JP2001032085A - Crを使用しないSn系、Al系表面処理鋼板及び後処理用薬剤 - Google Patents

Crを使用しないSn系、Al系表面処理鋼板及び後処理用薬剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Cr,Pbといった環境負荷となる物質を使
用することなく、従来のPb−Snめっき鋼板と同等以
上の特性を示す表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 Sn,Sn系,Al,Al系めっき層の
表面に、シリカ換算で10〜1000mg/m2 のSi
を含有する後処理皮膜を有することを特徴とする表面処
理鋼板。後処理皮膜中に、P,Cを含有すること、更に
はNi,Zn,Al,Mg,Ti,Co,Mn,Sn,
Fe,Zrの1または2種以上の塩を含有することがよ
り望ましい。裸耐食性を重視する用途へは樹脂成分を多
めに、接合性を重視する用途へは樹脂成分を減じること
が効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗溶接性に優
れ、耐食性、加工性、半田性にも優れ、かつPb,Cr
等の環境負荷物質を使用することのない表面処理鋼板に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車燃料タンク材料、家庭電気製品、
電子部品等の分野には、半田、ロウ付け性、抵抗溶接
性、耐食性に優れた材料が要求され、これまで俗にター
ンめっきと呼ばれるPb−Sn系めっき鋼板が広範に使
用されてきた。しかしながら、近年の環境問題に対する
意識の高まりを受け、Pbに対する規制が強まりつつあ
る。この流れを受け、脱Pb自動車燃料タンク素材とし
て、溶融アルミめっき鋼板、溶融Sn−Znめっき鋼板
を始めとして、多彩な製品が開発されつつある。一方、
電気、電子部品分野においても、例えば半田可能電気亜
鉛めっき鋼板等が開発されている。しかし、ターンめっ
きに代替すべきこれらの製品はいずれも最表層にクロメ
ート処理を施したものが殆どであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】周知のように、六価ク
ロムは人体に対し発ガン性を示す等有害で、製品からの
溶出の可能性、あるいは製造時の廃液処理の問題から好
ましくない物質である。電解クロメートのように、三価
のクロムで処理した製品もあるが、この製品も製造時に
は六価クロムを使用し、廃液処理という点では何ら変わ
りが無い。ところが、クロメートに代替する諸性能を有
する廉価な処理がないというのが現状である。
【0004】クロムを使用しない後処理の研究も当然、
数多くなされてきた。しかし耐食性、塗装性、処理設備
の簡便さ等の点から、未だクロメートに匹敵する処理は
完成されていない。一つの考え方として、無機顔料を含
有する有機樹脂を活用した処理がありうるが、特に燃料
タンク用途に対しては、スポット、シーム溶接性等の抵
抗溶接性が要求されることから、特に膜厚の厚い有機系
の処理ではこれらの特性を満足しがたいという問題があ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、めっき種とし
てめっき金属自体の耐食性に優れるSn系あるいはAl
系のめっき鋼板を使用することで、耐食性はめっき自体
に担保させ、後処理皮膜には接合性、塗装性を重視した
構成、つまり無機系処理をベースとすることで、Pb,
Crを全く使用することのない表面処理鋼板を実現し
た。なお、めっき種をSn系とすることでこれに加え、
良好な半田性も得られる。Al系めっきでは表面の強固
な不働態皮膜のため、半田性はSn系に比べやや劣る。
【0006】一般にSn系、Al系のめっきは電極材質
のCuと反応しやすい金属であるため、自動車の燃料タ
ンク材として重視されるスポット溶接性に劣る傾向があ
る。通常の溶接缶用材料にもSn系めっきが利用され、
溶接電極もCuであるが、缶用材料の場合には、スポッ
ト溶接ではなくシーム溶接であるうえ、板厚が薄く、ま
た鍛接状態の接合であるため、溶接に必要な熱量は非常
に小さい。かつSnの付着量も非常に小さいため、この
ような問題は生じない。
【0007】自動車燃料タンクというような、高い防錆
力と強度を求められる用途においては、板厚、めっき付
着量を高くする必要があり、かつスポット溶接を多用す
るような用途であるため、電極材料と反応しやすいSn
系、Al系めっきにおいては、電極とめっき金属との反
応という問題が生じるのである。このときめっきの表面
粗度、後処理の付着状況がスポット溶接性に大きな影響
を与える。また表面の接触抵抗値を適正に制御すること
で、更に鋼板−鋼板間で有効に発熱させることで、スポ
ット溶接性を大きく改善することが可能である。また後
処理皮膜は半田性への影響も大きいが、本発明では無機
系の皮膜構成とすることで、半田性への悪影響を極力減
少させている。
【0008】次に、本発明を詳細に説明する。本発明の
後処理皮膜は、基本的にはシランカップリング剤、シリ
カおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる少な
くとも1種のSi化合物、あるいはこれに加えてりん酸
をベースとする成分に溶接性、半田性を大きく阻害しな
い程度の少量の樹脂成分を添加したものとする。しか
し、この皮膜は求められる特性により最適化が可能であ
り、半田性、溶接性を重視する場合には樹脂成分を少な
