JP3897145B2 - カラーフィルターを形成するための基板、カラーフィルター、微細構造体、及びそれらの製造方法 - Google Patents

カラーフィルターを形成するための基板、カラーフィルター、微細構造体、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルター、微細構造体及びその製造方法に関する。詳しくは、自己組織化膜等の有機分子膜を利用したパターンを基板上に形成し、インクジェット法等のインク吐出方式を用いてカラー層、機能性材料層を基板上に形成するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板上に所定の機能を持つ薄膜を備えた微細構造体が知られている。この微細構造体の一つに液晶表示用カラーフィルターがある。このカラーフィルターは、次のような構造を備えている。
【0003】
透明あるいは透光性基板上に赤、青、黄の各画素に対応するカラーフィルターを形成しこれらを一つの色表示単位とし、この色表示単位を多数備える。各画素の間には一定の幅を持つブラックマトリクスといわれる遮光性領域が存在して表示コントラストを高めるようにしている。
【0004】
カラーフィルターを製造するには、基板上にフォトリソグラフィの技術を用いて遮光性領域のパターンを形成し遮光性領域の間の画素(ピクセル)内にカラー層を形成している。ピクセル内に特定色の色材を配置するために、例えば、ピエゾ素材を用いたインクジェット吐出方式、バブルジェット吐出方式などのインク吐出方式を利用することが提案されている。この方式では、ブラックマトリクスは、仕切り壁(バンク)状のパターンを持って形成されており、この仕切り壁内に囲まれた開口部に色材が充填されカラー層が形成されている。
【0005】
かかるカラーフィルターにおいて、画素からのインクの滲みや混色を防止するために従来から様々な解決手段が存在する。例えば、特開平7−35917号公報には、透明基板上の所定位置に、複数色の画素および、該画素の間隙に遮光用ブラックマトリクスが形成されたカラーフィルターにおいて、該遮光用ブラックマトリクスが、含フッ素化合物および/または含ケイ素化合物を含有する黒色樹脂層、あるいは水に対し40°以上の後退接触角をもつ黒色樹脂層であるカラーフィルターが開示されている。
【0006】
また、特開平10−142418号公報には、透明基板上に樹脂のブラックマトリクスパターンを形成する工程と、該ブラックマトリクスパターンの間隙の基板表面の表面エネルギーを増加させる表面改質処理を行う工程と、該ブラックマトリクスパターンの間隙にインクを付与する工程を有するカラーフィルターの製造方法が開示されている。
【0007】
一方、特開平4−195102号公報では、基板上には濡れ易く、仕切り壁には濡れ難いインク材料の選定は困難であることが述べられ、可染媒体層をパターン状に染色して、着色部位を作成する工程で有効に作用する仕切り壁を作成することと各画素形成部位への高速かつ高精度、低コストの染料成分の付与を特徴とした表示品質の高い、低コストの液晶表示用カラーフィルターの製造方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、カラーフィルターには、次に述べるようにより高い性能が要求されていた。前記バンクは、2〜3ミクロンの高さを持ち、しかもこのバンクは、フォトレジスト材により形成され、該バンクの端面にアスペクト比に基づく傾斜角が有る。したがって、インクがバンク内に吐出されて形成された皮膜の厚さは、液滴とバンクの物性及び表面形状とに影響される。特に、ピクセル間の色調を許容範囲に収めようとすると、20〜30ミクロンのドット内の皮膜厚さを全体的に±5%に管理することが必要となり、より高い精度の確保が要求されている。
この精度を確保するための要因は、バンクと吐出されるインクとの界面張力による液の偏りにあるため、画素のパターンが微細になればなるほどより要求されるレベルが高い。
【0009】
次に、遮光性ブラックマトリクスの製造及びカラー部の形成に際して、感光性レジスト材を用いたフォトリソグラフィの技術を用いていることから、遮光性ブラックマトリクスのパターンを微細化するには限界がある。また、従来の光リソグラフィによる遮光領域を基板上に形成する方法は、レジスト材の塗布、露光、現像、乾燥と言う具合に多くの工程数を要するばかり、資源・エネルギーを多く消費するプロセスでもあった。
【0010】
本発明は、基板上にカラーフィルターのパターンを形成するための基板であって、新規なパターニング技術て処理された、インク吐出方式を適用するための基板を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、この基板を備えたカラーフィルターを提供することである。本発明のさらに他の目的は、均一な厚さのカラー層を備えたカラーフィルター及びその製造方法を提供することである。本発明のさらに他の目的は、ブラックマトリクス間の開口部を微細化することができ、更には、省資源・省エネルギー化の下にカラーフィルターを製造できるカラーフィルターの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特願平11−262663号において、基材と、該基材上にアミノ基あるいはチオール基を有する有機化合物からなる極薄膜パターンと、該極薄膜パターンに基づいた層パターンを有する微細構造体を提案した。本発明は、この有機化合物を含む分子膜を基板に結合させて基板の表面性を改良し、この基板とインクジェット吐出方式を組み合わせて、既述の問題を解決したものである。
本発明に係る微細構造体の製造方法は、インク受容層上に第1の有機分子膜を形成する第1の工程と、前記インク受容層に対しフォトマスクを用いて露光することにより第1のパターンを形成する第2の工程と、前記第1のパターンに対して第1の材料を供給し、前記第1の材料を前記パターンに応じて配置する第3の工程と、を含むことを特徴とする。
