JP3898544B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数種の紙葉類を複数枚まとめて投入し、種類別に表裏を揃えて分類して集積するとともに、集積した特定種の紙葉類を所定枚数毎に紙帯で施封する紙葉類処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の紙葉類処理装置としては、複数種の紙葉類を混合して表裏および天地(紙葉類の絵柄が正立している状態と逆転している状態)をばらばらな状態にして複数枚まとめて投入し、投入した紙葉類を取出部により1枚ずつ搬送路上に取出して搬送し、搬送した各紙葉類の種類、表裏、天地等の特徴を検知し、この検知結果に基づいて紙葉類の表裏を選択的に反転し、全ての紙葉類を表を上にした状態でその種類毎に用意した所定の集積部へ振り分けて集積する装置が知られている。
【0003】
特に、特定種の紙葉類に対して紙帯による施封を施す機能を有する装置として、例えば、特願平3−156775号公報に開示される紙葉類処理装置が知られている。
【0004】
この装置は、特定種の紙葉類を集積するための2つの集積部を備え、表を上にして上端を先頭にして送り込まれた紙葉類を一方の集積部へ集積し、表を上にして下端を先頭にして送り込まれた紙葉類を他方の集積部へ集積する。つまり、各集積部において、紙葉類の表裏および天地が揃えられる。そして、集積部に紙葉類が所定枚数、例えば、100枚集積されると、集積部は集積位置から移載位置に移動されて移載手段に移載され、この移載手段により施封部に搬送されて紙帯により施封されるようになっている。
【0005】
集積部は移載位置で紙葉類を移載したのちは、移載位置から集積位置に移動されて復帰する。また、集積部に紙葉類が100枚集積された時点で、取出部による紙葉類の取出動作が停止される。
【0006】
しかしながら、従来の紙葉類処理装置では、集積部が集積位置に復帰してから取出部を動作させて紙葉類の取出しを再開させていたため、無駄な待ち時間が発生していた。即ち、紙葉類を100枚集積した集積部が移載位置に向かって移動を開始して再び集積位置に復帰してくるまでの時間が完全な待ち時間となるため、処理効率が低下するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、紙葉類を所定枚数集積した集積部が移載位置に移動して集積位置に復帰する時点から所定時間溯った時点で取出手段の取出動作を再開させることにより、無駄な待ち時間を削減でるようにした紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、紙葉類が施封用の集積部に所定枚数集積されたときには、所定枚数目以降の紙葉類を非施封用の集積部に案内して集積させることにより、取出手段の取出動作を停止させることなく継続できるようにした紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、紙葉類を取出す取出手段と、この取出手段により取出された紙葉類の種類を判別する判別手段と、この判別手段によって判別された紙葉類をその種類別に所定枚数集積する複数の集積部と、この集積部に前記紙葉類が所定枚数集積されたことに基づいて前記取出手段の取出動作を停止させる制御手段と、前記集積部を紙葉類の集積位置とこの集積位置と異なる移載位置との間で移動させる移動手段と、この移動手段により前記移載位置に移動された前記集積部から所定枚数の紙葉類を移載させて搬送する移載搬送手段と、この移載搬送手段により搬送されてくる紙葉類を施封する施封手段とを具備し、前記制御手段は、前記集積部が集積位置から移動されて再度集積位置に復帰する時点から所定時間溯った時点で前記取出手段による紙葉類の取出動作を再開させるように制御する。
【0010】