目にすることが、また裸耐食性を重視する場合には樹脂
成分を多目に添加することが好ましい。
【0009】先ず半田性、溶接性を重視する皮膜構成に
ついて述べる。この皮膜は長期の裸耐食性にはあまり寄
与しないが、短期の裸耐食性、あるいは弱腐食環境下で
の裸耐食性は向上する。また塗装密着性に優れ、塗装後
の耐食性も向上する。更に付着量を適正化することで、
クロメート皮膜と同等のスポット溶接性と、クロメート
皮膜以上の半田性が得られる。その付着量はシリカ換算
で、10〜1000mg/m2 とする。10mg/m2
以下では、裸耐食性向上効果、塗装密着性向上効果が得
られない。一方、付着量が多すぎると半田性、溶接性に
悪影響を及ぼす。従って付着量はこの範囲に限定する。
【0010】シリカの粒径は限定しないが、通常使用さ
れている平均粒径1〜100μmコロイダルシリカを使
用することができる。また、P,Cの量も特に限定する
ものではないが、Pはシリカ量に対して0.1〜1程
度、Cはシリカ量に対して0.1以下が好ましい。Pと
しては、りん酸,ポリりん酸、その金属化合物、あるい
はホスホン酸あるいはその化合物を使用することで塗料
密着性が更に向上する。
【0011】ベース成分は上述したもので、これに更に
金属塩を添加することで、特に塗料密着性に改善効果が
得られる。金属塩としては、Ni,Zn,Al,Mg,
Ti,Co,Mn,Sn,Fe,Zrの1または2種以
上の塩であることが望ましく、その量は金属換算量の総
計としてシリカ量に対して0.01〜0.5の比で含有
することで、一層優れた特性が得られる。これら塩の含
有量は少なすぎると、十分な塗料密着性効果が得られ
ず、また量が多すぎると液の安定性を害して、液がゲル
化しやすくなる、あるいは皮膜が着色し、外観を損ねる
という結果となるので望ましくない。金属塩の種類とし
ては、Ni系、あるいはZn系が最も良好な結果を得て
いるため、これらの適用が望ましい。
【0012】次に、裸耐食性を重視した皮膜構成につい
て述べる。このとき無機成分と有機成分の複合皮膜とな
るが、無機成分は主にSi化合物であり、SiO2 換算
で皮膜中10〜40%が好ましく、その付着量はSiO
2 換算で10〜400mg/m2 とすることが好まし
い。SiO2 が10%未満であると耐食性と溶接性が低
下し、40%を超えると塗装密着性が低下する。また、
SiO2 の皮膜付着量として10mg/m2 未満では、
裸耐食性、塗装密着性が得られず、付着量が400mg
/m2 を超えると半田性、溶接性が低下する傾向であ
る。配合するシリカの粒径は特に限定するものではない
が、通常使用されている平均粒径6〜100μmのコロ
イダルシリカを使用することができる。
【0013】無機成分として、上述したSi化合物の他
に金属塩を添加することで、裸耐食性、溶接性が向上す
る。金属塩としてはSn,Zn,Al,Ni,Co,F
e,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種の金属塩が
好ましく、りん酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸
塩、塩化物、フッ化物、錯フッ化物などの水可溶性塩で
添加することが好ましい。前記金属塩の含有量が金属に
換算した量の合計量でSiO2 に対して0.01〜0.
1であることが好ましい。0.01未満であると耐食
性、溶接性向上効果が得られず、0.1を超えると、処
理液の安定性が低下しゲル化したり、皮膜が着色し外観
を損ねたり、皮膜が脆くなったりするため好ましくな
い。
【0014】更に、無機成分としてりん酸を含むことが
好ましく、これにより耐食性が向上する。りん酸の量は
シリカ量に対して0.1〜1.0が好ましく、0.1未
満では耐食性向上効果が得られず、また1.0を超える
と塗装性密着性を低下するので好ましくない。りん酸
は、りん酸、ポリりん酸、およびこれらの金属塩、アン
モニウム塩で添加する。有機成分では、カチオン性アミ
ノ基を有するフェノール樹脂を使用することによって、
裸耐食性、塗装密着性、処理液安定性が得られるため好
ましい。カチオン性アミノ基を有するフェノール樹脂と
しては特に限定するものではないが、例えば日立化成工
業(株)製のヒタノール7102、7103、710
4、大日本インキ化学工業(株)製のフェノライトPE
−602などが挙げられる。
【0015】裸耐食性を重視した皮膜の後処理液の成分
について説明する。後処理液はシランカップリング剤、
シリカおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる
少なくとも1種のSi化合物をSiO2 に換算して1
0.0〜80g/lと、Sn,Zn,Al,Ni,C
o,Fe,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種の金
属イオンを0.1〜5.0g/lと、りん酸1.0〜4
0.0g/lと、カチオン性アミノ基を有する水溶性フ
ェノール樹脂を10.0〜120g/lとを含み、更に
pHを1.0〜5.0に調整するための酸としてりん
酸、酢酸、フッ酸、錯フッ化物を含有することが好まし
い。これらの範囲外であると目的の皮膜が得られなかっ
たり、処理液の安定性が得られず、沈殿物を生じたり、
ゲル化したりするため好ましくない。
【0016】半田性、溶接性を重視する後処理液の成分
について説明する。シリカおよび/またはケイ酸塩のコ
ロイダルシリカを3.75〜300g/l含み、シリカ
および/またはケイ酸のコロイダルシリカのSiO2
