JP3897493B2 - ガスバーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガスと燃焼用空気とが予め混合された予混合ガスが供給される複数の炎口が列状に設けられ、その炎口列の両脇に、前記炎口からの予混合ガス噴出方向に突出する壁状の保炎部が設けられて、完全予混合燃焼式に構成されたガスバーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるガスバーナは、列状に設けられた複数の炎口から予混合ガスを噴出して、完全予混合燃焼させるものであるが、炎口からの予混合ガスの噴出に伴って周囲から空気が誘引されて、炎口周辺が冷却されたり、空燃比が薄くなったりして、燃焼が不安定にならないように、炎口列の両脇に壁状の保炎部を設けて、火炎を保護するように、即ち、保炎するように構成してある。
【0003】
従来は、図7及び図8に示すように、円筒体21に、複数の炎口1を、炎口列の炎口並び方向が筒長手方向に向く状態で、3列状に形成し、保炎部Rとして機能させる2枚の長尺状の保炎板22を、互いに対向して円筒体21の外周面から突出する状態で、3列の炎口列の両脇に各別に位置させて、円筒体21の外周面に対して複数のビス23にて取り付けていた。そして、円筒体21の内部に予混合ガスを供給して、各炎口1から噴出する予混合ガスを、2枚の保炎板22の保炎作用にて安定して燃焼させるように構成していた。
ちなみに、3列の炎口列Lのうち、中央の炎口列Lを構成する炎口1を主炎口1mとし、両外側の炎口列Lを構成する炎口1を、主炎口1mよりも開口面積が小さい(主炎口1mの開口面積の1/4〜1/5倍程度)保炎口1rとしていた。そして、保炎口1rから噴出される予混合ガスを保炎板22に接触させる状態で燃焼させて、保炎を形成させ、主炎口1mから噴出される予混合ガスを、両側の保炎口1rにて形成される保炎の保炎作用にて、安定燃焼させるように構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のガスバーナでは、保炎部として機能させる2枚の保炎板を円筒体に取り付ける必要があることから、構成が複雑になり、価格が高くなるという問題があった。
又、炎口を形成する円筒体と保炎部として機能させる保炎板とを別体にして、それらを接続する構成であることから、円筒体と保炎板との間における伸縮状態の違いにより、円筒体と保炎板との接続部分に応力が発生するため、保炎板が円筒体から外れてしまう虞があり、耐久性を向上させる面で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保炎部の構成を合理的に改善して、価格の低減及び耐久性の向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の特徴構成は、燃焼部形成用の凹溝が形成された炎口形成部材が設けられて、
前記凹溝の底部に、前記複数の炎口が、前記凹溝の長手方向に沿って列状に形成されると共に、前記凹溝の側面が前記保炎部として機能するように構成され、
前記炎口形成部材における前記凹溝が形成される側とは反対側に、予混合ガスを前記炎口に供給する予混合ガス供給路が設けられ、
周方向の一部を、前記炎口形成部材として機能させる炎口形成用筒状体が設けられて、
前記炎口形成用筒状体において前記炎口形成部材として機能させる部分に、前記凹溝が、前記炎口形成用筒状体の長手方向に沿って形成され、
前記炎口形成用筒状体の内部が前記予混合ガス供給路として構成され、
前記炎口形成用筒状体の内部に、内筒状体が、その長手方向を前記炎口形成用筒状体の長手方向に沿わせ、且つ、前記炎口形成用筒状体の内周面と離間する状態で設けられ、
予混合ガスが、前記内筒状体内に供給されるように構成され、
