JP3896758B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報信号を磁気記録媒体に記録する際に、記録信号の周波数特性や記録電流量を自動調整する磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気記録再生装置として、映像情報をディジタル信号に変換し、磁気テープにディジタル記録するようなDVTR(Digital Video Tape Recorder)がある。DVTRは主としてディジタルデータをテープ上に記録するための記録系信号処理部と、テープ上の記録パターンから元のディジタルデータを再生する再生系信号処理部と、記録系および再生系信号処理部を制御するシステムコントローラとから構成される。DVTRの記録系信号処理部を自動調整する機能が備えられた磁気記録再生装置として、特開平8−161838号公報や特開平10−27304号公報が上げられる。
【0003】
図10に従来の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図を示す。
【0004】
まず、記録系信号処理部の処理について説明する。DTVRに記録用の磁気テープ105を装着する。変調回路101は入力された記録データを変調し、記録等化回路102は変調回路101によって変調された記録データの周波数特性を調整し、磁気記録で発生する非線形歪みを補償する。記録アンプ103は記録等化回路102より出力されたデータを所定の記録電流量に増幅し、記録ヘッド104は記録アンプ103で増幅された記録電流量でヘリカルスキャンにより磁気テープ105上にヘリカルトラックを形成して記録データを記録する。
【0005】
次に再生系信号処理部の処理について説明する。回転ドラム上に設けられた再生ヘッド106は磁気テープ105上に形成されたヘリカルトラックを再生し、再生等化回路107は再生ヘッド106より再生された再生信号のうち磁気記録再生による劣化が生じた高周波帯域の信号の位相あるいは周波数特性の補償をすることにより再生信号の波形等化を行う。復号回路108はビタビ検出等に代表される復号回路であり、再生等化回路107より出力されたデータを元のデータに復号し、再生データとして出力すると共に信号パターン比較回路110に出力する。また、復号回路108は復号過程で得られるメトリックをエラー情報としてエラー情報検出回路109へ出力する。
【0006】
次に、システムコントローラの動作について説明する。システムコントローラ111は特開平10-27304号公報で上げられているように、復号回路108における復号行程で得られるエラー情報をもとに記録状態の善し悪しを検出するエラー情報検出回路109と、特開平8-161838号公報で上げられるような既知の記録データ列とパターンマッチングを行って不一致情報を検出する信号パターン比較回路110の出力結果に応じて、記録等化回路102の記録データの周波数特性と記録アンプ103の記録電流量を調整する。この場合、エラー情報検出回路109は復号回路108より出力されるメトリックをエラー情報として記録状態の善し悪しを検出する。また、信号パターン比較器110は磁気テープ105上に記録された既知の記録データと再生データとを比較してエラー発生率を検出し、システムコントローラ111に出力する。
【0007】
システムコントローラ111は、エラー情報検出回路109より出力されたエラー情報と信号パターン比較回路110より出力されたエラー発生率より、エラー発生率が最小となるような記録等化回路102における周波数特性と記録アンプ103における記録電流量を最小二乗法や微分法などの調整アルゴリズムを用いて算出し、算出した周波数特性及び記録電流量をそれぞれ記録等化回路102、記録アンプ103へ出力する。記録等化回路102はシステムコントローラ111より出力された周波数特性に従って周波数調整を行い、記録アンプ103はシステムコントローラ111より出力された記録電流量に入力されたデータを増幅する。
【0008】
近年、磁気記録再生の過程で生じる振幅歪みや位相歪み等を補償するための再生等化回路においても、通信で用いられているような適応等化方式が採用されるようになってきている。通信における適応等化は、電話回線を利用した高速データ伝送を行うための技術として開発されてきたものである。電話回線では、回線の接続状態により伝送路特性が変化する。このため固定の再生等化回路を用いたのでは伝送路特性を補正しきれず、適応的に再生等化回路の特性を調整する必要が生じる。
【0009】
一般に適応再生等化回路は、等化誤差の平均(等化誤差に適切なフィルタ処理をほどこしたもの)を最小にするように適応的に調整される。再生等化誤差は復号回路で目標としている検出レベルとの差を表している。すなわち、再生等化誤差が最小となれば、検出するための再生等化特性に最も近くなり、S/N量が最大となって、最良のエラーレートが得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、適応再生等化回路を用いたDVTRに、従来の自動調整法を用いた場合、記録特性(周波数特性および記録電流量)が所望の特性からずれていたり、記録電流量が最適値より大きくても、適応再生等化回路がその分のずれを補償するためにエラー情報やエラー発生率が小さくなってしまい、調整が困難になったり、多くの調整時間を有したりする。さらに、自動調整後の記録特性が個々の装置によってばらついてしまう問題も発生する。
【0011】
上記のような問題点のうち特に、記録特性が個々の装置によってばらついてしまう問題は、装置間の互換再生を補償する上で大きな問題となる。業務用のDVTRでは基準のリファレンス記録テープがあり、そのリファレンス記録テープの記録状態と等しい記録状態になるよう記録系信号処理部の記録特性を調整することが望ましい。例えば、装置Aでは再生ヘッドの再生効率が高くて、記録特性の高周波成分が適切なレベルより小さくても、適応再生等化回路の適応等化範囲内であれば適切な等化がほどこされ、従来例の自動調整ではエラー情報やエラー発生率が所定の値より小さくなって、検査工程を通過してしまう。ところが、別途再生ヘッドの再生効率が低い装置Bに装置Aで記録されたテープをかけると適応再生等化回路の適応等化範囲を超えてしまい、最適な等化がなされずS/N量が悪化し、エラーレートが所定の値を満足しない不具合が発生し、互換性能が確保できない問題が生じる。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、適応再生等化回路を具備した磁気記録再生装置であっても確実に基準となる記録特性に自動調整することができ、互換信頼性の高い磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の磁気記録再生装置は、フィルタ手段と誤差検出手段と適応制御手段で適応再生等化回路を構成し、記録調整制御手段は適応再生等化回路で調整されたフィルタ特性を再生等化回路のフィルタ特性として設定している状態で、記録信号調整手段の周波数特性と記録電流量の調整を行う構成を有している。
