JP3898662B2 - 結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬として使用されるエチドロン酸2ナトリウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチドロン酸2ナトリウムは、構造式:
【化1】
で示され、骨粗鬆症、脊髄損傷後または股関節形成術後における初期および進行期の異所性骨化の抑制、骨ページェット病等の治療剤として販売されている。
エチドロン酸2ナトリウムは、種々の方法で製造されるエチドロン酸(特許文献1等)を水酸化ナトリウム等で中和することで製造される。しかし、その工業的な製造方法については知られていなかった。
【0003】
他方、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物は、以下の2つの文献で知られている。
非特許文献1には、エチドロン酸2ナトリウム2水和物が製造されたこと、およびその粉末X線スペクトルデータが記載されている。しかし、本文献にはエチドロン酸カリウムの非常に簡単な製造例が記載されているのみであり、エチドロン酸2ナトリウム2水和物が具体的にいかに製造されたか、またいかなる物性、晶癖、晶相を有する結晶であったかに関しては一切記載されていない。なお、粉末X線回折図によると、本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物は、この結晶とは異なる結晶である。
非特許文献2には、エチドロン酸2ナトリウム水溶液をメタノールに加えて一旦固化・結晶化させた後、水のみから再結晶することで、エチドロン酸2ナトリウム4水和物を製造したことが記載されている。しかし、この方法は固化・結晶化およびろ過の操作をそれぞれ2度行わなければならず、工業的に実施するには困難であり、また収率も51%と低かった。
【特許文献1】
特公昭50-17456号公報
【非特許文献1】
Monatshefte fur Chemie 99, p.2016-2023 (1968)
【非特許文献2】
Zeitschrift fur Anorganische und Allgemeine Chemie Band 381, p.247-259 (1971)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
まず、エチドロン酸2ナトリウム水溶液をメタノールに添加する前述の公知結晶化方法を検討した。この方法では滴下と同時に結晶が析出するために、結晶の大きさを制御することが困難であり、そのため、ろ過に多大な時間がかかり、反応槽から取り出すことが困難であった。また、不純物の除去が不十分になり、さらに単純な乾燥では水、親水性有機溶媒が残留するという問題もあった。そこで、本発明が解決しようとする課題は、エチドロン酸2ナトリウムを工業的に容易に実施できる製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造方法につき鋭意検討の結果、親水性有機溶媒をエチドロン酸2ナトリウム水溶液に制御しながら添加することにより、ろ過性が格段に向上したエチドロン酸2ナトリウム水和物の結晶が得られ、また、エチドロン酸2ナトリウム水和物を高収率で、容易に簡便に工業的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
[1] エチドロン酸2ナトリウムの水溶液に、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の一次核形成を遅らせると共に二次核形成を助長する速度で親水性有機溶媒を添加して結晶化処理することを特徴とする結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造方法。
[2] 一次核形成を遅らせると共に二次核形成を助長する速度が2時間以上で添加する速度である[1]記載の製造方法。
[3] 結晶化中に温度を下げる[1]または[2]記載の製造方法。
[4] 結晶化開始時の温度が約30〜約60℃であり、結晶採取時の温度が約-10〜約20℃である[3]記載の製造方法。
[5] エチドロン酸2ナトリウムの水溶液のpHが4.2〜5.2の範囲にある[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
[6] 親水性有機溶媒がメタノール、エタノールまたはアセトンである[1]〜[5]のいずれか記載の製造方法。
[7] エチドロン酸2ナトリウムの水溶液に親水性有機溶媒を加え、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物が飽和した状態で、エチドロン酸2ナトリウム水和物の種晶を添加する[1]〜[6]のいずれか記載の製造方法。
【0006】
[8] 粉末X線回折図において回折角(2θ):8.3、12.9および16.7度に主ピークを示す結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
[9] 粉末X線回折図において下記の回折角(2θ)および相対強度を示す結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
【表2】
[10] 2水和物である[8]または[9]記載のエチドロン酸2ナトリウム水和物。
[11] 粒子長の平均が約100μmより大きく、長さ対幅のアスペクト比の平均が約4:1以上である[1]〜[7]のいずれか記載の製造方法で製造される結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
[12] 粒子長の平均が約100μmより大きく、長さ対幅のアスペクト比の平均が約5:1〜約15:1の範囲である[1]〜[7]のいずれか記載の製造方法で製造される結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
[13] [1]〜[7]のいずれか記載の製造方法で製造された結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物、または[8]〜[12]のいずれか記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を乾燥することによる無水エチドロン酸2ナトリウムの製造方法。