算量に対して0.05〜1.0のりん酸化合物を含ませ
るのは、この範囲で半田性、溶接性が良好であるからで
ある。又、更に水溶性または水分散性の有機高分子化合
物を0.5〜30g/l含有させるのも、この範囲で半
田性、溶接性が良好であるからである。
【0017】次に、めっき層の組成であるが、Snをベ
ースとしたときには、Zn:3〜50%、Mg:0.1
〜10%の1または2種以上を含有させたものが好まし
い。Zn添加の目的は、めっき層への犠牲防食作用の付
与である。Znが3%未満ではこの作用がえられず、一
方Zn量が増大するとZnの白錆発生が多くなってい
く。Znが50%を超えると、白錆発生が顕著になり、
この点を上限値と定める。不純物元素として、微量のF
e,Ni,Co等がありうる。またMgを添加すること
でも耐食性の向上効果が得られる。更に必要に応じ、A
l、ミッシュメタル、Sb等を添加しても構わない。
【0018】Sn系めっき鋼板の製造法は特に定めない
が、容易に厚め付けを得やすいという意味から溶融めっ
き法が好ましい。溶融めっきプロセスとしては、ゼンジ
マー法、フラックス法があるが、特に製造法も問わな
い。しかし、高Sn組成のSn系めっきで良好な外観を
得るには、Ni,Co系のプレめっきを施すことが好ま
しい。これにより、不めっきのない良好なめっきが容易
となる。このとき、Sn−Znめっき層と素地の界面
に、Ni,Coめっき層、またはこれらを含有するS
n,Zn,Mgとの金属間化合物層、あるいはその両者
の複合物からなる層が生成する。この層の厚みは特に限
定しないが、通常1μm以下である。
【0019】Sn系めっきの付着量は、特性及び製造コ
ストに影響する。当然耐食性のためには付着量が多いほ
うが、またスポット溶接性、コストのためには付着量が
少ない方が好ましい。これらのバランスする付着量は片
面15〜50g/m2 程度であり、この範囲内が好まし
い。例えば家電等の耐食性をあまり要求されない場合に
は、付着量は少な目がよいし、耐食性を重視する自動車
燃料タンク用途では多めが望ましい。本発明による後処
理皮膜は、半田性への影響が従来のクロメートよりも小
さく、従来のクロメート皮膜より良好な半田性を得るこ
とができる。
【0020】Sn系めっき鋼板の粗度は特にスポット溶
接性に対して影響が大きい。粗度が大きいと、後処理皮
膜の分布に偏りが大きく、局部的な発熱となり、溶接性
が大きく低下する。この意味から、表面粗度はSn系め
っきでRMS2μm以下が好ましい。このとき、表面粗
度の指標としてはRMSを使用するものとする。これは
この指標を用いたときに最も粗度と溶接性の関係に相関
が強くなるためである。RMSは自乗平均粗さを意味
し、ある区間の粗さ曲線の自乗の積分値を区間長さで除
し、平方根をとったものである。表面粗度の制御はめっ
き条件、めっき後の冷却条件、調質圧延等によるものと
する。
【0021】次に、Al系をベースとするときのめっき
層の限定理由を述べる。まず組成であるが、Alをベー
スとし、Siを3〜15%含有させたものが好ましい。
このSi添加の目的は、Al系めっき鋼板で問題となる
合金層の過大な成長を抑制するためである。Siが3%
未満では合金層が成長しすぎて成型後の耐食性が低下
し、一方、Si量が増大しすぎても粗大なSiの初晶が
晶出して耐食性を低下させる。Siが15%を超える
と、白錆が発生しやすくなり、この点を上限値と定め
る。不純物元素として、微量のFe,Ni,Co等があ
りうる。またMgを0.1〜15%添加することで更に
耐食性の向上効果が得られる。SiとMgを両方添加す
ることで、めっき層中にMg2 Siが生成し、この溶出
効果により、大幅に耐食性が向上するという効果も得ら
れる。更に必要に応じ、Sn,ミッシュメタル,Sb等
を添加しても構わない。
【0022】Al系めっき鋼板の製造法は特に定めない
が、容易に厚目付けを得やすいという意味から溶融めっ
き法が好ましい。溶融めっきプロセスとしては、ゼンジ
マー法、フラックス法があるが、Al系めっきの場合は
ゼンジマー法で外観の優れためっきが得られやすい。め
っき前にNi,Co系のプレめっきを施しても構わな
い。このとき、Al−Siめっき層と素地の界面に、N
i,Co等を含有する合金層が生成する。この層の厚み
は特に限定しないが、5μm以下が加工性から好まし
い。
【0023】Al系めっきの付着量は、特性及び製造コ
ストに影響する。当然耐食性のためには付着量が多いほ
うが、またスポット溶接性、コストのためには付着量が
少ない方が好ましい。これらのバランスする付着量は片
面15〜60g/m2 程度であり、この範囲内が好まし
い。例えば家電等の耐食性をあまり要求されない場合に
は、付着量は少な目がよいし、耐食性を重視する自動車
燃料タンク用途では多めが望ましい。
【0024】Al系めっき鋼板の粗度は特にスポット溶
接性に対して影響が大きい。粗度が大きいと、後処理皮
膜の分布に偏りが大きく、局部的な発熱となり、溶接性
が大きく低下する。この意味から、表面粗度はRMS4
μm以下が好ましい。このとき、表面粗度の指標として
はRMSを使用するものとする。これはこの指標を用い
たときに最も粗度と溶接性の関係に相関が強くなるため
である。RMSは自乗平均粗さを意味し、ある区間の粗
さ曲線の自乗の積分値を区間長さで除し、平方根をとっ
たものである。表面粗度の制御はめっき条件、めっき後
の冷却条件、調質圧延等によるものとする。
【0025】このときの後処理の被覆状況は接触抵抗値
という値で評価でき、接触抵抗値が適正な値のときにス
