JP3895769B2 - 改良された臭素化法 - Google Patents

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Description

本発明の背景
本発明はジフェニルアルカンを臭素化する改良法に関する。
臭素化されたジフェニルアルカン、例えばデカブロモジフェニルエタンはポリスチレンおよびポリオレフィンをベースにした熱可塑性組成物に使用される公知の耐焔剤である。デカブロモジフェニルエタンは直ちに熱可塑性プラスチックス工業に使用される主要な耐焔剤の一つになるであろうと予測されている。このような市場における好機に対応してデカブロモジフェニルエタンの製法が数種提案されている。米国特許第5,077,334号、同5,008,477号および同5,030,778号参照のこと。
これらの方法は極めて有効であるが、もっと経済的で技術的に有利な方法の開発が常に要求されている。
本発明方法
本発明によれば、デカブロモジフェニルエタンの湿潤ケーキを効率的に得ることができる中間的なデカブロモジフェニルエタンのスラリを製造する独特な方法が提供される。さらに得られた湿潤ケーキは最も容易に高品質の直ちに使用できる耐焔剤製品に変えることができる。この湿潤ケーキは従来法で得ることができるものに比べ低い包蔵臭素含量をもっていることを特徴としている。
本発明方法は臭素対ジフェニルエタンのモル比を約5:1以上でしかも好ましくは約30:1以下として臭素とジフェニルエタンとを混合し、得られる混合物を迅速に臭素および臭素化触媒から成る撹拌可能な反応媒質へ供給してデカブロモジフェニルエタンを得ることを特徴としている。
本発明は特定の理論に拘束されることはないが、臭素/ジフェニルエタンから誘導される混合物(この混合物ではジフェニルエタンおよび/またはウンデカブロモ化されたジフェニルエタンが非常に希薄である)を反応媒質(reaction mass)に供給すると、反応媒質中でデカブロモジフェニルエタン生成物の晶出に有利な影響が及ぼされ、従って結晶構造の中に包蔵された遊離臭素の含量が低下すると理論付けられている。該誘導混合物を供給する際に臭素を希釈効果を及ぼす量で存在させることにより、供給物の区域において、(1)臭素化されたジフェニルエタンの濃度の変動が最低限度に抑制され、(2)結晶化の媒質、即ち反応媒質がデカブロモジフェニルエタンで過度の過飽和状態になる傾向が少なくなる。従って結晶の成長の良好な遅延化が促進され、結晶核の生成が減少する。
さらに供給される臭素の希釈作用は製品の色に有利に作用する。理論によれば、誘導混合物を反応媒質に供給する際、反応媒質中に一時的な供給羽毛状流(プリューム、plume)が生じる。この場合希釈剤となる臭素は物質移動妨害剤として作用し、反応媒質中に含まれる臭素化触媒が柱状流の中の一部のなお臭素化されるべきまたは未だ臭素化されていないジフェニルエタンに到達することを妨げる。このことは有利である。何故なら、臭素化触媒と接触する前にジフェニルエタンが十分にまたは全く臭素化されていない場合、臭素化触媒はジフェニルエタンの−C−C−架橋を攻撃する、即ち開裂させるからである。開裂した物質は多くの場合望ましくない着色体である。触媒の物質移動を妨げることにより、極めて短時間内でも、多くのジフェニルエタンは、開裂を防ぐのに必要な程度に臭素化が行われる時間を十分にもっているであろう。反応媒質中で羽毛状流が消費されてしまえば、またこのような消費が迅速に行われれば、臭素化触媒は、所望の芳香環が臭素化されたデカブロモジフェニルエタン生成物を得る反応に対し効果的な触媒作用を及ぼすことができる。
−C−C−結合の開裂を減少させることの他に、希釈効果は単位容積当たりの臭素化が起こる部位の濃度を減少させることによって着色体の生成に有利に作用する。臭素化の部位では発熱反応が起こるから、その濃度が減少すると個々の部位が着色体を生成する劣化温度に達するのを避けることができる。各反応部位の周りの大量の臭素は、熱が効果的に消費される吸熱体として作用する。
一般的に言えば、本発明方法は例えば約1,000L(250ガロン)以上の大きな反応容積を取り扱う工業的なデカブロモジフェニルエタン製造の場合に最も有用となるであろう。大部分の工業的な反応はこの最低容積から最高約32,000L(8,000ガロン)に亙る大きさをもっている。多量の反応混合物を取り扱う場合、物質移動および結晶化の品質がもっと厄介な問題になるから、デカブロモジフェニルエタンに付属した問題は最も容易に理解できるであろう。
図面の説明
図1は本発明を実施する際使用するのに適した混合機の部分的断面図である。
本発明の詳細な説明
ジフェニルエタン反応原料は式
Figure 0003895769
を有し、そのIUPAC名は1,2−ジフェニルエタンである。便宜上この化合物を単にジフェニルエタンと呼ぶことにする。
