JP3896891B2 - 車両通信システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗用車等の車両においてはエレクトロニクス化が著しく、各種センサやアクチュエータ等のデバイスもマイコンを内蔵し、ECUとデバイスとはデジタルデータを用いて相互に通信を行うようになってきた。また、一方で省燃費、ゼロエミッション化、操作性向上の市場ニーズに対応すべく、車両全体が高度に自動化されると共にきめ細かく制御されるようになってきたため、デバイスの数も増加している。
【0003】
このため、従来のようなECUと各デバイスとを一対一の専用線で接続する方法では、デバイスの増加に比例して通信線も増加し、重量の増加による燃費の悪化、敷設スペースの増加、組立時の作業性の悪化等の問題が顕著化してきた。また、通信線が増えれば増えるほど通信線の断線・接触不良等に伴う動作不良が発生する可能性が増え、車両の信頼性が低下するといった問題もある。
【0004】
そこで、上記問題の解決策の一つにバス状に敷設した通信線を用いて多重通信を行うことにより、省線化する方法が一部実現されている。更にこの方法を発展させ、電源線に信号を重畳させることによって通信を行う方法(いわゆる電源重畳通信)も考えられている。この電源線を用いる通信方法は、省線化を実現する有効な手段の一つであると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電源線を用いる通信方法を車両に適用する場合、電源線が車両全体に敷設されているため電源線は車両外部からのノイズの侵入を受けやすく、また電源線はモーター、ランプのデバイスに動作電力を供給しているためデバイス自身の動作に伴うノイズの影響も受けやすい。このため、通信に異常が発生する確率が高い。
【0006】
一方、ECUは例えばエンジン、自動変速機、ブレーキ等の各機能単位に用意されることが一般的であるが、近年、これら各ECUが協調して車両全体の制御を行うようになってきている。このため、各ECU間の通信がノイズ等によって途切れることは、車両運行に当たって大きな障害となり得、各ECU間における通信の信頼性の確保はますます重要になってきている。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、省線化を実現させながら信頼性も向上させた車両通信システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するために為された請求項1に記載の車両通信システムは、第1通信線に接続された複数の電気的装置を備え、第1通信線は各電気的装置に電源も供給する。そして、その電気的装置の幾つか複数は特殊電気的装置として第2通信線にも接続され、各特殊電気的装置間は第1通信線と第2通信線との2系統で通信を行う。
【0009】
このため、第1通信線を各電気的装置と各特殊電気的装置の間のデータ通信に利用すると共に、第1通信線を各電気的装置と各特殊電気的装置に電源を供給する電源線としても用いるため省線化が実現できる。更に、各特殊電気的装置間のデータ通信は、第1通信線と第2通信線との常時2系統で行うため、各特殊電気的装置間の通信の信頼性が向上する。すなわち、車両通信システムの省線化を実現させながら信頼性が向上する。
【0010】
尚、特殊電気的装置としては請求項2に記載のように、少なくとも、各電気的装置に対する指令データの送信処理及び各電気的装置からの結果データを受信して演算する処理の、何れか一方の処理を実行できる特殊電気的装置であってもよい。
【0011】
このような特殊電気的装置としては例えばECU等が考えられるが、このような特殊電気的装置は車両通信システムの中で重要な役割を担っている場合が多いため、これらの間の通信を2重化することは有意義な効果を得ることができる。
また、第1通信線は、第2通信線に比べて接続される装置が多いため、一装置あたりの送受信量に注目した場合、第2通信線に比べて多くのデータを送受信することが難しい。
【0012】
したがって、第1通信線を用いて行われる各特殊電気的装置間の通信データは、第2通信線を用いて行う通信データと同じものであってもよいが、請求項3に記載のように、第1通信線を用いて行われる各特殊電気的装置間の通信は、予め定められた重要データのみにすることも考えられる。
【0013】
このようになっていると、第1通信線の通信速度を下げて信頼性を高めることができる。尚、重要データとしては、例えば車両通信システムを機能させるにあたって最低限必要なデータや、安全にかかわるデータ等が考えられる。
ところで、このようにして2系統の通信線を利用してデータ通信を行った場合のデータの選択方法については、例えば請求項4に示すようにすることが考えられる。つまり、各特殊電気的装置は、第2通信線を使って送信されてくるデータの信頼性を判定し、信頼性が所定の基準より高い場合はそのデータを利用し、信頼性が所定の基準より低く且つ同内容のデータが第1通信線からも送信されてくる場合は、第2通信線を使って送信されてくるデータの替わりに第1通信線から送信されてくるデータを利用するとよい。信頼性の判定方法や所定の基準については後述する。