請求項4記載の発明は、紙葉類を取出す取出手段と、この取出手段により取出された紙葉類の種類を判別する判別手段と、この判別手段によって非施封用の紙葉類と判別された紙葉類をその種類別に所定枚数集積する複数の非施封用の集積部と、前記判別手段によって施封用の紙葉類と判別された紙葉類をその種類別に所定枚数集積する複数の施封用の集積部と、前記施封用の集積部を紙葉類の集積位置とこの集積位置と異なる移載位置との間で移動させる移動手段と、この移動手段により移載位置に移動された施封用の集積部から所定枚数の紙葉類を移載させて搬送する移載搬送手段と、この移載搬送手段により搬送されてくる紙葉類を施封する施封手段と、前記施封用の集積部に向かう紙葉類が所定枚数目以降のものであるとき、該紙葉類を前記非施封用の集積部に案内して集積させる案内手段とを具備する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る紙葉類処理装置1の内部構造を概略的に示すものである。この紙葉類処理装置1は、複数種のサイズの異なる複数枚の紙葉類を混在させて一括して投入し、全ての紙葉類の表裏を揃えてその金種別に分類して集積し、また、特定金種の紙葉類については所定枚数毎に紙帯で施封する機能を有するものである。
【0013】
紙葉類処理装置1は、装置の外殻をなす筐体2を有する。筐体2の図中右側にある段部には、複数枚の紙葉類Pを面方向に集積した状態で立位でまとめて投入する投入部4が設けられている。紙葉類Pは、それぞれ表裏を有するとともにその長手方向に沿って延びた上端および下端を有し、上端或いは下端が下を向く姿勢で投入部4を介して投入される。投入部4は、全ての紙葉類Pをその上端或いは下端に当接して整位するステージ4aを有する。投入部4の図中右端にはステージ4aに対して鉛直方向に立設されたバックアッププレート6が設けられている。このバックアッププレート6は、ばね8の付勢力によってステージ4aに沿って図中左方向に移動可能に設けられている。
【0014】
投入部4に立位で投入された複数枚の紙葉類Pは、バックアッププレート6によってその面方向に付勢され、図中左方向に移動される。そして、図中左端にある紙葉類Pが投入部4の図中左側に互いに上下に隣接した状態で配置された2組の取出ローラ10(取出手段)に押し付けられる。取出ローラ10を所定方向に回転することにより、投入部4に立位で投入された複数枚の紙葉類Pのうち左端にある紙葉類Pから順に搬送路12上に取り出される。搬送路12上に取出される紙葉類Pは、その上端或いは下端を先頭にして短手方向に取出される。このとき、各紙葉類の表裏はばらばらの状態となっている。本実施の形態では、投入部4から取出される紙葉類Pの取出方向は下向きとなっている。
【0015】
搬送路12は、搬送路12の上下でそれぞれ搬送方向に沿って無端走行可能に張設された搬送ベルト14、16によって規定されている。各搬送ベルト14、16は、幅方向(紙面方向)に延設された複数のローラ15に巻回されている。
【0016】
これらの搬送ベルト14、16によって上方に折り曲げられた搬送路12の先には、紙葉類Pの金種、表裏、天地、汚れや破損の有無等の特徴を検知する判別手段としての検知部30が配設されている。検知部30は、搬送路12を搬送される紙葉類Pの表面から各種情報を読み取って、読み取った情報を論理演算して基準となる情報と比較し、上述したような紙葉類Pの特徴を検知する。
【0017】
検知部30の下流側に延設された搬送路12上には、検知部30における検知結果に基づいて紙葉類Pの搬送方向を選択的に切換えるための案内手段としての複数のゲートG1〜G9が設けられている。
【0018】
検知部30において、2枚取りが判定された紙葉類、所定のレベルを超えて大きくスキューしたことが判定された紙葉類、或いは再流通可能な正券と判定されなかった損券や偽券などの紙葉類など、後段の処理が不可能であることが判定された紙葉類は、ゲートG1を介して図中右方向に搬送され、排除部としてのリジェクト箱32に排出される。リジェクト箱32には、紙葉類処理装置1の筐体2の外部からアクセス可能となっている。
【0019】
一方、検知部30にて処理可能な正常な紙葉類であることが判定された紙葉類Pは、ゲートG1を介してゲートG2に向けて図中左方向に搬送される。ゲートG1を通過された紙葉類Pは、表裏および天地がバラバラの状態となっている。このように、表裏および天地がばらばらの状態の紙葉類Pが、後述する表裏反転機構34を選択的に通過することによって表裏が取り揃えられ、その金種毎に分類されて集積されることになる。
【0020】
ゲートG2の下流側の搬送路は2方向に分岐されており、ゲートG2を2位置間で選択的に切換えることにより紙葉類Pの搬送方向を2方向に選択的に切換えるようになっている。
【0021】
ゲートG2の下流側で分岐された一方の搬送路上には、紙葉類Pの表裏を反転させるための表裏反転機構34(表裏反転部)が設けられている。この表裏反転機構34を通る搬送路は、その入口から出口に向けて中心軸の回りで180°回転されたねじり搬送路を形成している。そして、このねじり搬送路に沿って互いに面接する関係で2組の搬送ベルト33、35がねじれた状態で設けられている。また、ゲートG2の下流側で分岐された他方の搬送路は、ただ単に紙葉類Pを通過させるだけの搬送パス36となっている。