ジフェニルエタンは種々の方法でつくることができる。例えばCA97 3865d(日本特許公開82/45114号)およびCA46 7074gには、三塩化アルミニウムの存在下においてベンゼンと二ハロゲン化エチレンとを反応させジフェニルエタンを得る方法が記載されている。
ジフェニルエタンが不純物、特に異性体の不純物、例えば1,1−ジフェニルエタンを含んでいることは珍しくない。このような不純物はデカブロモジフェニルエタン生成物の色に悪影響を与えるから、不純物濃度を減少させることが望ましい。それには通常の精製法、例えば再結晶法が用いられる。再結晶法ではジフェニルエタンを溶媒に溶解し、所望の純度が得られるまで1回または数回再結晶を行う。
臭素/ジフェニルエタンからの誘導混合物をつくるのに使用されるジフェニルエタンは、臭素との緊密な混合物をつくるのを容易にするために熔融液として与えることが好ましい。熔融状態をつくるためには、ジフェニルエタンをその融点(53〜55℃/127〜131°F)より高い温度にする。好ましくはこの温度は約55〜約80℃(130〜175°F)の範囲である。熔融したジフェニルエタンの粘度が低下し誘導混合物の精製が容易になるので、温度が高い方が好適である。約70〜約80℃(160〜175°F)が最も好適である。
熔融したジフェニルエタンは使用するまで非酸化性の雰囲気によって保護することが好ましい。このような雰囲気は大部分の不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等によってつくることができる。不活性雰囲気をつくることは最終的なデカブロモジフェニルエタン生成物の色特性にとって有利であることが見出された。理論的には、熔融ジフェニルエタン中において酸化分解不純物の生成を防止するかまたは少なくとも減少させることができる結果、色に対する利点が得られると考えられている。分解不純物は恐らく1−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエタン、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコール等である。
臭素/ジフェニルエタンからの誘導混合物は希釈剤の臭素に固体のジフェニルエタンを加えることによりつくることができる。
本発明方法に使用される臭素は実質的に無水であること、即ち水を100ppmより少ない量しか含まず、有機性の不純物、例えば油、グリース、カルボニル含有炭化水素、鉄等を10ppmより少ない量しか含んでいないことが好ましい。このような純度の臭素を用いると、デカブロモジフェニルエタン生成物の色に対する寄与は殆ど現れない。市販の臭素はこのような純度をもっている。しかしこのような臭素が入手できない場合、臭素の有機性不純物および含水量は、3:1の容積比で臭素および濃硫酸(94〜98%)を一緒に混合することによって簡単に減少させることができる。二相の混合物が生じ、これを10〜16時間撹拌する。撹拌し沈降させた後、不純物および水と共に硫酸相を臭素相から分離する。臭素の純度をさらに上げるためには、回収した臭素相を蒸溜することができる。
液体の臭素および熔融したジフェニルエタンからの誘導混合物を生成するには、2種の液体を混合する最も普通の用いられる方法によって達成することができる。最も好適な方法は流動混合機またはライン混合機に臭素およびジフェニルエタンを供給することにより混合物をつくる方法である。このような混合機の例は(1)一つの液流と他の液流との衝突に依存するジェット混合機、(2)一つの液流が他の液流を包含している射出機、(3)圧力低下を使用して混合を行うオリフィスと混合ノズル、(4)バルブ、および(5)ポンプ、特に二つの液流を吸引側に供給する遠心ポンプがある。
図1には本発明方法に使用するのに特に好適なジェット混合機が図示されている。数字10で一般的に示されたジェット混合機には長手方向の軸方向へ延びた導管12が備えられ、この導管の中に液体のジフェニルエタンを流す。導管14によって導管12を取り囲む環状の空間24へ臭素が運ばれる。スペーサー20、20a、22および22aが環状の空間24に関して適切な位置に配置され、導管14を保持している。環状の空間24の最も低い場所に半径方向の導管26が存在し、この導管により臭素は導管12の長手方向の軸に関して半径方向に内側へと流れる。ジフェニルエタンの取出し口17および半径方向の導管26に隣接して衝突室26がある。衝突室の下手に混合室18および混合物の取出し口19がある。
操作する場合、臭素は導管14、環状の空間24および半径方向の導管26を通って流れて衝突室16に達する。衝突室16において臭素は半径方向に内側へと移動する。ジフェニルエタンは導管12を流下し、衝突室16に関して軸方向へ向かい取出し口17を通って流れる。衝突した後、得られた混合物は混合室18へ流入し、次いで混合機からの液流として一定の速度で取り出される。
