JP3897251B2 - 電源装置の電流バランス制御回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電源装置の出力側を負荷に並列接続して並列電流バランスをとる電源装置の電流バランス制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の電源装置を負荷に並列接続して冗長運転する際に使用する電流バランス制御回路としては、例えば図3に示すようなものがある(特許文献1)。
【0003】
図3において、1A,1Bは電源装置であり、負荷2がダイオードD3,D4を介して並列接続されている。電源装置1A,1Bから負荷2に対して同じ値の電流I1,I2を供給する。
電源装置1A,1Bには出力制御回路3が設けられ、スイッチング制御により一定電圧に安定化された出力電圧V0が負荷2に供給される。出力電圧V0は抵抗R1とR2で分圧されて増幅器4の(−)入力端子に与えられ、(+)入力端子にはツェナーダイオードZDのツェナー電圧により予め定めた基準電圧を固定的に設定する。
【0004】
増幅器4は、出力電圧V0を抵抗R1とR2で分圧した電圧にバイアス電圧発生用の抵抗R0で発生した電圧+Viを加えた電圧と、ツェナーダイオードZDの基準電圧との差電圧に応じて増幅したある電圧を出力制御回路3に出力し、出力制御回路3の出力電圧V0が一定となるように制御する。
【0005】
一方、電源装置1A,1Bには、電流バランス制御回路10A,10Bが設けられる。電流バランス制御回路10A,10Bには、負荷2に供給する出力電流I1,I2を検出するカレントトランス5が設けられ、カレントトランス5の出力はダイオードD0により整流されてコンデンサC0に検出電圧Vi1,Vi2として充電される。またコンデンサC0には電流−電圧変換用の抵抗R3が並列接続される。
【0006】
この電流バランス制御回路10A,10Bのそれぞれに設けたカレントトランス5、ダイオードD0、コンデンサC0および抵抗R3でなる電流検出回路には、抵抗R0を介して定電流回路6が接続され、更に定電流回路6の出力側で相互接続される。
【0007】
次に、図3の動作を説明する。電源装置1A,1Bから負荷2に流れる電流が等しいバランス状態では、電流バランス制御回路10A,10Bの電流検出電圧Vi1、Vi2が等しい。このため電流バランス制御回路10Aでは、電流検出電圧Vi1を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、ダイオードD1を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic1が流れる。
【0008】
また電流バランス制御回路10Bでは、電流検出電圧Vi2を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、ダイオードD2を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic2流れる。このため電流バランス制御回路10A,10Bの間に不平衡電流iは流れない。ここで定電流Ic1、Ic2は同じ電流値であり、例えば1mAとなる。
【0009】
これにより電流バランス制御回路10A,10Bの抵抗R0に発生するバイアス電圧+Viは等しく、増幅器4の入力電圧も等しく、増幅器4は出力制御回路3を出力電圧V0が等しくなるように制御し、負荷2に対する出力電流I1,I2はバランスしている。
【0010】
この出力電圧V0を一定値にする安定制御状態において、電源装置1Aの出力電流I1が電源装置1Bの出力電流I2より大きくなる電流バランスの崩れを生じたとする。このI1>I2となる電流バランスの崩れに対し、電源装置1Aの出力電流I1に応じて電流バランス制御回路10Aの電流検出電圧Vi1が増加し、また電源装置1Bの出力電流I2に応じて電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2は低下し、Vi1>Vi2となる。
【0011】
このため電流バランス制御回路10A,10B間には、電源装置1Aから1Bに向けて不平衡電流iが電流検出電圧の差に応じて流れる。例えば不平衡電流iとして0.2mA流れたとすると、電流バランス制御回路10Aでは抵抗R0に定電流回路6の定電流Ic1=1mAに不平衡電流i=0.2mAを加えた1.2mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが増加する。
【0012】
一方、電流バランス制御回路10Bでは、不平衡電流i=0.2mAが流れ込むことで、抵抗R0には定電流回路6の定電流Ic1=1mAから不平衡電流i=0.2mAを差し引いた0.8mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが減少する。
【0013】
電流バランス制御回路10Aにおいてバイアス+Viが増加すると、増幅器4の出力は低下し、出力制御回路3の出力電圧を下げて電源装置1Aからの出力電流I1を減少させる。一方、電流バランス制御回路10Bにおいてバイアス+Viが減少すると、増幅器4の出力は増加し、出力制御回路3の出力電圧を上げて電源装置1Bからの出力電流I1を増加させ、最終的に出力電流I1=I2、ずなわち不平衡電流i=0となる電流バランスの保持状態を保つようになる。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−288518号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電源装置の電流バランス制御回路にあっては、片側の電源装置が故障して電流検出電圧が断たれた場合、正常な電源装置の出力電圧が低下してしまうという問題がある。
