JP3898848B2 - ガス分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸光分析法を利用したガス分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここでは、従来技術として吸光分析法によるガス分析技術について説明する。
【0003】
図7は、従来の吸光分析法によるガス分析装置の模式図である。
【0004】
白色光源1から発せられた白色光aから干渉フィルタ2で狭帯域の波長の光のみを取り出し、その干渉フィルタ2を透過した光bの一部をハーフミラー3で取り出して光量測定器4に入射させ、ハーフミラー3を透過した光を、測定しようとする気体(以下、被測定用気体と称する)中を透過させ、その被測定用気体透過後の光の一部をハーフミラー5で取り出してもう1つの光量測定器6に入射させる。
【0005】
被測定用気体は、その気体成分に応じて特定の波長の光を吸収するため、光量測定器4での受光光量ともう1つの光量測定器6での受光光量とを比較することにより、その被測定用気体中に含まれる吸光に寄与する成分量を知ることができる。このような、被測定用気体の分析手法は、吸光分析法として知られている。
【0006】
図8は、図7のガス分析装置の白色光源から発せられた光の波長スペクトルを示す図であり、図9は、干渉フィルタを透過した光の波長スペクトルおよび被測定用気体の吸収線スペクトルを示す図である。
【0007】
白色光源から発せられた光aは、図8に示すように広範囲な波長分布を有しており、干渉フィルタを用いることにより、例えば、図9に示すような10nm程度の波長幅の光bが得られる。これに対し、被測定用気体による吸収線cは、例えば、半値幅が10pm=10×10-3nm程度であり、従って被測定用気体に入射する光の光量に対する、被測定用気体を透過した後の光の光量は、この吸収線cと同一波長の光が100%吸収されたとしても高々1/1000程度減衰しているに過ぎない。すなわち、図7に示すガス分析装置では、検出しようとする信号変化分は、吸収線cによりその吸収線cと同一波長の光が100%吸収されたとしても高々1/1000程度であり、その検出しようとする信号に対し約1000倍のバイアス成分が重畳されていることになり、そのような極めて僅かな変化分を高精度に検出するのは極めて困難である。
【0008】
このことから、白色光源に代えてレーザ光源を用いることが考えられる。レーザ光源から発せられるレーザ光の発振線幅は、例えば0.1pm程度であり、被測定用気体の吸収線の波長幅である10pmよりも十分に狭く、レーザ光の波長を制御するための何らかのフィードバックループを形成してレーザ光の波長を吸収線の波長幅内に調整することができれば、そのレーザ光全体が被測定用気体による吸収の対象となり、極めて高精度の吸光分析が可能となる。
【0009】
しかしながら、レーザ光は温度変化や駆動電流の変動に応じて発振波長が変化しやすく、安定した吸光分析を行うことが難しいため、レーザ光を用いた吸光分析法によるガス分析装置はまだ実現されていない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、動作の安定した高精度のガス分析装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のガス分析装置は、
波長可変な光を出射する光源と、
内部に所定の気体が封入され上記光源から出射した光が通過する光音響セルと、
上記光音響セル内部の音圧をピックアップするマイクロフォンと、
上記マイクロフォンでピックアップされた音圧をモニタしながら、上記光源から出射される光の波長を、上記光音響セル中の気体による吸収線の波長を中心として周期的に変化させる波長制御部と、
上記光音響セルを通過しさらに被測定用気体雰囲気を経由した光を受光する受光素子と、
上記受光素子の出力に基づいて被測定用気体の量あるいは濃度を求める演算部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
ここで、上記光源が、半導体レーザであって、上記波長制御部が半導体レーザの駆動電流を制御するものであることが好ましい。
【0013】
また、上記マイクロフォンが、上記光音響セル内部の音圧を表面に受けて振動するダイヤフラム、ダイヤフラムの裏面側に配置されダイヤフラムの振動をピックアップするセンサ、ダイヤフラムの裏面を隔壁の一つとする内部空間を形成し内部空間にセンサを配置してなる枠体、および、内部空間内の圧力を上記光音響セル内部の圧力に合わせるガス流路を有するものであることも好ましい。
【0014】