【0022】
ゲートG2を介して振り分けられて表裏反転機構34のねじり搬送路を通して搬送される紙葉類Pは、表面を上にして上端を先頭にして表裏反転機構34に搬入された紙葉類を表裏反転し、裏面を上にした券として表裏反転機構34から搬出する。
【0023】
このようにして表裏反転機構34を通過して表裏反転された紙葉類P、および表裏反転機構34を通過せずに搬送パス36を通過した紙葉類Pは、いずれも合流部38を介してゲートG3に送り込まれる。このとき、ゲートG2を通過してから表裏反転機構34を介して合流部38に至る紙葉類Pの処理時間と搬送パス36を通過して合流部38に至る紙葉類Pの搬送時間が同じになるように、搬送パス36の長さが設定されている。これにより、表裏反転機構34を通して搬送された紙葉類Pと搬送パス36を通過された紙葉類Pとが同じタイミングで合流部38を通過することになり、処理形態に拘わらず全ての紙葉類Pを同じ条件で処理できる。
【0024】
ゲートG3の下流側の搬送路は2方向に分岐されており、ゲートG3を2位置間で選択的に切換えることにより紙葉類Pの搬送方向を2方向に選択的に切換えるようになっている。
【0025】
ゲートG3の下流側で図中右方向に分岐された一方の搬送路は、複数の集積部41〜46(非施封用の集積部)の上方で略水平方向に延びた水平搬送路40を形成している。水平搬送路40上には、搬送される紙葉類Pを6つの集積部41〜46のうちのいずれか1つに振り分けて集積せしめるための5つのゲートG5〜G9が設けられている。
【0026】
水平搬送路40の最も上流側にあるゲートG5によって振り分けられた紙葉類Pは集積部41に集積され、ゲートG6によって振り分けられた紙葉類Pは集積部42に集積され、ゲートG7によって振り分けられた紙葉類Pは集積部43に集積される。また、ゲートG8によって振り分けられた紙葉類Pは集積部44に集積され、ゲートG9によって振り分けられた紙葉類Pは集積部45或いは集積部46に集積される。
【0027】
ゲートG3の下流側で図中左方向に分岐された他方の搬送路上には、紙葉類Pの搬送方向を2方向に選択的に切換えるためのゲートG4(振分部)が配設されている。ゲートG4によって分岐された2位置には、それぞれ、施封装置50の集積部(施封用の集積部)51、52が設けられている。施封装置50は、例えば100枚の紙葉類Pを集積して紙帯を巻回せしめて施封して紙葉類Pの束を形成する。
【0028】
これら施封装置50の集積部51、52には、紙帯による施封をアサインされた特定の紙葉類Pが後述するルールに従って送り込まれる(集積される)。一方、特定以外の紙葉類Pは、上述した集積部41〜46のいずれかに集積される。
【0029】
図2は施封装置50を詳細に示す斜視図である。
【0030】
施封装置50は、集積部51、52、供給部53、施封手段としての単一の施封部(施封機構)54、印字機構55、帯供給部56によって構成されている。
【0031】
集積部51、52は、それぞれゲートG3、およびゲートG4を介して送り込まれた紙葉類Pを集積する。
施封部54は、供給部53によって供給される所定枚数、例えば、100枚の紙葉類Pを紙帯で施封する単一の施封機構である。
【0032】
供給部53は、集積部51、あるいは52に集積された100枚の紙葉類Pを施封部54に供給するものである。印字機構55は、施封部54で使用する紙帯に情報を印字するものである。帯供給部56は、施封部54で使用する紙帯を供給するものである。
各集積部51、52には、表裏および天地を揃えられた状態の異なる種類の紙葉類Pが集積される。
【0033】
ゲートG4を介していずれかの集積部51、52で集積された紙葉類Pは、供給部53によって施封部54へ送り込まれ、帯供給部56から供給された紙帯によって施封される。所定枚数毎に施封された紙葉類Pの束は、図示しないコンベアを介して装置外へ搬出される。
【0034】
次に、上記した施封装置50の供給部53の構成を詳細に説明する。
集積部51のバックアップ51aは、集積部51に供給される紙葉類Pを集積位置Aで集積する基底部である。このバックアップ51aは、移動手段としての移動機構62に接続され、底板66から立設しているガイド板61に沿って集積位置Aへ上昇あるいは移載位置Bへ下降されるようになっている。