【0016】
例えば片方の電源装置1Bが故障して、電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2が0Vになった場合には、ダイオードD2によって抵抗R0、R3に流れる電流は阻止されるが、定電流回路6の定電流Ic2に一致する不平衡電流iが電源装置1Aの電流バランス制御回路10Aから故障した電源装置1Bの電流バランス制御回路10Bに流れる。
【0017】
このため正常な電源装置1Aの電流バランス制御回路10Aに設けた抵抗R0に両方の定電流回路6に流れる定電流を加算した電流(Ic1+Ic2)が流れ、バイアス電圧+Viがほぼ2倍に増加する。
【0018】
このため増幅器4の出力が低下し、出力制御回路3は出力電圧V0を下げるように制御され、正常な電源装置1Aから負荷2に対する出力電圧が低下する。
【0019】
この問題に対し従来は、片方の電源装置の故障で生ずる出力電圧の低下を、電源装置の仕様上無視できる範囲に抑えるように抵抗R0の値や定電流回路6の定電流を決めることで対応している。
【0020】
しかし、片側の電源装置の故障により負荷に対する出力電圧が低下することは、例え出力電圧の低下が装置の仕様を損なわない範囲であったとしても、複数の電源装置を負荷に並列接続して故障が起きても安定化した電源供給を維持するという冗長運転本来の意図が損なわれており、この点の改善が望まれる。
【0021】
本発明は、負荷に並列接続して冗長運転している複数の電源装置の一部に故障が起きても、正常な電源装置に出力電圧の低下が起きないようにした電源装置の電流バランス制御回路を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。
【0023】
本発明は、冗長運転のために複数の電源装置を負荷に並列接続し、複数の電源装置から負荷に流れる電流が一致するように制御する他の電源装置の電流バランス回路と相互に接続された電源装置の電流バランス制御回路を対象とする。
【0024】
この電流バランス制御回路は、負荷に流れる電流に比例した電圧を発生し、他の電源装置の電流検出回路と相互接続される電流検出回路と、電流検出回路に対する電流の逆流を阻止するダイオードと、電流検出回路に接続され一定電流を流す定電流回路と、電流検出回路と定電流回路を結ぶプラス側信号ラインに挿入接続されるバイアス電圧発生回路とを備える。
【0025】
このバイアス電圧発生回路は、
a)電流検出回路と他の電源装置の電流検出回路との間に電圧差がない時は、定電流回路に流す一定電流に応じたバイアス電圧を発生し、
b)電流検出電圧源の検出電圧が他の電源装置の電流検出回路に対しプラスの電圧差を持つ時は、定電流回路に流す一定電流に他の電源装置に流れ出す不平衡電流を加えた電流に応じたバイアス電圧を発生し、更に、
c)電流検出回路の検出電圧が他の電源装置の電流検出回路に対しマイナスの電圧差を持つ時は、定電流回路に流す一定電流から他の電源装置から流れ込む不平衡電流を差し引いた電流に応じたバイアス電圧を発生し、
d)各バイアス電圧を前記増幅器に対する出力電圧に加算して負荷に流れる電流が他の電源装置から負荷に流れる電流に一致するように差電圧を変化させる。
【0026】
これに加え本発明の電流バランス制御回路にあっては、電流検出回路の発生電圧が失われる故障を検出した時に、定電流回路を切り離して他の電源装置からの不平衡電流の流れ込みを阻止する故障切離し回路を設けたことを特徴とする。
【0027】
このため例えば2台の電源装置を負荷に並列接続して冗長運転している際に、片側の電源装置が故障して負荷電流が断たれた場合、故障を起こした電源装置の電流バランス制御回路に設けている電流検出回路の発生電圧が失われ、これを故障切離し回路で検出して定電流回路を切離すことで正常な電源装置の電流バランス回路からの不平衡電流の流れ込みを阻止し、正常な電流バランス制御回路の抵抗に発生するバイアス電圧を、複数の電源装置の出力電流がバランスした安定制御状態の電圧に保つ。このため片側の電源装置が故障しても、残された正常な電源装置の負荷に対する出力電圧は低下せずに一定電圧に制御され、安定した冗長運転を継続することができる。
【0028】
ここで、故障切離し回路は、定電流回路に直列接続されたトランジスタと、電流検出回路の発生電圧を分圧してトランジスタのベースにバイアス電圧を印加し、電流検出回路の発生電圧が断たれる故障検出時にトランジスタをオフして定電流回路を切離すバイアス回路とを備える。
【0029】
また故障切離し回路は、定電流回路に直列接続された電界効果トランジスタと、電流検出回路の発生電圧を分圧して電界効果トランジスタのゲートにバイアス電圧を印加し、電流検出回路の発生電圧が断たれる故障検出時に電界効果トランジスタをオフして定電流回路を切離すバイアス回路とを備えるようにしても良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による電源装置の電流バランス制御回路の実施形態を冗長運転のための接続状態ついて示した回路図である。
【0031】
