JP3897487B2 - Crを使用しないSn系、Al系表面処理鋼板及び後処理用薬剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性、加工性に優れ、かつPb,Cr等の環境負荷物質を使用することのない表面処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車燃料タンク材料、家庭電気製品、電子部品等の分野には、半田、ロウ付け性、抵抗溶接性、耐食性に優れた材料が要求され、これまで俗にターンめっきと呼ばれるPb−Sn系めっき鋼板が広範に使用されてきた。しかしながら、近年の環境問題に対する意識の高まりを受け、Pbに対する規制が強まりつつある。この流れを受け、脱Pb自動車燃料タンク素材として、溶融アルミめっき鋼板、溶融Sn−Znめっき鋼板を始めとして、多彩な製品が開発されつつある。一方、電気、電子部品分野においても、例えば半田可能電気亜鉛めっき鋼板等が開発されている。しかし、ターンめっきに代替すべきこれらの製品はいずれも最表層にクロメート処理を施したものが殆どであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
周知のように、六価クロムは人体に対し発ガン性を示す等有害で、製品からの溶出の可能性、あるいは製造時の廃液処理の問題から好ましくない物質である。電解クロメートのように、三価のクロムで処理した製品もあるが、この製品も製造時には六価クロムを使用し、廃液処理という点では何ら変わりが無い。ところが、クロメートに代替する諸性能を有する廉価な処理がないというのが現状である。
【0004】
クロムを使用しない後処理の研究も当然、数多くなされてきた。しかし耐食性、塗装性、処理設備の簡便さ等の点から、未だクロメートに匹敵する処理は完成されていない。一つの考え方として、無機顔料を含有する有機樹脂を活用した処理がありうるが、特に燃料タンク用途に対しては、スポット、シーム溶接性等の抵抗溶接性が要求されることから、特に膜厚の厚い有機系の処理ではこれらの特性を満足しがたいという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、めっき種としてめっき金属自体の耐食性に優れるSn系あるいはAl系のめっき鋼板を使用することで、耐食性はめっき自体に担保させ、後処理皮膜には接合性、塗装性を重視した構成、つまり無機系処理をベースとすることで、Pb,Crを全く使用することのない表面処理鋼板を実現した。
【0006】
一般にSn系、Al系のめっきは電極材質のCuと反応しやすい金属であるため、自動車の燃料タンク材として重視されるスポット溶接性に劣る傾向がある。通常の溶接缶用材料にもSn系めっきが利用され、溶接電極もCuであるが、缶用材料の場合には、スポット溶接ではなくシーム溶接であるうえ、板厚が薄く、また鍛接状態の接合であるため、溶接に必要な熱量は非常に小さい。かつSnの付着量も非常に小さいため、このような問題は生じない。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の後処理皮膜は、基本的にはシランカップリング剤、シリカおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種のSi化合物、あるいはこれに加えてりん酸をベースとする成分に溶接性、半田性を大きく阻害しない程度の少量の樹脂成分を添加したものとする。しかし、この皮膜は求められる特性により最適化が可能であり、半田性、溶接性を重視する場合には樹脂成分を少な目にすることが、また裸耐食性を重視する場合には樹脂成分を多目に添加することが好ましい。
【0008】
シリカの粒径は限定しないが、通常使用されている平均粒径1〜100μmコロイダルシリカを使用することができる。また、P,Cの量も特に限定するものではないが、Pはシリカ量に対して0.1〜1程度、Cはシリカ量に対して0.1以下が好ましい。Pとしては、りん酸,ポリりん酸、その金属化合物、あるいはホスホン酸あるいはその化合物を使用することで塗料密着性が更に向上する。
【0009】