[14] [1]〜[7]のいずれか記載の製造方法で製造された結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物、[8]〜[12]のいずれか記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物、または[13]記載の製造方法で製造された無水エチドロン酸2ナトリウムを、必要に応じて粉砕し、薬学上許容される賦形剤および必要に応じて崩壊剤、結合剤、滑沢剤と混合することによる医薬製剤の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に供されるエチドロン酸2ナトリウムの水溶液は、例えば市販されているエチドロン酸の水溶液に水酸化ナトリウム等のナトリウム塩基を反応させて調整することができる。その際、pHが4.2〜5.2の範囲になるようにナトリウム塩基を加えるのが好ましい。それにより、高純度の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を収率よく製造することができる。
エチドロン酸2ナトリウムの水溶液における水の量は、エチドロン酸2ナトリウムが溶解する量であれば特に制限されないが、例えばエチドロン酸2ナトリウムに対して約1重量倍以上が挙げられる。ただし、多量の水を使用すれば結晶化溶媒量の総量が大きくなり、意味もなく大きな製造装置が必要となるため、水の量は、通常エチドロン酸2ナトリウムに対して約1〜約10重量倍、さらに好ましくは約1.3〜約5重量倍が挙げられる。
【0008】
親水性有機溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等)、ケトン(アセトン、2-ブタノン等)、ニトリル(アセトニトリル等)、アミド(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。工業的に安価であり、結晶取り出し後の乾燥の容易性から、メタノール、エタノール、アセトン等が好ましく、メタノールが特に好ましい。なお、結晶化中に、水と有機溶媒の二相に分離しない程度の量の疎水性有機溶媒をさらに添加してもよい。その場合、疎水性有機溶媒は親水性有機溶媒に予め混合しておいてもよいし、親水性有機溶媒とは別に加えてもよい。疎水性有機溶媒としては、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等)、炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(クロロホルム、塩化メチレン等)、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
親水性有機溶媒の量としては、その溶媒の種類により異なるが、例えば、結晶化終了後の水を含む全溶媒量に対する比率として約10〜約90%(w/w)の範囲になる量、好ましくは約40〜約80%(w/w)の範囲になる量が挙げられる。結晶化終了後の水を含む全溶媒量は、その取扱いの点から、通常、エチドロン酸2ナトリウムに対して約3〜約20重量倍、好ましくは約5〜約12重量倍の範囲が挙げられる。
また、エチドロン酸2ナトリウムの水溶液に、予め親水性有機溶媒を結晶が析出しない程度、混和させることもできる。ここで用いる親水性有機溶媒としては、通常、結晶化に用いる親水性有機溶媒と同じものを用いることが好ましい。
【0009】
一次核形成を遅らせると共に二次核形成を助長する速度で親水性有機溶媒を添加することで、本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を製造することができる。その一次核形成を遅らせると共に二次核形成を助長する速度としては、例えば2時間以上で親水性有機溶媒を添加する速度を挙げることができる。時間の上限については特に制限はないが、通常は24時間以内で十分である。親水性有機溶媒の添加時間が2時間より短い場合は、析出する結晶がシャーベット状となったり、大きな塊となったりして、攪拌できない、反応容器からの抜き出しができない、不純物をかみこむ等の問題が生じ、工業的に製造するのが困難となり、さらには精製効果も不十分となる。
親水性有機溶媒添加時の温度はその有機溶媒の種類によって変わるが、通常は約-10〜約100℃であり、好ましくは約0〜約60℃が挙げられる。結晶化中に、すなわち親水性有機溶媒添加中に、または添加後に、段階的あるいは継続的に温度を下げることも好ましい。具体的には、例えば結晶化開始時の温度を約30〜約60℃とし、段階的あるいは継続的に温度を下げて、結晶採取時の温度を約-10〜約20℃まで下げることができる。また、親水性有機溶媒添加終了後、さらに熟成をかねて保温することもできる。
なお、飽和溶液になった段階で、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物または無水エチドロン酸2ナトリウムの種晶を添加することもできる。
【0010】
本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の晶相は、通常、粒子長の平均が約100μmより大きく、長さ対幅のアスペクト比の平均が約4:1以上である。さらに好適には、粒子長の平均が約100μmより大きく、長さ対幅のアスペクト比の平均が約5:1〜約15:1の範囲である結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物が挙げられる。この晶相により、本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物は、ろ過性が格段に向上しており、工業的に容易にろ過することができる。また、さらに再結晶等の煩雑な操作を行わなくても、純度の良好な結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を得ることができる。
結晶化終了後、ろ過等の操作により、本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を取り出すことができる。
【0011】
取り出した結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を、水和水を放出させずに乾燥するには、例えば減圧下約30〜約40℃で乾燥することで実施できる。その際、重量の減少を観測しながら乾燥するのが好ましい。