混合機の寸法は混合機から出る流速および臭素/ジフェニルエタンからの誘導混合物の混合機中における滞在時間を決定する。任意所望の流速および滞在時間に対して、これらの寸法を便利に決定することができる。例えば工業的規模において、供給速度は熔融ジフェニルエタンに対し毎時272kg(600ポンド)、臭素に対し毎時2,400kg(5,300ポンド)であり、混合機中の滞在時間は約0.01秒である。半径方向の導管26の高さは0.635cm(1/4インチ)であり、混合室18は直径が0.80cm(5/16インチ)、長さが1.9cm(3/インチ)であることができる。
誘導混合物が液体の臭素と固体のジフェニルエタンからつくられる場合、通常の液体−固体混合系を使用することができ、この際ジフェニルエタンが臭素に溶解するにつれてジフェニルエタンは臭素化され始める。
臭素/ジフェニルエタンからの誘導混合物をつくった後、この混合物を迅速に反応媒質に供給することが好ましい。最も好ましくはこの混合物を生成後約2秒以内に反応媒質に供給する。一般に該混合物の生成からそれが反応媒質へ供給されるまでに経過する時間は約0.05秒以下である。好適な経過時間は約0.001〜約0.05秒の範囲であり、最も好適な経過時間は約0.005〜約0.01秒の範囲である。この好適範囲および最も好適な範囲は、該混合物をつくるのに使用される混合装置をジフェニルエタンと臭素との反応によって発生するHBrガスに適合させた場合最も適したものとなる。
所望の混合物をつくるのに使用される臭素対ジフェニルエタンのモル比は約5:1〜約30:1の範囲であり、好ましくは約7.5:1〜約25:1の範囲である。最も好ましくはこのモル比は約9:1〜約25:1の範囲である。極めて好適なモル比の範囲は約10:1〜15:1である。30:1を越えるモル比も使用することができるが、このような過剰のモル比を用いると、反応後多量の液体臭素が存在する結果になり、それに関連して臭素を回収する工程にコストがかかる。
誘導された混合物は臭素、および1種またはそれ以上のジフェニルエタン、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラブロモジフェニルエタンから成っている。反応媒質へ供給する前の誘導混合物の正確な組成は、該混合物をつくってからこれを反応媒質へ供給するまでに経過した時間に依存する。この経過時間が長いと臭素化の程度が高い化学種が多量に存在するであろう。よけいに臭素化が起こるのに十分な時間が得られるからである。この経過時間が短い場合には、誘導混合物は多量のジフェニルエタンを含むかおよび/または臭素化された化学種の含量が少ないであろう。
臭素、ジフェニルエタンおよび臭素化されたジフェニルエタン以外の成分でも、それらが本発明方法を実施する妨害とならない限り、誘導混合物中に存在することができる。例えば誘導混合物は臭素化触媒を含まないことが最良である。何故ならこのような触媒は保護されていない化学種において上記のように−C−C−結合を開裂させるからである。しかし前の工程から回収された臭素流を使用して操作を行いたいと思う場合、回収された臭素はまだ活性をもっている臭素化触媒を低濃度で含んでいることができる。少量の触媒が存在することを考慮していれば、このような回収臭素を使用することも許容されるであろう。何故なら触媒の有害な衝撃力は小さく、必要とされる効果から見て許容される。
臭素の温度は、熔融ジフェニルエタンを使用する際それが冷却して固体にならないような十分に高い温度でなければならない。殆どすべての場合、臭素の温度は約30〜75℃の範囲内であることが好ましい。
工業的規模においては、工程の効率は卓越している。即ち発生したHBrを処理する反応系の能力の観点からすれば、誘導された混合物の供給速度は出来るだけ高くしなければならない。供給流の断面積/速度は混合工程で出来るだけ多くのエネルギーが消費されるように選ばれる。一般に断面積が小さく供給流速が速いほど大きな結晶ができ、生成物中に包蔵される臭素が少なくなり、良い色をした生成物が生じる。しかし実際的な限界があり、コストと利点の間のバランス、並びに入手できる装置、例えば供給ポンプおよびオーバーヘッドの能力によって規制を受ける。適当な断面積および速度の例としては、断面積が約0.03〜約10cm3(0.0005〜1.6平方インチ)の範囲であり、流速は約0.3〜約30m/秒(0.98〜98フィート/秒)の範囲である。このような範囲は大部分の撹拌式工業反応器に適し、特に反応混合物が1000〜約30,000L(260〜約8000ガロン)の場合に適しており、すべてそれぞれの反応混合物から発生するBr2およびHBrを処理し分離するための適切なオーバーヘッド能力をもっている。断面積が約0.5〜約2cm2(0.08〜0.31平方インチ)で速度が約5〜約10m/秒(16.4〜32.8フィート/秒)の範囲にあることが好ましい。