ベース成分は上述したもので、これに更に金属塩を添加することで、特に塗料密着性に改善効果が得られる。金属塩としては、Ni,Zn,Al,Mg,Ti,Co,Mn,Sn,Fe,Zrの1または2種以上の塩であることが望ましく、その量は金属換算量の総計としてシリカ量に対して0.01〜0.5の比で含有することで、一層優れた特性が得られる。これら塩の含有量は少なすぎると、十分な塗料密着性効果が得られず、また量が多すぎると液の安定性を害して、液がゲル化しやすくなる、あるいは皮膜が着色し、外観を損ねるという結果となるので望ましくない。金属塩の種類としては、Ni系、あるいはZn系が最も良好な結果を得ているため、これらの適用が望ましい。
【0010】
次に、裸耐食性を重視した皮膜構成について述べる。このとき無機成分と有機成分の複合皮膜となるが、無機成分は主にSi化合物であり、SiO2 換算で皮膜中10〜40%が好ましく、その付着量はSiO2 換算で10〜400mg/m2 とすることが好ましい。SiO2 が10%未満であると耐食性と溶接性が低下し、40%を超えると塗装密着性が低下する。また、SiO2 の皮膜付着量として10mg/m2 未満では、裸耐食性、塗装密着性が得られず、付着量が400mg/m2 を超えると半田性、溶接性が低下する傾向である。配合するシリカの粒径は特に限定するものではないが、通常使用されている平均粒径6〜100μmのコロイダルシリカを使用することができる。
【0011】
無機成分として、上述したSi化合物の他に金属塩を添加することで、裸耐食性、溶接性が向上する。金属塩としてはSn,Zn,Al,Ni,Co,Fe,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種の金属塩が好ましく、りん酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物、フッ化物、錯フッ化物などの水可溶性塩で添加することが好ましい。前記金属塩の含有量が金属に換算した量の合計量でSiO2 に対して0.01〜0.1であることが好ましい。0.01未満であると耐食性、溶接性向上効果が得られず、0.1を超えると、処理液の安定性が低下しゲル化したり、皮膜が着色し外観を損ねたり、皮膜が脆くなったりするため好ましくない。
【0012】
更に、無機成分としてりん酸を含むことが好ましく、これにより耐食性が向上する。りん酸の量はシリカ量に対して0.1〜1.0が好ましく、0.1未満では耐食性向上効果が得られず、また1.0を超えると塗装性密着性を低下するので好ましくない。りん酸は、りん酸、ポリりん酸、およびこれらの金属塩、アンモニウム塩で添加する。
有機成分では、カチオン性アミノ基を有するフェノール樹脂を使用することによって、裸耐食性、塗装密着性、処理液安定性が得られるため好ましい。カチオン性アミノ基を有するフェノール樹脂としては特に限定するものではないが、例えば日立化成工業(株)製のヒタノール7102、7103、7104、大日本インキ化学工業(株)製のフェノライトPE−602などが挙げられる。
【0013】
裸耐食性を重視した皮膜の後処理液の成分について説明する。後処理液はシランカップリング剤、シリカおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種のSi化合物をSiO2 に換算して10.0〜80g/lと、Sn,Zn,Al,Ni,Co,Fe,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを0.1〜5.0g/lと、りん酸1.0〜40.0g/lと、カチオン性アミノ基を有する水溶性フェノール樹脂を10.0〜120g/lとを含み、更にpHを1.0〜5.0に調整するための酸としてりん酸、酢酸、フッ酸、錯フッ化物を含有することが好ましい。これらの範囲外であると目的の皮膜が得られなかったり、処理液の安定性が得られず、沈殿物を生じたり、ゲル化したりするため好ましくない。
【0014】