前記炎口形成用筒状体が、その先端が閉塞しかつその基端が開口する状態で設けられ、前記内筒状体が、その両端が開口する状態で設けられ、前記炎口形成用筒状体の開口端と前記内筒状体の基端側の開口端にて形成される環状の開口部が、閉塞板にて閉塞され、前記内筒状体の基端側の開口端に、予混合ガス供給用管路が接続され、
前記内筒状体に、予混合ガスを前記炎口形成用筒状体内に排出する排出部が設けられ、
その排出部が、前記内筒状体の先端開口、及び、前記内筒状体において前記炎口形成用筒状体における開口端側の炎口非形成部分内に位置する部分に前記炎口の存在側とは反対側に開く状態で形成される予混合ガス排出口にて構成されていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、炎口形成部材に凹溝が形成され、その凹溝の底部に、複数の炎口が、凹溝の長手方向に沿って列状に形成されると共に、凹溝の側面が保炎部として機能するように構成されるので、炎口と保炎部とを、炎口形成部材という一つの部材を用いて形成することができる。
そして、炎口形成部材における凹溝が形成される側とは反対側に、予混合ガスを炎口に供給する予混合ガス供給路が設けられるので、その予混合ガス供給路から予混合ガスが複数の炎口に供給され、複数の炎口から噴出される予混合ガスが、保炎部として機能させる凹溝の両側面による保炎作用により、安定燃焼する。
従って、炎口と保炎部とを、炎口形成部材という一つの部材を用いて形成するようにして、従来必要としていた保炎板を省略することができるようにしたので、従来よりも構成を簡略化して、価格を低減することができるようになった。
又、炎口と保炎部とを、炎口形成部材という一つの部材を用いて形成することにより、炎口を形成する円筒体と保炎部として機能させる保炎板とが別体であることに起因して生じていた、従来のガスバーナにおける不具合と同様の不具合が生じることが無いようにしたので、耐久性を従来よりも向上することができるようになった。
又、請求項1に記載の特徴構成は、周方向の一部を、前記炎口形成部材として機能させる炎口形成用筒状体が設けられて、
前記炎口形成用筒状体において前記炎口形成部材として機能させる部分に、前記凹溝が、前記炎口形成用筒状体の長手方向に沿って形成され、
前記炎口形成用筒状体の内部が前記予混合ガス供給路として構成されていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、炎口形成用筒状体の周方向の一部を炎口形成部材として機能させ、炎口形成用筒状体の内部を予混合ガス供給路に構成するので、炎口、保炎部及び予混合ガス供給路を、炎口形成用筒状体という一つの部材を用いて構成することができる。
従って、炎口形成部材と予混合ガス供給路を形成する部材とを、炎口形成用筒状体とい う一つの部材を用いて構成することにより、両者を別体にする場合に比べて、構成を簡略化することができて、価格を更に低減することができると共に、耐久性を更に向上することができるようになった。
又、請求項1に記載の特徴構成は、前記炎口形成用筒状体の内部に、内筒状体が、その長手方向を前記炎口形成用筒状体の長手方向に沿わせ、且つ、前記炎口形成用筒状体の内周面と離間する状態で設けられ、
予混合ガスが、前記内筒状体内に供給されるように構成され、
前記内筒状体に、予混合ガスを前記炎口形成用筒状体内に排出する排出部が設けられていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、内筒状体の排出部から、予混合ガスが、炎口形成用筒状体内に対して、その長手方向での圧力分布が小さくなるように排出されて、列状の複数の炎口に対して、予混合ガスがバラツキの少ない状態で供給されるので、列状の複数の炎口夫々にて形成される火炎の長さが揃って、加熱対象域を、炎口形成用筒状体の長手方向の全長にわたって均一に加熱することができる。