【0014】
この構成によって、本発明の磁気記録再生装置は、再生等化回路で調整したフィルタ特性を設定した状態で、記録特性の調整を行うので、適応再生等化回路を用いた磁気記録再生装置であっても、常にリファレンス記録テープの記録特性に最も近くなるように記録特性の調整が行える。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、記録信号の周波数特性および記録電流量を調整する記録信号調整手段と、前記記録信号調整手段より出力された記録信号を磁気記録媒体に記録する記録手段と、前記磁気記録媒体に記録された記録信号を再生する再生手段と、前記再生手段より再生された再生信号の特性を補償するフィルタ手段と前記フィルタ手段より出力された信号を復号する復号手段と、前記復号手段へ入力された信号と前記復号手段より出力された信号との誤差を検出する誤差検出手段と、前記誤差検出手段より出力された誤差信号に応じて前記フィルタ手段のフィルタ特性を調整する適応制御手段と、前記適応制御手段により調整されたフィルタ特性を記憶する特性記憶手段と、前記適応制御手段により調整されたフィルタ特性を前記パラメータ記憶手段に記憶させ、前記誤差検出手段より出力された誤差信号に応じて前記記録信号調整手段を動作させて前記記録信号調整手段の周波数特性および記録電流量を調整する記録調整制御手段とを有し、前記記録調整制御手段は前記特性記憶手段に記憶されているフィルタ特性を前記フィルタ手段のフィルタ特性として設定している状態で、前記記録信号調整手段の周波数特性および記録電流量の調整を行うことを特徴とする磁気記録再生装置であり、この構成によって、フィルタ手段と誤差検出手段と適応制御手段とで適応再生等化回路を構成し、記録調整制御手段は適応再生等化回路で調整されたフィルタ特性を再生等化回路のフィルタ特性として設定した状態で、記録信号調整手段の周波数特性と記録電流量の調整を行うことができるので、適応再生等化回路を用いた磁気記録再生装置であっても、常にリファレンス記録テープの記録特性に最も近くなるように記録特性の調整が行える
本発明の第2の発明は、第1の発明の磁器記録再生装置が記録手段と再生手段の動作を制御する記録再生制御手段を有し、前記記録再生制御手段は記録手段が記録信号を通常のn/m(n、mは自然数) のトラックピッチ(トラック幅)にして磁気記録媒体上に記録するよう制御することを特徴とする磁気記録再生装置であり、テープ上に擬似的に編集点でのトラックやせを作ることができ、トラックやせが生じた状態で記録特性の調整が行える。
【0016】
本発明の第3の発明は、第1の発明の磁気記録再生装置において、記録再生制御手段は、記録手段および再生手段の動作を通常動作に対する相対速度がa/b(a、bは整数)となり、前記相対速度に応じた記録手段の記録レートがa/bとなるよう制御し、記録調整制御手段は、前記相対速度に応じて調整した周波数特性および記録電流量を特性記憶手段に記憶させることを特徴とした磁気記録再生装置であり、リファレンス記録テープの記録再生する際の相対速度を変更することができ、相対速度に応じた記録特性の調整が行える。
【0017】
また、相対速度に応じた記録特性を特性記憶手段に記憶させることによって、1台の磁気記録再生装置で、複数の相対速度に対応した記録特性の調整を行うことができる。
【0018】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の磁器記録再生装置において、再生手段より再生された再生信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出手段を有し、記録信号調整制御手段が前記エンベロープの振幅レベルに応じて、記録信号調整手段における記録電流量を調整することを特徴とする磁気記録再生装置であり、再生信号のエンベロープに応じた記録電流量を調整することができる。
【0019】
本発明の第5の発明は、本発明の第1から第4の発明において、警告を発する警告手段を有し、記録調整制御手段は、パラメータ記憶手段に記憶されているフィルタ特性と、適応制御手段によって決定されるフィルタ特性を比較し、フィルタ特性差が所定のレベルより大きい場合は前記警告手段が警告を発するよう制御することを特徴とする磁気記録再生装置であり、磁気記録再生装置のフィルタ特性および記録特性が最適な特性となっていない場合に、フィルタ特性および記録特性の調整が必要なことをユーザーに通知することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、テープ巻き付け角が180度のヘリカルスキャン型ディジタルビデオテープレコーダ(以下DVTR)を例にとり、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における磁気記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
1,2はDVTRのメカブロック内の回転シリンダ21上に対向する位置に設けられ、磁気テープに記録された磁気信号を電気信号に変換する磁気再生ヘッド、3,4はそれぞれ磁気再生ヘッド1、2より再生された電気信号を増幅する再生アンプ、5はヘッドスイッチ信号(以下、HSW信号)に従って再生アンプ3、4より出力された電気信号のいずれかに切り換える切り換え器、7は切り換え器5によって選択された信号にフィルタ処理を行うフィルタ、8はフィルタ7より出力された信号のレベル比較を行う復号手段であるコンパレータ、9はコンパレータ8の出力信号からフィルタ7の出力信号を減算した結果を誤差信号として出力する誤差検出器、10は誤差検出器7より出力されたエラー情報と切り換え器5によって選択された信号よりフィルタ7のタップ係数(フィルタ特性)を修正、更新する適応制御部、11は誤差検出器9より出力された誤差信号を元にクロックを生成しコンパレート8を制御するPLL(Phase Locked Loop)回路、12は適応制御部10より出力されたタップ係数をメモリ13に記憶させ、誤差検出器9より出力された誤差信号より等化誤差の平均が最小になるように記録等化回路15、16の周波数特性と電流可変記録アンプ17、18の記録電流量をヘッドチャンネル毎に調整する記録調整制御手段であるシステムコントローラ、13は特性記憶手段であるメモリ、14はHSW信号に従って記録等化回路15、16のいずれかを選択する切り換え器、15,16はシステムコントローラ12の制御に従って切り換え器14によって入力された記録データの周波数特性を可変する記録等化回路、17,18はシステムコントローラ12より出力される記録電流量で磁気記録ヘッド19、20をドライブする電流可変記録アンプ、19,20はデータを磁気テープ22に記録する記録手段である磁気記録ヘッド、24は、回転シリンダ21とキャプスタン23のサーボ制御を行い、その回転数及び回転位相とテープ送りを制御するシリンダ・キャプスタンサーボ回路である。
