮体を備えたものである。
【0010】
また、前記サイクロン集塵器は、中心軸を略水平方向に配置してなるサイクロン旋回室と、前記サイクロン旋回室の側周部から横方向に配置された集塵室とから形成されているものである。
【0011】
また、サイクロン集塵器は、中心軸を略水平方向に配置してなるサイクロン旋回室と該サイクロン旋回室の側周部から横方向に配置された集塵室とから形成され、前記塵埃圧縮体は、円柱形状を有し中心軸が略水平方向になるように前記集塵室内に設けられているものである。
【0012】
また、前記集塵室に前記塵埃圧縮体を導くガイド部を備えたものである。
【0013】
また、前記集塵室の底面を傾斜させたものである。
【0014】
また、前記集塵室に前記塵埃圧縮体が係止される係止溝を設けたものである。
【0015】
また、前記集塵室に塵埃を排出する塵埃廃棄口を備えたものである。
【0016】
また、前記塵埃圧縮体に、臭気を低減する手段を備えたものである。
【0017】
また、前記塵埃圧縮体に、菌の繁殖を抑制する手段を備えたものである。
【0018】
さらに、前記塵埃圧縮体の表面に光触媒を塗布し、前記集塵室を紫外線透過材料にて構成したものである。
【0019】
さらにまた、前記塵埃圧縮体に光を照射する発光手段を設けたものである。
【0020】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の掃除機本体を示す部分断面図、図2は掃除機本体に設けられたサイクロン集塵器の斜視図、図3から図6はサイクロン集塵器の集塵室内の状態を説明するための図であり、図3はサイクロン集塵器の水平状態の側面断面図、図4はサイクロン集塵器の傾斜状態の側面断面図、図5はサイクロン集塵器の縦置き状態の側面断面図、図6はサイクロン集塵器の塵埃廃棄時の側面断面図である。
【0021】
図において、1は掃除機本体、2は掃除機本体1の前方に設けられた吸気接続管、3は吸気接続管2に接続された吸気ホース、4は掃除機本体1に内蔵され、空気を吸引する電動送風機、5は掃除機本体1後方に設けられ、電動送風機4からの排気を掃除機本体1の外部に排出する本体排気口、6は掃除機本体1上部に設けられ、電動送風機4によって吸引された空気と塵埃から塵埃のみを遠心分離させて捕集するサイクロン集塵器、7はサイクロン集塵器6からの排気を電動送風機4に導く排気接続管、8は排気接続管7に内装された微粒子捕集用のバックアップフィルタである。
【0022】
サイクロン集塵器6は、図1、図2に示すように、略円筒形の中心軸を略水平方向に配置してなるサイクロン旋回室9と、サイクロン旋回室9の側周部から中心軸と直交する略水平方向に連結してなる横長形状の集塵室10と、サイクロン旋回室9の側周面の略横部に開口され、集塵室10に連通する塵埃排出口11と、サイクロン旋回室9の側周面下方部に開口されたサイクロン吸入口12と、サイクロン吸入口12と連結し、サイクロン旋回室9外周にサイクロン旋回室9の接線方向と合致するように設けられた吸入ダクト13と、サイクロン旋回室9の一端円盤面の略中央に開口して設けられたサイクロン排気口14と、サイクロン旋回室9内部に設けられサイクロン排気口14と接続し、側周部にメッシュ状のフィルタを配設した円筒形の内筒フィルタ15と、この内筒フィルタ15と略同径でサイクロン排気口14を介してサイクロン旋回室9の外側に延びた排出ダクト16とからなる。
【0023】