図1において、電源装置1A,1Bは、冗長運転による電源供給のため、ダイオードD3,D4を介して負荷2に並列接続され、電源装置1A,1Bから負荷2に対して同じ値の電流I1,I2を供給するよう出力制御回路3により出力電圧V0を制御させる電流バランス制御回路10A,10Bを設けている。
【0032】
電源装置1A,1Bに設けた出力制御回路3はスイッチングレギュレータで構成され、例えばDC−DCコンバータ、整流出力回路、制御回路を備え、DC−DCコンバータに設けたトランスの1次巻線に接続したスイッチ素子のオン,オフ制御により負荷2に供給する出力電圧V0を一定電圧に安定化制御する。
【0033】
出力電圧V0は抵抗R1とR2で分圧されて増幅器4の(−)入力端子に与えられ、(+)入力端子にはツェナーダイオードZDのツェナー電圧により予め定めた基準電圧を固定的に設定する。
【0034】
増幅器4は、出力電圧V0を抵抗R1、R2で分圧した電圧に、電流バランス制御回路10A,10Bの抵抗R0で発生したバイアス電圧+Viを加えた電圧を入力し、ツェナーダイオードZDの基準電圧との差に応じて増幅した差電圧を出力制御回路3に出力し、出力制御回路3の出力電圧V0が一定電圧となるように制御する。
【0035】
電源装置1A,1Bに設けた電流バランス制御回路10A,10Bには、負荷2に供給する出力電流I1,I2を検出するカレントトランス5が設けられる。カレントトランス5は出力制御回路3に設けているDC−DCコンバータの1次側のスイッチ素子のオン、オフ制御による電流を1次巻線に流し、2次側に上向き矢印方向の電圧を発生する。
【0036】
カレントトランス5の出力はダイオードD0により整流されてコンデンサC0に電流検出電圧Vi1,Vi2として充電される。またコンデンサC0には電流−電圧変換用の抵抗R3が並列接続され、検出電流に比例した電圧を発生する電圧源として機能する。
【0037】
この電流バランス制御回路10A,10Bに設けたカレントトランス5、ダイオードD0、コンデンサC0及び抵抗R3でなる電流検出回路には、抵抗R0を介して定電流回路6が接続され、更に定電流回路6の出力側で電流バランス制御回路10A,10Bは相互接続される。
【0038】
電流バランス制御回路10A,10Bに設けた定電流回路6と直列トランジスタTr1,Tr2のコレクタとエミッタが接続される。トランジスタTr1,Tr2のベースは、電流検出回路のコンデンサC0に発生する電流検出電圧Vi1,Vi2を分圧する抵抗R4,R5の分圧点に接続され、分圧電圧によるバイアスを受ける。
【0039】
このトランジスタTr1,Tr2及び抵抗R4,R5の分圧バイアス回路によって、電流検出回路の発生電圧が失われる電源装置の故障を検出した時に、定電流回路6を切り離して他の電源装置からの不平衡電流iの流れ込みを阻止する故障切離し回路が構成される。
【0040】
次に、図1の動作を説明する。電源装置1A,1Bから負荷2に流れる電流が等しいバランス状態では、電流バランス制御回路10A,10Bで負荷2に流れる電流I1,I2に比例した互いに等しい電流検出電圧Vi1、Vi2がコンデンサC0の両端に発生する。この電流検出電圧Vi1、Vi2は抵抗R4,R5で分圧され、トランジスタTr1,Tr2に印可されてオンし、定電流回路6を電流バランス制御回路10A,10Bに接続している。
【0041】
このため電流バランス制御回路10Aでは、電流検出電圧Vi1を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、トランジスタTr1、ダイオードD1を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic1が流れる。
【0042】
また電流バランス制御回路10Bでは、電流検出電圧Vi2を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、トランジスタTr2、ダイオードD2を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic2流れる。このため電流バランス制御回路10A,10Bの間に不平衡電流iは流れない。ここで定電流Ic1、Ic2は同じ電流値であり、例えば1mAとなる。
【0043】
これにより電流バランス制御回路10A,10Bの抵抗R0に発生するバイアス電圧+Viは等しく、増幅器4の入力電圧も等しく、増幅器4は出力制御回路3を出力電圧V0が等しくなるように制御し、負荷2に対する出力電流I1,I2はバランスしている。
【0044】
この出力電圧V0を一定値にする安定制御状態において、電源装置1Aの出力電流I1が電源装置1Bの出力電流I2より大きくなる電流バランスの崩れを生じたとする。このI1>I2となる電流バランスの崩れに対し、電源装置1Aの出力電流I1に応じて電流バランス制御回路10Aの電流検出電圧Vi1が増加し、また電源装置1Bの出力電流I2に応じて電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2は低下し、Vi1>Vi2となる。
【0045】
このため電流バランス制御回路10A,10B間には、電源装置1Aから1Bに向けて不平衡電流iが電流検出電圧の差に応じて流れる。例えば不平衡電流iとして0.2mA流れたとすると、電流バランス制御回路10Aでは抵抗R0に定電流回路6の定電流Ic1=1mAに不平衡電流i=0.2mAを加えた1.2mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが増加する。