誘導混合物は一つまたはそれ以上の供給流を用いて供給することができる。多数の供給流が存在する場合、各供給流はそれそれ使用される割合に応じて供給される。
誘導混合物は反応混合物の表面の上方または下方のいずれかで反応器の中に導入することができる。工業的規模の反応器に対しては、該表面の下、例えば約2.5cm(1インチ)〜約60cm(24インチ)下方の所に導入することが好ましい。表面の上方に導入する場合には、液が跳び撥ねるのを防ぐために導入点は表面の近くであることが好ましい。
誘導混合物を供給する反応器は一般にガラスでライニングされた撹拌式の反応器であり、反応器には既に臭素および臭素化触媒が装入されている。
装入する臭素化触媒は好ましくはAlCl3および/またはAlBr3であるが、アルミニウム粉末、鉄粉末、FeCl3およびFeBr3を単独でまたは三ハロゲン化アルミニウムと組み合わせて使用することもできる。他の臭素化触媒もそれがデカブロモジフェニルエタンを生じるのに必要な芳香環を全部臭素化し得る十分な活性をもっている限り適している。触媒は触媒作用を及ぼす量で使用される。典型的には触媒は供給したジフェニルエタンの重量に関し約0.1〜約20重量%の範囲の量で存在している。この使用量は一般に選んだ触媒の触媒活性、反応温度および臭素の使用量に依存する。好適な量は同じ基準で約2〜約1.5重量%の範囲である。例えばAlCl3が触媒の場合、約5.0〜約7.0重量%が最も好適である。
臭素化触媒および臭素は任意の順序でまたは一緒に反応容器に装入することができる。装入後臭素/触媒混合物の温度を約50〜約60℃(122〜144°F)にすることが好ましい。これよりも低いまたは高い温度を用いることも可能であるが、温度が低いと臭素化の程度は低くなり、温度が高いと加圧操作が必要になる。
誘導混合物を供給する際の反応媒質中の臭素の量は撹拌可能な反応媒質を生じ、最終的にはデカブロモジフェニルエタン生成物ができるような量である(デカブロモジフェニルエタン生成物は平均臭素数が少なくとも約9.0、好ましくは約9.5〜10の範囲の臭素化されたジフェニルエタンの混合物として定義される)。反応混合物に臭素を供給する臭素源には2種ある。即ち誘導混合物によって持ち込まれる臭素、および供給を行う前に反応器中にもともと存在した臭素である。反応器中にもともと存在した臭素の量は好ましくはジフェニルエタン生成物を生じるのに必要な化学量論的な量の約25〜約150%の範囲である。もともと存在した臭素の量が該化学量論的な量の約75〜約100%であることが最も好適である。
反応器中にもともと存在した臭素の量と臭素からの誘導混合物をつくるのに使用された臭素の量との和により、臭素対使用したジフェニルエタンのモル比は約14:1〜約30:1になる。このモル比が約16:1〜約24:1であることが好適であり、約18:1〜約20:1であることが最も好ましい。
臭素/ジフェニルエタン誘導混合物を供給する間、反応媒質の温度を約30〜約80℃、好ましくは約50〜約60℃に保つ。ジフェニルエタンの臭素化は発熱反応であるから、選ばれた反応媒質の温度を維持するためには反応媒質を冷却する必要がある。反応容器を冷却するか、または反応混合物を還流条件下に置き塔頂冷却器を用いて熱が除去できるようにすることによって反応混合物から反応熱を取り除くことができる。
反応容器中の圧力は選ばれた反応媒質の温度において還流が行えるような圧力である。還流条件下においては反応媒質の温度調節が容易になる。他の方法により、即ち加熱用または冷却用ジャケットを用いて温度調節を行う場合、圧力は工程に定義された種々のパラメータを得る上で妨げにならないような任意の圧力であることができる。また、本発明方法においては臭素の沸点より高い温度も使用できるから、大気圧より高い圧力、例えば15psigを用いて同じ結果を得ることができる。
反応器に供給される誘導混合物の供給が完了した後、デカブロモジフェニルエタン生成物を得る臭素化を完成させるために生成した反応混合物をこれ以上長時間保持する必要はないという事実も本発明の利点である。供給が完了した後の臭素化反応は、反応混合物から発生するHBrを検出することにより監視するのが最も良い。HBrの発生が止んだことは、臭素化反応が終了した証拠である。本発明方法では通常臭素化反応は誘導混合物の供給が終ってから1分以内に終了する。従って誘導混合物の供給が終わった後、直ちに生成物の回収を行うことができる。工程のサイクル時間を延ばす場合以外には何の危険もないから、若干時間待ってから生成物の回収を行うことができる。
臭素化反応が少なくとも実質的に停止した後には、反応媒質は液体−固体の混合物から成っている。固体はデカブロモジフェニルエタン生成物、包蔵された遊離臭素および他の不純物を含む沈澱から成っている。液体は大部分が臭素と触媒であろう。固体を回収する前に、先ず触媒を失活させることが好ましい。失活は、反応混合物に水を加えるか、または水に反応混合物を加えることにより行うことができる。一般に反応混合物を反応器から抜取り容器へと移すのが好適である。抜取り容器は水を含んでおり、水は(1)触媒を失活させ、(2)臭素が抽出された後スラリをつくる役目をする。