上記の微細構造体の製造方法において、前記有機分子膜は、自己組織化膜であることが好ましい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記第3の工程により、ブラックマトリクスが形成されていてもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記ブラックマトリクスは、黒色インクにより形成されていてもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記第3の工程における前記第1の材料の配置は、無電解めっきによりに行われるようにしてもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記無電解めっきは、無電解めっき液に浸漬することより行われることが好ましい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記微細構造体は、カラーフィルタであってもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記有機分子膜は、前記インク受容層と結合する結合性官能基を有することが好ましい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記有機分子膜は、表面性を改質するための官能基として親液基または疎液基を有していることが好ましい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記有機分子膜は、前記の表面性を改質するための官能基と前記結合性官能基とを結ぶ炭素鎖を備えていてもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記第3の工程において、前記第1の材料の供給をインクジェット法により行ってもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、前記第1の材料は前記インク受容層を形成するものであってもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、さらに前記第3の工程の後、第2の有機分子膜を形成し、フォトマスクを介して前記第2の有機分子膜の露光を行うことにより第2のパターンを形成する第4の工程を含んでいてもよい。
上記の微細構造体の製造方法において、さらに、前記第2のパターンに応じて第2の材料を配置することが好ましい。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第1の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第1の有機分子膜パターンに対して遮光層の材料を供給し、該第1有機分子膜パターンに基づいてインク受容層上又は層内に遮光層パターンを形成する工程と、該遮光層パターンが形成されたインク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第2の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第2の有機分子膜パターンに対してカラーフィルターの材料を供給し、該第2の有機分子膜パターンに基づいてカラーフィルター層のパターンをインク受容層内に形成する工程と、を具備するものである。
上記のカラーフィルターの製造方法において、前記第1及び/又は第2の有機分子膜として、自己組織化膜を用いることが好ましい。
上記のカラーフィルターの製造方法において、前記第2の有機分子膜パターンを形成する工程の前に前記第1の有機分子膜を除去してもよい。
上記のカラーフィルターの製造方法において、前記遮光層の材料及び/又はカラーフィルターの材料の供給をインク吐出法より行ってもよい。
本発明の微細構造体の製造方法は、基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより有機分子膜パターンを形成する工程と、該有機分子膜パターンに対して機能性材料を含むインクを供給し前記有機分子膜パターンに基づいてインク受容層内に機能性材料層のパターンを形成する工程と、を具備するものである。
本発明の微細構造体の製造方法は、基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第1の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第1の有機分子膜パターンに対して第1の機能性材料を供給し、該第1の有機分子膜パターンに基づいてインク受容層上又は層内に第1の機能性材料層パターンを形成する工程と、該第1の機能性材料層パターンが形成されたインク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第2の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第2の有機分子膜パターンに対して第2機能性材料を含むインクを供給し、該第2の有機分子膜パターンに基づいて第2の機能性材料層パターンを、インク受容層内に形成する工程と、を具備するものである。
【0012】
前記目的を達成するための第1の発明は、カラーフィルターを形成するための基板であって、インク受容層と、該インク受容層上に有機分子膜パターンを有し、該有機分子膜パターンに基づいてインク吐出法によりカラーフィルターの材料を供給した際に該パターンに基づいてカラーフィルター層が前記インク受容層内に選択的に形成される機能を有することを特徴とする。
【0013】