【0014】
このように信頼性が所定の基準に満たないデータの利用を避けることによって、車両通信システムによって実現される機能が誤動作する可能性を低減でき、車両通信システムの信頼性を高めることができる。
また、第2通信線を使って送信されてくるデータの信頼性が所定の基準に満たなかった場合、第1通信線を使って送信されてくるデータを無条件に利用するようにしてもよいが、請求項5に記載のように、第2通信線を使って送信されてくるデータの信頼性が所定の基準に満たなかった場合、第1通信線と第2通信線との両方を使って送信されてくるデータ各々の信頼性を判定して、信頼性の高い方のデータを利用するようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、車両通信システムによって実現される機能が誤動作する可能性をより低減でき、車両通信システムの信頼性を高めることができる。
また、各特殊電気的装置は第2通信線を使って送信されてくるデータを主に利用するようになっていてもよいが、請求項6に記載のように、各特殊電気的装置は第1通信線と第2通信線との両方を使って送信されてきたデータを受信すると、その各データの信頼性を判定して、信頼性が高い方のデータを利用するようにしてもよい。
【0016】
このようにしても、車両通信システムによって実現される機能が誤動作する可能性を低減でき、車両通信システムの信頼性を高めることができる。
尚、各特殊電気的装置が信頼性を判定した結果、2つの通信線の両方を使って送信されてきた各データが共に信頼性が低い場合は、例えば請求項7に記載のように、各特殊電気的装置は信頼性が低いデータの替わりに予め用意されたデータ又は過去に送信されてきたデータを利用するとよい。
【0017】
このようにすれば、2系統の通信線の両方を使って送信されてきた各データが共に信頼性が低くても、予め用意されたデータ又は過去に送信されてきたデータを用いることにより、車両通信システムによって実現される機能を最低限維持することができる。したがって、車両通信システムの信頼性向上につながる。
【0018】
また、請求項8に記載のように、各特殊電気的装置はデータの送信元に指令してデータを再送してもらうようにしてもよい。即座にデータが必要な場合を除けば、このようにすることによって、車両通信システムの信頼性を向上させることができる。
【0019】
これまで述べた、各特殊電気的装置が受信データの信頼性を判定する際の方法としては、例えば請求項9に記載のように、データの誤り検出符号、データの受信周期、過去に受信したデータからのデータ内容の連続性、データ内容の妥当性の少なくとも一つ(好ましくは全て)をチェックするようにすればよい。
【0020】
つまり、チェックサムやCRC等の誤り検出符号によって誤りであると判定された場合、データの受信周期が通常とは異なる場合、今回受信したデータが過去に受信したデータから連続的に変化していない場合、或いは、データ値が通常取り得る範囲でない場合には、受信したデータの信頼性が低いと考えられるので、これらのチェックを行うようにすれば、受信したデータの信頼性を判定することができる。また、前述した所定の基準とは、例えばその基準を満たすことにより車両通信システムによって実現される機能が安全に実現される限度や、運転者等の利用者が正常動作の範囲と認識できる限度を鑑みて設定しておく。
【0021】
尚、このようにして信頼性を判定した結果、各通信線から受信されるデータに異常があった場合、請求項10に記載のように、各特殊電気的装置が外部(例えば運転者等の乗員若しくは車両外部の管理者等)に報知できるとよい。尚、全ての異常を報知するようになっていてもよいし、重大な異常(例えば異常のあったデータが重要なデータであるため車両の走行に支障をきたす場合、連続して受信データの信頼性が低い場合、或いは、受信すべきデータを受信できなかった場合等)だけを報知するようになっていてもよい。また、報知する方法としては、例えば警告ランプを点灯させたり、警報音を発生させたり、液晶ディスプレイに表示させたりすることが考えられる。
【0022】
このようにすれば、各通信線から受信されるデータに異常があった際に、運転者等に対して、その通信線及び装置の点検・修理を促すことができるようになり、2系統の通信線の両方に障害が発生して車両通信システムによって実現される機能が停止することを防止できる他、異常箇所の特定に役立てることもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0024】
図1は自動車におけるパワートレイン系の通信システムを表す概略構成図である。図1に示すように、O2センサ10、吸気温センサ15、水温センサ20、ノックセンサ25、電子燃料噴射装置30、VSC・ECU35、トランスミッションECU40及びエンジンECU50を備え、各々バス状に敷設された電源線Ldに接続されている。更に、VSC・ECU35、トランスミッションECU40及びエンジンECU50は、バス状に敷設された通信線Lnにも接続されている。
【0025】