抜取り容器の中に入れると固体と臭素とから成る反応媒質は一相をつくり、他の相として水の相ができる。水の相が上に来る。容器の内容物を加熱沸騰させ、臭素を抜き取る。抜取り温度は一般に57℃(135°F)である。臭素は沸騰して水の相を通過し、一緒に少量の水を伴って分離して行く。臭素が多量抜き取られるにつれて、固体と臭素とから成る相は粘稠になって行く。臭素と固体とがほぼ等量存在するようになった時、固体は水の相に移動し始める。さらに臭素が抜き取られると、残った固体は水とスラリをつくる。主としてデカブロモジフェニルエタン生成物である固体は水によって十分には湿潤されない。デカブロモジフェニルエタン生成物の大きな粒子は水の中で沈降する傾向がある。いつも微粒子が若干存在するが、これらの微粒子は沈降せず、水面の上へと動いて泡を生じる。粒子が細かいほど、泡の生成によって事態は悪くなり、抜取り工程の進行は遅くなる。本発明方法を実施することにより微粒子の生成が抑制されるから、それに伴い泡の生成も減少する。本発明によれば、もっと速い抜取り速度を用いることが可能である。経験によれば、本発明によって抜取り速度を最高100%増加させることができる。
臭素を抜き取った後、水および固体のスラリを塩基の水溶液で処理して存在するHBrを中和する。塩基の水溶液は任意の適当な塩基、例えばNaOHまたはNa2CO3の水溶液であることができる。
中和工程後、抜き取り容器中のスラリを取り出し、処理を行って液体部分を固体部分から分離する。遠心分離によってこれを最も容易に行うことができる。微粒子の生成を抑制することによる本発明方法の他の利点はこの遠心分離工程において得られる。微粒子が大量に存在すると、これらの微粒子によって妨げられるために、水がスラリの固体の部分から分離して移動することが遠心分離の時間が非常に長くなる。微粒子の生成を少なくすることにより遠心分離時間を50〜60%短縮することができた。
スラリから回収された未乾燥の固体をここでは「湿潤ケーキ」と呼ぶことにする。この言葉は固体を回収する特定の方法および/またはスラリまたは回収された固体の実際の処理法、例えば中和、洗滌等の方法によって限定されるものではない。湿潤ケーキはフィルター媒体からケーキに似た材料として回収されることが最も多い。
本発明方法で得られる湿潤ケーキは包蔵遊離臭素含量が比較的少ないこと、例えば約500〜約2000ppm、最も普通には約900〜約1200ppmである点で独特である。高度に希釈されたジフェニルエタン供給原料を使用しないで製造された例えば3500ppmのような高い包蔵遊離臭素含量をもつ湿潤ケーキと比較されたい。これらの湿潤ケーキは例えば3500ppmのような高い包蔵遊離臭素含量をもっている。
「包蔵遊離臭素」という言葉は、湿潤ケーキの回収されたデカブロモジフェニルエタン生成物成分にしっかりと保持され、通常の洗滌法ではその生成物中の含量を減少させるには不十分であるような臭素を意味する。
湿潤ケーキは乾燥粉砕法、例えばレイモンド・ミル(Raymond Mill)のようなハンマミルによって処理することが好ましい。乾燥と粉砕を組み合わせると、粒径が小さくなり包蔵遊離臭素含量が減少した乾燥粉末が得られる。好適な乾燥温度は約150〜約350℃(302〜662。F)の範囲である。粉砕するとデカブロモジフェニルエタン生成物の平均粒径を約3〜約5μの範囲まで減少させるような設計が行われている。このような乾燥および粉砕の両方の条件をハンマミルによって得ることができる。ある場合には粉砕工程の前に加熱することがことが好ましいが、この順序を逆にすることもでき、また効果がある。粉砕および乾燥の後に、得られる乾燥したデカブロモジフェニルエタン生成物はなお若干の包蔵遊離臭素を含んでいる。この場合、また大部分がこのような場合であるが、生成物はなお700〜1000ppmの包蔵された遊離臭素を含んでいる。この濃度は許容できる望ましい包蔵された遊離臭素濃度150〜200ppmをなお越えている。
湿潤ケーキの色は包蔵遊離臭素含量の目安になる。希釈しない熔融ジフェニルエタンを用いてつくられた乾燥し粉砕された湿潤ケーキのASTM D−1925によって測定された黄色指標(Yellowness Index)(YI)の値24を、本発明の乾燥し粉砕された湿潤ケーキのYIの値約12〜約18と比較されたい。
粉砕し乾燥した生成物の包蔵遊離臭素含量をさらに減少させ、許容濃度を得るためには、約175〜290℃(350〜約550°F)の温度範囲で約1〜約20時間生成物を炉中で熟成する。これよりも温度が高いと加熱時間を短縮でき、温度が低いと長い加熱時間を必要とする。好適な温度範囲は約230〜約260℃(446〜500°F)である。この好適温度範囲を用いると、炉中の熟成時間は約3〜約9時間である。希釈しない熔融ジフェニルエタン供給原料を用いるデカブロモジフェニルエタンの製法と比較すると、この方法で最終生成物中の包蔵遊離臭素の濃度が同じになるようにするためには、同等な温度においてもっと長い6〜20時間を必要とする。