又、内筒状体の予混合ガスの圧力が炎口形成用筒状体内の予混合ガスの圧力よりも高くなることにより、各炎口からの予混合ガス噴出量を少なくして燃焼量を小さくしても、炎口での逆火が起こり難くくなるので、ターンダウン比を大きくすることができる。
従って、広範囲を均一に加熱することができると共に、ターンダウン比を大きくすることができるようになった。
【0007】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の特徴構成は、前記凹溝の底部に、前記複数の炎口が複数列状に形成され、
複数の炎口列における両外側の炎口列を構成する炎口が、予混合ガスの噴出方向が互いに同一方向を向くように構成され、
前記凹溝の両側面が、前記外側の炎口列を構成する炎口の予混合ガス噴出方向と平行になるように形成されて、前記外側の炎口列を構成する炎口から噴出される予混合ガスが前記凹溝の側面に接触して燃焼するように構成されていることにある。
請求項2に記載の特徴構成によれば、両外側の炎口列を構成する炎口から、予混合ガスが凹溝の側面に沿って層流状態で流れるように噴出されるので、予混合ガスは、高温に加熱されている凹溝の側面の燃焼促進作用により、安定して燃焼し、火炎が側面にへばりつく状態で安定して形成される。
ちなみに、複数の炎口を3列以上で複数列状に形成する場合は、両外側の炎口列を構成する炎口にて形成される火炎を保炎とし、その保炎によって、内側の炎口列を構成する炎口から噴出される予混合ガスを、安定して燃焼させることができ、ガスバーナ全体として、安定燃焼させることができる。
従って、燃焼の安定性をより一層向上させる上で好ましい具体構成を提供することができる。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の特徴構成は、前記凹溝の側面の高さが、前記炎口の内径の2倍以上になるように構成されていることにある。
つまり、炎口を凹溝の底部に形成するにしても、凹溝の側面の高さが低いと、側面による保炎作用が弱くなる。
そこで、凹溝の側面による保炎作用を充分に作用させることができるようにすべく、炎口の内径と凹溝の側面の高さとの関係を調べたところ、凹溝の側面の高さを炎口の内径の2倍以上にすると、凹溝の側面による保炎作用を充分に作用させることができることが分かった。
従って、凹溝の側面の高さを炎口の内径の2倍以上になるように構成することにより、燃焼の安定性を一層向上することができるようになった。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図4に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。尚、図1の(イ)は、第1実施形態にかかるガスバーナの平面図であり、図1の(ロ)は、第1実施形態にかかるガスバーナにおける外側円筒体4の長手方向に沿う方向での縦断面図である。又、図3は、図1の(イ)におけるイ−イ矢視図である。
ガスバーナは、燃料ガスと燃焼用空気とが予め混合された予混合ガスが供給される複数の炎口1を列状に設け、その炎口列Lの両脇に、炎口1からの予混合ガス噴出方向に突出する壁状の保炎部Rを設けて、完全予混合燃焼式に構成してある。
本発明においては、燃焼部形成用の凹溝2を形成した炎口形成部材Kを設け、その凹溝2の底部2bに、複数の炎口1を、凹溝2の長手方向に沿って列状に形成すると共に、凹溝2の側面2sが保炎部Rとして機能するように構成し、炎口形成部材Kにおける凹溝2が形成される側とは反対側に、予混合ガスを炎口1に供給する予混合ガス供給路3を設けてある。
【0013】
図1の(ロ)に示すように、予混合ガス供給路3に対して、予混合ガス供給用管路11を通じて予混合ガスを供給するように構成してある。