次に、めっき層の組成であるが、Snをベースとしたときには、Zn:3〜50%、Mg:0.1〜10%の1または2種以上を含有させたものが好ましい。Zn添加の目的は、めっき層への犠牲防食作用の付与である。Znが3%未満ではこの作用がえられず、一方Zn量が増大するとZnの白錆発生が多くなっていく。Znが50%を超えると、白錆発生が顕著になり、この点を上限値と定める。不純物元素として、微量のFe,Ni,Co等がありうる。またMgを添加することでも耐食性の向上効果が得られる。更に必要に応じ、Al、ミッシュメタル、Sb等を添加しても構わない。
【0015】
Sn系めっき鋼板の製造法は特に定めないが、容易に厚め付けを得やすいという意味から溶融めっき法が好ましい。溶融めっきプロセスとしては、ゼンジマー法、フラックス法があるが、特に製造法も問わない。しかし、高Sn組成のSn系めっきで良好な外観を得るには、Ni,Co系のプレめっきを施すことが好ましい。これにより、不めっきのない良好なめっきが容易となる。このとき、Sn−Znめっき層と素地の界面に、Ni,Coめっき層、またはこれらを含有するSn,Zn,Mgとの金属間化合物層、あるいはその両者の複合物からなる層が生成する。この層の厚みは特に限定しないが、通常1μm以下である。
【0016】
Sn系めっきの付着量は、特性及び製造コストに影響する。当然耐食性のためには付着量が多いほうが、またスポット溶接性、コストのためには付着量が少ない方が好ましい。これらのバランスする付着量は片面15〜50g/m2 程度であり、この範囲内が好ましい。例えば家電等の耐食性をあまり要求されない場合には、付着量は少な目がよいし、耐食性を重視する自動車燃料タンク用途では多めが望ましい。本発明による後処理皮膜は、半田性への影響が従来のクロメートよりも小さく、従来のクロメート皮膜より良好な半田性を得ることができる。
【0017】
次に、Al系をベースとするときのめっき層の限定理由を述べる。まず組成であるが、Alをベースとし、Siを3〜15%含有させたものが好ましい。このSi添加の目的は、Al系めっき鋼板で問題となる合金層の過大な成長を抑制するためである。Siが3%未満では合金層が成長しすぎて成型後の耐食性が低下し、一方、Si量が増大しすぎても粗大なSiの初晶が晶出して耐食性を低下させる。Siが15%を超えると、白錆が発生しやすくなり、この点を上限値と定める。不純物元素として、微量のFe,Ni,Co等がありうる。またMgを0.1〜15%添加することで更に耐食性の向上効果が得られる。SiとMgを両方添加することで、めっき層中にMg2 Siが生成し、この溶出効果により、大幅に耐食性が向上するという効果も得られる。更に必要に応じ、Sn,ミッシュメタル,Sb等を添加しても構わない。
【0018】
Al系めっき鋼板の製造法は特に定めないが、容易に厚目付けを得やすいという意味から溶融めっき法が好ましい。溶融めっきプロセスとしては、ゼンジマー法、フラックス法があるが、Al系めっきの場合はゼンジマー法で外観の優れためっきが得られやすい。めっき前にNi,Co系のプレめっきを施しても構わない。このとき、Al−Siめっき層と素地の界面に、Ni,Co等を含有する合金層が生成する。この層の厚みは特に限定しないが、5μm以下が加工性から好ましい。
【0019】
Al系めっきの付着量は、特性及び製造コストに影響する。当然耐食性のためには付着量が多いほうが、またスポット溶接性、コストのためには付着量が少ない方が好ましい。これらのバランスする付着量は片面15〜60g/m2 程度であり、この範囲内が好ましい。例えば家電等の耐食性をあまり要求されない場合には、付着量は少な目がよいし、耐食性を重視する自動車燃料タンク用途では多めが望ましい。
【0020】
使用するめっき原板の組成は特に限定するものではない。しかし、高度な加工性を要求される燃料タンク材としては、加工性に優れたIF鋼の適用が望ましく、さらには溶接後の溶接気密性、二次加工性等を確保するためにBを数ppm添加した鋼板が望ましい。
【0021】
家電用途としては、IF鋼、Al−k鋼ともに可能である。また鋼板の製造法としては通常の方法によるものとする。鋼成分は例えば転炉−真空脱ガス処理により調節されて溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製造され、熱間圧延される。