2センサ10は、図示しないエンジンの排気管に取り付けられ、排気ガス中の酸素濃度を測定するセンサである。吸気温センサ15は、エンジンの吸気管に取り付けられ、エンジン内に吸入される空気の温度を測定するセンサである。水温センサ20は、エンジン冷却水の循環系統に取り付けられ冷却水の温度を測定するセンサである。ノックセンサ25は、エンジンブロックに取り付けられエンジンの異常振動を測定するセンサである。電子燃料噴射装置30は、エンジンの吸気流路中に取り付けられて燃料の噴射量を電気的にコントロール可能な燃料噴射装置である。
【0026】
エンジンECU50は、O2センサ10、吸気温センサ15、水温センサ20、ノックセンサ25から測定データを取得し、電子燃料噴射装置30に指令を送ってエンジンの動作を制御する制御装置である。
VSC・ECU35は、車両安定制御システム(Vehicle Stability Control)ECUであり、図示しない加速度センサや車輪回転センサ等からの情報を基にエンジンECU50にエンジンの出力を抑えるように指令を出したり、図示しないブレーキアクチュエータに指令を出して車輪の回転速度をコントロールして、車両の姿勢を安定させる制御装置である。
【0027】
トランスミッションECU40は、図示しないオートマチックトランスミッションの変速制御や断続制御を行う制御装置である。
電源線Ldは、本発明の第1通信線に相当し、図示しないバッテリからの電力を各装置に供給すると共に、重畳させたデータを装置間で伝達させることができる。尚、本実施例での通信は予め定められたスケジュールで送信タイミングと受信タイミングが交互に訪れる時分割多重方式を採用している。通信方式に関しては、送信ECU毎に所定の周波数を割り当てる周波数分割多重方式やコードを割り当てるコード分割多重方式を採用してもよい。あるいはデータ送信前にアクセス権の調停を行うCSMA/CR(Carrier Sense Multiple Access / Collision Resolution)方式を採用してもよい。
【0028】
通信線Lnは本発明の第2通信線に相当し、通信線Lnを介して接続されている装置間で通信を行うことができる。尚、通信は車載ネットワークで一般的に利用されているプロトコルであるCAN(ドイツ、Robert Bosch社が提案した「Controller Area Network」)を利用して通信を行う。
【0029】
次に、エンジンECU50の内部の構成について説明する。ECU50の内部は主に、マイコン52と第1送受信部54と電源IC56とを備える。第1送受信部54は通信線Lnを用いる通信機能を担う。電源IC56は、内部に第2送受信部58と電源部64とフィルタ部66とを備え、第2送受信部58は更に変調部60と復調部62とを備える。変調部60は、送信データを変調して送信信号を生成し、その信号を電源線Ldに重畳させて送出する。復調部62は、フィルタ部66によって電源線Ldから取り出された信号成分を復調させて受信データとして取り出す。電源部64は、フィルタ部66によって信号成分が取り除かれた直流定電圧Vccを取り出す。この直流定電圧VccによってエンジンECU50の内部回路は動作する。また、マイコン52は、第1送受信部54と電源IC56とを統括的に制御する。
【0030】
尚、O2センサ10、吸気温センサ15、水温センサ20、ノックセンサ25、電子燃料装置30、VSC・ECU35、トランスミッションECU40及びエンジンECU50は本発明の電気的装置に相当し、その内のVSC・ECU35、トランスミッションECU40及びエンジンECU50が特殊電気的装置に相当する。
【0031】
このように構成された通信システムにおける通信処理を、O2センサ10、吸気温センサ15,水温センサ20及びノックセンサ25のセンサ類で実行されるA種通信処理、電子燃料噴射装置30のアクチュエータ類で実行されるB種通信処理、VSC・ECU35、トランスミッションECU40及びエンジンECU50のECU類で実行されるC種通信処理に分けて説明する。
【0032】
はじめに、O2センサ10で実行される場合のA種通信処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。本処理は予め定められた時間間隔で定期的に実行される。
まずS100では、図示しない制御部の制御によって図示しないセンサ部が酸素濃度を測定する。続くS110で制御部は、センサ部が測定した測定データを図示しない送信部に出力して本処理は終了する。尚、測定データを受け取った送信部は、電源線Ldの状態が送信を行うことが可能なタイミングかどうかを判定し、送信可能なタイミングであれば電源線Ldに測定データを送信信号として重畳させて出力する。一方、送信可能なタイミングでなければ送信可能なタイミングになるまで待機し、送信可能なタイミングになったときに電源線Ldに測定データを送信信号として重畳させて出力する。
【0033】
次に、電子燃料噴射装置30で実行される場合のB種通信処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。本処理も予め定められた時間間隔で定期的に実行される。
