JP3898567B2 - 電子部品収納用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品を収容するキャビティを有するセラミック製の電子部品収納用パッケージに関し、詳しくはキャビティを構成する枠部セラミック層の上面の平坦性が良好で、蓋体による気密封止性に優れた電子部品収納用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子や水晶発振子等の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージは、一般に、酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、上面に電子部品を収納するためのキャビティを有する絶縁基体と、キャビティ内部から絶縁基体の外表面にかけて導出された配線導体と、絶縁基体上面に接合される蓋体とから構成されており、絶縁基体のキャビティ底面に電子部品をガラス・樹脂・ろう材等の接着剤を介して接着固定するとともに、絶縁基体の上面に蓋体をガラス・樹脂・ろう材等から成る封止材を介して接合させ、配線基板と蓋体とから成る容器内部に電子部品を気密に収納することによって電子装置となる。
【0003】
なお、このような電子部品収納用パッケージの絶縁基体は、一般に、図2に断面図で示すように、上面に電子部品が搭載される平板状の基部セラミック層11と、この基部セラミック層11の上面に接合されて電子部品を気密に収容するためのキャビティ13を形成する枠部セラミック層12とから成る。この絶縁基体は、例えば、まず、複数枚のセラミックグリーンシートを準備し、次に、これらのセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートと言う)のうち枠部セラミック層12となるものに打ち抜き加工を施して四角形状のキャビティ13となる開口部を設け、次に、これらのグリーンシートをキャビティとなる開口部を設けたものが上層部に位置するようにして積層するとともに加圧して各グリーンシートを密着させて積層体とし、最後に、この積層体を焼成することにより製作される。
【0004】
また、このような電子部品収納用パッケージにおいて、特に気密性を必要とする場合には、枠部セラミック層12上面に、ろう材を介して蓋体14を強固に接合させるための気密封止用のメタライズ層15が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体となるグリーンシートを積層して加圧したときに、枠部セラミック層12となるグリーンシートがキャビティ13の内周側に倒れる傾向があり、枠部セラミック層12の上面の平坦度を維持することが困難であるという問題点があった。特に、近年の小型化にともない、蓋体14と絶縁基体の枠部セラミック層12との接合面積が非常に小さくなってきているため、わずかな傾きでも、蓋体14を絶縁基体に接合する際にろう材等の封止材が隙間なく濡れ広がらないため、蓋体14を枠部セラミック層12の上面に隙間なく密着させて接合することが非常に困難となり、電子部品を気密に収納する容器の気密性が損なわれ、電子装置の信頼性を低下させるという問題点があった。
【0006】
この問題を解決するために、特開平10−189810号公報において、封止用メタライズ層15の直下に位置する導体配線が互いに離隔した部分に、この配線の厚みを補う絶縁スペーサを配置した電子部品収納用パッケージが提案されている。
【0007】
この電子部品収納用パッケージによれば、配線の厚さを補う絶縁スペーサを配置したことから、導体配線があったとしても封止用メタライズ層の上面の平坦度を確保することができるというものである。
【0008】
しかしながら、このような電子部品収納用パッケージでは、導体配線が有る部分と無い部分との高さの差に起因する封止用メタライズ層の段差は解消することができるものの、グリーンシートを積層した後、各グリーンシートはキャビティとなる開口部の内周部から外周部にかけてほぼ水平となっているため、キャビティ内側に倒れこむことを効果的に補強することはできず、この積層体を加圧することに起因する枠部となるグリーンシートのキャビティ内側への倒れこみを効果的に防止することはできないという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、絶縁基体の枠部セラミック層の上面が平坦で、蓋体を絶縁基体に隙間なく確実に接合することができ、気密信頼性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品搭載部を有する板状の基部セラミック層および該基部セラミック層の上面に前記電子部品搭載部を取り囲むようにして取着された電子部品収納用のキャビティを形成する枠部セラミック層から成る絶縁基