本発明は、後処理を規定したものであるが、後処理皮膜以外にも後処理として、溶融めっき後の外観均一化処理であるゼロスパングル処理、めっきの改質処理である焼鈍処理、表面状態、材質の調整のための調質圧延等があり得るが、本発明においては特にこれらを限定せず、適用することも可能である。
【0022】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す成分の鋼を通常の転炉−真空脱ガス処理により溶製し、鋼片とした後、通常の条件で熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍工程を行い、焼鈍鋼板(板厚0.8mm)を得た。この鋼板の一部にワット浴でNiめっきを1g/m2 施した後、フラックス法でSn−Znめっきを行った。フラックスはZnCl2 水溶液をロール塗布して使用し、Znの組成は0〜55%まで変更した。浴温は280℃とし、めっき後ガスワイピングによりめっき付着量を調整した。この鋼板に数種類の後処理を施した。後処理の種類と組成を表2に示す。A〜Dの後処理液は乾燥固形分10%(110℃×2時間乾燥)であり、酢酸とアンモニアで適宜pHを調整した。なお、後処理皮膜は全て両面同一処理とした。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
こうして製造した鋼板の特性を評価した。このときの評価方法は下に記述した方法によった。製造条件と性能評価結果を表3に示す。めっき付着量、後処理皮膜付着量は片面当たりの表示であり、後処理については、SiO2 換算の数値である。
【0026】
(1)耐食性評価
耐食性の評価は、家電用途と燃料タンク用途を考え、腐食環境が緩やかなHCTと厳しいCCT試験の両者で評価した。
1)HCT
寸法70×150mmの試験片に対してHCT試験を行った。
〔評価条件〕
49℃、95%RH、72hr後の錆発生状況を観察
〔評価基準〕
〇:赤錆発生無し、白変,白錆発生1%未満
△:赤錆発生無し、白変,白錆発生1〜10%
×:白変、白錆発生10%超、または赤錆発生
【0027】
2)CCT
油圧成型試験機により、直径30mm、深さ20mmの平底円筒絞り加工した試料を、JASO(自動車技術会による自動車規格)M610−92自動車部品外観腐食試験法により評価した。
〔評価条件〕
試験期間:140サイクル(46日)
〔評価基準〕
◎:赤錆発生0.1%未満
〇:赤錆発生0.1〜1%または白錆発生有り
△:赤錆発生1超〜5%または白錆目立つ
×:赤錆発生5%超または白錆顕著
【0028】
(2)塗装性
寸法70×150mmの試験片にスプレー塗装を行った。塗料は祐光社アクリーTKブラックを使用し、膜厚20μm、焼付け時間140℃×20分とした。次に試料にクロスカットを入れ、55℃の5%NaCl中に10日間浸漬後、テーピングして、塗料の剥離幅により塗料の二次密着性を評価した。
〔評価基準〕
〇:剥離幅5mm以下
△:剥離幅5超〜7mm
×:剥離幅7mm超
【0029】
【表3】
【0030】
比較例1のように後処理皮膜の付着量が薄すぎる場合には、耐食性、塗料密着性に劣る。一方、本発明例17のように後処理皮膜の付着量が少ないときや本発明例10のように皮膜の組成が適正でないときにはやや塗装性に劣る。これらの諸条件が適正であると、塗装密着性、耐食性全てに優れる。比較例2,3は特性上は問題ないものの、Cr,Pbという環境負荷物質を使用している。
【0031】
(実施例2)
実施例1の表1に示す成分の鋼を通常の転炉−真空脱ガス処理により溶製し、鋼片とした後、通常の条件で熱間圧延,冷間圧延工程を行い、冷延鋼板(板厚0.8mm)を得た。この鋼板にNOF−RFタイプの溶融めっきラインでAl−Si−Mgめっきを行った。浴温は組成により異なるが、基本的にAl−Si−Mg三元状態図から読取った融点+60℃とし、めっき後ガスワイピングによりめっき付着量を調整した。めっき浴には、Al,Si,Mg以外に不純物として鋼板等から溶出するFeが約1〜2%含有されていた。この鋼板に数種類の後処理を施した。後処理の種類と組成を表2に示す。A〜Dの後処理液は乾燥固形分10%(110℃×2時間乾燥)であり、酢酸とアンモニアで適宜pHを調整した。なお、後処理皮膜は全て両面同一処理とした。