まずS150では、図示しない制御部が図示しない受信部に受信データがあるか否かを判定する。受信データがある場合はS160に進む。受信データがなければ本処理は終了する。尚、受信部は制御部の介在なしで電源線Ldから電子燃料噴射装置30宛のデータを取得して保持するよう構成されている。S160では、制御部が受信部から受信データを取得する。続くS170では、制御部の制御によって図示しない燃料噴射部が受信データに基づいて燃料噴射を行い、本処理は終了する。
【0034】
次に、エンジンECU50で実行される場合のC種通信処理について、図4〜図6のフローチャートを用いて説明する。本処理はマイコン52に格納されているプログラムに基づいて処理を実行している中でデータを送信又は受信する際に実行される。
【0035】
まずS200では、送信処理を行うか否かを判定する。送信処理を行う場合はS210に進み、送信処理を行わない場合、すなわち受信処理を行う場合はS220に進む。S210では、データ送信処理を実行する。S220では、データ受信処理を実行する。
【0036】
ここで、S210におけるデータ送信処理の詳細について図5のフローチャートを用いて説明する。まずS250で、マイコン52は第1送受信部に送信データを出力する。尚、送信データが予め定められた重要データである場合は、送信データのヘッダに重要データである旨の情報を含めた後に出力する。そして、送信データを受け取った第1送受信部は、CANの通信規約に従って通信線Lnに送信データを送信する。
【0037】
続くS260では、送信データが予め定められている重要データか否かによって分岐する。重要データであればS270に進み、重要データでなければ本処理を終了する。
S270では、マイコン52は第2送受信部に送信データを出力して本処理を終了する。尚、送信データを受け取った第2送受信部は、電源線Ldの状態が送信を行うことが可能なタイミングかどうかを判定し、送信可能なタイミングであれば電源線Ldに送信データを送信信号として重畳させて出力する。一方、送信可能なタイミングでなければ送信可能なタイミングになるまで待機し、送信可能なタイミングになったときに電源線Ldに送信データを送信信号として重畳させて出力する。
【0038】
次に、図4のS220におけるデータ受信処理の詳細について図6のフローチャートを用いて説明する。まずS310において、マイコン52は第1送受信部54に受信データがあるか否かを判定する。受信データがある場合はS320に進み、受信データがない場合はS380に進む。
【0039】
S320では、マイコン52は第1送受信部54にある受信データを取得してマイコン52内の図示しない一時メモリ領域に格納する。そして、続くS330ではその受信データの信頼性を判定する。これは、チェックサムやCRC等の誤り検出符号による判定と、データの受信周期が正常か否かの判定と、今回受信したデータが過去に受信したデータから連続的に変化しているかの判定と、データ値が通常取り得る範囲であるか否かの判定とを行うことによって信頼性を判定する。また、その際の判定基準としては、本通信システムによって実現される機能が安全に実現される限度や、運転者等の利用者が正常動作の範囲と認識できる限度を鑑みて設定された判定基準を採用する。
【0040】
S340では、S330の判定結果によって分岐する。受信データが信頼できるのであればS350に進み、信頼できなければS360に進む。
S350では、受信データをマイコン52内の図示しないメモリ領域M1に格納すると共に、信頼性の判定結果を一時的に記憶するためのフラグF1に1をセットしてS370に進む。一方S360では、信頼性の判定結果を一時的に記憶するためのフラグF1に0をセットしてS370に進む。尚、フラグF1及び後述のフラグF2は、当該データ受信処理の開始時に0がセットされている。
【0041】
S370では、受信したデータのヘッダから判断して重要データであるか否かを判定する。重要データであればS380に進み、重要データでなければS440に進む。
S380では、第2送受信部58に受信データがあるか否かを判定する。受信データがあればS390に進み、受信データがなければS440に進む。
【0042】
S390では、マイコン52は第2送受信部58にある受信データを取得してマイコン52内の一時メモリ領域に格納する。そして、続くS400ではその受信データの信頼性を判定する。この信頼性の判定方法は、上述した第1送受信部54から取得した受信データの信頼性を判定した方法と同様の方法で行う。
【0043】
続くS410では、S400の判定結果によって分岐する。受信データが信頼できるのであればS420に進み、信頼できなければS430に進む。
S420では、受信データをマイコン52内の図示しないメモリ領域M2に格納すると共に、信頼性の判定結果を一時的に記憶するためのフラグF2に1をセットしてS440に進む。一方S430では、信頼性の判定結果を一時的に記憶するためのフラグF2に0をセットしてS440に進む。
【0044】