【0023】
ここで、磁気再生ヘッド1、2と再生アンプ3、4は再生手段、記録等化回路15、16と電流可変記録アンプ17、18は記録信号調整手段に対応する。
【0024】
以上のように構成された磁気記録再生装置の記録特性の調整方法について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0025】
まず、磁気記録再生装置に磁気テープ22としてリファレンス記録テープを挿入する(図3のステップ401)。リファレンス記録テープは、記録トラックの記録位置やリニアリティー(記録トラックの直線性)が、規格内となるように調整され、かつテープ上の記録状態が目標とする特性に最も近く、磁気記録再生装置を量産する上で基準となる記録テープのことである。調整が開始されると、装置はリファレンス記録テープの再生を始め、適応再生等化回路の適応調整動作を始める(図3のステップ402)。
【0026】
以下、適応再生等化回路の適応調整動作について説明する。
【0027】
シリンダの180度分巻き付けられたリファレンス記録テープに記録された磁気信号は、磁気再生ヘッド1、2により電気信号に変換される。磁気再生ヘッド1、2は磁気記録ヘッド19、20が記録したトラックを後追いするかたちで再生するようにヘッド高さが調整されている。これは、確認再生機能(コンフィ再生)と呼ばれ、データの書き込みと同時に書き込んだデータを再生し、データの記録状態をリアルタイムで監視して、データ記録に誤りがないか確認する機能で、業務用DVTRでは一般的な機能である。磁気再生ヘッド1、2は、回転シリンダ21に対向する位置に設けられているため、片方がテープ上を走行しているとき、もう一方はテープ上にはない。ここで、磁気再生ヘッド1はL(Light)チャンネルの信号を再生し、磁気再生ヘッド2はR(Right)チャンネルの信号を再生することから、磁気再生ヘッド1、2が再生した信号をそれぞれ再生信号L、再生信号Rとする。
【0028】
磁気再生ヘッド1、2により再生された再生信号L及び再生信号Rは、それぞれ再生アンプ3、4により増幅され、切り換え器5に入力されるHSW信号毎に時分割多重され、適応再生等化回路の主用部となるフィルタ7に供給される。切り換え器5はHSW信号が”High”の時、再生アンプ3より出力される再生信号L、HSW信号が”Low”の時、再生アンプ4より出力される再生信号Rを選択する。HSW信号は適応制御部10にも入力される。
【0029】
フィルタ7としては、一般的なFIR(有限インパルス応答)フィルタあるいはトランスバーサルフィルタが用いられ、そのフィルタ特性が後述する適応制御部10により適応的に調整されるようになっている。フィルタ7からの出力信号は、コンパレータ8によってレベル比較された後、記録時のデータ系列への復号が行われる。元の記録データに復号された信号は、後段に設けられる信号処理回路によって、映像及び音声データ等にもどされる。
【0030】
誤差検出器9は、コンパレータ8の出力信号からフィルタ7の出力信号を減算することで誤差信号を取り出し、誤差信号をエラー情報として適応制御部10に出力する。適応制御部10には、フィルタ7へ入力された信号も同時に入力されており、誤差検出器9より入力された誤差信号の信号パワーを最小とするようにフィルタ7のタップ係数の修整、更新を行い、再生信号の特性が検出特性に最も近い形となるように再生等化特性を調整する。すなわち、フィルタ7と誤差検出器9と適応制御部10とで、いわゆる適応再生等化回路を構成している。その適応処理のアルゴリズムとして、例えばLMS(Least Mean Square、最小二乗平均法)があげられる。LMSについては既に幅広く用いられている公知な方式であるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
PLL回路11は位相誤差検出器、ループフィルタ、VCO(Voltage Control Oscillator、電圧制御型発振器)から構成されたいわゆるPLL回路であり、その構成方法及び動作についても既に公知であるので詳細な説明は省略するが、誤差検出器9から出力される誤差信号をもとに、再生信号とVCOクロックとの位相ずれ(位相誤差)を検出したのち、ループフィルタによってVCOの制御信号を得て、VCOの発振クロックの位相及び周波数を制御する。以上のような動作により、PLL回路11は再生信号のレートと等しい周波数、かつ同期したクロックを生成してコンパレータ8へ出力し、コンパレータ8はPLL回路11が出力する再生クロックの周期で処理を行う。
【0032】
フィルタ7、誤差検出器9、適応制御部10で構成される適応再生等化回路は、システムコントローラ12からの制御信号に従い、各ヘッドチャンネルに対応した適応再生等化回路の特性を、リファレンス記録テープからの再生信号を、最も検出特性に近づけることで調整する。
【0033】
図2に、本実施の形態における適応再生等化回路の一例を示すブロック図を示す。
【0034】
フィルタ7はNタップ(Nは自然数)のトランスバーサルフィルタであり、30a〜30dは入力された再生信号を1クロックだけ遅延させる1クロック遅延素子、31〜35はそれぞれt0〜tnの値のタップ係数である。また、適応制御部10において、37、38はそれぞれ選択器5によって入力された再生信号L、再生信号R、誤差検出器9より出力された誤差信号、HSW信号より各ヘッドチャンネルに最適なタップ係数を設定するLch用タップ係数適応制御器、Rch用タップ係数適応制御器である。
【0035】
フィルタ7の処理を再生信号Lの場合を例にとって説明する。遅延回路30aは入力された再生信号Lを1クロック遅延し、1クロック遅延素子30bに出力する。1クロック遅延素子30bは1クロック遅延素子30aより出力された信を1クロック遅延し、1クロック遅延素子30cに出力する。フィルタ7ではN番目の1クロック遅延素子30dまで同様の処理が行われる。フィルタ7に入力された再生信号Lと各1クロック遅延素子によって遅延された信号はそれぞれt0からtnの値を取るタップ係数31〜35で決まる割合で、加算器36において足し合わされる。再生信号Rの場合も同様の処理が行われる。フィルタ7の出力は、コンパレータ8によってレベル比較されたのち、復号されると共に、誤差検出器9によって誤差信号が検出され、誤差信号はLch用タップ係数適応制御器37、Rch用タップ係数適応制御器38に出力される。