炉中での熟成を行うと、好ましくは主として少なくとも約90重量%(さらに好ましくは約95〜約99.8重量%)のデカブロモジフェニルエタンと少量のノナブロモジフェニルエタン、オクタブロモジフェニルエタンおよびデカブロモジフェニルエタンから成り、包蔵された遊離臭素含量が約100〜約300ppmの範囲内にあるデカブロモジフェニルエタン最終生成物が得られる。
本発明のデカブロモジフェニルエタン生成物は実質的に任意の可燃性材料の組成物中において耐焔剤として使用することができる。可燃性材料は高分子量の例えばセルロース材料または重合体であることができる。重合体の例には次のものがある:オレフィン重合体、交叉結合したものおよびそうでないもの、例えばエチレン、プロピレンおよびブチレンの均質重合体;2種またはそれ以上のこのようなアルキレン単量体の共重合体および1種またはそれ以上のこのようなアルキレン単量体と他の任意の共重合可能な単量体との共重合体、例えばエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体およびエチレン/酢酸ビニル共重合体;オレフィン型不飽和単量体の重合体、例えばポリスチレン、例えば高衝撃性ポリスチレンおよびスチレン共重合体;ポリウレタン;ポリアミド;ポリイミド;ポリカーボネート;ポリエーテル;アクリル樹脂;ポリエステル、特にポリ(エチレンテレフタレート)およびポリ(ブチレンテレフタレート);エポキシ樹脂;アルキッド樹脂;フェノール樹脂;エラストマー、例えばブタジエン/スチレン共重合体およびブタジエン/アクリロニトリル共重合体;アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの三元重合体;天然ゴム;ブチルゴム;およびポリシロキサン。これらの重合体を種々の重合体と配合することもできる。さらに適当な場合化学的方法または照射によって重合体を交叉結合させることができる。
組成物に使用されるデカブロモジフェニルエタン生成物の量は望まれる耐焔性を得るのに必要な量である。明らかにすべての場合において、組成物中の生成物の割合に対して唯一の正確な値を与えることができない。何故ならこの割合は特定の可燃性材料、他の添加剤の存在および任意の与えられた用途において望まれる耐焔性によって変わるからである。さらに特定の組成物において或る与えられた耐焔性を得るのに必要な割合は、組成物がつくられる製品の形に依存するであろう。例えば電気絶縁材料、管およびフィルムではそれぞれ挙動が異なるであろう。しかし一般にこの組成物は該生成物が組成物中の唯一の耐焔剤化合物である場合、これを5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%含んでいる。
この組成物において、本発明の耐焔性をもった最終生成物を無機化合物、特に酸化鉄、酸化亜鉛、硼酸亜鉛、第V族の元素、例えばビスマス、砒素、燐および特にアンチモンの酸化物と一緒に使用することが特に有利である。これらの化合物の中で酸化アンチモンが特に好適である。組成物中にこのような化合物が存在すれば、与えられた耐焔性を達成するのに必要な本発明の生成物の量を減らすことができる。一般に本発明の生成物および無機化合物は1:1〜7:1、好ましくは2:1〜4:1の重量比で用いられる。
本発明の生成物および上記無機化合物から成る耐焔剤システムを含む組成物は、該耐焔剤システムを最高約40重量%、好ましくは20〜30重量%含んでいることができる。
組成物中において通常存在する任意の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、充填剤、顔料および紫外線安定剤を本発明の生成物と一緒に使用することができる。
熱可塑性重合体および本発明の生成物を含む組成物からつくられた熱可塑性製品は、通常例えば射出成形、押出し成形、圧縮成形等の方法により製造することができる。
下記実施例により本発明を例示する。これらの実施例は単に例示の端のものであり、本発明を限定するものではない。
実施例 1
15,140L(4,000ガロン)のガラスのライニングをした撹拌式反応器に12,712kg(28,000ポンド)の臭素を加える。撹拌器を始動させ、68kg(150ポンド)のAlCl3を加える。反応器の内容物を58℃(135°F)に加熱する。
毎時2,406kg(5300ポンド)の速度で混合器の中に臭素を流す。臭素加熱器を使用して臭素の温度を50〜55℃(120〜130°F)にする。次いで毎時272kg(600ポンド)の速度で熔融ジフェニルエタンを混合器の中に流す。