【0046】
一方、電流バランス制御回路10Bでは、不平衡電流i=0.2mAが流れ込むことで、抵抗R0には定電流回路6の定電流Ic1=1mAから不平衡電流i=0.2mAを差し引いた0.8mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが減少する。
【0047】
電流バランス制御回路10Aにおいてバイアス+Viが増加すると、増幅器4の出力は低下し、出力制御回路3の出力電圧を下げて電源装置1Aからの出力電流I1を減少させる。一方、電流バランス制御回路10Bにおいてバイアス+Viが減少すると、増幅器4の出力は増加下し、出力制御回路3の出力電圧を上げて電源装置1Bからの出力電流I1を増加させ、最終的に出力電流I1=I2、すなわち不平衡電流i=0となる電流バランスの保持状態を保つようになる。
【0048】
次に片方の電源装置1Bが故障して、電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2が0Vになった場合には、抵抗R4,R5の分圧電圧も0Vとなり、トランジスタTr2がオフし、定電流回路6を電流バランス制御回路10Bから切離す。
【0049】
このため正常な電源装置1Aの電流バランス制御回路10Aにおける電流検出電圧Vi1からバイアス電圧+Viを差し引いた電圧(Vi1−Vi)が、故障した電源装置1Bの電流バランス制御回路10Bに加わっても、不平衡電流iは流れない。
【0050】
従って、正常な電源装置1Aの抵抗R0に流れる電流は、電源装置1Bの故障前の定電流回路6で決まる同じ定電流Ic1であり、バイアス電圧+Viも同じで増幅器4の入力端子に対する入力電圧も変わらないため、増幅器4の出力も変わらない。それ故、電源装置1Bが故障しても電源装置1Aの出力制御回路3の出力電圧V0は変化せず、出力電圧V0の低下を防止することができる。
【0051】
図2は本発明の他の実施形態であり、電源装置1A側を取出して示している。この実施形態は、カレントトランス5の2次巻線に発生する電圧の向きを図1の実施形態に対し逆極性とした場合である。
【0052】
これに対応して電流バランス制御回路10AのD0,D1、コンデンサC0、抵抗R0,R3,R4,R5、定電流回路6およびトランジスタTr1を発生電圧の逆極性に合わせて接続を変更した構成としている。この場合の動作は図1の実施形態と基本的に同じになる。また図1の電源装置1B側も図2の電源装置1Aと同じ構成になる。
【0053】
尚、上記の実施形態にあっては、電流バランス制御回路10A,10Bの故障切離し回路としてトランジスタTr1,Tr2を使用しているが、これに代えて電界効果トランジスタを使用しても良い。
【0054】
即ち、図1のトランジスタTr1,Tr2に代え、MOSFETのドレインとソースを定電流回路6に直列接続し、電流検出回路のコンデンサC0の発生電圧Vi1,Vi2を抵抗R4,R5で分圧してMOSFETのゲートにバイアス電圧として印可すれば良い。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冗長運転のために負荷に並列接続された複数の電源装置のいずれかが故障しても、正常な電源装置の出力電圧は低下せず、装置故障に対し負荷に一定電圧を継続して供給する安定した冗長運転を継続することができる。
【0056】
また複数の電源装置のいずれかの故障に対し正常な電源装置の出力電圧は低下しないように電流バランス制御回路に設ける故障切離し回路は、小電力の抵抗2本と小信号トランジスタ1個といった僅かな追加部品で済み、低コストで対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示した回路図
【図2】本発明の他の実施形態を示した回路図
【図3】従来例の回路図
【符号の説明】
1A,1B:電源装置
2:負荷
3:出力制御回路
4:増幅器
5:カレントトランス
6:定電流回路
10A,10B:電流バランス制御回路
D0〜D4:ダイオード
R0〜R5:抵抗
ZD:ツェナーダイオード
Tr1,Tr2:トランジスタ
I1,I2:出力電流
V0:出力電圧
Vi1,Vi2:電流検出電圧
Ic1,Ic2:定電流
i:不平衡電流
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電源装置の出力側を負荷に並列接続して並列電流バランスをとる電源装置の電流バランス制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の電源装置を負荷に並列接続して冗長運転する際に使用する電流バランス制御回路としては、例えば図3に示すようなものがある(特許文献1)。
【0003】
図3において、1A,1Bは電源装置であり、負荷2がダイオードD3,D4を介して並列接続されている。電源装置1A,1Bから負荷2に対して同じ値の電流I1,I2を供給する。
電源装置1A,1Bには出力制御回路3が設けられ、スイッチング制御により一定電圧に安定化された出力電圧V0が負荷2に供給される。出力電圧V0は抵抗R1とR2で分圧されて増幅器4の(−)入力端子に与えられ、(+)入力端子にはツェナーダイオードZDのツェナー電圧により予め定めた基準電圧を固定的に設定する。
【0004】