この発明の形態において、前有機分子膜が自己組織化膜からなることを特徴とする。また、他の形態は、インク受容層上又は層内に遮光層パターンを有し、該遮光層が形成されていない部分に対応するインク受容層内に前記カラーフィルター層が選択的に形成される機能を有することを特徴とする。また、前記遮光層パターンは、前記カラーフィルター層が選択的に形成される機能を有する有機分子膜パターンに基づいて形成されていることを特徴とする。
【0014】
前記目的を達成するための第2の発明は、基板上に、インク受容層と、該インク受容層上に形成された有機分子膜パターンと、該有機分子膜パターンに基づいてインク受容層内に選択的に形成されたカラーフィルター層パターンを有するカラーフィルターであることを特徴とする。この発明の形態において、前記遮光層パターンは、前記カラーフィルター層パターンの基礎となった有機分子膜とは異なる有機分子膜パターンに基づいて形成されていることを特徴とする。
【0015】
前記目的を達成するための第3の発明は、 基板上に、インク受容層と、該インク受容層上に形成された有機分子膜パターンと、該有機分子膜パターンに基づいて前記インク受容層内に選択的に形成された機能層パターンと、を有する微細構造体であることを特徴とする。
【0016】
前記目的を達成するための第4の発明は、基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上に有機分子膜パターンを形成する工程と、該有機分子膜パターンに対してカラーフィルターの材料を供給し、前記有機分子膜パターンに基づいてインク受容層内にカラーフィルター層のパターンを形成する工程とを具備するカラーフィルター製造方法であることを特徴とする。
【0017】
この第4の発明の一つの形態は、インク受容層上又は層内に遮光層パターンを形成した後、該遮光層パターン上に、前記有機分子膜パターンを形成すること、そして、前記カラーフィルターの材料の供給をインク吐出法により行うことを特徴とする。
【0018】
また、前記目的を達成する第5の発明は、基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上に第一の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第一の有機分子膜パターンに対して遮光層の材料を供給し、該第一有機分子膜パターンに基づいてインク受容層上又は層内に遮光層パターンを形成する工程と、該遮光層パターンが形成されたインク受容層上に第二の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第二の有機分子膜パターンに対してカラーフィルターの材料を供給し、該第二の有機分子膜パターンに基づいてカラーフィルター層のパターンをインク受容層内に形成する工程とを具備するカラーフィルターの製造方法であることを特徴とする。
【0019】
第5の発明の一つの形態において、 前記第一及び/又は第二の有機分子膜として、自己組織化膜を用いることができる。さらに、前記第二の有機分子膜パターンを形成する工程の前に前記第一の有機分子膜を除去する。さらに、前記遮光層の材料及び/又はカラーフィルターの材料の供給をインク吐出法により行う。
【0020】
前記目的を達成する第6の発明は、 基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上に有機分子膜パターンを形成する工程と、該有機分子膜パターンに対して機能性材料を含むインクを供給し前記有機分子膜パターンに基づいてインク受容層内に機能性材料層のパターンを形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0021】
さらに第7の発明は、基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上に第一の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第一の有機分子膜パターンに対して第一の機能性材料を供給し、該第一の有機分子膜パターンに基づいてインク受容層上又は層内に第一の機能性材料層パターンを形成する工程と、該第一の機能性材料層パターンが形成されたインク受容層上に第二の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第二の有機分子膜パターンに対して第二機能性材料を含むインクを供給し、該第二の有機分子膜パターンに基づいて第二の機能性材料層パターンを、インク受容層内に形成する工程と、を具備する微細構造体の製造方法であることを特徴とする。
【0022】
すなわち、本発明によれば、基板上の有機分子膜によって基板の撥液性や親液性などの表面性を制御し、かつ、この基板とインク吐出技術を組み合わせることによって、従来技術の欄で述べたような遮光性領域を仕切壁のようにすることなく遮光性領域を仕切壁のようにすることなく遮光性領域の間の画素領域にカラー層を形成することが可能になる。
【0023】
また、本発明によれば、レジストを使用することなく薄膜のパターンを形成できるために、工程の簡素化等既述の目的を解決することができる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態として、機能性薄膜としてカラーフィルターを適用したものを例として説明する。
本発明において用いられる前記基板としては、カラーフィルター形成用の透明基板或いは透光性基板として通常用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、石英ガラス基板、プラスチックフィルム等を用いることができる。
【0024】
インク受容層には用いるインクとの親和性が良好で、均染性に優れたアクリル系可染性樹脂等からなる多孔質の有機被膜等が好ましく用いられる。インク受容層は、その厚さが、0.2〜1.0μmであるのが好ましい。
有機分子膜とは、基板上でフォトリソグラフィ等のパターニング技術によって、所定のパターンを形成できるものであることが好ましい。有機分子膜は基板に結合可能な官能基とその反対側には表面の特性を改質する(例えば、表面エネルギを制御する)官能基を備えている。