【0035】
また、集積部52のバックアップ52aは、集積部52に供給される紙葉類Pを集積位置Aで集積する基底部である。このバックアップ52aは、移動機構65に接続され、底板66から立設しているガイド板64にそって集積位置Aへ上昇あるいは移載位置Bへ下降されるようになっている。
【0036】
上記底板66上には、移載搬送手段としての移動機構67によって、図の左方向あるいは右方向へ移動する移載搬送手段としてのキャリア63が設けられている。
このキャリア63は、上記集積部51の下方部に位置させた状態で、上記集積紙葉類Pを積載したバックアップ51aが下降してキャリア63よりも下方に位置することにより、上記集積紙葉類Pが移載されるものである。このキャリア63の底部とバックアップ51aの底部はそれぞれ櫛歯状をなし、それぞれ入れ子の状態となって通過する。
【0037】
このキャリア63は、上記集積部52の下方部に位置させた状態で、上記集積紙葉類Pを積載したバックアップ52aが下降してキャリア63よりも下方に位置することにより、上記集積紙葉類Pが移載されるものである。このキャリア63の底部とバックアップ52aの底部はそれぞれ櫛歯状をなし、それぞれ入れ子の状態となって通過する。
【0038】
上記キャリア63は、バックアップ51aから移載された集積紙葉類P、バックアップ52aから移載された集積紙葉類Pを施封手段としての施封機構54における施封位置へ移動するためのものである。
また、施封機構54の下方部には、施封トレイ73が設けられている。
上記各トレイ、キャリア、バックアップの主要移動位置には、それぞれ位置検知用の検知器74a〜74iが配設されている。
【0039】
図3は、上述した紙葉類処理装置1の動作を制御する制御系のブロック図を示すものである。
この紙葉類処理装置1は、制御手段としての制御部80、メモリ81、判定部82、取出し制御部83、搬送制御部84、ゲート制御部85、駆動回路91〜95により構成されている。
【0040】
制御部80は、予め設定した動作プログラムに従って装置の全体動作を制御する。制御部80は、検知器74a、…からの検知信号により、上記各トレイ、キャリア、バックアップの主要移動位置を判断するものである。
【0041】
メモリ81は、動作プログラムを記憶したり、データ記憶用に用いられるものであり、集積部51、52にそれぞれ集積される集積枚数を計数する計数テーブル81aが設けられている。
【0042】
判定部82は、検知部30の検知結果に基づいて、当該紙葉類Pが再流通可能か否かを判定し、当該紙葉類Pが施封指定された特定種の紙葉類であるか否かを判定し、当該紙葉類Pの表裏および天地を判定するものであり、それぞれの判定結果を制御部80に出力するものである。
【0043】
取出し制御部83は、制御部80の制御により取出手段としての取出しローラ10を回転するものである。
搬送制御部84は、制御部80の制御により搬送路12による搬送ローラを回転するものである。
【0044】
ゲート制御部85は、制御部80の制御により上記ゲートG1〜G9の駆動を行うものである。
駆動回路91は、制御部80の制御により施封機構54を駆動するものである。
【0045】
駆動回路92は、制御部80の制御により印字機構55を駆動するものである。
駆動回路93は、制御部80の制御により移動機構62を駆動することにより、集積部51のバックアップ51aを上昇あるいは下降するものである。
【0046】
駆動回路94は、移動機構65を駆動することにより、集積部52のバックアップ52aを上昇あるいは下降するものである。
駆動回路95は、制御部80の制御により移動機構67を駆動することにより、キャリア63を移動するものである。
【0047】
次に、上記のように構成された紙葉類処理装置による紙葉類の振分け処理について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、複数種が混在し、かつ表裏および天地がばらばらな状態で、複数枚の紙葉類Pがまとめて投入部4に投入される(ST1)。そして、図示しない操作パネルによりスタートを指示する。この指示により、制御部80は取出し制御部83を制御し、取出しローラ10を回転する(ST2)。この取出しローラ10の回転により、投入部4の左端の紙葉類Pから順に1枚ずつ取出され、搬送路12上を搬送される(搬送路12への紙葉類Pの取込み)。
【0048】