尚、燃料ガス供給路12から供給される燃料ガスと、燃焼用空気供給路13から供給される燃焼用空気とを混合するベンチュリミキサ14を設け、ベンチュリミキサ14を予混合ガス供給用管路11に接続して、ベンチュリミキサ14からの予混合ガスを、予混合ガス供給用管路11を通じて予混合ガス供給路3に供給するようにしてある。図中の15は、燃焼用空気の流量調節用のバルブであり、16は、燃料ガスの圧力を大気圧に調節するゼロガバナであり、バルブ15により、燃焼用空気の流量が所定の範囲内で変更調節されても、燃焼用空気と燃料ガスとを予め設定された一定の混合比にて混合するように構成してある。
【0014】
〔第1実施形態〕
以下、図1ないし図3に基づいて、本発明の第1の実施の形態を、パイプ状のガスバーナに適用した場合について説明する。
第1実施形態におけるパイプ状のガスバーナにおいては、周方向の一部4rを炎口形成部材Kとして機能させる炎口形成用筒状体Pとして、直管状の外側円筒体4を設け、その外側円筒体4において炎口形成部材Kとして機能させる部分4rに、凹溝2を、外側円筒体4の長手方向に沿って形成し、外側円筒体4の内部を予混合ガス供給路3として構成してある。
【0015】
外側円筒体4の一端は閉塞し、他端は開口させてある。
凹溝2は、外側円筒体4の長手方向の両端側を除いた部分に、長手方向に沿って形成してある。
凹溝2は、その長手方向視において、底面2bが外側円筒体4の径方向と直交する平面となり、各側面2sが底面2bと直交する平面となる形状に形成してある。
そして、凹溝2の底面2bに、複数の炎口1を3列状に形成してある。
各炎口列Lを構成する炎口1は、同径の円状に形成すると共に、予混合ガスの噴出方向が、凹溝2の底面2bと直交する方向を向いて、互いに同一方向となるように形成し、更に、両外側の炎口列Lを構成する炎口1は、凹溝2の側面2sに近接させて形成してある。
ちなみに、通常、炎口1として機能させる孔はドリルで形成するが、本発明では、炎口1として機能させる孔は、凹溝2の平面状の底面2bに形成するので、炎口1として機能させる全ての孔を、その軸芯が底面2bと直交するように形成することができるのである。
【0016】
従って、3列の炎口列Lにおける両外側の炎口列Lを構成する炎口1が、予混合ガスの噴出方向が互いに同一方向を向くように構成し、凹溝2の両側面2sが、外側の炎口列Lを構成する炎口1の予混合ガス噴出方向と平行になるように形成して、外側の炎口列Lを構成する炎口1から噴出される予混合ガスが凹溝2の側面2sに接触して燃焼するように構成してある。
【0017】
つまり、両外側の炎口列Lを構成する炎口1を保炎口1rとして、その保炎口1rから、予混合ガスを凹溝2の側面2sに沿って層流状態で流れるように噴出させるので、予混合ガスは安定して燃焼し、保炎が側面2sにへばりつく状態で安定して形成される
中央の炎口列Lを構成する炎口1を主炎口1mとして、その主炎口1mから噴出される予混合ガスを、両側の保炎口1rにて形成される保炎の保炎作用にて安定燃焼させる。
【0018】
一方、図7及び図8にて示す従来のガスバーナでは、炎口1として機能させる孔は、円筒体21の外周面に直接に形成し、しかも、円筒体21の肉厚が3.5〜5mm程度と薄いので、各孔の軸芯を円筒体21の径方向に一致させて形成せざるを得ない。
従って、3列の炎口列Lを夫々形成するところの、円筒体21の周方向に並ぶ3個の炎口2からは、予混合ガスが放射状に噴出され、外側の炎口列Lを構成する保炎口1rからは、予混合ガスが保炎板22に吹き付けられるように噴出されるので、保炎がふらついて不安定となる。尚、保炎板22を、外側の炎口列Lを構成する保炎口1rからの予混合ガス噴出方向と平行になるように設けると、保炎は、主炎口1mから噴出される予混合ガス流から離れて位置するので、主炎口1mから噴出される予混合ガスに対して保炎作用させ難くなる。
【0019】