また、17は集塵室10内両側面に設けられた一対の傾斜ガイドであり、図2に示すとおり、サイクロン旋回室9と反対側の集塵室10後端部からサイクロン旋回室9に向って下方に傾斜している。18は集塵室10の後端部上方両側面に設けられた係止部であり、傾斜ガイド17とは反対方向に傾斜している。19は集塵室10内に設けられた質量が100g程度の円柱形状の塵埃圧縮体であり、一対の傾斜ガイド17に沿って移動可能に設けられている。また、塵埃圧縮体19の中心軸方向の長さは、塵埃圧縮体19が傾斜ガイド17に沿って移動する際に、水平方向に回転して傾斜ガイド17から外れることがない範囲で集塵室10の両側面間の幅よりも若干短く構成されている。また、塵埃圧縮体19の直径は集塵室10の高さの約1/2に構成されている。また、傾斜ガイド17と係止部18間の最小間隔は塵埃圧縮体19の直径以下になるように構成されている。
【0024】
20は集塵室10下面に形成された係止溝であり、塵埃圧縮体19は係止溝20に係止され、使用者が掃除作業を行っている際に掃除機本体1に揺動が生じても塵埃圧縮体19が集塵室10内で転がることを防止する。21は集塵室10の後端部に回動可能に設けられた集塵室蓋、22は集塵室蓋21の一辺を枢支する枢支軸であり、枢支軸22により集塵室蓋21は回動する。23は集塵室蓋21に設けられたフック、24は集塵室10上面に形成され、フック23と係合するフック溝、25は旋回室9の外周部に設けられ、集塵室10を着脱可能に嵌合する嵌合部である。なお、集塵室蓋21と集塵室10、および、嵌合部25と集塵室10の嵌合面にはシール材(図示せず)を挿入し、外部からの空気の流入がないように密閉させる。また、掃除機本体1上部にサイクロン集塵器6を設ける際、サイクロン集塵器6の係止溝20を掃除機本体1上部に設けた溝1aに嵌め込んで設置される。
【0025】
次に動作について説明する。
電動送風機4が作動すると、排出ダクト16から空気が吸引されるため、空気とともに塵埃が吸気ホース3、吸気接続管2、吸入ダクト13を介し、サイクロン吸入口12よりサイクロン旋回室9に吸入される。この時、吸入ダクト13はサイロン旋回室9の接線方向と合致するように連結されているため、塵埃を含む空気はサイクロン旋回室9の内部で高速旋回する。
【0026】
塵埃はサイクロン旋回室9内での旋回運動により、遠心力を受けて、サイクロン旋回室9内の側周内壁面に沿って高速旋回する。そして、サイクロン旋回室9側周面に押しつけられて旋回している塵埃は、常に外側に向かう遠心力を受けているため、サイクロン旋回室9の塵埃排出口11に到達した瞬間に塵埃排出口11から流入し、集塵室10に捕集される。このとき、塵埃は塵埃排出口11から遠い方、つまり掃除機本体1の後方に向かって流入して堆積する。塵埃排出口11は集塵室10に流入する空気流が捕集された塵埃を大きく攪拌しない程度の形状で形成されている。
【0027】
また、空気はサイクロン旋回室9を高速旋回しながら、内筒フィルタ15に吸引されて、サイクロン排気口14、排出ダクト16、排気接続管7、バックアップフィルタ8を介して電動送風機4に吸引される。サイクロン旋回室9で空気と分離されなかった微粒子は空気と共にサイクロン排気口14から排出され、バックアップフィルタ8により捕集される。
【0028】
集塵室10では、捕集した塵埃に重力と塵埃排出口11から流入する空気流のみが作用するため、質量の軽い塵埃は空気流によって集塵室10内で攪拌されるが、塵埃が圧縮されることはほとんどない。
【0029】