ポット溶接性は良好となる。半田性も後処理皮膜の被覆
状況と関連するため、この接触抵抗値の制御により、半
田性、スポット溶接性を向上することができる。接触抵
抗値の測定は、測定条件によってかなり異なってくるた
め、本発明においては、4mmφ、フラット電極を使用
し、加圧158kgf(面圧12.6kgf/mm2
とする。これはスポット溶接において、CF電極4.5
mmφで加圧200kgfに相当する条件である。この
条件で測定したときの接触抵抗が0.1mΩ未満である
と、めっき層金属と電極のCuが容易に合金化しやす
く、電極が鋼板に溶着しやすい。一方、接触抵抗値が1
0mΩ超であると、発熱が大きすぎて電極とめっき中S
nの反応がやはり起こりやすくなる。スポット溶接性と
いう意味からは、接触抵抗値は0.1〜20mΩが望ま
しい。更に、スポット溶接性と半田、ロウ付け性を両立
させるためには、接触抵抗値は0.1〜3mΩが望まし
い。
【0026】次に、有効発熱比について説明する。ま
ず、有効発熱比の定義は請求項に記述したとおりであ
る。その意味は、鋼板−鋼板間で溶接に寄与する熱量の
比率ということで、この値が大きいほど、鋼板間で発熱
しやすく、また鋼板−電極間では発熱しにくいため、連
続溶接性に優れる。本発明において、この値が0.2以
上であると、特に溶接性に優れるため、この値以上にす
ることが望ましい。使用するめっき原板の組成は特に限
定するものではない。しかし、高度な加工性を要求され
る燃料タンク材としては、加工性に優れたIF鋼の適用
が望ましく、さらには溶接後の溶接気密性、二次加工性
等を確保するためにBを数ppm添加した鋼板が望まし
い。
【0027】家電用途としては、IF鋼、Al−k鋼と
もに可能である。また鋼板の製造法としては通常の方法
によるものとする。鋼成分は例えば転炉−真空脱ガス処
理により調節されて溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製
造され、熱間圧延される。本発明は、後処理を規定した
ものであるが、後処理皮膜以外にも後処理として、溶融
めっき後の外観均一化処理であるゼロスパングル処理、
めっきの改質処理である焼鈍処理、表面状態、材質の調
整のための調質圧延等があり得るが、本発明においては
特にこれらを限定せず、適用することも可能である。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 (実施例1)表1に示す成分の鋼を通常の転炉−真空脱
ガス処理により溶製し、鋼片とした後、通常の条件で熱
間圧延、冷間圧延、連続焼鈍工程を行い、焼鈍鋼板(板
厚0.8mm)を得た。この鋼板の一部にワット浴でN
iめっきを1g/m2 施した後、フラックス法でSn−
Znめっきを行った。フラックスはZnCl2 水溶液を
ロール塗布して使用し、Znの組成は0〜55%まで変
更した。浴温は280℃とし、めっき後ガスワイピング
によりめっき付着量を調整した。こうして製造しためっ
き鋼板を種々の粗度を有するロールで調質圧延して表面
粗度を調節した。この鋼板に数種類の後処理を施した。
後処理の種類と組成を表2に示す。なお、後処理皮膜は
全て両面同一処理とした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】こうして製造した鋼板の特性を評価した。
このときの評価方法は下に記述した方法によった。製造
条件と性能評価結果を表3に示す。めっき付着量、後処
理皮膜付着量は片面当たりの表示であり、後処理につい
ては、SiO2 換算の数値である。 (1)接触抵抗値、有効発熱比 1対の銅製電極間に2枚の鋼板を挟み、エア圧で電極間
を加圧したときの電極間の電気抵抗を測定し、接触抵抗
値とした。また、同時に鋼板−鋼板間の電気抵抗も測定
し、鋼板−鋼板間抵抗/全抵抗により、有効発熱比を算
出した。鋼板の端子を接続する部分はめっき、後処理皮
膜を研削し、n=5の平均値をそれぞれ求めた。 〔測定条件〕 電極径:4mm 電極先端形状:フラット 加圧力:158kg (2)表面粗度 表面粗度計で、表面粗度指標である、RMS値を測定し
た。表示は表裏の平均値とした。
【0032】(3)溶接性評価 下記に示す溶接条件でスポット溶接を行い、ナゲット系
が4√tを切った時点までの連続打点数を評価した。片
面塗装の際には、重ね合わせたときに樹脂面が片方の鋼
板は内側、もう片方は外側となるようにして評価した。 〔溶接条件〕 溶接電流:10KA 加圧力 :240kg 溶接時間:12サイクル(60Hz) 電 極 :ドーム型電極,先端径6mm 〔評価基準〕 ◎:連続打点700点超 〇:連続打点500〜700点 △:連続打点300〜500点 ×:連続打点300点未満
【0033】(4)半田性評価 半田広がり性を評価した。使用した半田はSn−Agと
し、フラックスはZnCl2 水溶液系のものを使用し
た。一定量の半田をフラックスに浸漬し、取り出した後
試験片上に乗せ、加熱したPbの上に静かに正置して加
熱した。一定時間経過後、試験片を引き上げ、画像解析
装置にて半田広がり面積を測定した。 〔測定条件〕 半田量:500mg 温 度:300℃ 保持時間:45秒 〔評価基準〕 ◎:広がり面積300mm2 超 〇:広がり面積200〜300mm2 △:広がり面積100〜200mm2 ×:広がり面積100mm2 以下
【0034】(6)耐食性評価 耐食性の評価は、家電用途と燃料タンク用途を考え、腐
食環境が緩やかなHCTと厳しいCCT試験の両者で評
価した。 1)HCT 寸法70×150mmの試験片に対してHCT試験を行