増幅器4は、出力電圧V0を抵抗R1とR2で分圧した電圧にバイアス電圧発生用の抵抗R0で発生した電圧+Viを加えた電圧と、ツェナーダイオードZDの基準電圧との差電圧に応じて増幅したある電圧を出力制御回路3に出力し、出力制御回路3の出力電圧V0が一定となるように制御する。
【0005】
一方、電源装置1A,1Bには、電流バランス制御回路10A,10Bが設けられる。電流バランス制御回路10A,10Bには、負荷2に供給する出力電流I1,I2を検出するカレントトランス5が設けられ、カレントトランス5の出力はダイオードD0により整流されてコンデンサC0に検出電圧Vi1,Vi2として充電される。またコンデンサC0には電流−電圧変換用の抵抗R3が並列接続される。
【0006】
この電流バランス制御回路10A,10Bのそれぞれに設けたカレントトランス5、ダイオードD0、コンデンサC0および抵抗R3でなる電流検出回路には、抵抗R0を介して定電流回路6が接続され、更に定電流回路6の出力側で相互接続される。
【0007】
次に、図3の動作を説明する。電源装置1A,1Bから負荷2に流れる電流が等しいバランス状態では、電流バランス制御回路10A,10Bの電流検出電圧Vi1、Vi2が等しい。このため電流バランス制御回路10Aでは、電流検出電圧Vi1を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、ダイオードD1を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic1が流れる。
【0008】
また電流バランス制御回路10Bでは、電流検出電圧Vi2を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、ダイオードD2を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic2流れる。このため電流バランス制御回路10A,10Bの間に不平衡電流iは流れない。ここで定電流Ic1、Ic2は同じ電流値であり、例えば1mAとなる。
【0009】
これにより電流バランス制御回路10A,10Bの抵抗R0に発生するバイアス電圧+Viは等しく、増幅器4の入力電圧も等しく、増幅器4は出力制御回路3を出力電圧V0が等しくなるように制御し、負荷2に対する出力電流I1,I2はバランスしている。
【0010】
この出力電圧V0を一定値にする安定制御状態において、電源装置1Aの出力電流I1が電源装置1Bの出力電流I2より大きくなる電流バランスの崩れを生じたとする。このI1>I2となる電流バランスの崩れに対し、電源装置1Aの出力電流I1に応じて電流バランス制御回路10Aの電流検出電圧Vi1が増加し、また電源装置1Bの出力電流I2に応じて電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2は低下し、Vi1>Vi2となる。
【0011】
このため電流バランス制御回路10A,10B間には、電源装置1Aから1Bに向けて不平衡電流iが電流検出電圧の差に応じて流れる。例えば不平衡電流iとして0.2mA流れたとすると、電流バランス制御回路10Aでは抵抗R0に定電流回路6の定電流Ic1=1mAに不平衡電流i=0.2mAを加えた1.2mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが増加する。
【0012】
一方、電流バランス制御回路10Bでは、不平衡電流i=0.2mAが流れ込むことで、抵抗R0には定電流回路6の定電流Ic1=1mAから不平衡電流i=0.2mAを差し引いた0.8mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが減少する。
【0013】
電流バランス制御回路10Aにおいてバイアス+Viが増加すると、増幅器4の出力は低下し、出力制御回路3の出力電圧を下げて電源装置1Aからの出力電流I1を減少させる。一方、電流バランス制御回路10Bにおいてバイアス+Viが減少すると、増幅器4の出力は増加し、出力制御回路3の出力電圧を上げて電源装置1Bからの出力電流I1を増加させ、最終的に出力電流I1=I2、ずなわち不平衡電流i=0となる電流バランスの保持状態を保つようになる。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−288518号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電源装置の電流バランス制御回路にあっては、片側の電源装置が故障して電流検出電圧が断たれた場合、正常な電源装置の出力電圧が低下してしまうという問題がある。
【0016】
例えば片方の電源装置1Bが故障して、電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2が0Vになった場合には、ダイオードD2によって抵抗R0、R3に流れる電流は阻止されるが、定電流回路6の定電流Ic2に一致する不平衡電流iが電源装置1Aの電流バランス制御回路10Aから故障した電源装置1Bの電流バランス制御回路10Bに流れる。
【0017】
このため正常な電源装置1Aの電流バランス制御回路10Aに設けた抵抗R0に両方の定電流回路6に流れる定電流を加算した電流(Ic1+Ic2)が流れ、バイアス電圧+Viがほぼ2倍に増加する。
【0018】
このため増幅器4の出力が低下し、出力制御回路3は出力電圧V0を下げるように制御され、正常な電源装置1Aから負荷2に対する出力電圧が低下する。