【0025】
すなわち、有機分子膜は、基板やインク受容層など下地層と結合できる結合部(結合性官能基)と、他端側に親水基(親液基)あるいは疎水基(疎液基)など表面性を改質するための官能基と、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
【0026】
本発明において下地層表面に形成される自己組織化膜とは有機分子膜の一例であり、下地層の構成原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、該直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を配向して形成された膜である。
【0027】
前記自己組織化膜は、一般的なフォトレジスト材等の樹脂膜と異なり、単分子を集積配向させて形成されているので、極めて膜厚を薄くすることができ、しかも、原子レベルで均一な膜となる。即ち、膜の表面に同じ分子が集積して位置するため、パターン形成された後に膜の表面に均一な撥液性や親液生を付与することができ、微細で選択性を備えたパターを得る際に特に有用である。
例えば、選択性を持った前記化合物として、後述するフルオロアルキルシランを用いた場合には、膜の表面にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて有機分子膜(自己組織化膜)が形成されるので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
【0028】
自己組織化膜を形成する化合物としては、へプタデカフルオロテトラヒドロデシルオトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラビドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、「FAS」という)等を挙げることができる。
【0029】
使用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのが好ましいが、2種以上の化合物を組み合わせて使用しても、本発明の所期の目的を損なわなければ制限されない。また、本発明においては、前記化合物として、前記FASを用いて有機分子膜パターンを形成することが、基板との密着性及び良好な撥液(インク)性を付与する上で好ましい。
【0030】
FASをパターニングすることによって親インク部と撥インク部のパターンを作ることができる。例えば、FASが存在する部分が撥インク部とすることができる。
すなわち、FAS(フルオロアルキルシラン系シランカップリング剤)は、
SiX(4ーn)(Xは加水分解性基)の構造式を持ち、Xは、加水分解によりシラノールを形成して、基板(ガラス、シリコン)等の下地のヒドロキシル基と反応してシロキサン結合で基板と結合する。一方、Rは(CF)(CF)−等のフルオロアルキル基を有するため、基板等の下地表面を濡れない(表面エネルギーが低い)表面に改質する。
【0031】
なお、自己組織化膜は、例えば、”An Introduction to ULTRATHIN ORGANIC FILMS:Ulman ACADEMIC PRESSに詳しく開示されている。
【0032】
本発明は前途した有機分子膜パターンに基づいて所定の機能を持った機能性薄膜としてのカラーフィルター層を形成する。より好ましくは、遮光層パターンを有機分子膜に基づいて形成する点で最も特徴的である。
【0033】
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法を例にして図面を参照して詳細に説明する。本発明のカラーフィルターの製造方法は、図1〜10に示すように、透明基板11表面にインク受容層18を形成するインク受容層形成工程(図1)、インク受容層18上に、有機分子膜(自己組織化膜)14を形成する第1有機分子膜(自己組織化膜)形成工程(図2)、有機分子膜14を所定のパターンでパターニングして第1段階のインク受容層露出部11aと第1段階の膜残留部11bとを形成する第1除去工程(図3,4)、第1段階のインク受容層露出部11aに黒色インクをインクジェット法により吐出・塗工して、遮光性ブラックマトリクス13を形成するブラックマトリクス形成工程(図5)、膜残留部11bに存在する有機分子膜(自己組織化膜)14を除去する第2除去工程(図6,7)、遮光性ブラックマトリクス13上にも有機分子膜(自己組織化膜)が形成されるように、透明基板11表面側に有機分子膜(自己組織化膜)14’を形成する第2有機分子膜(自己組織化膜)形性工程(図8)、遮光性ブラックマトリクス13上に形成された有機分子膜(自己組織化膜)14が残るように、有機分子膜(自己組織化膜)14を除去して、第2段階のインク受容層露出部11a’と第2段階の膜残留部11b’とを形成する第3除去工程(図8、9)、第2段階のインク受容層露出部11a’に、インクジェット法により、RGBインクを所定のパターンで塗工して、カラー領域15を形成するカラー領域形成工程(図9、10)を行うことにより実施することができる。
【0034】
そして、図11に示すように、カラー領域形成工程の後に、所定のオーバーコート層16を形成するオーバーコート層形成工程及び所定の電極層17を形成する電極層形成工程を、公知の方法に準じて行うことにより、所定のカラーフィルターを得ることができる。以下、詳しく説明する。
1)インク受容層形成工程について
この工程は、インク受容層の形成材料を、ロールコーターを用いる手法等公知の手法を用いて、透明基板11上に、上述の好ましい厚さとなるように、材料を塗工してこれを乾燥させ、図1に示すように、透明基板11上にインク受容層18を形成する工程である。この際の塗工条件及び乾燥条件は、用いる形成材料に応じて適宜決定される。
2)第1有機分子膜(自己組織化膜)形成工程について