S440では、フラグF1に1がセットされているか否かを判定、すなわち第1送受信部54は通信線Lnから信頼できるデータを受信したか否かを判定する。1がセットされている(受信した)のであればS450に進み、1がセットされていない(受信していない)のであればS460に進む。
【0045】
S450では、メモリ領域M1の値(第1送受信部54が通信線Lnから受信した信頼できるデータ)を制御に用いるデータとして設定する。マイコン52はこのデータを用いて各種演算を行い、エンジンを制御する。
S460では、フラグF2に1がセットされているか否かを判定、すなわち第2送受信部58は電源線Ldから信頼できるデータを受信したか否かを判定する。1がセットされている(受信した)のであればS470に進み、1がセットされていない(受信していない)のであればS480に進む。
【0046】
S470では、メモリ領域M2の値(第2送受信部58が電源線Ldから受信した信頼できるデータ)を制御に用いるデータとして設定する。マイコン52はこのデータを用いて各種演算を行い、エンジンを制御する。
S480では、予め定められているデフォルト値を制御用データとして設定する。
【0047】
続くS490では、信頼できる受信データが取得できなかったことから、車室内に設けられた警告ランプの点灯もしくは警報音の発生等により、その旨を車両乗員に報知し、本処理を終了する。
このように、本実施例の通信システムにおいては、各装置10,15,20,25,30,35,40,50間は電源線Ldを用いて通信を行うため、省線化が実現されている。更に、各ECU35,40,50は通信線Lnにも接続され、各ECU35,40,50間のデータ通信は通信線Lnと電源線Ldとの2系統の通信線を用いる。したがって、本実施例の通信システムは省線化を実現させながら信頼性が向上されている。
【0048】
尚、各ECU35,40,50が電源線Ldに送信するデータは重要データのみであるため、電源線Ldと通信線Lnとのそれぞれに同一データを送信する場合と比べて、電源線Ld上の通信速度を抑えて信頼性を高めることができる。
また、各ECU35,40,50間の通信において、電源線Ldから送信されてくるデータと通信線Lnから送信されてくるデータとが、共に信頼性が低い場合は予め用意されているデータを利用する。このため、本通信システムによって実現される機能を最低限維持することができ、信頼性の向上に役立っている。
【0049】
そして、各ECU35,40,50は電源線Ldと通信線Lnから受信されるデータに異常があった際には、その旨を車両乗員に報知する。したがって、2系統の通信線の両方に障害が発生して通信システムによって実現される機能が停止することを防止できる他、異常箇所の特定に役立てることもできる。
【0050】
以下、他の実施例について説明する。
(1)上記実施例は、電気的装置としてO2センサ10、吸気温センサ15、水温センサ20、ノックセンサ25、電子燃料噴射装置30、VSC・ECU35、トランスミッションECU40及びエンジンECU50を備えた通信システムであったが、電気的装置はこれらに限定されることはなく種々の電気的装置を備えることができる。
【0051】
(2)上記実施例では、各ECUが2系統からデータを受信した場合、例えばエンジンECU50を例にとって説明すれば、第1送受信部54が受信したデータの信頼性が低い場合のみ、第2送受信部58が受信したデータを利用するという方法を採っていたが、次のようにしてもよい。それは、第1送受信部54が受信したデータの信頼性が低い場合は、第1送受信部54が受信したデータと第2送受信部58が受信したデータを比較して信頼性の高い方のデータを利用するという方法である。また、はじめから第1送受信部54が受信したデータと第2送受信部58が受信したデータを比較して、信頼性の高い方のデータを利用するようにしてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0052】
(3)上記実施例では、各ECUがデータを受信した際、その受信したデータが何れも信頼性が低かった場合、予め用意されたデータを利用するようになっていたが、その替わりに過去に受信したデータを利用してもよい。また、データを再送してもらってもよい。何れの方法であっても信頼性向上に役立つ。
【0053】
(4)更に信頼性を上げる方法として、同一通信系統に同一データを繰り返し送信する方法も考えられる。通信データ量は増加するが、信頼性向上に役立つ。
(5)電源線Ld及び通信線Lnはそれぞれ一つのネットワークで構成されていてもよいが、関連する装置毎にサブネットワークに分けて構成してもよい。このようにすれば、各ネットワークの通信データ量を抑えることができると共に、障害が発生した際にその障害によって全ての機能が使用できなくなることを防ぐことも可能になり、信頼性が向上する。
【0054】
(6)上記実施例では、特殊電気的装置としてECUを考えたが、重要なセンサやアクチュエータ等も特殊電気的装置として考え、それらも2系統の通信を行うようにしてもよい。また、全ての電気的装置が特殊電気的装置であってもよい。このようにすると省線化のメリットは犠牲になるが、車両通信システムによって実現される機能をより維持することができ、信頼性向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パワートレイン系の通信システムの一部を表す概略構成図である。