この搬送路12による搬送により、紙葉類Pが検知部30の対向部分を通過する。この通過時に、検知部30は紙葉類Pの種類、表裏、天地、汚棄損等の特徴が検知され(ST3)、この検知結果を判定部82に出力する。
【0049】
これにより、判定部82は検知部30の検知結果に基づいて、当該紙葉類Pが再流通可能か否かを判定し(ST4)、当該紙葉類Pが施封指定された特定種の紙葉類であるか否かを判定し(ST5)、当該紙葉類Pの表裏および天地を判定し(ST6)、それぞれの判定結果を制御部80に出力する。
【0050】
これにより、制御部80はそれぞれの判定結果に基づいて、紙葉類Pの振分け制御を行う(ST7から9)。すなわち、再流通不可能な紙葉類Pに対して、リジェクト箱32への振分け制御を行い(ST7)、特定種以外の紙葉類Pに対して、集積部41〜46への振分け制御を行い(ST8)、特定種の紙葉類Pに対して、集積部51、52への振分け制御を行う(ST9)。
【0051】
ステップ4の判定の結果、当該紙葉類Pが再流通不可能と判定された際、当該紙葉類Pの搬送経路をリジェクト箱32へ向けるべくゲートG1が切換えられ、当該紙葉類Pがリジェクト箱32へリジェクトされる。
【0052】
ステップ5の判定の結果、当該紙葉類Pが特定種の紙葉類ではないことが判定されると、ゲートG1がゲートG2方向に切換えられる。このとき、ステップ3で当該紙葉類Pが表を上にして搬送されていることが判定されている場合にはゲートG2が搬送パス36方向に切換えられ、当該紙葉類Pが裏を上にして搬送されていることが判定されている場合にはゲートG2が表裏反転機構34方向に切換えられて紙葉類の表裏が反転される。そして、ゲートG3が水平搬送路40方向に切換えられて、表裏を揃えた状態(本実施の形態では表を上)で合流部38を通過した紙葉類がその種類に応じた集積部41〜46へ選択的に集積される。このとき、ステップ3で判定された当該紙葉類Pの金種に応じてゲートG5〜G9が切換えられる。
【0053】
ところで、上記した集積部51,52に紙葉類Pが100枚集積された場合には、制御部80は取出しローラ10の回転を停止させて紙葉類Pの取出しを停止させるようになっている。
【0054】
また、集積部51のバックアップ51a(,51b)は紙葉類Pを100枚集積すると、集積位置Aから移載位置Bに下降されて100枚の紙葉類Pをキャリア63に移載し、この移載後、上昇して再び集積位置Aに復帰する。
【0055】
また、紙葉類Pの取出し停止後における取出し動作の再開は、バックアップ51a,51bが集積位置Aへ復帰する時点から所定時間だけ溯った時点で取出しローラ10が回転されて行われる。これにより、紙葉類Pの取込停止時間が最小限に抑えられるようになっている。
【0056】
即ち、取出しローラ10の回転により取出されて搬送される紙葉類Pが集積部51,52に到達するまでの時間をT1、集積部51,52のバックアップ51a,51bが集積位置Aから移載位置Bに移動して再度集積位置Aに復帰するまでの時間をT2としたとき、T2−T1時間が上記した溯る所定時間である。
【0057】
具体的には、バックアップ51aが所定位置に上昇したときは、検知器74bにより検知され、バックアップ51bが所定位置に上昇したときは、検知器74eにより検知される。
【0058】
上記バックアップ51aが上記検知器74bにより検知されてから、集積部51の集積位置Aまで移動(上昇)するまでの時間と、投入部4の紙葉類Pが取出されてから集積部51、52に到達するまでの搬送時間にマージンを加えた時間とがほぼ同一なものとなっている。
【0059】
このような構成において、集積部51に100枚の紙葉類Pが集積された際の処理について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
制御部80は特定種の紙葉類Pの表裏および天地それぞれの判定結果に基づいて、集積部51へ集積される紙葉類Pが判断された際、集積部51に対応するメモリ81の計数テーブルをカウントアップする(ST20)。
【0060】
この際、制御部80は集積部51に対する計数テーブル81aの計数値が100枚となった際に(ST21)、集積部51に対する施封モードを判断し(ST22)、かつ取出し制御部83を制御し、取出しローラ10の回転を停止する(ST23)。そして、当該紙葉類Pが集積部51に集積された際、制御部80は現在、キャリア63が使用中か否かを判断する(ST24)。
【0061】