【0036】
また、再生信号LがLch用タップ係数適応制御器37に、再生信号RがRch用タップ係数適応制御器38に入力される。Lch用タップ係数適応制御器37、Rch用タップ係数適応制御器38は、誤差信号の信号パワーを最小とするようLMSアルゴリズムによって、フィルタ7のタップ係数を修整、更新させるようにタップ係数制御信号を出力する。切り換え器39はHSW信号が”High”の時にLch用タップ係数適応制御器37の出力を選択し、HSW信号が”Low”の時、Rch用タップ係数適応制御器38 の出力を選択する。
【0037】
すなわち、Lch用タップ係数適応制御器37はHSW信号が”High”の時のみタップ係数制御信号を更新し、HSW信号が”Low”の区間は”High”から “Low”に切り替わる直前のタップ係数制御信号でホールドされている。つまり、Lch用タップ係数適応制御器37は、磁気ヘッド1が再生する再生信号Lに関してのみフィルタ特性の適応的な調整を行うためのタップ係数制御信号を出力している。同様にRch用タップ係数適応制御器38はHSW信号が”Low”のときのみのタップ係数制御信号を更新し、HSW信号が” High”の区間は”Low”から “High”に切り替わる直前のタップ係数制御信号でホールドされている。つまり、Rch用タップ係数適応制御器38は、磁気ヘッド2が再生する再生信号Rに関してのみフィルタ特性の適応的な調整を行うためのタップ係数制御信号を出力している。これにより、本実施の形態における適応再生等化回路は、再生信号の特性をヘッドチャンネル毎(再生信号L及び再生信号R毎)に独立に補正することができる。
【0038】
システムコントローラ12は誤差検出器9より出力される誤差信号より等化誤差の平均が所定のレベル以下であるかを調べ、等化誤差の平均が所定のレベル以下である場合は、タップ係数が収束したと判断し、適応制御部10より出力されたタップ係数をヘッドチャンネル毎にメモリ13へ記憶する(図3のステップ403、ステップ404)。ここで、等化誤差の平均が所定のレベル以下にならなければ、磁気再生ヘッド1、2や再生回路等の故障が考えられるので、調整を中止し修理工程に装置を進める(図3のステップ411)。
【0039】
次に、磁気テープ22としてリファレンス記録テープから記録調整用テープに変更する(図3の405)。システムコントローラ12は、メモリ13に記憶したタップ係数を読み出し、適応制御部10を介してフィルタ7へ出力し、そのタップ係数でフィルタ7のタップ係数を固定する(図3のステップ406)。そして、記録再生を行いながら、記録特性の調整を行う。
【0040】
切り換え器14はHSW信号毎に入力される記録データを記録等化回路15、16のいずれかに切り換えて入力する。切り換え器14はHSW信号が“High”の時に記録等化回路15、“Low”の時に記録等化回路16を選択する。システムコントローラ12は誤差検出器9より入力された誤差信号より、誤差の平均が最小となるように、記録等化回路15、16における記録の周波数特性と、電流可変記録アンプ17、18における記録電流量をヘッドチャンネル毎に調整する。記録等化回路15、16はシステムコントローラ12より出力される周波数特性で切り換え器14より入力される記録データの周波数特性を調整し、電流可変記録アンプ17、18はそれぞれ記録等化回路15、16より出力された記録データを、システムコントローラ12より出力される記録電流量で、磁気記録ヘッド19、20をドライブして磁気テープ上に記録データを記録する。
【0041】
以下、システムコントローラ12の動作を記録等化回路15における記録の周波数特性、電流可変記録アンプ17における記録電流量の調整を例にとって説明する。記録等化回路15では、一般に高周波における磁気記録の損失を補償するような等化がなされるため、記録の周波数特性は記録レートの1/2である最高繰り返し周波数を持ち上げる周波数特性となる。
【0042】
まず、システムコントローラ12は記録等化回路15における周波数特性(記録等化特性)をフラットな特性に固定し、電流可変記録アンプ17の記録電流量を調整する。システムコントローラ12は記録電流量を調整範囲の最小値から所定のステップで増加させ、等化誤差の平均が最小となるように、最小二乗法や微分法を用いて調整し、第1の記録電流量を得る。次に、システムコントローラ12は電流可変記録アンプ17の記録電流量を第1の記録電流量で固定し、記録等化回路15の記録等化特性を調整する。システムコントローラ12は記録電流と同様に記録等化特性の可変範囲を所定のステップで変化させ、等化誤差が最小になる第1の記録等化特性を調整し、記録等化特性を再度第1の記録等化特性に固定した状態で電流可変記録アンプ17の記録電流量の調整を再度行い第2の記録電流量を得る。
【0043】
さらに、システムコントローラ12は電流可変記録アンプ17の記録電流量を第2の記録電流量に固定した状態で、記録等化回路15の記録の記録等化特性を再度調整して第2の記録等化特性を得る。システムコントローラ12はこのような調整を繰り返している間に、等化誤差が所定のレベル以下になれば、調整を完了する(図3のステップ407〜ステップ410)。調整を所定回数繰り返しても等化誤差が所定のレベル以下にならない場合、システムコントローラ12は電流可変記録アンプ17や記録等化回路15等の故障が考えられるので、調整を中止し修理工程に装置を進める(図3のステップ410、ステップ411)。記録等化回路16の記録の記録等化特性、電流可変記録アンプ18の記録電流量に関しても、同様の動作で調整が行われる。
【0044】
以上のような調整により、磁気記録再生装置の記録特性はリファレンス記録テープの記録特性とほぼ等しくなり、互換性が優れた磁気記録装置を極めて短時間の調整で効率よく提供できる。
なお、本実施例では、図3のステップ404で記憶したレファレンステープを再生したときに収束するタップ係数でもって、7,10からなる適応フィルタのタップ係数を固定し、その時に誤差検出器9で得られる誤差の平均値が、目標とする等化特性との差であるとし、それを等化誤差とした。そして、その等化誤差が最小となるように記録特性を調整することを示した。
しかし、レファレンステープに対する記録特性のズレを再生側で検出する方法は、これに限るものでない。たとえば、調整される記録特性がレファレンステープと全く等しければ、その時に収束する適応フィルタのタップ係数は前記404で記憶したタップ係数と一致することは明らかである。すなわち、適応フィルタのタップ係数を404で記憶したタップ係数で固定することなく、記録調整を行い、ステップ404で記憶した各タップ係数と調整中に随時収束する各タップ係数との差の絶対値も、前記の目標とする等化特性の差に等しいことは明白である。