体と、該絶縁基体の前記キャビティから外表面にかけて導出された配線導体と、前記枠部セラミック層の上面に接合される蓋体とから成る電子部品収納用パッケージにおいて、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層との取着界面に、枠状の補助セラミック層が形成されるとともに、該枠状の補助セラミック層は、全周にわたって、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層の双方に直接取着することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、上記構成において、前記枠状の補助セラミック層は、一部を前記キャビティ内に突出させていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、上記構成において、前記枠状の補助セラミック層の厚みが5μm以上30μm以下であることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、上記構成において、前記枠状の補助セラミック層の幅が、前記枠部セラミック層の上面の蓋体が接合される領域の幅の1/10以上2/3以下であることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、上記構成において、前記枠部セラミック層の内側面と前記基部セラミック層の上面とのなす角度が、100度以上120度以下であることを特徴とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品搭載部を有する板状の基部セラミック層および該基部セラミック層の上面に前記電子部品搭載部を取り囲むようにして取着された電子部品収納用のキャビティを形成する枠部セラミック層から成る絶縁基体と、前記キャビティの底面から前記絶縁基体の外表面にかけて前記基部セラミック層の内部を通って導出された配線導体と、前記枠部セラミック層の上面に接合される蓋体とから成る電子部品収納用パッケージにおいて、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層との取着界面に、枠状の補助セラミック層が形成されるとともに、該枠状の補助セラミック層は、全周にわたって、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層の双方に直接取着することを特徴とするものである。
【0016】
また、枠状の補助セラミック層の一部をキャビティ内に突出させておくと、この突出した部分が一種の支柱として機能することにより、枠部セラミック層となるグリーンシートがキャビティの内側に向かって倒れることをより一層効果的に防止することができる。
【0017】
また、枠状の補助セラミック層の厚みを5μm以上30μm以下とした場合、枠状の補助セラミック層の幅を枠部セラミック層の上面の蓋体が接合される領域の幅の1/10以上2/3以下とした場合、または枠部セラミック層の内側面と基部セラミック層の上面とのなす角度を100度以上120度以下とした場合にも、枠部セラミック層により形成されるキャビティが、最上層を積層する際にキャビティの内周側に倒れこむのを防止して、キャビティ最上層の封止エリアの平坦度を好適には30μm以下と極めて小さくすることができる。その結果、この電子部品収納用パッケージの絶縁基体の上面に蓋体を確実に接合することができ、電子部品を収納した電子部品収納用パッケージの気密信頼性を極めて良好とすることができる。
【0018】
以上により、本発明によれば、絶縁基体の枠部セラミック層の上面が平坦で、蓋体を絶縁基体に隙間なく確実に接合することができ、気密信頼性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【0021】
図1において、1は基部セラミック層1aおよび枠部セラミック層1bから成る絶縁基体、2は蓋体、3は配線導体、4は補助セラミック層である。この絶縁基体1と蓋体2と配線導体3と補助セラミック層4とで電子部品(図示せず)を収納する電子部品収納用パッケージ5が構成される。
【0022】
絶縁基体1は、ガラスセラミックス焼結体・酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体等から成り、上面に電子部品搭載部を有する板状の基部セラミック層1aと、この基部セラミック層1aの上面に電子部品搭載部を取り囲むようにして取着された電子部品収納用のキャビティ6を形成する枠部セラミック層1bとから成り、この枠部セラミック層1bの最表面には、蓋体2を接合するための封止用メタライズ層7が被着されている。また、キャビティ6の底面の電子部品搭載部に、電子部品が樹脂・ガラス・ろう材等の接着剤を介して接着固定される。なお、接着剤としてろう材を用いる場合には、通常、キャビティ6の底面に配線導体3が形成される。