この結果、キャリア63が使用中でなかった場合、制御部80は移動機構67を制御し、キャリア63を上記集積部51の下部へ移動する(ST25)。ついで、制御部80は移動機構62を制御し、上記集積部51のバックアップ51aを下降させる(ST26)。このバックアップ51aの底部までの下降により上記集積部51のバックアップ51a上の集積紙葉類Pが、キャリア63上に移載される。この移載後、制御部80は移動機構67を制御し、キャリア63を施封位置へ移動する(ST27)。ついで、制御部80は移動機構62を制御し、上記集積部51のバックアップ51aを上昇させる(ST41)。このバックアップ51aが検知器74bによる検知位置に到達した際(ST42)、制御部80は取出し再開を判断し、取出し制御部83を制御し、取出しローラ10の回転を再開する(ST43)。この取出しローラ10の回転により、投入部4からの紙葉類Pの取出しが再開される。
【0062】
これにより、上記バックアップ51aが上部集積位置まで移動した際に、集積部51の集積位置に紙葉類Pが集積可能となる。
また、制御部80は、上記キャリア63の施封位置への移動を判断した際(ST30)、移載機構(図示しない)を制御し、上記キャリア63の集積紙葉類Pを施封トレイ73上に移載する。この移載後、制御部80は移動機構67を制御し、キャリア63を施封位置から退避する(ST32)。この後、制御部80は施封機構54を制御することにより、施封トレイ73上の集積紙葉類Pに施封がなされる(ST33)。この施封がなされた集積紙葉類Pは図示しない押出し機構等によりコンベアに移載されることにより、このコンベアにより装置外へ搬出される。
【0063】
上記ステップ24でキャリア63の使用中が判断された際、待機状態となる。
なお、取込みが再開してから到達するまでの間、キャリア63及びバックアッブ51aは動作を継続しており、動作不良によりバックアッブ51aが集積可能位置に戻れなかった場合には、搬送されてきた紙葉類Pが落下することになるため、エラー発生後速やかに搬送を停止するようになっている。
【0064】
したがって、集積可能状態になるのを待たず、取込みからの到達時間分早く取り込みを再開することができる。
なお、上記した第1の実施の形態では、取出しローラ10の再回転時のタイミングを制御することにより取込停止時間を最小限にして処理効率を向上させるようにしたが、これに限られることなく、集積部51,52に紙葉類Pが100枚集積された場合には、101枚目の紙葉類を非施封側(本体ユニット側)の集積部41〜46に集積させるようにしても良い。
【0065】
図6は第2の実施の形態の動作を示すフローチャーである。
【0066】
この第2の実施の形態では、まず、判定部82で紙葉類Pの行き先が検索され(ステップST51)、紙葉類Pの行き先が施封すべきものか否かが判別される(ステップST52)。紙葉類Pの行き先が施封すべきものであると判別された場合には、施封ユニット側の集積部51,52に紙葉類Pの集積が可能であるか否かが判別される(ステップST53)。紙葉類の集積が可能であると判別された場合には、行き先が施封部側であると決定される(ステップST54)。
【0067】
なお、ステップST52で紙葉類Pの行き先が施封部側でないと判別された場合には、本体ユニット側の指定された集積部41〜46に行き先が決定される(ステップST55)。
【0068】
ステップST53において施封部側の集積部51,52での集積が可能でないと判別された場合には、紙葉類Pと同一種類の紙葉類を集積するための集積部を本体ユニット側に設定できるか否かが判別される(ステップST56)。本体ユニット側に設定できると判別された場合には、紙葉類Pの行き先が本体ユニット側に決定される(ステップST57)。
【0069】
ステップST56において、本体ユニット側に設定できないときには、行き先を排除集積に決定して(ステップST58)、取り込みを停止する(ステップST59)。
【0070】
この実施の形態によれば、施封部側の集積部51,52に紙葉類Pが所定枚数集積されて集積が不可能状態になっても、取出ローラ10の回転による紙葉類Pの取出動作を停止させることなく継続させることができ、処理効率を良好に維持することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、集積部が集積位置から移載位置に移動されて再度集積位置に復帰する時点から所定時間前の時点で取出手段による紙葉類の取出動作を再開させるため、紙葉類の取出動作の停止時間を短縮化でき、処理効率を向上できる。