捕集した塵埃の種類が、特に細かい繊維成分が弱い結合力で絡み合って集合体となった綿ゴミを多く含む塵埃である場合、塵埃は質量の割に体積が多く、空気流により攪拌されやすいため、図3に示すように、掃除機本体1が水平状態にある場合、塵埃は集塵室10の奥まで到達せずに堆積する。したがって、塵埃排出口11から集塵室10の奥への塵埃の飛散経路を塞ぐため、綿ゴミを含まない塵埃に比べ集塵容量が少なくなる。
【0030】
そして、図3の状態から、使用者が掃除機本体1を縦置きにして収納する際には、掃除機本体1の前方を上方向に引き上げると、図4に示すように、集塵室10は傾斜し、塵埃圧縮体19が係止溝20から外れ、傾斜ガイド17に沿って集塵室蓋21方向に向かって移動する。このとき、塵埃圧縮体19がその重量により塵埃を集塵室10の奥に向かって押圧する。綿ゴミを多く含む塵埃に押圧力が作用することにより、繊維成分間の隙間が狭くなり、塵埃の体積が減少する。
【0031】
集塵室10の後方への傾斜が大きくなるほど、塵埃圧縮体19が塵埃に作用する押圧力が大きくなるため、塵埃圧縮体19が塵埃を圧縮しながら集塵室10の奥、つまり集塵室蓋21側に移動し、塵埃の体積がさらに減少する。塵埃圧縮体19は集塵室10の奥に移動するほど集塵室10の底面から離れ、圧縮された塵埃の中央付近を押圧する。このとき塵埃の上下の部分には押圧力が作用しなくなるが、綿ゴミは繊維成分が絡み付いているため、塵埃の一部分への押圧により、塵埃全体に力が作用し、塵埃全体が圧縮する。
【0032】
そして、掃除機本体1を縦置きの状態にすると、図5に示すように、集塵室10は略垂直になり、塵埃圧縮体19の塵埃への押圧力は最大となる。この状態で、掃除機本体1が収納されると、次回の使用時までの期間に塵埃は圧縮され続けるため、塵埃の体積が減少する。
【0033】
再び掃除を行うために、掃除機本体1を水平状態に戻すと、塵埃圧縮体19は重力の作用により、傾斜ガイド17の斜面上をサイクロン旋回室9側、掃除機本体1前方向に転がり、係止溝20に係止される。したがって、塵埃の廃棄作業を行わなくとも集塵室10内の集塵空間が確保されるため、連続して掃除作業を行うことが可能となる。
【0034】
また、圧縮された塵埃を廃棄する際は、サイクロン集塵器6を掃除機本体1から取り外し、図6に示すように、集塵室蓋21のフック23をフック溝24から外すことにより、集塵室蓋21が枢支軸22を支点に集塵室10から開放される。このとき、塵埃圧縮体19が塵埃を下方に押し出すため、簡単に塵埃を廃棄することができる。また、塵埃圧縮体19は傾斜ガイド17と係止部18によって支持されるため、塵埃と共に落下することがない。
【0035】
また、集塵室10および塵埃圧縮体19を洗浄する際は、集塵室10をサイクロン旋回室9の嵌合部25から取り外し、塵埃圧縮体19を取り出してから洗浄することができる。
【0036】
以上のように実施の形態1によれば、サイクロン集塵器6の集塵室10内に掃除機本体1の傾斜に伴って集塵室10内を移動する塵埃圧縮体19を備えたことにより、綿ゴミを多く含む塵埃を捕集しても、掃除機本体1を傾斜させるとき、例えば掃除機本体1を縦置きにして収納するとき、塵埃圧縮体19が塵埃を圧縮するので、集塵容量を確保することができる。したがって、塵埃の廃棄頻度を少なくすることができ、使い勝手がよい。
【0037】
なお、実施の形態1において、集塵室10内部に傾斜ガイド17を設けた構成としているが、構成としてはこの限りではなく、集塵室10の底面を傾斜させて塵埃圧縮体19をガイドする構成にしても同様の効果が得られる。
【0038】
実施の形態2.