【0023】
絶縁基体1は、通常、基部セラミック層1aと枠部セラミック層1bとを同種の材料で形成するとともに、一体焼成する製造方法により製作されている。
【0024】
例えば、絶縁基体1が(基部セラミック層1aおよび枠部セラミック層1bが共に)ガラスセラミックス焼結体から成る場合であれば、ホウ珪酸ガラス等のガラス粉末と酸化アルミニウム等のセラミック粉末とから成る原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤等を添加混合して泥漿物を作るとともに、この泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってグリーンシート(生シート)と成し、これらグリーンシートのうち枠部セラミック層1bとなるものに適当な打ち抜き加工を施して中央部にキャビティ6形成用の開口部を設け、その後、これらのグリーンシートを、枠部セラミック層1bとなるグリーンシートが上層に位置し開口部によりキャビティ6が形成されるようにして上下に積層するとともに加圧して各グリーンシート間を密着させ、最後に、高温で焼成することにより製作される。
【0025】
ここで、本発明においては、枠部セラミック層1bの内部、または枠部セラミック層1bと基部セラミック層1aとの取着界面に、キャビティ6の内周に沿って、枠状に補助セラミック層4を形成するとともに、該枠状の補助セラミック層4は、全周にわたって、前記枠部セラミック層1bと前記基部セラミック層1aの双方に直接取着しておくことが重要である。
【0026】
この枠状の補助セラミック層4は、絶縁基体1を製作する際、積層したグリーンシートのうち枠部セラミック層1bとなる部分の(キャビティ6に面する)内周を若干押し上げるようにし、この枠部セラミック層1bとなるグリーンシートがキャビティ6の内側に向かって倒れ難くする機能を有し、これにより、積層したグリーンシートを加圧するときの圧力で枠部セラミック層1bとなるグリーンシートがキャビティ6の内側に向かって倒れることを防止するようにしている。
【0027】
この補助セラミック層4は、通常、絶縁基体1と同種の材料により形成され、例えば、絶縁基体1がガラスセラミックス焼結体から成る場合であれば、枠部セラミック層1bおよび基部セラミック層1aのグリーンシートと同じ組成のセラミックペーストをキャビティ6の内周に沿うように基部セラミック層1aの上面に枠状に印刷することにより枠部セラミック層1bと基部セラミック層1aとの取着界面に形成される。また、枠部セラミック層1bが複数のグリーンシートを積層して成るものの場合には、それらグリーンシートの間に枠部セラミック層1bのグリーンシートと同じ組成のセラミックペーストをキャビティ6の内周に沿うように枠部セラミック層1bの内部に印刷することにより枠部セラミック層1bの内部に形成される。
【0028】
ただし、補助セラミック層4を絶縁基体1と異なった色とするため、酸化モリブデン等の着色剤を上述のセラミックペースト中に添加しておいてもよい。
【0029】
また、枠状の補助セラミック層4は、一部をキャビティ6内に突出させていることが好ましい。これは、キャビティ6内に枠状の補助セラミック層4を突出させることにより、キャビティ6の内周側にかかる応力を分散させることができ、それにより、より一層確実にキャビティ6の内周側への倒れこみを防止することが可能となるためである。
【0030】
また、枠状の補助セラミック層4の厚みtは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0031】
補助セラミック層4の厚みtが5μmより小さい場合はキャビティ6の内周側への倒れこみを防止することが難しくなる傾向があり、他方、30μmより大きい場合は、反対にキャビティ6の内周側が盛り上がり、封止が困難となる傾向がある。
【0032】
また、枠状の補助セラミック層4の幅lは、枠部セラミック層1bの上面の蓋体2が接合される領域の幅Lの1/10以上2/3以下であることが好ましい。
【0033】
この場合、枠状の補助セラミック層4の幅lが蓋体2が接合される領域の幅Lの2/3を超えると、キャビティ6の倒れこみのない外周部まで補助セラミック層4が達することとなるため、枠部セラミック層1b上の封止用メタライズ層7が凹凸形状のものとなって封止が困難となる傾向がある。他方、1/10より小さくなると、キャビティ6の内周側への倒れこみを十分に防止することが難しくなる傾向がある。
【0034】
さらに、枠部セラミック層1bの内側面と基部セラミック層1aの上面とのなす角度は100度以上120度以下とすることが望ましい。
【0035】