よって、この各タップ係数の差の絶対値を等化誤差とし、それが最小になるように記録調整を行っても、何ら問題がないことがわかる。なお、この場合は誤差検出器9が出力する誤差量が、所定のレベル以下であることを常に確認し、フィルタの収束状態を監視しておくことが望ましいことは言うまでもない。
【0045】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1における記録再生制御手段であるシリンダ・キャプスタンサーボ24が、記録手段と再生手段の動作が通常動作との相対速度がa/b(a、bは自然数)となり、相対速度に対応した録手段の記録レートをa/bとなるよう制御する場合について説明する。
【0046】
本実施の形態における磁気記録再生装置の構成は実施の形態1と同様であるので、各部の詳細な説明は省略するが、シリンダ・キャプスタンサーボ24及びシステムコントローラ12の動作が実施の形態1と異なるので、その動作について詳しく述べる。
【0047】
本実施の形態では、2つのモードで記録再生が行える業務用VTRを例にとり説明する。第1のモードは、映像信号を25Mbpsに圧縮して1フレームを10トラックで記録するもので、記録レートは41.85Mbps/ch×1チャンネルである。第2のモードは、第1のモードに比べ圧縮率を低くして映像信号レートを50Mbpsの倍にすることで、高画質を実現している。このため、1フレーム記録するために20トラック必要になり、第1のモードに比べ倍の記録容量が必要になる。この時の記録レートとしては、41.715Mbps×2チャンネルになっている。第1のモード及び第2のモードの基本となるシリンダ回転数はともに9000rpmであり、第2のモードは、記録レートが倍になることに対して記録チャンネル数を倍にすることで対応している。つまり、第1のモードが、記録チャンネルが1チャンネル(対向2ヘッド)であるのに対し、第2のモードは記録チャンネルが2チャンネル(対向4ヘッド)となる。
【0048】
本実施の形態では2つのモードを1台の磁気記録装置で互換記録できるように、第1のモードの記録においては、シリンダ回転数を9000rpm、テープ送り速度を約33.82mm/sec、記録レートを41.85Mbps/chとし、第2のモードの記録においては、シリンダ回転数を18000rpm、テープ送り速度を約67.64mm/sec、記録レートを83.43Mbps/chと第1のモードの倍に設定する。ここで、第2のモードを通常のモードとすると、第1のモードは第2のモードに対して、シリンダ回転数とテープ送り速度を1/2とすることにより、第2のモードに対して相対速度が1/2(a=1、b=2)となり、記録レートも第2のモードの1/2となっている。
【0049】
以下、図4のフローチャートを用いて、システムコントローラ12が行う、調整動作について説明する。
【0050】
はじめに、磁気テープ22としてリファレンス記録テープを装置に挿入する(図4のステップ421)。システムコントローラ12は、適応再生等化回路の適応的な調整動作を開始する(図4のステップ422)。シリンダ・キャプスタンサーボ24はシリンダ21のシリンダ回転数を第2のモードのシリンダ回転数である18000rpmに設定し、キャプスタン23のテープ送り速度を67.64mm/secに設定する。リファレンス記録テープの再生が開始されると、各ヘッドチャンネルに対応したフィルタ7、誤差検出器9、適応制御部10で構成される適応再生等化回路の特性は、実施の形態1と同様の動作で調整され、システムコントローラ12は調整したタップ係数をヘッドチャンネル毎に第2のモードのタップ数(フィルタ特性)としてメモリ13へ記憶する(図4のステップ424、425)。
【0051】
次に、シリンダ・キャプスタンサーボ24はシリンダ21のシリンダ回転数を第1のモードのシリンダ回転数である9000rpmに設定し、キャプスタンのテープ送り速度を33.82mm/secに設定する(図4のステップ426)。再び、リファレンス記録テープが再生され、各ヘッドチャンネルに対応した適応再生等化回路の特性は、実施の形態1と同様の動作で調整され、システムコントローラ12は、調整したタップ係数を第1のモードのタップ係数としてメモリ13に記憶する(図4のステップ427,428)。ここで、誤差検出器9より出力された誤差信号より等化誤差の平均が所定のレベル以下にならなければ、磁気再生ヘッド1、2や再生回路等の故障が考えられるので、調整を中止し修理工程に装置を進める(図4のステップ424、ステップ427、ステップ440)。
【0052】
次に、磁気テープ22としてリファレンス記録テープから記録調整用テープに変更する(図4のステップ429)。システムコントローラ12は、シリンダ21のシリンダ回転数を第2のモードのシリンダ回転数18000rpm、キャプスタンのテープ送り速度を67.64mm/secに設定し、第2のモードのタップ係数をメモリ13から読み出し、適応再生等化回路のタップ係数を第2のモードのタップ係数で固定する(図4のステップ430)。そして、記録再生を行いながら、記録特性の調整を行う。システムコントローラ12は実施の形態1と同様の動作を行い、第2のモードにおける記録等化回路15、16の周波数特性と電流可変記録アンプ17,18の記録電流量を調整し、調整した記録特性を、第2のモードの記録特性としてメモリ13に記憶させる(図4のステップ431〜ステップ434)。
【0053】
システムコントローラ12は、シリンダ21のシリンダ回転数を第1のモードのシリンダ回転数を9000rpm、キャプスタンのテープ送り速度を33.82mm/secに設定し、第1のモードのタップ係数をメモリ13から読み出し、適応再生等化回路のタップ係数として固定する(図4のステップ435)。システムコントローラ12は実施の形態1と同様の動作を行い、第1のモードにおける記録等化回路15、16の周波数特性と電流可変記録アンプ17,18の記録電流量を調整し、調整した記録特性を、第1のモードの記録特性としてメモリ13に記憶させる(図4のステップ436〜ステップ439)。
【0054】
以上のことから、本発明の磁気記録再生装置は、記録時にはシステムコントローラ12が各モードに応じた記録特性をメモリ13より読み出して、記録等化回路15,16の周波数特性、電流可変記録アンプ17、18の記録電流量を設定することにより、モードが異なっても常にリファレンス記録テープの記録状態と等しい記録が行える。
【0055】
なお、本実施の形態においては2つのモードで動作する場合について説明したが、モード数はこれに限定するものではない。複数のモードに対しては、一連の調整をシリンダ回転数のモードの数だけ繰り返し、全てのシリンダ回転数とテープ送り速度における全ての記録ヘッドチャンネルについて行うことで、互換性能に優れていて、かつ(シリンダ回転モード数)×(ヘッドチャンネル数)で示される多くの調整数があっても非常に短時間でかつ効率的な調整機能を備えた磁気記録再生装置を提供できる。