本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物は、必要に応じて加熱乾燥して無水エチドロン酸2ナトリウムとすることができる。乾燥方法としては、通風乾燥、減圧乾燥等の通常の乾燥方法を挙げることができ、乾燥時間は特に制限されない。乾燥温度としては、通常約90〜約150℃の範囲が挙げられる。好ましくは、減圧下、約100〜約140℃で乾燥するのがよい。
好ましい減圧度としては、例えば約1〜約5kPa程度の減圧度(圧力)が挙げられる。
【0012】
本発明の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物または無水エチドロン酸2ナトリウムは、必要に応じて粉砕し、常法に従って、薬学上許容される賦形剤等と混合することによって医薬製剤を製造することができる。なお、造粒は乾式造粒することが好ましい。混合される薬学上許容される賦形剤等としては、例えば、乳糖、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、D−マンニトール、リン酸水素カルシウム、部分アルファー化デンプン、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン等の賦形剤または崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コポリピドン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等の滑沢剤等が挙げられる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例
エチドロン酸2ナトリウム水溶液の調製
市販されている60%エチドロン酸水溶液1000gに27%水酸化ナトリウム水溶液863gを加えて、pH4.7となるまで中和した。これにより、39%エチドロン酸2ナトリウム水溶液1863gを調製した。
【0014】
実施例1
結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造、およびその乾燥による無水物の製造
コンデンサーと攪拌機付きの反応容器に、参考例の39%エチドロン酸2ナトリウム水溶液418gおよび水146gを加え、40℃で攪拌した。溶解を確認後、42℃でメタノール34gを加え、さらにメタノール694gを40℃で5時間かけて滴下した。析出した結晶をろ取することで、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を針状結晶として得た。
減圧下乾燥することで、無水エチドロン酸2ナトリウム(純度99.9%、収率95.6%)を得た。
【0015】
実施例2
結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造、およびその乾燥による無水物の製造
コンデンサーと攪拌機付きの反応容器に、参考例の39%エチドロン酸2ナトリウム水溶液418gおよび水308gを加え、50℃で攪拌した。溶解を確認後、50℃でメタノール146gを加え、メタノール224gを3時間かけて滴下し、さらに368gのメタノールを4時間かけて滴下した。このとき滴下しながら内温を20℃まで冷却した。析出した結晶をろ取することで、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を針状結晶として得た。
減圧下乾燥することで、無水エチドロン酸2ナトリウム(純度99.9%、収率97.1%)を得た。
【0016】
実施例3
結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造、およびその乾燥による無水物の製造
滴下するメタノールの量を232gとし、メタノール滴下終了後さらに2時間かけて20℃まで冷却する以外は実施例1と同様の実験を行い、無水エチドロン酸2ナトリウム(純度100%、収率97.1%)を得た。
【0017】
実施例4
結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造、およびその乾燥による無水物の製造
コンデンサーと攪拌機付きの反応容器に、参考例の39%エチドロン酸2ナトリウム水溶液418gおよび水308gを加え、50℃で攪拌した。溶解を確認後、50℃でメタノール146gを加え、メタノール224gを3時間かけて滴下し、さらにメタノール368gを4時間かけて滴下した。このとき滴下しながら内温を20℃まで冷却した。析出した結晶をろ取することで、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を針状結晶として得た。
減圧下乾燥して、無水エチドロン酸2ナトリウム(純度99.9%、収率97.1%)を得た。
【0018】
実施例5
結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造、およびその乾燥による無水物の製造
メタノールに代えてアセトンを用い、アセトン滴下後の冷却を10℃まで行なう以外は実施例3と同様の実験を行い、無水エチドロン酸2ナトリウム(純度99.9%、牧率97.4%)を得た。不純物であるリン酸の含量は0.01%未満、亜リン酸の含量は0.03%であった。
【0019】
実施例6
結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造、およびその乾燥による無水物の製造
コンデンサーと攪拌機付きの反応容器に、25%エチドロン酸2ナトリウム水溶液(pH 4.7) 189gを加え、50℃で保温した。同温度でメタノール44gをゆっくりと滴下し、エチドロン酸2ナトリウム無水物の種晶を加え、さらにメタノール68gを2時間かけて滴下した。その後、10℃まで4時間かけて徐冷しながら、メタノールを111gを3時間で滴下した。同温度で30分間攪拌し、析出した結晶をろ取することで、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の未乾燥品85gを針状結晶として得た。
得られた結晶性水和物の未乾燥品のうち83g分を取り、減圧(約1kPaの圧力)下、110℃で約20時間乾燥することで、無水エチドロン酸2ナトリウム44.9g(収率97.5%)を得た。