【0019】
この問題に対し従来は、片方の電源装置の故障で生ずる出力電圧の低下を、電源装置の仕様上無視できる範囲に抑えるように抵抗R0の値や定電流回路6の定電流を決めることで対応している。
【0020】
しかし、片側の電源装置の故障により負荷に対する出力電圧が低下することは、例え出力電圧の低下が装置の仕様を損なわない範囲であったとしても、複数の電源装置を負荷に並列接続して故障が起きても安定化した電源供給を維持するという冗長運転本来の意図が損なわれており、この点の改善が望まれる。
【0021】
本発明は、負荷に並列接続して冗長運転している複数の電源装置の一部に故障が起きても、正常な電源装置に出力電圧の低下が起きないようにした電源装置の電流バランス制御回路を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。
【0023】
本発明は、冗長運転のために複数の電源装置を負荷に並列接続し、複数の電源装置から負荷に流れる電流が一致するように制御する他の電源装置の電流バランス回路と相互に接続された電源装置の電流バランス制御回路を対象とする。
【0024】
この電流バランス制御回路は、負荷に流れる電流に比例した電圧を発生し、他の電源装置の電流検出回路と相互接続される電流検出回路と、電流検出回路に対する電流の逆流を阻止するダイオードと、電流検出回路に接続され一定電流を流す定電流回路と、電流検出回路と定電流回路を結ぶプラス側信号ラインに挿入接続されるバイアス電圧発生回路とを備える。
【0025】
このバイアス電圧発生回路は、
a)電流検出回路と他の電源装置の電流検出回路との間に電圧差がない時は、定電流回路に流す一定電流に応じたバイアス電圧を発生し、
b)電流検出電圧源の検出電圧が他の電源装置の電流検出回路に対しプラスの電圧差を持つ時は、定電流回路に流す一定電流に他の電源装置に流れ出す不平衡電流を加えた電流に応じたバイアス電圧を発生し、更に、
c)電流検出回路の検出電圧が他の電源装置の電流検出回路に対しマイナスの電圧差を持つ時は、定電流回路に流す一定電流から他の電源装置から流れ込む不平衡電流を差し引いた電流に応じたバイアス電圧を発生し、
d)各バイアス電圧を前記増幅器に対する出力電圧に加算して負荷に流れる電流が他の電源装置から負荷に流れる電流に一致するように差電圧を変化させる。
【0026】
これに加え本発明の電流バランス制御回路にあっては、電流検出回路の発生電圧が失われる故障を検出した時に、定電流回路を切り離して他の電源装置からの不平衡電流の流れ込みを阻止する故障切離し回路を設けたことを特徴とする。
【0027】
このため例えば2台の電源装置を負荷に並列接続して冗長運転している際に、片側の電源装置が故障して負荷電流が断たれた場合、故障を起こした電源装置の電流バランス制御回路に設けている電流検出回路の発生電圧が失われ、これを故障切離し回路で検出して定電流回路を切離すことで正常な電源装置の電流バランス回路からの不平衡電流の流れ込みを阻止し、正常な電流バランス制御回路の抵抗に発生するバイアス電圧を、複数の電源装置の出力電流がバランスした安定制御状態の電圧に保つ。このため片側の電源装置が故障しても、残された正常な電源装置の負荷に対する出力電圧は低下せずに一定電圧に制御され、安定した冗長運転を継続することができる。
【0028】
ここで、故障切離し回路は、定電流回路に直列接続されたトランジスタと、電流検出回路の発生電圧を分圧してトランジスタのベースにバイアス電圧を印加し、電流検出回路の発生電圧が断たれる故障検出時にトランジスタをオフして定電流回路を切離すバイアス回路とを備える。
【0029】
また故障切離し回路は、定電流回路に直列接続された電界効果トランジスタと、電流検出回路の発生電圧を分圧して電界効果トランジスタのゲートにバイアス電圧を印加し、電流検出回路の発生電圧が断たれる故障検出時に電界効果トランジスタをオフして定電流回路を切離すバイアス回路とを備えるようにしても良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による電源装置の電流バランス制御回路の実施形態を冗長運転のための接続状態ついて示した回路図である。
【0031】
図1において、電源装置1A,1Bは、冗長運転による電源供給のため、ダイオードD3,D4を介して負荷2に並列接続され、電源装置1A,1Bから負荷2に対して同じ値の電流I1,I2を供給するよう出力制御回路3により出力電圧V0を制御させる電流バランス制御回路10A,10Bを設けている。
【0032】
電源装置1A,1Bに設けた出力制御回路3はスイッチングレギュレータで構成され、例えばDC−DCコンバータ、整流出力回路、制御回路を備え、DC−DCコンバータに設けたトランスの1次巻線に接続したスイッチ素子のオン,オフ制御により負荷2に供給する出力電圧V0を一定電圧に安定化制御する。
【0033】
出力電圧V0は抵抗R1とR2で分圧されて増幅器4の(−)入力端子に与えられ、(+)入力端子にはツェナーダイオードZDのツェナー電圧により予め定めた基準電圧を固定的に設定する。
【0034】
増幅器4は、出力電圧V0を抵抗R1、R2で分圧した電圧に、電流バランス制御回路10A,10Bの抵抗R0で発生したバイアス電圧+Viを加えた電圧を入力し、ツェナーダイオードZDの基準電圧との差に応じて増幅した差電圧を出力制御回路3に出力し、出力制御回路3の出力電圧V0が一定電圧となるように制御する。