った。 〔評価条件〕 49℃、95%RH、72hr後の錆発生状況を観察 〔評価基準〕 〇:赤錆発生無し、白変,白錆発生1%未満 △:赤錆発生無し、白変,白錆発生1〜10% ×:白変、白錆発生10%超、または赤錆発生
【0035】2)CCT油圧成型試験機により、直径3
0mm、深さ20mmの平底円筒絞り加工した 試料を、JASO(自動車技術会による自動車規格)M
610−92自動車部品外観腐食試験法により評価し
た。 〔評価条件〕 試験期間:140サイクル(46日) 〔評価基準〕 ◎:赤錆発生0.1%未満 〇:赤錆発生0.1〜1%または白錆発生有り △:赤錆発生1超〜5%または白錆目立つ ×:赤錆発生5%超または白錆顕著
【0036】(7)塗装性 寸法70×150mmの試験片にスプレー塗装を行っ
た。塗料は祐光社アクリーTKブラックを使用し、膜厚
20μm、焼付け時間140℃×20分とした。次に試
料にクロスカットを入れ、55℃の5%NaCl中に1
0日間浸漬後、テーピングして、塗料の剥離幅により塗
料の二次密着性を評価した。 〔評価基準〕 〇:剥離幅5mm以下 △:剥離幅5超〜7mm ×:剥離幅7mm超
【0037】
【表3】
【0038】比較例1のように後処理皮膜の付着量が薄
すぎる場合には、溶接性、塗料密着性に劣る。一方、比
較例2のように、後処理皮膜付着量が多すぎる場合にも
溶接性はやや劣り、更に半田性も劣る。この時接触抵抗
値も高い数値となっている。また、本発明例1のように
Znを含有しない純Snめっきの場合、CCTのような
過酷な試験において赤錆を発生しやすく、本発明例8の
ようにZn量が多すぎても、今度はZnに起因する白錆
を発生しやすくなる。一方、本発明例12のように、め
っきの付着量が多いとき、あるいは本発明例19のよう
にめっきの表面粗度が大きいとき、本発明例23のよう
に後処理皮膜の付着量が多いときには、溶接性が劣化す
る傾向にある。
【0039】後処理皮膜として金属塩が含まれないAを
使用したとき(本発明例13)、後処理皮膜の付着量が
少ないとき(本発明例20)は、塗装密着性がやや劣化
する。これらの諸条件が適正であると、溶接性、半田
性、塗装密着性、耐食性全てに優れる。比較例3との比
較で分かるように、耐食性自体はクロメート処理のもの
にやや劣る傾向にあるが、従来より使用されているPb
−Snめっきとは同レベルであり、実用上の支障は無
い。比較例3,4は特性上は問題ないものの、Cr,P
bという環境負荷物質を使用している。
【0040】(実施例2)実施例1と同じSn−Znめ
っき鋼板を使用し、後処理皮膜のみ変更した。後処理の
種類と組成を表4に示す。A〜Dの後処理液は乾燥固形
分10%(110℃×2時間乾燥)であり、酢酸とアン
モニアで適宜pHを調整した。なお、後処理皮膜は全て
両面同一処理とした。こうして製造した鋼板の特性を評
価した。このときの評価方法も実施例1の方法と同一で
ある。但し、表面粗度は後処理皮膜を塗布する前に測定
した。製造条件と性能評価結果を表5に示す。めっき付
着量、後処理皮膜付着量は片面当たりの表示であり、後
処理については、SiO2 換算の数値である。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】実施例2は、実施例1と比較して、全般に
半田性が低下し、耐食性が向上する傾向にある。比較例
1のように後処理皮膜の付着量が薄すぎる場合には、溶
接性、塗料密着性に劣る。一方、比較例2のように、後
処理皮膜付着量が多すぎる場合にも溶接性は劣り、更に
半田性も劣る。この時接触抵抗値も過大な数値となって
いる。また、本発明例9のように、めっきの付着量が少
ないときはやや半田性に劣る傾向にあり、逆にめっき付
着量が多い本発明例11,12は溶接性がやや低下す
る。
【0044】一方、本発明例20のように後処理皮膜の
付着量が少ないときや本発明例13のように皮膜の組成
が適正でないときにはやや塗装性に劣り、本発明例21
〜23のように皮膜が厚すぎると半田性が劣化する。本
発明例19のように表面粗度が大きすぎても溶接性に劣
る。これらの諸条件が適正であると、溶接性、半田性、
塗装密着性、耐食性全てに優れる。比較例3との比較で
分かるように、半田性はクロメート処理のものにやや劣
る傾向にあるが、フラックスの選定等を適宜選べば実用
上は支障無いものと予想される。比較例4,5は特性上
は問題ないものの、Cr,Pbという環境負荷物質を使
用している。
【0045】(実施例3)実施例1の表1に示す鋼成分
の冷延鋼板を材料として、ゼンジマー方式の溶融Sn−
8%Znめっきを行った。溶融Sn−Znめっきは無酸
化炉−還元炉タイプのラインを使用し、焼鈍もこの溶融
めっきライン内で行った。焼鈍温度は800〜850℃
とした。めっき後ガスワイピング法でめっき付着量を片
面40g/m2 に調節した。この際のめっき温度は28
0℃とした。こうして製造したSn−Znめっき鋼板に
調質圧延を施して、表面粗度をRMS1.01に調整し
た。更に、表2のB液を使用して後処理を片面当たりシ
リカ換算で60mg/m2 施した。こうして製造した鋼
板の特性を実施例1の方法で評価したところ、溶接性、
半田性、HCT、CCT耐食性、塗装密着性ともに〇の
評価であり、良好な特性を示した。
【0046】(実施例4)実施例1の表1に示す成分の
鋼を通常の転炉−真空脱ガス処理により溶製し、鋼片と
した後、通常の条件で熱間圧延,冷間圧延工程を行い、
冷延鋼板(板厚0.8mm)を得た。この鋼板にNOF
−RFタイプの溶融めっきラインでAl−Si−Mgめ