第1実施形態においては、外側円筒体4の内部に、両端が開口した直管状の内側円筒体(内筒状体に相当する)5を、その長手方向を外側円筒体4の長手方向に沿わせ、且つ、外側円筒体4の内周面と離間する状態で設けてある。内側円筒体5において、外側円筒体4における開口端側の炎口非形成部分4F内に位置する部分の筒壁には、炎口1の存在側とは反対側に開く状態で、予混合ガス排出口5hを形成してある。
外側円筒体4の開口端と内側円筒体5の基端側の開口端にて形成される環状の開口部を閉塞板6にて閉塞し、内側円筒体5の基端側の開口端に、予混合ガス供給用管路11を接続して、予混合ガス供給用管路11から予混合ガスを、内側円筒体5内に供給し、その内側円筒体5の先端開口5eと予混合ガス排出口5hとから、予混合ガスを外側円筒体4内の予混合ガス供給路3に供給するように構成してある。
【0020】
つまり、外側円筒体4内の予混合ガス供給路3における長手方向での予混合ガスの圧力分布が小さくなるようにして、列状に並ぶ複数の炎口1からバラツキが小さい状態で予混合ガスを噴出させて、列状に並ぶ各炎口1にて形成される火炎の長さが揃うようにしてある。
従って、内側円筒体5の先端開口5e及び予混合ガス排出口5hが、外側円筒体4内における長手方向での予混合ガスの圧力分布が小さくなるように、予混合ガスを噴出する排出部Eとして機能させるように構成してある。
【0021】
外側円筒体4における開口端側の炎口非形成部分4Fは、内側円筒体5の予混合ガス排出口5hから排出された予混合ガスの混合を更に促進させる混合部として機能させる。従って、予混合ガス排出口5hは、炎口1から離れた位置に形成するほど、混合部4Fの混合作用が向上する。ちなみに、予混合ガス排出口5hは、混合部4Fにおける長手方向の中央部よりも基端側の位置に形成するのが好ましい。尚、内側円筒体5の先端開口5eは全面的に開口させ、予混合ガス排出口5hの直径を、内側円筒体5の内径の2/3以下に設定すると、外側円筒体4内における長手方向での予混合ガスの圧力分布を小さくする上で、好ましい。
【0022】
外側円筒体4の寸法は、適宜設定するが、口径は、例えば、1.5〜3インチの範囲で適宜設定し、長さは、例えば、300〜3000mmの範囲で適宜設定する。
そして、本発明においては、外側円筒体4の肉厚は、例えば7.1mm程度にして、図7及び図8に示す従来のガスバーナにおける円筒体21の肉厚(例えば、3.5〜5mm)よりも厚くして、凹溝2を形成することができるようにしてある。
【0023】
図1及び図3に示すように、炎口1の内径をd、外側の炎口列Lを構成する炎口1と凹溝2の側面2sとの間隔をb、凹溝2の側面2bの高さをh、各炎口列Lにおける炎口1のピッチをp、外側円筒体4の内径をa、混合部4Fの長さをfとすると、それらの関係を下記のように設定すると、より安定して燃焼させる上で好ましい。
b≦0.1mm
d≦2.0mm
h≧2d
2d≦p≦3d
f≧7a
【0024】
例えば、外側の炎口列Lを構成する炎口1と凹溝2の側面2sとの間隔bが、0.1mmよりも大きくなるほど、外側の炎口列Lを構成する炎口1から噴出される予混合ガス流が、凹溝2の側面2sから離れるので、安定燃焼し難くなる。又、凹溝2の側面2bの高さhが、炎口1の内径dの2倍よりも小さくなるほど、凹溝2の側面2sによる保炎作用が低下する。
混合部4Fの長さfが外側円筒体4の内径aの7倍よりも小さくなるほど、予混合ガスにおける燃料ガスと燃焼用空気との混合状態が悪くなって、燃焼が不安定になる。
【0025】
次に、図4に基づいて、上述のガスバーナBを用いて構成したパン用オーブンについて説明する。尚、図4の(イ)は、パン用オーブンの全体斜視図で、(ロ)は、要部の縦断面図である。
パン用オーブンは、入口17i及び出口17oを備えた炉体17内に、入口17iから出口17oへ、被加熱物搭載用のパレット18を横搬送するコンベア19を設けると共に、炉体17内を加熱するように、複数(この実施形態では9本)のガスバーナBを設けて構成してある。