【図2】 A種通信処理を表すフローチャートである。
【図3】 B種通信処理を表すフローチャートである。
【図4】 C種通信処理を表すフローチャートである。
【図5】 C種通信処理中に実行されるデータ送信処理を表すフローチャートである。
【図6】 C種通信処理中に実行されるデータ受信処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
10…O2センサ、15…吸気温センサ、20…水温センサ、25…ノックセンサ、30…電子燃料噴射装置、35…VSC・ECU、40…トランスミッションECU、50…エンジンECU、52…マイコン、54…第1送受信部、56…電源IC、58…第2送受信部、60…変調部、62…復調部、64…電源部、66…フィルタ部。

Claims (10)

  1. 第1通信線に接続され、その第1通信線を介してデータ通信を行う複数の電気的装置を備えた車両通信システムであって、
    前記第1通信線は前記各電気的装置に電源供給を行うために車両に配線された電源線であり、
    前記電気的装置の幾つか複数は特殊電気的装置として更に第2通信線にも接続され、前記各特殊電気的装置間のデータ通信は、前記第1通信線及び前記第2通信線を介して常時2系統で行われることを特徴とする車両通信システム。
  2. 請求項1に記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、前記電気的装置に対する指令データの送信処理及び前記電気的装置からの結果データを受信して演算する処理の少なくとも何れか一方の処理を実行できることを特徴とする車両通信システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両通信システムにおいて、
    前記第1通信線を用いて行われる前記各特殊電気的装置間のデータ通信は、予め定められた重要データのみであることを特徴とする車両通信システム。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、前記第2通信線から送信されてくるデータの信頼性を判定し、信頼性が所定の基準より高い場合はそのデータを利用し、信頼性が所定の基準より低く且つ同内容のデータが前記第1通信線からも送信されてくる場合は、前記第2通信線から送信されてくるデータの替わりに前記第1通信線から送信されてくるデータを利用することを特徴とする車両通信システム。
  5. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、前記第2通信線から送信されてくるデータの信頼性を判定し、信頼性が所定の基準より高い場合はそのデータを利用し、信頼性が所定の基準より低く且つ同内容のデータが前記第1通信線からも送信されてくる場合は、前記第1通信線から送信されてくるデータの信頼性も判定し、前記第1及び第2通信線から送信されてくるデータのうち信頼性の高い方のデータを利用することを特徴とする車両通信システム。
  6. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、前記第1通信線と前記第2通信線との両方を使って送信されてきたデータを受信すると、その各データの信頼性を判定して、信頼性が高い方のデータを利用することを特徴とする車両通信システム。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、信頼性を判定した結果、前記2つの通信線の両方を使って送信されてきた各データの信頼性が共に所定の基準より低い場合は、それらのデータの替わりに予め用意されたデータ又は過去に送信されてきたデータを利用することを特徴とする車両通信システム。
  8. 請求項5又は請求項6に記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、信頼性を判定した結果、前記2つの通信線の両方を使って送信されてきた各データが共に信頼性が所定の基準より低い場合は、そのデータの送信元に指令してデータを再送してもらうことを特徴とする車両通信システム。
  9. 請求項4〜請求項8の何れかに記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、前記受信したデータの信頼性を、データの破損検出符号、データの受信周期、過去に受信したデータからのデータ内容の連続性、及び、データ内容の妥当性、の少なくとも1つに基づき判定することを特徴とする車両通信システム。
  10. 請求項4〜請求項9の何れかに記載の車両通信システムにおいて、
    前記各特殊電気的装置は、前記各通信線から受信されるデータの異常を外部に報知できることを特徴とする車両通信システム。
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