【0056】
また、本実施の形態では、通常の動作に対して相対速度が1/2(a=1、b=2)、記録レートが1/2である場合について説明したが、これに限定するものではない。
【0057】
(実施の形態3)
一般にVTR等の磁気記録再生装置では編集を行った時などに起こるトラックやせによって訂正不能なエラーが発生しないようにマージンを考慮したフォーマットが決められている。例えば、通常18μmのトラックがインサート等と編集を行った時に、メカ的精度やテープスキューによってインサートするポイントがずれてインサートする箇所以外のトラックをオーバーライトして通常トラック幅の1/2の9μmになったとしても、訂正不能のエラーが発生しないように元のトラックピッチが決定されている。この様なマージンを含んだフォーマットにおいて通常のトラックピッチで記録信号の調整動作を行うと最適の記録特性からずれていても等化誤差に大きな違いが認められず、調整時間が長くかかったり、調整精度を劣化させたりしてしまうことがある。
【0058】
本実施の形態では、記録再生制御手段であるシリンダ・キャプスタンサーボ22が擬似的に編集点でのトラックやせをテープ上に作り、その状態で記録特性の調整を行う場合について説明する。本実施の形態では、擬似的なトラックピッチを通常のトラックピッチのn/mとした場合について説明する。
【0059】
また、これまで説明してきた実施の形態1および2では、記録再生で別々のヘッドを備えた構成で、記録しながら再生する確認再生の機能を有するDVTRを前提にしてきた。一般に業務用DVTRでは記録と再生を別系で行い、記録しながら再生する"確認再生機能"を有するが、録再機等のローコスト機種では、その機能を省いているものもある。本実施の形態では、記録と再生を共通の磁気ヘッドで行うDVTRにおいてトラックピッチを通常のトラックピッチの1/4(n=1、m=2)として記録する場合の記録特性の自動調整について説明する。
【0060】
図5は本発明の一実施の形態の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0061】
図5において、3〜11,14〜18,21〜24は図1の構成と同様なので、各部の詳細な説明は省略する。41、42は記録再生が兼用であるLアジマスヘッド(以下、録再Lヘッド)、43、44は記録再生が兼用であるRアジマスヘッド(以下、録再Rヘッド)、45、46はLアジマス用記録再生回路内(図6の波線内)への入力を録再Lヘッド41、42より再生される再生信号のいずれかに切り換え、記録時には電流可変記録アンプ17、18に接続し、再生時には再生アンプ3、4に接続する切り換え器である。Rアジマス用記録再生回路は、Lアジマス用記録再生回路と同じ構成をしているので、図中の内部回路の記載を省略する。Rアジマス用記録再生回路には録再Rヘッド43、44が接続される。
【0062】
本実施の形態における磁気記録再生装置は実施の形態2における第2のモードで記録再生を行い、1フレーム20トラック記録する。その時の回転数は9000rpmで2チャンネル(対向4ヘッド)で記録する。
【0063】
図6に第2のモードで記録するときの記録ヘッドと磁気記録媒体上の記録トラックとの関係を示す。通常の記録では録再Lヘッド41、録再Rヘッド43のコンビヘッドがシリンダの半回転の時間で2本のトラックを記録した直後には、図6の様な位置に録再Lヘッド42、録再Rヘッド44が有り、次の半回転の時間に残りの2トラックを記録するように順次記録していく。本実施の形態では、テープ送りを通常の1/4にして擬似的にトラックピッチを通常の1/4とし、切り換え器45、切り換え器46を再生側にすることで録再Lヘッド42、録再Rヘッド43、録再Rヘッド44を再生ヘッドにする。また、録再Lヘッド41に接続されている切り換え器45を一回転おきに記録側と再生側を切り換える。つまり、調整ヘッドチャンネル以外のチャンネルは再生状態にし、調整ヘッドチャンネルは1回転おきに記録するようにする。その時のテープ上の記録パターンと各録再ヘッドの位置を図7に示す。
【0064】
図7に示すように、録再Lヘッド41が記録したトラックを録再Lヘッド42が半トラック分だけ再生している。システムコントローラ12はまず、磁気テープ22としてリファレンス記録テープを挿入し、実施の形態1で説明した記録特性調整方法を行い、磁気テープ22として記録調整用テープに交換した後の調整段階で、図7に示す記録様式を用いて記録特性を調整する。すなわち、録再Lヘッド41が記録したトラックを、録再Lヘッド42が再生するときに得られるエラー情報を用いて、録再ヘッド41の記録特性を調整する。この場合、図7に示すように録再Lヘッド42は擬似的に録再Lヘッドが記録するトラックピッチの1/4のトラックピッチの信号を再生することになる。
【0065】
このように調整を全ての録再ヘッドに対し行うことで、確認再生機能を持たないローコストなVTRであっても、トラックピッチをn/mにすることにより、調整ヘッドチャンネルに対向するヘッドチャンネルによる再生信号を基にしたエラー情報によって記録しながら、そのトラックを同時に再生することができる。従って、いちいち巻き戻しすることなく記録特性の自動調整が可能なVTRを提供できる。
【0066】
また、トラックピッチが減少したときのエラー情報のレベルについても確認できるため、編集点におけるトラック痩せが発生した場合のS/N余裕についても検査することができ、装置の信頼性を更に高めることができる。
【0067】
なお、本実施の形態ではトラックピッチが通常の1/4(n=1、m=4)の場合について説明したが、これに限定するものではない。
【0068】
また、本実施の形態では、回転数が9000rpmで2チャンネル(対向4ヘッド)で1フレームを20トラック記録する実施の形態2における第2のモードの場合について説明したが、これに限定するものではない。
【0069】
(実施の形態4)
一般にDVTRは、記録レートの1/2の最高繰り返し周波数を最大とした高周波のディジタル信号を磁気ヘッドで磁気テープに記録する。このディジタル信号に応じた記録信号の電流がヘッドに与えられ、その電流量が増加するに従って、磁気テープの磁性層に強く記録される。磁性層の残留磁化は起磁力が増加するに従って増大し、記録信号波長に対応した波長単位の磁化領域は深くなる。そして、磁気テープ表面に出る磁束は、残留磁化の強さに応じて増大して、再生信号は増加する。
【0070】