この工程は、図2に示すように、基板11のインク受容層18上に前記化合物からなる有機分子膜14を形成する。有機分子膜は、例えば、既述の自己組織化膜の材料と前記基板とを同一の密閉容器中に入れておき、室温の場合、2〜3日、100℃で3時間放置して形成することができる。自己組織化膜としては、既述のFASを用いることが好ましい。
【0035】
なお、自己組織化膜を形成する場合、膜形成前に基板表面を酸素を含むプラズマ(大気又は空気中)で表面処理し、膜と基板との密着性を高めても良い。
3)第1除去工程について
次いで、図3に示すように、フォトマスク20を介して所定波長の紫外光で基板を露光することにより有機分子膜14をパターニングする。その結果、図4に示すように、インク受容層表面が露出した露出部分が形成される。即ち、露出露出部分からなる第1段階のインク受容層表面露出部11aと有機分子膜14が残存している部分からなる第1段階の膜残留部11bとが基板上に形成される。例えば、インク受容層が露出している部分は後述するカラーフィルターの材料となるインク等の液滴に対して親和性を備えており、有機分子膜が残存しているところは液滴に対して親和性を備えていない。
【0036】
自己組織化膜のパターニングに使用される技術には、既述の紫外光照射による方法の他、電子ビーム照射法、X線照射法、Scanning Probe Microscope(SPM)法等が挙げられる。そのうち、紫外光照射による方法が好ましく用いられる。
紫外光等の照射により、自己組織化膜を形成している有機分子膜が、蒸散又は分解して選択的に除去される。従って、紫外線照射による方法では、基板表面露出部と膜残留部とのパターンは、それぞれフォトマスクに形成されたパターンに相当したものになる。
【0037】
紫外光の波長及び照射時間は、自己組織化膜を形成する化合物に即して適宜決定されるものである。FASを用いた場合には、波長250nmの波長の紫外光が選択される。
4)ブラックマトリクス形成工程について
この工程は図5に示すように、第1除去工程で形成されたインク受容層露出部11aに、インクジェット法により、ヘッド30から黒色インクからなる液滴40を吐出・塗工する工程である。
【0038】
図6に示すように、黒色インクがインク受容層18に吸収定着されて、インク受容層の厚さで、インク受容層の上に新たな層が形成されることなく、その輪郭が明確でクリアな遮光性ブラックマトリクス13が形成される。
【0039】
インクジェット法は、インクジェットプリンタヘッドを利用し、公知の手法をに基づくものであり、吐出時の基板温度を、20〜50℃とし、湿度を30〜80%に保持するのが好ましく、例えば、吐出ドット数を1回程度とし、吐出回数を1回程度とし、1ドットあたりの吐出量を15plとする。
【0040】
黒色インクとしては、例えば、主溶剤としてブチルカルビトールアセテートを用い、黒色染料及び樹脂固形分としてアルコール類としたものが用いられる。
【0041】
本実施形態では、インク受容層内にインクジェット法により機能性材料としての黒色インクを選択的に供給し、有機分子膜パターンに基づいてインク受容層内にブラックマトリクス(遮光性パターン)を形成したが、当該ブラックマトリクスを他の方法でインク受容層上に形成することもできる。例えば、インク受容層上に無電界めっきにより、有機分子膜(自己組織化膜)パターン14に基づいて金属材料からなるブラックマトリクス(遮光性パターン)を得ることもできる。
【0042】
無電解めっきは、通常、浸漬法により得られる。公知の無電解めっき技術と同様に、めっきを施す前に公知のアクティベーション処理を基板に行うことが好ましい。
【0043】
アクティベーション処理によりインク受容層上に活性種層を形成し、次いで、この上に無電解めっきを施して金属薄膜を形成する。インク受容層上にパターン化されて残存した自己組織化膜はめっき液に対して親和性を持っていないことにより、自己組織化膜が形成されていないところの露出部11aにブラックマトリスクとなるめっき層が形成される。
【0044】
アクティベーション処理において用いられるアクティベーター(活性液)として、パラジウム塩化合物、塩化水素等を含有する混合溶液を使用できる。この活性液に、室温で、pHが5.8になるように水酸化ナトリウム水溶液を加えて調整したものが好ましい。この活性化処理により基板上に活性種としてパラジウム層が形成される。
活性液に基板を浸漬する時間は、好適には1〜5分間である。前記無電解めっき液としては、ニッケル塩化合物、次亜リン酸及び水を含むニッケル無電解めっき液、及び水を含む金無電解めっき液等のめっき溶液がある。
【0045】
特に、FAS等の自己組織化膜のパターンの組み合わせでは、例えば、アクチベータ組成として、パラジウム塩化合物、塩化水素を含有した混合液、(塩化水素4%、パラジウム塩化合物0.2%、残りは水)30mlに1リットルの水を加え、室温においてpH5.2となるように水酸化ナトリウム水溶液を加えて調整したものを、無電解めっき液としてニッケル塩化合物次亜リン酸ナトリウム(ニッケル塩化合物:30g/l:リン酸ナトリウム10g/l)を含む溶液を用いる事が好ましい。
【0046】
無電解めっきを浸漬法で行う場合の浸漬時間は、2〜10分間であるのが好ましい。無電解めっき層を形成するに際して、インク吐出法の一つであるインクジェット法を利用することができる。すなわち、基板表面露出部11aに選択的に無電解めっき液滴を吐出する。
【0047】
インクジェット法により無電解めっきで金属薄膜(ブラックマドリスクなる遮光膜)を基板に形成する場合の金属皮膜の厚さは、無電解めっき液滴を吐出するインクジェットプリンタヘッドの吐出ドット数を制御して、所定の厚さに制御することができる。
【0048】
この場合には、所望の金属被膜の厚さに応じて、ロット毎に吐出ドット数を変更したり、一つの基板中で、吐出ドット数を位置に応じて変更することにより金属被膜の厚みを適宜調整することができる。めっき液の吐出を所定回数繰り返することによりめっき層の厚さを増すことができる。めっき層の好適な厚さは、0.15〜0.2μmである。