【0035】
電源装置1A,1Bに設けた電流バランス制御回路10A,10Bには、負荷2に供給する出力電流I1,I2を検出するカレントトランス5が設けられる。カレントトランス5は出力制御回路3に設けているDC−DCコンバータの1次側のスイッチ素子のオン、オフ制御による電流を1次巻線に流し、2次側に上向き矢印方向の電圧を発生する。
【0036】
カレントトランス5の出力はダイオードD0により整流されてコンデンサC0に電流検出電圧Vi1,Vi2として充電される。またコンデンサC0には電流−電圧変換用の抵抗R3が並列接続され、検出電流に比例した電圧を発生する電圧源として機能する。
【0037】
この電流バランス制御回路10A,10Bに設けたカレントトランス5、ダイオードD0、コンデンサC0及び抵抗R3でなる電流検出回路には、抵抗R0を介して定電流回路6が接続され、更に定電流回路6の出力側で電流バランス制御回路10A,10Bは相互接続される。
【0038】
電流バランス制御回路10A,10Bに設けた定電流回路6と直列トランジスタTr1,Tr2のコレクタとエミッタが接続される。トランジスタTr1,Tr2のベースは、電流検出回路のコンデンサC0に発生する電流検出電圧Vi1,Vi2を分圧する抵抗R4,R5の分圧点に接続され、分圧電圧によるバイアスを受ける。
【0039】
このトランジスタTr1,Tr2及び抵抗R4,R5の分圧バイアス回路によって、電流検出回路の発生電圧が失われる電源装置の故障を検出した時に、定電流回路6を切り離して他の電源装置からの不平衡電流iの流れ込みを阻止する故障切離し回路が構成される。
【0040】
次に、図1の動作を説明する。電源装置1A,1Bから負荷2に流れる電流が等しいバランス状態では、電流バランス制御回路10A,10Bで負荷2に流れる電流I1,I2に比例した互いに等しい電流検出電圧Vi1、Vi2がコンデンサC0の両端に発生する。この電流検出電圧Vi1、Vi2は抵抗R4,R5で分圧され、トランジスタTr1,Tr2に印可されてオンし、定電流回路6を電流バランス制御回路10A,10Bに接続している。
【0041】
このため電流バランス制御回路10Aでは、電流検出電圧Vi1を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、トランジスタTr1、ダイオードD1を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic1が流れる。
【0042】
また電流バランス制御回路10Bでは、電流検出電圧Vi2を電圧源としてコンデンサC0のプラス側から抵抗R0、定電流回路6、トランジスタTr2、ダイオードD2を経てコンデンサC0のマイナス側に定電流Ic2流れる。このため電流バランス制御回路10A,10Bの間に不平衡電流iは流れない。ここで定電流Ic1、Ic2は同じ電流値であり、例えば1mAとなる。
【0043】
これにより電流バランス制御回路10A,10Bの抵抗R0に発生するバイアス電圧+Viは等しく、増幅器4の入力電圧も等しく、増幅器4は出力制御回路3を出力電圧V0が等しくなるように制御し、負荷2に対する出力電流I1,I2はバランスしている。
【0044】
この出力電圧V0を一定値にする安定制御状態において、電源装置1Aの出力電流I1が電源装置1Bの出力電流I2より大きくなる電流バランスの崩れを生じたとする。このI1>I2となる電流バランスの崩れに対し、電源装置1Aの出力電流I1に応じて電流バランス制御回路10Aの電流検出電圧Vi1が増加し、また電源装置1Bの出力電流I2に応じて電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2は低下し、Vi1>Vi2となる。
【0045】
このため電流バランス制御回路10A,10B間には、電源装置1Aから1Bに向けて不平衡電流iが電流検出電圧の差に応じて流れる。例えば不平衡電流iとして0.2mA流れたとすると、電流バランス制御回路10Aでは抵抗R0に定電流回路6の定電流Ic1=1mAに不平衡電流i=0.2mAを加えた1.2mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが増加する。
【0046】
一方、電流バランス制御回路10Bでは、不平衡電流i=0.2mAが流れ込むことで、抵抗R0には定電流回路6の定電流Ic1=1mAから不平衡電流i=0.2mAを差し引いた0.8mAの電流が流れ、バイアス電圧+Viが減少する。
【0047】
電流バランス制御回路10Aにおいてバイアス+Viが増加すると、増幅器4の出力は低下し、出力制御回路3の出力電圧を下げて電源装置1Aからの出力電流I1を減少させる。一方、電流バランス制御回路10Bにおいてバイアス+Viが減少すると、増幅器4の出力は増加下し、出力制御回路3の出力電圧を上げて電源装置1Bからの出力電流I1を増加させ、最終的に出力電流I1=I2、すなわち不平衡電流i=0となる電流バランスの保持状態を保つようになる。
【0048】
次に片方の電源装置1Bが故障して、電流バランス制御回路10Bの電流検出電圧Vi2が0Vになった場合には、抵抗R4,R5の分圧電圧も0Vとなり、トランジスタTr2がオフし、定電流回路6を電流バランス制御回路10Bから切離す。
【0049】
このため正常な電源装置1Aの電流バランス制御回路10Aにおける電流検出電圧Vi1からバイアス電圧+Viを差し引いた電圧(Vi1−Vi)が、故障した電源装置1Bの電流バランス制御回路10Bに加わっても、不平衡電流iは流れない。