っきを行った。浴温は組成により異なるが、基本的にA
l−Si−Mg三元状態図から読取った融点+60℃と
し、めっき後ガスワイピングによりめっき付着量を調整
した。めっき浴には、Al,Si,Mg以外に不純物と
して鋼板等から溶出するFeが約1〜2%含有されてい
た。こうして製造しためっき鋼板を種々の粗度を有する
ロールで調質圧延して表面粗度を調節した。この鋼板に
数種類の後処理を施した。後処理の種類と組成を表2に
示す。なお、後処理皮膜は全て両面同一処理とした。こ
うして製造した鋼板の特性を評価した。このときの評価
方法は下に記述した方法によった。製造条件と性能評価
結果を表6に示す。めっき付着量、後処理皮膜付着量は
片面当たりの表示であり、後処理については、SiO2
換算の数値である。
【0047】
【表6】
【0048】(1)接触抵抗値、有効発熱比 1対の銅製電極間に2枚の鋼板を挟み、エア圧で電極間
を加圧したときの電極間の電気抵抗を測定し、接触抵抗
値とした。また、同時に鋼板−鋼板間の電気抵抗も測定
し、鋼板−鋼板間抵抗/全抵抗により、有効発熱比を算
出した。鋼板の端子を接続する部分はめっき、後処理皮
膜を研削し、n=5の平均値をそれぞれ求めた。 〔測定条件〕 電極径:4mm 電極先端形状:フラット 加圧力:158kg (2)表面粗度 表面粗度計で、表面粗度指標である、RMS値を測定し
た。表示は表裏の平均値とした。
【0049】(3)溶接性評価 下記に示す溶接条件でスポット溶接を行い、ナゲット系
が4√tを切った時点までの連続打点数を評価した。片
面塗装の際には、重ね合わせたときに樹脂面が片方の鋼
板は内側、もう片方は外側となるようにして評価した。 〔溶接条件〕 溶接電流:10KA 加圧力 :240kg 溶接時間:12サイクル(60Hz) 電 極 :ドーム型電極,先端径6mm 〔評価基準〕 ◎:連続打点900点超 〇:連続打点700〜900点 △:連続打点500〜700点 ×:連続打点700点未満
【0050】(4)耐食性評価 耐食性の評価は、家電用途と燃料タンク用途を考え、腐
食環境が緩やかなHCTと厳しいCCT試験の両者で評
価した。 1)HCT 寸法70×150mmの試験片に対してHCT試験を行
った。 〔評価条件〕 49℃、95%RH、72hr後の錆発生状況を観察 〔評価基準〕 〇:赤錆発生無し、白変,白錆発生1%未満 △:赤錆発生無し、白変,白錆発生1〜10% ×:白変,白錆発生10%超,または赤錆発生
【0051】2)CCT 油圧成型試験機により、直径30mm、深さ20mmの
平底円筒絞り加工した試料を、JASO(自動車技術会
による自動車規格)M610−92自動車部品外観腐食
試験法により評価した。 〔評価条件〕 試験期間:140サイクル(46日) 〔評価基準〕 ◎:赤錆発生0.1%未満 〇:赤錆発生0.1〜1%または白錆発生有り △:赤錆発生1超〜5%または白錆目立つ ×:赤錆発生5%超または白錆顕著
【0052】(5)塗装性 寸法70×150mmの試験片にスプレー塗装を行っ
た。塗料は祐光社アクリーTKブラックを使用し、膜厚
20μm、焼付け時間140℃×20分とした。次に試
料にクロスカットを入れ、55℃の5%NaCl中に1
0日間浸漬後、テーピングして、塗料の剥離幅により塗
料の二次密着性を評価した。 〔評価基準〕 〇:剥離幅5mm以下 △:剥離幅5超〜7mm ×:剥離幅7mm超
【0053】比較例1のように後処理皮膜の付着量が薄
すぎる場合には、溶接性、塗料密着性に劣る。一方、比
較例2のように、後処理皮膜付着量が多すぎる場合にも
溶接性はやや劣る。この時接触抵抗値も高い数値となっ
ている。また、本発明例1のようにSi量が低いAlめ
っきの場合、合金層が成長しやすく、CCTのように加
工後過酷な試験を受けると赤錆を発生しやすくなる。一
方、本発明例9のように、めっきの付着量が多いとき、
あるいは本発明例16のようにめっきの表面粗度が大き
いとき、本発明例20のように後処理皮膜の付着量が多
いときには、溶接性が劣化する傾向にある。
【0054】後処理皮膜として金属塩が含まれないAを
使用したとき(本発明例10)、後処理皮膜の付着量が
少ないとき(本発明例17)は、塗装密着性がやや劣化
する。これらの諸条件が適正であると、溶接性、半田
性、塗装密着性、耐食性全てに優れる。特に本発明例4
のように、MgとSiを複合添加した系では非常に優れ
た耐食性を示す。比較例3との比較で分かるように、本
発明例は全般に耐食性自体はクロメート処理のものにや
や劣る傾向にあるが、従来より使用されているPb−S
nめっきとは同レベルであり、実用上の支障は無い。比
較例3,4は特性上は問題ないものの、Cr,Pbとい
う環境負荷物質を使用している。
【0055】(実施例5)実施例4と同じAl−Si−
Mgめっき鋼板を使用し、後処理皮膜のみ変更した。後
処理の種類と組成を表4に示す。A〜Dの後処理液は乾
燥固形分10%(110℃×2時間乾燥)であり、酢酸
とアンモニアで適宜pHを調整した。なお、後処理皮膜
は全て両面同一処理とした。こうして製造した鋼板の特
性を評価した。このときの評価方法も実施例4の方法と
同一である。但し、表面粗度は後処理皮膜を塗布する前
に測定した。製造条件と性能評価結果を表7に示す。め
っき付着量、後処理皮膜付着量は片面当たりの表示であ
り、後処理については、SiO2 換算の数値である。
【0056】
【表7】
【0057】実施例2の各例は全般に、実施例1に比べ
て耐食性が向上する傾向にある。比較例1のように後処
理皮膜の付着量が薄すぎる場合には、溶接性、塗料密着
性に劣る。一方、比較例2のように、後処理皮膜付着量