図7は本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の塵埃圧縮体を示す斜視図である。なお、実施の形態1と同一または相当する部分には同じ符号を付し、説明を省略する。図において、26は一端が開口し、内部に空間を有する円筒状の塵埃圧縮体ケース、27は塵埃圧縮体ケース26の側周部に複数設けられた通気口であり、塵埃圧縮体ケース26の長手方向に開口している。28は塵埃圧縮体ケース26の開口部分に設けられたケースねじ部、29は塵埃圧縮体ケース26の開口を覆う集塵圧縮体蓋、30は集塵圧縮体蓋29に設けられ、塵埃圧縮体ケース26のケースねじ部28に螺合する蓋ねじ部、31は塵埃圧縮体ケース26内に収容された顆粒状の脱臭材である。塵埃圧縮体19は塵埃圧縮体ケース26と塵埃圧縮体蓋29が嵌着されて構成される。
【0039】
掃除機本体1が縦置きの状態で収納されている場合は、上述した実施の形態1と同様に、図5に示すように塵埃圧縮体19が集塵室10内で塵埃を圧縮している。実施の形態2によれば、塵埃圧縮体19内に脱臭材31が収容されているため、塵埃から発生する臭気成分が通気口27を介して脱臭材31に吸収され、集塵室10内の臭気を低減することができる。したがって、次に掃除が行われる際の排気の臭気を低減させることができる。また、塵埃中に存在する菌の繁殖を抑制することができる。
【0040】
また、長期間使用するうちに、通気口27を介して塵埃圧縮体19内部に塵埃が侵入し、脱臭材31に塵埃が付着して脱臭機能が低下した場合は、塵埃圧縮体ケース26から塵埃圧縮体蓋29を外して、脱臭材31を交換することで脱臭機能を復活させることがである。また、脱臭材31を洗浄可能な材料で構成すれば、脱臭材31洗浄後に再び利用することが可能となる。
【0041】
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の塵埃圧縮体を示す断面図である。なお、実施の形態1と同一または相当する部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、32は塵埃圧縮体19の表面に塗布された抗菌剤である。そして、掃除機本体1が縦置きの状態で収納されている場合、実施の形態1と同様、図5に示すように、塵埃圧縮体19は集塵室10内で塵埃を圧縮している。実施の形態3によれば、塵埃圧縮体19の抗菌剤32の殺菌作用により、塵埃の抗菌剤32が接触する部分に存在する菌を殺菌することができ、菌の繁殖を抑制することができる。
【0042】
なお、本実施の形態3において、抗菌剤32を塵埃圧縮体19の表面に塗布した構成としているが、塵埃圧縮体19の製造時に塵埃圧縮体19を構成する材料の中に抗菌剤を練り込んで製造しても同様の効果が得られる。
【0043】
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4に係る電気掃除機の塵埃圧縮体を示す断面図である。なお、実施の形態1と同一または相当する部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、33は塵埃圧縮体19の表面に塗布された光触媒である。また、実施の形態4において、集塵室10は紫外線透過材料で構成されているものとする。そして、掃除機本体1が縦置きの状態で収納されている場合、実施の形態1と同様に、図5に示すように、塵埃圧縮体19が集塵室10内で塵埃を圧縮している。実施の形態4によれば、集塵室10は紫外線透過材料で構成されているため、塵埃圧縮体19表面の光触媒32が集塵室10外部から透過してくる紫外線により活性化され、光触媒32表面で電子と正孔の対が生成され、光触媒32表面に活性酸素を発生する。この活性酸素の作用により塵埃から発生する臭気成分が分解され、集塵室10内の臭気を低減させるとともに、塵埃の光触媒32が接触する部分に存在する菌を殺菌する。したがって、集塵室10内の臭気が低減し、菌の繁殖が抑制される。
【0044】
実施の形態5.