【0050】
従って、正常な電源装置1Aの抵抗R0に流れる電流は、電源装置1Bの故障前の定電流回路6で決まる同じ定電流Ic1であり、バイアス電圧+Viも同じで増幅器4の入力端子に対する入力電圧も変わらないため、増幅器4の出力も変わらない。それ故、電源装置1Bが故障しても電源装置1Aの出力制御回路3の出力電圧V0は変化せず、出力電圧V0の低下を防止することができる。
【0051】
図2は本発明の他の実施形態であり、電源装置1A側を取出して示している。この実施形態は、カレントトランス5の2次巻線に発生する電圧の向きを図1の実施形態に対し逆極性とした場合である。
【0052】
これに対応して電流バランス制御回路10AのD0,D1、コンデンサC0、抵抗R0,R3,R4,R5、定電流回路6およびトランジスタTr1を発生電圧の逆極性に合わせて接続を変更した構成としている。この場合の動作は図1の実施形態と基本的に同じになる。また図1の電源装置1B側も図2の電源装置1Aと同じ構成になる。
【0053】
尚、上記の実施形態にあっては、電流バランス制御回路10A,10Bの故障切離し回路としてトランジスタTr1,Tr2を使用しているが、これに代えて電界効果トランジスタを使用しても良い。
【0054】
即ち、図1のトランジスタTr1,Tr2に代え、MOSFETのドレインとソースを定電流回路6に直列接続し、電流検出回路のコンデンサC0の発生電圧Vi1,Vi2を抵抗R4,R5で分圧してMOSFETのゲートにバイアス電圧として印可すれば良い。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冗長運転のために負荷に並列接続された複数の電源装置のいずれかが故障しても、正常な電源装置の出力電圧は低下せず、装置故障に対し負荷に一定電圧を継続して供給する安定した冗長運転を継続することができる。
【0056】
また複数の電源装置のいずれかの故障に対し正常な電源装置の出力電圧は低下しないように電流バランス制御回路に設ける故障切離し回路は、小電力の抵抗2本と小信号トランジスタ1個といった僅かな追加部品で済み、低コストで対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示した回路図
【図2】本発明の他の実施形態を示した回路図
【図3】従来例の回路図
【符号の説明】
1A,1B:電源装置
2:負荷
3:出力制御回路
4:増幅器
5:カレントトランス
6:定電流回路
10A,10B:電流バランス制御回路
D0〜D4:ダイオード
R0〜R5:抵抗
ZD:ツェナーダイオード
Tr1,Tr2:トランジスタ
I1,I2:出力電流
V0:出力電圧
Vi1,Vi2:電流検出電圧
Ic1,Ic2:定電流
i:不平衡電流
Claims (3)
- 冗長運転のために複数の電源装置を負荷に並列接続し、前記複数の電源装置から負荷に流れる電流が一致するように制御する他の電源装置の電流バランス制御回路と相互に接続された電源装置の電流バランス回路に於いて、
前記負荷に流れる電流に比例した電圧を発生し、他の電源装置の電流検出回路と相互接続される電流検出回路と、
前記電流検出回路に対する電流の逆流を阻止するダイオードと、
前記電流検出回路に接続され一定電流を流す定電流回路と、
前記電流検出回路と定電流回路を結ぶプラス側信号ラインに挿入接続され、前記電流検出回路と他の電源装置の電流検出回路との間に電圧差がない時は前記定電流回路に流す一定電流に応じたバイアス電圧を発生し、前記電流検出電圧源の検出電圧が他の電源装置の電流検出回路に対しプラスの電圧差を持つ時は前記定電流回路に流す一定電流に他の電源装置に流れ出す不平衡電流を加えた電流に応じたバイアス電圧を発生し、更に、前記電流検出回路の検出電圧が他の電源装置の電流検出回路に対しマイナスの電圧差を持つ時は前記定電流回路に流す一定電流から他の電源装置から流れ込む不平衡電流を差し引いた電流に応じたバイアス電圧を発生し、前記各バイアス電圧を前記増幅器に対する出力電圧に加算して負荷に流れる電流が他の電源装置から負荷に流れる電流に一致するように差電圧を変化させるバイアス電圧発生回路と、
前記電流検出回路の発生電圧が失われる故障を検出した時に、前記定電流回路を切り離して他の電源装置からの不平衡電流の流れ込みを阻止する故障切離し回路と、
を備えたことを特徴とする電源装置の電流バランス制御回路。 - 請求項1記載の電源装置の電流バランス制御回路に於いて、前記故障切離し回路は、
前記定電流回路に直列接続されたトランジスタと、
前記電流検出回路の発生電圧を分圧して前記トランジスタのベースにバイアス電圧を印加し、前記電流検出回路の発生電圧が断たれる故障検出時に前記トランジスタをオフして前記定電流回路を切離すバイアス回路と、
を備えたことを特徴とする電源装置の電流バランス制御回路。 - 請求項1記載の電源装置の電流バランス制御回路に於いて、前記故障切離し回路は、
前記定電流回路に直列接続された電界効果トランジスタと、
前記電流検出回路の発生電圧を分圧して前記電界効果トランジスタのゲートにバイアス電圧を印加し、前記電流検出回路の発生電圧が断たれる故障検出時に前記電界効果トランジスタをオフして前記定電流回路を切離すバイアス回路と、
を備えたことを特徴とする電源装置の電流バランス制御回路。
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