【0020】
実施例7
粉末X線回折
実施例6で製造した結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の粉末X線回折パターンを、理学電機(株)のX線回折装置RINT2500Vにより、Cu・Kαの1.541Åを用いて測定した。その粉末X線回折図における回折角(2θ)および相対強度は前記表2に示すとおりであり、またその回折図は図1に示すとおりである。
なお、回折角(2θ)の値は、標準的な精度を有しており、例えば±0.1度程度の精度を有している。また、相対強度の値は、標準的な精度を有している。
また、示差走査熱量測定の結果から、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物は2水和物だと推定された。
【0021】
比較例1
メタノールの滴下時間を1時間とする以外は、実施例1と同様の実験を行った。析出した結晶は、途中でシャーベット状になり攪拌羽のあるところ以外は攪拌がかからなくなった。また、この状態ではその流動性が悪いため、大部分は反応容器から取り出すことができなかった。
【0022】
比較例2
コンデンサーと攪拌機付きの反応容器に、メタノール728gを加え、攪拌下室温で、参考例の39%エチドロン酸2ナトリウム水溶液418gを滴下した。滴下したエチドロン酸2ナトリウムの液滴がそのまま固化し、反応容器の底に沈んだ。また、反応容器の抜き出し口のところが閉塞してしまい、製品化可能な結晶の取り出しができなかった。反応容器上部の滴下口からこの結晶を少量取り出し、減圧下乾燥後、分析した。不純物であるリン酸の含量は0.10%、亜リン酸の含量は0.40%であり、精製効果は不十分であった。
【0023】
エチドロン酸2ナトリウム、結晶セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを混合し、乾式造粒し、整粒し、ステアリン酸マグネシウムと混合して打錠することで、錠剤を製造することができる。
【0024】
エチドロン酸2ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを混合し、乾式造粒し、整粒し、ステアリン酸マグネシウムと混合して打錠することで、錠剤を製造することができる。
【0025】
エチドロン酸2ナトリウム、トウモロコシデンプンおよびヒドロキシプロピルセルロースを混合し、乾式造粒し、整粒し、ステアリン酸マグネシウムと混合して打錠することで、錠剤を製造することができる。
【0026】
エチドロン酸2ナトリウム、結晶セルロースおよび加工デンプンを混合し、乾式造粒し、整粒し、ステアリン酸マグネシウムと混合して打錠することで、錠剤を製造することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明方法によって、高品質のエチドロン酸2ナトリウムを容易に、高収率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例6で製造された結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の粉末X線回折図である。
【図2】 実施例6でろ過直前のスラリーの一部をサンプリングして取った、結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の顕微鏡写真である。1目盛りは100μmを表している。
Claims (12)
- エチドロン酸2ナトリウムの水溶液に、親水性有機溶媒を結晶化終了後の水を含む全溶媒量に対する比率として約10〜約90%(w/w)の濃度となるべく2時間以上かけて添加して結晶化処理することを特徴とする結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の製造方法であって、結晶化終了後の水を含む全溶媒量がエチドロン酸2ナトリウムに対して約3〜約20重量倍であり、親水性有機溶媒の添加開始時の温度が約30〜約60℃であり、結晶採取時の温度が約−10℃〜約20℃である製造方法。
- 親水性有機溶媒の、結晶化終了後の水を含む全溶媒量に対する比率が約40〜約80%(w/w)である請求項1に記載の製造方法。
- エチドロン酸2ナトリウム水和物水溶液のpHが4.2〜5.2の範囲にある請求項1または2に記載の製造方法。
- 親水性有機溶媒がメタノール、エタノールまたはアセトンである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 親水性有機溶媒を加え結晶性エチドロン酸2ナトリウムが飽和した状態で、エチドロン酸2ナトリウム水和物の種晶を添加する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 粉末X線回折図において回折角(2θ):8.3、12.9および16.7度に主ピークを示す結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
- 2水和物である、請求項6または7に記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
- 結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物の粒子長の平均が約100μmより大きく、長さ対幅のアスペクト比の平均が約5:1〜15:1の範囲であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で得られる、請求項6〜9のいずれかに記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物を、約90℃〜約150℃で乾燥することを特徴とする、無水エチドロン酸2ナトリウムの製造方法。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の結晶性エチドロン酸2ナトリウム水和物、又は請求項11に記載の製造方法で得られる無水エチドロン酸2ナトリウムを、必要に応じて粉砕し、薬学上許容される賦形剤および必要に応じて崩壊剤、結合剤、滑沢剤と混合することによる医薬製剤の製造方法。
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