コンベア19は、炉体17内の入口17i側と出口17o側とに夫々配置した一対のプーリ19pと、その一対のプーリ19pに環状に懸け回したメッシュ状のベルト19bを備えて構成してある。
【0026】
ベルト19bにて形成される環の内部において、複数のガスバーナBを、夫々の長さ方向をベルト19bの幅方向に向けた状態で、ベルト19bの長さ方向に並べて配置してある。各ガスバーナBは、炎口1から予混合ガスをベルト19bの進行方向に向けて斜め上方に噴出するように配置して、各ガスバーナBの燃焼ガスをベルト19bの進行方向と同方向に流動させて、炉体17内の雰囲気が均等になるようにしてある。
ちなみに、ガスバーナBの有効加熱長(炎口1を形成している部分の長さに相当する)は、炉体17の大きさ(幅)に応じて変更するが、例えば、炉体17の幅が1800mm程度の場合は、例えば1300mm程度に設定する。ガスバーナBとその上方を進行するベルト19bとの間隔は、100mm程度に設定し、火炎の長さは、直接パレットの底部に当たらないような長さに設定してある。
【0032】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の各実施形態において、複数の炎口1を列状に設ける場合の配列形態は、種々に変更可能である。
例えば、1列状に設けても良い。
又、複数列状で設ける場合、4列以上に設けても良い。
3列以上で設ける場合は、両外側の炎口列Lを構成する炎口1を保炎口1rとし、内側の炎口列Lを構成する炎口1を主炎口1mとするように構成するが、この場合、保炎口1rの開口面積を主炎口1mの開口面積よりも小さくしても良い。
【0033】
図5に示すように、複数の炎口1を2列状に設けて、主炎口1mと保炎口1rとに区別しないように設けても良い。
【0034】
又、図6に示すように、3列状に設け、両外側の炎口列Lを構成する炎口1を保炎口1rとし、内側の炎口列Lは、複数の主炎口1m及びその主炎口1mよりも開口面積が小さい複数の火移り用炎口1tを、主炎口1m同士の間に火移り用炎口1tが位置する状態で1列に並べる。
【0035】
(ロ) 上記の各実施形態においては、複数の炎口列Lを夫々形成するところの、外側円筒体4の周方向に並ぶ複数個の炎口2から、予混合ガスを同方向に(平行に)噴出するように構成する場合について例示したが、これに限定されるものではなく、予混合ガスを異なる方向、例えば放射状に噴出するように構成しても良い。
【0036】
(ハ) 炎口1の内径d、外側の炎口列Lを構成する炎口1と凹溝2の側面2sとの間隔b、凹溝2の側面2bの高さh、各炎口列Lにおける炎口1のピッチp、外側円筒体4の内径a、及び、混合部4Fの長さfは、上記の各実施形態において例示した制限条件内で設定することに限定されるものではなく、適宜変更可能である。但し、前記制限条件から大きく外れるほど、燃焼の安定性が低下する虞があるので、燃焼の安定性が低下しない範囲で、変更するように配慮する必要がある。
【0037】
(ニ) 凹溝2の長手方向視での形状は、上記の各実施形態において例示した形状に限定されるものではない。
例えば、底面2bを平面状に形成するのに代えて、上方に突出するような、あるいは、下方に凹むような曲面状に形成しても良い。
両側の側面2sは、互いに平行になるように形成するのに代えて、凹溝2の開口部側ほど間隔が広くなる先広がり状に形成したり、凹溝2の開口部側ほど間隔が狭くなる先狭まり状に形成したりしても良い。
【0040】
(ホ) パイプ状のガスバーナに適用する場合、上記の第1実施形態においては、直管状の炎口形成用筒状体Pを用いる場合について例示したが、適当な形状に曲げた炎口形成用筒状体Pを用いても良い。
【0042】
(ヘ) 本発明では、複数の炎口1を、凹溝2の底部に凹溝2の長手方向に沿って列状に形成するが、凹溝2が直線状の場合は、複数の炎口1を直線状に並べて形成し、凹溝2が曲線状の場合は、複数の炎口1を、曲線状の凹溝2に沿うように曲線状に並べて形成することとなり、これらを統一して、複数の炎口1を凹溝2の長手方向に沿って列状に形成する、と定義する。