混合機は反応混合物の表面下60cm(24インチ)の点まで延びた浸漬管の端の所に置かれている。この混合機は図1に示す型のものである。混合機は毎時272kg(600ポンド)のジフェニルエタンと毎時2406kg(5300ポンド)の臭素を処理するように設計されている。混合機によって臭素は半径方向に内側に向かって0.48cm(3/16インチ)のジフェニルエタンの流れの中に押し込まれる。この混合機には緊密に混合された混合物が通過する混合室が備えられている。この混合室は直径が0.8cm(5/16インチ)、長さが1.9cm(3/4インチ)である。混合室から出る流れの直径は約0.8cm(5/16インチ)、速度は約6.1m(20フィート)/秒であった。
反応混合物の温度は還流温度まで上昇する。この温度は反応圧2.05×105PA(15psig)で約60℃(140°F)である。
ジフェニルエタンが1900kg(2400ポンド)供給さあれるまでジフェニルエタンおよび臭素を流す。次いでジフェニルエタン流を止め、ジフェニルエタンの通路に窒素を流す。臭素を止め臭素の通路に窒素を流す。
反応混合物を抜取り容器に移す。この容器には前以て6000L(1500ガロン)の水を入れておく。得られた混合物を加熱撹拌して温度を約58℃(135°F)にし、臭素を沸騰させて除去する。American Cyanamide社製のエーロゾル(AerosolTM)−OTBの1%水溶液を湿潤剤として用いた。沸騰除去の時間は約4時間であった。
臭素を沸騰させて除去した後、残った固体と水とのスラリを塩基で処理して酸性成分を中和する。中和したスラリを2.5時間に亙り遠心分離にかけて湿潤ケーキを得た。次にこの湿潤ケーキを回収し、レイモンド・ミルに供給し、ここで湿潤ケーキを乾燥し粉砕する。湿潤ケーキは温度205℃(400°F)において2秒間乾燥し、粉砕して平均粒径約80〜約4.5μを得た。
上記方法を繰り返したが、3回の実験を行い、23〜26分間臭素を流し、温度を設定した。他の実験では4分臭素を流した。
ジフェニルエタンを単独で反応器へ流す対照実験を行った。
対照例
15,140L(4,000ガロン)のガラスのライニングをした撹拌式反応器に21,760kg(48,000ポンド)の臭素を加える。撹拌器を始動させ、68kg(150ポンド)のAlCl3を加える。反応器の内容物を58℃(135°F)に加熱する。
熔融したジフェニルエタンを毎時272kg(600ポンド)の速度で浸漬管へ流す。この浸漬管は反応混合物の表面下120cm(48インチ)の所まで延びている。
1089kg(2400ポンド)のジフェニルエタンが供給されるまでジフェニルエタンを流す。次いでジフェニルエタンの流れを止め、ジフェニルエタンをとおしていた浸漬に窒素を流す。
反応混合物を抜取り容器に移す。この容器には前以て6000L(1500ガロン)の水を入れておく。得られた混合物を加熱撹拌して温度を約58℃(135°F)にし、臭素を沸騰させて除去する。American Cyanamide社製のエーロゾルTM−OTBの1%水溶液を湿潤剤として用いた。沸騰除去の時間は約8時間であった。
臭素を沸騰させて除去した後、残った固体と水とのスラリを塩基で処理して酸性成分を中和する。中和したスラリを5時間に亙り遠心分離にかけて湿潤ケーキを得た。次にこの湿潤ケーキを回収し、レイモンド・ミルに供給し、ここで湿潤ケーキを乾燥し粉砕する。湿潤ケーキを温度205℃(400°F)において2秒間乾燥し、粉砕して平均粒径約80〜約4.5μを得た。
すべての実験に対し、(1)臭素の沸騰除去の速度、(2)遠心分離の速度、(3)レイモンド・ミルにかける前後の湿潤ケーキの包蔵遊離臭素含量、および(4)レイモンド・ミルで処理した生成物の色に関し測定を行った。
本発明方法を用いた場合、沸騰除去の速度は平均75%増加し、遠心分離の速度は平均97%増加した。対照例で得られた湿潤ケーキの包蔵遊離臭素含量(8試料、包蔵されたBr2:2,007〜5,463ppm、平均3,773ppm)は、本発明方法で製造された湿潤ケーキの包蔵遊離臭素含量(8試料、包蔵されたBr2:1,308〜838ppm、平均1,122ppm)に比べ、平均して78%多かった。レイモンド・ミルで処理した後、対照例で得られた乾燥粉砕生成物の包蔵遊離臭素含量は本発明方法で得られた乾燥粉砕生成物に比べ平均して225%多かった。対照例の8試料について包蔵されたBr2が1,331〜4,771ppm、平均3,117ppmであるのに対し、本発明の粉砕乾燥試料については包蔵されたBr2が499〜1232ppm、平均890ppmであるここと対比されたい。黄色指標(YI)については、本発明のレイモンド・ミル処理を行った生成物は対照例の生成物よりも良好な色をもっている。本発明方法で得られた乾燥粉砕生成物に対するASTM D−1925によるYI値は炉中で熟成を行う前において約12.5〜約17.5の範囲であり、これに対し対照例ではYIは約22〜約26であった。