図10は本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の掃除機本体を示す部分断面図である。実施の形態1及び4と同一または相当する部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、34は掃除機本体1上に設けられ、紫外線を含む光を発光する発光LED、35は電気掃除機の駆動中に電力を蓄える蓄電池、36は掃除機本体1の収納時に蓄電池の電力により、発光LED34を発光させる制御回路である。実施の形態5において、塵埃圧縮体19および集塵室10は実施の形態4の場合と同様に、塵埃圧縮体19の表面には光触媒33が塗布され、集塵室10は紫外線透過材料で構成されている。
【0045】
次に動作について説明する。
掃除機本体1を縦置き状態で収納すると、実施の形態4と同様に、図5に示すように、塵埃圧縮体19が集塵室10内で塵埃を圧縮する。このとき使用者が制御回路37の動作スイッチ(図示せず)をONすることにより、蓄電池36の電力によって一定時間発光LED34が発光する。集塵室10は紫外線透過材料で構成されているため、塵埃圧縮体19表面の光触媒32に発光LEDから紫外線が照射され、これにより光触媒32が活性化され、光触媒32表面で電子と正孔の対が生成され、光触媒32表面に活性酸素を発生する。この活性酸素の作用により塵埃から発生する臭気成分が分解され、集塵室10内の臭気が低減するとともに、塵埃の光触媒32が接触する部分に存在する菌を殺菌する。したがって、集塵室10内の臭気が低減し、菌の繁殖が抑制される。
【0046】
なお、本実施の形態5において、制御回路37の動作を使用者が行う構成としているが、掃除機本体1が縦置きになったことを検出するセンサを設け、自動的に制御回路37が動作する構成としてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、吸引した空気と塵埃を旋回させるサイクロン旋回室と該サイクロン旋回室で分離された塵埃を捕集する集塵室とを有するサイクロン集塵器を掃除機本体に設け、集塵室内に、掃除機本体の傾斜に伴って集塵室内を重力の作用により移動すると共に、その重量により塵埃を圧縮する塵埃圧縮体を備えたので、掃除機本体を傾斜させた際に、塵埃圧縮体により集塵室内に吸引された塵埃を圧縮することができ、集塵容量を増加させることができる。また、集塵容量を増加させることで塵埃の廃棄頻度を少なくでき、使い勝手が向上する。
【0048】
また、サイクロン集塵器は、中心軸を略水平方向に配置してなるサイクロン旋回室と該サイクロン旋回室の側周部から横方向に配置された集塵室とから形成され、塵埃圧縮体は、円柱形状を有し中心軸が略水平方向になるように集塵室内に設けられているので、掃除機本体を傾斜させた際に、集塵室が縦方向に傾斜して塵埃圧縮体により塵埃を圧縮することができ、集塵容量を増加させることができる。また、塵埃の廃棄頻度を少なくでき、使い勝手が向上する。
【0049】
また、集塵室に塵埃圧縮体の移動を導くガイドを備えたので、掃除機本体を直角に立てた状態から、水平に戻した際に、塵埃圧縮体が元の位置に戻ることができ、塵埃の圧縮作業を連続して行うことができる。
【0050】
また、集塵室の底面を傾斜させたので、塵埃圧縮体が移動しやすく、圧縮効率が向上する。
【0051】
また、集塵室に塵埃圧縮体が係止される係止溝を設けたので、使用者が掃除作業を行っている際に掃除機本体に多少の揺動が生じても、塵埃圧縮体が集塵室内で転がることを防止することができる。
【0052】
また、集塵室の後端部に塵埃を排出する塵埃廃棄口を備えたので、圧縮された塵埃を廃棄しやすいという効果がある。
【0053】
また、塵埃圧縮体に、臭気を低減する手段を備えたので、塵埃から発生する臭気を低減させることができる。
【0054】
また、塵埃圧縮体に、菌の繁殖を抑制する手段を備えたので、塵埃中に存在する菌を殺菌することができるため、集塵室内の菌の繁殖を抑えることができる。
【0055】
さらに、塵埃圧縮体の表面に光触媒を塗布し、集塵室を紫外線透過材料にて構成したので、塵埃圧縮体が塵埃を圧縮している最中に、集塵室外部からの光により光触媒の脱臭および殺菌作用が得られるため、集塵室内の臭気が少なく、菌の繁殖を抑えることができる。
【0056】
