JP3898320B2 - 木質材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁や床などに用いられる建築用木質材、天板や側板や扉などに用いられる家具用木質材、自動車の内装成形品などに用いられる木質材の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来木質細片板や木質繊維板を製造するときに使用する接着剤は尿素とホルマリンとを反応させて作っていた。このような接着剤の製造には一般的にホルマリンが使用されている。この場合、接着性能を上げるには尿素を完全に反応させなければならないため、尿素を過剰のホルマリンと反応させていた。木質細片板群の一種であるパーチクルボードを生産するときは、尿素とホルマリンのモル比は1対1.2が一般的である。このように過剰のホルマリンと反応させると、接着剤製造後、この過剰なホルマリンの一部が未反応のまま接着剤中に残ってしまい、家の壁面や床面、家具の側板や扉、あるいは自動車の内装成形品として用いると、ホルムアルデヒドが空気中に拡散される可能性があった。また接着剤中にホルマリンを残存させないようにするため、尿素と全量が反応するだけのホルマリンを使用した場合、実質的には尿素と完全に反応させるのは難しく未反応の尿素が残存するために接着性能が著しく低下した。
【0003】
また木質材の吸水による膨潤を防止するためにパラフィンエマルジョンやポリエチレンワックスなどのはっ水剤を接着剤に混入させて、木質細片や木質繊維に吹き付け塗布した場合、はっ水剤が硬化した接着剤中に取り込まれてしまって十分に木質細片や木質繊維中にしみこまず期待どうりの吸水膨潤防止効果を上げることができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は木質細片に尿素水溶液を塗布乾燥させた後、その表面に尿素樹脂接着剤を塗布し任意の形状に積層後熱圧することを特徴とする木質材の製造方法を請求項1の発明とし、また木質繊維に尿素水溶液を塗布乾燥させた後、その表面に尿素樹脂接着剤を塗布し任意の形状に積層後熱圧することを特徴とする木質材の製造方法を請求項2の発明とし、はっ水剤を尿素水溶液に混入することを特徴とする請求項1または請求項2記載の木質材の製造方法を請求項3の発明とするものである。
【0005】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。木質細片や木質繊維に10から60重量%濃度の尿素水溶液を、木質細片や木質繊維に対し5から50重量%吹き付け塗布した後乾燥させた。その後尿素樹脂接着剤を木質細片や木質繊維100重量部に対し固形分換算で5から20重量部塗布した。そして、マット状や立体状の任意の形状に積層成型後熱圧した。木質細片板としては、粉末状の非常に細かい物から厚み2mm幅10mm長さ150mmのように大きい物まで各種の大きさの物が使用できる。また尿素接着剤中にメラミン樹脂を添加して共重合させてもよい。
【0006】
ここで10重量%濃度未満の尿素水溶液では接着剤中のホルマリンと十分反応してホルムアルデヒドの空気中への放出を抑えることが難しく、また60重量%濃度を超えた尿素水溶液では尿素が溶けきれないため製造が難しい。また木質材への尿素水溶液の塗布量は、木質細片や木質繊維に対して尿素水溶液が5重量%未満では尿素の量が少なすぎてホルマリンと反応しにくく、50重量%を越えると水溶液中の水の量が多すぎて後の乾燥に時間がかかりすぎる。プレス圧、プレス時間、プレス温度については、一般的にこの種木質材の製造に使用している範囲で良い。
【0007】
またパラフィンエマルジョンやポリエチレンワックスなどをはっ水効果を持たせるために尿素水溶液中に5から70重量%濃度を混合した。このはっ水剤は5重量%濃度未満では十分なはっ水効果を持たすことはできなく、70重量%濃度を越えると成型後の木質材強度が弱くなる。
【0008】
【実施例1】
表層に使用する木質細片2.5kgに40%濃度の尿素水溶液500g、40%濃度のパラフィンエマルジョン32gを配合した水溶液532gを、内層に使用する木質細片2.5kgに40%濃度の尿素水溶液500g、40%濃度のパラフィンエマルジョン18gを配合した水溶液518gをそれぞれ吹き付け塗布した。ここで、内層用の木質細片は厚み約1mm、幅約5mm、長さ約100mmの物を、表層用の木質細片は目開き1×2mmの篩を通過した物を使用した。次にその木質細片を50度のドライヤーで24時間乾燥させ、木質細片の含水率を5%に調整した。接着剤は表層に尿素樹脂のみを表層絶乾木質細片重量に対し13%、内層に尿素樹脂と硬化剤として塩化アンモニウムを尿素樹脂固形分100重量部に対し1重量部配合したものを、内層絶乾木質細片重量に対し8%の接着剤固形分添加割合で塗布した。その後、マット状に積層し、温度160度、圧力26kg/平方cmで4分間熱圧し、厚み15mmの所望の木質細片板を得た。