Claims (25)

  1. 臭素対ジフェニルエタンのモル比を5〜30の範囲として臭素とジフェニルエタンとを混合し、得られる混合物をそれがつくられてから2秒以内において臭素および臭素化触媒から成る撹拌可能な反応媒質へ供給してデカブロモジフェニルエタンを得ることを特徴とするデカブロモジフェニルエタンの製造法。
  2. 反応媒質中の臭素はデカブロモジフェニルエタンを生じるのに必要な臭素の化学量論的な量の25〜150%の範囲内の量で最初から存在していることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 該混合物が臭素化触媒を実質的に含んでいないことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 該モル比は7.5:1〜25:1の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 臭素化触媒はAlCl3、AlBr3またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 最初から反応器の中に存在している臭素の量と該混合物をつくるのに使用された臭素の量との和は、臭素対ジフェニルエタンのモル比が14:1〜30:1になるような量であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  7. 該モル比は7.5:1〜25:の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 臭素化触媒はAlCl3、AlBr3またはそれらの混合物であることを特徴とすることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 反応媒質は工業的規模の量である請求項1記載の方法。
  10. ジフェニルエタンは熔融したジフェニルエタンであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 臭素対ジフェニルエタンのモル比を5〜30の範囲として臭素と熔融したジフェニルエタンとを混合し、得られる液体混合物をそれがつくられてから2秒以内において臭素および臭素化触媒から成る撹拌可能な反応媒質へ供給してデカブロモジフェニルエタンを得ることを特徴とするデカブロモジフェニルエタンの製造法。
  12. 反応媒質中の臭素はデカブロモジフェニルエタンを生じるのに必要な臭素の化学量論的な量の25〜150%の範囲内の量で最初から存在していることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 該混合物が臭素化触媒を実質的に含んでいないことを特徴とする請求項11記載の方法。
  14. 該モル比は7.5:1〜25:1の範囲にあることを特徴とする請求項11記載の方法。
  15. 臭素化触媒はAlCl3、AlBr3またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項11記載の方法。
  16. 最初から反応器の中に存在した臭素の量と該混合物をつくるのに使用された臭素の量との和は、臭素対ジフェニルエタンのモル比が14:1〜30:1になるような量であることを特徴とする請求項12記載の方法。
  17. 液体混合物をつくるのに使用された臭素とジフェニルエタンのモル比は7.5:1〜25:1の範囲にあり、全臭素対ジフェニルエタンのモル比が14:1〜30:1の範囲にあることを特徴とする請求項11記載の方法。
  18. 臭素化触媒はAlCl3、AlBr3またはそれらの混合物であることを特徴とすることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 反応媒質は工業的規模の量である請求項11記載の方法。
  20. 撹拌可能な反応媒質の温度は30〜80℃の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  21. 該混合物を該混合物の生成後0.001〜0.05秒以内において反応媒質へ供給することを特徴とする請求項1記載の方法。
  22. 撹拌可能な反応媒質の温度は30〜80℃の範囲にあることを特徴とする請求項11記載の方法。
  23. 該混合物を該混合物の生成後0.001〜0.05秒以内において反応媒質へ供給することを特徴とする請求項11記載の方法。
  24. 全臭素対ジフェニルエタンのモル比が14:1〜30:1の範囲にあることを特徴とする請求項11記載の方法。
  25. 全臭素対ジフェニルエタンのモル比が18:1〜20:1の範囲にあることを特徴とする請求項17記載の方法。
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