【0049】
インクジェット法における吐出条件は、無電解めっき液滴に用いる金属の析出条件に応じて調整される。例えば、金属としてニッケルを用いる場合には、吐出時の基板温度を、30〜60℃とし、湿度を70%以上に保持するのが好ましく、吐出ドット数を5回程度とし、吐出回数を1回程度とし、1ドットあたりの吐出量を、30pl程度とする。
【0050】
また、前述したブラックマトリクスの形成は、有機分子膜、特に、自己組織化膜のパターンに基づいて行っているが、インク受容層に特に有機分子膜パターンを設けることなく、通常のフォトリソグラフィによりインク受容層上にブラックマトリックス(遮光性パターン)を形成しても良い。
4)第2除去工程について
この工程は、前記第1除去工程の説明で詳述した手法を用いて、膜残存部11bに存在する自己組織化膜を除去する。図6に示すように、基板11の表面側全面に紫外線照射を行い、図7に示すように、有機分子膜を全て基板から除去して、基板11上に所定パターンの遮光性ブラックマトリクス13のみが形成されている状態にする。紫外線照射により自己組織化膜を基板から除去することは、第1除去工程と同である。
6)第2有機分子膜(自己組織化膜)形成工程について
図8に示すように、この工程では、第1有機分子膜形成工程の説明において詳述した手法を用いて、インク受容層の遮光性ブラックマトリクス上にも有機分子膜(自己組織化膜)が形成させるためにインク受容層表面の全面に再度有機分子膜(自己組織化膜)14’を形成する工程である。
【0051】
この工程及び次の工程の目的は、選択的にインク受容層18に後述のカラーフィルターの材料を含むインクに対する撥インク性を与えるためである。
7)第3除去工程について
この工程は、第1除去工程の説明において内容に即して行われる。図8に示すように、所定のパターンが形成されたフォトマスク20を介して、遮光性ブラックマトリクス13が形成されている部分の有機分子膜を選択的に残してそれ以外の膜を選択的に除外するために、紫外光を照射する。図9に示すように、第2段階のインク受容層露出部11a’と第2段階の膜残留部11b’とを形成する。マスクによる露光は基板の裏側から行っても良い。
8)カラー部形成工程について
この工程は、図9に示すように、第2段階のインク受容層露出部11a’に、インクジェット法により、ヘッド30から機能性材料としてのRGBインクの液滴40’をこの露出部のパターンに合わせて吐出・塗工する。その結果、図10に示すように、ブラックマトリクス(遮光性領域)13の間にカラー領域15を形成することができる。
RGBインクもインク受容層18に吸収、定着されて、インク受容層の厚さで(インク受容層の上に新たな層が形成されることなく)、輪郭が明確でクリアなカラー領域15を得ることができる。
【0052】
カラー領域を構成する材料としては、例えば、主溶剤をブチルカルビトールアセテートとして、色調を司る染料及び樹脂成分を含有した組成物、又は染料による色材を用いることができる。
【0053】
インクジェット法は、省資源・省エネプロセスとして期待が大きいマイクロ液体プロセスであり、公知のインクジェット法を特に制限なく採用できる。ブラックマトリクスの上に選択的に設けられてなる有機分子膜、特に自己酸化膜にインクに対して撥液性を持たせることで、インクジェットからのインク液適はインク受容層のブラックマトリクスの間に選択的に置かれることになる。
【0054】
したがって、画素間隙に対応する位置にバンクを形成し、このバンクの間にインク液滴を充填する場合に異なり比較して、カラー層の厚さは一定である、カラー層の厚さを大きくできる、といおう効果が発揮される。残存する自己組織化膜は、完全に除去するのが、オーバーコートとの密着性からいって好ましい。
【0055】
最終的に得られたカラーフィルター1は、図11、12に示すように、基板11上に、遮光性ブラックマトリクス部13とカラー部15とが同一のインク受容層に形成された構造を持ち、カラー層の膜厚はほぼ均一となる。また、このカラーフィルターは、オーバーコート層16とITO電極層17とを具備する。
【0056】
遮光性ブラックマトリクス部13とカラー部15とは、それぞれ、インク受容層にインクが吸収された構造であるので、それぞれの厚さは、インク受容層の厚さにほぼ等しく既述のとおりほぼ均一である。
【0057】
また、黒インク及びRGBのインクからなる色材がインク受容層から浸透してクリアな輪郭を持った遮光性ブラックマトリクス及びカラー領域が形成される。しかも、カラー層のインク受容層の厚さに合わせてインク層の厚さを調整することができる。また、黒色インクはインク受容層の厚さでかつ高濃度でインク受容層に定着あるいは保持されるために、遮光性に優れた遮光性ブラックマトリクスを得ることができる。
【0058】
また、RGBインクも同様であり、色調均一性に優れたカラー部を得ることができる。また、RGBの各インクは有機分子膜(自己組織化膜)が存在しない領域のインク受容層にそれぞれ選択的に定着されるために、RGBインク相互の混色が高い精度で防止される。遮光性ブラックマトリクスとカラー部との厚さが均一なカラーフィルターが得られる。また、フォトレジストを使用しないので、従来の製造方法に比して、工程数も減少し、省資源・省エネルギーに適するものとなる。
なお、本発明は、上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0059】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこの実施例に制限されるものではない。
【0060】
〔実施例1〕
石英ガラス基板表面に172nmの紫外光を5〜10分間照射して、前処理としてクリーニングを行った。更に、インク受容層の表面に酸素プラズマを30秒間照射した。
【0061】