枠部セラミック層1bの内側面と基部セラミック層1aの上面とのなす角度が100度未満の場合は、枠部セラミック層1bの底面と基部セラミック層1aの上面との接触部での応力分散が十分に行なわれず、底面の接触部に応力が集中して絶縁基体1に機械的な破壊が生じやすくなる傾向がある。一方、120度を超えると、枠部セラミック層1bの側面の傾斜が大きくなりすぎ、グリーンシート積層時に底面の接触部に十分な加圧圧力が加わらなくなるため、底面の接触部の積層性が低下してグリーンシート間の密着不良(つまり焼成後の絶縁基体1における空隙)が発生しやすくなる傾向がある。
【0036】
絶縁基体1には、基部セラミック層1aの電子部品が搭載される電子部品搭載部の領域の表面またはその周辺、つまり絶縁基体1のキャビティ6の内部から絶縁基体1の下面等の外表面にかけて、配線導体3が導出されている。
【0037】
この配線導体3は、電子部品の電極が接続され、これを外部に導出する導電路として機能し、配線導体3のうち、キャビティ6の内部に位置する部位には電子部品の電極が半田等のろう材やボンディングワイヤ等の導電性接続部材を介して接続され、絶縁基体1の外表面に導出された部位は、半田等のろう材を介して外部電気回路基板の回路配線等に電気的・機械的に接続される。
【0038】
配線導体3は、銅・銀・金・パラジウム・タングステン・モリブデン・マンガン等の金属材料から成り、例えば、絶縁基体1がガラスセラミックス焼結体から成る場合であれば、銅・銀・パラジウム等が好適に使用される。
【0039】
さらに、配線導体3の露出表面には、ニッケルや金等の耐食性に優れワイヤボンディング性やろう材の濡れ性に優れる金属層を1μm〜20μmの厚みにめっき法により被着させておくと、表面に露出した配線導体3の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともに、配線導体3に半田等のろう材を強固に接合することができ、また同時に電子部品収納用パッケージ5の外部電気回路基板に対するろう材を介しての接合をより一層確実なものとすることができる。
【0040】
また、所望の寸法の絶縁基体1を得るためには、スライサー等の切断装置で絶縁基体1を切断するという手段や、グリーンシートを積層した積層体に溝状の切り欠きを設けておき、焼成後、切り欠きに沿って焼成体を分割するという手段を用いることができる。
【0041】
また、絶縁基体1の枠部セラミック層1bの上面に接合され、絶縁基体1との間で電子部品を気密に封止する蓋体2は、鉄−ニッケル−コバルト合金・鉄−ニッケル合金等の金属材料や、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料から成り、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金から成る場合であれば、鉄−ニッケル−コバルト合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の周知の金属加工を施し、所定の形状および寸法の板状に加工することにより製作される。
【0042】
枠部セラミック層1bの上面への蓋体2の接合は、ろう材・ガラス・有機樹脂等の接合材を介して行なうことができる。
【0043】
表1は、補助セラミック層4の厚みtおよび幅lにつき種々の条件における電子部品収納用パッケージ5の封止用メタライズ層7の平坦度について、レーザー三次元測定機を用いて最高部と最低部との差を測定した結果を示すものである。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果より分かるように、本発明の電子部品収納用パッケージ5によれば、枠状の補助セラミック層3を形成したことにより、枠部セラミック層1bの上面に形成された封止用メタライズ層7の平坦度は、いずれも30μm以下と良好なものであった。
【0046】
なお、枠状の補助セラミック層3の厚みtが5μm未満である試料No.1・2および30μmを超える試料No.7の平坦度(表中の試料No.の欄に*で示す)は、30μmを超えるやや大きなものであった。
【0047】
また、枠状の補助セラミック層3の幅lが蓋体2が接合される領域の幅Lの1/10以上2/3以下の範囲を超える試料No.13の平坦度(表中の試料No.の欄に**で示す)も、30μmを超えるやや大きなものであった。
【0048】
また、表2に、枠部セラミック層1bの内側面と基部セラミック層1aの上面とのなす角度を種々の値としたときの絶縁基体1の気密不良発生率と基部セラミック層1aの上面の平坦度(凹部底面平坦度で表わす)を示す。なお、基部セラミック層1aの上面の平坦度もレーザー三次元測定機を用いて最高部と最低部との差を測定することにより算出した。
【0049】
【表2】
【0050】