こうして製造した鋼板の特性を評価した。このときの評価方法は実施例1の方法と同一である。製造条件と性能評価結果を表4に示す。めっき付着量、後処理皮膜付着量は片面当たりの表示であり、後処理については、SiO2 換算の数値である。
【0032】
【表4】
【0033】
実施例2の各例は全般に、実施例1に比べて耐食性が向上する傾向にある。
比較例1のように後処理皮膜の付着量が薄すぎる場合には、塗料密着性に劣る。一方、本発明例15のように後処理皮膜の付着量が少ないときや本発明例9のように皮膜の組成が適正でないときにはやや塗装性に劣る。これらの諸条件が適正であると、塗装密着性、耐食性全てに優れる。比較例2,3は特性上問題ないものの、Cr,Pbという環境負荷物質を使用している。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、Pb,Crといった環境負荷物質を全く使用することなく、耐食性に優れたSn系、Al系表面処理鋼板を提供するものであり、産業上の寄与は大きい。
Claims (8)
- Sn,Sn合金、Al,Al合金めっきの表面に、Crを含有しない後処理皮膜層を形成させた表面処理鋼板であって、該後処理皮膜は下記(a)〜(d)から構成され、
(a)シランカップリング剤、シリカおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種のSi化合物と、
(b)Sn,Zn,Al,Ni,Co,Fe,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種の金属塩と、
(c)りん酸と、
(d)カチオン性アミノ基を有する水溶性のフェノール樹脂
かつ上記後処理皮膜中のSi含有量はSiO2 に換算した時の含有割合で10〜40%、金属塩の含有量は金属に換算した量の合計量でSiO2 に対して0.01〜0.1、りん酸はSiO2 に対して0.1〜1.0であり、該後処理皮膜の付着量はSiO 2 で換算して10〜400mg/m2 となるように形成したことを特徴とする表面処理鋼板。 - めっき層が、Zn:3〜50%、Mg:0.1〜10%の1または2種を含有し、残部がSn及び不可避的不純物であることを特徴とする請求項1に記載のSn系表面処理鋼板。
- Sn系めっき層と鋼板の界面に、Ni,Coめっき層、またはこれらを含有する金属間化合物層、あるいは両者の複合物からなる層を有することを特徴とする請求項2に記載のSn系表面処理鋼板。
- Sn系めっき層の付着量が、片面当たり、15〜50g/m2 であることを特徴とする請求項2または3に記載のSn系表面処理鋼板。
- めっき層が、Si:3〜15%、Mg:0.1〜15%の1または2種を含有し、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴とする請求項1に記載のAl系表面処理鋼板。
- Al系めっき層と鋼板の界面に、Ni,Coめっき層、またはこれらを含有する金属間化合物層、あるいは両者の複合物からなる層を有することを特徴とする請求項5に記載のAl系表面処理鋼板。
- Al系めっき層の付着量が、片面当たり、15〜60g/m2 であることを特徴とする請求項5または6に記載のAl系表面処理鋼板。
- シランカップリング剤、シリカおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種のSi化合物をSiO2 に換算して10.0〜80g/lと、Sn,Zn,Al,Ni,Co,Fe,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを0.1〜5.0g/lと、りん酸を1.0〜40.0g/lと、カチオン性アミノ基を有する水溶性フェノール樹脂を10.0〜120g/lとを含み、更にpHを1.0〜5.0に調整するための酸としてりん酸、酢酸、フッ酸、錯フッ化物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするSn系、Al系表面処理鋼板用後処理薬剤。
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