【0043】
(ト) 炎口形成部材Kにおける凹溝2が形成される側とは反対側に予混合ガス供給路3を形成する部材の厚さを、炎口形成部材Kの厚さよりも薄くしても良い。この場合は、軽量化を図ることができる。
【0044】
(チ) 本発明にかかるガスバーナは、上記の実施形態において例示したパン用オーブン以外にも、種々の用途で用いることができ、例えば、炊飯器やフライヤー用として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態にかかるガスバーナの構成を示す図
【図2】 第1実施形態にかかるガスバーナの斜視図
【図3】 図1の(イ)におけるイ−イ矢視図
【図4】 第1実施形態にかかるガスバーナを用いたパン用オーブンの構成を示す図
【図5】 別実施形態にかかるガスバーナの平面図
【図6】 別実施形態にかかるガスバーナの平面図
【図7】 従来のガスバーナの平面図
【図8】 図7におけるハ−ハ矢視図
【符号の説明】
1 炎口
2 凹溝
2s 側面
3 予混合ガス供給路
5 内筒状体
E 排出部
K 炎口形成部材
P 炎口形成用筒状体
R 保炎部
Claims (3)
- 燃料ガスと燃焼用空気とが予め混合された予混合ガスが供給される複数の炎口が列状に設けられ、その炎口列の両脇に、前記炎口からの予混合ガス噴出方向に突出する壁状の保炎部が設けられて、完全予混合燃焼式に構成されたガスバーナであって、
燃焼部形成用の凹溝が形成された炎口形成部材が設けられて、
前記凹溝の底部に、前記複数の炎口が、前記凹溝の長手方向に沿って列状に形成されると共に、前記凹溝の側面が前記保炎部として機能するように構成され、
前記炎口形成部材における前記凹溝が形成される側とは反対側に、予混合ガスを前記炎口に供給する予混合ガス供給路が設けられ、
周方向の一部を、前記炎口形成部材として機能させる炎口形成用筒状体が設けられて、
前記炎口形成用筒状体において前記炎口形成部材として機能させる部分に、前記凹溝が、前記炎口形成用筒状体の長手方向に沿って形成され、
前記炎口形成用筒状体の内部が前記予混合ガス供給路として構成され、
前記炎口形成用筒状体の内部に、内筒状体が、その長手方向を前記炎口形成用筒状体の長手方向に沿わせ、且つ、前記炎口形成用筒状体の内周面と離間する状態で設けられ、
予混合ガスが、前記内筒状体内に供給されるように構成され、
前記炎口形成用筒状体が、その先端が閉塞しかつその基端が開口する状態で設けられ、前記内筒状体が、その両端が開口する状態で設けられ、前記炎口形成用筒状体の開口端と前記内筒状体の基端側の開口端にて形成される環状の開口部が、閉塞板にて閉塞され、前記内筒状体の基端側の開口端に、予混合ガス供給用管路が接続され、
前記内筒状体に、予混合ガスを前記炎口形成用筒状体内に排出する排出部が設けられ、
その排出部が、前記内筒状体の先端開口、及び、前記内筒状体において前記炎口形成用筒状体における開口端側の炎口非形成部分内に位置する部分に前記炎口の存在側とは反対側に開く状態で形成される予混合ガス排出口にて構成されているガスバーナ。 - 前記凹溝の底部に、前記複数の炎口が複数列状に形成され、
複数の炎口列における両外側の炎口列を構成する炎口が、予混合ガスの噴出方向が互いに同一方向を向くように構成され、
前記凹溝の両側面が、前記外側の炎口列を構成する炎口の予混合ガス噴出方向と平行になるように形成されて、前記外側の炎口列を構成する炎口から噴出される予混合ガスが前記凹溝の側面に接触して燃焼するように構成されている請求項1記載のガスバーナ。 - 前記凹溝の側面の高さが、前記炎口の内径の2倍以上になるように構成されている請求項1又は2に記載のガスバーナ。
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