【0009】
【実施例2】
表層に使用する木質細片2.5kgに40%濃度の尿素水溶液500g、40%濃度のパラフィンエマルジョン32gを配合した水溶液532gを、内層に使用する木質細片2.5kgに40%濃度の尿素水溶液500g、40%濃度のパラフィンエマルジョン18gを配合した水溶液518gをそれぞれ吹き付け塗布した。ここで、木質細片は実施例1と同じ物を使用した。次にその木質細片を50度のドライヤーで24時間乾燥させ、木質細片の含水率を5%に調整した。接着剤は表層に尿素樹脂と40%濃度のパラフィンエマルジョンを尿素樹脂固形分100重量部に対し5重量部配合したものを使用し、内層に尿素樹脂と硬化剤として塩化アンモニウムを尿素樹脂固形分100重量部に対し1重量部、40%濃度のパラフィンエマルジョン5重量部をそれぞれ配合したものを使用した。木質細片に対する接着剤固形分添加割合は実施例1と同様にした。その後、マット状に積層し、温度160度、圧力26kg/平方cmで4分間熱圧し、厚み15mmの所望の木質細片板を得た。
【0010】
【比較例】
表層に使用する木質細片、内層に使用する木質細片それぞれ2.5kgを30度のドライヤーで24時間乾燥させ、含水率を5%に調整した。ここで、木質細片は実施例1と同じ物を使用した。表層の接着剤には40%濃度のパラフィンエマルジョンを尿素樹脂固形分100重量部に対して5重量部配合し、また内層の接着剤には表層の接着剤にさらに硬化剤として塩化アンモニウムを尿素樹脂固形分100重量部に対し1重量部配合した。この接着剤を表層絶乾木質細片重量に対し13%、内層絶乾木質細片重量に対し8%の接着剤固形分添加割合で塗布した。その後、マット状に積層し、温度160度、圧力26kg/平方cmで4分間熱圧し、厚み15mmの木質細片板を得た。
【0011】
実施例1および2と比較例の吸水厚さ変化率とホルムアルデヒド放出量を比較すると、実施例1の吸水厚さ変化率は18%、実施例2は15%であったが、比較例では23%であった。また、ホルムアルデヒド放出量は実施例1では2.0mg/l、実施例2では2.2mg/lであったが、比較例は4.5mg/lであった。
【0012】
【発明の効果】
接着剤中のホルマリンはあらかじめ木質細片や木質繊維に尿素水溶液を塗布乾燥させているので、その尿素と反応して大幅に低減した。またはっ水剤を尿素水溶液中に混入しておくと、生産した木質材の吸水膨潤が大幅に防止された。
Claims (3)
- 木質細片に尿素水溶液を塗布乾燥させた後、その表面に尿素樹脂接着剤を塗布し任意の形状に積層後熱圧することを特徴とする木質材の製造方法。
- 木質繊維に尿素水溶液を塗布乾燥させた後、その表面に尿素樹脂接着剤を塗布し任意の形状に積層後熱圧することを特徴とする木質材の製造方法。
- 尿素水溶液にはっ水剤を混入した請求項1または請求項2記載の木質材の製造方法。
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JP36826297A JP3898320B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 木質材の製造方法 |
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JPH11188708A JPH11188708A (ja) | 1999-07-13 |
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JP36826297A Expired - Fee Related JP3898320B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 木質材の製造方法 |
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1997
- 1997-12-26 JP JP36826297A patent/JP3898320B2/ja not_active Expired - Fee Related
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