さらに、上記演算部が、上記受光素子の出力を、上記波長制御部による、上記光源から出射される光の周期的変化の周波数と同一の周波数でロックイン検波を行うロックインアンプを含むものであることも好ましく、また、上記演算部が、上記受光素子の出力を、上記波長制御部による、上記光源から出射される光の周期的変化の周波数の2倍の周波数でロックイン検波を行うロックインアンプを含むものであることも好ましい態様である。
【0015】
さらに、このガス分析装置が、エンジンの排気ガスを被測定用気体とするものであって、
上記光音響セルが、内部に水蒸気を含む気体が封入されるものであり、上記演算部が、エンジンの排気ガス中の水蒸気の量あるいは濃度を求めるものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態のガス分析装置の概略構成図である。
【0018】
図1には、波長可変なレーザ光11aを出射する半導体レーザ11と、内部に気体G1が封入され、半導体レーザ11から出射したレーザ光11aが通過する光音響セル12と、光音響セル12内部の音圧をピックアップするマイクロフォン13と、マイクロフォン13でピックアップされた音圧をモニタしながら、半導体レーザ11から出射されるレーザ光11aの波長を、光音響セル12中の気体G1による吸収線の波長を中心として周期的に変化させる波長制御部14と、光音響セル12を通過したレーザ光がさらに被測定用気体G2雰囲気を通過した後のレーザ光11bを受光する、フォトダイオードなどの受光素子15と、受光素子15の出力に基づいて被測定用気体G2の量あるいは濃度を求める演算部16とを備えたガス分析装置10が示されている。
【0019】
波長制御部14は、半導体レーザ11の温度をコントロールする温度コントローラ14a、半導体レーザ11の駆動電流をコントロールする電流コントローラ14b、およびマイクロフォン13からの出力信号を、後述する変調信号発生回路19の変調信号でロックイン検波するロックインアンプ14cからなる。
【0020】
演算部16には、受光素子15の出力を、変調信号発生回路19の変調信号でロックイン検波するロックインアンプ16aおよびロックインアンプ16aからの検波出力から被測定用気体G2の量あるいは濃度を求めるCPU16bを内蔵している。
【0021】
このガス分析装置10には、これらのほかに、半導体レーザ11の温度を所定の温度に設定するための温度設定回路17、半導体レーザ11に所定の駆動電流を供給するための電流供給回路18、半導体レーザ11の駆動電流に周期的変化を与えるための変調信号を発生する変調信号発生回路19、および、レーザ光の光路上に配置されたいくつかのレンズが備えられている。
【0022】
なお、本実施形態における半導体レーザ11は、本発明にいう光源に相当するものである。光源は必ずしも半導体レーザに限定されるものではなく、波長可変な光であればよいが、小型であること、および取り扱い易さなどの点から半導体レーザを用いることが好ましい。
【0023】
次に、このガス分析装置10の動作について説明する。
【0024】
この実施形態では、エンジンの排気ガスを被測定用気体G2として用いており、光音響セル12内部には、水蒸気を含む気体G1が封入されている。
【0025】
温度設定回路17および電流供給回路18を用いて、半導体レーザ11の発振波長が、測定対象である光音響セル12中の気体G1中の水蒸気による吸収線の中心波長とほぼ一致するように半導体レーザ11の温度および駆動電流を設定するとともに、半導体レーザ11の駆動電流に、変調信号発生回路19で発生させた変調信号を重畳する。電流供給回路18から供給されるDC電流に変調信号発生回路19の変調信号が重畳されると、半導体レーザ11の発振周波数が変調される。
【0026】
いま、DC電流による発振周波数をν0、変調成分をνm、変調周波数をfmとすると、半導体レーザ11の発振周波数νは、(1)式で表される。
【0027】
ν=ν0+νmcos(2πfmt) … (1)
測定対象の気体G1による吸収線の信号スペクトルをf(ν)とすると、半導体レーザ11からのレーザ光11aを光音響セル12に入力した場合、マイクロフォン13から出力される信号は次式に比例する。
【0028】
f(ν)=f(ν0+νmcos(2πfmt)) … (2)
いま、ν0>>νmとすると(3)式が得られる。
【0029】
f(ν)=f(ν0)+f’(ν0)・νm・cos(2πfmt) … (3)
吸収線の中心周波数をνc、スペクトル半値幅をνhとし、測定対象の気体の吸収線の線スペクトルをローレンツ型で表すと(4)式が得られる。
【0030】
f(ν)=1/(1+((ν−νc)2/νh2)) … (4)
ここで、(3)式をロックインアンプで変調周波数fmでロックイン検波して周波数fmの信号成分のみを出力する。その出力をSとし、ロックインアンプのゲインをAとすると(5)式が得られる。
【0031】
S=Af’(ν0)・νm … (5)
(5)式に(4)式を微分して代入すると(6)式が得られる。
【0032】