が多すぎる場合にも溶接性は劣る。この時接触抵抗値も
過大な数値となっている。まためっき付着量が多い本発
明例9は溶接性がやや低下する。一方、本発明例17の
ように後処理皮膜の付着量が少ないときや本発明例10
のように皮膜の組成が適正でないときにはやや塗装性に
劣り、本発明例19,20のように皮膜が厚すぎると溶
接性が劣化する。本発明例16のように表面粗度が大き
すぎても溶接性に劣る。これらの諸条件が適正である
と、溶接性、塗装密着性、耐食性全てに優れる。比較例
5,6は特性上問題ないものの、Cr,Pbという環境
負荷物質を使用している。
【0058】(実施例6)実施例1の表1に示す鋼成分
の冷延鋼板を連続焼鈍工程を通板し、焼鈍板とした。次
に純度99%以上、板厚50μmの純Alを圧延法によ
り張合わせ、クラッド材料とした。こうして製造した材
料に調質圧延を施して、表面粗度をRMS1.51に調
整した。更に、表2のB液を使用して後処理を片面当た
りシリカ換算で60mg/m2 施した。こうして製造し
た鋼板の特性を実施例1の方法で評価したところ、溶接
性、HCT、CCT、耐食性、塗装密着性ともに〇の評
価であり、良好な特性を示した。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、Pb,C
rといった環境負荷物質を全く使用することなく、溶接
性、半田性、耐食性に優れたSn系、Al系表面処理鋼
板を提供するものであり、産業上の寄与は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊崎 輝明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 布田 雅裕 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 佐藤 久明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 荻野 陸雄 東京都中央区日本橋一丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 水野 賢輔 東京都中央区日本橋一丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 河上 克之 東京都中央区日本橋一丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 Fターム(参考) 4K044 AA02 BA01 BA10 BA14 BA18 BA19 BA21 BC02 BC05 BC08 CA11 CA16 CA18 CA53

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sn,Sn合金,Al,Al合金めっき
    の表面にCrを含有せず、かつシリカ換算で10〜10
    00mg/m2 のSiを含有する後処理皮膜を有するこ
    とを特徴とする表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 後処理皮膜中に、Siに加えて更にP,
    Cを含有することを特徴とする請求項1に記載の表面処
    理鋼板。
  3. 【請求項3】 後処理皮膜中にNi,Zn,Al,M
    g,Ti,Co,Mn,Sn,Fe,Zrの1または2
    種以上の塩を、金属換算量の総計としてシリカ量に対し
    て0.01〜0.5の比で含有することを特徴とする請
    求項1または2に記載の表面処理鋼板。
  4. 【請求項4】 皮膜中のP成分として、ホスホン酸また
    はホスホン酸化合物を含有することを特徴とする請求項
    2または3に記載の表面処理鋼板。
  5. 【請求項5】 後処理皮膜中に、(a)シランカップリ
    ング剤、シリカおよびケイ酸塩のコロイダルシリカから
    選ばれる少なくとも1種のSi化合物と、(b)Sn,
    Zn,Al,Ni,Co,Fe,Ti,Zrから選ばれ
    る少なくとも1種の金属塩と、(c)りん酸と、(d)
    カチオン性アミノ基を有する水溶性のフェノール樹脂と
    を含有し、かつ該後処理皮膜中のSi含有量がSiO2
    に換算した時の含有割合で10〜40%であり、前記金
    属塩の含有量が金属に換算した量の合計量でSiO2
    対して0.01〜0.1であり、りん酸がSiO2 に対
    して0.1〜1.0であり、更に該後処理皮膜がSiO
    2 付着量として10〜400mg/m2 となるように形
    成したことを特徴とする表面処理鋼板。
  6. 【請求項6】 鋼板を2枚重ね、1対の電極で挟み、1
    2.6kg/mm2の加圧をかけたときの電極間の抵抗
    値(接触抵抗値)が0.1〜10mΩであることを特徴
    とする請求項1〜5に記載の表面処理鋼板。
  7. 【請求項7】 下記の式で定義する有効発熱比が0.2
    以上であることを特徴とする請求項1〜6に記載の表面
    処理鋼板。有効発熱比=板−板間接触抵抗/全接触抵抗
  8. 【請求項8】 めっき層の組成が、Zn:3〜50%、
    Mg:0.1〜10%の1または2種以上を含有し、残
    部がSn及び不可避的不純物であることを特徴とする請
    求項1〜7に記載のSn系表面処理鋼板。
  9. 【請求項9】 Sn系めっき層と鋼板の界面に、Ni,
    Coめっき層、またはこれらを含有する金属間化合物