次いで、アクリル系染性樹脂をロールコーターを用いて塗工し、乾燥させて、多孔質の有機被膜からなるインク受容層を形成し、インク受容層形成工程を行った。
【0062】
インク受容層が形成された石英ガラス基板とFASの一つであるヘプタデカフルオロテトラヒドロオクチルトリエトキシシランとを、同一の密閉容器に入れて24時間、室温で放置することにより、該インク受容層上にへプタデカフルオロテトラヒドロオクチルトリエトキシシランからなる有機分子膜(自己組織化膜)を形成して、第1有機分子膜(自己組織化膜)形成工程を行った。
【0063】
更に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、172nmの紫外光を照射して、マスクしていない部位の有機分子膜(自己組織化膜)のみを選択的に除去して、第1段階のインク受容層露出部と第1段階の膜残留部とを形成して、第1除去工程を行った。
【0064】
得られた基板の前記の第1段階のインク受容層露出部(線幅6μm、100μm×300μmをピクセルとした外側の領域)上に、インクジェット法により黒色インクを吐出・塗工し、乾燥させて、黒色インクがインク受容層に吸収されてなる遮光性ブラックマトリクスを形成して、ブラックマトリクス形成工程を行った。
【0065】
インクジェット法においては、ブチルカルビトールアセテートを主溶剤(70%)、固形分(黒色染料・樹脂の合計)10%、残りをアルコール類とした黒色インクを用い、ドット数1回、吐出回数1,吐出量15plとした。また、乾燥条件は、200℃で10分間とした。
【0066】
透明基板の表面側全面に172nmの紫外光を照射して、前記の第1段階の膜残留部に存在する有機分子膜(自己組織化膜)を除去し、第2除去工程を行い、更に前記第1有機分子膜(自己組織化膜)形成工程と同様にして、透明基板の表面側全面に有機分子膜(自己組織化膜)を形成し、第2有機分子膜(自己組織化膜)形成工程を行った。
【0067】
次に、遮光性ブラックマトリクスと同じパターンで遮光部を有するフォトマスクを介して、172nmの紫外光を照射することにより、遮光性ブラックマトリクス上の有機分子膜(自己組織化膜)を残して、他部分の有機分子膜(自己組織化膜)を除去し、第2段階のインク受容層露出部と第2段階の膜残留部とを形成することにより、第3除去工程を行った。
【0068】
上記のように形成した遮光金属皮膜マトリクスを持った基板のマトリクス間隙(100μm×300μm)にインクジェット法によりRGBインクを吐出・塗工した後、乾燥させて、RGBインクがインク受容層に吸収されてなるカラー部を形成し、カラー部形成工程を行った。
【0069】
インクジェット法は、その吐出条件を、吐出量15pl、ドット数1、吐出回数1回として行った。
【0070】
また、RGBインクの組成としては、主溶剤をブチルカルビトールアセテート(70%)として、固形分(樹脂及び色染料、合計10%)、残りをアルコール類とした。色は染料にて調整した。また、乾燥条件は、200℃で10分とした。次いで、基板上に残存する自己組織化膜を紫外線照射で除去した後、表面側全面にアクリル樹脂を塗工して、オーバーコートを形成し、更に、ITO電極皮膜を形成して、カラーフィルターを得た。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は均一な厚さを持つ機能材料層、特にカラー層を備えたカラーフィルター及びその製造方法を提供することができる。本発明は、特にブラックマトリクスのパターンを微細化することができ、更には、省資源・省エネルギー化の下にカラーフィルターを製造できるカラーフィルターの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルターの製造工程において、インク受容層が基板表面に形成された状態を示している断面図である。
【図2】インク受容層上に有機分子膜(自己組織化膜)が積層されている断面図である。
【図3】基板上で有機分子膜(自己組織化膜)がパターニングされた状態を示す断面図である。
【図4】有機分子膜(自己組織化膜)のパターニング工程を示す断面図である。
【図5】有機分子膜(自己組織化膜)に覆われていないインク受容層に、インクジェットプリンタヘッドから黒色インクを吐出している状態を示す断面図である。
【図6】インク受容層に黒色インクが定着されている状態を示す断面図である。
【図7】基板上に残存している有機分子膜(自己組織化膜)パターンが除去された状態の断面図である。
【図8】基板の全表面に第2の有機分子膜(自己組化織膜)を積層させ、これをフォトマスクを介して露光している状態を示す断面図である。
【図9】遮光層上に第2の有機分子膜(自己組織化膜)パターンが残存し、この有機分子膜が載っていないインク受容層にインクジェットプリンタヘッドから色素を吐出している状態を示す断面図である。
【図10】インク受容層にブラックマトリクスとなる黒色インクとブラックマトリクスの間のインク受容層にカラー層がそれぞれ定着されている状態を示す断面図である。
【図11】インク受容層にオーバーコート層とITO電極が形成されたカラーフィルターの断面図である。
【符号の説明】
1 カラーフィルター
11 透明基板
12 活性種層
13 遮光性ブラックマトリクス
14 有機分子膜(自己組織化膜)
15 カラー部
16 オーバーコート層
17 ITO電極層
18 インク受容層

Claims (20)

  1. インク受容層上に第1の有機分子膜を形成する第1の工程と、
    前記インク受容層に対しフォトマスクを用いて露光することにより第1のパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1のパターンに対して第1の材料を供給し、前記第1の材料を前記パターンに応じて配置する第3の工程と、を含むこと、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の微細構造体の製造方法において、