S=−2A(ν0−νc)/νh2(1+((ν0−νc)2/νh2)2) … (6)
(6)式より、DC電流による発振周波数ν0が、吸収線の中心周波数νcと一致すると、ロックインアンプの出力Sはゼロになることがわかる。
【0033】
図2は、測定対象の気体の吸収線の線スペクトル、およびレーザ光の波長を変化させたときのロックインアンプの出力を示すグラフである。
【0034】
図2に示した線スペクトルAは上記(4)式に対応するものであり、ロックインアンプの出力Sは上記(6)式に対応するものである。
【0035】
上記のような線スペクトルAを有する気体G1が封入された光音響セル12に、この線スペクトルAの中心波長λ0に近い波長を中心として周期的に波長が変化するレーザ光11aを通過させ、マイクロフォン13により音圧信号を検出し、それを変調信号発生回路19からの変調信号でロックイン検波すると、その検波出力Sは、レーザ光11aの波長が線スペクトルAの中心波長λ0と一致した時には図2にS0点として示すように出力ゼロとなるが、レーザ光11aの波長が線スペクトルAの中心波長λ0よりも図2の左側の波長λ1となった時には図2にS1点として示すようにプラスの電圧が出力され、反対に、レーザ光11aの波長が線スペクトルAの中心波長λ0よりも図2の右側の波長λ2となった時には図2にS2点として示すようにマイナスの電圧が出力される。
【0036】
図1に示す本実施形態のガス分析装置10では、電流供給回路18から供給されるDC電流に、変調信号発生回路19からの変調信号を重畳することにより半導体レーザ11から出射されるレーザ光の波長を周期的に変化させている。
【0037】
半導体レーザ11から出射されたレーザ光11aは光音響セル12に導かれ、レーザ光11aによる音圧がマイクロフォン13でピックアップされる。マイクロフォン13でピックアップされた音圧は電気信号に変換されて波長制御部14のロックインアンプ14cに入力される。ロックインアンプ14cは、入力された信号を、変調信号発生回路19の変調信号でロックイン検波する。電流コントローラ14bは、ロックインアンプ14cによる検波出力をモニタしながら半導体レーザ11の駆動電流をコントロールすることにより、半導体レーザ11から出射されるレーザ光11aの波長が、光音響セル12中の気体G1による吸収線の中心波長λ0(図2参照)を中心として周期的に変化するように制御する。すなわち、波長制御部14は、半導体レーザ11から出射されるレーザ光11aの、変調信号による波長の周期的な変化の中心の波長が、吸収線スペクトルAの中心波長λ0と一致するように、半導体レーザ11の駆動電流をコントロールする。
【0038】
レーザ光11aの波長をこのように制御することにより、例えば温度変化、あるいは電源の変動などにより半導体レーザ11の発信周波数がドリフトしても、レーザ光11aの波長は気体G1の吸収線スペクトルの中心波長λ0を中心として所定の波長幅で周期的に変化し続ける。
【0039】
このように制御された状態で半導体レーザ11から出射されたレーザ光11aは、光音響セル12を通過しさらに被測定用気体G2雰囲気を経由した後、受光素子15により受光される。レーザ光11bを受光した受光素子15からの出力信号は演算部16に送られる。
【0040】
演算部16に備えられたロックインアンプ16aは、受光素子15からの出力信号を、変調信号発生回路19から送られてきた参照信号R、すなわち変調信号の周波数でロックイン検波する。
【0041】
図3は、被測定用気体G2雰囲気を経由した後のレーザ光受光信号の電圧波形(a)、およびそれを変調信号の周波数と同一の周波数fでロックイン検波した後の出力波形(b)を示す図である。
【0042】
前述のように、レーザ光11aの波長は、気体G1の吸収線スペクトルの中心波長λ0を中心として周期的に変化するが、レーザ光11aの波長を周期的に変化させるにあたっては、変調信号により半導体レーザ11の駆動電流を周期的に変化させている。このため、レーザ光11aは波長が周期的に変化するとともにその光量も周期的に変化し、従って受光素子15からの出力信号は、図3(a)に示すように、先ずは被測定用気体G2による吸収分とは無関係に1/fの周期で変化している。このレーザ光11aは、その波長が波長λ0と一致した時にレーザ光は被測定用気体G2により吸収されてその吸収された分だけ減光するので、図3(a)に示すように、被測定用気体G2雰囲気を経由した後のレーザ光受光信号の出力波形には、1/fの周期毎に2回、出力が低下する。この出力低下の度合いは、被測定用気体G2の量あるいは濃度に比例しているのでこの出力低下分を取り出すことにより気体G2の量あるいは濃度を求めることができる。
【0043】