また、塵埃圧縮体に光を照射する発光手段を設けたので、光が入らない場所に収納した場合においても、集塵室内の臭気を防ぎ、菌の繁殖を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の掃除機本体を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る電気掃除機のサイクロン集塵器を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る電気掃除機のサイクロン集塵器の水平状態を示す側面断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る電気掃除機のサイクロン集塵器の傾斜状態を示す側面断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る電気掃除機のサイクロン集塵器の縦置き状態を示す側面断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係る電気掃除機のサイクロン集塵器の塵埃を廃棄する時の状態を示す側面断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の塵埃圧縮体を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の塵埃圧縮体を示す断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態4に係る電気掃除機の塵埃圧縮体を示す断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の掃除機本体を示す部分断面図である。
【図11】 従来の電気掃除機を示す一部切欠きした側面図である。
【図12】 従来の電気掃除機の本体ケースを縦置きにした状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 掃除機本体、2 吸気接続管、3 吸気ホース、4 電動送風機、
5 本体排気口、6 サイクロン集塵器、7 排気接続管、
8 バックアップフィルタ、9 サイクロン旋回室、10 集塵室、
11 塵埃排出口、12 サイクロン吸入口、13 吸入ダクト、
14 サイクロン排気口、15 内筒フィルタ、16 排出ダクト、
17 傾斜ガイド、18 係止部、19 塵埃圧縮体、20 係止溝、
21 集塵室蓋、22 枢支軸、23 フック、24 フック溝、
25 嵌合部、26 塵埃圧縮体ケース、27 通気口、
28 ケースねじ部、29 塵埃圧縮体蓋、30 蓋ねじ部、31 脱臭材、
32 抗菌剤、33 光触媒、34 発光LED、35 蓄電池、
36 制御回路。

Claims (11)

  1. 吸引した空気と塵埃を旋回させるサイクロン旋回室と該サイクロン旋回室で分離された塵埃を捕集する集塵室とを有するサイクロン集塵器を掃除機本体に設けた電気掃除機において、
    前記集塵室内に、前記掃除機本体の傾斜に伴って前記集塵室内を重力の作用により移動すると共に、その重量により塵埃を圧縮する塵埃圧縮体を備えたことを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記サイクロン集塵器は、中心軸を略水平方向に配置してなるサイクロン旋回室と、前記サイクロン旋回室の側周部から横方向に配置された集塵室とから形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  3. 前記サイクロン集塵器は、中心軸を略水平方向に配置してなるサイクロン旋回室と該サイクロン旋回室の側周部から横方向に配置された集塵室とから形成され、前記塵埃圧縮体は、円柱形状を有し中心軸が略水平方向になるように前記集塵室内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  4. 前記集塵室に前記塵埃圧縮体を導くガイド部を備えたことを特徴とする請求項1または3のいずれか1つに記載された電気掃除機。
  5. 前記集塵室の底面を傾斜させたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電気掃除機。
  6. 前記集塵室に前記塵埃圧縮体が係止される係止溝を設けたことを特徴とする請求項1、3、4のうちいずれか1つに記載の電気掃除機。
  7. 前記集塵室に塵埃を排出する塵埃廃棄口を備えたこと特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載された電気掃除機。
  8. 前記塵埃圧縮体に、臭気を低減する手段を備えたことを特徴とする請求項1、3、4、6のうちいずれか1つに記載された電気掃除機。
  9. 前記塵埃圧縮体に、菌の繁殖を抑制する手段を備えたことを特徴とする請求項1、3、4、6のうちいずれか1つに記載された電気掃除機。
  10. 前記塵埃圧縮体の表面に光触媒を塗布し、前記集塵室を紫外線透過材料にて構成したことを特徴とする請求項1、3、4、6のうちいずれか1つに記載された電気掃除機。
  11. 前記塵埃圧縮体に光を照射する発光手段を設けたことを特徴とする請求項10記載の電気掃除機。
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