表2より分かるように、枠部セラミック層1bの内側面と基部セラミック層1aの上面とのなす角度が100度未満の場合は、底面の接触部での応力分散が十分に行なわれにくくなり、基部セラミック層1aの底面に変形が生じて平坦度が悪くなる傾向がある。一方、この角度が120度を超えると気密不良の発生率が増大する傾向がある。これは、上述のように、枠部セラミック層1bの側面の傾斜が大きくなりすぎ、積層時に底面の接触部に十分な加圧圧力が加わらなくなるため、底面の接触部の積層性が低下して密着不良が発生しやすくなるためである。
【0051】
かくして本発明の電子部品収納用パッケージ5によれば、絶縁基体1の基部セラミック層1aの上面の電子部品搭載部に電子部品をガラス・樹脂・ろう材等から成る接着材を介して接着固定するとともに電子部品の各電極を配線導体3に接続し、しかる後、絶縁基体1の枠部セラミック層1bの上面に蓋体2をろう材等を介して接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用パッケージ5の内部に電子部品を気密に収納することによって電子装置となる。
【0052】
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の電子部品収納用パッケージによれば、キャビティの内周に沿った枠部セラミック層の内部、または枠部セラミック層と基部セラミック層との取着界面に、枠状の補助セラミック層を形成するとともに、該枠状の補助セラミック層は、全周にわたって、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層の双方に直接取着したことから、この補助セラミック層により、グリーンシートの積層体を加圧するときに枠部セラミック層となるグリーンシートがキャビティの内側に向かって倒れることを効果的に防止することができる。
その結果、この絶縁基体の上面に蓋体を確実に接合することができ、電子部品を収納した電子部品収納用パッケージの気密信頼性を良好なものとすることができる。
【0054】
また、枠状の補助セラミック層の一部をキャビティ内に突出させておくと、この突出した部分が一種の支柱として機能することにより、枠部セラミック層となるグリーンシートがキャビティの内側に向かって倒れることをより一層効果的に防止することができる。
【0055】
また、枠状の補助セラミック層の厚みを5μm以上30μm以上とした場合、枠状の補助セラミック層の幅を枠部セラミック層の上面の蓋体が接合される領域の幅の1/10以上2/3以下とした場合、および枠部セラミック層の内側面と基部セラミック層の上面とのなす角度を100度以上120度以下とした場合にも、枠部セラミック層により形成されるキャビティが、最上層を積層する際にキャビティの内周側に倒れこむのを防止して、キャビティ最上層の封止エリアの平坦度を好適には30μm以下と極めて小さくすることができる。その結果、この電子部品収納用パッケージの絶縁基体の上面に蓋体を確実に接合することができ、電子部品を収納した電子部品収納用パッケージの気密信頼性を極めて良好とすることができる。
【0056】
以上により、本発明によれば、絶縁基体の枠部セラミック層の上面が平坦で、蓋体を絶縁基体に隙間なく確実に接合することができ、気密信頼性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】従来の電子部品収納用パッケージの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
1a・・基部セラミック層
1b・・枠部セラミック層
2・・・蓋体
3・・・配線導体
4・・・補助セラミック層
5・・・電子部品収納用パッケージ
6・・・キャビティ
7・・・封止用メタライズ層
Claims (2)
- 上面に電子部品搭載部を有する板状の基部セラミック層および該基部セラミック層の上面に前記電子部品搭載部を取り囲むようにして取着された電子部品収納用のキャビティを形成する枠部セラミック層から成る絶縁基体と、前記キャビティの底面から前記絶縁基体の外表面にかけて前記基部セラミック層の内部を通って導出された配線導体と、前記枠部セラミック層の上面に接合される蓋体とから成る電子部品収納用パッケージにおいて、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層との取着界面に、枠状の補助セラミック層が形成されるとともに、該枠状の補助セラミック層は、全周にわたって、前記枠部セラミック層と前記基部セラミック層の双方に直接取着することを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
- 前記枠状の補助セラミック層は、一部を前記キャビティ内に突出させていることを特徴とする請求項1記載の電子部品収納用パッケージ。
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