図3(b)に示すように、受光素子出力を変調信号の周波数と同一の周波数fでロックイン検波した後の検波出力は、光量の1/fの周期変化に起因するオフセット分を含んでいるので、演算部16のCPU16bにより、そのオフセット分L0と、被測定用気体G2が存在する状態におけるロックイン検波出力レベルL1との差L2を演算で求めることにより被測定用気体G2の量あるいは濃度を得ることができる。
【0044】
なお、この図3では、後述する第2の実施形態との対比上、変調信号による1/fの周期の光量変化およびそれに起因するオフセット分L0が強調して描かれているが、これらは、必要とする測定精度がそれほどの高精度である必要がないときは、誤差として無視してもよいレベルのものである。
【0045】
次に、図1に示した本実施形態のガス分析装置10に備えられたマイクロフォン13について説明する。
【0046】
図4は、本実施形態のガス分析装置に備えられたマイクロフォンの内部構造の概要を示す模式図である。
【0047】
マイクロフォン13は、その頭部13aが光音響セル12の内部に配置された状態に、光音響セル12に気密状態に固定されている。
【0048】
このマイクロフォン13は、その頭部13aにダイヤフラム131を有し、そのダイヤフラム131は、そのダイヤフラム131の表面131aに光音響セル12の内部に封入された被測定用気体の音圧ΔPを受けて振動する。このダイヤフラム131の裏面131bの側には、その裏面131bを1つの隔壁とする内部空間132が形成されており、その内部空間132の、ダイヤフラム131の近傍には、ダイヤフラム131の振動をピックアップするセンサ133が配置されている。そのセンサ133は、例えばコンデンサマイクロフォンの場合、ダイヤフラム131との間の静電容量測定用の電極板からなり、ダイヤフラム131の振動に伴って変化する静電容量がピックアップされる。そのセンサ133は、取付具134を介して枠体135に固定されている。
【0049】
ここで、従来のマイクロフォンでは、取付具134と枠体135との間など部品どうしの隙間を介して僅かながら空気の出入りがあり、内部空間の圧力は、外気圧P2と同一の圧力に保たれるが、この図4に示すマイクロフォン13の場合、それら部品どうしの隙間は完全な気密性が保たれるようにシールされている。
【0050】
マイクロフォン13の枠体135の、光音響セル12の外部に晒された部分と、光音響セル12との間には、気体流路136が形成されており、マイクロフォン13の内部空間132と光音響セル12の内部とを合わせた空間が外部から気密に保たれている。このため、光音響セル12内部の圧力がどのような圧力であっても、マイクロフォン13を図1に示すように光音響セル12に取り付けた状態で暫く放置することにより、内部空間132は光音響セル12の内部の圧力P1と同一の圧力P1となり、ダイヤフラム131は平らに張られた状態となり、光音響セル12内部の音圧ΔPを測定することができる。
【0051】
なお、上記のマイクロフォン13では、枠体135の、光音響セル12の外部に晒された部分と光音響セル12との間に気体流路136が形成されているが、このような気体流路136を必ず設けなければならないわけではなく、例えば、図4のダイヤフラム131の中央に、気体流路としてのピンホールを穿設することにより、そのピンホールを介して光音響セル12の内部の被測定気体が、マイクロフォン13の内部空間132に出入りし、その内部空間132が、光音響セル12の内部の圧力P1と同一の圧力P1に保たれるようにしてもよい。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0053】
図5は、本発明の第2の実施形態のガス分析装置の概略構成図である。
【0054】
このガス分析装置20と図1に示した本発明の第1の実施形態のガス分析装置10との相違点は、演算部26が、ロックインアンプ26aおよびCPU26bに加え、さらに周波数逓倍装置26cを備えた構成となっている点である。この周波数逓倍装置26cは、参照信号Rとして送られてきた変調信号の周波数fの2倍の周波数2fの変調信号を生成してロックインアンプ26aに送る。ロックインアンプ26aは、その周波数2fでロックイン検波を行う。
【0055】
図6は、被測定用気体G2雰囲気を経由した後のレーザ光受光信号の電圧波形(a)、およびそれを変調信号の周波数fの2倍の周波数2fでロックイン検波した後の出力波形(b)を示す図である。
【0056】
