JP3899276B2 - 折畳式通函 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、物品の運搬に繰り返して使用する通函に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、物品の運搬に繰り返して使用する通函として、底面板の周囲に各一対の側面板及び棲面板を立設し、その上に天面板を被せ、解体時には、前記各板を分離して重ね、嵩張らない状態で返送できるようにしたものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような通函は、解体時に積み重ねた各板が運搬中にばらばらになりやすく、取り扱いが難しいという問題がある。
【0004】
そこで、この発明は、解体状態で各板を一体化でき、容易に運搬できる通函を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は、底面板の周囲に各一対の側面板及び棲面板を立設し、その上に天面板を被せた通函において、底面板の四隅にヒンジ金具を上方へ突き出すように取り付け、各対のヒンジ金具により棲面板を底面板に起伏自在に連結し、解体時には、天面板を取り外した後、一対の側面板を取り外し、これらの側面板を挟むように一対の棲面板を順次内側へ倒し、その上に天面板を載せて、天面板の隅部をヒンジ金具に係合させることとしたのである。
【0006】
このように構成すると、解体後の折畳状態において、底面板とこれに連結された棲面板とで側面板が挟まれ、底面板と天面板とがヒンジ金具を介し係合して、各板が一体化されるので、運搬が容易になる。
【0007】
また、前記側面板及び棲面板は、フレームにパネルを、周囲のL形材とその間に渡した鉄筋とで挟むように、着脱自在に嵌めて構成すると、パネルが物流過程で損傷しても、パネルだけを交換することができる。
【0008】
さらに、前記側面板のL形材を挿入する受金具を、底面板の四隅にフレームから突出しないように取り付けておくと、フォークリフトの爪などがフレームに当たっても、受金具は変形しないので、L形材を差し込む隙間が確保される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1乃至図3に示すように、この通函は、底面板1と、各一対の側面板2及び棲面板3と、天面板4とから成り、物品の輸送時には、底面板1の周囲に各一対の側面板2及び棲面板3を立設し、その上に天面板4を被せた状態で使用する。
【0011】
底面板1は、鋼製の角筒材11と、細長い板材12と、L形材13とを組み合わせてパレット状のフレーム14を形成し、その上面に木製のパネル15を固定して構成する。
【0012】
側面板2は、四本の鋼製のL形材21乃至23を方形状に組み合わせ、上下のL形材22,23間に鉄筋24を渡してフレーム25を形成し、このフレーム25にプラスチックダンボール製のパネル26を、L形材21乃至23と鉄筋24とで挟むように、着脱自在に嵌めて構成する。
【0013】
棲面板3は、四本の鋼製のL形材31乃至33を方形状に組み合わせ、上下のL形材32,33間に鉄筋34を渡し、L形材31乃至33のなす角部に短い鉄筋35を斜めに渡してフレーム36を形成し、このフレーム36にプラスチックダンボール製のパネル37を、L形材31乃至33と鉄筋34,35とで挟むように、着脱自在に嵌めて構成する。
【0014】
このように、側面板2及び棲面板3において、フレーム25,36に対しパネル26,37を着脱できるようにしておくと、パネル26,37が物流過程で損傷しても、パネル26,37だけを交換することができる。
【0015】
天面板4は、四本の鋼製のL形材41を方形状に組み合わせてフレーム42を形成し、このフレーム42に亜鉛製のパネル43を固定し、その四隅に積上用金具44を取り付けて構成する。
【0016】
上記のような底面板1の四隅には、ヒンジ金具5を上方へ突き出すように取り付け、各対のヒンジ金具5に挿通したピン6を介して、棲面板3を底面板1に起伏自在に連結する。各棲面板3に対するピン6の位置には高低差を設ける。
【0017】
このとき、棲面板3は、L形材31乃至33の一辺がなすフランジ及び鉄筋34,35が内側へ向くように取り付ける。そして、通函の組立時における棲面板3の起立状態は、図示省略したストッパにより維持する。
【0018】
一方、側面板2は、物品を底面板1の上に積み込んだ後、L形材21乃至23の一辺がなすフランジ及び鉄筋24を内側へ向け、左右のL形材21を棲面板3の左右のL形材31の外側に沿わせるように立てかける。
【0019】
このとき、L形材21の下方への突出部を、底面板1の四隅に取り付けた受金具7に挿入し、側面板2及び棲面板3の上部のL形材22,32を、その端部に設けたピン穴27,38にピンを差し込んで接合する。