【0072】
また、施封用の集積部に紙葉類が所定枚数集積された場合には、所定枚数目以降の紙葉類は非施封側の集積部に集積させるため、紙葉類の取込動作を停止させることなく継続させることができ、処理効率を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である紙葉類処理装置を概略的に示す内部構成図。
【図2】紙葉類処理装置の施封装置部を示す構成図。
【図3】紙葉類処理装置の動作を制御する制御系を示すブロック図。
【図4】紙葉類処理装置による紙葉類の振分け処理を説明するためのフローチャート。
【図5】施封装置部における集積部への振分け制御に伴う施封処理を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態である紙葉類処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
P…紙葉類、10…取出しローラ(取出手段)、30…検知部(判別手段)、51,52…集積部、80…制御部(制御手段)、A…集積位置、B…移載位置、54…施封機構(施封手段)、34…リジェクト箱(排除部)、41〜46…非施封用の集積部、G3〜G9…ゲート(案内手段)、62,65…移動機構(移動手段)、63…キャリア(移載搬送手段)。

Claims (5)

  1. 紙葉類を取出す取出手段と、
    この取出手段により取出された紙葉類の種類を判別する判別手段と、
    この判別手段によって判別された紙葉類をその種類別に所定枚数集積する複数の集積部と、
    この集積部に前記紙葉類が所定枚数集積されたことに基づいて前記取出手段の取出動作を停止させる制御手段と、
    前記集積部を紙葉類の集積位置とこの集積位置と異なる移載位置との間で移動させる移動手段と、
    この移動手段により前記移載位置に移動された前記集積部から所定枚数の紙葉類を移載させて搬送する移載搬送手段と、
    この移載搬送手段により搬送されてくる紙葉類を施封する施封手段とを具備し、
    前記制御手段は、前記集積部が集積位置から移動されて再度集積位置に復帰する時点から所定時間溯った時点で前記取出手段による紙葉類の取出動作を再開させるように制御することを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 前記所定時間は、前記取出手段により紙葉類が取出されて前記集積部に到達するまでの時間をT1、前記集積部が集積位置から移動されて再度集積位置に復帰するまでの時間をT2としたとき、T2−T1時間であることを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
  3. 前記集積部に紙葉類が所定枚数集積されたことに基づいて前記制御手段により取出手段の取出動作が停止された際に、既に取出手段により取出されて前記集積部に向かう紙葉類がある場合には、該紙葉類を排除部に排除させることを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
  4. 紙葉類を取出す取出手段と、
    この取出手段により取出された紙葉類の種類を判別する判別手段と、
    この判別手段によって非施封用の紙葉類と判別された紙葉類をその種類別に所定枚数集積する複数の非施封用の集積部と、
    前記判別手段によって施封用の紙葉類と判別された紙葉類をその種類別に所定枚数集積する複数の施封用の集積部と、
    前記施封用の集積部を紙葉類の集積位置とこの集積位置と異なる移載位置との間で移動させる移動手段と、
    この移動手段により移載位置に移動された施封用の集積部から所定枚数の紙葉類を移載させて搬送する移載搬送手段と、
    この移載搬送手段により搬送されてくる紙葉類を施封する施封手段と、
    前記施封用の集積部に向かう紙葉類が所定枚数目以降のものであるとき、該紙葉類を前記非施封用の集積部に案内して集積させる案内手段とを具備することを特徴とする紙葉類処理装置。
  5. 前記案内手段により案内される紙葉類は該紙葉類と同一種類の紙葉類を集積させる非施封用の集積部に集積されることを特徴とする請求項4記載の紙葉類処理装置。
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