ところが、記録信号がある最適な強度を越えて起磁力が強くなると、磁化領域が深くなり過ぎ、等価的に、磁化領域自体に働いている磁界によって、起磁力が磁化領域内で閉ループを形成する。従って、磁気テープ表面に出る磁束は、記録電流がある値を越えると、かえって減少してゆく。いわゆる自己減磁損失と呼ばれる現象である。この自己減磁損失の現象は短波長領域である高周波になるほど顕著に現れ、記録電流量を変化させることが等化的に記録信号の周波数特性を変化させたことに等しくなる。また、自己滅磁損失は蒸着テープのような磁性層が薄いテープよりも塗布型テープのような磁性層の厚いテープの方が顕著に現れる。
【0071】
実施の形態1および2で説明したような自動調整の方法でも、蒸着テープであれば高周波における自己減磁も少なく、早く最適特性に収束するが、塗布型テープでは自己減磁が顕著であるため前述したような擬似最適点に収束したり、記録電流調整と記録等化特性の調整とが互いに作用しあい調整時間が多くかかったりする問題が発生する。
【0072】
本実施の形態では、再生信号の振幅レベルの絶対量(エンベロープ)を検出し、再生振幅のレベルでもって記録電流量を調整する場合について説明する。
【0073】
図8に本発明の一実施の形態の磁気記録再生装置のブロック図を示す。
【0074】
図8において、1〜11,14〜24は図1の構成と同様なので、各部の詳細な説明は省略する。50は切り換え器5によって選択された再生信号の振幅レベルを検出するエンベロープ検出部、51はシステムコントローラ12の制御に従って、ユーザーに警告を発する警告表示部である。
【0075】
以下、本実施の形態の詳細な動作を図9のフローチャートを参照して説明する。
【0076】
始めに、磁気テープ22としてリファレンス記録テープを装置に挿入する(図9のステップ451)。調整が開始されると、磁気記録再生装置はリファレンス記録テープの再生を始める。システムコントローラ12は、フィルタ7、誤差検出器9、適応制御部10で構成される適応再生等化回路の適応的な調整動作を開始する(図9のステップ452)。これに伴い各ヘッドチャンネルに対応した適応再生等化回路の特性は、リファレンス記録テープからの再生信号を、最も検出特性に近づけるように調整され、それに応じたタップ係数(フィルタ特性)にそれぞれ収束する。システムコントローラ12は誤差検出器9より出力される誤差信号より等化誤差の平均が所定のレベル以下であることで、タップ係数が収束したのを確認し、そのタップ係数をヘッドチャンネル毎にメモリ13へ記憶する。ここで、等化誤差の平均が所定のレベル以下にならなければ、磁気再生ヘッドや再生回路等の故障が考えられるので、調整を中止し修理工程に装置を進める(図9のステップ453、ステップ454、ステップ462)。
【0077】
次に、磁気テープ22としてリファレンス記録テープから記録調整用テープに交換する(図9のステップ455)。システムコントローラ12は、メモリ13に記憶したタップ係数を読み出し、読み出したタップ係数で適応再生等化回路のタップ係数を固定し(図9のステップ456)、記録再生を行いながら、記録特性の調整を行う。この時、エンベロープ検出部50は、切り換え器5によって選択された再生信号の振幅レベルを検出する。エンベロープ検出は周知の技術であるので、詳細な説明は省略するが、その処理方式の一般的な構成としては、再生信号を二乗平均して、それをローパスフィルタに通すことで高域ノイズを除去し、再生信号の振幅レベルを検出するものが知られている。
【0078】
システムコントローラ12は記録等化回路15、16における周波数特性(記録等化特性)をフラットな特性に固定し、この状態で、まず記録電流量を調整する。システムコントローラ12は記録電流量を所定のステップで増加させ、エンベロープ検出部50が出力する再生信号の振幅レベルの増加量がゼロに近い所定のレベル以下となる記録電流量を探査する(図9のステップ457)。これは、低周波における飽和記録の電流量を求めていることと等価になる。システムコントローラ12は飽和記録電流量の1/2の電流量を電流可変記録アンプ17,18の記録電流量として固定する(図9のステップ458)。
【0079】
次に、システムコントローラ12は記録等化特性の可変範囲を所定のステップで変化させ、誤差検出器9より出力される誤差信号より等化誤差の平均が最小になるよう記録等化特性を調整する(図9のステップ459)。このような調整法により、記録等化特性の調整は、確実に未飽和記録の領域で行われ、記録減磁の発生していない領域で行われることになる。この調整で得られた記録等化特性は、既にリファレンス記録テープが示す周波数特性と等価になっている。その後、システムコントローラ12は記録等化回路15、16の記録等化特性を得られた記録等化特性で固定し、電流可変記録アンプ17,18の記録電流量を調整する。システムコントローラ12は記録電流量を増加させ、誤差検出器9より出力される誤差信号より等化誤差の平均が最小になるよう記録電流量を調整し、等化誤差の平均が所定のレベル以下になれば調整を終了する。システムコントローラはこのような調整を全記録ヘッドに対して行い、調整を完了する(図9のステップ460、ステップ461)。
【0080】
ここで、システムコントローラ12は市場に出荷時にメモリ3に記憶しているタップ係数と新たに記録再生されるときに収束するタップ係数とを常に比較している。
【0081】
一般に、磁気ヘッドを構成するコアが磁気テープ上を摺動し、磁気ヘッドのコア面が摩耗すると、磁気ヘッドの磁気特性が変化する。具体的には、磁気ヘッドのギャップ面積(トラック幅×深さ)が減少し、記録効率が向上する。また、摩耗が進行してギャップの深さが減少して記録効率が向上すると、記録電流が初期の設定では過大となる。このため、出荷時に上記の自動調整によってエラーレートが最低になる記録電流や周波数特性に調整していたにもかかわらず、市場で長期間使用されると記録電流が過大となるためエラーレートの最低点からずれてエラーレートが増大するようになってしまう。また、摩耗により磁気ヘッドの磁路を構成する部分が短くなるためインピーダンスが減少して、磁気ヘッドと記録アンプとの共振点がずれ、記録アンプの周波数特性が変化する。このような現象は、主に長時間走行が行われた市場で発生し、それに伴って互換性能が劣化したり、装置自体のエラーレートが悪化するといったトラブルが発生し、このようなトラブルに対応するため、サービスマンによる再調整やシリンダ交換等を行っていた。
【0082】
システムコントローラ12は、タップ係数の比較結果が所定の範囲を超えれば、警告表示部51が警告を発し、ユーザーに対して記録特性の再調整を促すよう制御する。ユーザーは、警告に従い、リファレンス記録テープと記録調整用テープの交換と簡単な操作によって、上記で説明したような自動調整を市場で行うことができる。
【0083】