【0020】
ここで、受金具7を、フレーム14の下側の板材12から突出しないように取り付けておくと、フォークリフトの爪などが板材12に当たっても、受金具7が変形しないので、L形材21を差し込む隙間が確保される。
【0021】
そして、天面板4は、L形材41の一辺がなすフランジを下側へ向け、このフランジで各一対の側面板2及び棲面板3の上部を包囲するように被せる。
【0022】
上記のように組み立てた通函を、送り先へ搬入して解体する際には、まず、図2及び図3に示すように、天面板4を持ち上げて取り外した後、一対の側面板2を取り外し、この状態で物品を取り出す。
【0023】
次に、図4に示すように、一方の側面板2を、鉄筋24の面が上に向くように底面板1の上に置き、図5に示すように、この側面板2の上に、ピン6の位置が低い一方の棲面板3を倒す。
【0024】
続いて、図6に示すように、他方の側面板2を、鉄筋24の面が上に向くように、先に倒した一方の棲面板3の上に置き、図7に示すように、この側面板2の上に、ピン6の位置が高い他方の棲面板3を倒し、その上に天面板4を載せ、図8に示すように、天面板4の隅部をヒンジ金具5に係合させる。
【0025】
このように解体して折り畳むと、底面板1とこれに連結された棲面板3とで側面板2が挟まれ、底面板1と天面板4とがヒンジ金具5を介し係合して、各板1乃至4がばらばらになることなく、一体化されるので、この通函は、返送時に容易に運搬することができる。
【0026】
なお、図9に示すように、棲面板3の両側面には長穴39が設けられ、この長穴39にピン6が挿通されて、棲面板3はヒンジ金具5に対してスライドするようになっているので、棲面板3を伏倒させる際、底面板1の内側へスライドさせると、ピン6の位置が高くても、棲面板3が外側へ突出することがない。
【0027】
ところで、この通函は、市販の一般規格品であるL形材やプラスチック段ボール等を組み合わせて各板1乃至4を形成するので、専用の金型が不要であり、小ロットの製品でも低価格で製造できる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る通函は、底面板から上方に突き出すヒンジ金具で棲面板を底面板に起伏自在に連結し、解体時には、底面板と伏倒させた棲面板とで側面板が挟まれ、底面板と天面板とがヒンジ金具を介し係合して、各板が一体化されるようにしたので、返送時に容易に運搬することができる。
【0029】
また、前記側面板及び棲面板は、フレームにパネルを、周囲のL形材とその間に渡した鉄筋とで挟むように、着脱自在に嵌めて構成すると、パネルが物流過程で損傷しても、パネルだけを交換することができる。
【0030】
さらに、前記側面板のL形材を挿入する受金具を、底面板の四隅にフレームから突出しないように取り付けておくと、フォークリフトの爪などがフレームに当たっても、受金具は変形しないので、L形材を差し込む隙間が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る通函の組立状態を示す斜視図
【図2】同上の天面版の取外し状態を示す斜視図
【図3】同上の側面板の取外し状態を示す斜視図
【図4】同上の一方の側面板の載置状態を示す斜視図
【図5】同上の一方の棲面板の折畳状態を示す斜視図
【図6】同上の他方の側面板の載置状態を示す斜視図
【図7】同上の他方の棲面板の折畳状態を示す斜視図
【図8】同上の通函の折畳状態を示す斜視図
【図9】同上のヒンジ金具付近の部分拡大正面図
【符号の説明】
1 底面板
2 側面板
3 棲面板
4 天面板
5 ヒンジ金具
6 ピン
7 受金具
14,25,36,42 フレーム
15,26,37,43 パネル
21〜23,31〜33 L形材
24,34,35 鉄筋
27,38 ピン穴
39 長穴

Claims (2)

  1. 底面板1の周囲に各一対の側面板2及び棲面板3を立設し、その上に天面板4を被せた通函において、底面板1の四隅にヒンジ金具5を上方へ突き出すように取り付け、側面板2及び棲面板3は、フレーム25,36にパネル26,37を、周囲のL形材とその間に渡した鉄筋とで挟むように、着脱自在に嵌めて構成し、各対のヒンジ金具5により棲面板3を底面板1に起伏自在に連結し、解体時には、天面板4を取り外した後、一対の側面板2を取り外し、これらの側面板2を挟むように一対の棲面板3を順次内側へ倒し、その上に天面板4を載せて、天面板4の隅部をヒンジ金具5に係合させることを特徴とする折畳式通函。
  2. 前記側面板2のL形材を挿入する受金具7を、底面板1の四隅にフレーム14から突出しないように取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の折畳式通函。
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