    前記有機分子膜は、自己組織化膜であること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の微細構造体の製造方法において、
    前記第3の工程により、ブラックマトリクスが形成されること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  4. 請求項3に記載の微細構造体の製造方法において、
    前記ブラックマトリクスは、黒色インクにより形成されること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記第3の工程における前記第1の材料の配置は、無電解めっきによりに行われること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  6. 請求項5に記載に微細構造体の製造方法において、
    前記無電解めっきは、無電解めっき液に浸漬することより行われること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記微細構造体は、カラーフィルタであること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記有機分子膜は、前記インク受容層と結合する結合性官能基を有すること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記有機分子膜は、表面性を改質するための官能基として親液基または疎液基を有していること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  10. 請求項8又は9のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記有機分子膜は、前記の表面性を改質するための官能基と前記結合性官能基とを結ぶ炭素鎖を備えていること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記第3の工程において、前記第1の材料の供給をインクジェット法により行うこと、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の微細構造体の製造方法において、
    前記第1の材料は前記インク受容層を形成するものであること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  13. 請求項1乃至12に記載の微細構造体の製造方法において、
    さらに前記第3の工程の後、第2の有機分子膜を形成し、フォトマスクを介して前記第2の有機分子膜の露光を行うことにより第2のパターンを形成する第4の工程を含むこと、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  14. 請求項13に記載の微細構造体の製造方法において、
    さらに、前記第2のパターンに応じて第2の材料を配置すること、
    を特徴とする微細構造体の製造方法。
  15. 基板上にインク受容層を形成する工程と、
    該インク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第1の有機分子膜パターンを形成する工程と、
    該第1の有機分子膜パターンに対して遮光層の材料を供給し、該第1有機分子膜パターンに基づいてインク受容層上又は層内に遮光層パターンを形成する工程と、
    該遮光層パターンが形成されたインク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第2の有機分子膜パターンを形成する工程と、
    該第2の有機分子膜パターンに対してカラーフィルターの材料を供給し、該第2の有機分子膜パターンに基づいてカラーフィルター層のパターンをインク受容層内に形成する工程と、を具備するカラーフィルターの製造方法。
  16. 前記第1及び/又は第2の有機分子膜として、自己組織化膜を用いる請求項15記載のカラーフィルターの製造方法。
  17. 前記第2の有機分子膜パターンを形成する工程の前に前記第1の有機分子膜を除去する請求項15又は16記載のカラーフィルターの製造方法。
  18. 前記遮光層の材料及び/又はカラーフィルターの材料の供給をインク吐出法より行う請求項15乃至16のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
  19. 基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより有機分子膜パターンを形成する工程と、該有機分子膜パターンに対して機能性材料を含むインクを供給し前記有機分子膜パターンに基づいてインク受容層内に機能性材料層のパターンを形成する工程と、を具備する微細構造体の製造方法。
  20. 基板上にインク受容層を形成する工程と、該インク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第1の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第1の有機分子膜パターンに対して第1の機能性材料を供給し、該第1の有機分子膜パターンに基づいてインク受容層上又は層内に第1の機能性材料層パターンを形成する工程と、該第1の機能性材料層パターンが形成されたインク受容層上にフォトマスクを用いて露光することにより第2の有機分子膜パターンを形成する工程と、該第2の有機分子膜パターンに対して第2機能性材料を含むインクを供給し、該第2の有機分子膜パターンに基づいて第2の機能性材料層パターンを、インク受容層内に形成する工程と、を具備する微細構造体の製造方法。
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