図6(a)に示す電圧波形は、図3(a)と同様であるが、図6(b)に示すように、受光素子の出力を吸収線中心周波数の2倍の周波数2fでロックイン検波した後の出力は、変調成分によるオフセット分がゼロとなるので、検波出力レベルL1から直接、被測定用気体G2の量あるいは濃度を得ることができる。 従って、第1の実施形態のガス分析装置10における吸収線中心周波数1fでロックイン検波した場合と異なり、変調成分によるオフセット分を分離除去する必要がなくなるので、演算部26のCPU26bによる演算を簡略化することができ、かつ測定精度を向上させることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガス分析装置によれば、内部に気体が封入された光音響セルに波長可変な光を通過させ、光音響セル内部の音圧をモニタしながら、光の波長が、光音響セル内の気体による吸収線スペクトルを中心として周期的に変化するように制御するとともに、その制御された光を被測定用気体雰囲気中を通過させて受光素子で受光し、その受光出力に基づいて被測定用気体の量あるいは濃度を求めているので、動作の安定した高精度のガス分析装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のガス分析装置の概略構成図である。
【図2】測定対象の気体の吸収線の線スペクトル、およびレーザ光の波長を変化させたときのロックインアンプの出力を示すグラフである。
【図3】被測定用気体G2雰囲気を経由した後のレーザ光受光信号の電圧波形(a)、およびそれを変調信号の周波数と同一の周波数fでロックイン検波した後の出力波形(b)を示す図である。
【図4】本実施形態のガス分析装置に備えられたマイクロフォンの内部構造の概要を示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のガス分析装置の概略構成図である。
【図6】被測定用気体G2雰囲気を経由した後のレーザ光受光信号の電圧波形(a)、およびそれを変調信号の周波数fの2倍の周波数2fでロックイン検波した後の出力波形(b)を示す図である。
【図7】従来の吸光分析法によるガス分析装置の模式図である。
【図8】図7のガス分析装置の白色光源から発せられた光の波長スペクトルを示す図である。
【図9】干渉フィルタを透過した光の波長スペクトルおよび被測定用気体の吸収線スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 白色光源
2 干渉フィルタ
3,5 ハーフミラー
4,6 光量測定器
10 ガス分析装置
11 半導体レーザ
11a,11b レーザ光
12 光音響セル
13 マイクロフォン
13a 頭部
14 波長制御部
14a 温度コントローラ
14b 電流コントローラ
14c ロックインアンプ
15 受光素子
16 演算部
16a ロックインアンプ
16b CPU
17 温度設定回路
18 電流供給回路
19 変調信号発生回路
20 ガス分析装置
26 演算部
26a ロックインアンプ
26b CPU
26c 周波数逓倍装置
131 ダイヤフラム
131a 表面
131b 裏面
132 内部空間
133 センサ
134 取付具
135 枠体
136 気体流路
Claims (5)
- 波長可変な光を出射する光源と、
内部に所定の気体が封入され前記光源から出射した光が通過する光音響セルと、
前記光音響セル内部の音圧をピックアップするマイクロフォンと、
前記マイクロフォンでピックアップされた音圧をモニタしながら、前記光源から出射される光の波長を、前記光音響セル中の気体による吸収線の波長を中心として周期的に変化させる波長制御部と、
前記光音響セルを通過しさらに被測定用気体雰囲気を経由した光を受光する受光素子と、
前記受光素子の出力に基づいて被測定用気体の量あるいは濃度を求める演算部とを備え、
前記マイクロフォンが、前記光音響セル内部の音圧を表面に受けて振動するダイヤフラム、該ダイヤフラムの裏面側に配置され該ダイヤフラムの振動をピックアップするセンサ、該ダイヤフラムの裏面を隔壁の一つとする内部空間を形成し該内部空間に該センサを配置してなる枠体、および、該内部空間内の圧力を前記光音響セル内部の圧力に合わせるガス流路を有するものであることを特徴とするガス分析装置。 - 前記光源が、半導体レーザであって、前記波長制御部が該半導体レーザの駆動電流を制御するものであることを特徴とする請求項1記載のガス分析装置。
- 前記演算部が、前記受光素子の出力を、前記波長制御部による、前記光源から出射される光の周期的変化の周波数と同一の周波数でロックイン検波を行うロックインアンプを含むものであることを特徴とする請求項1記載のガス分析装置。
- 前記演算部が、前記受光素子の出力を、前記波長制御部による、前記光源から出射される光の周期的変化の周波数の2倍の周波数でロックイン検波を行うロックインアンプを含むものであることを特徴とする請求項1又は2記載のガス分析装置。
- このガス分析装置は、エンジンの排気ガスを被測定用気体とするものであって、
前記光音響セルが、内部に水蒸気を含む気体が封入されるものであり、
前記演算部が、エンジンの排気ガス中の水蒸気の量あるいは濃度を求めるものであることを特徴とする請求項1記載のガス分析装置。
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