以上のことから、本実施の形態ではエンベロープ検出部50からの再生振幅のレベルでもって記録電流量を調整するため、記録電流調整と記録等化特性調整とが互いに作用しあうことが無く、塗布型テープであっても、最適な記録特性に収束し、かつ調整時間が短時間で行える。
【0084】
また、記録等化特性を決定したのちは記録電流量のみを調整し、エラー情報が最小となる最適値の探査を行うので、記録電流量調整と記録等化特性調整とが相互作用して、擬似最適点に収束することがなく、記録電流量調整と記録等化特性調整とを交互に繰り返し、最適点を追い込む必要がないので、調整時間が極めて短時間ですむ磁気記録再生装置を提供できる。
【0085】
また、再生等化回路によって調整されたフィルタ特性が出荷時に設定したフィルタ特性と所定のレベル以上の差がある場合、ユーザーに記録特性の再調整を促すので、市場に出荷されたのちも常にリファレンス記録テープの記録特性と等しい記録状態に調整する事が可能となり、極めて互換性と信頼性に優れた磁気記録再生装置を効率よく提供することができる。
【0086】
なお、警告表示部は本実施の形態に限るものでなく、実施の形態1および,2においても同様な効果を生み、組み合わせて使用しても何ら問題ない。
【0087】
また、本発明では、エラー情報として、等化誤差の平均を用いたが、これに限定するものでなく、例えばクロック再生時に得られるPLL回路の位相誤差信号や、ビタビ復号時に得られるメトリック等を用いても良い。
【0088】
【発明の効果】
以上のように述べたことから明らかなように、本発明はリファレンス記録テープを再生したときに、適応等化回路の特性が収束するタップ係数を記憶し、そのタップ係数に適応再生等化回路の特性を設定した状態で、記録特性の調整を行うことができる。
【0089】
これにより、適応等化回路を備えた磁気記録再生装置であっても、リファレンス記録テープの記録特性と等しい記録特性に調整することができ、互換性に優れた装置を短時間の調整時間で効率的に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の適応再生等化回路の一具体例を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の磁気記録再生装置の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2の磁気記録再生装置の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態3の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における通常記録時のトラックパターンとヘッド位置を示す説明図
【図7】本発明の実施の形態3における調整記録時のトラックパターンとヘッド位置を示す説明図
【図8】本発明の実施の形態4の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態4の磁気記録再生装置の動作を示すフローチャート
【図10】従来の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1、2 再生ヘッド
3、4 再生アンプ
5 切り換え器
7 フィルタ回路
8 コンパレータ
9 誤差検出器
10 適応制御部
11 PLL回路
12 システムコントローラ
13 メモリ回路
14 切り換え器
15、16 記録等化回路
17、18 電流可変記録アンプ
19、20 記録ヘッド
21 回転シリンダ
22 磁気テープ
23 キャプスタン
24 シリンダ・キャプスタンサーボ回路

Claims (5)

  1. 記録信号の周波数特性および記録電流量を任意に変化させる記録信号調整手段と、
    前記記録信号調整手段より出力された記録信号を磁気記録媒体に記録する記録手段と、
    前記磁気記録媒体に記録された記録信号を再生する再生手段と、
    前記再生手段より再生された再生信号の特性を補償するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段より出力された信号を復号する復号手段と、
    前記復号手段へ入力された信号と前記復号手段より出力された信号との誤差を検出する誤差検出手段と、
    前記誤差検出手段より出力された誤差信号に応じて前記フィルタ手段のフィルタ特性を調整する適応制御手段と、
    前記適応制御手段により調整されたフィルタ特性を記憶する特性記憶手段と、
    前記適応制御手段により調整されたフィルタ特性を前記特性記憶手段に記憶させ、前記誤差検出手段より出力された誤差信号に応じて周波数特性および記録電流量を調整する前記記録信号調整手段を制御する記録調整制御手段とを有し、
    前記記録調整制御手段は前記特性記憶手段に記憶されているフィルタ特性を前記フィルタ手段のフィルタ特性として設定している状態で、前記記録信号調整手段の周波数特性および記録電流量の調整を行うことを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 記録手段と再生手段の動作を制御する記録再生制御手段を有し、
    前記記録再生制御手段は記録手段が記録信号を通常のn/m(n、mは自然数、n<m) のトラックピッチ(トラック幅)で磁気記録媒体上に記録するよう制御することを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
  3. 記録再生制御手段は、記録手段および再生手段の動作を通常動作に対する相対速度がa/b(a、bは整数)となり、前記相対速度に応じた記録手段の記録レートがa/b(a、bは整数)となるよう制御し、
    記録調整制御手段は、前記相対速度に応じて調整した周波数特性および記録電流量を特性記憶手段に記憶させることを特徴とした請求項1記載の磁気記録再生装置。
  4. 再生手段より再生された再生信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出手段を有し、
    記録信号調整制御手段が前記エンベロープの振幅レベルに応じて、記録信号調整手段における記録電流量を調整することを特徴とする請求項1から3記載のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
  5. 警告を発する警告手段を有し、
    記録調整制御手段は、特性記憶手段に記憶されているフィルタ特性と、適応制御手段によって調整されるフィルタ特性を比較し、フィルタ特性差が所定のレベルより大きい場合は前記警告手段が警告を発するよう制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
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