    層、あるいは両者の複合物からなる層を有することを特
    徴とする請求項8に記載のSn系表面処理鋼板。
  10. 【請求項10】 Sn系めっき層の表面粗度が、RMS
    で2μm以下であることを特徴とする請求項8または9
    に記載のSn系表面処理鋼板。
  11. 【請求項11】 Sn系めっき層の付着量が、片面当た
    り、15〜50g/m2 であることを特徴とする請求項
    8〜10に記載のSn系表面処理鋼板。
  12. 【請求項12】 めっき層の組成が、Si:3〜15
    %、Mg:0.1〜15%の1または2種以上を含有
    し、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴と
    する請求項1〜7に記載のAl系表面処理鋼板。
  13. 【請求項13】 Al系めっき層と鋼板の界面に、N
    i,Coめっき層、またはこれらを含有する金属間化合
    物層、あるいは両者の複合物からなる層を有することを
    特徴とする請求項12に記載のAl系表面処理鋼板。
  14. 【請求項14】 Al系めっき層の表面粗度が、RMS
    で4μm以下であることを特徴とする請求項12または
    13に記載のAl系表面処理鋼板。
  15. 【請求項15】 Al系めっき層の付着量が、片面当た
    り、15〜60g/m2 であることを特徴とする請求項
    12〜14に記載のAl系表面処理鋼板。
  16. 【請求項16】 シランカップリング剤、シリカおよび
    ケイ酸塩のコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1
    種のSi化合物をSiO2 に換算して10.0〜80g
    /lと、Sn,Zn,Al,Ni,Co,Fe,Ti,
    Zrから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを0.1
    〜5.0g/lと、りん酸を1.0〜40.0g/l
    と、カチオン性アミノ基を有する水溶性フェノール樹脂
    を10.0〜120g/lとを含み、更にpHを1.0
    〜5.0に調整するための酸としてりん酸、酢酸、フッ
    酸、錯フッ化物から選ばれる少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とするSn系、Al系表面処理鋼板用後処理
    薬剤。
  17. 【請求項17】 シリカおよび/またはケイ酸塩のコロ
    イダルシリカを3.75〜300g/l含み、該シリカ
    および/またはケイ酸塩のコロイダルシリカのSiO2
    換算量に対して0.05〜1.0のりん酸化合物を含
    み、更に水溶性または水分散性の有機高分子化合物を
    0.5〜30g/l含有することを特徴とするSn系,
    Al系表面処理鋼板用後処理薬剤。
  18. 【請求項18】 更に、Ni,Zn,Al,Mg,T
    i,Co,Mn,Sn,Fe,Zrから選ばれる少なく
    とも1種の金属イオンを含有し、該金属イオンの合計量
    が該シリカおよび/またはケイ酸塩のコロイダルシリカ
    のSiO2 換算量に対して0.01〜0.5であること
    を特徴とする請求項17に記載のSn系、Al系表面処
    理鋼板用後処理薬剤。
  19. 【請求項19】 更にホスホン酸および/またはホスホ
    ン酸化合物から選ばれる少なくとも1種を0.5〜20
    g/l含有することを特徴とする請求項17または18
    に記載のSn系、Al系表面処理鋼板用後処理薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002339081A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Kawasaki Steel Corp ポリエステル樹脂被覆錫合金めっき鋼板
JP2005097669A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Ishihara Chem Co Ltd メッキ表面の後処理液、及び後処理方法
WO2008029953A1 (en) 2006-09-07 2008-03-13 Nippon Steel Corporation AQUEOUS TREATMENT LIQUID FOR Sn-PLATED STEEL SHEET HAVING EXCELLENT CORROSION RESISTANCE AND COATING ADHESION, AND METHOD FOR PRODUCING SURFACE-TREATED STEEL SHEET

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US8097306B2 (en) 2006-09-07 2012-01-17 Nippon Steel Corporation Aqueous treating solution for Sn-based plated steel sheet excellent in corrosion resistance and paint adhesion, and production method of surface-treated steel sheet

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